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【発明の名称】 アルカリ水溶液可溶性エポキシカルボキシレート化合物及びそれを用いた感光性樹脂組成物並びにその硬化物
【発明者】 【氏名】小柳 敬夫

【要約】 【課題】光感度に優れ、得られた硬化物は、密着性、鉛筆硬度、耐溶剤性、耐酸性、耐熱性、耐金メッキ性等に優れた感光性樹脂組成物を提供する。

【解決手段】分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(a)と分子中にヘテロ環構造を有するモノカルボン酸化合物(b)及び分子中にエチレン性不飽和二重結合を有するモノカルボン酸化合物(c)とを反応させて得られるエポキシカルボキシレート化合物と多塩基酸無水物(d)との反応生成物であることを特徴とするアルカリ水溶液可溶性エポキシカルボキシレート化合物(A)及びそれを用いた感光性樹脂組成物ならびにその硬化物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(a)と分子中にヘテロ環構造を有するモノカルボン酸化合物(b)及び分子中にエチレン性不飽和二重結合を有するモノカルボン酸化合物(c)とを反応させて得られるエポキシカルボキシレート化合物と多塩基酸無水物(d)との反応生成物であることを特徴とするアルカリ水溶液可溶性エポキシカルボキシレート化合物(A)。
【請求項2】分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(a)のエポキシ当量が、90〜600g/当量のエポキシ化合物である請求項1に記載のアルカリ水溶液可溶性エポキシカルボキシレート化合物(A)。
【請求項3】分子中にヘテロ環構造を有するモノカルボン酸化合物(b)が、フラン環構造もしくは、テトラヒドロフラン環構造を有するモノカルボン酸化合物である請求項1または請求項2のいずれか一項に記載のアルカリ水溶液可溶性エポキシカルボキシレート化合物(A)。
【請求項4】分子中にエチレン性不飽和二重結合を有するモノカルボン酸化合物(c)が、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸とε−カプロラクトンとの反応生成物または桂皮酸の中から選択されたモノカルボン酸である請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のアルカリ水溶液可溶性エポキシカルボキシレート化合物(A)。
【請求項5】ヘテロ環構造を有するモノカルボン酸化合物(b)の反応量が、エポキシ樹脂(a)1当量に対し、10〜40当量%である請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のアルカリ水溶液可溶性エポキシカルボキシレート化合物(A)。
【請求項6】多塩基酸無水物(d)が、無水コハク酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水イタコン酸、3−メチル−テトラヒドロ無水フタル酸、4−メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸または、無水マレイン酸の郡の中から選択してなる1種または2種以上の請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のアルカリ水溶液可溶性エポキシカルボキシレート化合物(A)。
【請求項7】固形分酸価が、50〜150mg・KOH/gである請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のアルカリ水溶液可溶性エポキシカルボキシレート化合物(A)。
【請求項8】請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載のアルカリ水溶液可溶性エポキシカルボキシレート化合物(A)、光重合開始剤(B)、架橋剤(C)及び任意成分として硬化成分(D)を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
【請求項9】請求項7に記載の感光性樹脂組成物の硬化物。
【請求項10】請求項9に記載の硬化物の層を有する基材。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルカリ水溶液可溶性エポキシカルボキシレート化合物及びそれを用いた感光性樹脂組成物ならびにその硬化物に関し、更に詳しくは、プリント配線板用ソルダーレジスト、メッキレジスト、多層プリント配線板用層間電気絶縁材料として有用な、現像性に優れ、その硬化皮膜が吸水性が小さく電気絶縁性に優れ、密着性、半田耐熱性、耐薬品性、耐金メッキ性等に優れた硬化物を与える樹脂組成物及びその硬化物に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、一部の民生用プリント配線板並びにほとんどの産業用プリント配線板のソルダーレジストには、高精度、高密度の観点から、露光後、現像することにより画像形成し、熱及び光照射で仕上げ硬化する液状現像型ソルダーレジストが使用されている。また、環境問題への配慮から、現像液として希アルカリ水溶液を用いるアルカリ現像タイプの液状ソルダーレジストが主流になっている。このような希アルカリ水溶液を用いるアルカリ現像タイプのソルダーレジストとしては、例えば、特開昭61−243869号公報には、ノボラック型エポキシ樹脂と不飽和−塩基酸の反応生成物に酸無水物を付加した感光性樹脂、光重合開始剤、希釈剤、及びエポキシ樹脂からなるソルダーレジスト組成物が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、プリント配線板は、増々高精度、高密度となりソルダーレジストへの要求も増々高度となり、従来の要求よりも、より低吸水で基板密着性、高絶縁性、無電解金メッキ性が要求されており、現在市販されているソルダーレジストでは、これら要求に十分に対応できていない。本発明の目的は、今日のプリント配線板の高機能に対応し得る微細な画像を活性エネルギー線に対する感光性に優れ、希アルカリ水溶液による現像によりパターン形成できると共に、後硬化(ポストキュア)工程で熱硬化させて得られる硬化膜が高絶縁性で密着性、無電解金メッキ耐性に優れたソルダーレジストインキに適する樹脂組成物及びその硬化物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前述の課題を解決するため、アルカリ水溶液可溶性エポキシカルボキシレート化合物について鋭意研究の結果、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、(1)分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(a)と分子中にヘテロ環構造を有するモノカルボン酸化合物(b)及び分子中にエチレン性不飽和二重結合を有するモノカルボン酸化合物(c)とを反応させて得られるエポキシカルボキシレート化合物と多塩基酸無水物(d)との反応生成物であることを特徴とするアルカリ水溶液可溶性エポキシカルボキシレート化合物(A)、(2)分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(a)のエポキシ当量が、90〜600g/当量のエポキシ化合物である(1)に記載のアルカリ水溶液可溶性エポキシカルボキシレート化合物(A)、(3)分子中にヘテロ環構造を有するモノカルボン酸化合物(b)が、フラン環構造もしくは、テトラヒドロフラン環構造を有するモノカルボン酸化合物である(1)または(2)のいずれか一項に記載のアルカリ水溶液可溶性エポキシカルボキシレート化合物(A)、(4)分子中にエチレン性不飽和二重結合を有するモノカルボン酸化合物(c)が、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸とε−カプロラクトンとの反応生成物または桂皮酸の中から選択されたモノカルボン酸である(1)ないし(3)のいずれか一項に記載のアルカリ水溶液可溶性エポキシカルボキシレート化合物(A)、(5)ヘテロ環構造を有するモノカルボン酸化合物(b)の反応量が、エポキシ樹脂(a)1当量に対し、10〜40当量%である(1)ないし(4)のいずれか一項に記載のアルカリ水溶液可溶性エポキシカルボキシレート化合物(A)、(6)多塩基酸無水物(d)が、無水コハク酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水イタコン酸、3−メチル−テトラヒドロ無水フタル酸、4−メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸または、無水マレイン酸の郡の中から選択してなる1種または2種以上の(1)ないし(5)のいずれか一項に記載のアルカリ水溶液可溶性エポキシカルボキシレート化合物(A)、(7)固形分酸価が、50〜150mg・KOH/gである(1)ないし(5)のいずれか一項に記載のアルカリ水溶液可溶性エポキシカルボキシレート化合物(A)、(8)(1)ないし(7)のいずれか一項に記載のアルカリ水溶液可溶性エポキシカルボキシレート化合物(A)、光重合開始剤(B)、架橋剤(C)及び任意成分として硬化成分(D)を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物、(9)(7)に記載の感光性樹脂組成物の硬化物、(10)(9)に記載の硬化物の層を有する基材を提供することにある。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明のアルカリ水溶液可溶性エポキシカルボキシレート化合物(A)は、分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(a)と分子中にヘテロ環構造を有するモノカルボン酸化合物(b)及び分子中にエチレン性不飽和二重結合を有するモノカルボン酸化合物(c)とを反応させて得られるエポキシカルボキシレート化合物と多塩基酸無水物(d)との反応生成物であることを特徴とする。
【0006】本発明のアルカリ水溶液可溶性エポキシカルボキシレート化合物(A)を製造するために用いる分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物は、この条件を満たすものであればすべて用いることができるが、特にエポキシ当量が、90〜600g/当量のエポキシ化合物(a)であることが望ましい。エポキシ当量が90未満の場合、エポキシカルボキシレート化合物(A)の分子量が小さく成膜が困難となる恐れや、また、エポキシ当量が600を超える場合、エチレン性不飽和二重結合を有するモノカルボン酸(c)の導入率が低くなり感光性が低くなる恐れがある。
【0007】分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物の具体例としては、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ樹脂、ビスフェノール−A型エポキシ樹脂、ビスフェノール−F型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、ビスフェノール−Aノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格含有エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0008】フェノールノボラック型エポキシ樹脂としては、例えばエピクロンN−770(大日本インキ化学工業(株)製)、D.E.N438(ダウ・ケミカル社製)、エピコート154(油化シェルエポキシ(株)製)、RE−306(日本化薬(株)製)等が挙げられる。クレゾールノボラック型エポキシ樹脂としては、例えばエピクロンN−695(大日本インキ化学工業(株)製)、EOCN−102S、EOCN−103S、EOCN−104S(日本化薬(株)製)、UVR−6650(ユニオンカーバイド社製)、ESCN−195(住友化学工業(株)製)等が挙げられる。
【0009】トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂としては、例えばEPPN−503、EPPN−502H、EPPN−501H(日本化薬(株)製)、TACTIX−742(ダウ・ケミカル社製)、エピコートE1032H60(油化シェルエポキシ(株)製)等が挙げられる。ジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ樹脂としては、例えばエピクロンEXA−7200(大日本インキ化学工業(株)製)、TACTIX−556(ダウ・ケミカル社製)等が挙げられる。
【0010】ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、例えばエピコート828、エピコート1001(油化シェルエポキシ製)、UVR−6410(ユニオンカーバイド社製)、D.E.R−331(ダウ・ケミカル社製)、YD−8125(東都化成社製)等のビスフェノール−A型エポキシ樹脂、UVR−6490(ユニオンカーバイド社製)、YDF−8170(東都化成社製)等のビスフェノール−F型エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0011】ビフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、NC−3000P、NC−3000S(日本化薬(株)性)等のビフェノール型エポキシ樹脂、YX−4000(油化シェルエポキシ(株)製)のビキシレノール型エポキシ樹脂、YL−6121(油化シェルエポキシ(株)製)等が挙げられる。ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂としては、例えばエピクロンN−880(大日本インキ化学工業(株)製)、エピコートE157S75(油化シェルエポキシ(株)製)等が挙げられる。
【0012】ナフタレン骨格含有エポキシ樹脂としては、例えばNC−7000(日本化薬社製)、EXA−4750(大日本インキ化学工業(株)製)等が挙げられる。脂環式エポキシ樹脂としては、例えばEHPE−3150(ダイセル化学工業(株)製)等が挙げられる。複素環式エポキシ樹脂としては、例えばTEPIC,TEPIC−L,TEPIC−H、TEPIC−S(いずれも日産化学工業(株)製)等が挙げられる。
【0013】本発明のアルカリ水溶液可溶性エポキシカルボキシレート化合物(A)を製造するために用いる分子中にヘテロ環構造を有するモノカルボン酸化合物(b)は、この条件を満たすものであればすべて用いることができ、例えば分子中に一種以上の酸素原子、窒素原子及び/又は硫黄原子を含むヘテロ環構造を有するモノカルボン酸化合物が挙げられ、特にその分子中にフラン環構造もしくは、テトラヒドロフラン環構造を有するモノカルボン酸化合物であることが好ましい。フラン環、もしくはテトラヒドロフラン環構造は特に、その構造自身が有する極性のため、金属表面やガラス表面等の基材表面に水素結合され塗膜の密着性を向上させる効果があることが知られている。
【0014】ヘテロ環構造を有するモノカルボン酸化合物(b)の具体例としては、例えば、2−フランカルボン酸、3−フランカルボン酸、3−(2−フリル)アクリル酸、テトラヒドロフラン−2−カルボン酸及びそれらの誘導体等が挙げられる。
【0015】本発明のアルカリ水溶液可溶性エポキシカルボキシレート化合物(A)を製造するために用いる分子中にエチレン性不飽和二重結合を有するモノカルボン酸化合物(c)としては、例えばアクリル酸類やクロトン酸、α−シアノ桂皮酸、桂皮酸、或いは飽和または不飽和二塩基酸と不飽和基含有モノグリシジル化合物との反応物が挙げられる。アクリル酸類としては、例えば(メタ)アクリル酸、β−スチリルアクリル酸、β−フルフリルアクリル酸、飽和または不飽和二塩基酸無水物と1分子中に1個の水酸基を有する(メタ)アクリレート誘導体と当モル反応物である半エステル類、飽和または不飽和二塩基酸とモノグリシジル(メタ)アクリレート誘導体類との当モル反応物である半エステル類等が挙げられるが、感光性樹脂組成物としたときの感度の点で(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸とε−カプロラクトンとの反応生成物または桂皮酸が特に好ましい。
【0016】本発明のアルカリ水溶液可溶性エポキシカルボキシレート化合物(A)を製造するために用いる多塩基酸無水物(d)としては、分子中に酸無水物構造を有する化合物であればすべて用いることができるが、アルカリ水溶液現像性、耐熱性、加水分解耐性等に優れた無水コハク酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水イタコン酸、3−メチル−テトラヒドロ無水フタル酸、4−メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸または、無水マレイン酸が特に好ましい。
【0017】本発明のアルカリ水溶液可溶性エポキシカルボキシレート化合物(A)を製造は、前述のエポキシ化合物(a)と分子中にヘテロ環構造を有するモノカルボン酸化合物(b)及び分子中にエチレン性不飽和二重結合を有するモノカルボン酸化合物(c)とを反応(以下第一の反応という)させたのち、生成するアルコール性水酸基に前述の多塩基酸無水物(d)を半エステル化反応(以下第二の反応という)させて得る。
【0018】第一の反応は、無溶剤もしくはアルコール性水酸基を有さない溶媒、具体的には例えば、アセトン、エチルメチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、グルタル酸ジアルキル、コハク酸ジアルキル、アジピン酸ジアルキル等のエステル類、γ−ブチロラクトン等の環状エステル類、石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤、更には後述する架橋剤(C)等の単独または混合有機溶媒中で反応させることにより得ることができる。
【0019】分子中にヘテロ環構造を有するモノカルボン酸化合物(b)の反応量(以下xとする)としては、エポキシ樹脂(a)1当量に対し、10〜40当量%、分子中にエチレン性不飽和二重結合を有するモノカルボン酸化合物(c)としては、エポキシ樹脂(a)1当量に対し、(100−x)当量%であることが好ましい。xが10当量%未満の場合、塗膜の密着性が不十分になる恐れがあり、また、xが40当量%を超える場合、エチレン性不飽和二重結合の導入量が低くなり、感光性が低下する恐れや、架橋密度が低くなる恐れがあるので好ましくない。
【0020】反応時には、反応を促進させるために触媒を使用することが好ましく、該触媒の使用量は、反応物に対して0.1〜10重量%である。その際の反応温度は60〜150℃であり、また反応時間は、好ましくは5〜60時間である。この反応で使用する触媒としては、例えばトリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリメチルアンモニウムアイオダイド、トリフェニルフォスフィン、トリフェニルスチビン、メチルトリフェニルスチビン、オクタン酸クロム、オクタン酸ジルコニウム等が挙げられる。
【0021】第二の反応は、第一の反応終了後、反応液に前述の多塩基酸無水物(d)を添加し、さらに反応させて得られる。その際の反応温度は60〜150℃であり、また反応時間は、好ましくは5〜60時間である。また、多塩基酸無水物(d)の添加量としては、本発明のアルカリ水溶液可溶性エポキシカルボキシレート化合物(A)の固形分酸価が50〜150mg・KOH/gとなるような計算値を添加することが好ましい。固形分酸価が50mg・KOH/g未満の場合、アルカリ水溶液に対する溶解性が不十分であり、パターニングを行った場合、残渣として残る恐れや最悪の場合パターニングができなるなる恐れがある。また、固形分酸価が150mg・KOH/gを超える場合、アルカリ水溶液に対する溶解性が高くなりすぎ、光硬化したパターンが剥離する等の恐れがあり好ましくない。
【0022】本発明の感光性樹脂組成物は、前述のアルカリ水溶液可溶性エポキシカルボキシレート化合物(A)及び光重合開始剤(B)、架橋剤(C)、任意成分として硬化成分(D)を含有することを特徴とする。
【0023】本発明の感光性樹脂組成物に用いられる光重合開始剤(B)の具体例としては、例えばベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン類;アセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−フェニルプロパン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシンクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロパン−1−オンなどのアセトフェノン類;2−エチルアントラキノン、2−ターシャリーブチルアントラキノン、2−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノンなどのアントラキノン類;2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントンなどのチオキサントン類;アセトフエノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタールなどのケタール類;ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4'−メチルジフェニルサルファイド、4,4'−ビスメチルアミノベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等のホスフィンオキサイド類等が挙げられる。これらの添加割合としては、感光性樹脂組成物の固形分を100重量%としたとき、1〜30重量%、好ましくは、2〜25重量%である。
【0024】これらは、単独または2種以上の混合物として使用でき、さらにはトリエタノールアミン、メチルジエタノールアミンなどの第3級アミン、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル等の安息香酸誘導体等の促進剤などと組み合わせて使用することができる。これらの促進剤の添加量としては、光重合開始剤(B)に対して、100%以下の添加量が好ましい。
【0025】本発明の感光性樹脂組成物に用いられる架橋剤(C)の具体例としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、水酸基含有(メタ)アクリレート(例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート等)と多カルボン酸化合物の酸無水物(例えば、無コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸等)の反応物であるハーフエステル,ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリエトキシトリ(メタ)アクリレート、グリセンポリプロポキシトリ(メタ)アクリレート、ヒドロキシビバリン酸ネオペングリコールのε−カプロラクトン付加物のジ(メタ)アクリレート(例えば、日本化薬(株)製、KAYARAD HX−220、HX−620、等)、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールとε−カプロラクトンの反応物のポリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート、モノ又はポリグリシジル化合物(例えば、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、グリセリンポリグリシジルエーテル、グリセリンポリエトキシグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリエトキシポリグリシジルエーテル等と(メタ)アクリル酸の反応物であるエポキシ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これらの添加割合としては、感光性樹脂組成物の固形分を100重量%としたとき、2〜40重量%、好ましくは、5〜30重量%である。
【0026】本発明の感光性樹脂組成物に使用する任意成分としての硬化成分(D)は、例えば、エポキシ化合物、オキサジン化合物等が挙げられる。硬化成分(D)は、光硬化後の樹脂塗膜に残存するカルボキシル基と加熱により反応し、さらに強固な薬品耐性を有する硬化塗膜を得ようとする場合に特に好ましく用いられる。
【0027】硬化成分(D)に用いられるエポキシ化合物の具体例としては例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ樹脂、ビスフェノール−A型エポキシ樹脂、ビスフェノール−F型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、ビスフェノール−Aノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格含有エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0028】フェノールノボラック型エポキシ樹脂としては、例えばエピクロンN−770(大日本インキ化学工業(株)製)、D.E.N438(ダウ・ケミカル社製)、エピコート154(油化シェルエポキシ(株)製)、RE−306(日本化薬(株)製)等が挙げられる。クレゾールノボラック型エポキシ樹脂としては、例えばエピクロンN−695(大日本インキ化学工業(株)製)、EOCN−102S、EOCN−103S、EOCN−104S(日本化薬(株)製)、UVR−6650(ユニオンカーバイド社製)、ESCN−195(住友化学工業(株)製)等が挙げられる。
【0029】トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂としては、例えばEPPN−503、EPPN−502H、EPPN−501H(日本化薬(株)製)、TACTIX−742(ダウ・ケミカル社製)、エピコートE1032H60(油化シェルエポキシ(株)製)等が挙げられる。ジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ樹脂としては、例えばエピクロンEXA−7200(大日本インキ化学工業(株)製)、TACTIX−556(ダウ・ケミカル社製)等が挙げられる。
【0030】ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、例えばエピコート828、エピコート1001(油化シェルエポキシ製)、UVR−6410(ユニオンカーバイド社製)、D.E.R−331(ダウ・ケミカル社製)、YD−8125(東都化成社製)等のビスフェノール−A型エポキシ樹脂、UVR−6490(ユニオンカーバイド社製)、YDF−8170(東都化成社製)等のビスフェノール−F型エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0031】ビフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、NC−3000P、NC−3000S(日本化薬(株)性)等のビフェノール型エポキシ樹脂、YX−4000(油化シェルエポキシ(株)製)のビキシレノール型エポキシ樹脂、YL−6121(油化シェルエポキシ(株)製)等が挙げられる。ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂としては、例えばエピクロンN−880(大日本インキ化学工業(株)製)、エピコートE157S75(油化シェルエポキシ(株)製)等が挙げられる。
【0032】ナフタレン骨格含有エポキシ樹脂としては、例えばNC−7000(日本化薬社製)、EXA−4750(大日本インキ化学工業(株)製)等が挙げられる。脂環式エポキシ樹脂としては、例えばEHPE−3150(ダイセル化学工業(株)製)等が挙げられる。複素環式エポキシ樹脂としては、例えばTEPIC,TEPIC−L,TEPIC−H、TEPIC−S(いずれも日産化学工業(株)製)等が挙げられる。
【0033】硬化成分(D)用いられるオキサジン化合物の具体例としては例えば、B−m型ベンゾオキサジン、P−a型ベンゾオキサジン、B−a型ベンゾオキサジン(いずれも四国化成工業(株)製)が挙げられる。
【0034】硬化成分(D)の添加割合としては、本発明のアルカリ水溶液可溶性エポキシカルボキシレート化合物の固形分酸価と使用量から計算された当量の200%以下の量が好ましい。この量が200%を超えると本発明の感光性樹脂組成物の現像性が著しく低下する恐れがあり好ましくない。
【0035】さらに必要に応じて各種の添加剤、例えば、タルク、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、チタン酸バリウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、シリカ、クレーなどの充填剤、アエロジルなどのチキソトロピー付与剤;フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、酸化チタンなどの着色剤、シリコーン、フッ素系のレベリング剤や消泡剤;ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテルなどの重合禁止剤などを組成物の諸性能を高める目的で添加することが出来る。
【0036】なお、前述の硬化成分(D)は、予め前記、樹脂組成物に混合してもよいが、プリント配線板への塗布前に混合して用いるのが好ましい。すなわち、前記、(A)成分を主体とし、これにエポキシ硬化促進剤等を配合した主剤溶液と、前記(D)成分を主体とした硬化剤溶液の二液型に配合し、使用に際してこれらを混合して用いることが好ましい。
【0037】本発明の感光性樹脂組成物は、支持体として例えば重合体フィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン等からなるフィルム)上に塗布した感光性フィルムとして用いることもできる。
【0038】本発明の感光性樹脂組成物(液状又はフィルム状)は、電子部品の層間の絶縁材として、またプリント基板用のソルダーレジスト等のレジストインキとして有用である他、印刷インキ、卦止剤、塗料、コーティング剤、接着剤等としても使用できる。
【0039】本発明の硬化物は、紫外線等のエネルギー線照射により上記の本発明の樹脂組成物を硬化させたものである。紫外線等のエネルギー線照射により硬化は常法により行うことができる。例えば紫外線を照射する場合、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノン灯、紫外線発光レーザー(エキシマーレーザー等)等の紫外線発生装置を用いればよい。本発明の樹脂組成物の硬化物は、例えば永久レジストやビルドアップ工法用の層間絶縁材としてプリント基板のような電気・電子部品に利用される。この硬化物層の膜厚は0.5〜160μm程度で、1〜60μm程度が好ましい。
【0040】本発明のプリント配線板は、例えば次のようにして得ることができる。即ち、液状の樹脂組成物を使用する場合、プリント配線用基板に、スクリーン印刷法、スプレー法、ロールコート法、静電塗装法、カーテンコート法等の方法により好ましくは5〜160μmの膜厚で本発明の組成物を塗布し、塗膜を通常60〜110℃、好ましくは60〜100℃の混度で乾燥させることにより、タックフリーの塗膜が形成できる。その後、ネガフィルム等の露光パターンを形成したフォトマスクを塗膜に直接に接触させ(又は接触しない状態で塗膜の上に置く)、紫外線を通常10〜2000mJ/cm2程度の強さで照射し、未露光部分を後述する現像液を用いて、例えばスプレー、揺動浸漬、ブラッシング、スクラッビング等により現像する。その後、必要に応じてさらに紫外線を照射し、次いで通常100〜200℃、好ましくは140〜180℃の温度で加熱処理をすることにより、湿熱試験後の電気絶縁性に優れ、無電解金メッキ性に優れ、耐熱性、耐溶剤性、耐酸性、密着性等の諸特性を満足する永久保護膜を有するプリント配線板が得られる。
【0041】上記、現像に使用される、アルカリ水溶液としては水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム等の無機アルカリ水溶液やテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラエチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラブチルアンモニウムハイドロオキサイド、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリ水溶液が使用できる。
【0042】
【実施例】以下、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明が下記実施例に限定されるものでない。
【0043】実施例1攪拌装置、還流管をつけた2Lフラスコ中に、分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(a)として、日本化薬(株)製 NER−7000(多官能ビスフェノール−F型エポキシ樹脂、エポキシ当量:300.72g/当量)を376.9g、分子中にヘテロ環構造を有するモノカルボン酸化合物(b)として、2−フランカルボン酸(分子量:112.08)を28.1g、分子中にエチレン性不飽和二重結合を有するモノカルボン酸化合物(c)としてアクリル酸(分子量:72.06)を72.3g、反応溶剤として、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下PGMEAという)を159.1g、熱重合禁止剤として2−メチルハイドロキノンを0.32g、及び反応触媒としてトリフェニルフォスフィンを1.9g仕込み、98℃の温度で反応液の酸価が、2mg・KOH/g以下になるまで反応させた。次いでこの反応液に多塩基酸無水物(d)として、テトラヒドロ無水フタル酸(分子量:152.15)を172.7g、PGMEAを190.9g、2−メチルハイドロキノンを0.50g仕込み、95℃の温度で5時間反応させ、本発明のアルカリ水溶液可溶性エポキシカルボキシレート化合物65重量%を含む樹脂液を得た。固形分酸価を測定したところ、100mg・KOH/gであった。この樹脂溶液をA−1とする。
【0044】実施例2攪拌装置、還流管をつけた2Lフラスコ中に、分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(a)として、日本化薬(株)製 EOCN−104S(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量:220g/当量)を345.3g、分子中にヘテロ環構造を有するモノカルボン酸化合物(b)として、2−フランカルボン酸(分子量:112.08)を52.8g、分子中にエチレン性不飽和二重結合を有するモノカルボン酸化合物(c)としてアクリル酸(分子量:72.06)を79.2g、反応溶剤として、カルビトールアセテート(以下CAという)を159.1g、熱重合禁止剤として2−メチルハイドロキノンを0.32g、及び反応触媒としてトリフェニルフォスフィンを1.9g仕込み、98℃の温度で反応液の酸価が、2mg・KOH/g以下になるまで反応させた。次いでこの反応液に多塩基酸無水物(d)として、テトラヒドロ無水フタル酸(分子量:152.15)を172.7g、CAを190.9g、2−メチルハイドロキノンを0.50g仕込み、95℃の温度で5時間反応させ、本発明のアルカリ水溶液可溶性エポキシカルボキシレート化合物65重量%を含む樹脂液を得た。固形分酸価を測定したところ、105mg・KOH/gであった。この樹脂溶液をA−2とする。
【0045】実施例3攪拌装置、還流管をつけた2Lフラスコ中に、分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(a)として、日本化薬(株)製 EPPN−503(トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、エポキシ当量:182g/当量)を348.2g、分子中にヘテロ環構造を有するモノカルボン酸化合物(b)として、2−フランカルボン酸(分子量:112.08)を64.3g、分子中にエチレン性不飽和二重結合を有するモノカルボン酸化合物(c)としてアクリル酸(分子量:72.06)を96.5g、反応溶剤として、CAを169.7g、熱重合禁止剤として2−メチルハイドロキノンを0.34g、及び反応触媒としてトリフェニルフォスフィンを2.0g仕込み、98℃の温度で反応液の酸価が、2mg・KOH/g以下になるまで反応させた。次いでこの反応液に多塩基酸無水物(d)として、テトラヒドロ無水フタル酸(分子量:152.15)を141.0g、CAを180.3g、2−メチルハイドロキノンを0.50g仕込み、95℃の温度で5時間反応させ、本発明のアルカリ水溶液可溶性エポキシカルボキシレート化合物65重量%を含む樹脂液を得た。固形分酸価を測定したところ、105mg・KOH/gであった。この樹脂溶液をA−3とする。
【0046】実施例4〜6前記実施例1〜3で得られた(A−1)、(A−2)及び(A−3)を表1に示す配合割合で混合、必要に応じて3本ロールミルで混練し、本発明の感光性樹脂組成物を得た。これをスクリーン印刷法により、乾燥膜厚が15〜25μmの厚さになるようにプリント基板に塗布し塗膜を80℃の熱風乾燥器で30分乾燥させた。次いで、紫外線露光装置((株)オーク製作所、型式HMW−680GW)を用い回路パターンの描画されたマスクを通して紫外線を照射した。その後、1%炭酸ナトリウム水溶液でスプレー現像を行い、紫外線未照射部の樹脂を除去した。水洗乾燥した後、プリント基板を150℃の熱風乾燥器で60分加熱硬化反応させ硬化膜を得た。得られた硬化物について、後述のとおり、光感度、表面光沢、基板そり、密着性、鉛筆硬度、耐溶剤性、耐酸性、耐熱性、耐金メッキ性の試験を行なった。それらの結果を表2に示す。なお、試験方法及び評価方法は次のとおりである。
【0047】(現像性)下記の評価基準を使用した。
○・・・・現像時、完全にインキが除去され、現像できた。
×・・・・現像時、現像されない部分がある。
【0048】(解像性)乾燥後の塗膜に、50μmのネガパターンを密着させ積算光量200mJ/cm2の紫外線を照射露光する。次に1%の炭酸ナトリウム水溶液で60秒間、2.0kg/cm2のスプレー圧で現像し、転写パターンを顕微鏡にて観察する。下記の基準を使用した。
○・・・・パターンエッジが直線で、解像されている。
×・・・・剥離もしくはパターンエッジがぎざぎざである。
【0049】(光感度)乾燥後の塗膜に、ステップタブレット21段(コダック社製)を密着させ積算光量500mJ/cm2 の紫外線を照射露光する。次に1%の炭酸ナトリウム水溶液で60秒間、2.0kg/cm2 のスプレー圧で現像し、現像されずに残った塗膜の段数を確認する。
【0050】(表面光沢)乾燥後の塗膜に、500mJ/cm2 の紫外線を照射露光する。次に1%の炭酸ナトリウム水溶液で60秒間、2.0kg/cm2のスプレー圧で現像し、乾燥後の硬化膜を観察する。下記の基準を使用した。
○・・・・曇りが全く見られない×・・・・若干の曇りが見られる【0051】(基板そり)下記の基準を使用した。
○・・・・基板にそりは見られない△・・・・ごくわずか基板がそっている×・・・・基板のそりが見られる【0052】(密着性)JIS K5400に準じて、試験片に1mmのごばん目を100個作りセロテープ(登録商標)によりピーリング試験を行った。ごばん目の剥離状態を観察し、次の基準で評価した。
〇・・・・剥れのないもの×・・・・剥離するもの【0053】(鉛筆硬度)JIS K5400に準じて評価を行った。
【0054】(耐溶剤性)試験片をイソプロピルアルコールに室温で30分間浸漬する。外観に異常がないか確認した後、セロテープによるピーリング試験を行い、次の基準で評価した。
○・・・・塗膜外観に異常がなく、フクレや剥離のないもの×・・・・塗膜にフクレや剥離のあるもの【0055】(耐酸性)試験片を10%塩酸水溶液に室温で30分浸漬する。外観に異常がないか確認した後、セロテープによるピーリング試験を行い、次の基準で評価した。
○・・・・塗膜外観に異常がなく、フクレや剥離のないもの×・・・・塗膜にフクレや剥離があるもの【0056】(耐熱性)試験片にロジン系プラックスを塗布し260℃の半田槽に5秒間浸漬した。これを1サイクルとし、3サイクル繰り返した。室温まで放冷した後、セロテープによるピーリング試験を行い、次の基準で評価した。
〇・・・・塗膜外観に異常がなく、フクレや剥離のないもの×・・・・塗膜にフクレや剥離のあるもの【0057】(耐金メッキ性)試験基板を、30℃の酸性脱脂液(日本マクダーミット製、Metex L−5Bの20vol%水溶液)に3分間浸漬した後、水洗し、次いで、14.4wt%過硫酸アンモン水溶液に室温で3分間浸漬した後、水洗し、更に10vol%硫酸水溶液に室温で試験基板を1分間浸漬した後水洗した。次に、この基板を30℃の触媒液(メルテックス製、メタルプレートアクチベーター350の10vol%水溶液)に7分間浸漬し、水洗し、85℃のニッケルメッキ液(メルテックス製、メルプレートNi−865Mの20vol%水溶液、pH4.6)に20分間浸漬し、ニッケルメッキを行った後、10vol%硫酸水溶液に室温で1分間浸漬し、水洗した。次いで、試験基板を95℃の金メッキ液(メルテックス製、オウロレクトロレスUP15vol%とシアン化金カリウム3vol%の水溶液、pH6)に10分間浸漬し、無電解金メッキを行った後、水洗し、更に60℃の温水で3分間浸漬し、水洗し、乾燥した。得られた無電解金メッキ評価基板にセロハン粘着テープを付着し、剥離したときの状態を観察した。
○:全く異常が無いもの。
×:若干剥がれが観られたもの。
【0058】(耐PCT性)試験基板を121℃、2気圧の水中で96時間放置後、外観に異常がないか確認した後、セロテープによるピーリング試験を行い、次の基準で評価した。
○・・・・塗膜外観に異常がなく、フクレや剥離のないもの×・・・・塗膜にフクレや剥離があるもの【0059】(耐熱衝撃性)試験片を、−55℃/30分、125℃/30分を1サイクルとして熱履歴を加え、1000サイクル経過後、試験片を顕微鏡観察し、次の基準で評価した。
○・・・・塗膜にクラックの発生のないもの×・・・・塗膜にクラックが発生したもの【0060】
表1 実施例 注 4 5 6樹脂溶液 A−1 47.73 A−2 39.98 A−3 39.98架橋剤(C)
DPCA−60 *1 7.76 DPHA *2 7.50 7.50光重合開始剤(B)
イルガキュアー907 *3 6.38 3.75 3.75 DETX−S *4 0.64 0.38 0.38硬化成分(D)
NC−3000S *5 14.93 YX−4000 *6 3.75 TEPIC *7 3.75 EOCN−1020 *8 9.00熱硬化触媒 メラミン 1.01 1.13 1.13フィラー 硫酸バリウム 17.62 12.56 球状シリカ 12.97 8.25 タルク 0.75 12.56 フタロシアニンブルー 0.74 0.64 0.64添加剤 BYK−354 *9 0.74 0.75 0.75 KS−66 *10 0.74 0.75 0.75溶剤 PGMEA 6.36CA 11.00 11.00【0061】注*1 日本化薬製 :ε−カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート*2 日本化薬製 :トリメチロールプロパントリアクリレート*3 Vantico製 :2−メチル−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノ−1−プロパン*4 日本化薬製 :2,4−ジエチルチオキサントン*5 日本化薬製 :多官能ビフェニル骨格エポキシ樹脂*6 JER製 :2官能ビフェニル骨格エポキシ樹脂*7 日産化学製 :トリスグリシジルイソシアヌレート*8 日本化薬製 :クレゾールノボラック型エポキシ樹脂*9 ビックケミー製:レベリング剤*10 信越化学製 :消泡剤【0062】

【0063】表2の結果から明らかなように、本発明の感光性樹脂組成物は高感度であり、その硬化膜も半田耐熱性、耐薬品性、耐金メッキ性等に優れ、また硬化物表面にクラックが発生せず、薄膜化された基板を用いた場合でも基板にそりの無いプリント基板用感光性樹脂組成物であることは明らかである。
【0064】
【発明の効果】本発明のアルカリ水溶液可溶性エポキシカルボキシレート化合物及びそれを用いた感光性樹脂組成物は、紫外線により露光硬化することによる塗膜の形成において、光感度に優れ、得られた硬化物は、密着性、鉛筆硬度、耐溶剤性、耐酸性、耐熱性、耐金メッキ性等も十分に満足するものであり、特に、プリント配線板用感光性樹脂組成物に適している。
【出願人】 【識別番号】000004086
【氏名又は名称】日本化薬株式会社
【出願日】 平成13年2月9日(2001.2.9)
【代理人】
【公開番号】 特開2002−234932(P2002−234932A)
【公開日】 平成14年8月23日(2002.8.23)
【出願番号】 特願2001−34002(P2001−34002)