トップ :: C 化学 冶金 :: C08 有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物




【発明の名称】 熱硬化性樹脂組成物及び半導体封止材料
【発明者】 【氏名】鹿毛 孝和

【氏名】東 洋史

【氏名】国友 秀夫

【氏名】加納 秀樹

【要約】 【課題】半導体封止材料において、耐湿性が優れ、耐ハンダクラック性の良好な硬化物、特に好適な硬化物をあたえる樹脂組成物を提供すること。

【解決手段】分子中にフェノール系水酸基を含有する芳香族炭化水素(a)に、エチレン性不飽和二重結合を2個有する化合物(b1)とエチレン性不飽和二重結合を1個有する化合物(b2)とが付加した構造を有するフェノール樹脂からなる硬化剤(A)とエポキシ樹脂(B)とを必須成分とする熱硬化性樹脂組成物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 分子中にフェノール系水酸基を含有する芳香族炭化水素(a)に、エチレン性不飽和二重結合を少なくとも2個有する化合物(b1)とエチレン性不飽和二重結合を1個有する化合物(b2)とが付加した構造を有するフェノール樹脂からなる硬化剤(A)とエポキシ樹脂(B)とを必須成分とする熱硬化性樹脂組成物。
【請求項2】 エチレン性不飽和二重結合を少なくとも2個有する化合物(b1)がジビニルベンゼン類で、且つエチレン性不飽和二重結合を1個有する化合物(b2)がエチルスチレン類である請求項1記載の樹脂組成物。
【請求項3】 フェノール樹脂からなる硬化剤(A)が下記一般式(1)で表されるフェノール樹脂である請求項2に記載の熱硬化性樹脂組成物。
【化1】

(式中、Xは下記構造式(2)、(3)又は(4)で表わされる2価の官能基をを、a及びCは、それぞれ独立に0または1の整数を、bは1≦b≦6以上の整数を示す。)
【化2】

【請求項4】 一般式(1)中のXが前記構造式(3)及び/又は(4)で表わされるものである請求項3に記載の熱硬化性樹脂組成物。
【請求項5】 エポキシ樹脂(B)がジシクロペンタジエン−フェノール重付加型エポキシ樹脂である請求項1〜4のいずれかひとつに記載の樹脂組成物。
【請求項6】 更に、無機充填剤(C)、硬化促進剤(D)を含有する、請求項1〜5いずれかひとつに記載の樹脂組成物。
【請求項7】 請求項1〜6のいずれかひとつに記載の熱硬化性樹脂組成物を含有することを特徴とする半導体封止材料。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性、耐湿性が良好な優れた硬化物を与え、とくに、表面実装時の耐ハンダクラック性に優れた半導体封止材料に好適な熱硬化性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体封止材料としては、従来から、オルソクレゾールノボラックエポキシ樹脂をノボラック型フェノール樹脂で硬化させるエポキシ樹脂組成物が用いられている。最近、半導体関連技術の進歩はめざましいものがある。半導体はメモリーの集積度の増加に伴い、配線の微細化とチップの薄型化が進んでいるが、集積度の向上とともに、実装方法もスルーホール実装から表面実装への移行が進んでいる。しかしながら、表面実装の自動化ラインではリード線の半田付けの際に吸湿した半導体パッケージが急激に200℃以上の高温にさらされため、オルソクレゾールノボラックエポキシ樹脂をノボラック型フェノール樹脂で硬化させるエポキシ樹脂組成物を必須成分とした封止材料では、耐ハンダクラック性に対して、やや不十分である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、半導体封止材料において、耐湿性が優れ、耐ハンダクラック性の良好な硬化物、特に好適な硬化物をあたえる樹脂組成物を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意検討した結果、分子中にフェノール系水酸基を含有する芳香族炭化水素(a)にエチレン性不飽和二重結合を有する化合物(b1)および(b2)が付加した構造を有するフェノール樹脂からなる硬化剤(A)、エポキシ樹脂(B)を必須成分とする熱硬化性樹脂組成物が前述の問題点を解決することを見出し、本発明を完成させた。
【0005】すなわち、本発明は、分子中にフェノール系水酸基を含有する芳香族炭化水素(a)に、エチレン性不飽和二重結合を少なくとも2個有する化合物(b1)とエチレン性不飽和二重結合を1個有する化合物(b2)とが付加した構造を有するフェノール樹脂からなる硬化剤(A)とエポキシ樹脂(B)とを必須成分とする熱硬化性樹脂組成物、これを必須成分とする半導体封止材料を提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明で用いるフェノール樹脂(A)は、分子中にフェノール系水酸基を含有する芳香族炭化水素(a)とにエチレン性不飽和二重結合を有する化合物(b1)及び(b2)とを付加反応させて得ることができる。
【0007】この際、上記のフェノール樹脂(A)は分子中に平均1.5個以上好ましくは2個〜8個のフェノール系水酸基を有する構造をもつものが、本発明のエポキシ樹脂用硬化剤として好ましい。
【0008】前述のフェノール系水酸基を含有する芳香族炭化水素(a)としては、特に限定されないが、例えば、フェノールやビスフェノールF、ビスフェノールA、ビスフェノールAD、ビスフェノールM、ビスフェノールC、ビスフェノールZ、ビスフェノールTMC、フルオレンビスフェノール等のビスフェノール類、クレゾール、p−ターシャリーブチルフェノール等のアルキル置換フェノール類、ブロモフェノール等のハロゲン化フェノール類、ハイドロキノン、レゾルシン等のベンゼンジオール類、1−ナフトール、2−ナフトール、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン等のナフトール類等、上記のフェノール類とホルムアルデヒドを縮合して得られる各種ノボラック樹脂類が挙げられる。中でも、分子内に2個以上のフェノール系水酸基を持つ化合物を容易に製造できる点から、上記のビスフェノール類、ベンゼンジオール類、ノボラック樹脂類が好ましく、硬化物の耐熱性、耐湿性、機械強度が良好な点からビスフェノール類、ベンゼンジオール類が更に好ましく、経済性の面からビスフェノールAが特に好ましい。
【0009】また、これらのフェノール系水酸基を含有する芳香族炭化水素(a)は単独のみならず、2種以上を混合して用いることも可能である。
【0010】本発明で用いられるエチレン性不飽和二重結合を有する化合物(b1)、または(b2)として使用できる物質は、1分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物(b1)として、例えば、ジビニルベンゼン、アルキルジビニルベンゼン、ジアリルフタレート等の芳香族ジビニル化合物、グリセロールジアリルエーテルやトリメチルプロパントルアクリレート等の脂肪族ポリビニル化合物等の多官能ビニル化合物が挙げられる。中でも、反応性や作業性等に優れる点で芳香族ジビニル化合物が好ましく、耐熱性、耐湿性の面からジビニルベンゼンが特に好ましい。また、該化合物(b1)は単独のみならず、2種以上を混合して使用することもできる。
【0011】また、本発明で用いられるエチレン性不飽和二重結合を1個有する化合物(b2)は、例えば、スチレン、メチルスチレン、エチルスチレン、モノブロモスチレン等の芳香族モノビニル化合物、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸ステアリルエステル、(メタ)アクリル酸、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、γ―メルカプトプロピルトリメトキシシラン等の脂肪族モノビニル化合物が挙げられる。なかでも、スチレン、エチルスチレンが相溶性の点で好ましい。また、該化合物(b2)は単独のみならず、2種以上を混合して使用することもできる。
【0012】前記のエチレン性不飽和二重結合を1個有する化合物(b2)は、分子中に少なくとも2個のフェノール系水酸基を有するフェノール樹脂が合成できる範囲内で使用することがとくに好ましい。
【0013】前記のエチレン性不飽和二重結合を1個有する化合物類(b2)を、前記の1分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物(b1)と併用して、フェノール系水酸基を含有する芳香族炭化水素(a)と反応させて得られるフェノール樹脂は、エポキシ樹脂の硬化剤としてもちいると、得られた硬化物が、上記1分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物類(b1)のみを、上記の化合物類(b2)を併用せずに、フェノール系水酸基を含有する芳香族炭化水素(b1)と反応させて得られるフェノール樹脂を用いた硬化物よりも、可撓性が優れる。中でも、1分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物(b1)がジビニルベンゼン類であって、エチレン性不飽和二重結合を1個有する化合物類(b2)がエチルスチレンである場合が半導体封止材料用樹脂組成物の用途として使用する際、耐ハンダクラック性の面で、とくに好ましい。
【0014】上記のエチレン性不飽和二重結合を1個有する化合物類(b2)と1分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物(b1)の使用割合は、得られたフェノール系樹脂の可撓性と耐熱性が良好となる点から、上記化合物(b1)及び(b2)の合計100重量部当たり、エチレン性不飽和二重結合を1個有する化合物類(b2)が30重量部以下であることが好ましい。また、ハンダクラック性が良好となる点から、上記化合物(b1)及び(b2)の合計100重量部当たり、0.5重量部以上とすることが好ましい。中でも、1分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物(b1)がジビニルベンゼン類であって、エチレン性不飽和二重結合を1個有する化合物類(b2)がエチルスチレンである場合が、上記の反応割合で製造したフェノール樹脂が半導体封止材料用樹脂組成物の用途として使用する際に、特に好ましい。また、更に、半導体封止材料用樹脂組成物として用いる場合は、耐湿性、耐クラック性が良好な点からは、エチルスチレンとジビニルベンゼンの合計100重量部当たり、エチルスチレンを5〜20重量部として反応させることがとくに好ましい。
【0015】本発明で用いるフェノール樹脂からなる硬化剤(A)としては、下記一般式(1)で表わされる構造であることが好ましい。
【化3】

(式中、Xは下記構造式(2)、(3)又は(4)で表わされる2価の官能基をを、a及びCは、それぞれ独立に0または1の整数を、bは1≦b≦6以上の整数を示す。)
【化4】

【0016】中でも、一般式(1)中のXが前記構造式(3)及び/又は(4)で表わされるものが特に好ましい。
【0017】上記の付加反応の反応温度等は特に限定するものではないが、例えば、合理的に短時間とするためには110℃以上で、触媒を使用することが好ましい。この際に用いられる触媒としては、例えば、塩化アルミニウム、塩化第一錫のごとき金属塩化物や、硫酸、塩酸、リン酸などの無機酸、ベンゼンスルフォン酸、パラトルエンスルフォン酸のごとき有機スルフォン酸、酢酸、シュウ酸、マレイン酸のごときカルボン酸などが使用できる。これらの触媒は2種以上混合して使用することも可能である。
【0018】また、上記の付加反応は無溶媒下で行っても良いが、有機溶媒の存在下で行っても良い。有機溶媒としては、公知慣用のものがいずれも使用できるが、例えば、トルエン、キシレン、メチルイソブチルケトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ソルベッソ等が挙げられる。
【0019】また、前記のフェノール系水酸基を含有する芳香族炭化水素(a)とエチレン性不飽和二重結合を有する化合物(b1)及び(b2)との反応割合は、特に制限されないが、例えば、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物(b1)及び(b2)と前記の芳香族炭化水素(a)において、前記の(A)の取り扱いが容易になる点から、[前記化合物(b1)+(b2)]/[前記フェノール系水酸基を含有する芳香族炭化水素(a)=0.2〜0.7(モル比)の範囲が好ましい。また、1分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物(b1)がジビニルベンゼン類であって、エチレン性不飽和二重結合を1個有する化合物類(b2)がエチルスチレンである場合が、上記の反応割合で製造したフェノール樹脂が半導体封止材料用樹脂組成物の用途として使用する際に、特に好ましい。
【0020】上記の反応で得られた、フェノール系水酸基を有するフェノール樹脂からなる硬化剤(A)の性状については、特に制限されるものではないが、特に、半導体封止材料用途の場合、溶融粘度(150℃)が50mPa・Sから1000mPa・Sが好ましい。
【0021】また、上記の反応で得られたフェノール樹脂からなる硬化剤(A)の軟化点は、特に制限されるものではないが、特に、半導体封止材料用途の場合、作業性の点から60℃〜100℃の範囲が好ましい。
【0022】本発明で用いるエポキシ樹脂組成物では、必要に応じて、他のフェノール樹脂を併用してもよく、例えば、ビスフェノール類、フェノールノボラック樹脂類、クレゾールノボラック樹脂類、ジシクロペンタジエン、テトラヒドロインデン等の多環式脂肪族炭化水素とフェノール類の重付加物類、テトラメチルビフェニル類、トリフェノールメタン類等を挙げられる。中でも、クレゾールノボラック型樹脂とジシクロペンタジエン−フェノール樹脂類が好ましい。
【0023】本発明で用いるエポキシ樹脂(B)としては、特に制限するものではないが、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン、テトラヒドロインデン等の多環式脂肪族炭化水素とフェノール類の重付加物を出発原料とするエポキシ樹脂、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェニルメタン型エポキシ樹脂等を挙げられる。中でも、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂とジシクロペンタジエン−フェノール重付加型エポキシ樹脂が、耐熱性、耐湿性の点で好ましい。
【0024】本発明の樹脂組成物においてフェノール樹脂硬化剤(A)の使用量は、充分に硬化反応が進み、良好な硬化物物性が得られる点から、エポキシ樹脂(B)のエポキシ基1当量に対して、該硬化剤中の活性水素基が0.7〜1.5当量になる量が好ましい。
【0025】本発明に用いられる無機充填材(C)としては、溶融或いは結晶性シリカ粉末、ガラス繊維、炭素繊維、炭酸カルシウム、石英、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、珪藻土、焼成クレイ、カリオン、マイカ、アスベスト、パルプ、木粉等が挙げられる。
【0026】さらに必要に応じて、三酸化アンチモン、ヘキサブロモベンゼン等の難燃剤、カーボンブラック、ベンガラ等の着色剤、天然ワックス、合成ワックス等の離型剤類、シリコンオイル、またはゴム等のような低応力添加剤等の種々の添加剤等を適宜配合しても良い。
【0027】本発明に用いられる硬化促進剤(D)としては、公知慣用のものがいずれも使用できる。例えば、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン等の第三級ホスフィン類、ジメチルエタノールアミン、ジメチルベンジルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノ)フェノール等の第三級アミン類、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1−ビニル−2−メチルイミダゾール、1−プロピル−2−メチルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール類が挙げられる。
【0028】本発明の樹脂組成物を用いて半導体封止材料の成型材料を調製するには、フェノール樹脂(A)、エポキシ樹脂(B)、無機充填材(C)、硬化促進剤(D)、その他の添加剤をミキサー等によって均一に混合した後、更に熱ロールまたはニーダー等で溶融混練りし、低圧トランスファー成形あるいは射出成形するなどして得ることができる。
【0029】
【実施例】以下に具体例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお下記の部はすべて重量基準とする。
【0030】合成例1攪拌機、コンデンサー、温度計及び滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、ビスフェノールA1140g(5モル)、メチルイソブチルケトン570g、及び、触媒として塩化アルミニウム5.7gを加え、115℃まで昇温した。113〜117℃に温度を保ちながら約2時間かけて、ジビニルベンゼン(総計374.4g,2.88モル)とエチルスチレンの混合物(総計41.6g,0.32モル)を滴下させた後、5時間反応させた。反応容器より取り出し、一般式(2)で表される、軟化点80℃の黄色塊状の合成樹脂(X1)を得た。
【0031】合成例2攪拌機、コンデンサー、温度計及び滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、ビスフェノールA1140g(5モル)、及びメチルイソブチルケトン570g、触媒として塩化アルミニウム5.7gを加え、110℃まで昇温した。滴下ロートより、ジビニルベンゼンとエチルスチレンの混合物を少量ずつ滴下して140℃まで発熱を利用して昇温させる。135〜145℃に温度を保ちながら約2時間かけて、ジビニルベンゼン(総計374.4g:2.88モル)とエチルスチレンの混合物(総計41.6g,0.32モル)を滴下させた後、3時間反応させた。反応容器より取り出し、一般式(2)で表される軟化点80℃の黄色塊状の合成樹脂(X2)を得た。
【0032】合成例3攪拌機、コンデンサー、温度計及び滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、ビスフェノールA1140g(5モル)、及びメチルイソブチルケトン570g、触媒として塩化アルミニウム5.7gを加え、110℃まで昇温した。滴下ロートより、ジビニルベンゼンとエチルスチレンの混合物を少量ずつ滴下して140℃まで発熱を利用して昇温させる。135〜145℃に温度を保ちながら約2時間かけて、ジビニルベンゼン(総計343.2g:2.64モル)とエチルスチレンの混合物(総計85.8g,0.66モル)を滴下させた後、3時間反応させた。反応容器より取り出し、一般式(2)で表される軟化点80℃の黄色塊状の合成樹脂(X3)を得た。
【0033】実施例1〜6、比較例1〜2実施例、比較例で本発明の組成物について、具体的に説明する。表1〜4にそれぞれの樹脂の配合を記す。各配合物をミキサーで常温で混合し、70〜100℃で2軸ロールにより混練りし、冷却後粉砕し成形材料とした。得られた成形材料をタブレット化し、低圧トランスファー成形機にて175℃、70kg/cm2(=686MPa)、120秒の条件でハンダクラック試験用の6×6mmのチップを16pSOPパッケージに封止した。封止したテスト用素子について下記の耐熱性評価、耐水性評価、ハンダクラック試験を実施した。その評価結果を表5〜8に示す。
【0034】評価方法ガラス転移温度:試験片を切り出し粘弾性測定装置(DMA)で測定。
吸水率:85℃・85%RHの条件下で300時間処理した後重量増加率から計算。
ハンダクラック試験(1):封止したテスト用素子20個を85℃・85%RHの条件下で72時間処理し、その後240℃のハンダ槽に10秒浸せきした後顕微鏡で外部クラックを観察し、外部クラックが発生したテスト用素子の個数がテスト用素子全20個中に占める割合を算出して示した。
ハンダクラック試験(2):封止したテスト用素子20個を85℃・85%RHの条件下で144時間処理し、その後240℃のハンダ槽に10秒浸せきした後顕微鏡で外部クラックを観察し、外部クラックが発生したテスト用素子の個数がテスト用素子全20個中に占める割合を算出して示した。
【0035】使用した樹脂(下記の樹脂の水酸基当量及びエポキシ当量の単位は、グラム/当量であって以下g/eq.で表わす。)
・合成例1合成した樹脂(X1);水酸基当量160g/eq. 軟化点80℃・合成例2合成した樹脂(X2);水酸基当量160g/eq. 軟化点80℃・合成例3合成した樹脂(X3);水酸基当量160g/eq. 軟化点80℃・フェノールノボラック樹脂(X4);水酸基当量104g/eq、軟化点80℃大日本インキ化学工業製フェノライトTD−2131・エポキシ樹脂(Y1);オルソクレゾールノボラック型エホ゜キシ樹脂エホ゜キシ当量250g/eq軟化点67℃:大日本インキ化学工業製EPICLON N-665・エポキシ樹脂(Y2);ジシクロペンタジエン−フェノール重付加型エポキシ樹脂エホ゜キシ当量263g/eq軟化点65℃:大日本インキ化学工業製EPICLON HP-7200【0036】
【表1】

【0037】
【表2】

【0038】
【表3】

【0039】
【表4】

【0040】
【表5】

【0041】
【表6】

【0042】
【発明の効果】本発明によれば、耐熱性、耐湿性が良好な優れた硬化物を与え、とくに、表面実装時の耐ハンダクラック性に優れた半導体封止材料に好適な樹脂組成物を提供できる。
【出願人】 【識別番号】000002886
【氏名又は名称】大日本インキ化学工業株式会社
【出願日】 平成13年11月26日(2001.11.26)
【代理人】 【識別番号】100088764
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 勝利
【公開番号】 特開2002−220437(P2002−220437A)
【公開日】 平成14年8月9日(2002.8.9)
【出願番号】 特願2001−359198(P2001−359198)