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【発明の名称】 硬質ポリウレタンフォーム
【発明者】 【氏名】水田 和彦

【要約】 【課題】ポリオール成分として、フタル酸及び/又はフタル酸誘導体をエステル化反応させて得られるポリエステルポリオールを用いたイソシアヌレート変性硬質ポリウレタンフォームであって、水を併用することによりハイドロフルオロカーボン(HFC)の使用量を低減した硬質ポリウレタンフォームにおいて、ポリエステルポリオールの加水分解を抑制して配合液の貯蔵安定性を高める。

【解決手段】ポリイソシアネート成分、フタル酸及び/又はフタル酸誘導体をエステル化反応させて得られるポリエステルポリオール化合物を含むポリオール成分、発泡剤、触媒、及びその他の助剤を混合、発泡させて得られる硬質ポリウレタンフォーム。発泡剤としてポリイソシアネート成分と水とを反応させて得られる炭酸ガスを用い、触媒としてイミダゾール系化合物を用いる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ポリイソシアネート成分、ポリオール成分、発泡剤、触媒、及びその他の助剤を混合、発泡させて得られる硬質ポリウレタンフォームであって、ポリオール成分として、フタル酸及び/又はフタル酸誘導体をエステル化反応させて得られるポリエステルポリオール化合物を含むポリオール成分を用いた硬質ポリウレタンフォームにおいて、発泡剤として該ポリイソシアネート成分と水とを反応させて得られる炭酸ガスを用い、触媒としてイミダゾール系化合物を含むことを特徴とする硬質ポリウレタンフォーム。
【請求項2】 請求項1において、発泡剤として、イソシアネート成分と水とを反応させて得られる炭酸ガスと、ハイドロフルオロカーボンとを併用したことを特徴とする硬質ポリウレタンフォーム。
【請求項3】 請求項2において、ハイドロフルオロカーボンが、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン及び1,1,1,2−テトラフルオロエタンよりなる群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする硬質ポリウレタンフォーム。
【請求項4】 請求項3において、ハイドロフルオロカーボンが、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンと1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンとを含有することを特徴とする硬質ポリウレタンフォーム。
【請求項5】 請求項4において、ハイドロフルオロカーボンが、5〜95重量%の1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンと95〜5重量%の1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンとを含有することを特徴とする硬質ポリウレタンフォーム。
【請求項6】 請求項5において、ハイドロフルオロカーボンが、20〜80重量%の1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンと80〜20重量%の1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンとを含有することを特徴とする硬質ポリウレタンフォーム。
【請求項7】 請求項3において、ハイドロフルオロカーボンが、1,1,1,2−テトラフルオロエタンと1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンとを含有することを特徴とする硬質ポリウレタンフォーム。
【請求項8】 請求項7において、ハイドロフルオロカーボンが、2〜12重量%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと98〜88重量%の1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンとを含有することを特徴とする硬質ポリウレタンフォーム。
【請求項9】 請求項8において、ハイドロフルオロカーボンが、5〜10重量%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと95〜90重量%の1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンとを含有することを特徴とする硬質ポリウレタンフォーム。
【請求項10】 請求項3において、ハイドロフルオロカーボンが、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパンと1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンとを含有することを特徴とする硬質ポリウレタンフォーム。
【請求項11】 請求項10において、ハイドロフルオロカーボンが、2〜15重量%の1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパンと98〜85重量%の1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンとを含有することを特徴とする硬質ポリウレタンフォーム。
【請求項12】 請求項1ないし11のいずれか1項において、ポリイソシアネート成分、ポリオール成分、発泡剤、触媒及びその他の助剤からなる反応性ポリウレタン原料中のハイドロフルオロカーボンの含有量が1〜20重量%であることを特徴とする硬質ポリウレタンフォーム。
【請求項13】 請求項12において、ポリイソシアネート成分、ポリオール成分、発泡剤、触媒及びその他の助剤からなる反応性ポリウレタン原料中のハイドロフルオロカーボンの含有量が5〜15重量%であることを特徴とする硬質ポリウレタンフォーム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は硬質ポリウレタンフォームに係り、特に、ポリイソシアネート成分と、ポリオール成分、発泡剤、触媒及びその他の助剤を混合した配合液とをミキシングヘッドで混合して発泡させるエアレススプレー発泡に好適な硬質ポリウレタンフォームであって、発泡剤としてのハイドロフルオロカーボン(HFC)の使用量を低減するために水を併用した場合の配合液の劣化を防止し、その貯蔵安定性を高めた硬質ポリウレタンフォームに関する。
【0002】
【従来の技術】硬質ポリウレタンフォームは、断熱性及び自己接着性に優れることから、住宅、冷蔵庫等の断熱材として広く利用されている。
【0003】これらの用途に用いられる硬質ポリウレタンフォームは、一般にポリイソシアネート成分と、ポリオール成分、発泡剤、触媒、整泡剤及びその他の助剤を混合した配合液とをミキシングヘッドで混合して発泡させるエアレススプレー発泡で得られ、この方法であれば、施工対象物に直接吹き付け施工するという簡単な作業で、良好な硬質ポリウレタンフォームの断熱層を形成することができる。
【0004】硬質ポリウレタンフォームにおいては、現在、主たる発泡剤として用いられているジクロロモノフルオロエタン(HCFC−141b)にはオゾン層破壊の問題がある。このため、これに代る次世代の発泡剤として、オゾン層を破壊することのないハイドロフルオロカーボン(HFC)が候補に挙げられている。HFC類にはテトラフルオロエタン(HFC134a)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC245fa)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン(HFC365mfc)、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(HFC227ea)などがあり、これらのなかには、オゾン破壊性がなくHCFC全廃後の発泡剤として有力視される化合物もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、HFCは地球温暖化作用の問題がある上に、高価であることから、環境への配慮及び経済性の観点から、その使用量を少なくすることが望まれる。
【0006】また、HFCはポリオール成分及びポリイソシアネート成分に対して溶解し難いという性質を持つために、単独で使用した場合、配合液の内圧が上昇して容器の破裂や液の沸騰などが起こったり、可燃性をもつものもあり、取り扱い上の安全性が確保できないという欠点がある。特に、フォームの難燃化を図る場合、ポリオール成分としてフタル酸或いはフタル酸誘導体をエステル化反応させて得られるポリエステルポリオール化合物の適用が不可欠となるが、この場合には、とりわけHFCの溶解性が低く、配合液の内圧が上昇し易かった。このため、自ずとHFCの投入量が制限され、この結果、得られるフォームの密度が上昇するなどの問題もある。
【0007】HFCの使用量を低減した上で発泡量を多くし、低密度のフォームを得るために、水を用い、水とポリイソシアネート成分との反応で生成する炭酸ガスを発泡剤としてHFCと共に併用することが考えられるが、この場合には、配合液中のポリエステルポリオールが加水分解を起こして正常な発泡ができなくなるという問題がある。
【0008】一般に、エアレススプレー発泡用の配合液は、配合されてから実際に使用されるまで通常1〜2ヶ月の期間貯蔵されることが多いので、耐加水分解性を保持していることが極めて重要である。
【0009】しかし、ポリエステルポリオールを用いて難燃性の高いフォームを得ようとすると、ポリエステルポリオールの加水分解で当初の反応性が短期間のうちに失われ、フォーム製造が困難になる。
【0010】本発明は上記従来の問題点を解決し、ポリオール成分としてフタル酸及び/又はフタル酸誘導体をエステル化反応させて得られるポリエステルポリオールを用いた硬質ポリウレタンフォームであって、水を併用することによりHFCの使用量を低減した硬質ポリウレタンフォームにおいて、ポリエステルポリオールの加水分解を抑制して配合液の貯蔵安定性を高めた硬質ポリウレタンフォームを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の硬質ポリウレタンフォームは、ポリイソシアネート成分、ポリオール成分、発泡剤、触媒、及びその他の助剤を混合、発泡させて得られる硬質ポリウレタンフォームであって、ポリオール成分として、フタル酸及び/又はフタル酸誘導体をエステル化反応させて得られるポリエステルポリオール化合物を含むポリオール成分を用いた硬質ポリウレタンフォームにおいて、発泡剤として該ポリイソシアネート成分と水とを反応させて得られる炭酸ガスを用い、触媒としてイミダゾール系化合物を含むことを特徴とする。
【0012】本発明に従って、触媒としてイミダゾール系化合物を用いることにより、水を併用した場合のポリエステルポリオールの加水分解を抑制し、配合液の貯蔵安定性を高めることができる。
【0013】なお、本発明の硬質ポリウレタンフォームは、ポリオール成分としてフタル酸或いはフタル酸誘導体をエステル化反応させて得られるポリエステルポリオール化合物を用いた硬質ポリウレタンフォームであるため、難燃性に優れる。また、発泡剤として水を併用することでHFCの使用量を低減して、環境安全性、経済性を高めた上で低密度の硬質ポリウレタンフォームとすることができる。
【0014】本発明において、発泡剤は、ポリイソシアネート成分と水とを反応させて得られる炭酸ガスのみでも良いが、好ましくは、この炭酸ガスとHFCとを併用する。
【0015】この場合、HFCとしては、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン及び1,1,1,2−テトラフルオロエタンよりなる群から選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。
【0016】このうち、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンを用いることにより、気泡の細かい断熱性能に優れたフォームが得られる。
【0017】しかしながら、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンを単独で用いた場合、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンは可燃性であるため得られるフォームの難燃性を低下させる恐れがある上に、分子量が大きいために所定のフォーム密度を得るための必要重量が多い。このため、発泡剤として1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンを単独で用いることは安全面及び経済面から好ましくない。
【0018】従って、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンを用いる場合には、発泡剤を混合した配合液の内圧の上昇を抑え、高難燃性で低密度の硬質ポリウレタンフォームを安価に得るために、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン以外のHFCを併用することが好ましい。
【0019】1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンと併用するHFCとしては、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン又は1,1,1,2−テトラフルオロエタンが挙げられ、このうち、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを用いる場合には、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを5〜95重量%、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンを95〜5重量%、特に1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを20〜80重量%、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンを80〜20重量%とすることが好ましく、1,1,1,2−テトラフルオロエタンを用いる場合には、1,1,1,2−テトラフルオロエタンを2〜12重量%、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンを98〜88重量%、特に1,1,1,2−テトラフルオロエタンを5〜10重量%、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンを95〜90重量%とするのが好ましい。また、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパンを用いる場合には、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパンを2〜15重量%、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンを98〜85重量%とするのが好ましい。
【0020】また、HFCは、ポリイソシアネート成分、ポリオール成分、発泡剤、触媒及びその他の助剤からなる反応性ポリウレタン原料に対して1〜20重量%、特に、5〜15重量%含有されていることが好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0022】まず、本発明で用いる原料成分について説明する。
【0023】■ ポリイソシアネート成分ポリイソシアネート成分としては、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等の芳香族系ポリイソシアネート化合物、イソホロンジイソシアネート等の脂環族系ポリイソシアネート類、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族系ポリイソシアネート類等の1種又は2種以上を使用することができる。なお、ポリイソシアネート成分のイソシアネート指数は100以上、特に100〜200であることが好ましい。即ち、三量化触媒の存在の下、イソシアヌレート発泡体を得ることが好ましい。
【0024】■ ポリオール成分ポリオール成分としては、o−フタル酸、m−フタル酸、p−フタル酸及びこれらの誘導体よりなる群から選ばれる1種又は2種以上のフタル酸又はその誘導体をエステル化反応させて得られるフタル酸系ポリエステルポリオールを用いる。ポリオール成分として、このように芳香環を含むフタル酸系ポリエステルポリオール化合物を用いることにより、安定な難燃性を得ることができる。
【0025】このフタル酸系ポリエステルポリオールを形成するヒドロキシ化合物としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、フェノール及びその誘導体等が挙げられ、フタル酸誘導体としてはフタル酸ジエチル、フタル酸ジメチル等が挙げられ、フタル酸系ポリエステルポリオールの好ましい水酸基価は150〜450である。
【0026】ポリオール成分中のこのようなフタル酸系ポリエステルポリオールの割合は、過度に少ないと十分な難燃性が得られず、過度に多いとフォーム程度が低下するので、ポリオール成分中に5〜80重量%含有されていることが好ましい。
【0027】ポリオール成分として、上記フタル酸系ポリエステルポリオールの他、フェノール及び/又はその誘導体をマンニッヒ変性して得られたポリエーテルポリオール(以下「マンニッヒ変性ポリオール」と称す。)、即ち、フェノール、或いはノニルフェノール、アルキルフェノール等のフェノール誘導体をホルムアルデヒドとジエタノールアミン等の2級アミンやアンモニア、1級アミン等を用いてマンニッヒ変性し、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを開環付加重合して得られるポリエーテルポリオールを用いても良い。このようなマンニッヒ変性ポリオールは、自己反応活性が高く、かつ難燃性も比較的高いため、マンニッヒ変性ポリオールを用いることにより、例えば、エアレススプレー発泡型硬質ポリウレタンフォームにおいて、吹き付け発泡時に難燃性能を著しく損なうことなく、速やかに反応を進めることができる。ただし、ポリオール成分中のマンニッヒ変性ポリオールが80重量%を超えると難燃性能が悪化してくるため、マンニッヒ変性ポリオールを使用する場合、そのポリオール成分中の割合は70重量%以下、特に20〜50重量%とするのが好ましい。
【0028】更に、フタル酸系ポリエステルポリオール及びマンニッヒ変性ポリオールの他、本発明の目的を損なわない範囲でエチレンジアミン、トリレンジアミン、シュークロース、アミノアルコール、ジエチレングリコール等のマンニッヒ変性ポリオールとは異なる開始剤のポリオール化合物をポリオール成分中30重量%以下の範囲で併用しても良い。
【0029】■ 触媒本発明においては、触媒としてイミダゾール系化合物を用いることを特徴とする。
【0030】イミダゾール系化合物としては具体的には1−イソブチル−2−メチルイミダゾール、1−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール等の1種又は2種以上を用いることができる。なお、触媒としては、イミダゾール系化合物以外の通常硬質ポリウレタンフォームの製造に使用される触媒を併用することができ、イミダゾール系化合物と併用する触媒としては、トリエチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルヘキサメチレンジアミン等のアミン触媒や、ジブチル錫ジラウレート、オクチル酸鉛、スタナスオクトエート、オクチル酸カリウム(2−エチルヘキシル酸カリウム)、酢酸カリウムなどの有機金属系触媒の1種又は2種以上が挙げられる。
【0031】■ 発泡剤本発明では、配合液に水を添加し、水とポリイソシアネート化合物との反応で生成する炭酸ガスを発泡剤とする。発泡剤としては、この水添加による炭酸ガスのみでも良く、これにHFCを併用しても良い。この場合HFCとしては、前述の理由から、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンを含む2種以上のHFCを用いても良い。1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン以外のHFCとしては、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン、1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロブタン等が挙げられ、このうち、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン、1,1,1,2−テトラフルオロエタンが好適に用いられる。
【0032】1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを用いる場合には、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを5〜95重量%、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンを95〜5重量%、特に1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを20〜80重量%、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンを80〜20重量%とすることが好ましく、1,1,1,2−テトラフルオロエタンを用いる場合には、1,1,1,2−テトラフルオロエタンを2〜12重量%、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンを98〜88重量%、特に1,1,1,2−テトラフルオロエタンを5〜10重量%、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンを95〜90重量%とするのが好ましい。また、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパンを用いる場合には、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパンを2〜15重量%、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンを98〜85重量%とするのが好ましい。上記範囲を超えて1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンが多いと難燃性の低下、価格の高騰の問題があり、逆に1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンが少ないと、低沸点発泡剤の濃度増大による配合液の内圧の上昇、配合液粘度の上昇がみられる。また、1,1,1,2‐テトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパンは、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンと混合して配合液中に投入しても良いし、第3成分として直接ミキシングヘッドなどに混合しても良い。
【0033】1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンを含むHFCの使用量は、ポリイソシアネート成分、ポリオール成分、発泡剤、触媒及びその他の助剤からなる反応性ポリウレタン原料に対して1〜20重量%、特に5〜15重量%とすることが好ましい。このHFCの使用量が上記範囲よりも少ないと発泡が不十分でフォームの低密度化を十分に図ることができず、上記範囲よりも多いと液の突沸や著しい泡立ちが起きて取り扱い上の問題が起きる。
【0034】■ 整泡剤整泡剤としては、硬質ポリウレタンフォーム製造用として効果のあるものは全て使用できる。例えばポリオキシアルキレンアルキルエーテル等のシリコーン系のもの等を用いることができる。
【0035】また、本発明においては、上記以外の任意の成分、例えば難燃剤、充填剤等も本発明の目的を妨げない範囲で使用することができる。
【0036】なお、本発明の硬質ポリウレタンフォームの製造に当たり、発泡剤としての水の使用量はポリオール成分100重量部に対して1〜20重量部とするのが好ましい。水の使用量がこの範囲よりも少ないと、発泡が不十分でフォームの低密度化を十分に図ることができず、また、HFCを併用する場合において、HFCの使用量の低減効果を得ることが難しい。水の使用量が上記範囲を超えると著しい発泡が起きて取り扱い性が困難となる上に、ポリエステルポリオールの加水分解の問題が生じ好ましくない。水の使用量はHFCを併用しない場合には、特にポリオール成分100重量部に対して4〜20重量部とするのが好ましい。また、HFCを併用する場合には、そのHFC使用量にもよるが、ポリオール成分100重量部に対して0.5〜10重量部とするのが好ましい。
【0037】特に、水とHFCとを併用する場合、ポリオール成分100重量部に対して水を0.5〜10重量部、HFCを2〜40重量部とするのが好ましい。
【0038】また、触媒としてのイミダゾール系化合物の使用量は、多過ぎても少な過ぎてもポリエステルポリオールの加水分解抑制効果が得られず、特に、イミダゾール系化合物の過剰配合は、材料コストが高くつく上に臭気の問題が生じ好ましくない。従って、イミダゾール系化合物使用量は、ポリオール成分100重量部に対して0.5〜5重量部とするのが好ましい。なお、イミダゾール系化合物以外の前述の他の触媒を併用する場合、他の触媒の使用量はポリオール成分100重量部に対して0.5〜5重量部、イミダゾール系化合物との合計で1〜10重量部とするのが好ましい。
【0039】本発明の硬質ポリウレタンフォームを、ミキシングヘッドを用いたエアレススプレー発泡で製造する場合、上記ポリイソシアネート成分と、ポリオール成分、発泡剤、触媒及びその他の助剤を混合した配合液とを30〜50℃でミキシングヘッドを用いて混合し、施工対象面に吐出圧力3.9〜7.8×10Paで吹き付け、所定の厚さとなるまで吹き付けを繰り返して発泡させることにより製造することができる。
【0040】このようにして得られる本発明の硬質ポリウレタンフォームは、コア密度20〜45kg/mであることが好ましい。コア密度が45kg/mを超えると燃焼成分が増加して、難燃性が低下する上に、コスト高となる。コア密度が20kg/m以下では、強度特性等が劣るものとなり、好ましくない。
【0041】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
【0042】実施例1〜3、比較例1〜3表1に示した配合処方に従って、配合液Aを調製すると共に、ポリイソシアネートを用意した。ポリイソシアネート及び配合液Aに用いた原料は次の通りである。
【0043】ポリイソシアネート: 住友バイエルウレタン工業(株)製粗製ジフェニルメタンジイソシアネート(NCO%:30.5)
ポリオールA: 第一工業製薬(株)製 マンニッヒ変性ポリオール水酸基価: 700mg−KOH/gポリオールB: 武田薬品工業(株)製 エチレンジアミンベースポリエーテルポリオール水酸基価: 685mg−KOH/gポリオールC: 東邦理化(株)製 フタル酸ベースポリエステルポリオール水酸基価: 240mg−KOH/g難燃剤: 大八化学(株)製「TCPP(トリスモノクロロプロピルフォスフェート)」
整泡剤: 日本ユニカー(株)製「L5420」(ジメチルシロキサンとポリエーテルのブロックコポリマー)
触媒A: 花王(株)製 テトラメチルヘキサメチレンジアミン触媒B: 花王(株)製 ペンタメチルジエチレントリアミン触媒C: 日本化学産業(株)製 オクチル酸カリウム溶液触媒D: 日本乳化剤(株)製 1−イソブチル−2−メチルイミダゾール触媒E: 日本化学産業(株)製 オクチル酸鉛のDOP溶液(鉛濃度17%)
発泡剤A: セントラル硝子(株)製 1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC245fa)
発泡剤B: ソルベイ(株)製 1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン(HFC365mfc)
発泡剤C: 水【0044】配合液Aとポリイソシアネートは所定のイソシアネート指数となるように重量比を決め、液温10℃にてラボミキサーを使用して6000〜9000rpmで3秒間攪拌して発泡させて、硬質ポリウレタンフォームを製造した。
【0045】このときのCT(クリームタイム)及びRT(ライズタイム)を目視で測定し、初期の反応性とした。また、得られた硬質ポリウレタンフォームについて、コア密度(初期コア密度)を、寸法30mm×50mm×50mmで裁断したものについて測定した。
【0046】これらの結果を表1に示す。
【0047】次に、上記配合液Aを密閉容器に入れて60℃で3日間放置した後、同様に液温10℃にてイソシアネートと混合して発泡させたときのCT及びRTを測定して貯蔵後反応性とし、また、得られた硬質ポリウレタンフォームについて、同様にコア密度(貯蔵後コア密度)を測定した。
【0048】なお、現場施工の場合、反応性としてのCTは10秒以内、特に7秒以内、RTは40秒以内、特に30秒以内であることが好ましく、前述の如く、硬質ポリウレタンフォームのコア密度は20〜45kg/mの範囲であることが好ましい。
【0049】
【表1】

【0050】表1より明らかなように、触媒としてイミダゾール系化合物を使用していない比較例1〜3では、貯蔵後のCT,RTが共に遅く、現場施工には不適当であり、また、コア密度も大きく実用性に欠ける。特に、比較例2では、貯蔵後のフォームは硬化せず、実用途に耐えないものであった。
【0051】これに対して、イミダゾール系化合物を用いた実施例1〜3では、貯蔵後にCT,RTが若干遅くなるが、実用可能なレベルであり、コア密度も十分に好適範囲である。
【0052】
【発明の効果】以上詳述したとおり、本発明によれば、ポリオール成分として、フタル酸及び/又はフタル酸誘導体をエステル化反応させて得られるポリエステルポリオールを用いたイソシアヌレート変性硬質ポリウレタンフォームであって、水を併用することによりHFCの使用量を低減した硬質ポリウレタンフォームにおいて、ポリエステルポリオールの加水分解を抑制して配合液の貯蔵安定性を高めることができる。
【0053】このため、本発明によれば、HFCの使用量を低減して環境安全性、経済性を高めた上で、難燃性、安定性、実用性に優れた低密度硬質ポリウレタンフォームを提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000005278
【氏名又は名称】株式会社ブリヂストン
【出願日】 平成13年11月20日(2001.11.20)
【代理人】 【識別番号】100086911
【弁理士】
【氏名又は名称】重野 剛
【公開番号】 特開2002−220429(P2002−220429A)
【公開日】 平成14年8月9日(2002.8.9)
【出願番号】 特願2001−354898(P2001−354898)