| 【発明の名称】 |
ポリアミド樹脂の重合装置及びポリアミド樹脂の重合方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】田中 一實
【氏名】中 敦士
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| 【要約】 |
【課題】排気部と凝縮器とを結ぶ配管の内壁に堆積物が生じないようなポリアミド樹脂の重合装置を提供する。
【解決手段】ポリアミド樹脂の重合装置は、反応器21と、排気部25と、凝縮器30と、排気部25と凝縮器30とを結ぶ配管34と、配管34の外周部に配設された加熱手段36を備えており、配管34は、排気部25から凝縮器30に向かって下方に傾斜した傾斜部35を有し、JIS B0601に規定された傾斜部35の内面の十点平均の表面粗さが12.5μm以下である。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】(A)反応器と、(B)反応器の上部に設けられた排気部と、(C)凝縮器と、(D)排気部と凝縮器とを結ぶ配管と、(E)配管の外周部に配設された加熱手段、を備えたポリアミド樹脂の重合装置であって、配管は、排気部から凝縮器に向かって下方に傾斜した傾斜部を有しており、JIS B0601に規定された該傾斜部の内面の十点平均の表面粗さが12.5μm以下であることを特徴とするポリアミド樹脂の重合装置。 【請求項2】JIS B0601に規定された配管の内面の十点平均の表面粗さが12.5μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のポリアミド樹脂の重合装置。 【請求項3】(A)反応器と、(B)反応器の上部に設けられた排気部と、(C)凝縮器と、(D)排気部と凝縮器とを結ぶ配管と、(E)配管の外周部に配設された加熱手段、を備えたポリアミド樹脂の重合装置であって、配管は、排気部から凝縮器に向かって下方に傾斜した傾斜部を有しており、傾斜部には、凝縮器方向に水蒸気又は不活性ガスを連続的若しくは間欠的に吹き込む吹込部が設けられていることを特徴とするポリアミド樹脂の重合装置。 【請求項4】JIS B0601に規定された傾斜部の内面の十点平均の表面粗さが12.5μm以下であることを特徴とする請求項3に記載のポリアミド樹脂の重合装置。 【請求項5】JIS B0601に規定された配管の内面の十点平均の表面粗さが12.5μm以下であることを特徴とする請求項4に記載のポリアミド樹脂の重合装置。 【請求項6】ポリアミド樹脂の重合装置は連続式重合装置であり、反応器は横型筒状の反応器であり、ポリアミド樹脂の重合装置は、更に、(F)反応器の外周部に配設された加熱用ジャケットと、(G)反応器の一端の下部又は側部に設けられた入口部と、(H)反応器の他端の下部又は側部に設けられた出口部と、(I)反応器の一端及び他端の側部に取り付けられ、反応器の軸線に沿って配設された回転軸と、(J)回転軸に取り付けられ、反応器の内部に配設された複数の撹拌翼、を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂の重合装置。 【請求項7】ポリアミド樹脂の重合装置においては、溶融状態にあるポリアミド樹脂を入口部から反応器内に供給し、反応器内で連続的にポリアミド樹脂の重縮合反応を進行させて、出口部から排出するポリアミド樹脂の連続重合を行うことを特徴とする請求項6に記載のポリアミド樹脂の重合装置。 【請求項8】加熱手段によって、配管を150゜C乃至350゜Cに加熱することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂の重合装置。 【請求項9】加熱手段によって、反応器の温度と略同じ温度に配管を加熱することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂の重合装置。 【請求項10】(A)反応器と、(B)反応器の上部に設けられた排気部と、(C)凝縮器と、(D)排気部と凝縮器とを結ぶ配管と、(E)配管の外周部に配設された加熱手段、を備えたポリアミド樹脂の重合装置であって、配管は、排気部から凝縮器に向かって下方に傾斜した傾斜部を有しており、傾斜部には吹込部が設けられているポリアミド樹脂の重合装置を用いたポリアミド樹脂の重合方法であって、排気部から排気されたガスを凝縮器に導入すると共に、吹込部から、凝縮器方向に水蒸気又は不活性ガスを連続的若しくは間欠的に吹き込むことを特徴とするポリアミド樹脂の重合方法。 【請求項11】JIS B0601に規定された傾斜部の内面の十点平均の表面粗さが12.5μm以下であることを特徴とする請求項10に記載のポリアミド樹脂の重合方法。 【請求項12】JIS B0601に規定された配管の内面の十点平均の表面粗さが12.5μm以下であることを特徴とする請求項11に記載のポリアミド樹脂の重合方法。 【請求項13】ポリアミド樹脂の重合装置は連続式重合装置であり、反応器は横型筒状の反応器であり、ポリアミド樹脂の重合装置は、更に、(F)反応器の外周部に配設された加熱用ジャケットと、(G)反応器の一端の下部又は側部に設けられた入口部と、(H)反応器の他端の下部又は側部に設けられた出口部と、(I)反応器の一端及び他端の側部に取り付けられ、反応器の軸線に沿って配設された回転軸と、(J)回転軸に取り付けられ、反応器の内部に配設された複数の撹拌翼、を備えており、溶融状態にあるポリアミド樹脂を入口部から反応器内に供給し、反応器内で連続的にポリアミド樹脂の重縮合反応を進行させて、出口部から排出することを特徴とする請求項10乃至請求項12のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂の重合方法。 【請求項14】反応器への供給前のポリアミド樹脂は、キシリレンジアミンとビスアミノメチルシクロヘキサンの合計が70モル%以上であるジアミン、及び、ジカルボン酸から得られたポリアミド樹脂であることを特徴とする請求項13に記載のポリアミド樹脂の重合方法。 【請求項15】ジアミンの70モル%以上がメタキシリレンジアミンであることを特徴とする請求項14に記載のポリアミド樹脂の重合方法。 【請求項16】ジカルボン酸の70モル%以上がアジピン酸であることを特徴とする請求項14又は請求項15に記載のポリアミド樹脂の重合方法。 【請求項17】反応器内で、減圧下、溶融ポリアミド樹脂中から水分を取り除きながら重縮合反応を進行させ、水分を排気部から排気することを特徴とする請求項13に記載のポリアミド樹脂の重合方法。 【請求項18】反応器内の溶融ポリアミド樹脂の温度は290゜Cを超えないことを特徴とする請求項13に記載のポリアミド樹脂の重合方法。 【請求項19】出口部から排出された溶融状態のポリアミド樹脂から連続的にストランドを形成し、冷却、固化させた後、造粒することを特徴とする請求項13に記載のポリアミド樹脂の重合方法。 【請求項20】加熱手段によって、配管を150゜C乃至350゜Cに加熱することを特徴とする請求項10乃至請求項19のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂の重合方法。 【請求項21】加熱手段によって、反応器の温度と略同じ温度に配管を加熱することを特徴とする請求項10乃至請求項19のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂の重合方法。 【請求項22】反応器内の上部空間における圧力を9×104Pa未満とすることを特徴とする請求項10乃至請求項19のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂の重合方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ポリアミド樹脂の重合装置及びポリアミド樹脂の重合方法に関する。 【0002】 【従来の技術】ポリアミド樹脂やポリエステル樹脂等の縮合系高分子化合物の縮合反応においては、一般に、反応器と、反応器の上部に設けられた排気部と、凝縮器と、排気部と凝縮器とを結ぶ配管から構成された重合装置が使用される。そして、反応器内の反応出発原料や、二量体、三量体等のオリゴマー、ポリマー、触媒等が、常時、蒸気若しくは飛沫として、反応器の気相部から凝縮器まで存在する。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】これらの物質の内、融点が低いものは、屡々、排気部と凝縮器とを結ぶ配管の内壁に堆積し、あるいは又、付着し、固化する。そして、操業においてこれらが塊状に成長して配管の内壁から剥離すると、操業上のトラブルに繋がる。即ち、減圧系の圧力変動、配管の閉塞、凝集液濃度の急激な変動等が発生する。それ故、このような排気部と凝縮器とを結ぶ配管の内壁に堆積物が生成した場合には、操業を停止し、配管の洗浄を余儀なくされる。然るに、このような事態は、稼働率の低下は勿論のこと、洗浄作業による作業員の負担増加、洗浄によるエネルギー消費の増大、生産効率の低下といった問題を招く。 【0004】このような問題を解決するために、表面温度制御された邪魔板と払拭するための掃除具を有するポリエステルの製造装置が提案されている(特開平11−189641号公報参照)。また、ナイロン6の連続重合装置において、オリゴマーに対する溶解性を向上させるため、ラクタムを含有する蒸気を減圧系に導入することも提案されている(特開昭49−2898号公報参照)。しかし、特開平11−189641号公報に開示された技術においては、掃除具の使用は装置構造の複雑化に結びつく。一方、特開昭49−2898号に開示された技術にあっては、ラクタム蒸気の導入はナイロン6の製造の場合に限定される。 【0005】従って、本発明の目的は、ポリアミド樹脂の重合装置の安定な長期運転を達成するため、排気部と凝縮器とを結ぶ配管の内壁に堆積物が生ずることを防止し得るポリアミド樹脂の重合装置、及び、ポリアミド樹脂の重合方法を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するための本発明の第1の態様に係るポリアミド樹脂の重合装置は、(A)反応器と、(B)反応器の上部に設けられた排気部と、(C)凝縮器と、(D)排気部と凝縮器とを結ぶ配管と、(E)配管の外周部に配設された加熱手段、を備えたポリアミド樹脂の重合装置であって、配管は、排気部から凝縮器に向かって下方に傾斜した傾斜部を有しており、JIS B0601に規定された該傾斜部の内面の十点平均の表面粗さが12.5μm以下であることを特徴とする。 【0007】本発明の第1の態様に係るポリアミド樹脂の重合装置においては、JIS B0601に規定された配管の内面の十点平均の表面粗さが12.5μm以下である構成とすることもできる。 【0008】上記の目的を達成するための本発明の第2の態様に係るポリアミド樹脂の重合装置は、(A)反応器と、(B)反応器の上部に設けられた排気部と、(C)凝縮器と、(D)排気部と凝縮器とを結ぶ配管と、(E)配管の外周部に配設された加熱手段、を備えたポリアミド樹脂の重合装置であって、配管は、排気部から凝縮器に向かって下方に傾斜した傾斜部を有しており、傾斜部には、凝縮器方向に水蒸気又は不活性ガスを連続的若しくは間欠的に吹き込む吹込部が設けられていることを特徴とする。 【0009】本発明の第2の態様に係るポリアミド樹脂の重合装置においては、JIS B0601に規定された傾斜部の内面の十点平均の表面粗さが12.5μm以下である構成とすることができる。そして、この場合、更には、JIS B0601に規定された配管の内面の十点平均の表面粗さが12.5μm以下である構成とすることが好ましい。 【0010】また、上記の目的を達成するための本発明のポリアミド樹脂の重合方法は、(A)反応器と、(B)反応器の上部に設けられた排気部と、(C)凝縮器と、(D)排気部と凝縮器とを結ぶ配管と、(E)配管の外周部に配設された加熱手段、を備え、配管は、排気部から凝縮器に向かって下方に傾斜した傾斜部を有し、傾斜部には吹込部が設けられているポリアミド樹脂の重合装置を用いたポリアミド樹脂の重合方法であって、排気部から排気されたガスを凝縮器に導入すると共に、吹込部から、凝縮器方向に水蒸気又は不活性ガスを連続的若しくは間欠的に吹き込むことを特徴とする。 【0011】本発明のポリアミド樹脂の重合方法にあっては、JIS B0601に規定された傾斜部の内面の十点平均の表面粗さが12.5μm以下であるポリアミド樹脂の重合装置を用いることが好ましい。この場合、更には、JIS B0601に規定された配管の内面の十点平均の表面粗さが12.5μm以下であるポリアミド樹脂の重合装置を用いることが一層好ましい。 【0012】本発明の第1の態様に係るポリアミド樹脂の重合装置にあっては、配管の少なくとも傾斜部内面の表面粗さを規定することによって、あるいは又、本発明の第2の態様に係るポリアミド樹脂の重合装置あるいはポリアミド樹脂の重合方法(以下、これらを総称して、単に、本発明と呼ぶ場合がある)にあっては、配管が排気部から凝縮器に向かって下方に傾斜した傾斜部を有し、しかも、凝縮器方向に水蒸気又は不活性ガスを連続的若しくは間欠的に吹き込む吹込部が傾斜部に設けられているので、排気部から排気されたガスに同搬された反応出発原料や、二量体、三量体等のオリゴマー、ポリマー、触媒等(以下、これらを総称して、便宜上、飛来物質と呼ぶ)が、傾斜部の内面に堆積し、あるいは、付着しても、これらの飛来物質を容易に傾斜部の内面から除去することができる。しかも、反応器へ水蒸気や不活性ガスが流入したり、飛来物質が反応器へと逆流することがない。 【0013】本発明のポリアミド樹脂の重合装置、あるいは、本発明のポリアミド樹脂の重合方法における重合装置の形式は本質的には任意であり、回分式重合装置、連続式重合装置とすることができる。 【0014】ポリアミド樹脂の重合装置を連続式重合装置とする場合、反応器は横型筒状の反応器であり、ポリアミド樹脂の重合装置は、更に、(F)反応器の外周部に配設された加熱用ジャケットと、(G)反応器の一端の下部又は側部に設けられた入口部と、(H)反応器の他端の下部又は側部に設けられた出口部と、(I)反応器の一端及び他端の側部に取り付けられ、反応器の軸線に沿って配設された回転軸と、(J)回転軸に取り付けられ、反応器の内部に配設された複数の撹拌翼、を備えた構成することができるが、このような構成に限定するものではない。 【0015】配管は、耐熱性、耐薬品性、耐摩耗性、所望の機械的強度等を有する如何なる材料からも作製することができ、例えば、ステンレス鋼(SUS−304やSUS−316等)を用いて作製すればよい。傾斜部の傾斜角は、飛来物質が傾斜部の内面に堆積し難く、あるいは、付着し難い傾斜角、若しくは、飛来物質が傾斜部の内面に堆積し、あるいは、付着しても、容易に除去できるような傾斜角とすればよい。配管の内径は一定であってもよいし、凝縮器に向かうに従って内径が拡大するような、所謂テーパーが付された配管であってもよい。 【0016】配管の少なくとも傾斜部の内面の表面粗さは、JIS B0601に規定された十点平均粗さが12.5μm以下であることが好ましく、6.3μm以下がより好ましい。傾斜部の内面の表面粗さをこのような値にすることによって、飛来物質が、傾斜部の内面に堆積し難くなり、あるいは、付着し難くなる。このような傾斜部あるいは配管の内面の表面粗さは、物理的な研磨法、化学的な研磨法、電解研磨法、あるいはこれら研磨法の組み合わせで達成することができる。また、このような傾斜部や配管の内面の表面粗さは、内面にガラスライニング等を施すことでも達成することができる。 【0017】本発明において、加熱手段は、例えば、電気ヒータ、加熱媒体の流通するジャケット、加熱媒体の流通するコイルを配管に巻き付けること等で行うことができる。加熱手段により、配管を150゜C乃至350゜Cに加熱し、あるいは又、反応器の温度と略同じ温度に配管を加熱することが好ましい。これによって、融点の低い飛来物質が、配管の内面に堆積し、あるいは又、付着することを防止できる。ここで、反応器の温度と略同じ温度に配管を加熱するとは、反応器内の樹脂原料や樹脂の温度±50(゜C)程度の範囲内に配管を加熱することを意味する。 【0018】吹込部は、例えば、開口端部が凝縮器の方に向いた吹込管から構成することができる。吹込管は1本あるいは2本以上とすることができる。吹込管の開口端部の軸線は、配管の傾斜部の軸線と平行であってもよいし、配管の傾斜部の内面と鋭角を成して交わるような構成としてもよい。吹込部の端部は、配管を介して、水蒸気源又は不活性ガス源に接続されている。吹込部から吹き込まれる水蒸気又は不活性ガスの流速は、飛来物質を傾斜部の内面から除去することができるような流速とすればよい。 【0019】反応器、排気部、凝縮器は、周知の構成、構造のものとすればよい。 【0020】連続運転中に吹込部から水蒸気又は不活性ガスを連続的若しくは間欠的に吹き込むことによって、配管内と反応器内の圧力バランスが崩れる虞がある場合には、排気部と吹込部との間の配管に、例えば、逆止弁あるいは開閉弁を取り付け、水蒸気又は不活性ガスが反応器に流入しないような構成とすればよい。これら弁の動作を、不活性ガスの吹き込みと連動するようにしておけば、効率的な操作が行える。あるいは、連続運転の終了時に吹込部から水蒸気又は不活性ガスを暫くの間、吹き込むことで、配管を相当に洗浄することができる。 【0021】本発明のポリアミド樹脂の重合装置、あるいは本発明のポリアミド樹脂の重合方法において生産される樹脂として、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の揮発物の発生する縮合系ポリマーを挙げることができる。 【0022】本発明において、ポリアミド樹脂の重合装置として横型の連続式重合装置を使用し、ポリアミド樹脂を連続的に生産する場合、ポリアミド樹脂の重合装置においては、溶融状態にあるポリアミド樹脂を入口部から反応器内に供給し、反応器内で連続的にポリアミド樹脂の重縮合反応を進行させて、出口部から排出することが好ましい。尚、出口部を反応器の他端の側部に設ける場合には、側部の下端に設けることが好ましい。そして、この場合、反応器への供給前のポリアミド樹脂は、キシリレンジアミンとビスアミノメチルシクロヘキサンの合計が70モル%以上であるジアミン、及び、ジカルボン酸から成るポリアミド樹脂であることが望ましい。 【0023】即ち、ポリアミド樹脂原料モノマーであるジアミンの70モル%以上がキシリレンジアミンとビスアミノメチルシクロヘキサンであることが望ましい。キシリレンジアミンとして、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン及びオルソキシリレンジアミンを挙げることができる。また、ビスアミノメチルシクロヘキサンとして、1,2−ビスアミノメチルシクロヘキサン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、1,4―ビスアミノメチルシクロヘキサンを挙げることができる。得られるポリアミド樹脂の実用的な物性から考えると、ジアミンがキシリレンジアミンの場合、メタキシリレンジアミンを50モル%以上、より好ましくは70モル%以上含むジアミンの使用が望ましい。また、ジアミンがビスアミノメチルシクロヘキサンの場合、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサンを50モル%以上、より好ましくは70モル%以上含むジアミンの使用が望ましい。その他のジアミン成分として、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、オルソフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、パラフェニレンジアミン等が挙げることができる。 【0024】ポリアミド樹脂原料モノマーであるジカルボン酸として、琥珀酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等を挙げることができる。これらのジカルボン酸は、単独でも、2種以上混合しても使用可能である。得られるポリアミド樹脂の実用的な物性から考えると、特に70モル%以上がアジピン酸であるジカルボン酸を用いることが好ましい。 【0025】尚、ジアミン及びジカルボン酸以外のポリアミド樹脂原料として、カプロラクタム、バレロラクタム、ラウロラクタム、ウンデカラクタム等のラクタム、1,1−アミノウンデカン酸、1,2−アミノドデカン酸等のアミノカルボン酸を例示することができる。 【0026】ところで、ポリアミド樹脂の重縮合反応は、基本的には、下記のアミド化平衡反応に基づく。 【0027】[化1] −NH2 + −COOH ⇔ −CONH− + H2O【0028】それ故、溶融ポリアミド樹脂の重縮合を効果的に進行させようとした場合、ポリアミド樹脂の重合装置において水分を速やかに除去する必要がある。従って、本発明において、横型の連続式重合装置を用い、しかも、上述の原料を用いてポリアミド樹脂を連続的に重合する場合(以下、便宜上、このような重合方法をポリアミド樹脂の連続重合方法と呼ぶ)、反応器内で、減圧下、溶融ポリアミド樹脂中から水分を取り除きながら重縮合反応を進行させ、水分を排気部から排気する構成とすることが好ましい。ここで、減圧下とすることで、溶融ポリアミド樹脂中から水分が速やかに取り除かれ、重合度の増加が促進される。尚、反応器内の上部空間における圧力を、9×104Pa未満、好ましくは7×104Pa未満、より好ましくは5×104Pa未満とすることが望ましい。また、場合によっては、反応器の出口部側の反応器上部に気体導入部を設け、反応器の入口部側の反応器上部に排気部を設け、乾燥した不活性ガス(例えば、窒素ガス)を気体導入部から反応器内に導入し、排気部から排出する構成とすることもできる。この場合には、反応器は減圧状態であっても、常圧(1気圧)状態であっても、加圧状態であってもよいが、減圧が望ましい。これによっても、溶融ポリアミド樹脂中から水分を取り除きながら重縮合反応を進行させることができる。 【0029】また、本発明において、ポリアミド樹脂の連続重合方法を採用する場合、重縮合反応の促進、ポリアミド樹脂の変質防止といった観点から、反応器内の溶融ポリアミド樹脂の温度は290゜C、より好ましくは280゜Cを超えないことが望ましい。 【0030】本発明において、ポリアミド樹脂の連続重合方法を採用する場合、出口部から排出された溶融状態のポリアミド樹脂から連続的にストランドを形成し、冷却、固化させた後、造粒することが、生産効率の向上といった観点から望ましい。 【0031】本発明において、ポリアミド樹脂の連続重合方法を採用する場合、横型の連続式重合装置として、溶融ポリアミド樹脂の薄膜を形成し、高度な表面更新性を与えると共に、高度な脱気能力を備えている横型の連続式重合装置の使用が好ましく、テーパーロール式薄膜蒸発機(特公昭49−33358号公報参照)、横型の一軸撹拌混合機(特公昭45−16473号公報、特開平10−259242号公報、特開平11−130869号公報、特開平11−130870号公報参照)、横型の二軸撹拌混合機(特開昭48−84781号公報、特公昭50−15275号公報、特公昭50−21514号公報、特公昭53−15753号公報参照)等が好適に使用可能である。反応器内の溶融ポリアミド樹脂の滞留量及び滞留時間を制御し、より安定な連続運転を達成するために、反応器の入口部より上流、及び、出口部より下流に、ギヤポンプを設置することが好ましい。尚、これらのギヤポンプの作動は、反応器の作動と共に同時制御することが望ましい。 【0032】本発明において、ポリアミド樹脂の連続重合方法を採用する場合、反応器の外周部に配設された1つの加熱用ジャケットによって反応器全体を加熱してもよいし、複数の加熱用ジャケットによって反応器を加熱してもよい。後者の場合、例えば、反応器上部を加熱する加熱用ジャケットと、反応器下部を加熱する加熱用ジャケットとから加熱用ジャケットを構成し、あるいは又、入口部側の反応器の部分を加熱する加熱用ジャケットと、出口部側の反応器の部分を加熱する加熱用ジャケットとから加熱用ジャケットを構成し、あるいは又、入口部側の反応器上部を加熱する加熱用ジャケットと、入口部側の反応器下部を加熱する加熱用ジャケットと、出口部側の反応器上部を加熱する加熱用ジャケットと、出口部側の反応器下部を加熱する加熱用ジャケットとから加熱用ジャケットを構成することができるが、これらの構成に限定するものではなく、更に多くの加熱用ジャケットから構成することもできる。 【0033】本発明において、ポリアミド樹脂の連続重合方法を採用する場合、反応器に供給する前のポリアミド樹脂が、キシリレンジアミンとビスアミノメチルシクロヘキサンの合計が70モル%以上であるジアミン、及び、ジカルボン酸を、溶媒の非存在下、溶融状態で重縮合して得られたポリアミド樹脂である場合、このポリアミド樹脂は、以下に説明する回分式方法にて生産することができる。 【0034】即ち、ジカルボン酸を溶融させた後、分縮器を備えた回分式重合槽を用い、溶融状態にあるジカルボン酸にジアミンを連続的に又は間欠的に添加し、ジアミンとジカルボン酸のモル比を所定値として重縮合反応を行い、ポリアミド樹脂中の水分が0.02重量%以上1.0重量%未満であり、相対粘度が1.4以上2.8以下である溶融状態にあるポリアミド樹脂を得る方法を採用することが望ましい。尚、相対粘度は、ポリアミド樹脂1gを96%硫酸100ccに溶解し、キャノンフェンスケ粘度計を用い、25゜Cにおける落下時間を測定し、以下の式に基づき得ることができる。 【0035】相対粘度=(検液の落下秒数)/(96%硫酸の落下秒数) 【0036】尚、反応器への供給に供されるまで回分式重合槽内で溶融ポリアミド樹脂が滞留するので、回分式重合槽における気相部を水蒸気で所定圧力に保ち、回分式重合槽内での溶融ポリアミド樹脂の相対粘度変化を±0.2以内に抑制することが望ましい。尚、このような構成においては、2つ以上の回分式重合槽を配置し、これらの回分式重合槽にて得られた溶融ポリアミド樹脂を交互に1つの反応器に供給することが望ましい。 【0037】あるいは又、こうして得られた溶融ポリアミド樹脂を、溶融保持槽に一旦貯蔵しておくことが好ましい。そして、溶融保持槽の気相部を水蒸気で所定圧力に保ち、溶融保持槽に滞留している間の溶融ポリアミド樹脂の相対粘度変化を±0.2以内に抑制することが好ましい。そして、溶融保持槽内の溶融ポリアミド樹脂を反応器に供給する。尚、このような構成においては、回分式重合槽は、1つ又は2つ以上であればよい。 【0038】回分式重合槽における気相部を水蒸気で所定圧力に保ち、あるいは又、溶融保持槽の気相部を水蒸気で所定圧力に保つことによって、先に説明したアミド化平衡反応におけるH2Oの生成を抑制することができる。即ち、重合反応の進行を抑制することができる。水蒸気圧が低すぎると重合が進み重合度が増加するが、逆に蒸気圧が高すぎると解重合が進み重合度が低下する。重合度が変化しない適切な水蒸気圧は、モルバランス、重合度、平衡定数、温度等に依存し、一概には言えないが、数回の実験的な検証を通して容易に決定することができる。例えばモルバランス1.000±0.01であるポリアミド樹脂を溶融保持槽又は回分式重合槽内で温度250〜260゜C、気相部の水蒸気圧を2.5×105Pa〜3.5×105Paの条件下で保持すると、ポリアミド樹脂の重合度を約75から約100程度に維持することができる。水蒸気で保圧しているときの重合度変化の指標として、相対粘度の変化を±0.2以内に抑えることが好ましい。相対粘度変化が0.2を越えると、最終的に得られるポリアミド樹脂の重合度(相対粘度)が大きく変動し、好ましくない。 【0039】回分式重合槽内においては、溶融状態にあるジカルボン酸に、ジアミンを連続的に若しくは間欠的に添加し、ポリアミド樹脂の構成成分として消費されるジアミン成分とジカルボン酸成分のモルバランス(以下「モルバランス」ということがある)を所定値に調整しつつ重合を進める。所望のモルバランスを有するポリアミド樹脂(ジアミン成分過剰、ジカルボン酸成分過剰、あるいは、等モル)を得るために、仕込みのモルバランスを任意に選択することができる。仕込みのモルバランスの調整方法は、例えば溶融状態にあるジカルボン酸をジカルボン酸溶融槽ごと、質量計量器で計量し、回分式重合槽に供給した後、ジアミン滴下槽を質量計量器で計量しつつ、ジアミンを反応系に供給する方法を例示できる。ジアミン及びジカルボン酸の重量を計量する場合、ロードセル、天秤等の質量計量器が好適に利用可能である。ジカルボン酸の溶融工程は、酸化着色を避ける目的から窒素等の不活性ガス雰囲気で行うことが望ましい。ジカルボン酸の溶融は回分式重合槽若しくは専用の溶融槽で行うことができるが、回分式重合槽の利用効率を高めるといった観点からは、専用の溶融槽の使用が望ましい。 【0040】回分式重合槽中で溶融ジカルボン酸にジアミン成分を添加する際、実質的にアミド化反応が進行する温度である160゜C以上の温度に溶融ジカルボン酸を昇温させることが望ましく、且つ、中間体として生成するオリゴマー及び/又は低分子量ポリアミドが溶融状態となって反応系全体が均一な流動状態を保持し得る温度に設定することが望ましい。具体的なジアミン成分の添加操作は、回分式重合槽中で溶融ジカルボン酸を撹拌しつつ、ジアミン成分を連続的に若しくは間欠的に添加し、添加の間に反応混合物の温度を逐次昇温させ、所定の温度に保持することによって行うことができる。昇温速度は、アミド化反応熱、縮合水の蒸発潜熱、供給熱等に依存するため、ジアミン成分の添加速度を適宜調整する。添加終了時点で反応混合物の温度を、ポリアミド樹脂の融点以上35゜C未満、望ましくは15゜C未満、更に望ましくは5゜C未満に調整することが好ましい。ジアミン成分の添加中、圧力は特に限定されないが、ジアミン成分を固定化する上で常圧以上であることが望ましい。 【0041】重合反応の進行と共に生成する縮合水は、常圧における反応の場合、100〜120゜Cの温度に制御されている分縮器と冷却器を通して反応系外に排出される。縮合水と共に蒸気として反応系外に流出するジアミン、昇華により流出するジカルボン酸等は、分縮器で水蒸気と分離され、回分式重合槽に戻される。公知のナイロン塩水溶液を原料とする加圧法の場合と同様に、原料、特に、ジアミン成分の反応系外への流出は避け難い。従って、回分式重合槽には分縮器が備えられていることが好ましい。分縮器を備えることにより、ジアミン成分が系外に流出することを効果的に防止できる。 【0042】ジアミンの添加終了後、回分式重合槽内を常圧以上で、所定時間保持することが望ましい。所定時間として、5分以上、より好ましくは10分以上を挙げることができる。ジアミンの添加初期には、ジアミンに対してカルボキシル基が相当過剰に存在し、ジアミンの反応速度、つまり固定化速度は極めて速い。しかし、添加終了時にはカルボキシル基が相当量消費されており、添加初期と比較しジアミン成分の固定化速度は極めて遅くなる。また、重合度の増加により、反応混合物の撹拌効率が低下し、ジアミンの固定化に一層不利となる。固定化されなかったジアミンは、反応混合物中若しくは回分式重合槽の気相部に存在し、あるいは又、分縮器で凝縮されたものは、再度、反応混合物に添加される。ジアミンの添加を終了した後に常圧以上で所定時間保持することで、このようなジアミンが固定化され、仕込みのモルバランスが、精度良くポリアミド樹脂のモルバランスに再現される。 【0043】 【実施例】以下、図面を参照して、実施例に基づき本発明を説明する。尚、ポリアミド樹脂の評価のための測定は、冷却後のポリアミド樹脂について以下の方法に基づき行った。末端アミノ基濃度及び末端カルボキシル基濃度から、ポリアミド樹脂に取り込まれたモノマーのモルバランスを求めることができる。 【0044】末端アミノ基濃度・・・ポリアミド樹脂を精秤し、フェノール/エタノールの混合溶液(容量比:4/1)に20〜30゜Cで撹拌、溶解させた。そして、完全に溶解させた後、撹拌しつつ、0.01モル/リットルの塩酸水溶液で中和滴定して求めた。 【0045】末端カルボキシル基濃度・・・ポリアミド樹脂を精秤し、ベンジルアルコールに窒素気流下160〜180゜Cで撹拌、溶解させた。そして、完全に溶解させた後、窒素気流下80゜C以下まで冷却し、撹拌しつつ、メタノールを10ミリリットル加え、0.01モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液で中和滴定して求めた。 【0046】ポリアミド樹脂中の溶存水分濃度(重量%)・・・三菱化学株式会社製、気化装置(VA−05型)を用い、アミド化反応が起こらない温度である140゜Cでポリアミド樹脂を30分加熱し、気相部に乾燥窒素を流し、その窒素を三菱化学株式会社製、カールフィッシャー微量水分測定装置(CA−05型)を用いて測定した。 【0047】本発明のポリアミド樹脂の重合装置の概念図を図1に示す。このポリアミド樹脂の重合装置は、反応器21と、反応器21の上部に設けられた排気部25と、凝縮器側から反応器側へ流体が流れないように設定した開閉弁25Aと、凝縮器30と、排気部25と凝縮器30とを結ぶ配管34と、配管34の外周部に配設された加熱手段36を備えている。そして、配管34は、排気部25から凝縮器30に向かって下方に傾斜した傾斜部35を有し、傾斜部35には、凝縮器方向に水蒸気を間欠的に吹き込む吹込部37が設けられている。 【0048】凝縮器30は、周知の構造を有し、下端部には排出管31が設けられ、上端部には循環液導入部33が設けられ、上方側部には真空系出口32が設けられている。凝縮器30内は、真空系出口32に接続された真空装置(図示せず)によって減圧状態となっている。そして、反応器21からのガス(反応器21内の樹脂原料あるいは樹脂から留出された気液体であり飛来物質を含む)は、排気部25、開閉弁25A、配管34を経由して凝縮器30内に導入され、分離され、飛来物質やガスの液体成分は自重で排出管31から系外に排出される。一方、循環液導入部33から導入され、凝縮器30内を流下する循環液とガスの気体成分とが接触し、気体成分の洗浄が図られる。気体成分は、真空系出口32から排出される。 【0049】配管34は、ステンレス鋼SUS−304から作製されている。配管34の内径は一定(内径:25mm)である。傾斜部35(傾斜角:30度)を含む配管34の内面を電解研磨法にて研磨し、JIS B0601に規定された配管34の内面の十点平均の表面粗さを6.3μm以下とした。このように内面を平滑化することによって、反応器21からの飛来物質が、傾斜部35を含む配管24の内面に堆積し難くなり、あるいは、付着し難くなる。配管34の外周部には、ヒータから構成された加熱手段36が取り付けられている。ヒータから構成された加熱手段36を図示しない制御装置によって制御することで、配管34を所定の温度とすることができる。吹込部37は、その開口端部が凝縮器30の方に向いた吹込管から構成されている。吹込管の開口端部の軸線を、配管34の傾斜部35の軸線と平行とした。吹込部37の端部は、水蒸気用配管38、電磁弁39を介して水蒸気源(図示せず)に接続されている。電磁弁39の開閉を制御することによって、傾斜部35において配管34内に凝縮器30に向かう方向に水蒸気を間欠的に吹き込むことができる。 【0050】ポリアミド樹脂の重合装置として連続式重合装置を使用し、回分式重合方法及び連続重合方法の組合せに基づきポリアミド樹脂を連続的に生産する例に基づき、以下、本発明のポリアミド樹脂の重合装置及びポリアミド樹脂の重合方法を説明する。 【0051】ポリアミド樹脂の連続重合方法の実施に適した装置の概念図を図2に示す。この装置は、回分式重合装置10と連続式重合装置20から構成されている。回分式重合装置10は、加熱用ジャケット(図示せず)付きの回分式重合槽11と、撹拌翼12と、撹拌翼を回転させるモータ13と、分縮器14と、全縮器15と、窒素ガス導入管16Aと、スチーム導入管16Bと、圧力調整弁17と、ジアミン滴下槽18から構成されている。 【0052】一方、本発明のポリアミド樹脂の重合装置に相当する連続式重合装置20は、横型筒状(より具体的には、横型円筒状)の反応器21と、反応器21の外周部に配設された加熱用ジャケット22と、反応器21の一端の側部に設けられた入口部23と、反応器21の他端の下部に設けられた出口部24と、反応器21の上部に設けられた排気部25と、反応器21の一端及び他端の側部に取り付けられ、反応器21の軸線に沿って配設された回転軸26と、回転軸26に取り付けられ、反応器21の内部に配設された複数の撹拌翼27を備えている。排気部25は、図1に示したように、開閉弁25A、配管34を介して凝縮器30に接続されている。かかる連続式重合装置20の詳細は、例えば、特公昭50−21514号公報等に開示されている。尚、連続式重合装置20における回転軸は2軸であるが、図1においては、連続式重合装置20を水平方向から眺めているので、1つの回転軸26しか図示していない。反応器21の入口部23より上流、及び、出口部24より下流には、ギヤポンプ28,29が配設されている。そして、回分式重合槽11にて重縮合された溶融ポリアミド樹脂は、配管、バルブ19、ギヤポンプ28、入口部23を経由して反応器21内に供給され、出口部24から連続的にストランドとして排出され、冷却、固化後(具体的には、水冷後)、連続的に造粒機(図示せず)にて造粒され、ペレット化される。反応器21内では、減圧下、溶融ポリアミド樹脂中から水分を取り除きながら重縮合反応を進行させ、水分及びガス(反応器21内のポリアミド樹脂から留出された気液体であり飛来物質を含む。以下においても同様である)を排気部25から排気する。 【0053】(実施例1)図1及び図2に示した装置を用いた。そして、ステンレス鋼製回分式重合槽11にアジピン酸(純度:99.85重量%、水分:0.15重量%)を仕込み、窒素ガス導入管16Aから回分式重合槽11内に窒素ガスを導入し、内部を窒素ガス置換し、更に、少量の窒素ガスを流しながら加熱し、撹拌翼12にて撹拌しつつ170゜Cに昇温させた。次いで、溶融したアジピン酸を撹拌しながら、ジアミン滴下槽18からメタキシリレンジアミン(純度:99.70重量%)を、常圧下、連続的に回分式重合槽11内に滴下した。この間、回分式重合槽11の内部の温度を250゜Cまで連続的に昇温させた。メタキシリレンジアミンの滴下と共に留出する水分を、分縮器14及び全縮器15を通して反応系外に排出した。このとき、分縮器14の塔頂の最高温度は101゜Cであった。 【0054】メタキシリレンジアミンの滴下終了後、常圧下、0.2゜C/分の昇温速度で昇温させながら撹拌し、メタキシリレンジアミンの固定化を促した。その後1.3×106Paのスチームをスチーム導入管16Bから回分式重合槽11内に導入し、圧力調整弁17にて回分式重合槽11の気相部の水蒸気圧を3×105Paに調節した。そして、3×105Paに到達後、10分経過した時点から溶融ポリアミド樹脂の反応器21への供給を開始した。この溶融ポリアミド樹脂の物性は、モルバランス(ジアミン/ジカルボン酸)=0.994、相対粘度=1.72,ポリアミド樹脂中の水分=0.32%、温度=255゜Cであった。このとき、回分式重合槽11内における撹拌を継続し、更には、回分式重合槽11内の気相部の水蒸気圧を3×105Paに保持しつつ、回分式重合槽11の内部の温度を255゜C±1゜Cに維持した。 【0055】横型二軸撹拌混合機から構成された連続式重合装置20の反応器21(長さ/内径の比が25、回転方向は同位相)に、入口部23から溶融状態にあるポリアミド樹脂を連続的に供給し、反応器21内で連続的にポリアミド樹脂の重縮合反応を進行させて、出口部24から排出させた。即ち、反応器21内で、減圧下、溶融ポリアミド樹脂中から水分を取り除きながら重縮合反応を進行させ、水分及びガスを排気部25から排気した。反応器21への溶融ポリアミド樹脂の供給量は、反応器21内に充分なる上部空間が形成されるような供給量とした。反応器21内の上部空間における圧力を8×104Paとし、反応器21における溶融ポリアミド樹脂の滞留時間を約20分、反応器21内の溶融ポリアミド樹脂の温度を260゜Cとした。反応器21から溶融ポリアミド樹脂を連続的にストランドとして排出し、水冷後、連続的に造粒した。12時間の連続運転を行った。排出を開始してから3時間経過してからサンプリングを開始した。出口部24から排出されたポリアミド樹脂の相対粘度は2.01〜2.04であった。 【0056】そして、横型の連続式重合装置20の運転中、ヒータから構成された加熱手段36を図示しない制御装置によって制御し、配管34を、反応器21の温度と略同じ温度(具体的には、反応器21内の溶融ポリアミド樹脂の温度と同じ260゜C)に加熱し続けた。また、吹込部37から、圧力3×105Paの水蒸気を5秒間、凝縮器方向に間欠的に(1時間毎に)吹き込んだ。このとき、開閉弁25Aを閉じ、凝縮器側の圧力が8×104Paに回復した後、開閉弁25Aを開いた。更に、12時間の連続運転が完了した後、吹込部37から、圧力3×105Paの水蒸気を5分間、凝縮器方向に吹き込み、配管34内の洗浄を行った。その後、配管34をはずし内部を観察した。その結果、配管34の内面には堆積物の存在が認められなかった。上述の連続運転を5回、繰り返したが、配管34の内面には堆積物の存在が認められなかった。 【0057】(実施例2)実施例2として、実施例1と同様の重合操作を行った。但し、横型の連続式重合装置20の運転中、ヒータから構成された加熱手段36を図示しない制御装置によって制御し、配管34を、反応器21の温度と略同じ温度(具体的には、反応器21内の溶融ポリアミド樹脂の温度と同じ260゜C)に加熱し続けた。但し、実施例1と異なり、吹込部37からの水蒸気の吹き込みを行わなかった。12時間の連続運転の後に配管34をはずし内部を観察した。その結果、配管34の内面には、粘調なタール状物と褐色の固体が極く薄く堆積しているだけであった。 【0058】(実施例3)実施例3として、実施例1と同様の重合操作を行った。但し、横型の連続式重合装置20の運転中、ヒータから構成された加熱手段36を図示しない制御装置によって制御し、配管34を、反応器21の温度と略同じ温度(具体的には、反応器21内の溶融ポリアミド樹脂の温度と同じ260゜C)に加熱し続け、且つ、吹込部37からの水蒸気の吹き込みを行った。但し、実施例1と異なり、JIS B0601に規定された傾斜部35の内面の十点平均の表面粗さを16μm〜25μmとした。12時間の連続運転の後に配管34をはずし内部を観察した。その結果、配管34の内面には、粘調なタール状物と褐色の固体が極く薄く堆積しているだけであった。 【0059】(比較例1)比較例1として、実施例1と同様の重合操作を行った。但し、横型の連続式重合装置20の運転中、ヒータから構成された加熱手段36を図示しない制御装置によって制御し、配管34を、反応器21の温度と略同じ温度(具体的には、反応器21内の溶融ポリアミド樹脂の温度と同じ260゜C)に加熱し続けた。但し、実施例1と異なり、吹込部37からの水蒸気の吹き込みを行わなかった。また、JIS B0601に規定された傾斜部35の内面の十点平均の表面粗さを16〜25μmとした。12時間の連続運転の後に配管34をはずし内部を観察した。その結果、配管34の内面には黄色の固体が相当量堆積しており、配管34の有効内径は約20mm以下となっていた。 【0060】(実施例4)実施例1と同様の回分式重合槽11にアジピン酸(純度:99.85重量%、水分:0.15重量%)を仕込み、窒素ガス導入管16Aから回分式重合槽11内に窒素ガスを導入し、内部を窒素ガス置換し、更に、少量の窒素ガスを流しながら加熱し、撹拌翼12にて撹拌しつつ170゜Cに昇温した。次いで、溶融したアジピン酸を撹拌しながら、ジアミン滴下槽18から1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン(純度:99.86重量%)を、常圧下、連続的に回分式重合槽11内に滴下した。この間、回分式重合槽11の内部の温度を240゜Cまで連続的に昇温した。1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサンの滴下と共に留出する水分を、分縮器14及び全縮器15を通して反応系外に排出した。このとき、分縮器14の塔頂の最高温度は103゜Cであった。 【0061】1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサンの滴下終了後、常圧下、0.2゜C/分の昇温速度で昇温させながら撹拌し、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサンの固定化を促した。その後、回分式重合槽11の下部に設置された溶融保持槽40に溶融ポリアミド樹脂を全量排出した。尚、図4に概念図を示すように、溶融保持槽40には、加熱用ジャケット(図示せず)、撹拌翼41、撹拌翼31を回転させるモータ42、スチーム導入管43、圧力調整弁(図示せず)、バルブ44が備えられている。次いで、1.3×106Paのスチームを溶融保持槽40に導入し、圧力調整弁にて溶融保持槽40の気相部の水蒸気圧を3×105Paに調節した。溶融保持槽40では撹拌翼41にて撹拌を行い、溶融保持槽40内部の温度を245゜C±1゜Cに維持した。溶融保持槽40の気相部の水蒸気圧が3×105Paに到達した後、溶融保持槽40の気相部の水蒸気圧を3×105Paに維持した状態で、撹拌状態にある溶融保持槽40から、実施例1と同様の横型二軸撹拌混合機から構成された連続式重合装置20の反応器21に、入口部23から溶融ポリアミド樹脂を連続的に供給し、反応器21内で連続的にポリアミド樹脂の重縮合反応を進行させて、出口部24から排出させた。即ち、反応器21内で、減圧下、溶融ポリアミド樹脂中から水分を取り除きながら重縮合反応を進行させ、水分及びガスを排気部25から排気した。反応器21への溶融ポリアミド樹脂の供給量は、反応器21内に充分なる上部空間が形成されるような供給量とした。反応器21内の上部空間における圧力を8×104Paとし、反応器21における溶融ポリアミド樹脂の滞留時間を約20分、反応器21内の溶融ポリアミド樹脂の温度を255゜Cとした。反応器21から溶融ポリアミド樹脂を連続的にストランドとして排出し、水冷後、連続的に造粒した。 【0062】そして、連続式重合装置20の運転中、ヒータから構成された加熱手段36を図示しない制御装置によって制御し、配管34を、反応器21の温度と略同じ温度(具体的には、反応器21内の溶融ポリアミド樹脂の温度と同じ255゜C)に加熱し続けた。また、吹込部37から、圧力3×105Paの水蒸気を5秒間、凝縮器方向に間欠的に(1時間毎に)吹き込んだ。このとき、開閉弁25Aを閉じ、凝縮器側の圧力が8×104Paに回復した後、開閉弁25Aを開いた。更に、12時間の連続運転が完了した後、吹込部37から、圧力3×105Paの水蒸気を5分間、凝縮器方向に吹き込み、配管34内の洗浄を行った。その後、配管34をはずし内部を観察した。その結果、配管34の内面には堆積物の存在が認められなかった。上述の連続運転を5回、繰り返したが、配管34の内面には堆積物の存在が認められなかった。 【0063】実施例4と同様の重合操作を、実施例2あるいは実施例3と同様に変形して行ったところ、実施例2、実施例3と同様の結果が得られた。また、実施例4と同様の重合操作を、比較例1と同様に変形して行ったところ、比較例1と同様の結果が得られた。 【0064】以上、本発明を好ましい実施例に基づき説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例にて製造した樹脂は例示であり、更には、実施例にて説明したポリアミド樹脂の製造条件、製造方法は例示であり、適宜変更することができるし、使用した各種の装置、配管、加熱手段、吹込部の構造も例示であり、適宜変更することができる。 【0065】図3には、2つの回分式重合装置10と1つの連続式重合装置20が組み合わされた重合装置の概念図を示す。また、図4には、1つの回分式重合装置10と1つの溶融保持槽30と1つの連続式重合装置20が組み合わされた重合装置の概念図を示す。更には、図5には、2つの回分式重合装置10と1つの溶融保持槽30と1つの連続式重合装置20が組み合わされた重合装置の概念図を示す。 【0066】 【発明の効果】本発明においては、反応器内の反応出発原料や、二量体、三量体等のオリゴマー、ポリマー、触媒等といった飛来物質が、傾斜部の内面に堆積し、あるいは、付着しても、これらの飛来物質を容易に傾斜部の内面から除去することができる。従って、操業を停止し、配管の洗浄を行う頻度を低減させることができる結果、稼働率の低下、洗浄作業による作業員の負担増加、洗浄によるエネルギー消費の増大、生産効率の低下といった問題の発生を確実に回避することができる。その結果、各種樹脂の製造コストの低減を図ることができる。また、排気部と凝縮器とを結ぶ配管の内面に堆積物が生成することを効果的に防止できる結果、減圧系の圧力変動、配管の閉塞等が避けられ、配管の洗浄に伴う連続運転の中断を避けることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004466 【氏名又は名称】三菱瓦斯化学株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年1月24日(2001.1.24) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100094363 【弁理士】 【氏名又は名称】山本 孝久
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| 【公開番号】 |
特開2002−220465(P2002−220465A) |
| 【公開日】 |
平成14年8月9日(2002.8.9) |
| 【出願番号】 |
特願2001−16321(P2001−16321) |
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