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【発明の名称】 ポリシロキサン
【発明者】 【氏名】岩沢 晴生

【氏名】下川 努

【要約】 【課題】ドライエッチング耐性に優れ、しかも放射線に対する透明性、感度、解像度、現像性等のレジストとしての基本物性にも優れたレジスト材料の樹脂成分等として有用な新規ポリシロキサンを提供する。

【解決手段】下記一般式(1)に示す構造単位(I)および/または構造単位(II)を有し、ポリスチレン換算重量平均分子量が500〜1,000,000のポリシロキサン。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 下記一般式(1)に示す構造単位(I)および/または構造単位(II)を有し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定したポリスチレン換算重量平均分子量が500〜1,000,000のポリシロキサン。
【化1】

〔一般式(1)において、各Rは相互に独立して水素原子またはメチル基を示し、R’は水素原子、炭素数1〜20の1価の炭化水素基、炭素数1〜20の1価のハロゲン化炭化水素基、ハロゲン原子または1級、2級もしくは3級のアミノ基を示し、nは1〜3の整数であり、式中の各ケイ素原子は最上位にあるビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプタン環の2−位または3−位に結合している。〕
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、放射線を用いる微細加工に好適な感放射線性樹脂組成物の樹脂成分等、として有用な新規ポリシロキサンに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、LSI(高集積回路)の高密度化、高集積化に対する要求が益々高まっており、それに伴い配線パターンの微細化も急速に進行している。このような配線パターンの微細化に対応しうる手段の一つとして、リソグラフィープロセスに用いる露光光線を短波長化する方法があり、近年では、g線(波長436nm)やi線(波長365nm)等の紫外線に替えて、KrFエキシマレーザー(波長248nm)あるいはArFエキシマレーザー(波長193nm)に代表される遠紫外線や、電子線、X線等が用いられるようになっている。ところで、従来のレジスト組成物には、樹脂成分としてノボラック樹脂、ポリ(ビニルフェノール)等が用いられてきたが、これらの材料は構造中に芳香族環を含み、193nmの波長に強い吸収があるため、例えばArFエキシマレーザーを用いたリソグラフィープロセスでは、高感度、高解像度、高アスペクト比に対応した高い精度が得られない。そこで、193nm以下、特に157nmの波長に対して透明で、かつ芳香族環と同等以上のドライエッチング耐性を有するレジスト用樹脂成分が求められている。その一つとしてシロキサン系ポリマーが考えられ、MIT R.R.Kunzらは、ポリシロキサン系ポリマーが、193nm以下の波長、特に157nmでの透明性に優れるという測定結果を提示しており、このポリマーが193nm以下の波長を用いるリソグラフィープロセスにおけるレジスト材料に適していると報告している(J. Photopolym. Sci. Technol., Vol.12, No.4, 1999) 。また、ポリシロキサン系ポリマーはドライエッチング耐性に優れ、中でもラダー構造をもつポリオルガノポリシルセスキオキサンを含むレジストが高い耐プラズマ性を有することも知られている。
【0003】一方、シロキサン系ポリマーを用いるレジスト材料についても既に幾つか報告されている。即ち、特開平5−323611号公報には、カルボン酸エステル基、フェノールエーテル基等の酸解離性基が1個以上の炭素原子を介してケイ素原子に結合した、側鎖に酸解離性基を有するポリシロキサンを用いた放射線感応性樹脂組成物が、特開平8−160623号公報には、ポリ(2−カルボキシエチルシロキサン)のカルボキシル基をt−ブチル基等の酸解離性基で保護したポリマーを用いたポジ型レジストが、特開平11−60733号公報には、酸解離性エステル基を有するポリオルガノシルセスキオキサンを用いたレジスト樹脂組成物が、それぞれ開示されている。しかし、これらの従来の酸解離性基含有シロキサン系ポリマーを用いたレジスト材料では、放射線に対する透明性、解像度、現像性等のレジストとしての基本物性の点で未だ満足できるレベルにあるとはいえない。さらに、特開平11−302382号公報には、カルボキシル基を有する非芳香族系の単環式もしくは多環式炭化水素基または有橋環式炭化水素基を側鎖に有し、かつ該カルボキシル基の少なくとも1部が酸不安定性基で置換されたシロキサン系ポリマー、例えば5−位にt−ブトキシカルボニル基を有するノルボルニル基がケイ素原子に結合したシロキサン系ポリマー等、および該ポリマーを用いたレジスト材料が開示されており、このレジスト材料は、KrFエキシマレーザー(波長248nm)あるいはArFエキシマレーザー(波長193nm)の吸収が小さく、パターン形状が良好であり、また感度、解像度、ドライエッチング耐性等にも優れているとされている。しかしながら、特開平11−302382号公報のシロキサン系ポリマーを含めても、レジスト材料の樹脂成分として有用なシロキサン系ポリマーの種類は少なく、短波長の放射線に有効に感応し、高度のドライエッチング耐性を備えつつ、レジストとしての基本物性に優れたレジスト材料をもたらしうる新たなシロキサン系ポリマーの開発は、半導体素子における急速な微細化の進行に対応しうる技術開発の観点から重要な課題となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、KrFエキシマレーザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)あるいはF2 エキシマレーザー(波長157nm)に代表される遠紫外線等の放射線に有効に感応し、ドライエッチング耐性に優れ、しかも放射線に対する透明性、感度、解像度、現像性等のレジストとしての基本物性にも優れたレジスト材料の樹脂成分等として有用な新規ポリシロキサンを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記一般式(1)に示す構造単位(I)および/または構造単位(II)を有し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定したポリスチレン換算重量平均分子量が500〜1,000,000のポリシロキサン(以下、「ポリシロキサン(1)」という。)、からなる。
【0006】
【化2】

【0007】〔一般式(1)において、各Rは相互に独立して水素原子またはメチル基を示し、R’は水素原子、炭素数1〜20の1価の炭化水素基、炭素数1〜20の1価のハロゲン化炭化水素基、ハロゲン原子または1級、2級もしくは3級のアミノ基を示し、nは1〜3の整数であり、式中の各ケイ素原子は最上位にあるビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプタン環の2−位または3−位に結合している。〕
【0008】以下、本発明について詳細に説明する。ポリシロキサン(1)の構造単位(I)および構造単位(II)において、nとしては、それぞれ1が好ましい。なお、構造単位(I)におけるnと構造単位(II)におけるnとは、相互に同一でも異なってもよい。
【0009】次に、構造単位(II)において、R’の炭素数1〜20の1価の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−テトラデシル基、n−ヘキサデシル基、n−オクタデシル基、n−エイコシル基等の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基;シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、ベンジル基、フェネチル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等の芳香族炭化水素基;ノルボニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロデカニル基、アダマンチル基等の有橋式炭化水素基等を挙げることができる。
【0010】また、R’の炭素数1〜20の1価のハロゲン化炭化水素基としては、例えば、前記炭素数1〜20の1価の炭化水素基を1種以上あるいは1個以上のハロゲン原子、好ましくはフッ素原子で置換した基、より具体的には、ペンタフルオロエチル基、3,3,3,2,2−ペンタフルオロ−n−プロピル基、パーフルオロ−i−プロピル基、ペンタフルオロフェニル基、ペンタフルオロベンジル基、ペンタフルオロフェネチル基、パーフルオロノルボニル基、下記式(a)
【0011】
【化3】

(式中、各Rfは相互に独立して、水素原子またはフッ素原子を示し、かつ少なくとも1個のRfがフッ素原子であり、jは0〜4の整数である。)
【0012】で表される基等を挙げることができる。これらの1価のハロゲン化炭化水素基のうち、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、3,3,3,2,2−ペンタフルオロ−n−プロピル基、ペンタフルオロフェニル基、o−フルオロフェニル基、m−フルオロフェニル基、p−フルオロフェニル基、2,3−ジフルオロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、2,5−ジフルオロフェニル基、2,6−ジフルオロフェニル基、3,4−ジフルオロフェニル基、3,5−ジフルオロフェニル基、2,3,4−トリフルオロフェニル基、2,3,5−トリフルオロフェニル基、2,3,6−トリフルオロフェニル基、2,4,6−トリフルオロフェニル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基、ペンタフルオロベンジル基、ペンタフルオロフェネチル基等が好ましい。
【0013】また、R’のハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等を挙げることができる。これらのハロゲン原子のうち、塩素原子が好ましい。また、R’の2級もしくは3級のアミノ基としては、例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、i−プロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、フェニルアミノ基、ベンジルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ−i−プロピルアミノ基、ジシクロペンチルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジベンジルアミノ基等を挙げることができる。R’のアミノ基としては、アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジシクロペンチルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基、ジフェニルアミノ基等が好ましい。
【0014】構造単位(II)におけるR’としては、特に、メチル基、エチル基、シクロヘキシル基、ペンタフルオロエチル基、塩素原子、ジメチルアミノ基等が好ましい。
【0015】構造単位(I)の好ましい具体例を示すと、下記式(I-1) で表される構造単位等を挙げることができる。
【0016】
【化4】

【0017】また、構造単位(II)の好ましい具体例を示すと、下記式(II-1) 〜(II-4)で表される構造単位等を挙げることができる。
【0018】
【化5】

【0019】ポリシロキサン(1)において、構造単位(I)中のt−ブトキシカルボニル基および構造単位(II)中のt−ブトキシカルボニル基は、酸の存在下で解離してカルボキシル基を形成する酸解離性基をなす。ポリシロキサン(1)において、構造単位(I)および構造単位(II)はそれぞれ、単独でまたは2種以上が存在することができる。
【0020】構造単位(I)を与える縮合成分としては、例えば、下記一般式(2)に示すシラン化合物(i)またはシラン化合物(ii)を挙げることができ、また構造単位(II)を与える縮合成分としては、例えば、下記一般式(3 )に示すシラン化合物(iii)またはシラン化合物(iv) を挙げることができる。
【0021】
【化6】

〔一般式(2)において、Rおよびnは、一般式(1)におけるそれぞれRおよびnと同義であり、各Yは相互に独立して炭素数1〜20の1価の炭化水素基、炭素数1〜20の1価のハロゲン化炭化水素基または下記式(b)
【0022】
【化7】

(式中、各Y’は相互に独立して、水素原子、炭素数1〜20の1価の炭化水素基、炭素数1〜20の1価のハロゲン化炭化水素基または炭素数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルコキシル基を示し、kは1〜10の整数である。)で表される基を示す。〕
【0023】
【化8】

〔一般式(3)において、R、R’およびnは、一般式(1)におけるそれぞれR、R’およびnと同義であり、複数存在するR’は相互に同一でも異なってもよく、Yは一般式(2)におけるYと同義である。〕
【0024】なお、シラン化合物(i)〜(iii)における各Yは相互に同一でも異なってもよく、またシラン化合物(iii)とシラン化合物(iv) における各R’は相互に同一でも異なってもよい。
【0025】シラン化合物(i)〜(iv) は、例えば、各化合物に対応するノルボルネン(即ち、ビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン)誘導体と各化合物に対応するヒドロシリル化合物とを、それぞれ、常法のヒドロシリル化反応に従い、ヒドロシリル化触媒の存在下、無溶媒下あるいは適当な溶媒中で反応させる方法等により合成することができる。
【0026】ポリシロキサン(1)は、シラン化合物(i)乃至(iv) を、酸性触媒または塩基性触媒の存在下、無溶媒または溶媒中で、常法により重縮合させることによって製造することができる。この重縮合に際しては、シラン化合物(i)乃至(iv) はそれぞれ、一部または全部を部分縮合物として用いることもできる。
【0027】以下、ポリシロキサン(1)を製造する重縮合法について説明する。前記酸性触媒としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、蟻酸、酢酸、n−プロピオン酸、酪酸、吉草酸、しゅう酸、マロン酸、琥珀酸、マレイン酸、フマル酸、アジピン酸、フタル酸、テレフタル酸、無水酢酸、無水マレイン酸、クエン酸、ホウ酸、燐酸、四塩化チタン、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等を挙げることができる。これらの酸性触媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0028】前記塩基性触媒のうち、無機塩基類としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等を挙げることができる。
【0029】また、前記塩基性触媒のうち、有機塩基類としては、例えば、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン、シクロヘキシルアミン等の直鎖状、分岐状もしくは環状のモノアルキルアミン類;ジ−n−ブチルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、ジ−n−ヘキシルアミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジ−n−ノニルアミン、ジ−n−デシルアミン、シクロヘキシルメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン等の直鎖状、分岐状もしくは環状のジアルキルアミン類;トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミン、トリ−n−デシルアミン、シクロヘキシルジメチルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、トリシクロヘキシルアミン等の直鎖状、分岐状もしくは環状のトリアルキルアミン類;
【0030】アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、ジフェニルアミン、トリフェニルアミン、ナフチルアミン等の芳香族アミン類;エチレンジアミン、N,N,N',N’−テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2−(3’−アミノフェニル)−2−(4’−アミノフェニル)プロパン、2−(4’−アミノフェニル)−2−(3’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(4’−アミノフェニル)−2−(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,4−ビス [1’−(4''−アミノフェニル)−1’−メチルエチル] ベンゼン、1,3−ビス [1’−(4''−アミノフェニル)−1’−メチルエチル ]ベンゼン等のジアミン類;
【0031】イミダゾール、ベンズイミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール等のイミダゾール類;ピリジン、2−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2−エチルピリジン、4−エチルピリジン、2−フェニルピリジン、4−フェニルピリジン、2−メチル−4−フェニルピリジン、ニコチン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、キノリン、4−ヒドロキシキノリン、8−オキシキノリン、アクリジン等のピリジン類;ピペラジン、1−(2’−ヒドロキシエチル)ピペラジン等のピペラジン類のほか、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、キノザリン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、4−メチルモルホリン、1,4−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザビシクロ [2.2.2] オクタン等の他の含窒素複素環化合物等を挙げることができる。これらの塩基性触媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0032】前記酸性触媒および塩基性触媒のうち、塩酸、硫酸、酢酸、しゅう酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、無水酢酸、無水マレイン酸、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ピリジン等が好ましい。酸性触媒または塩基性触媒の使用量は、シラン化合物の全量100重量部に対して、通常、0.01〜10,000重量部である。
【0033】また、重縮合に用いられる溶媒としては、例えば、2−ブタノン、2−ペンタノン、3−メチル−2−ブタノン、2−ヘキサノン、4−メチル−2−ペンタノン、3−メチル−2−ペンタノン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、2−ヘプタノン、2−オクタノン等の直鎖状もしくは分岐状のケトン類;シクロペンタノン、3−メチルシクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−メチルシクロヘキサノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン、イソホロン等の環状のケトン類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−i−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−i−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−sec−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシプロピオン酸n−プロピル、2−ヒドロキシプロピオン酸i−プロピル、2−ヒドロキシプロピオン酸n−ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸i−ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸sec−ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸t−ブチル等の2−ヒドロキシプロピオン酸アルキル類;3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル等の3−アルコキシプロピオン酸アルキル類;
【0034】n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル等のアルコール類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル等のジアルキレングリコールジアルキルエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;
【0035】2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸メチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メチル−3−メトキシブチルブチレート、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル等の他のエステル類のほか、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ベンジルエチルエーテル、ジ−n−ヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、しゅう酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン等を挙げることができる。これらの溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。溶媒の使用量は、シラン化合物の全量100重量部に対して、通常、2,000重量部以下である。
【0036】ポリシロキサン(1)を製造する重縮合は、無溶媒下、あるいは2−ブタノン、2−ペンタノン、3−メチル−2−ブタノン、2−ヘキサノン、4−メチル−2−ペンタノン、3−メチル−2−ペンタノン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、2−ヘプタノン、2−オクタノン、シクロペンタノン、3−メチルシクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−メチルシクロヘキサノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート等の溶媒中で実施することが好ましい。
【0037】また、重縮合に際しては、反応系に水を添加することもできる。この場合の水の添加量は、シラン化合物の全量100重量部に対して、通常、10,000重量部以下である。重縮合における反応温度は、通常、−50〜+300℃、好ましくは20〜100℃であり、反応時間は、通常、1分〜100時間程度である。
【0038】ポリシロキサン(1)は、構造単位(I)および構造単位(II)以外の構造単位(以下、「他の構造単位」という。)を1種以上有することができる。他の構造単位を与えるシラン化合物としては、例えば、下記一般式(4)で表されるシラン化合物(以下、「シラン化合物(4)」という。)、下記一般式(5)で表されるシラン化合物(以下、「シラン化合物(5)」という。)、【0039】
【化9】

【0040】〔一般式(4)および一般式(5)において、R’は一般式(1)におけるR’と同義であり、Yは一般式(2)におけるYと同義であり、R''は水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示し、R''' は−OYまたはR’を示し、Xは水素原子または1価の酸解離性基を示し、pは0または1であり、mは0〜3の整数であり、式中の各ケイ素原子は最上位にあるビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプタン環の2−位または3−位に結合している。〕
【0041】下記一般式(6)で表されるシラン化合物(以下、「シラン化合物(6)」という。)、下記一般式(7)で表されるシラン化合物(以下、「シラン化合物(7)」という。)等の酸解離性基を有するシラン化合物、【0042】
【化10】

【0043】〔一般式(6)および一般式(7)において、Aは酸素原子を有する1価の有機基を示し、各R1 は相互に独立して炭素数1〜10の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基または炭素数1〜10の直鎖状、分岐状もしくは環状のハロゲン化アルキル基を示し、R2 は水素原子、炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のハロゲン化アルキル基、炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基または炭素数6〜20の1価のハロゲン化芳香族炭化水素基を示す。〕
【0044】下記一般式(8)で表されるシラン化合物(以下、「シラン化合物(8)」という。)、下記一般式(9)で表されるシラン化合物(以下、「シラン化合物(9)」という。)、下記一般式(10)で表されるシラン化合物(以下、「シラン化合物(10)」という。)、【0045】
【化11】

【0046】〔一般式(8)〜(10)において、各R1 は相互に独立して炭素数1〜10の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基または炭素数1〜10の直鎖状、分岐状もしくは環状のハロゲン化アルキル基を示し、各R3 は相互に独立して水素原子、水酸基、ハロゲン原子、置換されていてもよい炭素数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基、置換されていてもよい炭素数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルコキシル基、置換されていてもよいアセトキシ基、置換されていてもよい炭素数6〜20の芳香族炭化水素基を示す。但し、各R3は、一般式(6)および一般式(7)におけるAを含まない。〕等を挙げることができる。これらのシラン化合物(4)〜(10)はそれぞれ、一部または全部を部分縮合物として用いることもできる。
【0047】以下、これらのシラン化合物(4)〜(10)について順次説明する。一般式(4)および一般式(5)において、R''としては、水素原子、メチル基およびトリフルオロメチル基の何れも好ましい。なお、一般式(4)におけるR''と一般式(5)におけるR''とは、相互に同一でも異なってもよい。
【0048】また、Xの1価の酸解離性基(以下、「酸解離性基(α)」という。)としては、例えば、3級アルキル基、Xが結合している酸素原子と共にアセタール基を形成する基(以下、「アセタール形成基」という。)、置換メチル基、1−置換エチル基、1−分岐アルキル基(但し、3級アルキル基を除く。)、シリル基、ゲルミル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、環式酸解離性基等を挙げることができる。
【0049】酸解離性基(α)において、前記3級アルキル基としては、例えば、t−ブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1−メチル−1−エチルプロピル基、1,1−ジメチルブチル基、1−メチル−1−エチルブチル基、1,1−ジメチルペンチル基、1−メチル−1−エチルペンチル基、1,1−ジメチルヘキシル基、1,1−ジメチルヘプチル基、1,1−ジメチルオクチル基等を挙げることができる。また、アセタール形成基としては、例えば、メトキシメチル基、エトキシメチル基、n−プロポキシメチル基、i−プロポキシメチル基、n−ブトキシメチル基、t−ブトキシメチル基、n−ペンチルオキシメチル基、n−ヘキシルオキシメチル基、シクロペンチルオキシメチル基、シクロヘキシルオキシメチル基、1−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基、1−n−プロポキシエチル基、1−i−プロポキシエチル基、1−n−ブトキシエチル基、1−t−ブトキシエチル基、1−n−ペンチルオキシエチル基、1−n−ヘキシルオキシエチル基、1−シクロペンチルオキシエチル基、1−シクロヘキシルオキシエチル基、1−メトキシプロピル基、1−エトキシプロピル基、(シクロヘキル)(メトキシ)メチル基、(シクロヘキル)(エトキシ)メチル基、(シクロヘキル)(n−プロポキシ)メチル基、(シクロヘキル)(i−プロポキシ)メチル基、(シクロヘキル)(シクロヘキシルオキシ)メチル基等を挙げることができる。
【0050】また、前記置換メチル基としては、例えば、フェナシル基、p−ブロモフェナシル基、p−メトキシフェナシル基、p−メチルチオフェナシル基、α−メチルフェナシル基、シクロプロピルメチル基、ベンジル基、ジフェニルメチル基、トリフェニルメチル基、p−ブロモベンジル基、p−ニトロベンジル基、p−メトキシベンジル基、p−メチルチオベンジル基、p−エトキシベンジル基、p−エチルチオベンジル基、ピペロニル基、メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、n−プロポキシカルボニルメチル基、i−プロポキシカルボニルメチル基、n−ブトキシカルボニルメチル基、t−ブトキシカルボニルメチル基等を挙げることができる。また、前記1−置換エチル基としては、例えば、1−シクロプロピルエチル基、1−フェニルエチル基、1,1−ジフェニルエチル基、1−メトキシカルボニルエチル基、1−エトキシカルボニルエチル基、1−n−プロポキシカルボニルエチル基、1−i−プロポキシカルボニルエチル基、1−n−ブトキシカルボニルエチル基、1−t−ブトキシカルボニルエチル基等を挙げることができる。
【0051】また、前記1−分岐アルキル基としては、例えば、i−プロピル基、sec−ブチル基、1−メチルブチル基等を挙げることができる。また、前記シリル基としては、例えば、トリメチルシリル基、エチルジメチルシリル基、メチルジエチルシリル基、トリエチルシリル基、i−プロピルジメチルシリル基、メチルジ−i−プロピルシリル基、トリ−i−プロピルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、メチルジ−t−ブチルシリル基、トリ−t−ブチルシリル基、フェニルジメチルシリル基、メチルジフェニルシリル基、トリフェニルシリル基等を挙げることができる。また、前記ゲルミル基としては、例えば、トリメチルゲルミル基、エチルジメチルゲルミル基、メチルジエチルゲルミル基、トリエチルゲルミル基、i−プロピルジメチルゲルミル基、メチルジ−i−プロピルゲルミル基、トリ−i−プロピルゲルミル基、t−ブチルジメチルゲルミル基、メチルジ−t−ブチルゲルミル基、トリ−t−ブチルゲルミル基、フェニルジメチルゲルミル基、メチルジフェニルゲルミル基、トリフェニルゲルミル基等を挙げることができる。また、前記アルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基等を挙げることができる。
【0052】また、前記アシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ヘプタノイル基、ヘキサノイル基、バレリル基、ピバロイル基、イソバレリル基、ラウリロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、オキサリル基、マロニル基、スクシニル基、グルタリル基、アジポイル基、ピペロイル基、スベロイル基、アゼラオイル基、セバコイル基、アクリロイル基、プロピオロイル基、メタクリロイル基、クロトノイル基、オレオイル基、マレオイル基、フマロイル基、メサコノイル基、カンホロイル基、ベンゾイル基、フタロイル基、イソフタロイル基、テレフタロイル基、ナフトイル基、トルオイル基、ヒドロアトロポイル基、アトロポイル基、シンナモイル基、フロイル基、テノイル基、ニコチノイル基、イソニコチノイル基、p−トルエンスルホニル基、メシル基等を挙げることができる。さらに、前記環式酸解離性基としては、例えば、3−オキソシクロヘキシル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチオピラニル基、テトラヒドロチオフラニル基、3−ブロモテトラヒドロピラニル基、4−メトキシテトラヒドロピラニル基、2−オキソ−4−メチル−4−テトラヒドロピラニル基、4−メトキシテトラヒドロチオピラニル基、3−テトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド基等を挙げることができる。
【0053】一般式(4)および一般式(5)におけるXとしては、水素原子や、酸解離性基(α)として、t−ブチル基、t−ブトキシカルボニル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、1−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基等が好ましい。なお、一般式(4)におけるXと一般式(5)におけるXとは、相互に同一でも異なってもよい。また、一般式(4)におけるYと一般式(5)におけるYとは、相互に同一でも異なってもよく、またこれらのYは、構造単位(I)におけるYおよび構造単位(II)におけるYと相互に同一でも異なってもよい。また、一般式(4)におけるmおよび一般式(5)におけるmとしては、それぞれ0または1が好ましい。なお、一般式(4)におけるmと一般式(5)におけるmとは、相互に同一でも異なってもよい。
【0054】次に、一般式(6)および一般式(7)において、Aの酸素原子を有する1価の有機基としては、例えば、下記一般式(11)で表される基、下記一般式(12)で表される基、酸解離性基を有する1価の有機基等を挙げることができる。
【0055】
【化12】

〔一般式(11)および一般式(12)において、Pは、メチレン基、ジフルオロメチレン基、炭素数2〜20のアルキレン基、炭素数2〜20のフルオロアルキレン基、炭素数6〜20の2価の芳香族基または炭素数3〜20の2価の脂環式基を示す。〕
【0056】一般式(11)および一般式(12)において、Pの炭素数2〜20のアルキレン基としては、例えば、エチレン基、n−プロピレン基、i−プロピレン基、n−ブチレン基等を挙げることができ、炭素数2〜20のフルオロアルキレン基としては、例えば、テトラフルオロエチレン基、ヘキサフルオロ−n−プロピレン基、オクタフルオロ−n−ブチレン基等を挙げることができ、炭素数6〜20の2価の芳香族基としては、例えば、フェニレン基、ナフチレン基、パーフルオロフェニレン基、パーフルオロナフチレン基等を挙げることができ、また炭素数3〜20の2価の脂環式基としては、ノルボルネン骨格、トリシクロデカン骨格あるいはアダマンタン骨格を有する2価の炭化水素基や、これらの基のハロゲン化物等を挙げることができる。一般式(11)および一般式(12)におけるPとしては、メチレン基、トリフルオロメチレン基、ノルボルネン骨格を有する2価の炭化水素基やそのハロゲン化物、アダマンタン骨格を有する2価の炭化水素基やそのハロゲン化物等が好ましい。
【0057】また、Aにおける酸解離性基を有する1価の有機基としては、酸により解離して、好ましくは、カルボキシル基、フェノール性水酸基またはアルコール性水酸基を生じる酸解離性基を有する炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、該酸解離性基を有する炭素数4〜30の1価の脂環式炭化水素基等の、ポリシロキサン(1)を製造する反応条件下で安定な基を挙げることができる。Aにおける酸解離性基としては、例えば、下記一般式(13)または一般式(14)で表される基(以下、これらの基をまとめて「酸解離性基(β)」という。)等が好ましい。
【0058】
【化13】

【0059】〔一般式(13)および一般式(14)において、Qは単結合、メチレン基、ジフルオロメチレン基、炭素数2〜20のアルキレン基、炭素数2〜20のフルオロアルキレン基、炭素数6〜20の2価の芳香族基または炭素数3〜20の2価の脂環式基を示し、Zは酸により解離して水素原子を生じる1価の有機基を示す。〕
【0060】一般式(13)および一般式(14)において、Qの炭素数2〜20のアルキレン基、炭素数2〜20のフルオロアルキレン基、炭素数6〜20の2価の芳香族基および炭素数3〜20の2価の脂環式基としては、例えば、一般式(11)および一般式(12)におけるPのそれぞれ対応する基等を挙げることができる。一般式(13)および一般式(14)におけるQとしては、単結合、メチレン基、トリフルオロメチレン基、ノルボルネン骨格を有する2価の炭化水素基やそのハロゲン化物、アダマンタン骨格を有する2価の炭化水素基やそのハロゲン化物等が好ましい。
【0061】また、Zの酸により解離して水素原子を生じる1価の有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−デシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、4−t−ブチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基;フェノキシカルボニル基、4−t−ブチルフェニル基、1−ナフチル基等のアリーロキシカルボニル基;ベンジル基、4−t−ブチルベンジル基、フェネチル基、4−t−ブチルフェネチル基等のアラルキル基;t−ブトキシカルボニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、9−フルオレニルメチルカルボニル基、2,2,2−トリクロロエチルカルボニル基、2−(トリメチルシリル)エチルカルボニル基、i−ブチルカルボニル基、ビニルカルボニル基、アリルカルボニル基、ベンジルカルボニル基、4−エトキシ−1−ナフチルカルボニル基、メチルジチオカルボニル基等の有機カルボニル基;
【0062】メトキシメチル基、メチルチオメチル基、t−ブチルチオメチル基、(フェニルジメチルシリル)メトキシメチル基、ベンジロキシメチル基、t−ブトキシメチル基、シロキシメチル基、2−メトキシエトキシメチル基、2,2,2−トリクロロエトキシメチル基、ビス(2−クロロエトキシ)メチル基、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル基、1−メトキシシクロヘキシル基、テトラヒドロピラニル基、4−メトキシテトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチオピラニル基、テトラヒドロチオフラニル基、1−エトキシエチル基、1−(2−クロロエトキシ)エチル基、1−メチル−1−メトキシエチル基、1−メチル−1−ベンジロキシエチル基、1−(2−クロロエトキシ)エチル基、1−メチル−1−ベンジロキシ−2−フルオロエチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、2−トリメチルシリルエチル基、2−(フェニルセレニル)エチル基等の、一般式(13)中の酸素原子と結合してアセタール基を形成する有機基;トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリ−i−プロピルシリル基、ジメチル−i−プロピルシリル基、ジエチル−i−プロピルシリル基、ジメチルエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、t−ブチルジフェニルシリル基、トリベンジルシリル基、トリ−p−キシリルシリル基、トリフェニルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、t−ブチルメトキシフェニルシリル基等の有機シリル基等を挙げることができる。
【0063】これらの酸により解離して水素原子を生じる1価の有機基のうち、t−ブチル基、テトラヒドロピラニル基、1−エトキシエチル基、t−ブチルジメチルシリル基等が好ましい。一般式(6)および一般式(7)におけるAとしては、2−t−ブトキシカルボニルエチル基、4−t−ブトキシカルボニルシクロヘキシル基、4−t−ブトキシカルボニルフェニル基、4−t−ブトキシカルボニル−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル基、5−t−ブトキシカルボニルノルボニル基、5−t−ブトキシカルボニルアダマンチル基等が好ましい。なお、一般式(6)におけるAと一般式(7)におけるAとは、相互に同一でも異なってもよい。
【0064】また、R1 の炭素数1〜10の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができ、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状もしくは環状のハロゲン化アルキル基としては、例えば、フルオロメチル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ジフルオロメチル基、ジクロロメチル基、トリフルオロメチル基等を挙げることができる。一般式(6)および一般式(7)におけるR1 としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基等が好ましい。なお、一般式(6)におけるR1 と一般式(7)におけるR1 とは、相互に同一でも異なってもよい。
【0065】また、一般式(7)において、R2 の炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができ、炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のハロゲン化アルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロ−n−プロピル基、ヘプタフルオロ−i−プロピル基等を挙げることができ、炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基、ベンジル基、フェネチル基等を挙げることができ、炭素数6〜20の1価のハロゲン化芳香族炭化水素基としては、例えば、パーフルオロフェニル基、パーフルオロベンジル基、パーフルオロフェネチル基、2−(パーフルオロフェニル)ヘキサフルオロ−n−プロピル基、3−(パーフルオロフェニル)ヘキサフルオロ−n−プロピル基等を挙げることができる。一般式(7)におけるR2 としては、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロフェネチル基、3−(パーフルオロフェニル)ヘキサフルオロ−n−プロピル基等が好ましい。
【0066】次に、一般式(8)〜(10)において、R1 の炭素数1〜10の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基および炭素数1〜10の直鎖状、分岐状もしくは環状のハロゲン化アルキル基としては、例えば、一般式(6)および一般式(7)におけるR1 のそれぞれ対応する基等を挙げることができる。一般式(8)〜(10)におけるR1 としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基等が好ましい。なお、一般式(8)におけるR1 、一般式(9)におけるR1 および一般式(10)におけるR1 は、相互に同一でも異なってもよく、またこれらの各R1 は、一般式(6)におけるR1 および一般式(7)におけるR1 と相互に同一でも異なってもよい。
【0067】また、R3 のハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等を挙げることができる。また、R3 の置換されていてもよい炭素数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、4−ヒドロキシブチル基、4−ヒドロキシシクロヘキシル基等のヒドロキシ(シクロ)アルキル基;メトキシメチル基、2−メトキシエチル基、3−メトキシプロピル基、4−メトキシブチル基、4−メトキシシクロヘキシル基、アセトキシメチル基、2−アセトキシエチル基、3−アセトキシプロピル基、4−アセトキシブチル基、4−アセトキシシクロヘキシル基、メルカプトメチル基、2−メルカプトエチル基、3−メルカプトプロピル基、4−メルカプトブチル基、4−メルカプトシクロヘキシル基、シアノメチル基、2−シアノエチル基、3−シアノプロピル基、4−シアノシクロヘキシル基、3−グリシドキシプロピル基、2−(3,4−エポキシ)シクロヘキシル基、2−(3,4−エポキシ)シクロヘキシルエチル基、3−モルフォリノプロピル基等を挙げることができる。
【0068】また、R3 の置換されていてもよい炭素数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルコキシル基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、2−メチルプロポキシ基、1−メチルプロポキシ基、t−ブトキシ基、シクロヘキシルオキシ基、フルオロメトキシ基、クロロメトキシ基、2−クロロエトキシ基、2−ブロモエトキシ基、3−クロロプロポキシ基、3−ブロモプロポキシ基、3−グリシドキシプロポキシ基、4−フルオロシクロヘキシルオキシ基、3,4−エポキシシクロヘキシルオキシ基等を挙げることができる。また、R3 の置換されていてもよいアセトキシ基としては、例えば、アセトキシ基、トリフルオロアセトキ基、クロロアセトキシ基、ブロモアセトキシ基等を挙げることができる。
【0069】また、R3 の置換されていてもよい炭素数6〜20の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、ベンジル基、フェネチル基、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、4−クロロフェニル基、4−ブロモフェニル基、2−ヒドロキシフェニル基、3−ヒドロキシフェニル基、4−ヒドロキシフェニル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、2−アセトキシフェニル基、3−アセトキシフェニル基、4−アセトキシフェニル基、2−トリメチルシロキシフェニル基、3−トリメチルシロキシフェニル基、4−トリメチルシロキシフェニル基、2−フルオロベンジル基、3−フルオロベンジル基、4−フルオロベンジル基、4−クロロベンジル基、4−ブロモベンジル基、2−ヒドロキシベンジル基、3−ヒドロキシベンジル基、4−ヒドロキシベンジル基、2−メトキシベンジル基、3−メトキシベンジル基、4−メトキシベンジル基、2−アセトキシベンジル基、3−アセトキシベンジル基、4−アセトキシベンジル基、2−トリメチルシロキシベンジル基、3−トリメチルシロキシベンジル基、4−トリメチルシロキシベンジル基等を挙げることができる。
【0070】一般式(8)〜(10)におけるR3 としては、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロフェネチル基、3−(パーフルオロフェニル)ヘキサフルオロ−n−プロピル基等が好ましい。なお、一般式(8)におけるR3 、一般式(9)におけるR3 および一般式(10)におけるR3 は、相互に同一でも異なってもよい。
【0071】前記シラン化合物(4)〜(10)は、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して使用することができ、またそれらの2種以上を組み合わせて使用することができ、それらを適切に選択しあるいは適切に組み合わせることにより、得られるポリシロキサン(1)の分子量およびガラス転移温度(Tg)を制御でき、また193nm以下、特に157nmの波長における透明性をさらに向上させることができる。さらに、ポリシロキサン(1)を製造する重縮合に際しては、得られるポリマーの分子量を制御し、また得られるポリマーの安定性を向上させるために、ヘキサメチルジシロキサンを添加することができる。ヘキサメチルジシロキサンの添加量は、シラン化合物の全量100重量部に対して、通常、500重量部以下、好ましくは50重量部以下である。この場合、ヘキサメチルジシロキサンの添加量が500重量部を超えると、得られるポリマーの分子量が小さくなり、ガラス転移温度(Tg)が低下する傾向がある。
【0072】ポリシロキサン(1)は、通常、部分的にラダー構造を有する。このラダー構造は、基本的に、重縮合反応に関して3官能であるシラン化合物(i)、シラン化合物(ii)、シラン化合物(4)(但し、pが0の場合)、シラン化合物(5)(但し、R''' がOYの場合)、シラン化合物(6)、重縮合反応に関して3官能ないし4官能(但し、R3 が水酸基またはハロゲン原子の場合) であるシラン化合物(8)、重縮合反応に関して3官能(但し、1個のR3 が水酸基またはハロゲン原子の場合) ないし4官能(但し、2個のR3 が水酸基またはハロゲン原子の場合) であるシラン化合物(9)、あるいは重縮合反応に関して3官能(但し、2個のR3 が水酸基またはハロゲン原子の場合) ないし4官能(但し、3個のR3 が水酸基またはハロゲン原子の場合) であるシラン化合物(10)の反応により導入されるものである。
【0073】ポリシロキサン(1)における各構造単位の具体的な含有率は、それらの種類やそれらの組み合わせ、ポリシロキサン(1)の用途等に応じて変わり、それぞれの場合における各構造単位の好適な含有率は、試験等により当業者が適宜に選定することができるが、構造単位(I)の含有率は、全構造単位に対して、一般に、1〜100モル%、好ましくは2〜100モル%、特に好ましくは5〜100モル%であり、構造単位(II)の含有率は、全構造単位に対して、一般に、0〜100モル%、好ましくは1〜100モル%、特に好ましくは2〜100モル%であり、かつ構造単位(I)と構造単位(II)との合計含有率は、全構造単位に対して、一般に、1〜100モル%、好ましくは2〜100モル%、特に好ましくは5〜100モル%である。また、他の構造単位の含有率は、全構造単位に対して、一般に、99モル%以下、好ましくは95モル%以下である。また、重縮合に関して2官能の構造単位の合計含有率は、全構造単位に対して、一般に、0〜100モル%、好ましくは1〜100モル%であり、重縮合に関して3官能の構造単位の合計含有率は、全構造単位に対して、一般に、1〜100モル%、好ましくは2〜100モル%であり、重縮合に関して4官能の構造単位の合計含有率は、全構造単位に対して、一般に、90モル%以下、好ましくは50モル%以下である。
【0074】ポリシロキサン(1)のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定したポリスチレン換算重量平均分子量(以下、「Mw」という。)は、500〜1,000,000、好ましくは500〜500,000、特に好ましくは1,000〜100,000である。この場合、Mwが500未満では、得られるポリマーのガラス転移温度が低下する傾向があり、一方1,000,000を超えると、得られるポリマーの溶剤への溶解性が低下する傾向がある。また、ポリシロキサン(1)のガラス転移温度(Tg)は、通常、−50〜+500℃、好ましくは0〜300℃である。この場合、ガラス転移温度(Tg)が−50℃未満では、レジスト材料としたときにパターンの形成が困難となる傾向があり、一方500℃を越えると、得られるポリマーの溶剤への溶解性が低下する傾向がある。
【0075】ポリシロキサン(1)の用途ポリシロキサン(1)は、通常、その構造単位(I)あるいは構造単位(II)中のt−ブトキシカルボニル基や、他の構造単位中の酸解離性基(α)あるいは酸解離性基(β)が酸の存在下で解離したときにアルカリ可溶性となり、特に、遠紫外線、電子線、X線等の放射線を用いる微細加工用のレジスト材料における酸解離性基含有樹脂成分として有用である。このレジスト材料は、ドライエッチング耐性に優れ、しかも放射線に対する透明性、感度、解像度、現像性等のレジストとしての基本物性にも優れている。
【0076】前記レジスト材料は、ポリシロキサン(1)のほか、通常、露光により酸を発生する感放射線性酸発生剤等をさらに含有する。前記感放射線性酸発生剤としては、としては、例えば、オニウム塩、ハロゲン含有化合物、ジアゾケトン化合物、スルホン化合物、スルホン酸化合物等を挙げることができる。さらに、前記レジスト材料には、酸拡散制御剤、界面活性剤、増感剤、ハレーション防止剤、接着助剤、保存安定化剤、消泡剤等を配合することもできる。
【0077】
【発明の実施の形態】以下、実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。
【実施例】実施例1撹拌機、寒流冷却器、温度計を装着した3つ口フラスコに、そのRが水素原子、Yがメチル基、nが1であるシラン化合物(i)2.06g、メチルトリメトキシシラン2.94g、4−メチル−2−ペンタノン15g、1.75重量%蓚酸水溶液1.49gを加えて、撹拌しつつ、80℃で5時間反応させたのち、反応容器を氷冷して、反応を停止した。その後、反応溶液を分液ロートに移して、水層を廃棄し、さらにイオン交換水を加えて水洗し、反応液が中性になるまで水洗を繰り返した。その後、有機層を減圧留去して、樹脂を得た。この樹脂について、核磁気共鳴スペクトル(化学シフトσ)、赤外吸収スペクトル(IR)およびMwを測定したところ、以下のとおりであった。
σ :1.4ppm(t−ブチル基)、0.2ppm(SiCH3 基)。
IR:1705cm-1(エステル基)、1116cm-1(シロキサン基)。
Mw:2,600。
【0078】実施例2撹拌機、寒流冷却器、温度計を装着した3つ口フラスコに、そのRが水素原子、Yがエチル基、nが1であるシラン化合物(i)1.48g、そのR''がトリフルオロメチル基、Xが水素原子、Yがエチル基、pが0、mが0であるシラン化合物(4)1.52g、4−メチル−2−ペンタノン9g、1.75重量%蓚酸水溶液0.51gを加えて、撹拌しつつ、80℃で6時間反応させたのち、反応容器を氷冷して、反応を停止した。その後、反応溶液を分液ロートに移して、水層を廃棄し、さらにイオン交換水を加えて水洗し、反応液が中性になるまで水洗を繰り返した。その後、有機層を減圧留去して、樹脂を得た。この樹脂について、核磁気共鳴スペクトル(化学シフトσ)、赤外吸収スペクトル(IR)およびMwを測定したところ、以下のとおりであった。
σ :2.3ppm(CH2 C基に結合した2個のCF3 基)、1.4ppm(t−ブチル基)。
IR:1703cm-1(エステル基)、1213cm-1(C−F結合)、1151cm-1(シロキサン基)。
Mw:1,900。
【0079】実施例3撹拌機、寒流冷却器、温度計を装着した3つ口フラスコに、そのRが水素原子、Yがエチル基、nが1であるシラン化合物(i)0.58g、そのR''がトリフルオロメチル基、Xが水素原子、Yがエチル基、pが0、mが0であるシラン化合物(4)2.42g、4−メチル−2−ペンタノン9g、1.75重量%蓚酸水溶液0.51gを加えて、撹拌しつつ、80℃で6時間反応させたのち、反応容器を氷冷して、反応を停止した。その後、反応溶液を分液ロートに移して、水層を廃棄し、さらにイオン交換水を加えて水洗し、反応液が中性になるまで水洗を繰り返した。その後、有機層を減圧留去して、樹脂を得た。この樹脂について、核磁気共鳴スペクトル(化学シフトσ)、赤外吸収スペクトル(IR)およびMwを測定したところ、以下のとおりであった。
σ :2.3ppm(CH2 C基に結合した2個のCF3 基)、1.4ppm(t−ブチル基)、IR:1703cm-1(エステル基)、1213cm-1(C−F結合)、1143cm-1(シロキサン基)。
Mw:2,400。
【0080】実施例4撹拌機、寒流冷却器、温度計を装着した3つ口フラスコに、そのRが水素原子、Yがエチル基、nが1であるシラン化合物(i)1.52g、そのR''がトリフルオロメチル基、Xが水素原子、Yがエチル基、pが0、mが0であるシラン化合物(4)1.57g、メチルトリエトキシシラン1.91g、4−メチル−2−ペンタノン15g、1.75重量%蓚酸水溶液1.31gを加えて、撹拌しつつ、80℃で6時間反応させたのち、反応容器を氷冷して、反応を停止した。その後、反応溶液を分液ロートに移して、水層を廃棄し、さらにイオン交換水を加えて水洗し、反応液が中性になるまで水洗を繰り返した。その後、有機層を減圧留去して、樹脂を得た。この樹脂について、核磁気共鳴スペクトル(化学シフトσ)、赤外吸収スペクトル(IR)およびMwを測定したところ、以下のとおりであった。
σ :2.3ppm(CH2 C基に結合した2個のCF3 基)、1.4ppm(t−ブチル基)、0.2ppm(SiCH3 基) 。
IR:1699cm-1(エステル基)、1213cm-1(C−F結合)、1124cm-1(シロキサン基)。
Mw:1,900。
【0081】実施例5撹拌機、寒流冷却器、温度計を装着した3つ口フラスコに、そのRが水素原子、Yがエチル基、nが1であるシラン化合物(i)1.28g、そのR''がトリフルオロメチル基、Xが水素原子、Yがエチル基、pが0、mが0であるシラン化合物(4)2.64g、メチルトリエトキシシラン1.07g、4−メチル−2−ペンタノン15g、1.75重量%蓚酸水溶液1.11gを加えて、撹拌しつつ、80℃で6時間反応させたのち、反応容器を氷冷して、反応を停止した。その後、反応溶液を分液ロートに移して、水層を廃棄し、さらにイオン交換水を加えて水洗し、反応液が中性になるまで水洗を繰り返した。その後、有機層を減圧留去して、樹脂を得た。この樹脂について、核磁気共鳴スペクトル(化学シフトσ)、赤外吸収スペクトル(IR)およびMwを測定したところ、以下のとおりであった。
σ :2.3ppm(CH2 C基に結合した2個のCF3 基)、1.4ppm(t−ブチル基)、0.2ppm(SiCH3 基) 。
IR:1703cm-1(エステル基)、1213cm-1(C−F結合)、1140cm-1(シロキサン基)。
Mw:2,900。
【0082】実施例6撹拌機、寒流冷却器、温度計を装着した3つ口フラスコに、そのRが水素原子、R’がメチル基、Yがエチル基、nが1であるシラン化合物(iii)1.44g、そのR''がトリフルオロメチル基、Xが水素原子、Yがエチル基、pが0、mが0であるシラン化合物(4)1.60g、メチルトリエトキシシラン1.95g、4−メチル−2−ペンタノン15g、1.75重量%蓚酸水溶液1.34gを加えて、撹拌しつつ、80℃で6時間反応させたのち、反応容器を氷冷して、反応を停止した。その後、反応溶液を分液ロートに移して、水層を廃棄し、さらにイオン交換水を加えて水洗し、反応液が中性になるまで水洗を繰り返した。その後、有機層を減圧留去して、樹脂を得た。この樹脂について、核磁気共鳴スペクトル(化学シフトσ)、赤外吸収スペクトル(IR)およびMwを測定したところ、以下のとおりであった。
σ :2.3ppm(CH2 C基に結合した2個のCF3 基)、1.4ppm(t−ブチル基)、0.2ppm(SiCH3 基) 。
IR:1699cm-1(エステル基)、1213cm-1(C−F結合)、1124cm-1(シロキサン基)。
Mw:1,300。
【0083】評価例1(放射線透過率)
実施例3〜6で得た各樹脂から形成した被膜(膜厚0.1μm)について、波長157nmおよび193nmの放射線に対する透過率を測定した。測定結果を、表1に示す。
【0084】
【表1】

【0085】その結果、本発明のポリシロキサン(1)は193nm以下、特に157nmにおいて、優れた透明性を示すことが明らかとなった。これは、特にArFエキシマレーザー(波長193nm)あるいはF2 エキシマレーザー(波長157nm)などの短波長放射線を用いたリソグラフィープロセスに用いられる素材として有用性の高い樹脂であるとことを示している。
【0086】比較例撹拌機、寒流冷却器、温度計を装着した3つ口フラスコに、一般式(3 )に示すシラン化合物(iii)において、そのRが水素原子、Yがエチル基、nが0であるシラン化合物1.62g、そのR''がトリフルオロメチル基、Xが水素原子、Yがエチル基、pが0、mが0であるシラン化合物(4)1.98g、メチルトリエトキシシラン2.41g、4−メチル−2−ペンタノン6.0g、1.75重量%蓚酸水溶液1.65gを加えて、撹拌しつつ、80℃で6時間反応させたのち、反応容器を氷冷して、反応を停止した。その後、反応溶液を分液ロートに移して、水層を廃棄し、さらにイオン交換水を加えて水洗し、反応液が中性になるまで水洗を繰り返した。その後、有機層を減圧留去して、樹脂を得た。この樹脂について、核磁気共鳴スペクトル(化学シフトσ)および赤外吸収スペクトル(IR)を測定したところ、以下のとおりであった。
σ :2.3ppm(CH2 C基に結合した2個のCF3 基)、1.5ppm(t−ブトキシカルボニル基)、0.2ppm(SiCH3 基) 。
IR:3400cm-1(水酸基)、1703cm-1(カルボニル基)、1213cm-1(C−F結合)、1130cm-1(シロキサン基)、1080cm-1(シロキサン基)。
【0087】評価例2(ガラス転移温度)
実施例4、実施例5および比較例で得た各樹脂について、ガラス転移点を測定したところ、実施例4で得た樹脂が118℃、実施例5で得た樹脂が116℃、比較例で得た樹脂が94℃であった。この結果は、一般式(1)におけるnが0の構造単位を有するポリシロキサンと比較して、本発明のポリシロキサン(1)のガラス転移温度がより高く、通常のリソグラフィープロセスにより微細で矩形のレジストパターンを形成するための素材としてて、本発明のポリシロキサン(1)がより有用であることを示している。
【0088】評価例3(KrFエキシマレーザーによるレジストパターンの形成)
実施例4で得た樹脂100重量部、トリフェニルスルフォニウムトリフルオロメタンスルホネート1重量部、トリ−n−オクチルアミン0.02重量部および2−ヘプタノン900重量部を均一に混合して、組成物溶液を調製した。この組成物溶液を、シリコンウエハー基板上にスピンコートにより塗布し、130℃に保持したホットプレート上で、90秒間プリベークを行って、膜厚100nmのレジスト被膜を形成した。その後、このレジスト被膜に対して、フォトマスクを介し、KrFエキシマレーザーにより露光量を変えて露光して、110℃に保持したホットプレート上で、90秒間露光後ベークを行ったのち、2.38重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で現像を行って、基板上にレジストパターンを形成した。得られた基板の露光部分を電子顕微鏡で観察した結果、パターンは線幅0.24μmのサイズまで解像しており、かつパターン形状は矩形を保っていた。さらに、実施例4で得た樹脂の代わりに実施例5で得た樹脂を用いた以外は、上記と同様にして、レジストパターンを形成して評価を行ったところ、パターンは線幅0.24μmのサイズまで解像しており、かつパターン形状は矩形を保っていた。これに対して、実施例4で得た樹脂の代わりに比較例で得た樹脂を用いた以外は、上記と同様にして、レジストパターンを形成して評価を行ったところ、パターンは線幅0.30μmまで解像していたものの、パターン形状は矩形を保っていなかった。
【0089】評価例4(F2 エキシマレーザーによるレジストパターンの形成)
実施例4で得た樹脂100重量部、トリフェニルスルフォニウムトリフルオロメタンスルホネート1重量部、トリ−n−オクチルアミン0.02重量部および2−ヘプタノン900重量部を均一に混合して、組成物溶液を調製した。この組成物溶液を、シリコンウエハー基板上にスピンコートにより塗布し、130℃に保持したホットプレート上で、90秒間プリベークを行って、膜厚100nmのレジスト被膜を形成した。その後、このレジスト被膜に対して、フォトマスクを介し、F2 エキシマレーザーにより露光量を変えて露光して、110℃に保持したホットプレート上で、90秒間PEBを行ったのち、2.38重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で現像を行って、基板上にレジストパターンを形成した。得られた基板の露光部分を電子顕微鏡で観察した結果、パターンは線幅0.10μmのサイズまで解像しており、かつパターン形状は矩形を保っていた。さらに、実施例4で得た樹脂の代わりに実施例5で得た樹脂を用いた以外は、上記と同様にして、レジストパターンを形成して評価を行ったところ、パターンは線幅0.10μmのサイズまで解像しており、かつパターン形状は矩形を保っていた。
【0090】
【発明の効果】本発明のポリシロキサン(1)は、特に、遠紫外線、電子線、X線等の放射線を用いる微細加工用のレジスト材料における酸解離性基含有樹脂成分として有用であり、このレジスト材料は、KrFエキシマレーザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)あるいはF2 エキシマレーザー(波長157nm)に代表される遠紫外線等の放射線に有効に感応し、ドライエッチング耐性に優れ、しかも放射線に対する透明性、感度、解像度、現像性等のレジストとしての基本物性にも優れている。また、ポリシロキサン(1)は、単独であるいは一般のポリシロキサン樹脂と混合して、例えば、成型品、フィルム、ラミネート材、塗料成分等としても有用である。
【出願人】 【識別番号】000004178
【氏名又は名称】ジェイエスアール株式会社
【出願日】 平成13年1月29日(2001.1.29)
【代理人】 【識別番号】100100985
【弁理士】
【氏名又は名称】福沢 俊明
【公開番号】 特開2002−220471(P2002−220471A)
【公開日】 平成14年8月9日(2002.8.9)
【出願番号】 特願2001−19834(P2001−19834)