| 【発明の名称】 |
アルコキシ基含有シラン変性ポリウレタン樹脂、当該樹脂組成物およびポリウレタン樹脂−シリカハイブリッド体 |
| 【発明者】 |
【氏名】小津 俊之
【氏名】合田 秀樹
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| 【要約】 |
【課題】力学強度、耐熱性、高温耐久性に優れたポリウレタン樹脂−シリカハイブリッド体(硬化物)を生成することのできるアルコキシ基含有シラン変性ポリウレタン樹脂および樹脂組成物を提供する。
【解決手段】高分子ポリオールとジイソシアネートと鎖伸長剤から得られ、かつエポキシ基と反応性を持つ官能基を有するポリウレタン樹脂(1)と、1分子中に1つの水酸基を持つエポキシ化合物(A)とアルコキシシラン部分縮合物(B)との脱アルコール反応によって得られるエポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2)とを反応させてなるアルコキシ基含有シラン変性ポリウレタン樹脂;当該アルコキシ基含有シラン変性ポリウレタン樹脂を含有する樹脂組成物;当該アルコキシ基含有シラン変性ポリウレタン樹脂または当該樹脂組成物を硬化させてなるポリウレタン樹脂−シリカハイブリッド体。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 高分子ポリオールとジイソシアネートと鎖伸長剤から得られ、かつエポキシ基と反応性を持つ官能基を有するポリウレタン樹脂(1)と、1分子中に1つの水酸基を持つエポキシ化合物(A)とアルコキシシラン部分縮合物(B)との脱アルコール反応によって得られるエポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2)とを反応させてなることを特徴とするアルコキシ基含有シラン変性ポリウレタン樹脂。 【請求項2】 高分子ポリオールがポリエステルポリオールおよび/またはポリカーボネートポリオールである請求項1記載のアルコキシ基含有シラン変性ポリウレタン樹脂。 【請求項3】 アルコキシシラン部分縮合物(B)がテトラメトキシシラン部分縮合物である請求項1又は2のいずれかに記載のアルコキシ基含有シラン変性ポリウレタン樹脂。 【請求項4】 1分子中に1つの水酸基を持つエポキシ化合物(A)がグリシドールである請求項1〜3のいずれかに記載のアルコキシ基含有シラン変性ポリウレタン樹脂。 【請求項5】ポリウレタン樹脂(1)が、イソシアネート基末端のウレタンプレポリマーをジアミンで鎖伸長して得られるものである請求項1〜4のいずれかに記載のアルコキシ基含有シラン変性ポリウレタン樹脂。 【請求項6】 エポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2)のオキシラン環の当量/ポリウレタン樹脂(1)のエポキシ基反応性官能基の当量(当量比)が0.30〜5の範囲である請求項1〜5のいずれかに記載のアルコキシ基含有シラン変性ポリウレタン樹脂。 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載のアルコキシ基含有シラン変性ポリウレタン樹脂を含有してなる樹脂組成物。 【請求項8】 請求項7記載のアルコキシ基含有シラン変性ポリウレタン樹脂組成物を硬化してなるポリウレタン樹脂−シリカハイブリッド体。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、アルコキシ基含有シラン変性ポリウレタン樹脂、当該樹脂組成物およびポリウレタン樹脂−シリカハイブリッド体に関する。 【0002】 【従来の技術】従来より、ポリウレタン樹脂は、ゴム弾性を有することから、各種分野で賞用されている。かかるポリウレタン樹脂のゴム弾性は、強靭性を有するハードセグメントが、柔軟性を有するソフトセグメントのマトリックスから不溶化してドメインを形成することから発現される。しかし、ポリウレタン樹脂は一般に耐熱性の弱い材料であり、通常、100〜160℃でハードセグメントの溶融により、ゴム弾性が消失して、液状化してしまう問題があった。特に近年、技術の多様化により、コーティング分野においても性能の向上が要求されるようになり、ポリウレタン樹脂については高温においてもゴム弾性を有するものが望まれている。 【0003】ポリウレタン樹脂の耐熱性を向上させる方法としては、ハードセグメントの割合を増やしたり、ハードセグメントに多くのウレア結合を導入する方法等がある。しかし、こうした方法によるとポリウレタン樹脂の溶剤不溶化または粘度上昇を招き好ましくない。 【0004】また、ポリウレタン樹脂に耐熱性を付与する方法として、ゾル−ゲル法を応用した、無機ガラスとのハイブリッド体を合成する方法がある。すなわち、テトラエトキシシラン等の加水分解性アルコキシシランの加水分解と重縮合を利用して、いわゆるフィラー効果によりポリウレタン樹脂に無機ガラスを分散させたハイブリッド体を製造するものである。かかるゾル−ゲル法によれば、生成するガラス粒子径は数nmと非常に小さいため、当該ガラス粒子がポリウレタン樹脂に分散されていても有機ポリマーの透明性が失われることはない。 【0005】しかし、ゾル−ゲル法によってポリウレタン樹脂の有機・無機ハイブリッド体を製造すると、フィラー効果によって耐熱性等の性能が向上する一方で、ガラス粒子がポリウレタン樹脂全体に分散されるためポリウレタン樹脂固有のソフトセグメントの柔軟性が失われて脆くなる。たとえば、特開平6−136321号公報には、親水性ソフトセグメントのポリウレタン樹脂、加水分解性アルコキシシラン、必要に応じて触媒とを低級アルコールに溶解したアルコールゾル溶液を用いた有機・無機ハイブリッド体の製造方法が記載されているが、得られる有機・無機ハイブリッド体は、柔軟性がなく、脆いものであり、耐熱性が十分でなかった。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、力学強度、耐熱性、高温耐久性に優れたポリウレタン樹脂−シリカハイブリッド体(硬化物)を生成することのできるアルコキシ基含有シラン変性ポリウレタン樹脂および樹脂組成物を提供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、特定のポリウレタン樹脂と特定のシラン化合物とを構成成分としてなる反応生成物を用いることにより前記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに到った。 【0008】すなわち、本発明は、高分子ポリオールとジイソシアネートと鎖伸長剤から得られ、かつエポキシ基と反応性を持つ官能基を有するポリウレタン樹脂(1)と、1分子中に1つの水酸基を持つエポキシ化合物(A)(以下、単にエポキシ化合物(A)と略す。)とアルコキシシラン部分縮合物(B)との脱アルコール反応によって得られるエポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2)とを反応させてなるアルコキシ基含有シラン変性ポリウレタン樹脂;当該アルコキシ基含有シラン変性ポリウレタン樹脂を含有する樹脂組成物;および当該アルコキシ基含有シラン変性ポリウレタン樹脂または当該樹脂組成物を硬化させてなるポリウレタン樹脂−シリカハイブリッド体に関する。 【0009】 【発明の実施の形態】本発明で用いるポリウレタン樹脂(1)は、高分子ポリオールで構成されるソフトセグメントと、ジイソシアネート、鎖伸長剤および必要により鎖長停止剤で構成されるハードセグメントとからなるものである。 【0010】当該高分子ポリオールとしては、特に限定されず、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリオレフィンポリオールなど各種公知のものが挙げられる。当該高分子ポリオールは、数平均分子量が500〜10000の範囲であり、分子末端に水酸基を持つものが好ましい。数平均分子量が500未満になると溶解性の低下に伴ない安定性が低下する傾向があり、また10000を越えると弾性が低下する傾向がある。硬化物の力学物性を考慮すると、好ましくは1000〜6000の範囲内とするのがよい。また、最終的に得られるポリウレタン−シリカハイブリッド体の高温耐久性などの諸耐性の点から、上記高分子ポリオールのうちでもポリエステルポリオールおよび/またはポリカーボネートポリオールが特に好適である。 【0011】当該ポリエステルポリオールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、オクタンジオール、1,4−ブチンジオール、ジプロピレングリコール等の飽和もしくは不飽和の各種公知の低分子グリコール類またはn−ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル等のアルキルグリシジルエーテル類、バーサティック酸グリシジルエステル等のモノカルボン酸グリシジルエステル類と、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、しゅう酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸等の二塩基酸またはこれらに対応する酸無水物やダイマー酸、ひまし油およびその脂肪酸などとを脱水縮合せしめて得られるポリエステルポリオール類、あるいは環状エステル化合物を開環重合して得られるポリエステルポリオール類などがあげられる。なお、低分子グリコールと二塩基酸とから得られる高分子ポリオールの場合には、該グリコール類のうち5モル%までは以下の各種ポリオールに置換することができる。たとえばグリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、ソルビトール、ペンタエリスリトール等があげられる。 【0012】また、ポリカーボネートポリオールとしては、一般に多価アルコールとジメチルカーボネートの脱メタノール縮合反応、多価アルコールとジフェニルカーボネートの脱ウレタン縮合反応または多価アルコールとエチレンカーボネートの脱エチレングリコール縮合反応など公知の反応で得られる。これら反応で使用される多価アルコールとしては1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、オクタンジオール、1,4−ブチンジオール、ジプロピレングリコール等の飽和もしくは不飽和の各種公知の低分子グリコール類、1,4−シクロヘキサンジグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族グリコールなどが挙げられる。 【0013】またポリエーテルポリオールとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフランなどを開環重合して得られるポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコールなどが掲げられる。 【0014】また、ポリオレフィンポリオ−ルとしては、末端に水酸基を持つポリブタジエンポリオールやポリイソプレンポリオール、あるいはそれらを水添したものなどが挙げられる。 【0015】ポリウレタン樹脂(1)の構成成分であるジイソシアネート化合物としては芳香族、脂肪族または脂環族の各種公知のジイソシアネート類を使用することができる。たとえば、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4′−ジベンジルイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネートやダイマー酸のカルボキシル基をイソシアネート基に転化したダイマージイソシアネート等がその代表例としてあげられる。 【0016】またポリウレタン樹脂(1)に使用する鎖伸長剤としては、たとえば前記ポリエステルポリオールの項で述べた低分子グリコール類やジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸など分子内にカルボキシル基を持つグリコール類、またエチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジアミン、ダイマー酸のカルボキシル基をアミノ基に転化したダイマージアミン等のポリアミン類、L-リジン、L-アルギニンなど分子内にカルボキシル基を持つポリアミン類、が挙げられる。 【0017】また、本発明のポリウレタン樹脂には、分子量を調節するために重合停止剤を使用することもできる。重合停止剤としては、たとえば、ジ−n−ブチルアミン、n-ブチルアミン等のアルキルモノアミン類や、D-アラニン、D-グルタミン酸など分子内にカルボキシル基を持つモノアミン類、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、グリコール酸など分子内にカルボキシル基を持つアルコール類があげられる。 【0018】本発明に用いるポリウレタン樹脂(1)を製造する方法としては、高分子ポリオールとジイソシアネート化合物ならびに鎖伸長剤および/または重合停止剤を、適当な溶媒中で一度に反応させる一段法、高分子ポリオールとジイソシアネート化合物とを、イソシアネート基過剰の条件で反応させ、高分子ポリオールの末端にイソシアネート基を有するプレポリマーを調製し、次いでこれを適当な溶媒中で鎖伸長剤および必要に応じて、重合停止剤と反応させる二段法等が挙げられる。均一なポリマー溶液をうる目的には二段法が好ましい。これら製造法において、使用される溶剤としては通常、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ジアセトンアルコール等のアルコール系溶剤; アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、その他ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、エチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノンなどの溶剤を単独または混合して使用できる。 【0019】ポリウレタン樹脂(1)におけるエポキシ基と反応性を有する官能基は、ポリウレタン樹脂(1)の末端、主鎖のいずれに存在していてもよい。かかるエポキシ基反応性官能基としては、カルボキシル基、スルホン基、リン酸基などの酸性基、アミノ基、水酸基、メルカプト基などがあげられるが、通常はエポキシ基との反応性や、官能基付与容易性の点から酸性基、アミノ基が好ましい。ポリウレタン樹脂(1)に酸性基を付与する方法に限定はないが、例えば前記の鎖伸長剤や重合停止剤のうちで、カルボキシル基を持つものを用いれば容易にカルボキシル基を付与できる。またポリウレタン樹脂(1)にアミノ基を付与する方法に限定はないが、例えばプレポリマーの末端イソシアネート基に対し、アミノ基が過剰になるようポリアミン類を反応させればよい。ポリウレタン樹脂(1)におけるエポキシ基反応性官能基の量は特に制限されないが、通常は0.1〜20KOHmg/gであることが好ましい。0.1KOHmg/g未満になると得られるポリウレタン樹脂−シリカハイブリッド体の柔軟性や耐熱性が低下し、また20KOHmg/gを超えるとポリウレタン樹脂−シリカハイブリッド体の耐水性が低下する傾向がある。 【0020】本発明のエポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2)は、前記のように、エポキシ化合物(A)とアルコキシシラン部分縮合物(B)との脱アルコール反応によって得られるものである。 【0021】かかるエポキシ化合物(A)としては、1分子中に水酸基を1つもつエポキシ化合物であれば、エポキシ基の数は特に限定されない。また、エポキシ化合物(A)としては、分子量が小さいもの程、アルコキシシラン部分縮合物(B)に対する相溶性がよく、耐熱性や密着性付与効果が高いことから、炭素数が15以下のものが好適である。その具体例としては、エピクロロヒドリンと、水、2価アルコールまたはフェノール類とを反応させて得られる分子末端に1つの水酸基を有するモノグリシジルエーテル類;エピクロロヒドリンとグリセリンやペンタエリスリトールなどの3価以上の多価アルコールとを反応させて得られる分子末端に1つの水酸基を有するポリグリシジルエーテル類;エピクロロヒドリンとアミノモノアルコールとを反応させて得られる分子末端に1つの水酸基を有するエポキシ化合物;分子中に1つの水酸基を有する脂環式炭化水素モノエポキシド(例えば、エポキシ化テトラヒドロベンジルアルコール)などが例示できる。これらのエポキシ化合物の中でも、グリシドールが耐熱性付与効果の点で最も優れており、またアルコキシシラン部分縮合物(2)との反応性も高いため、最適である。 【0022】またアルコキシシラン部分縮合物(B)としては、一般式(a):R1pSi(OR2)4−p(式中、pは0または1を示す。R1は、炭素原子に直結した官能基を持っていてもよい低級アルキル基、アリール基または不飽和脂肪族残基を示す。R2はメチル基またはエチル基を示し、R2同士はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)で表される加水分解性アルコキシシランモノマーを酸又はアルカリ水の存在下で加水分解し、部分的に縮合させて得られるものが用いられる。 【0023】このような加水分解性アルコキシシランモノマーの具体的としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、等のテトラアルコキシシラン類、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン等のトリアルコキシシラン類、があげられる。なお、これらアルコキシシラン部分縮合物(B)としては、前記例示のものを特に制限なく使用できるが、これら例示物のうちの2種以上を混合使用する場合には、テトラメトキシシランを、アルコキシシラン部分縮合物(B)を構成する全てのアルコキシシランモノマー中70モル%以上用いて合成されたものが好ましい。 【0024】アルコキシシラン部分縮合物(B)は、例えば次の一般式(b)または(c)で示される。一般式(b):【0025】 【化1】
【0026】(式中、R1は、炭素原子に直結した官能基を持っていてもよい低級アルキル基、アリール基又は不飽和脂肪族残基を示す。R2はメチル基またはエチル基を示し、R2同士はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。) 【0027】一般式(c):【0028】 【化2】
【0029】(一般式(c)中、R2は一般式(b)中のR2と同じ。) 【0030】当該アルコキシシラン部分縮合物(B)の数平均分子量は230〜2000程度、一般式(c)および(d)において、平均繰り返し単位数nは2〜11が好ましい。nの値が11を超えると、エポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2)の溶解性が悪くなり、反応温度において、ウレタン樹脂(1)との相溶性が著しく低下し、反応性が落ちる傾向があるため好ましくない。nが2未満であると、エポキシ化合物(A)との脱アルコール反応反応途中に反応系外にアルコールと一緒に留去されてしまい、好ましくない。 【0031】エポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2)は、エポキシ化合物(A)とアルコキシシラン部分縮合物(B)を脱アルコール(エステル交換)反応させることにより得られる。エポキシ化合物(A)とアルコキシシラン部分縮合物(B)との使用割合は、アルコキシ基が実質的に残存するような割合であれば特に制限されないが、通常、エポキシ化合物(A)の水酸基の当量/アルコキシシラン縮合物(B)のアルコキシル基の当量=0.01/1〜0.7/1となる仕込み比率で、アルコキシシラン部分縮合物(B)とエポキシ化合物(A)を脱アルコール反応させることが好ましい。前記仕込み比率が少なくなるとエポキシ変性されていないアルコキシシラン部分縮合物(B)の割合が増加するため、前記仕込み比率は、0.03以上/1とするのが好ましい。また、前記仕込み比率が大きくなると、エポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2)のエポキシ基が多官能化し、シラン変性ウレタン樹脂合成時にゲル化しやすくなるため、前記仕込み比率は、0.5以下/1とするのが好ましい。 【0032】アルコキシシラン部分縮合物(B)とエポキシ化合物(A)の反応は、たとえば、前記各成分を仕込み、加熱して生成するアルコールを留去しながら脱アルコール反応を行なう。反応温度は50〜150℃程度、好ましくは70〜110℃であり、全反応時間は1〜15時間程度である。なお、脱アルコール反応を110℃を超える温度で行うと、反応系中でアルコキシシランの縮合に伴って、反応生成物の分子量が上がりすぎ、高粘度化やゲル化する傾向がある。このような場合には、脱アルコール反応を反応途中で、停止させるなどの方法により高粘度化、ゲル化を防止できる。 【0033】また、上記のアルコキシシラン部分縮合物(B)とエポキシ化合物(A)の脱アルコール反応に際しては、反応促進のために従来公知の触媒の内、エポキシ環を開環しないものを使用することができる。たとえば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ストロンチウム、亜鉛、アルミニウム、チタン、コバルト、ゲルマニウム、錫、鉛、アンチモン、砒素、セリウム、硼素、カドミウム、マンガンのような金属や、これら酸化物、有機酸塩、ハロゲン化物、アルコキシド等があげられる。これらのなかでも、特に有機錫、有機酸錫が好ましく、具体的には、ジブチル錫ジラウレート、オクチル酸錫などが有効である。 【0034】また、上記反応は溶剤中で行うこともできる。溶剤としては、アルコキシシラン縮合物(B)とエポキシ化合物(A)を溶解し、且つエポキシ化合物(A)のエポキシ基に対して不活性なものであれば、特に限定されない。このような有機溶剤としては、ポリウレタン樹脂(1)の製造に使用した溶剤を用いるのが好ましい。 【0035】本発明の目的物であるアルコキシ基含有シラン変性ポリウレタン樹脂は、前記ポリウレタン樹脂(1)と前記エポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2)とを反応させて得られる。ウレタン樹脂(1)と当該エポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2)の使用割合は、特に制限されないが、エポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2)のエポキシ基の当量/ポリウレタン樹脂(1)のエポキシ基反応性官能基の合計当量(当量比)が0.30〜5の範囲とするのが好ましい。0.30未満では、得られるアルコキシ基含有シラン変性ポリウレタン樹脂が十分に本発明の効果を発揮できず、また5を超えるとアルコキシ基含有シラン変性ポリウレタン樹脂中の未反応エポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2)の割合が増えるため好ましくない。 【0036】かかるアルコキシ基含有シラン変性ポリウレタン樹脂組成物の製造は、たとえば、前記各成分を仕込み、実質的に無水状態で加熱して反応を行なう。本反応はポリウレタン樹脂(1)の酸性基及び/又はアミノ基と前記エポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2)のオキシラン基の反応を主目的にしており、本反応中にエポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2)のアルコキシシリル部位のゾル−ゲル反応によるシリカの生成を抑える必要がある。そのため、反応温度は室温〜150℃程度、好ましくは40〜120℃であり、全反応時間は1〜10時間程度で行うのが好ましい。 【0037】また、上記の反応に際しては、特に触媒は必要としないが、反応促進のために従来公知の触媒を使用することができる。例えば、1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)ウレタンなどの三級アミン類;2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾールなどのイミダゾール類;トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィンなどの有機ホスフィン類;テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、2−エチル−4−メチルイミダゾール・テトラフェニルボレート、N−メチルモルホリン・テトラフェニルボレートなどのテトラフェニルボロン塩などをあげることができる。反応触媒はポリウレタン樹脂(1)の固形分100重量部に対し、0.01〜5重量部の割合で使用してもよい。 【0038】また、上記反応は使用目的によって、溶剤中でも、無溶剤下でも行うことが出来る。溶剤としては、ポリウレタン樹脂(1)およびエポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2)を溶解する溶剤であれば特に制限はない。このような溶剤としては、前記ポリウレタン樹脂(1)、又はエポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2)の製造時に用いたものを使用することができる。 【0039】こうして得られた本発明のアルコキシ基含有シラン変性ポリウレタン樹脂は、その分子中にアルコキシシラン部分縮合物(B)に由来するアルコキシ基を有している。当該アルコキシ基の含有量は、特に限定はされないが、このアルコキシ基は溶剤の蒸発や加熱処理により、又は水分(湿気)との反応によりゾル−ゲル反応や脱アルコール縮合して、相互に結合した硬化物を形成するために必要となるため、アルコキシ基含有シラン変性ポリウレタン樹脂は通常、アルコキシシラン部分縮合物(B)のアルコキシ基の50〜95モル%、好ましくは60〜90モル%を未反応のままで保持しておくのが良い。 【0040】かかるアルコキシ基含有シラン変性ポリウレタン樹脂から得られる硬化物は、ゲル化した微細なシリカ部位(シロキサン結合の高次網目構造)を有するものである。また本発明のアルコキシ基含有シラン変性ポリウレタン樹脂は、ポリウレタン樹脂(1)中のエポキシ基反応性官能基の一部がシラン変性されたポリウレタン樹脂を主成分とするが、本発明のアルコキシ基含有シラン変性ポリウレタン樹脂中には未反応のアルコキシシラン部分縮合物(B)やエポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2)、反応に使用した溶剤や触媒を含有されていてもよい。なお未反応のアルコキシシラン部分縮合物(B)、エポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2)は硬化時に、加水分解、重縮合によりシリカ硬化し、アルコキシ基含有シラン変性ポリウレタン樹脂と一体化する。 【0041】本発明のアルコキシ基含有シラン変性ポリウレタン樹脂組成物は、当該アルコキシ基含有シラン変性ポリウレタン樹脂を含有しておればよく、その他の成分は特に限定されるものではなく、用途によって従来公知のポリマー材料を適宜に併用できる。このようなポリマー材料としては、例えばアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレンなどを例示できる。また本発明の樹脂組成物は、シラン変性樹脂組成物中の固形残分中のSi含有量が、シリカ重量換算で0.5〜30重量%となることが好ましい。ここで言う固形残分中のシリカ重量換算Si含有量とは、シラン変性ポリウレタン樹脂のアルコキシシリル部位がゾル-ゲル硬化反応を経て、シリカ部位に硬化した時のシリカ部位(一般式(d))の重量パーセントである。0.5重量%未満であると耐熱性、強度など本発明の効果が得られ難くなるし、30重量%を越えると、硬化物が脆くなり過ぎ、強度が逆に落ちてしまう傾向がある。前記樹脂組成物は使用目的に応じて、溶剤により適宜に濃度を調整できる。溶剤としては、アルコキシ基含有シラン変性ポリウレタン樹脂を溶解できるものであれば、特に制限なく使用できる。また、硬化物の力学的強度や耐熱性を調整する目的で、固形残分中のSi含有量を調整する必要がある場合、前記アルコキシ基シラン変樹脂組成物に、アルコキシシラン部分縮合物(B)やポリウレタン樹脂(1)を配合しても構わない。また、アルコキシ基シラン変樹脂組成物には、従来公知のポリウレタン樹脂の硬化に用いられる各種硬化剤を使用しても構わない。 【0042】更に、前記シラン変樹脂組成物には、シリカ硬化反応を低温で速くする目的で、従来公知の酸又は塩基性触媒、金属系触媒などのゾル−ゲル硬化触媒や水を含有して良い。また、その他、前記アルコキシ基シラン変性樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、充填剤、離型剤、表面処理剤、難燃剤、粘度調節剤、可塑剤、抗菌剤、防黴剤、レベリング剤、消泡剤、着色剤、安定剤、カップリング剤等を配合してもよい。 【0043】本発明のアルコキシ基含有シラン変性ポリウレタン樹脂および樹脂組成物は、各種プラスチック、ガラス、金属、皮革材料、モルタル、木、紙、コンクリート、コンクリート、皮革材料、木、紙、ゴム、織布、不織布、プリント配線基板等の各種基材のコーティング剤、接着剤、含浸剤に利用できる。更に、アルコキシ基含有シラン変性ウレタン樹脂及び樹脂組成物は電子デバイス用、IC用、光デバイス用のポッティング剤や、磁性塗料等の塗料、導電ペースト、レジストインキや特殊グラビアインキなどの印刷インキ、床材、防水材、繊維加工剤、紙加工剤等のバインダーとして、各種分野に利用できる。当該シラン変性ウレタン樹脂組成物や樹脂組成物を塗料、インキや各種コーティング剤として使用する場合には、アルコキシ基含有シラン変性ポリウレタン樹脂組成物の固形残分100重量部に対して、従来公知の顔料を0〜150重量部配合して用いる。前記、塗料はスプレーやコーターなど従来公知のコーティング機器を使用して、基材にコートした後、好ましくは60℃以上で焼き付けて塗膜とする。前記触媒の使用量は使用する触媒の活性により適宜決めることができる。通常、使用するシラン変性ポリウレタン樹脂のアルコキシ基に対しモル比率で、触媒能力の高いパラトルエンスルホン酸やオクチル酸錫などで0.01〜5モル%程度、触媒能力の低いギ酸、酢酸などで0.1〜50モル%程度使用される。更に硬化膜を柔軟化、強靭化する目的でポリイソシアネートなど硬化剤を配合しても構わない。 【0044】当該アルコキシ基含有シラン変性ポリウレタン樹脂から形成される硬化物は、当該アルコキシシラン部分縮合物(B)に由来するアルコキシシリル部位のゾル−ゲル硬化により生成する殆ど全てのシリカが、ポリウレタン樹脂のハードセグメントと結合し、ハードセグメントとシリカの複合ドメインとなる。つまり、当該アルコキシ基含有シラン変性ウレタン樹脂は、複合ドメインとソフトセグメントが二層分離(海島)構造をとるハイブリッド体を形成する。かかる二層分離(海島)構造によりハイブリッド体のマトリックスを構成するポリウレタンのソフトセグメントではシリカを含まないためその柔軟性をそのまま保持する。一方、当該ポリウレタンのハードセグメントではシリカとの複合ドメインにより当該ドメインのみを強靭にすることができるため、得られる硬化物の力学強度、耐熱性などが向上するものと推定される。 【0045】 【発明の効果】本発明によれば、柔軟性や力学強度、耐熱性、高温耐久性に優れたポリウレタン樹脂−シリカハイブリッド体(硬化物)を提供できる。また本発明によれば、当該ポリウレタン樹脂−シリカハイブリッド体を生成することのできるアルコキシ基含有シラン変性ポリウレタン樹脂および樹脂組成物を提供することができる。 【0046】以下に製造例、実施例および比較例をあげて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、各例中、%は特記しない限り重量基準である。 【0047】製造例1(エポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2)の製造) 攪拌機、分水器、温度計及び窒素ガス導入管を備えた反応装置に、グリシドール(日本油脂(株)製、商品名「エピオールOH」)1400gおよびテトラメトキシシラン部分縮合物(多摩化学(株)製、商品名「メチルシリケート51」、Siの平均個数が4)8957.9gを仕込み、窒素気流下、攪拌しながら、90℃に昇温した後、触媒としてジブチル錫ジラウレート2.0gを加え、反応させた。反応中、分水器を使ってメタノールを留去し、その量が約630gに達した時点で冷却した。昇温後冷却までに要した時間は5時間であった。ついで、13kPaで約10分間、系内に残存するメタノール約80gを減圧除去した。このようにして、エポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2A)を得た。なお、仕込み時のエポキシ化合物(A)の水酸基の当量/アルコキシシラン縮合物(B)のアルコキシル基の当量(当量比)=0.10、エポキシ当量は512g/eqである。 【0048】製造例2(エポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2)の製造) 製造例1と同様の反応装置に、グリシドール250.0gおよびテトラメトキシシラン部分縮合物(多摩化学(株)製、商品名「メチルシリケート56」、Siの平均個数が10)2675.4gを仕込み、窒素気流下、攪拌しながら、90℃に昇温した後、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.5gを加え、反応させた。反応中、分水器を使ってメタノールを留去し、その量が約125gに達した時点で冷却した。昇温後冷却までに要した時間は6.5時間であった。ついで、13kPaで約10分間、系内に残存するメタノール約5gを減圧除去した。このようにして、エポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2B)を得た。なお、仕込み時のエポキシ化合物(A)の水酸基の当量/アルコキシシラン縮合物(B)のアルコキシル基の当量(当量比)=0.05、エポキシ当量は830g/eqである。 【0049】実施例1(アルコキシ基含有シラン変性ポリウレタン樹脂の製造) 攪拌機、温度計及び窒素ガス導入管を備えた反応装置に、ポリカーボネートジオール(ダイセル化学(株)製、商品名「プラクセルCD220」、数平均分子量2000)1000gとイソホロンジイソシアネート278gを仕込み、窒素気流下に100℃で6時間反応させ、遊離イソシアネート価3.44%のプレポリマーとなし、これにメチルエチルケトン548gを加えてウレタンプレポリマーの均一溶液とした。次いで、イソホロンジアミン71.8g、ジ−n−ブチルアミン4.0g、メチルエチルケトン906g及びイソプロピルアルコール603gからなる混合物の存在下に上記ウレタンプレポリマー溶液1000gを添加し、50℃で3時間反応させた。こうして得られたポリウレタン樹脂溶液(以下、ポリウレタン樹脂1Aという)は、樹脂固形分濃度が30%、アミン価が1.2KOHmg/gであった。更に、同様の反応装置に、上記のポリウレタン樹脂1Aを500gを50℃に加温した後、製造例1で得たエポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2A)10.95gを加え、窒素気流下、60℃で4時間反応させ、アルコキシ基含有シラン変性ポリウレタン樹脂を得た。なお、エポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2A)のエポキシ基の当量/ポリウレタン樹脂(1A)のアミノ基の当量(当量比)=2、アルコキシ基含有シラン変性ポリウレタン樹脂中の固形残分中のSi含有量が、シリカ重量換算で3.3%であった。 【0050】実施例2(アルコキシ基含有シラン変性ポリウレタン樹脂の製造) 実施例1において、「プラクセルCD220」をポリエステルポリオール((株)クラレ製、「クラレポリオールP2010」、数平均分子量2000)に変更した以外は実施例1と同様に反応を行い、ポリウレタン樹脂溶液(以下、ポリウレタン樹脂(1B)という)を得た。ポリウレタン樹脂(1B)は樹脂固形分が30%、アミン価が1.2KOHmg/gであった。更に、同様の反応装置に、上記のポリウレタン樹脂1Aを500gを50℃に加温した後、製造例2で得たエポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2B)17.75gを加え、窒素気流下、60℃で4時間反応させ、アルコキシ基含有シラン変性ポリウレタン樹脂を得た。なおエポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2B)のエポキシ基の当量/ウレタン樹脂(1B)のアミノ基の当量(当量比)=2、アルコキシ基含有シラン変性ポリウレタン樹脂中の固形残分中のSi含有量が、シリカ重量換算で6.0%であった。 【0051】実施例3(アルコキシ基含有シラン変性ポリウレタン樹脂の製造) 実施例1と同様の反応装置に、「プラクセルCD220」を1000gとイソホロンジイソシアネート278gを仕込み、窒素気流下に100℃で6時間反応させ、遊離イソシアネート価3.44%のプレポリマーとなし、これにメチルエチルケトン548gを加えてウレタンプレポリマーの均一溶液とした。次いで、イソホロンジアミン77.6g、ジ−n−ブチルアミン2.4g、メチルエチルケトン913g及びイソプロピルアルコール607gからなる混合物の存在下に上記ウレタンプレポリマー溶液1000gを添加し、50℃で3時間反応させた。こうして得られたポリウレタン樹脂溶液(以下、ポリウレタン樹脂(1C)という)は、樹脂固形分濃度が30%、アミン価が2.4KOHmg/gであった。更に、同様の反応装置に、上記のポリウレタン樹脂1Aを500gを50℃に加温した後、製造例1で得たエポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2A)18.54gを加え、窒素気流下、60℃で4時間反応させ、アルコキシ基含有シラン変性ポリウレタン樹脂を得た。なおエポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2A)のエポキシ基の当量/ポリウレタン樹脂(1C)のアミノ基の当量(当量比)=2、アルコキシ基含有シラン変性ポリウレタン樹脂中の固形残分中のSi含有量が、シリカ重量換算で6.4%であった。 【0052】実施例4(アルコキシ基含有シラン変性ポリウレタン樹脂の製造) 実施例1と同様の反応装置に、「クラレポリオールP2010」を1000gとジメチロールブタン酸40g、イソホロンジイソシアネート342gを仕込み、窒素気流下に100℃で6時間反応させ、遊離イソシアネート価3.28%のプレポリマーとなし、これにメチルエチルケトン593gを加えてウレタンプレポリマーの均一溶液とした。次いで、イソホロンジアミン59.7g、ジ−n−ブチルアミン9.9g、メチルエチルケトン897g及びイソプロピルアルコール599gからなる混合物の存在下に上記ウレタンプレポリマー溶液1000gを添加し、50℃で3時間反応させた。こうして得られたポリウレタン樹脂溶液(以下、ポリウレタン樹脂(1D)という)は、樹脂固形分濃度が30%、酸価が3.0KOHmg/gであった。更に、同様の反応装置に、上記のポリウレタン樹脂1Aを500gを50℃に加温した後、製造例1で得たエポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2A)18.54gを加え、窒素気流下、60℃で4時間反応させ、アルコキシ基含有シラン変性ウレタン樹脂を得た。なおエポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2A)のエポキシ基の当量/ウレタン樹脂(1D)のカルボン酸基の当量(当量比)=2、アルコキシ基含有シラン変性ポリウレタン樹脂中の固形残分中のSi含有量が、シリカ重量換算で7.8%であった。 【0053】実施例5〜8(樹脂組成物及びポリウレタン樹脂−シリカハイブリッド体の製造) 実施例1〜4のアルコキシ基含有シラン変性ポリウレタン樹脂をメチルエチルケトン/イソプロパノール=1/1(重量比)で希釈し、固形残分12.5%の樹脂組成物をそれぞれ作製した。更にこれらの樹脂組成物をフッ素樹脂コーティングされた容器(縦×横×深さ=10cm×10cm×1.5cm)に注ぎ、3日間放置して硬化させた後、100℃で1時間乾燥させ残存する溶剤を除去してポリウレタン樹脂-シリカハイブリッド体を作製した(膜厚約0.6mm)。 【0054】実施例9(樹脂組成物及びポリウレタン樹脂−シリカハイブリッド体の製造) 実施例1のアルコキシ基含有シラン変性ポリウレタン樹脂100gにメチルシリケート51を2.4g、オクチル酸錫0.24gを配合した混合溶液をメチルエチルケトン/イソプロパノール=1/1(重量比)で希釈し、固形残分12.5%の樹脂組成物を作製した。更に実施例5〜8と同様にポリウレタン樹脂-シリカハイブリッド体を作製した。 【0055】実施例10(樹脂組成物及びポリウレタン樹脂−シリカハイブリッド体の製造) 実施例1のアルコキシ基含有シラン変性ポリウレタン樹脂100gにメチルシリケート51を6.0g、オクチル酸錫0.24gを配合した混合溶液をメチルエチルケトン/イソプロパノール=1/1(重量比)で希釈し、固形残分12.5%の樹脂組成物を作製した。更に実施例5〜8と同様にポリウレタン樹脂-シリカハイブリッド体を作製した。樹脂組成物の構成を表1に示す。 【0056】比較例1実施例1で製造したポリウレタン樹脂溶液(1A)をメチルエチルケトン/イソプロパノール=1/1(重量比)で希釈し、固形残分12.5%の樹脂組成物を作製した。更に実施例5〜8と同様に硬化物を作製した。 【0057】比較例2実施例2で製造したポリウレタン樹脂溶液(1B)をメチルエチルケトン/イソプロパノール=1/1(重量比)で希釈し、固形残分12.5%の樹脂組成物を作製した。更に実施例5〜8と同様に硬化物を作製した。 【0058】比較例3実施例1で製造したポリウレタン樹脂溶液(1A)100gにメチルシリケート51を2.00g配合し、メチルエチルケトン/イソプロパノール=1/1(重量比)で希釈して、固形残分12.5%の樹脂組成物をそれぞれ作製した。更に実施例5〜8と同様に硬化物を作製した。 【0059】比較例4実施例2で製造したポリウレタン樹脂溶液(1B)100gにメチルシリケート56を3.42g配合し、メチルエチルケトン/イソプロパノール=1/1(重量比)で希釈して、固形残分12.5%の樹脂組成物をそれぞれ作製した。更に実施例5〜8と同様に硬化物を作製した。 【0060】比較例5実施例1と同様の反応装置に、ポリテトラメチレングリコール(数平均分子量2000)489.9g、イソホロンジイソシアネート107.6gを仕込み、窒素気流下に100℃で6時間反応させ、遊離イソシアネート価3.28%のプレポリマーとなし、これにメチルエチルケトン1085gを加えてウレタンプレポリマーの均一溶液とした。次いで、イソホロンジアミン37.34gとジ−n−ブチルアミン3.27g、メチルエチルケトン897g及びイソプロピルアルコール599gからなる混合物の存在下に上記ウレタンプレポリマー溶液1000gを添加し、50℃で3時間反応させた。こうして得られたポリウレタン樹脂溶液(以下、ポリウレタン樹脂(1E)という)は、樹脂固形分濃度が30%、酸価又はアミン価が0であった。上記ポリウレタン樹脂溶液(1A)100gにメチルシリケート51を4.11g配合し、メチルエチルケトン/イソプロパノール=1/1(重量比)で希釈して、固形残分12.5%の樹脂組成物をそれぞれ作製した。更に実施例5〜8と同様に硬化物を作製した。 【0061】 【表1】
MS51:メチルシリケート51、MS−56:メチルシリケート56【0062】(外観)実施例5〜10及び比較例1〜5で得られた硬化フィルムの外観を以下の基準で評価した。結果を表2に示す。 〇:フィルムが透明である。×:フィルムが白濁している。各実施例のポリウレタン-シリカハイブリッド体は何れも透明であった。一方、比較例3,4のフィルムは脆く、白濁していた。 【0063】(力学強度、柔軟性)実施例5〜10、比較例1〜5で作成した硬化フィルムをダンベル1号で切り抜き、テンシロン試験機(オリエンテック社製,商品名UCT−500)を用いて、50cm/分の引っ張り速度で、フィルムを引き伸ばし、100%伸長時の応力、破断するまでのフィルム伸びおよび破断時の強度を測定した。25℃で3回、同じ方法で引っ張り試験を行い、その平均値を表2に示す。 【0064】(高温耐久性)実施例5〜10、比較例1〜5で作成した硬化フィルムを150℃で30時間保温した後、25℃に冷却、フィルム強度の項と同様に100%応力および破断強度・破断伸度を測定した。保温前後の100%応力および破断強度・伸度の保持率を表2に示す。 【0065】 【表2】
【0066】実施例5〜10は、比較例1〜4に対して、伸度を保持しながら高い強度を示した。さらに比較例1〜4は150℃保温において溶融状態になり、比較例5は破断強度、伸度の保持率が著しく低下するのに対し、実施例のウレタン/シリカハイブリッド体はすべて150℃においてフィルム状の形態を維持し、また100%応力・破断強度・伸度とも高い保持率を示した。 【0067】(粘弾性評価)実施例5、9、10および比較例1、3で得られた硬化フィルムを6mm×25mmにカットし、粘弾性測定器(レオロジ社製、商品名「DVE−V4」、測定条件振幅1μm、振動数10Hz、スロープ3℃/分)を用いて動的貯蔵弾性率E’を測定して、耐熱性を評価した。測定結果を図1に示す。 【0068】各実施例のポリウレタン-シリカハイブリッド体は150℃以上においても高い弾性率を保持していた。一方、比較例1、3のフィルムは150℃以上において溶融状態となり弾性率が著しく低下した。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000168414 【氏名又は名称】荒川化学工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年1月25日(2001.1.25) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2002−220431(P2002−220431A) |
| 【公開日】 |
平成14年8月9日(2002.8.9) |
| 【出願番号】 |
特願2001−17397(P2001−17397) |
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