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【発明の名称】 ガスライタ用フィルタに適したポリウレタンフォーム及びそのポリウレタンフォームから成るフィルタを用いたガスライタ
【発明者】 【氏名】岩堀 富久生

【要約】 【課題】ガスライタ用フィルタに適したポリウレタンフォームと、これにより作製したフィルタを備え、燃料タンク内の液温が変化しても、炎長がさほど変化しないガスライタを提供する。

【解決手段】ポリイソシアネート及びポリオール成分を含む組成物を反応させて得られるポリウレタンフォームにおいて、上記ポリオール成分が、ポリエステル系ポリオールと、ポリエーテル系ポリオールとから成り、それらの合計量を100重量%としたとき、ポリエステル系ポリオールの配合比が10%以上、50%以下であることを特徴とするポリウレタンフォームにより解決できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】ポリイソシアネート及びポリオール成分を含む組成物を反応させて得られるポリウレタンフォームにおいて、上記ポリオール成分が、ポリエステル系ポリオールと、ポリエーテル系ポリオールとから成り、それらの合計量を100重量%としたとき、ポリエステル系ポリオールの配合比が10%以上、50%以下であることを特徴とする、ガスライタ用フィルタに適したポリウレタンフォーム。
【請求項2】ポリエステル系ポリオールの上記配合比が15%以上、40%以下である請求項1に記載のガスライタ用フィルタに適したポリウレタンフォーム。
【請求項3】ポリエステル系ポリオールの上記配合比が20%以上、30%以下である請求項1に記載のガスライタ用フィルタに適したポリウレタンフォーム。
【請求項4】液化ガス燃料タンクを有するライタ本体の上部に、燃料放出装置(10)と、点火装置と、それらを制御するためのレバー機構とを設けると共に、燃料放出装置のバルブが開放されたとき、燃料タンクに充填した液化燃料を気化し、ノズルに供給するため燃料通路に配置されるフィルタ(25)を設けて成るガスライタにおいて、当該フィルタ(25)を請求項1ないし3のいずれかに記載のポリウレタンフォームで作製したことを特徴とするガスライタ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスライタ用フィルタに適したポリウレタンフォーム及びそのポリウレタンフォームから成るフィルタを用いたガスライタに関する。
【0002】
【従来の技術】液化ガス燃料タンクを有するライタ本体の上部に、燃料放出装置と、点火装置と、それらを制御するためのレバー機構とを設け、燃料タンクに液化ガス燃料を充填して成るガスライタは広く用いられている。
【0003】このガスライタは、制御レバーが操作されると、燃料放出ノズルの下端に設けられている弁が開かれ、燃料タンクからキャピラリーにより吸い上げられた液化燃料が、フィルタを通って気化せしめられ、その気化したガス燃料が上記弁から燃料放出ノズルを通って外気に放出されると共に、弁の開放と同時に作動する着火装置により、燃料放出ノズルから噴出するガスが点火され、燃焼するようになっている。
【0004】然しながら、燃料として使用する液化ガスの飽和蒸気圧は温度により大幅に変化するので、従来公知のガスライタにおいては、液化ガスの温度が上昇すると、フィルタを通過して気化するガス量が増大して炎が長大になり過ぎ危険であり、逆に温度が低下すると炎が短くなり過ぎ、燃焼が不安定になると言う問題があった。
【0005】ガスライタには、使用者が使用時の温度に合せて炎長を好みの長さに調節し得るようにするため、炎の長さを調節する装置が設けられているが、使用者は季節の変動などに応じてしばしばこの装置を操作して炎長を適切に調整しなければならず、不便であった。又、使用者が、新しいライタを点火する際や、温度の変動に気付かず不用意に点火したときなど、長大な炎が生じることがあり、危険であった。
【0006】このような問題点を解決するため、本出願人は先に特願2000−271947において、燃料タンク内の液温が変化しても、炎長がさほど変化しないガスライタを提供すべく、ガスライタの燃料気化装置中で用いるフィルタとして、液化燃料中に浸漬した際の体積膨潤率が温度と共に上昇し、気泡容積率が減少して、液化ガスの流動抵抗が高められ、その結果として液化ガスの通過流量が温度に関係なく一定となるよう構成された新規なフィルタを用いたガスライタを開示した。
【0007】即ち、ガスライタ用のフィルタとしては、従来、使用する液体燃料に対して安定であること、即ち、液体燃料に浸漬しても膨潤又は変質しないことが望ましいと考えられていたものであるが、上記特願2000−271947に係る発明においては、従来公知のガスライタで用いられてきたものより、遥かに膨潤率の高いフィルタを用いるようにした。具体的に言えば、当該発明において用いられるフィルタは、ガスライタにそのまま使用できる部品に加工された状態で、23℃のノルマルヘキサン中に1時間浸漬し、その前後の体積を比較、算出した膨潤率が、5%以上、80%以下、望ましくは5%以上、60%以下、更に望ましくは5%以上、30%以下となるようなものである。このように膨潤率の高い素材は、温度によりその膨潤率が変化する性質があるため、上記特願2000−271947に係る発明においては、この性質を利用して、広い温度範囲内で炎の長さを一定に保持しようとするものである。因みに、従来公知のガスライタで使用されているフィルタの体積膨潤率は2%以下である。
【0008】なおここで、上記体積膨潤率について簡単に説明すれば、ガスライタに用いられる液化ガスは、プロパン、イソブタン、ノルマルブタン、又はそれらの混合物であり、その組成が一定でないので、基準の試験液としてノルマルヘキサンを用いることが推奨される。即ち、試料をノルマルヘキサン中に常温で1時間浸漬し、その前後の体積を比較して体積膨潤率を算出するものである。
【0009】而して、上記の如き体積膨潤率を有し、ガスライタ用フィルタとして好適な素材を得ることは必ずしも容易ではなく、その新たな開発が望まれていた。即ち、ガスライタ用フィルタの素材として、従来は、ポリウレタンフォームが用いられているが、エーテル系ポリウレタンは耐薬品性が低いため、ガスライタ用フィルタはすべてエステル系ポリウレタン製であった。また、従来公知のエステル・エーテル混合系ポリウレタンは、いずれもエーテル系ポリオールの配合比が高く、適切な膨潤率が得られなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる要請に応えるためなされたものであり、その第1の目的は、体積膨潤率が5%以上、30%以下となるようなガスライタ用フィルタとして最適の膨潤率を有する素材を提供することにある。また、本発明の第2の目的は、そのような素材により作製されたフィルタを用いたガスライタを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の上記第1の目的は、ポリイソシアネート及びポリオール成分を含む組成物を反応させて得られるポリウレタンフォームにおいて、上記ポリオール成分が、ポリエステル系ポリオールと、ポリエーテル系ポリオールとから成り、それらの合計量を100重量%としたとき、ポリエステル系ポリオールの配合比が10%以上、50%以下、望ましくは15%以上、40%以下、更に望ましくは20%以上、30%以下であることを特徴とする、ガスライタ用フィルタに適したポリウレタンフォームによって達成することができる。
【0012】本発明の上記第2の目的は、液化ガス燃料タンクを有するライタ本体の上部に、燃料放出装置と、点火装置と、それらを制御するためのレバー機構とを設けると共に、燃料放出装置のバルブが開放されたとき、燃料タンクに充填した液化燃料を気化し、ノズルに供給するため燃料通路に配置されるフィルタを設けて成るガスライタにおいて、当該フィルタを上記本発明に係るポリウレタンフォームで作製したことを特徴とするガスライタによって達成される。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明に係るポリウレタンフォームは、上記の如く、ポリイソシアネート、ポリエステル系ポリオール、ポリエーテル系ポリオールを反応させ、その場合、それらの合計量を100重量%としたとき、ポリエステル系ポリオールの配合比を10%以上、50%以下、望ましくは15%以上、40%以下、更に望ましくは20%以上、30%以下としたことを特徴とするものである。而して、本発明で原料として用いるポリイソシアネートは、ポリウレタンフォーム製造に用いる公知のものであり特に限定はされないが、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、4, 4’−ジフェニルジイソシアネート、1, 6−ヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、4, 4’−ジイソシアナトジベンジル、2, 4, 6 −トルエントリイソシアネートや、或いはまた、トルエンジイソシアネートのNCO基の末端プレポリマー、ピュアージフェニルメタンジイソシアネートのNCO基の末端プレポリマー等々が用いられ、それらが単独で、もしくは2種以上の混合物として用いられる。
【0014】本発明で原料として用いるポリエステル系ポリオールは、ポリウレタンフォーム製造に用いる公知のものであり特に限定はされないが、例えば、ジカルボン酸と2価アルコールとを縮合して得られるポリエステル系ポリオールが用いられる。その場合のジカルボン酸としては、マレイン酸、アジピン酸、フタル酸、セバシン酸、フマル酸、テレフタル酸等々が挙げられ、また、2価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール等々が挙げられる。更にまた、ラクトンの開環重合によって得られるポリエステル系ポリオールも用いられる。
【0015】本発明で原料として用いるポリエーテル系ポリオールは、ポリウレタンフォーム製造に用いる公知のものであり特に限定はされないが、多価アルコールとアルキレンオキサイドを付加重合して得られるポリエーテル系ポリオールが用いられる。その場合の多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、トリエタノールアミン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ソルビトール等々が挙げられ、また、アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド等々が挙げられる。
【0016】上記主原料のほか、触媒、発泡剤、整泡剤等を添加する。本発明で用いる触媒は、ポリウレタンフォーム製造に用いる公知のものであり特に限定はされないが、アミン系触媒や金属系触媒が好適に用いられる。アミン系触媒としては、例えば、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリエチレンジアミン、テトラメチルヘキサメチレンジアミン、ジメチルエタノールアミン等々が挙げられる。また、金属系触媒としては、例えば、オクチル酸錫、ラウリン酸錫、オクタン酸鉛、ナフテン酸ニッケル等々が挙げられる。
【0017】本発明で用いる発泡剤は、ポリウレタンフォーム製造に用いる公知のものであり特に限定はされないが、例えば、水、トリクロロモノフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、メチレンクロライド、トリクロロエタン、モノフルオロトリクロロメタン等々が用いられる。
【0018】本発明で用いる整泡剤は、ポリウレタンフォーム製造に用いる公知のものであり特に限定はされないが、例えば、有機シリコン界面活性剤を用いることができる。
【0019】以上の各原料を所定の割合で配合し、撹拌、混合して反応させることによりポリウレタンフォームを製造するものであるが、ポリイソシアネートとポリオール成分の配合比は、常法に従い、重量比で、ポリイソシアネートを1としたときポリオール成分を1.4〜1.9程度の範囲とし、また、ポリオール成分については、本発明においては、ポリエステル系ポリオール及びポリエーテル系ポリオールの合計量を100重量%としたとき、ポリエステル系ポリオールの配合比を10%以上、50%以下、望ましくは15%以上、40%以下、更に望ましくは20%以上、30%以下となるように配合するものである。触媒、発泡剤、整泡剤の配合量は公知の範囲で適宜調整する。これらの各原料を10℃〜40℃程度の温度範囲において撹拌、混合し、所定の型内に流し入れて反応させる。ガスライタ用のフィルタとする場合は、厚さ10mm〜30mm程度にスライスし、更にこれを熱圧縮プレスにより厚さ0.6mm〜5mm程度のシート状若しくは板状に圧縮した後、これを例えば外径3〜5mm程度、内径1〜2mm程度のリング状のフィルタ(後述の図1、図2等において参照番号25で示す。)に打ち抜き加工する。
【0020】ポリエステル系ポリオールとポリエーテル系ポリオールの配合比を上記の範囲内とすることによって、得られたポリウレタンフォームをガスライタにそのまま使用できるフィルタ部品に加工した状態で、23℃のノルマルヘキサン中に1時間浸漬し、その前後の体積を比較、算出した膨潤率が、5%以上、30%以下というガスライタの炎長の安定化に最も望ましい値となるものである。これらの各ポリオールの上記配合比において、ポリエステル系ポリオールの配合比が10%未満であるとポリエーテル系ポリオールの配合比が高くなり過ぎて耐薬品性が低下し、また、ポリエステル系ポリオールの配合比が50%を超えると、膨潤率が低くなり過ぎて、ガスライタの炎長の安定化を図ることができなくなるという不都合がある。
【0021】なお、上記体積膨潤率の基礎となるかさ密度は、素材となる樹脂の組成のみでなく、その空孔率、平均気泡径又は繊維径などにより大幅に変化するものである。本明細書で単にかさ密度と言うときは、ガスライタに装着できる形状に加工された状態におけるかさ密度を言うものとする。
【0022】而して、フィルタ素材の膨潤率に対応して、フィルタに適切な空孔率を与えることにより、一定の温度範囲内で、炎長を略一定とすることが出来る。この適切な空孔率は簡単な実験で決定することができ、ガスライタが通常用いられる温度範囲で、実用上、炎長を一定と見られる範囲に保持することができる。
【0023】次に、図面を参照しつつ、上記本発明に係るポリウレタンフォームから成るフィルタを用いた本発明に係るガスライタについて説明する。図1は、本発明に係るガスライタの第1実施例の要部の構成を示す断面図、図2は、図1に示したガスライタに用いるフィルタの一部破断斜視図、図3は、図2に示したフィルタの常温時における断面構造を拡大して示した模式図、図4は、図2に示したフィルタの高温時における断面構造を拡大して示した模式図、図5は、図2に示したフィルタの低温時における断面構造を拡大して示した模式図、図6は、図1に示したガスライタと、公知のガスライタの、温度/炎長特性を対比して示すグラフ、図7は、燃料ガスの飽和蒸気圧線図である。
【0024】先ず、図1ないし図6を参照して本発明の第1実施例について説明する。図1中、1はライタ本体であり、このライタ本体1の下部は燃料タンク1aになっており、上端部1bは、燃料放出装置10、並びに、図示されていない点火装置及びそれらの制御レバー装置が取り付けられるベースとなっている。この燃料タンク1a内には液化燃料5aが充填されており、その上方空間には気化燃料5bが充満している。ライタ本体1の上端部1bには燃料放出装置の取付ネジ孔1cが形成されていて、その取付ネジ孔1cには燃料放出装置10が取り付けられている。
【0025】燃料放出装置10は、ノズルホルダー11、弁座12a を備えたバルブボディ12、通気孔13a を有するノズル13、コイルスプリング15、Oリング17及びバルブ19からなるバルブアッセンブリと、中央にピン部23a を有するディスクから成る釘状部材23、多孔質材料から成り中心に釘状部材23のピン部23a が挿通される孔を有するリング状のフィルタ25、液化燃料を吸い上げるキャピラリー27及びキャピラリーホルダー29とから成る燃料気化装置とにより構成されている。
【0026】ノズル13の下端にはバルブ19が固着されており、ノズルホルダー11には、Oリング17、コイルスプリング15及びノズル13が挿入され、更にそのノズルホルダー11の下端部には、バルブボディ12が圧入され、これによりバルブアッセンブリが組み立てられる。ノズル13は、コイルスプリング15の弾性力により、常時バルブボディ12に向かって押圧され、その下端に取り付けられたバルブ19は、バルブボディ12の弁座12a を閉鎖している。
【0027】キャピラリー27は、キャピラリーホルダー29に挿通され、Oリング33と共に、ライタ本体1 に設けられた取付穴1dに装着され、そのキャピラリー27の上端面には、釘状部材23がそのピン部23a を上向きにして載置され、そのピン部23a にフィルタ25が嵌め込まれ、次いで上記バルブアッセンブリがシール部材として用いられるOリング33と共に、ライタ本体1に取り付けられる。
【0028】而して、これらの構成及び作用効果は、フィルタ25の構成と、Oリング33を設けることを除いて、公知のものと同一であり、また本発明との関連では、フィルタ25の構成が重要であるので、以下には、フィルタ25の構成を中心にその作用効果を説明する。
【0029】フィルタ25の構成であるが、従来このフィルタは、使用する液体燃料に対して安定であることが望ましいと考えられてきた。即ち、液体燃料に浸漬しても膨潤又は変質しないことが望ましいと考えられていたものである。因みに、従来公知のガスライタで使用されているフィルタの体積膨潤率は、2%以下である。
【0030】本発明においては、従来公知のガスライタで用いられてきたものより、遥かに膨潤率の高い前記組成のポリウレタンフォームから成るフィルタを用いる。具体的に言えば、本発明において用いられるフィルタは、ガスライタにそのまま使用できる部品に加工された状態で、23℃のノルマルヘキサン中に1時間浸漬し、その前後の体積を比較、算出した膨潤率が5%以上、30%以下となるような前記組成の本発明に係るポリウレタンフォームで作製する。基準としてノルマルヘキサンを用いる理由は既に述べた。このように膨潤率の高い素材は、温度によりその膨潤率が変化する性質がある。本発明はこの性質を利用して、広い温度範囲内で炎の長さを一定に保持しようとするものである。
【0031】而して、本発明においては、フィルタの膨潤率及び他の部材のデザインに対応して、最適のフィルタかさ密度を実験により決定する必要がある。膨潤率と最適かさ密度との関係は、フィルタの素材の組成や繊維径、繊維組織の立体的構造、フィルタの厚みや径などの他、後に述べるシール部材33その他の要部部材のデザインにより影響を受けるので、必ずしも一義的に定められるものでないが、膨潤率5 〜80%の範囲で概ね実用に供し得る最適かさ密度を見出すことができる。膨潤率80%以上でも本発明の目的を達成し得るが、そのような高膨潤率のものは設計及び組立に困難が生じるので実用的でない。又、5 %以下の膨潤率では、炎の安定効果が不充分となる。望ましい膨潤率は、5 %以上、30%以下であり、本発明に係る前記組成のポリウレタンフォームはこれに最も好適に適合するものである。
【0032】本発明のガスライタの基本原理を、図3、4及び5を用いて説明する。図中、25a はフィルタ25中の連続気泡などから成る空洞部分、25b は樹脂材料から成る実体部分である。燃料は、空洞部分25a を通って流れ、圧力の低下に伴って気化する。
【0033】図3は室温に近い温度TR におけるフィルタの状態を示す。このとき、フィルタの上流側に作用する液体燃料の飽和蒸気圧をP、フィルタを通るガス流量をQとする。このときの膨潤率は中程度である。温度が室温より高い温度TH となったときの状態は、図4 に示されている。このときは、フィルタの上流側に作用する液体燃料の飽和蒸気圧がPH まで高まるが、フィルタの膨潤率も高まるので燃料の通路となる空洞部分25a が狭窄され、ガス流量の増加が抑制され、その結果、常温時のガス流量Qが維持される。
【0034】温度が室温より低い温度TL に低下すると図5に示されているように、フィルタの上流側に作用する液体燃料の飽和蒸気圧がPL に下がるが、フィルタの膨潤率が低下するので、燃料の通路となる空洞部分25a が拡大され、ガス流量は低下せず、この場合も常温時のガス流量Qが維持される。
【0035】このようなガス流量の自動調節を実現するためには、フィルタの膨潤率に対応して、実験などによりフィルタの空隙率を適切に設定することが必要である。フィルタの望ましいかさ密度は、一般的には0.1 〜2g/cm3程度、望ましくは0.2 〜1.2g/cm3程度である。このフィルタの厚みは、通常使用時の望ましい炎長、即ち、約30mmの炎長を得ようとするときは0.6 mm以上、望ましくは1 〜5 mmとすることが推奨される。
【0036】例えば、かさ密度0.02〜0.08g/cm3 のポリウレタンフォームを熱圧縮してかさ密度0.2 〜1.2g/cm3、厚さ1 〜5mm のシートとし、所望の形状に打ち抜いて使用することが推奨される。このような高い体積膨潤率と、それに対応する適切なかさ密度を有するフィルタを用いることによって、所望の温度範囲で炎長の変化を抑制する効果を得ることができる。
【0037】図6には、本実施例に係るガスライタと、従来品の炎長/温度特性を対比して示してある。この図から、従来品の場合には温度の上昇に伴って炎長が大幅に長くなっているのに対して、本実施形態のものは10ないし60℃という広い温度範囲で略一定になっていることが判明する。
【0038】次に、Oリング33の作用であるが、このOリング33を設置することにより、燃料タンク1a内の気化燃料5bが、キャピラリーホルダ29とライタ本体1 の内面との間の隙間を通ってフィルタ25の内部に侵入することが防止できる。このOリング33が設けられていないと、気化燃料5bがフィルタ25内に侵入し、フィルタ25の内部を満たすようになる。そうすると、炎が不安定となり、又温度変化による炎長の変化が大きくなる。
【0039】また、このOリング33が設けられていると、バルブが開いたとき、フィルタ25の内部においては液化ガスの気化が盛んに行なわれるので、温度が低下し、フィルタ部分とキャピラリーに接する部分とで飽和蒸気圧の差が生じ、このため、フィルタに対する圧縮力が生じ、更にこの圧縮力は高温となるほど大きくなるので、炎長の安定に寄与するが、このOリング33が設けられていないと、燃料タンク1aの内部から高い蒸気圧と熱エネルギーがフィルタ内部に供給され、フィルタの温度降下と圧縮が減殺されるので、温度により炎長が大きく変化するようになる。
【0040】
【発明の効果】本発明は叙上の如く構成されるから、本発明を実施すれば、製造コストを増加させることなく、常に一定の炎長で安定した燃焼炎を保持できるガスライタ用フィルタに適したポリウレタンフォーム及びそのポリウレタンフォームから成るフィルタを用いたガスライタを提供し得るものである。
【出願人】 【識別番号】000102083
【氏名又は名称】イワックス株式会社
【出願日】 平成13年2月7日(2001.2.7)
【代理人】 【識別番号】100075247
【弁理士】
【氏名又は名称】最上 正太郎
【公開番号】 特開2002−234930(P2002−234930A)
【公開日】 平成14年8月23日(2002.8.23)
【出願番号】 特願2001−31417(P2001−31417)