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【発明の名称】 共重合ポリエステル及び成形品
【発明者】 【氏名】種田 祐路

【要約】 【課題】厚肉成形品用又はダイレクトブロー成形用として好適な透明性、耐熱性及び耐衝撃性に優れた共重合ポリエステルを提供する。

【解決手段】ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、ジオール成分としてエチレングリコール及び1,4-シクロヘキサンジメタノールを主成分とするポリエステルにおいて、1,4-シクロヘキサンジメタノールの共重合量が全ジオール成分の10〜90モル%であり、ゲルマニウム元素、アンチモン元素、チタン元素の含有量が下記式を満足し、かつ、極限粘度が0.6以上である共重合ポリエステル。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、ジオール成分としてエチレングリコール及び1,4-シクロヘキサンジメタノールを主成分とするポリエステルにおいて、1,4-シクロヘキサンジメタノールの共重合量が全ジオール成分の10〜90モル%であり、ゲルマニウム元素、アンチモン元素、チタン元素の含有量が下記式を満足し、かつ、極限粘度が0.6以上であることを特徴とする共重合ポリエステル。
(1) 5×10-5モル≦Ge≦2×10-4モル(2) 2×10-4モル≦Sb≦8×10-4モル(3) 2.0≦Sb/Ge≦8.0(4) 1×10-5モル≦Ti≦5×10-5モルここで、Ge、Sb、Tiは、それぞれゲルマニウム元素、アンチモン元素及びチタン元素を表し、単位は、ポリエステルの酸成分1モルに対する含有量を表す。
【請求項2】 請求項1記載の共重合ポリエステルを用いてなる成形品。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、色調、透明性、耐熱性、耐衝撃性が良好で、厚肉成形品やダイレクトブロー成形品に好適な共重合ポリエステル及びそれを用いてなる成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレート(PET)は、機械的特性、化学的安定性、透明性等に優れ、かつ、安価であり、各種のシート、フィルム、容器等として幅広く用いられており、特に炭酸飲料、果汁飲料、液体調味料、食用油、酒、ワイン用等の中空容器(ボトル)用途の伸びが著しい。
【0003】PET製ボトルは、一般に、PETチップを射出成形又は押出成形によりプリフォームに成形し、続いてこのプリフォームを金型内で延伸ブロー成形する方法で製造されている。
【0004】近年では、リサイクル可能という観点から、ポリエステルが広範囲に使われるようになってきており、化粧品や医薬品等の容器や文房具等にも用いられるようになっている。しかし、これらは上記のようなボトルとは異なり、厚肉であるため、PETでは成形時に白化が起こりやすく、透明な成形品が得られにくい。
【0005】また、ポリ塩化ビニル製ボトルの代替の目的で、ダイレクトブロー成形によるPET製ボトルが注目されている。しかし、通常のPETは、ダイレクトブロー成形するには、溶融粘度が低く、成形時にドローダウンを起こしやすく、また、結晶性が高いため、成形時に白化し、透明性が悪くなるという問題があった。
【0006】そこで、これらの成形用ポリエステルには、種々の共重合成分を共重合したポリエステルを用いることが試みられている。中でも、1,4-シクロヘキサンジメタノールを共重合したポリエステルは、耐熱性や耐衝撃性が良好であることから、成形用途においては非常に望ましい樹脂である。しかし、1,4-シクロヘキサンジメタノールは、共重合量が多くなると、重合性が著しく低下するため、重合時間が長くなることで、色調や透明性が悪いポリエステルしか得られない、あるいは、十分な重合度のポリエステルが得られないという問題がある。例えば、特表平8−509764号公報には、触媒組成を規定し、1,4-シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエステルを製造する方法が提案されているが、この触媒組成においても、得られたポリエステルの色調や透明性は十分なものでないという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題を解決し、色調、透明性、耐熱性、耐衝撃性が良好で、厚肉成形品用やダイレクトブロー成形用に好適な共重合ポリエステル及びそれよりなる成形品を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題を解決するために、鋭意検討した結果、特定の触媒組成を用いて得られた1,4-シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエステルは、透明性、耐熱性、耐衝撃性が良好で、ダイレクトブロー成形や厚肉成形に好適であることを見いだした。
【0009】本発明は、次の構成を有するものである。
■ ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、ジオール成分としてエチレングリコール及び1,4-シクロヘキサンジメタノールを主成分とするポリエステルにおいて、1,4-シクロヘキサンジメタノールの共重合量が全ジオール成分の10〜90モル%であり、ゲルマニウム元素、アンチモン元素、チタン元素の含有量が下記式を満足し、かつ、極限粘度が0.6以上であることを特徴とする共重合ポリエステル。
(1) 5×10-5モル≦Ge≦2×10-4モル(2) 2×10-4モル≦Sb≦8×10-4モル(3) 2.0≦Sb/Ge≦8.0(4) 1×10-5モル≦Ti≦5×10−5モルここで、Ge、Sb、Tiは、それぞれゲルマニウム元素、アンチモン元素及びチタン元素を表し、単位は、ポリエステルの酸成分1モルに対する含有量を表す。
■の共重合ポリエステルを用いてなる成形品。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明する。本発明における共重合ポリエステルは、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸、ジオール成分としてエチレングリコールと1,4-シクロヘキサンジメタノールが必要である。
【0011】本発明における共重合ポリエステルを構成するジオール成分としては、エチレングリコール及び1,4-シクロヘキサンジメタノールが主成分であり、1,4-シクロヘキサンジメタノールが全ジオール成分に対し、10〜90モル%含まれていることが必要である。1,4-シクロヘキサンジメタノールの共重合量がこの範囲よりも少ないと、結晶化速度が速いため成形時に白化して透明性が悪くなる、また、十分な耐熱性や衝撃強度を持つポリエステルが得られないため好ましくない。また、この範囲を超えても、結晶性を有し、成形時に白化して透明性が悪くなるため好ましくない。
【0012】なお、共重合ポリエステルには、その特性を損なわない範囲で、他の共重合成分を含有させることができる。共重合成分の具体例としてはイソフタル酸、フタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、4,4'-ビフェニルジカルボン酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、ネオペンチルグリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタメチレンジオール、1,6-ヘキサメチレンジオール、ジエチレングリコール、ダイマージオール、ビスフェノールA又はビスフェノールSのエチレンオキシド付加体、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、グリセリン等が挙げられる。
【0013】本発明のポリエステルには、触媒として、特定量のゲルマニウム元素、アンチモン元素、チタン元素を含有する必要がある。
【0014】アンチモン元素を含有する化合物としては、三酸化アンチモン、塩化アンチモン、酢酸アンチモン等が用いられ、ゲルマニウム元素を含有する化合物としては、二酸化ゲルマニウム、四塩化ゲルマニウム、ゲルマニウムテトラエトキシド等が用いられ、チタン元素を含有する化合物としては、テトラブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート等が用いられるが、重合触媒活性、得られるポリエステルの物性及びコストの点から、それぞれ、三酸化アンチモン、二酸化ゲルマニウム、テトラブチルチタネートが好ましい。
【0015】アンチモン元素を含有する化合物は十分な重合触媒活性を示すが、ポリエステルに不要な金属アンチモンとなり、ポリエステルの透明性を悪化させるという欠点がある。一方、ゲルマニウム元素を含有する化合物を用いた場合は、得られるポリエステルの色調や透明性は良好であるが、重合活性の点で十分でない。しかし、アンチモン元素を含有する化合物とゲルマニウム元素を含有する化合物を併用すると、金属アンチモンの析出が抑えられ、色調及び透明性が良好なポリエステルを得ることが可能となる。また、アンチモン元素とゲルマニウム元素だけでは、重合活性としては不十分であり、チタン元素を含有する化合物を併用することで、重合性が改善されるが、チタン元素を有する化合物は含有量が多いとポリエステルの色調が悪くなる欠点がある。
【0016】そこで、アンチモン元素とチタン元素の含有量は、十分な重合反応速度が発揮される範囲で少なくし、ゲルマニウム元素を色調及び透明性の改良効果を発現する量併用する必要がある。そのためには、ゲルマニウム元素、アンチモン元素及びチタン元素のポリエステルの酸成分1モルに対する含有量が、式(1)、(2)、(3)及び(4)を満足する必要がある。
【0017】ゲルマニウム元素の含有量は、式(1)を満たすことが必要である。ゲルマニウム元素の含有量がこの範囲よりも少ないと、ポリエステルの色調と透明性が悪くなるため、好ましくない、一方、ゲルマニウム元素の含有量がこの範囲を超えると、コストが高くなるばかりで、重合性は良くならないため、好ましくない。
【0018】アンチモン元素の含有量は、式(2)を満たすことが必要である。アンチモン元素の含有量がこの範囲よりも少ないと、重合時間が長くなり、得られたポリエステルの色調が悪くなる、あるいは、目標の極限粘度のポリエステルが得られないため好ましくない、一方、アンチモン元素の含有量がこの範囲を超えると、ポリエステルに不溶の金属アンチモンが生成しやすくなり、ポリエステルの色調と透明性が悪化するため好ましくない。
【0019】また、アンチモン元素とゲルマニウム元素の比率は、式(3)を満たすことが必要である。この範囲よりも小さいと、重合時間が長くなり、得られたポリエステルの色調が悪くなる、あるいは、目標の極限粘度のポリエステルが得られないため好ましくない、一方、この範囲よりも大きいと、ポリエステルに不溶のアンチモン金属が析出しやすくなるため、ポリエステルの色調と透明性が悪化するため好ましくない。
【0020】チタン元素の含有量は、式(4)を満たすことが必要である。チタン元素の含有量がこの範囲よりも少ないと、重合時間が長くなり、得られたポリエステルの色調が悪くなる、あるいは、目標の極限粘度のポリエステルが得られないため好ましくない、一方、チタン元素の含有量がこの範囲を超えると、ポリエステルの色調が悪化するため好ましくない。
【0021】本発明の共重合ポリエステルは、熱安定性や色調の良化の目的でリン化合物をポリエステルの酸成分1モルに対して5×10-5〜2×10-3モル含有していることが望ましい。ここで、リン化合物の含有量が5×10-5モル未満では、ポリエステルの熱安定性や色調の向上が十分でない傾向にあり、また、含有量が2×10-3モルを超えてもそれ以上の効果が期待できず、また、重縮合の反応性が低下するため、生産性やコストの点でも望ましくない。
【0022】本発明の共重合ポリエステルは、極限粘度が0.6以上であることが必要である。極限粘度が0.6未満のものでは、実用に供することのできる強度の中空容器とすることができない、あるいはダイレクトブロー成形を行う際にドローダウン等の問題が起こり、成形そのものができないため、好ましくない。極限粘度の上限は特にないが、好ましくは1.4以下である。それを超えると重合に長時間を要するので、生産サイクルやコストの点で好ましくない。
【0023】本発明の共重合ポリエステルは、常法によって製造することができ、例えば、次のようにして製造することができる。
【0024】テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体、エチレングリコール及び1,4-シクロヘキサンジメタノールを所定の割合でエステル化反応器に仕込み、加圧下、160〜280℃の温度でエステル化反応またはエステル交換反応を行った後、得られたポリエステルオリゴマーを重合反応器に移し、重合触媒を添加し、通常1hPa以下の減圧下で240〜290℃、好ましくは250〜280℃の温度で溶融重合反応を行う。
【0025】あるいは、まず、テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体と、エチレングリコールとをエステル化反応またはエステル交換反応させ、得られたポリエステルオリゴマーを重合反応器に移し、所定量の1,4-シクロヘキサンジメタノール、重合触媒及び多官能化合物を添加後、上記と同じ方法で溶融重合反応を行う。
【0026】なお、エステル化反応あるいは重合反応時に、必要に応じて、酸化防止剤等の添加剤を含有させることができる。
【0027】上記の方法で得られるポリエステルは、各種の成形品として使用されるが、エチレングリコール成分以外の共重合ジオール成分が共重合されているため結晶性が抑制されており、厚肉成形品にしても白化し難いので、中空容器用として好適である。
【0028】厚肉成形品を製造する場合は、射出成形あるいは押出成形により一段で製品を成形する。ダイレクトブロー成形は、ポリエチレンやポリプロピレンのボトル成形に採用されている方法と同様にして行うことができる。すなわち、押出によって溶融パリソンを造り、次いで、ブロー金型内で吹き込み成形をすればよい。
【0029】これらの成形時の成形温度、具体的には、成形機のシリンダー各部及びノズルの温度は、通常、240〜280℃の範囲とするのが適当である。
【0030】
【作用】本発明の共重合ポリエステルが、優れた色調と透明性を示す理由は、1,4-シクロヘキサンジメタノールを共重合させることで、結晶化が起こり難くなり、成形時の白化が抑えられることと、特定の触媒組成からなる触媒を用いることで、色調や透明性が悪化することなく、高重合度のポリエステルが得られるためと考えられる。また、優れた耐熱性及び耐衝撃性を示す理由は、直鎖脂肪族のエチレングリコールの一部を剛直な脂環型のジオール成分に置き換えたことによると考えられる。
【0031】
【実施例】次に、実施例をあげて本発明を具体的に説明する。なお、ポリエステルの特性値は次のようにして測定した。
【0032】(a)極限粘度〔η〕
フェノールと四塩化エタンとの等重量混合物を溶媒として、温度20℃で測定した。
【0033】(b)1,4-シクロヘキサンジメタノールの共重合量ポリエステルを重水素化ヘキサフルオロイソプロパノールと重水素化クロロホルムとの容量比 1/20 の混合溶媒に溶解させ、日本電子社製LA-400型NMR装置にて 1H-NMRを測定し、得られたチャートの各共重合成分のプロトンのピークの積分強度から、共重合量を求めた。
【0034】(c)ポリエステル中のゲルマニウム元素、アンチモン元素及びチタン元素の含有量リガク社製蛍光X線分析装置 3270 を用いて測定した。
【0035】(d)ガラス転移点(Tg)示差走査熱量計(パーキンエルマー製DSC-7型)を用いて、昇温速度20℃/分で測定した。
【0036】(e)色調日本電色工業社製の色差計ND-Σ80型を用いて測定した。色調の判定は、ハンターのLab表色計で行った。L値は明度(値が大きい程明るい)、a値は赤−緑系の色相(+は赤味、−は緑味)、b値は黄−青系(+は黄味、−は青味)を表す。ポリエステルの色調としてはL値が大きいほど、a値が0に近いほど、また極端に小さくならない限りb値が小さいほど良好である。ここでは、b値が4.0以下を色調良好で合格とした。
【0037】(f)プレートヘーズ乾燥したポリエステルを押し出し温度240℃、金型温度20℃、冷却時間30秒の条件で、厚さ5mm×長さ10cm×幅6cmのプレートに射出成形し、透明度を日本電色工業社製の濁度計 MODEL 1001DPで評価した(空気:ヘーズ0%)。この値が小さいほど透明性が良好であり、5%未満であれば合格である。
【0038】(g)中空容器の透明性乾燥したポリエステルを、シリンダー温度240℃の押出機からパリソンを押し出し、成形温度240℃、ブロー金型冷却温度15℃の条件でボトル形状にダイレクトブロー成形した。その外観を目視で観察し、次の3段階で評価した。
○:良好(白化が認められない)
△:普通(一部白化が認められる)
×:不良(全面に白化が認められる)
ここでは、○を透明性良好で合格とした。
【0039】(h)中空容器の耐衝撃性得られた中空容器にイオン交換水1000mlを入れて、23℃、65%RHの条件で一日放置し、その後1mの高さからコンクリート面に落下させ、何回目で割れたかで示した。最高5回まで落下させた。
○:5回落下させても破壊しない。
△:2〜5回落下で破壊した。
×:1回落下で破壊した。
ここでは、○を耐衝撃性良好で合格とした。
【0040】(g)中空容器の耐熱性得られた中空容器に、80℃の熱水を満たし、30分間放置後の体積変化の有無を目視で調べた。
○:体積変化なし(合格)。
×:体積変化あり(不合格)。
【0041】実施例 1PETオリゴマーの存在するエステル化反応器に、テレフタル酸(TPA)とエチレングリコール(EG)のスラリー(TPA/EGモル比=1/1.6)を連続的に供給し、温度250℃、圧力50hPaGの条件で反応させ、滞留時間8時間としてエステル化反応率95%のポリエステルオリゴマーを連続的に得た。このポリエステルオリゴマー60kgと、1,4-シクロヘキサンジメタノールを共重合量が30モル%となるように重合反応器に仕込み、続いて、触媒として二酸化ゲルマニウムを酸成分1モルに対してゲルマニウム元素の含有量が1.0×10-4モルとなるように、三酸化アンチモンを酸成分1モルに対してアンチモン元素の含有量が5.0×10-4モルとなるように、テトラブトキシチタネートを酸成分1モルに対してチタン元素の含有量が2.0×10-5モルとなるように、また、リン酸トリエチルを酸成分1モルに対してリン元素の含有量が4.0×10-5モルとなるようにそれぞれ加え、反応器を減圧にして最終圧力0.9hPa、温度280℃で4時間重合反応を行い、極限粘度0.81、ガラス転移点78℃の共重合ポリエステルを得た。このポリエステルを用い、射出成形によりプレート、ダイレクトブロー成形により中空容器を得た。b値は2.8、プレートヘーズは2.9%、また、中空容器は、白化することなく透明性は良好、耐衝撃性、耐熱性も良好であった。
【0042】実施例2〜9、比較例1〜81,4-シクロヘキサンジメタノールの共重合量、ゲルマニウム元素、アンチモン元素及びチタン元素の含有量、極限粘度を表1のようにした以外は、実施例1と同様にしてポリエステルを製造し、それよりプレート及び中空容器を作製した。実施例2〜9及び比較例1〜8で得られたポリエステルと中空容器の評価結果を併せて表1に示す。
【0043】
【表1】

【0044】表1から明らかなように、実施例1〜9の共重合ポリエステルから、透明性、耐熱性及び耐衝撃性が良好な中空容器が得られた。
【0045】これに対して、比較例1〜8では、次のような問題があった。比較例1では、1,4-シクロヘキサンジメタノールの共重合量が4.5モル%と少なかったため、結晶化が速く、中空容器には白化が認められ、透明性が劣り、耐衝撃性も悪かった。次に、比較例2では、1,4-シクロヘキサンジメタノールの共重合量が95モル%と多かったため、結晶化が速く、中空容器には白化が認められ、透明性が悪かった。比較例3では、ゲルマニウム元素の含有量が3.0×10-5モルと少なかったため、色調と透明性が悪かった。比較例4では、アンチモン元素の含有量が1.0×10-4モルと少なかったため、重合反応が遅く、重合時間が長くなり、色調が悪く、また、目標とする極限粘度のポリエステルが得られず、ダイレクトブロー成形ができなかった。比較例5では、アンチモン元素の含有量が1.0×10-3モルと多かったため、得られたポリエステルの色調と透明性が悪かった。比較例6では、チタン元素の含有量が5.0×10-6モルと少なかったため、重合反応が遅く、重合時間が長くなり、色調が悪く、また、目標とする極限粘度のポリエステルが得られず、ダイレクトブロー成形ができなかった。比較例7では、チタン元素の含有量が8.0×10-5モルと多かったため、得られたポリエステルの色調が悪かった。比較例8では、極限粘度が0.54と低かったため、ダイレクトブロー成形ができなかった。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、厚肉成形品用又はダイレクトブロー成形用として好適な透明性、耐熱性、耐衝撃性に優れた共重合ポリエステルとその共重合ポリエステルよりなる成形品が提供される。
【出願人】 【識別番号】000228073
【氏名又は名称】日本エステル株式会社
【出願日】 平成13年1月26日(2001.1.26)
【代理人】
【公開番号】 特開2002−220442(P2002−220442A)
【公開日】 平成14年8月9日(2002.8.9)
【出願番号】 特願2001−18533(P2001−18533)