| 【発明の名称】 |
熱可塑性ポリウレタン |
| 【発明者】 |
【氏名】田中 秀穂
【氏名】国村 勝
【氏名】柏木 公一
【氏名】金子 孝芳
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| 【要約】 |
【課題】本発明は、低温特性に優れていると共に、柔軟性や伸縮性(伸長性、変形回復性)も良好な熱可塑性ポリウレタンを提供することを課題とする。
【解決手段】本発明の課題は、液状ポリエーテルカーボネートジオール、ジイソシアネート、及び鎖延長剤を反応させて得られる熱可塑性ポリウレタンであって、液状ポリエーテルカーボネートジオールが、特定のポリエーテルジオールとカーボネート化合物を反応させて得られる液状ポリエーテルカーボネートジオールであることを特徴とする熱可塑性ポリウレタンにより達成される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 液状ポリエーテルカーボネートジオール、ジイソシアネート、及び鎖延長剤を反応させて得られる熱可塑性ポリウレタンであって、液状ポリエーテルカーボネートジオールが、構造単位(a)と構造単位(b)及び/又は(c)とを含んでなるポリエーテルジオール(但し、構造単位(b)の平均モル数(n)及び構造単位(c)の平均モル数(m)は、構造単位(a)1モルに対して、それぞれ、0≦n≦5、0≦m≦5、1<n+m≦5を同時に満たす数値である。)と、カーボネート化合物を反応させて得られる液状ポリエーテルカーボネートジオールであることを特徴とする熱可塑性ポリウレタン。 (a) −(CH2)6O−(b) −(CH2)2O−(c) −CH2CH(CH3)O−【請求項2】 ポリエーテルジオールが、1,6−ヘキサンジオールにエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドを付加反応させて得られるポリエーテルジオールである、請求項1記載の熱可塑性ポリウレタン。 【請求項3】 ポリエーテルジオールの数平均分子量が150〜450である、請求項1又2記載の熱可塑性ポリウレタン。 【請求項4】 液状ポリエーテルカーボネートジオールの数平均分子量が500〜5000である、請求項1〜3のいずれか記載の熱可塑性ポリウレタン。 【請求項5】 液状ポリエーテルカーボネートジオールが、前記構造単位(a)と前記構造単位(b)とを含んでなるポリエーテルジオール(但し、構造単位(b)の平均モル数(n)は、構造単位(a)1モルに対して1<n≦5を満たす数値である。)と、カーボネート化合物を反応させて得られる液状ポリエーテルカーボネートジオールである、請求項1記載の熱可塑性ポリウレタン。 【請求項6】 ポリエーテルジオールの数平均分子量が150〜450である、請求項5記載の熱可塑性ポリウレタン。 【請求項7】 液状ポリエーテルカーボネートジオールの数平均分子量が500〜5000である、請求項5又は6記載の熱可塑性ポリウレタン。 【請求項8】 鎖延長剤が、1,4−ブタンジオール、2−エタノールアミン、又は1,2−プロピレンジアミンである、請求項1〜7のいずれか記載の熱可塑性ポリウレタン。 【請求項9】 ジイシシアネートが4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートである、請求項1〜7のいずれか記載の熱可塑性ポリウレタン。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエーテルカーボネートジオール、ジイソシアネート、及び鎖延長剤を反応させて得られる熱可塑性ポリウレタンに関する。熱可塑性ポリウレタンは、熱可塑性エラストマー、弾性繊維、人工皮革などとして使用することができる。 【0002】 【従来の技術】熱可塑性ポリウレタンは、ポリオール、ジイソシアネート、及び鎖延長剤を反応させて得られるもので、いわゆる硬質セグメント部分と軟質セグメント部分を分子内に有するブロックポリマー構造の線状ポリウレタンである。 【0003】前記ポリオールとしては、従来、ポリエーテルジオールやポリエステルジオールが主体であったが、最近は、耐熱性、耐加水分解性、耐候性などに優れた熱可塑性ポリウレタンが得られることから、ポリカーボネートジオールが注目されてきている。しかし、反面、ポリカーボネート系の熱可塑性ポリウレタンは剛性が高く、従来の樹脂(特にポリエーテル系)に比べて柔軟性に欠け、また、伸びが小さいことが指摘されていた。また、ガラス転移温度が高く、低温特性に劣ることも問題であった。このため、ポリオールとして、エーテル基を分子内に挿入したポリカーボネートジオール(即ち、ポリエーテルカーボネートジオール)が問題解決に当たって提案されている。 【0004】ポリエーテルカーボネートジオールのジオール成分としては、例えば、ポリカーボネート連鎖を主体とするジオール(特に1,6−ヘキサンジオールポリカーボネートグリコール)とエチレンオキシド構造単位を含む混合ジオールであるか、或いは同一分子中にポリカーボネート連鎖とエチレンオキシド構造単位を主成分として有するブロック共重合体であるかいずれかの高分子ジオール(特開昭59−66577号公報)や、【0005】1,6−ヘキサンジオールをエーテル化して得られるポリエーテルジオール(特開昭63−305127号公報)、ポリエーテルポリオール(ジエチレングリコール、トリエチレングルコール、テトラエチレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等)と多価アルコール(エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等)の混合物(特開平2−255822号公報)などが使用されている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかし、いずれの方法によっても、低温特性、柔軟性、及び伸縮性(伸長性、変形回復性)に優れた熱可塑性ポリウレタンを得ることは困難である。本発明は、前記のような従来技術が有する問題を解決できる、即ち、低温特性に優れていると共に、柔軟性や伸縮性(伸長性、変形回復性)も良好な熱可塑性ポリウレタンを提供することを課題とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明の課題は、液状ポリエーテルカーボネートジオール、ジイソシアネート、及び鎖延長剤を反応させて得られる熱可塑性ポリウレタンであって、液状ポリエーテルカーボネートジオールが、構造単位(a)と構造単位(b)及び/又は(c)とを含んでなるポリエーテルジオール(但し、構造単位(b)の平均モル数(n)及び構造単位(c)の平均モル数(m)は、構造単位(a)1モルに対して、それぞれ、0≦n≦5、0≦m≦5、1<n+m≦5を同時に満たす数値である。)と、カーボネート化合物を反応させて得られる液状ポリエーテルカーボネートジオールであることを特徴とする熱可塑性ポリウレタンにより達成される。 【0008】(a) −(CH2)6O−(b) −(CH2)2O−(c) −CH2CH(CH3)O−【0009】 【発明の実施の形態】本発明で使用される液状ポリカーボネートジオールは、前記のように、構造単位(a)と構造単位(b)及び/又は(c)とを含んでなるポリエーテルジオール(但し、n、mは、それぞれ、構造単位(a)1モルに対する、構造単位(b)、(c)の平均モル数を表し、0≦n≦5、0≦m≦5、1<n+m≦5を同時に満たす数値である。)と、カーボネート化合物を反応させて得られるものである。なお、「液状」とは常温で流動性を有する状態をいう。 【0010】前記ポリエーテルジオールとしては、例えば、構造単位(a)と構造単位(b)又は(c)とを含んでなるものとして、一般式(I)〜(VII)で表されるものなどが挙げられる。また、構造単位(a)と構造単位(b)及び(c)とを含んでなるものとして、これら一般式において構造単位(b)又は(c)の部分に、構造単位(b)及び(c)を含むものなどが挙げられる。 【0011】 HO−(b)n−(a)−(c)m−OH (I) HO−(b)n1−(a)−(b)n2−OH (II) HO−(c)m1−(a)−(c)m2−OH (III) HO−(a)−(b)n−(c)m−OH (IV) HO−(a)−(c)m−(b)n−OH (V) HO−(a)−(b)n−OH (VI) HO−(a)−(c)m−OH (VII) (式中、a、b、c、n、mは前記と同様で、n1、n2、m1、m2は、n=n1+n2、m=m1+m2を満たす数値である。) 【0012】このようなポリエーテルジオールは公知の方法(例えば、1,6−ヘキサンジールにエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドを付加反応させる方法)により製造できるが、市販品を使用することもできる。この製造方法としては、例えば、特開平10−36499号公報や特開平10−204171号公報に記載の方法が挙げられる。即ち、1,6−ヘキサンジオールと塩基性アルカリ金属化合物触媒(アルカリ金属水酸化物等)を入れた反応器に、エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドを連続的に送入しながら、80〜150℃、0.5〜5kg/cm2(49〜490kPa)で、所定の(n、mに対応する)分子量が得られるまで反応させ、次いで、中和、脱水、乾燥、濾過などの後処理を行って製造することができる。この後処理は、場合により、水洗、乾燥のみでもよく、触媒除去のために吸着や蒸留を組合わせて行っても差し支えない。 【0013】また、前記ポリエーテルジオールは、1,6−ヘキサンジオールの一部(50モル%以下)が単独又は複数の他のジオールで置換されていてもよい。このようなジオールとしては、1,4−ブタンジール、1,5−ペンタンジオール、1.7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂肪族ジオールが挙げられる。 【0014】前記ポリエーテルジオールの数平均分子量は150〜450、更には170〜410であることが好ましい。また、前記ポリエーテルジオールの中では、構造単位(a)と構造単位(b)とを含んでなる(構造単位(c)を含有しない;m=0、1<n≦5である)ポリエーテルジオール(例えば、前記一般式(II)又は(VI)で表されるもの)が更に好ましい。即ち、前記ポリエーテルジオールとしては、構造単位(a)と構造単位(b)とを含んでなる(構造単位(c)を含有しない;m=0、1<n≦5である)ポリエーテルジオール(例えば、前記一般式(II)又は(VI)で表されるもの)で、数平均分子量が150〜450、更には170〜410であるものが特に好ましい。 【0015】前記カーボネート化合物としては、ジアルキルカーボネート、ジアリールカーボネート、アルキレンカーボネート、アルキルアリールカーボネートなどの脂肪族又は芳香族のカーボネート(炭酸エステル)が挙げられる。具体的には、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−n−ブチルカーボネート、ジイソブチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、メチルフェニルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどが挙げられる。 【0016】ポリエーテルジオールとカーボネート化合物の反応は、ポリカーボネートジオールを製造する公知の方法に従って行うことができる。即ち、前記のポリエーテルジオールとカーボネート化合物を、エステル交換触媒の存在下、副生する脂肪族又は芳香族アルコールを連続的に系外に抜き出しながらエステル交換反応させることにより、本発明で使用される液状ポリエーテルカーボネートジオールを製造することができる。 【0017】このとき、ポリエーテルジオールの使用量は、目的物を生成させることができるなら特に制限されないが、得られる液状ポリエーテルカーボネートジオール分子主鎖の両末端が実質的に水酸基となるように、カーボネート化合物に対して0.8〜3.0倍モル、更には0.85〜2.0倍モル、特に0.9〜1.5倍モルであることが好ましい。また、エステル交換触媒の使用量は、ポリエーテルジオールに対して重量基準で1〜5000ppm、更には10〜1000ppmであることが好ましい。なお、カーボネート化合物は単独又は複数で使用できる。 【0018】前記エステル交換反応の条件は、目的物を生成させることができるなら特に制限されないが、目的物を効率よく生成させることができるように、常圧下に110〜200℃で1〜24時間程度、次いで減圧下に110〜240℃(特に140〜240℃)で0.1〜20時間程度反応させ、更に同温度で徐々に真空度を高めながら最終的に20mmHg以下となる減圧下で0.1〜20時間程度反応させることが好ましい。また、副生アルコールを抜き出すためには、反応器に蒸留塔を設けることが好ましく、更に不活性ガス(窒素、ヘリウム、アルゴン等)流通下で反応させてもよい。 【0019】なお、エステル交換触媒は前記エステル交換反応を触媒する化合物であれば特に制限されない。例えば、四塩化チタン、テトラアルコキシチタン(テトラ−n−ブトキシチタン、テトライソプロポキシチタン等)などのチタン化合物や、金属スズ、水酸化スズ、塩化スズ、ジブチルチンラウレート、ジブチルチンオキシド、ブチルチントリス(エチルヘキサノエート)などのスズ化合物が好ましく挙げられる。これらの中では、テトラアルコキシチタン(テトラ−n−ブトキシチタン、テトライソプロポキシチタン等)、ジブチルチンラウレート、ジブチルチンオキシド、ブチルチントリス(エチルヘキサノエート)が好ましいが、中でもテトラアルコキシチタン(テトラ−n−ブトキシチタン、テトライソプロポキシチタン等)が特に好ましい。 【0020】本発明で使用される液状ポリエーテルカーボネートジオールは、数平均分子量が500〜5000、更には500〜3000程度であるものが好ましい。このため、反応生成物の水酸基価(分子量)が目標範囲から外れる場合、即ち、分子量が小さい場合は減圧下で更にポリエーテルジオールを留出させながら反応させ、分子量が大きい場合はポリエーテルジオールを添加して更にエステル交換反応させるなど、公知の方法によって分子量を調整することが好ましい。また、必要であれば、分子量調整後、液状ポリエーテルカーボネートジオール中に残存するエステル交換触媒をリン系化合物(リン酸、リン酸ブチル、リン酸ジブチル等)で不活性化しておくことが好ましい。 【0021】以上のようにして、本発明で使用される液状ポリエーテルカーボネートジオールを得ることができる。この液状ポリエーテルカーボネートジオールの数平均分子量は500〜5000、更には500〜3000であることが好ましい。また、本発明で使用される液状ポリエーテルカーボネートジオールの中では、構造単位(a)と構造単位(b)とを含んでなる(構造単位(c)を含有しない;m=0、1<n≦5である)ポリエーテルジオールと、カーボネート化合物を反応させて得られる液状ポリエーテルカーボネートジオールが更に好ましい。即ち、本発明では、構造単位(a)と構造単位(b)とを含んでなる(構造単位(c)を含有しない;m=0、1<n≦5である)ポリエーテルジオールと、カーボネート化合物を反応させて得られる液状ポリエーテルカーボネートジオールで、数平均分子量が500〜5000、更には500〜3000であるものが特に好ましい。なお、ポリエーテルジオールには、前記のように好適な数平均分子量のものがそれぞれ使用される。 【0022】本発明の熱可塑性ポリウレタンは、前記液状ポリエーテルカーボネートジオール、ジイソシアネート、及び鎖延長剤を反応させて(ポリウレタン化反応によって)得られるものである。 【0023】本発明で使用されるジイソシアネートとしては、脂肪族(脂環族を含む)又は芳香族の各種ジイソシアネートが挙げられる。脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、1,3−トリメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,9−ノナメチレンジイソシアネート、1,10−デカメチレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,2’−ジエチルエーテルジイソシアネート、水添化キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート−ビウレット体等が挙げられる。 【0024】また、芳香族ジイソシアネートとしては、例えば、p−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、3,3’−メチレンジトリレン−4,4’−ジイソシアネート、トリレンジソシアネートトリメチロールプロパンアダクト、トリフェニルメタントリイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、テトラクロロフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリイソシアネートフェニルチオホスフェート等が挙げられる。 【0025】ジイソシアネートの中では、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートが好ましいが、中でも4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートが最も好ましい。ジイソシソシアネートは単独で使用しても複数で使用してもよい。 【0026】本発明で使用される鎖延長剤としては、イソシアネート基と反応する水素原子を少なくとも2個有する低分子化合物が挙げられる。このような化合物には、ポリオール、ポリアミン等があり、具体的には、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1.6−ヘキサンジオール、1.8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール1,4−ジヒドロキシエチルシクロヘキサン等の脂肪族ジオール(脂環族を含む)や、【0027】エチレンジアミン、1,2−プロピレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ピペラジン、メタ(又はパラ)キシリレンジアミン等の脂肪族又は芳香族ジアミンが挙げられる。 【0028】更に、2−エタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−フェニルジプロパノールアミン等の脂肪族又は芳香族アミノアルコールや、ヒドロキシエチルスルファミド、ヒドロキシエチルアミノエチルスルファミド等のヒドロキシアルキルスルファミドや、尿素、水なども鎖延長剤として挙げられる。これら鎖延長剤の中では、1,4−ブタンジオール、2−エタノールアミン、1,2−プロピレンジアミンが特に好ましい。鎖延長剤は単独でも複数でも使用できる。 【0029】また、前記液状ポリエーテルカーボネートジオールは、その一部が、脂肪族ジオール(脂環族を含む)とカーボネート化合物から製造される脂肪族ポリカーボネートジオールで置換されていてもよい。脂肪族ポリカーボネートジオールは単独でも複数でも使用でき、その使用量は、液状ポリエーテルカーボネートジオールと脂肪族ポリカーボネートジオールの合計量の50重量%以下である。 【0030】前記脂肪族ジオール(脂環族を含む)としては、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1.6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1.8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。これら脂肪族ジオールと反応させるカーボネート化合物には、前記と同様のものが挙げられる。 【0031】ポリウレタン化反応は無溶剤下で行うことができ、また、イソシアネート基に対して不活性な溶剤の存在下でも行うことができる。無溶剤下の反応の場合、前記液状ポリエーテルカーボネートジオールと鎖延長剤を混合し、これにジイソシアネートを混合して全量を一度に反応させるか、或いは、前記液状ポリエーテルカーボネートジオールとジイソシアナートを反応させてイソシアネート基を有するプレポリマーを得た後、これに鎖延長剤を混合・反応させるか、或いは、前記液状ポリエーテルカーボネートジオールと鎖延長剤を混合し、これにジイソシアネートの一部を混合・反応させて水酸基を有するプレポリマーを得た後、更に残余のジイソシアネートを混合・反応させることによって、ポリウレタン化反応を行うことができる。無溶剤下の場合の好ましい反応温度は、80〜150℃である。プレポリマーを経由する場合、低分子量のプレポリマーが得られるので、加熱して高分子量のものとする。 【0032】溶剤存在下の反応の場合、前記液状ポリエーテルカーボネートジオールを溶剤に溶解し、更に鎖延長剤を混合した後、これにジイソシアネートを混合して全量を一度に反応させるか、或いは、前記液状ポリエーテルカーボネートジオールを溶剤に溶解し、これにジイソシアナートを混合・反応させてイソシアネート基を有するプレポリマーを得た後、これに鎖延長剤を混合・反応させるか、或いは、前記液状ポリエーテルカーボネートジオールを溶剤に溶解し、これに鎖延長剤とジイソシアナートの一部を混合・反応させて水酸基を有するプレポリマーを得た後、更に残余のジイソシアネートを混合・反応させることによって、ポリウレタン化反応を行うことができる。溶剤存在下の場合の好ましい反応温度は、20〜100℃である。溶剤としては、メチルエチルケトン、酢酸エチル、トルエン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどが代表的なものである。 【0033】ポリウレタン化反応において、液状ポリエーテルカーボネートジオールと鎖延長剤の使用割合は、一般的には、前者1モルに対して後者が0.1〜10モルの範囲であることが好ましい。これらの使用量は目的とする熱可塑性ポリウレタンの物性により適宜決定される。また、ジイソシアネートの使用量は、液状ポリエーテルカーボネートジオールと鎖延長剤の合計量とほぼ等モルであることが好ましい。具体的には、液状ポリエーテルカーボネートジオール及び鎖延長剤に含まれる活性水素の合計量:イソシアネート基が、当量比で1:0.8〜1:1.2、更には1:0.95〜1:1.05になるようにジイソシアネートを使用することが好ましい。なお、ポリウレタン化反応においては、反応促進のため、公知のアミン系又はスズ系の触媒を使用してもよい。 【0034】このようにして得られる本発明の熱可塑性ポリウレタンは、分子末端が水酸基又はイソシアネート基のどちらでもよい。そして、本発明の熱可塑性ポリウレタンは、イソシアネート基と反応する水素原子を少なくとも2個有する化合物、或いはイソシアネート基を少なくとも2個有する化合物と更に反応させることによって、高分子量化又は網状化することができる。また、ウレタン結合及び/又はウレア結合を有する化合物、或いはイソシアネート基と反応する水素原子を少なくとも3個有する化合物と反応させることによって、架橋構造を導入することもできる。更に、本発明の熱可塑性ポリウレタンには、本発明の効果を損なわない範囲で公知の各種添加剤を添加・混合しても差し支えない。 【0035】 【実施例】以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。なお、ポリエーテルジオール及び液状ポリエーテルカーボネートジオールの物性は、下記の方法によって測定した。 【0036】1.水酸基価(OH価(mgKOH/g)):JIS−K1557に準拠して分析し、次式により算出した。但し、式中、Sは試料採取量(g)、Aは試料の滴定に要した0.5N水酸化ナトリウム溶液の量(ml)、Bは空試験に要した0.5N水酸化ナトリウム溶液の量(ml)、fは0.5N水酸化ナトリウム溶液のファクターを表す。 OH価(mgKOH/g)=28.05(B−A)f/S【0037】2.数平均分子量(Mn):次式により算出した。 Mn=112200/OH価【0038】3.平均付加モル数(n、m):次式により、エチレンオキシドの平均付加モル数n及びプロピレンオキシドの平均付加モル数mを算出した。但し、式中、Mnは数平均分子量を表す。 Mn=44n+58m+118【0039】4.酸価(mgKOH/g):次式により算出した。但し、式中、S’は試料採取量(g)、Cは試料の滴定に要した0.1N水酸化ナトリウム溶液の量(ml)、Dは空試験に要した0.1N水酸化ナトリウム溶液の量(ml)、f’は0.1N水酸化ナトリウム溶液のファクターを表す。 酸価(mgKOH/g)=5.61(C−D)f’/S’【0040】5.ガラス転移温度(Tg(℃)):示差走査熱量計(島津製作所製;DSC−50)を用いて、窒素ガス雰囲気中、昇温速度10℃/分の条件で測定した。 6.粘度(Pa・sec):E型回転粘度計(東京計器製)を用いて75℃で測定した。 【0041】また、熱可塑性ポリウレタンの物性は下記の方法によって測定した。 1.引張特性:JIS−K7311に従い、引張試験機(オリエンテック製;テンシロンUCT−5T)を用いて、23℃、50%RHにおいて測定し、初期弾性率、引張応力(100%、200%、300%伸びでの値)、引張強さ、及び破断伸びを求めた。 【0042】2.ガラス転移温度(Tg):動的粘弾性測定装置(レオメトリクス製;RSAII)を用い、周波数1Hz、歪み量0.05%、−100〜200℃の温度範囲で引張モードにより動的弾性を測定した。損失弾性率のピーク温度を求め、Tgとした。 【0043】3.永久伸び:JIS−K7311に従い、引張試験機(オリエンテック製;テンシロンUCT−5T)を用いて、23℃、50%RHにおいて、試験片を破断伸びの1/2に伸長させて10分間保持した。次に、跳ね返させることなく急激に収縮させた後(リターン速度500mm/分)、試験片をチャックから取り外して10分間放置し、標線間の長さL(但し、伸長前の長さをL0とする)を測定して次式から算出した。ここでは、L0を20mmとした。 永久伸び(%)=(L−L0)×100/L0【0044】4.ヒステリシス損失率:引張試験機(オリエンテック製;テンシロンUCT−5T)を用いて、23℃、50%RHにおいて、5mm×100mmの短冊型試験片をチャック間距離40mmとして引張速度10mm/分で150%まで伸長させ、直ちに同速度で収縮させて測定し、次式から算出した。 ヒステリシス損失率(%)=(伸長〜収縮曲線によって囲まれた部分の面積)×100/(最初の応力〜歪み曲線によって囲まれた部分の面積) 【0045】実施例1〔ポリエーテルジオールの製造〕ポリエーテルジオール(ライオン(株)製;1,6−ヘキサンジオール1モルに対して平均2.03モルのエチレンオキシドを付加させたもの)を3.5〜2.0mmHgの減圧下で蒸留して、148〜195℃の留出分をポリエーテルジオール(I)として得た。ポリエーテルジオール(I)の物性を表1に示す。 【0046】〔液状ポリエーテルカーボネートジオールの製造〕攪拌機、温度計、蒸留塔(分留管、還流ヘッド、コンデンサーを塔頂部に備える)を設置した内容積1L(リットル)のガラス製反応器に、前記ポリエーテルジオール(I)2.30モル、ジメチルカーボネート(宇部興産(株)製)2.06モル、及びテトラ−n−ブトキシチタン(触媒)0.507ミリモルを仕込み、還流下、170℃で2時間保持した。次いで、メタノールとジメチルカーボネートの混合物を留去しながら、6.5時間かけて190℃まで徐々に昇温し、その後、温度を190℃に保ったまま、100mmHgで3時間かけてメタノールとジメチルカーボネートの混合物を留出させた。引き続き、5.2〜0.7mmHgで9時間かけてポリエーテルジオールを留出させながら反応させて、水酸基価49.8mgKOH/gの液状ポリエーテルカーボネートジオールを得た。 【0047】このポリエーテルカーボネートジオールにポリエーテルジオール(I)0.024モルを加え、200mmHg、185℃で2時間攪拌して分子量調整した。得られた液状ポリエーテルカーボネートジオールは、更に、前記触媒と等モルのリン酸ジブチルを加え、100mmHg、130℃で2時間攪拌して触媒を不活性化させた。最終的に得られた液状ポリエーテルカーボネートジオール(A)の物性を表2に示す。 【0048】〔熱可塑性ポリウレタンの製造〕攪拌機、温度計、冷却管を装着した内容積1Lのガラス製反応器中で、液状ポリエーテルカーボネートジオール(A)60g(0.0295モル)と1,4−ブタンジオール5.33g(0.0592モル)をジメチルホルムアミド204gに60℃で完全に溶解させた。 【0049】次に、この溶液約1gを注射器で抜き出して、カールフィッシャー水分測定装置で水分含有量を測定し、液状ポリエーテルカーボネートジオール、1,4−ブタンジオール、及び水分のモル数の合計量に等しくなるように、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート24.37g(0.0974モル;NCO/OH(モル比)=1.01)を該溶液に加えた。続いて、温度を80℃に設定して、加熱・反応を開始した。反応の進行と共に溶液粘度が上昇するので、E型粘度計を用いて1時間毎に粘度を測定し、粘度上昇がほぼ見られなくなった9時間後に反応を停止した。溶液の最終粘度は40℃において43.0Pa・secであった。 【0050】得られた溶液(熱可塑性ポリウレタン溶液)を60℃に加熱した後、離型性のあるガラス版にキャストし、70℃で1時間、次いで120℃で2時間熱処理して約200μmのフィルムを得た。このフィルムの物性を表3に示す。 【0051】実施例2〔ポリエーテルジオールの製造〕ポリエーテルジオール(ライオン(株)製;1,6−ヘキサンジオール1モルに対して平均2.07モルのプロピレンオキシドを付加させたもの)を5.0〜0.5mmHgの減圧下で蒸留して、170〜175℃の留出分をポリエーテルジオール(IV)として得た。ポリエーテルジオール(IV)の物性を表1に示す。 【0052】〔液状ポリエーテルカーボネートジオールの製造〕実施例1と同様の反応器に、前記ポリエーテルジオール(IV)2.00モル、ジメチルカーボネート(宇部興産(株)製)2.06モル、及びテトラ−n−ブトキシチタン(触媒)0.259ミリモルを仕込み、還流下、160℃で3時間保持した。次いで、メタノールとジメチルカーボネートの混合物を留去しながら、13時間かけて190℃まで徐々に昇温し(途中10時間の時点で触媒0.259ミリモルを追加し)、その後、温度を190℃に保ったまま、100mmHgで3時間かけてメタノールとジメチルカーボネートの混合物を留出させた。引き続き、4.4〜3.7mmHgで11時間かけてポリエーテルジオールを留出させながら反応させて、水酸基価56.6mgKOH/gの液状ポリエーテルカーボネートジオールを得た。 【0053】得られた液状ポリエーテルカーボネートジオールは、実施例1と同様に触媒を不活性化させた。最終的に得られた液状ポリエーテルカーボネートジオール(B)の物性を表2に示す。 【0054】〔熱可塑性ポリウレタンの製造〕実施例1と同様の反応器中で、液状ポリエーテルカーボネートジオール(B)60g(0.0297モル)、1,4−ブタンジオール5.35g(0.0594モル)、テトラ−n−ブチルチタネート0.017g(280ppm)をジメチルホルムアミド204gに60℃で完全に溶解させた。 【0055】次に、実施例1と同様にして、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート25.43g(0.1016モル;NCO/OH(モル比)=1.06)を該溶液に加えた。続いて、実施例1と同様に反応を行って、粘度上昇がほぼ見られなくなった7時間後に反応を停止した。溶液の最終粘度は40℃において4.4Pa・secであった。そして、実施例1と同様にして熱可塑性ポリウレタンフィルムの物性を測定した。結果を表3に示す。 【0056】比較例1〔液状ポリエーテルカーボネートジオールの製造〕実施例1と同様の内容積2Lのガラス製反応器に、ジエチレングリコール0.85モル、ジメチルカーボネート(宇部興産(株)製)0.81モル、及びジエチレングリコールに対して100ppm(重量基準)のテトラ−n−ブトキシチタン(触媒)を仕込み、還流下、130℃で3時間保持した。次いで、メタノールとジメチルカーボネートの混合物を留去しながら、5時間かけて190℃まで徐々に昇温し、その後、温度を190℃に保ったまま、20mmHgで2時間かけてメタノールとジメチルカーボネートの混合物を留出させた。なお、20mmHgまでは4時間かけて減圧した。 【0057】得られた液状ポリエーテルカーボネートジオールは、前記触媒と等モルのリン酸ジブチルを加え、110℃で2時間攪拌して触媒を不活性化させた。最終的に得られた液状ポリエーテルカーボネートジオール(C)の物性を表2に示す。 【0058】〔熱可塑性ポリウレタンの製造〕実施例1と同様の反応器中で、液状ポリエーテルカーボネートジオール(C)60g(0.0297モル)と1,4−ブタンジオール4.79g(0.0532モル)をジメチルホルムアミド198gに60℃で完全に溶解させた。 【0059】次に、実施例1と同様にして、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート21.42g(0.0857モル;NCO/OH(モル比)=1.015)を該溶液に加えた。続いて、実施例1と同様に反応を行って、粘度上昇がほぼ見られなくなった7時間後に反応を停止した。溶液の最終粘度は40℃において2.92Pa・secであった。そして、実施例1と同様にして熱可塑性ポリウレタンフィルムの物性を測定した。結果を表3に示す。 【0060】比較例2〔液状ポリエーテルカーボネートジオールの製造〕ジエチレングリコールをトリエチレングリコール0.85モルに代えたほかは、比較例1と同様にして液状ポリエーテルカーボネートジオールを得た。最終的に得られた液状ポリエーテルカーボネートジオール(D)の物性を表2に示す。 【0061】〔熱可塑性ポリウレタンの製造〕実施例1と同様の反応器中で、液状ポリエーテルカーボネートジオール(D)60g(0.0289モル)と1,4−ブタンジオール5.20g(0.0578モル)をジメチルホルムアミド206gに60℃で完全に溶解させた。 【0062】次に、実施例1と同様にして、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート23.27g(0.0931モル;NCO/OH(モル比)=1.015)を該溶液に加えた。続いて、実施例1と同様に反応を行って、粘度上昇がほぼ見られなくなった7時間後に反応を停止した。溶液の最終粘度は40℃において3.60Pa・secであった。そして、実施例1と同様にして熱可塑性ポリウレタンフィルムの物性を測定した。結果を表3に示す。 【0063】実施例3〔熱可塑性ポリウレタンの製造〕実施例1と同様の反応器中で、液状ポリカエーテルカーボネートジオール(A)50g(0.0246モル)と4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート12.3g(0.0491モル)をジメチルホルムアミド147gに60℃で完全に溶解させ、80℃で2時間反応させた。次に、この溶液に2−エタノールアミン3g(0.0492モル)とジメチルホルムアミド20gを加え、室温で1時間反応させて両末端に水酸基を有するプレポリマーを得た。 【0064】次に、実施例1と同様に水分含有量を測定し、プレポリマー及び水分のモル数の合計量に等しくなるように、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート7.65g(0.0306モル;NCO/OH(モル比)=0.98)を該溶液に加えた。室温で40分放置した後、実施例1と同様に反応を行って、粘度上昇がほぼ見られなくなった6時間後に反応を停止した。溶液の最終粘度は40℃において65.7Pa・secであった。そして、実施例1と同様にして熱可塑性ポリウレタンフィルムの物性を測定した。結果を表3に示す。 【0065】実施例4〔ポリエーテルジオールの製造〕ポリエーテルジオール(ライオン(株)製;1,6−ヘキサンジオール1モルに対して平均1.04モルのエチレンオキシドを付加させたもの)を4.0〜0.5mmHgの減圧下で蒸留して、150〜185℃の留出分をポリエーテルジオール(II)として得た。ポリエーテルジオール(II)の物性を表1に示す。 【0066】〔液状ポリエーテルカーボネートジオールの製造〕実施例1と同様の反応器に、前記ポリエーテルジオール(II)2.30モル、ジメチルカーボネート(宇部興産(株)製)2.51モル、及びテトラ−n−ブトキシチタン(触媒)0.232ミリモルを仕込み、還流下、160℃で2時間保持した。次いで、メタノールとジメチルカーボネートの混合物を留去しながら、6.5時間かけて190℃まで徐々に昇温し、その後、温度を190℃に保ったまま、300mmHgで0.5時間、更に100mmHgで3時間かけてメタノールとジメチルカーボネートの混合物を留出させた。引き続き、1.9〜0.2mmHgで4.5時間かけてポリエーテルジオールを留出させながら反応させて、水酸基価47.2mgKOH/gの液状ポリエーテルカーボネートジオールを得た。 【0067】このポリエーテルカーボネートジオールにポリエーテルジオール(II)0.023モルを加えて、実施例1と同様に分子量調整した。得られた液状ポリエーテルカーボネートジオールは、更に、実施例1と同様に触媒を不活性化させた。最終的に得られた液状ポリエーテルカーボネートジオール(E)の物性を表2に示す。 【0068】〔熱可塑性ポリウレタンの製造〕実施例1と同様の反応器中で、液状ポリエーテルカーボネートジオール(E)50g(0.0251モル)と4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート12.3g(0.0491モル)をジメチルホルムアミド148gに60℃で完全に溶解させ、80℃で2時間反応させた。次に、この溶液に2−エタノールアミン3.08g(0.0503モル)とジメチルホルムアミド20gを加え、室温で1.45時間反応させて両末端に水酸基を有するプレポリマーを得た。 【0069】次に、実施例3と同様にして、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート7.74g(0.0310モル;NCO/OH(モル比)=0.98)を該溶液に加えた。室温で20分放置した後、実施例1と同様に反応を行って、粘度上昇がほぼ見られなくなった7時間後に反応を停止した。溶液の最終粘度は40℃において53.3Pa・secであった。そして、実施例1と同様にして熱可塑性ポリウレタンフィルムの物性を測定した。結果を表3に示す。 【0070】実施例5〔ポリエーテルジオールの製造〕ポリエーテルジオール(ライオン(株)製;1,6−ヘキサンジオール1モルに対して平均3.02モルのエチレンオキシドを付加させたもの)を5.0〜0.2mmHgの減圧下で蒸留して、155〜196℃の留出分をポリエーテルジオール(III)として得た。ポリエーテルジオール(III)の物性を表1に示す。 【0071】〔液状ポリエーテルカーボネートジオールの製造〕実施例1と同様の反応器に、前記ポリエーテルジオール(III)1.40モル、ジメチルカーボネート(宇部興産(株)製)1.47モル、及びテトラ−n−ブトキシチタン(触媒)0.182ミリモルを仕込み、還流下、160℃で2時間保持した。次いで、メタノールとジメチルカーボネートの混合物を留去しながら、6.5時間かけて190℃まで徐々に昇温し、その後、温度を190℃に保ったまま、300mmHgで0.5時間、更に100mmHgで4時間かけてメタノールとジメチルカーボネートの混合物を留出させた。引き続き、1.3〜0.2mmHgで4時間かけてポリエーテルジオールを留出させながら反応させて、液状ポリエーテルカーボネートジオールを得た。 【0072】得られた液状ポリエーテルカーボネートジオールは、実施例1と同様に触媒を不活性化させた。最終的に得られた液状ポリエーテルカーボネートジオール(F)の物性を表2に示す。 【0073】〔熱可塑性ポリウレタンの製造〕実施例1と同様の反応器中で、液状ポリエーテルカーボネートジオール(F)50g(0.0254モル)と4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート12.7g(0.0508モル)をジメチルホルムアミド148gに60℃で完全に溶解させ、80℃で2時間反応させた。次に、この溶液に2−エタノールアミン3.10g(0.0508モル)とジメチルホルムアミド20gを加え、室温で50分反応させて両末端に水酸基を有するプレポリマーを得た。 【0074】次に、実施例3と同様にして、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート7.82g(0.0313モル;NCO/OH(モル比)=0.98)を該溶液に加えた。室温で20分放置した後、実施例1と同様に反応を行って、粘度上昇がほぼ見られなくなった6時間後に反応を停止した。溶液の最終粘度は40℃において54.3Pa・secであった。そして、実施例1と同様にして熱可塑性ポリウレタンフィルムの物性を測定した。結果を表3に示す。 【0075】実施例6〔熱可塑性ポリウレタンの製造〕実施例1と同様の反応器中で、液状ポリエーテルカーボネートジオール(E)50g(0.0251モル)と4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート12.57g(0.0503モル)をジメチルホルムアミド139gに60℃で完全に溶解させ、80℃で2時間反応させた。次に、この溶液に2−エタノールアミン1.53g(0.0251モル)とジメチルホルムアミド20gを加え、室温で2.1時間反応させて両末端に水酸基を有するプレポリマーを得た。 【0076】このプレポリマー溶液を室温で20分放置した後、実施例1と同様に反応を行って、粘度上昇がほぼ見られなくなった10時間後に反応を停止した。溶液の最終粘度は40℃において36.1Pa・secであった。そして、実施例1と同様にして熱可塑性ポリウレタンフィルムの物性を測定した。結果を表3に示す。 【0077】実施例7〔熱可塑性ポリウレタンの製造〕実施例1と同様の反応器中で、液状ポリエーテルカーボネートジオール(F)50g(0.0254モル)と4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート12.7g(0.0508モル)をジメチルホルムアミド147gに60℃で完全に溶解させ、80℃で2時間反応させた。次に、この溶液に2−エタノールアミン3.10g(0.0508モル)とジメチルホルムアミド20gを加え、室温で1.45時間反応させて両末端に水酸基を有するプレポリマーを得た。 【0078】このプレポリマー溶液に4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート12.7g(0.0508モル)を加え、室温で55分反応させて両末端にイソシアネート基を有するプレポリマーを得た。次に、この溶液に2−エタノールアミン1.55g(0.0254モル)とジメチルホルムアミド20gを加え、室温で25分反応させた。続いて、実施例1と同様に反応を行って、粘度上昇がほぼ見られなくなった8時間後に反応を停止した。溶液の最終粘度は40℃において48.0Pa・secであった。そして、実施例1と同様にして熱可塑性ポリウレタンフィルムの物性を測定した。結果を表3に示す。 【0079】実施例8〔熱可塑性ポリウレタンの製造〕実施例1と同様の反応器中で、液状ポリエーテルカーボネートジオール(A)50g(0.0250モル)と4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート12.49g(0.0500モル)をジメチルホルムアミド110gに60℃で完全に溶解させ、80℃で2時間反応させた。次に、この溶液にn−ブチルアミン0.18g(0.0025モル)とジメチルホルムアミド20gを加え、室温で1.4時間反応させた。次いで、1,2−プロピレンジアミン1.76g(0.0238モル)とジメチルホルムアミド20gを加え、3℃で5分反応させて両末端に水酸基とイソシアネート基をそれぞれ有するプレポリマーを得た。 【0080】続いて、温度を室温に設定して、加熱・反応を開始した。反応の進行と共に溶液粘度が上昇するので、E型粘度計を用いて1時間毎に粘度を測定し、粘度上昇がほぼ見られなくなった4.5時間後に反応を停止した。溶液の最終粘度は40℃において31.3Pa・secであった。そして、実施例1と同様にして熱可塑性ポリウレタンフィルムの物性を測定した。結果を表3に示す。 【0081】 【表1】
【0082】 【表2】
【0083】 【表3】
【0084】以上の実施例及び比較例に見られるように、本発明の熱可塑性ポリウレタンは、従来のものと同等の柔軟性(弾性率)及び伸縮性(伸長性、変形回復性)を有する上に、ガラス転移温度が低く低温特性に優れている。 【0085】 【発明の効果】本発明により、従来技術が有する問題を解決できる熱可塑性ポリウレタン、即ち、低温特性に優れていると共に、柔軟性や伸縮性(伸長性、変形回復性)を満足できる熱可塑性ポリウレタンを提供することができる。本発明の熱可塑性ポリウレタンはこのような優れた特性を有すると共に、耐熱性、耐加水分解性、耐候性なども有していて、バランスのとれた特性を有することから、熱可塑性エラストマー、弾性繊維、人工皮革などとしての使用が可能になるものである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000206 【氏名又は名称】宇部興産株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年2月8日(2001.2.8) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2002−234929(P2002−234929A) |
| 【公開日】 |
平成14年8月23日(2002.8.23) |
| 【出願番号】 |
特願2001−32349(P2001−32349) |
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