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【発明の名称】 半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び樹脂封止型半導体装置
【発明者】 【氏名】尾田 倫一

【氏名】河田 達男

【氏名】幸島 博樹

【要約】 【課題】半導体装置の封止樹脂とインサートとの間の剥離及びクラックの発生を抑制し、耐湿性に優れた封止用樹脂組成物を提供すること。

【解決手段】特定のジグリシジルエーテルヒドロキノン型エポキシ樹脂(A成分)及びアラルキル型フェノール樹脂もしくはクレゾールノボラック型フェノール樹脂(B成分)、硬化促進剤(C成分)および、無機質充填材(D成分)を必須成分とし、樹脂組成物に対して前記無機質充填材を60〜95vol%含有する半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】一般式(I)で示されるジグリシジルエーテルヒドロキノン型エポキシ樹脂(A成分)、下記一般式(II)で示されるアラルキル型フェノール樹脂及び一般式(III) で示されるクレゾールノボラック型フェノール樹脂から選ばれる少なくとも一種以上の硬化剤(B成分)、下記一般式(IV)で示される硬化促進剤(C成分)、を含むことを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
【化1】

(式中、R1 ,R2 ,R3 ,R4 は、H基、CH3 基もしくはC(CH33 基を示し、nは0〜3の整数を示す。)
【化2】

(式中、mは0〜30の整数を示す。)
【化3】

(式中、lは0以上の整数を示す。)
【化4】

【請求項2】請求項1に記載のエポキシ樹脂(A成分)、硬化剤(B成分)、硬化促進剤(C成分)において無機質充填材(D成分)を、樹脂組成物に対して60〜95vol%含有してなる半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
【請求項3】請求項1又は2記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物で封止した半導体装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、はんだ耐熱性、耐湿性に優れた、半導体封止用エポキシ樹脂組成物及びその樹脂組成物で封止した半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】IC、LSI等の半導体素子は素子の集積度の向上と共に、素子サイズの大型化、樹脂封止型半導体装置の小型化、薄型化が進んでいる。同時に半導体装置の基板への取り付けを行う時に、半導体装置自体が短時間のうちに200℃以上の高温にさらされるようになってきた。この時、樹脂封止材中に含有される水分が気化し、ここで発生する蒸気圧が樹脂と素子、リードフレーム等のインサートとの界面において、剥離応力として働き、樹脂インサートの間で剥離が発生し、特に薄型の樹脂封止型半導体装置においては、半導体装置のフクレやクラックに至ってしまうことになる。以上の様な剥離やクラックにより半導体装置の耐湿信頼性の劣化を生じることになる。このような剥離やクラックを生じる防止策として、タブ裏面と封止用樹脂との間の接着力を向上させるため、タブ裏面のディンプル加工、スリット加工等の手法が取られているが、リードフレームの高コスト化、効果不十分等の問題があり、封止用樹脂での改善が望まれる。このため、吸湿の影響が少なく、半導体装置が基板への取り付けの際に高温にさらされても、剥離やクラックが発生せず、耐湿信頼性の劣化の少ない封止用樹脂の開発が強く要求されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような要求に対し、樹脂封止に用いる封止用樹脂組成物において、その吸湿を低下することにより、半導体装置の封止樹脂とインサートとの間の剥離及びクラックの発生を抑制し、耐湿性に優れた封止用樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決しようとする手段】本発明は、すなわち下記一般式(I)で示されるジグリシジルエーテルヒドロキノン型エポキシ樹脂(A成分)、一般式(II)で示されるアラルキル基フェノール樹脂及び一般式(III) で示されるクレゾールノボラック型フェノール樹脂から選ばれる少なくとも一種以上の硬化剤(B成分)、一般式(IV)で示される硬化促進剤(C成分)、無機質充填材(D成分)を必須成分とし、樹脂組成物に対して前記無機質充填材を60〜95vol%含有することを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物に関する。
【0005】
【化5】

(式中、R1 ,R2 ,R3 ,R4 は、H基、CH3 基もしくはC(CH33 基を示し、nは0〜3の整数を示す。)
【0006】
【化6】

(式中、mは0〜30の整数を示す。)
【0007】
【化7】

(式中、lは0以上の整数を示す。)
【0008】
【化8】

【0009】更に、上記A成分のエポキシ樹脂には通常の半導体封止用エポキシ樹脂組成物に用いられるエポキシ樹脂を併用することができる。この併用されるエポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂であれば特に制限するものではないが、従来から半導体装置用の封止樹脂として用いられているオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂等が好適である。
【0010】本発明に用いる上記の一般式(II)で示されるアラルキル基フェノール樹脂及び一般式(III) のクレゾールノボラック型フェノール樹脂には、通常の半導体封止用エポキシ樹脂組成物に用いられるフェノール樹脂を併用することができる。この併用されるフェノール樹脂は1分子中に2個以上の水酸基を有するフェノール樹脂であれば特に限定するものではないが、従来から半導体の封止樹脂として用いられているノボラック型フェノール樹脂、フェノール類とジメトキシパラキシレンから合成されるキシリレン基を有するフェノール・アラルキル樹脂、分子内にジシクロペンタジエン骨格構造を有するフェノール樹脂等があり、2種類以上併用しても良い。また、(A)のエポキシ樹脂と(B)の硬化剤の当量比(Bの水酸基数/エポキシ樹脂基数)は、特に限定はされないが、それぞれの未反応分を少なく抑えるために0.7〜1.3の範囲に設定することが好ましい。
【0011】C成分の硬化促進剤として、従来使用していたアミン類及びその誘導体又はそれらの塩類、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデンセン−7及びその誘導体又はそれらの塩類、各種オニウム化合物、イミダゾール等の硬化促進剤から一般式(IV)で示される潜在性のある(活性化エネルギーに変曲点があり、低温で反応が遅く、高温で反応が早い)硬化促進剤を用いる。C成分の硬化促進剤を必須成分として用いる一つの理由としては、上記1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデンセン−7を使用すると、成形する前に吸湿した場合、硬化性が著しく低下してしまう為である。硬化促進剤の配合割合は、好ましくはエポキシ樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部である。
【0012】本発明に用いるD成分の無機質充填剤は結晶シリカ、溶融シリカ、アルミナ、ジルコン、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、又はこれらを球形化したビーズ等が挙げられ、1種以上用いることができる。充填剤の配合量としては、成形性、熱膨張係数の低減、高温強度向上の観点から60〜95vol%以上が好ましい。
【0013】その他の添加剤として高級脂肪酸、高級脂肪金属塩、エステル系ワックス、ポリエチレン系ワックス等の離型剤、カーボンブラック等の着色剤、エポキシシラン、アミノシラン、ウレイドシランビニルシラン、アルキルシラン、有機チタネート、アルミニウムアルコレート等のカップリング剤及び難燃剤等を用いることができる。以上のような原材料を用いて樹脂組成物を作製する一般的な方法としては、所定の配合量の原材料をミキサー等によって十分混合した後、ミキシングロール、押出機等によって混練し、冷却、粉砕することによって封止用樹脂組成物を得ることができる。
【0014】本発明で得られる樹脂組成物を用いて電子部品を封止する方法としては、低圧トランスファー成形法が最も一般的であるが、インジェクション成形法、圧縮成形法によっても可能である。
【0015】前記した樹脂組成物を用いて封止した半導体装置は、含有する水分が少なく、更にインサートとの密着性が高くなり、はんだ付け時のクラックが発生することなく、耐熱信頼性に優れた樹脂封止型半導体装置を提供することができる。
【0016】
【実施例】以下実施例及び比較例によって具体的に本発明を説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。まず、表1に示す重量部で配合し予備混合(ドライブレンド)した後、10インチ径の二軸加熱ロールを使用して、混練温度80〜90℃、混練時間7〜10分の条件で混練し、冷却後、粉砕後微粒化して得た封止用樹脂組成物を用いた。
【0017】実施例1〜3、比較例1〜3この封止用樹脂組成物を用い、トランスファー成形機で、金型温度180℃、成形圧力70kgf/cm2 、硬化時間90秒の条件で成形した。スパイラルフロー(SF)は、EMMI1−66に準じて測定した。吸湿後の硬化性については、封止用樹脂組成物を25℃、50%RH雰囲気中に24時間放置後、上記と同様にスパイラルフロー測定時カル部の硬化状態を見た。表2において、○印は、吸湿後の硬化性が良好、×印は不良であることを示す。A1ピール接着力は、厚み約0.03mmのアルミホイル上に幅10mmの成形品を上記の条件で成形し、更に175℃、5時間後硬化を行ったものについて、アルミ箔と成形品の密着力を測定した。吸湿率はφ50×3mmの円板を上記の条件で成形し、更に後硬化を行ったものについてPCT(121℃、2atm)20時間後の重量変化から測定した。また、封止用樹脂組成物を用いて、半導体素子をトランスファー成形機で同様の条件で成形し、後硬化(175℃/5時間)後はんだ付け時の耐熱性と耐熱信頼性を測定した。はんだ付け時の耐熱性に用いた半導体装置QFP80ピンは、外形寸法が20×14×2(mm)のフラットパッケージであり、8×14×0.4(mm)の素子を搭載した80ピン、42アロイリードのものである。試験条件は、85℃/85%RHで所定時間加湿した後、215℃のベーパーフェーズリフロー炉において90秒加熱する。評価は外観を顕微鏡にて観察し、パッケージクラックの有無を判定することにより行った。耐湿信頼性に用いた半導体装置DIP16ピンは、外形寸法が6.3×19.5×3.8(mm)であり、リードフレームは42アロイ材で7.2×3.9(mm)のチップサイズを有するものである。(チップのデザインはA115μm幅、ギャップ5μm、パッシベーションなし)
このようにして得られた半導体装置について、125℃、24時間ベーキング後85℃/85%RHで72時間加熱させた後、215℃のベーパーフェーズリフロー炉において、90秒加熱処理を行い、PCT(121℃、2atm)の条件化で放置した時の半導体装置のA1配線の腐食断線を導通試験を行うことにより求めた。上記の各試験結果をまとめて表2に示す。表2より、実施例の成形品は、高接着性、低吸湿率であり、半導体装置は、はんだ付け時の耐熱性、耐湿信頼性が良好であることが明白である。
【0018】
【表1】

【0019】
【表2】

【0020】
【発明の効果】本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、はんだ付け時の耐熱性、耐湿信頼性に優れたものであり、従って該封止用樹脂封止組成物で封止した半導体装置もはんだ付け時の耐熱性、耐湿信頼性に優れたものとなる。
【出願人】 【識別番号】000004455
【氏名又は名称】日立化成工業株式会社
【出願日】 平成7年5月18日(1995.5.18)
【代理人】 【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和 (外8名)
【公開番号】 特開2002−220438(P2002−220438A)
【公開日】 平成14年8月9日(2002.8.9)
【出願番号】 特願2001−374591(P2001−374591)