| 【発明の名称】 |
シリレン基を有するポリカルボシラン及びその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】山下 浩
【氏名】内丸 祐子
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| 【要約】 |
【課題】シリレン基(−SiH2−)を主鎖に有する新規なポリカルボシラン、その効率的な製造方法、及びそれを用いて得られる有機耐熱性材料を提供する。
【解決手段】下記式(I) |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 下記一般式(I) (−SiH2−R1−SiH2−R3−R2−R4−)n (I) (式中、R1及びR2は、それぞれ置換されていてもよいアルキレン基、アリーレン基及び2価の複素環基の中から選ばれる2価の基を示す。R3及びR4は、それぞれエチレン性二重結合を有する基であって、互いに同一又は相異なる2価の基である。nは2〜50000の整数である。また、式中の−SiH2−の一部は、−SiHR5−(ただし、R5は、−CH=CH−R2−又は−C(=CH2)−R2−の骨格を有する有機基である。)で示される基に置き換えられていてもよい。また、末端の基については、R1に結合しているのは−SiH3であり、R2に結合しているのは−C≡CHである。)で表されるポリカルボシラン。 【請求項2】 R3及びR4のエチレン性二重結合を有する基が、−CH=CH−又は>C=CH2である請求項1に記載のポリカルボシラン。 【請求項3】 パラジウム系触媒の存在下、下記一般式(II) H3Si−R1−SiH3 (II) (式中、R1は、置換されていてもよいアルキレン基、アリーレン基及び2価の複素環基の中から選ばれる2価の基を示す。)で表されるビス(トリヒドロシラン)に、下記一般式(III) HC≡C−R2−C≡CH (III) (式中、R2は、置換されていてもよいアルキレン基、アリーレン基及び2価の複素環基の中から選ばれる2価の基を示す。)で表されるジインを反応させることを特徴とする一般式(I) (−SiH2−R1−SiH2−R3−R2−R4−)n (I) (式中、R1及びR2は、それぞれ前記したと同意義を有する。R3及びR4は、それぞれ−CH=CH−又は>C=CH2であって、互いに同一又は相異なる2価の基である。nは2〜50000の整数である。また、式中の−SiH2−の一部は、−SiHR5−(R5は、−CH=CH−R2−又は−C(=CH2)−R2−の骨格を有する有機基)で示される基に置き換えられていてもよい。また、末端の基については、R1に結合しているのは−SiH3であり、R2に結合しているのは−C≡CHである。)で表されるポリカルボシランの製造方法。 【請求項4】 請求項1に記載の一般式(I)で表されるポリカルボシランを含有することを特徴とする耐熱性材料。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、優れた耐熱性を有する新規なポリカルボシラン、その製造方法及び用途に関するものである。 【0002】 【従来の技術】現在、有機ケイ素ポリマー類は、耐熱性等に良好な特性を有することから、耐熱構造材料や電子材料への応用が期待されている。なかでも、それらのポリマー分子内にSi−H結合及びC=C結合を持つポリカルボシラン類は、架橋反応や多様な化学修飾を容易に行うことができることから、耐熱性材料やシリコンカーバイド製造用のプレセラミックス等として利用できるものである。ところが、比較的入手の容易なトリヒドロシランやジヒドロシランを原料として、これらのヒドロシリル化反応によって新たなポリカルボシラン類を合成する方法は、未だ殆ど知られていない。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術における上記した実状に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の目的は、耐熱性に優れたシリレン基(−SiH2−)を主鎖に有する新規なポリカルボシランを提供することにある。また、本発明の他の目的は、ケイ素化合物として比較的入手し易い原料を用いてポリカルボシランを安全にかつ効率的に製造する方法を提供することにある。さらに、本発明の他の目的は、上記のポリカルボシランの特性を用いた耐熱性材料を提供することにある。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ビス(トリヒドロシラン)類が、パラジウム系触媒の存在下において、ジイン化合物と容易に反応して、シリレン基を有するポリカルボシランが高収率で得られるという新たな事実を見出し、それに基づいて本発明を完成させるに至った。 【0005】すなわち、本発明は、下記一般式(I) (−SiH2−R1−SiH2−R3−R2−R4−)n (I) (式中、R1及びR2は、それぞれ置換されていてもよいアルキレン基、アリーレン基及び2価の複素環基の中から選ばれる2価の基を示す。R3及びR4は、それぞれエチレン性二重結合を有する基であって、互いに同一又は相異なる2価の基である。nは2〜50000の整数である。また、式中の−SiH2−の一部は、−SiHR5−(ただし、R5は、−CH=CH−R2−又は−C(=CH2)−R2−の骨格を有する有機基である。)で示される基に置き換えられていてもよい。また、末端の基については、R1に結合しているのは−SiH3であり、R2に結合しているのは−C≡CHである。)で表されるポリカルボシランである。上記一般式(I)で表されるポリカルボシラン中のR3及びR4の定義において、エチレン性二重結合を有する基としては、−CH=CH−又は>C=CH2であることが好ましい。また、一般式(I)中の−SiH2−が置き換えられている一部としては、0〜40%の範囲であることが好ましい。 【0006】また、本発明は、パラジウム系触媒の存在下、下記一般式(II) H3Si−R1−SiH3 (II) (式中、R1は、置換されていてもよいアルキレン基、アリーレン基及び2価の複素環基の中から選ばれる2価の基を示す。)で表されるビス(トリヒドロシラン)に、下記一般式(III) HC≡C−R2−C≡CH (III) (式中、R2は、置換されていてもよいアルキレン基、アリーレン基及び2価の複素環基の中から選ばれる2価の基を示す。)で表されるジインを反応させることを特徴とする一般式(I) (−SiH2−R1−SiH2−R3−R2−R4−)n (I) (式中、R1及びR2は、それぞれ前記したと同意義を有する。R3及びR4は、それぞれ−CH=CH−又は>C=CH2であって、互いに同一又は相異なる2価の基である。nは2〜50000の整数である。また、式中の−SiH2−の一部は、−SiHR5−(R5は、−CH=CH−R2−又は−C(=CH2)−R2−の骨格を有する有機基)で示される基に置き換えられていてもよい。また、末端の基については、R1に結合しているのは−SiH3であり、R2に結合しているのは−C≡CHである。)で表されるポリカルボシランの製造方法である。さらに、本発明は、上記一般式(I)で表されるポリカルボシランを含有することを特徴とする耐熱性材料である。 【0007】 【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明する。本発明の一般式(I)で表される新規なポリカルボシランは、主鎖にシリレン基(−SiH2−)及びエチレン性二重結合を有しているため、分子内や分子間の架橋反応及び多様な化学修飾を容易に行うことができるものであり、耐熱性材料やシリコンカーバイド製造用のプレセラミックス等として有用である。たとえば、本発明のポリカルボシランを用いれば、その溶液を基板等に塗布した後、加熱することにより、Si−H結合とC=C結合間の架橋反応により生成する耐熱性膜材料を容易に製造することができる。 【0008】本発明によれば、前記一般式(II)で表されるビス(トリヒドロシラン)と前記一般式(III)で表されるジイン化合物とを、パラジウム系触媒の存在下に反応させることにより、前記一般式(I)で表されるポリカルボシランを容易に製造することができる。 【0009】本発明において、ビス(トリヒドロシラン)として1,3−ビス(トリヒドロシリル)ベンゼンを用いるヒドロシリル化反応によってポリカルボシランを製造する反応式の1例を以下に示す。 【化1】
【0010】前記一般式(I)及び一般式(II)中のR1は、置換されていてもよいアルキレン基、アリーレン基及び2価の複素環基の中から選ばれる2価の基である。それらの二価の基としては、炭素数が1〜20、より好ましくは1〜8のアルキレン基、炭素数が好ましくは6〜20、より好ましくは6〜12のアリーレン基、炭素数が好ましくは1〜20、より好ましくは1〜8のアルキレン基、又は、ヘテロ原子として、窒素、酸素、硫黄、セレン、ケイ素、ホウ素等から選ばれる少なくとも1個を有する、好ましくは3〜10員環、より好ましくは5〜8員環の2価の複素環である。それらの具体例としては、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基、アントリレン基、メチレン基、エチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基、ドデカメチレン基、エイコサメチレン基、ピリジレン基、フリレン基、チエニレン基等が挙げられ、それら基の水素原子の一部が、反応に関与しない,アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子等の基で置換されていても差し支えない。 【0011】そこで、それらの置換基を有する一般式(II)で表わされるビス(トリヒドロシラン)としては、例えば、p−及びm−ビス(シリル)ベンゼン、1,4−、1,5−、1,8−及び2,6−ビス(シリル)ナフタレン、4,4’−ビス(シリル)ビフェニル、9,10−ビス(シリル)アントラセン、1,2−ビス(シリル)エタン、1,4−ビス(シリル)ブタン、1,6−ビス(シリル)ヘキサン、1,8−ビス(シリル)オクタン、2,6−ビス(シリル)ピリジン、2,5−ビス(シリル)フラン、2,5−ビス(シリル)チオフェン等を挙げることができる。 【0012】一方、前記一般式(I)及び一般式(III)中のR2は、置換されていてもよいアリーレン基、アルキレン基及び2価の複素環基の中から選ばれる2価の基であり、炭素数が好ましくは6〜20、より好ましくは6〜12のアリーレン基、炭素数が好ましくは1〜20、より好ましくは1〜8のアルキレン基、又は、ヘテロ原子として、窒素、酸素、硫黄、セレン、ケイ素、ホウ素等から選ばれる少なくとも1個を有する、好ましくは3〜10員環、より好ましくは5〜8員環の2価の複素環である。それらの具体例としては、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基、アントリレン基、メチレン基、エチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基、ドデカメチレン基、エイコサメチレン基、ピリジレン基、フリレン基、チエニレン基等が挙げられ、それら基の水素原子の一部が、反応に関与しないアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子等の基で置換されていても差し支えない。 【0013】そこで、それらの置換基等を有する一般式(III)で表されるジイン化合物としては、例えば、p−及びm−ジエチニルベンゼン、1,4−、1,5−、1,8−及び2,6−ジエチニルナフタレン、4,4’−ジエチニルビフェニル、9,10−ジエチニルアントラセン、1,4−ペンタジイン、1,5−ヘキサジン、1,7−オクタジイン、1,8−ノナジイン、1,9−デカジイン、1,11−ドデカジイン、1,13−テトラデカジイン、2,6−ジエチニルピリジン、2,5−ジエチニルフラン、2,5−ジエチニルチオフェン等を挙げることができる。 【0014】反応に供されるジイン化合物のビス(トリヒドロシラン)類に対するモル比は、任意に選ぶことができるが、ポリカルボシランの収率を考慮すれば0.2〜5程度が望ましく、通常0.3〜3である。 【0015】本発明に用いられるパラジウム系触媒としては、その金属錯体、金属塩、金属や担持金属、また、それらに配位子を添加した系等の従来公知のものを含む各種のものが挙げられる。それらの具体例を示すと、ジクロロビス(トリフェニルホスフィンパラジウム)、ジクロロビス(メチルジフェニルホスフィン)パラジウム、ジヨードビス(ジエチルフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム、ジヨードビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリブチルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリ−i−ブチルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリ−t−ブチルホスフィン)パラジウム、ジブロモビス(トリプロピルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリ−i−プロピルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリエチルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリメチルホスフィン)パラジウム、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム、テトラキス(トリエチルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスファイト)パラジウム、ジクロロビス(トリエチルホスファイト)パラジウム、ビス(t−ブチルイソシアニド)パラジウム、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム、ジブロモビス(ベンゾニトリル)パラジウム、ジクロロビス(アセトニトリル)パラジウム、ジ−μ−クロロビス(π−アリル)二パラジウム、ジクロロビス(ピリジン)パラジウム、酢酸パラジウム、塩化パラジウム、ヨウ化パラジウム、活性炭担持パラジウム等が挙げられる。これらの中で好ましいものとしては、リン配位子を含む系であり、より好ましくはホスフィン配位子を含む系であり、特に好ましくはトリアルキルホスフィンを含む系である。また、それらの系に必要に応じて添加する配位子を例示すれば、トリフェニルホスフィン、t−ブチルジフェニルホスフィン、ジシクロヘキシルフェニルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ−i−ブチルホスフィン、トリ−t−ブチルホスフィン、トリプロピルホスフィン、トリ−i−プロピルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリメチルホスフィン、トリフェニルホスファイト、トリブチルホスファイト、トリメチルホスファイト、t−ブチルイソシアニド、シクロヘキシルイソシアニド等が挙げられる。これらの触媒系は、2種以上を組み合わせて用いることもできる。 【0016】これらのパラジウム系触媒の原料トリヒドロシラン又はジインに対するモル比は、適宜任意に選ぶことができるが、通常0.000001〜0.5の範囲である。 【0017】本発明のヒドロシリル化反応は、−100℃以上、好ましくは−50〜250℃、より好ましくは−20〜150℃の反応温度で行われる。また、本発明の方法は、溶媒の有無にかかわらず実施できるが、溶媒を用いる場合には、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素溶媒やテトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒の他、原料のビス(トリヒドロシラン)類及びジイン化合物と反応しない各種の有機溶媒が使用可能である。 【0018】この反応は通常ほぼ定量的に進行するため、反応生成混合物から目的とするポリカルボシランを分離精製するには、特別の精製操作を必要とするものではないが、精製を行う場合には、クロマトグラフィーまたは再沈殿等の有機化学的に通常用いられる手段により、容易に達せられる。 【0019】本発明の上記方法によって、前記一般式(I)で表されるポリカルボシランが提供される。一般式(I)において、その中の−SiH2−の一部(0〜40%)は、−SiHR5−(R5は、−CH=CH−R2−又は−C(=CH2)−R2−の骨格を有する有機基)で示される基に置き換えられていてもよい。また、末端の基については、R1に結合しているのは−SiH3であり、R2に結合しているのは−C≡CHである。また、その繰り返し単位であるnは、2以上の整数であるが、好ましくは2〜50000、より好ましくは3〜20000の整数である。 【0020】本発明により提供されるポリカルボシラン(I)は、Si−H結合及びC=C結合を有しているため、加熱するか又は架橋反応触媒の添加等の操作により、それらの結合間の架橋反応が容易に進行し、熱的に安定な耐熱性材料を得ることができる。この耐熱性材料の形状としては、膜状、塊状、糸状等の各種のものが可能である。たとえば、本発明のポリカルボシランを溶解し得る有機溶剤に溶解させた溶液を、基板上にキャスト法、ディッピング法、バーコーティング法、スプレーコーティング法、又はスピンコート法等の方法で塗布した後、加熱することにより、容易に耐熱性膜材料を得ることができる。その加熱の際の温度は、所望の架橋反応速度に合わせて任意に設定できるが、通常40〜300℃であり、好ましくは50〜250℃である。また、プラスチック、ガラス、金属等の他の材料と複合化させた耐熱性材料の製造も可能である。 【0021】 【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。 実施例1m−ビス(シリル)ベンゼン0.2mmol、m−ジエチニルベンゼン0.2mmol及びベンゼン0.15mlの溶液に、窒素下、パラジウム−トリシクロヘキシルホスフィン触媒のベンゼン溶液(トリス(ジベンジリデンアセトン)ニパラジウムとトリシクロヘキシルホスフィン(4当量)の混合物のベンゼン溶液、0.02M Pd)0.01ml(0.0002mmol Pd)を添加し、よく混合した後、室温で2.5時間放置した。ゲル状反応液のNMR測定から、ポリカルボシラン(Ia)、(−SiH2−m−C6H4−SiH2−R3−m−C6H4−R4−)n(式中、R3及びR4は、−CH=CH−(ビニレン基)及び>C=CH2(ビニリデン基)の中から選ばれる2価の基で、ビニレン基とビニリデン基の存在比は80:20であった。また、−SiH2−の一部(17%)が、−SiHR5−(R5は、−CH=CH−m−C6H4−又は−C(=CH2)−m−C6H4−の骨格を有する有機基)に置換されていた。−SiH2−:−SiHR6−:−SiH3(末端基)(モル比は、67:14:19である。)が、ほぼ定量的に生成したことがわかった。トルエン可溶部分の(Ia)の分子量(ゲル浸透クロマトグラフィーで測定)は、重量平均分子量=7,800及び数平均分子量=2,000(ポリスチレン基準)であった。反応液を減圧下に濃縮することにより、(Ia)を98%の収率で得た。 【0022】得られた(Ia)のスペクトルデータ等は、下記のとおりである。 1H−NMR(C6D6)δ 4.12−4.37(br m、SiH3)、4.73−5.13(br m、SiH2)、5.20−5.50(br m、SiH)、5.65−6.10(br m、Si−C=CH2)、6.20−6.50(br m、Si−CH=)、6.5−8.4(br m、ベンゼン環プロトン及びSi−CH=CH) 29Si−NMR(C6D6)δ −59.4(SiH3)、−36.0及び−33.0(SiH2)、−23.0及び−20.8(SiH) 【0023】実施例2m−ビス(シリル)ベンゼン0.2mmol、p−ジエチニルベンゼン0.2mmol及びベンゼン0.15mlの溶液に、窒素下、パラジウム−トリシクロヘキシルホスフィン触媒のベンゼン溶液(トリス(ジベンジリデンアセトン)ニパラジウムとトリシクロヘキシルホスフィン(4当量)の混合物のベンゼン溶液、0.02M Pd)0.005ml(0.0001mmol Pd)を添加し、よく混合した後、40℃で1時間放置した。ゲル状反応液のNMR測定から、ポリカルボシラン(Ib)、(−SiH2−m−C6H4−SiH2−R3−p−C6H4−R4−)n(式中、R3及びR4は、−CH=CH−(ビニレン基)及び>C=CH2(ビニリデン基)の中から選ばれる2価の基であり、ビニレン基とビニリデン基の存在比は81:19であった。また、−SiH2−の一部(19%)が、−SiHR5−(R5は、−CH=CH−p−C6H4−又は−C(=CH2)−p−C6H4−の骨格を有する有機基)に置換されていた。−SiH2−:−SiHR6−:−SiH3(末端基)(モル比は、63:15:22である。)が、ほぼ定量的に生成したことがわかった。トルエン可溶部分の(Ib)の分子量(ゲル浸透クロマトグラフィーで測定)は、重量平均分子量=5,100及び数平均分子量=1,800(ポリスチレン基準)であった。反応液を減圧下に濃縮することにより、(Ib)を97%の収率で得た。 【0024】得られた(Ib)のスペクトルデータ等は、下記のとおりである。 1H−NMR(C6D6)δ 4.03−4.38(br m、SiH3)、4.67−5.17(br m、SiH2)、5.23−5.60(br m、SiH)、5.67−6.15(br m、Si−C=CH2)、6.15−6.50(br m、Si−CH=)、6.5−8.4(br m、ベンゼン環プロトンおよびSi−CH=CH) 29Si−NMR(C6D6)δ −59.4(SiH3)、−36.0及び−33.2(SiH2)、−23.1及び−21.0(SiH) 【0025】実施例3m−ビス(シリル)ベンゼン0.2mmol、1,8−ノナジイン0.2mmol及びベンゼン0.15mlの溶液に、窒素下、パラジウム−トリシクロヘキシルホスフィン触媒のベンゼン溶液(トリス(ジベンジリデンアセトン)ニパラジウムとトリシクロヘキシルホスフィン(4当量)の混合物のベンゼン溶液、0.02M Pd)0.005ml(0.0001mmol Pd)を添加し、よく混合した後、60℃で2時間放置した。反応液(一部ゲル状)のNMR測定から、ポリカルボシラン(Ic)、(−SiH2−m−C6H4−SiH2−R3−(CH2)5−R4−)n(式中、R3及びR4は、−CH=CH−(ビニレン基)及び>C=CH2(ビニリデン基)の中から選ばれる2価の基で、ビニレン基とビニリデン基の存在比は91:9であった。また、−SiH2−の一部(10%)が、−SiHR5−(R5は、−CH=CH−(CH2)5−又は−C(=CH2)−(CH2)5−の骨格を有する有機基)に置換されていた。−SiH2−:−SiHR6−:−SiH3(末端基)(モル比は、9:82:9である。)が、ほぼ定量的に生成したことがわかった。トルエン可溶部分の(Ic)の分子量(ゲル浸透クロマトグラフィーで測定)は、重量平均分子量=29,000及び数平均分子量=3,200(ポリスチレン基準)であった。反応液を減圧下に濃縮することにより、(Ic)を99%の収率で得た。 【0026】得られた(Ic)のスペクトルデータ等は、下記のとおりである。 1H−NMR(C6D6)δ 1.0−1.5(br m、=C−C−(CH2)3)、1.9−2.4(br m、=C−CH2)、4.15−4.33(SiH3)、4.68−4.95(SiH2)、5.03−5.19(SiH)、5.53−5.98(br m、Si−CH=及びSi−C=CH2)、6.10−6.45(br m、Si−CH=CH)、7.0−8.2(br m、ベンゼン環プロトン) 29Si−NMR(C6D6)δ −59.5(SiH3)、−39.0、−37.5および−33.5(SiH2)、−25.7(SiH) 【0027】実施例4m−ビス(シリル)ベンゼン0.3mmol、m−ジエチニルベンゼン0.3mmol及びベンゼン0.30mlの溶液に、窒素下、パラジウム−トリシクロヘキシルホスフィン触媒のベンゼン溶液(トリス(ジベンジリデンアセトン)ニパラジウムとトリシクロヘキシルホスフィン(4当量)の混合物のベンゼン溶液、0.02M Pd)0.0075ml(0.00015mmol Pd)を添加し、よく混合した後、室温で2時間放置した。反応液(一部ゲル状)のNMR測定から、ポリカルボシラン(Ia)、(−SiH2−m−C6H4−SiH2−R3−m−C6H4−R4−)n(式中、R3及びR4は、−CH=CH−(ビニレン基)及び>C=CH2(ビニリデン基)の中から選ばれる2価の基で、ビニレン基とビニリデン基の存在比は80:20であった。また、−SiH2−の一部(20%)が、−SiHR5−(R5は、−CH=CH−m−C6H4−または−C(=CH2)−m−C6H4−の骨格を有する有機基)に置換されていた。−SiH2−:−SiHR6−:−SiH3(末端基)(モル比は、66:16:18である。)が、ほぼ定量的に生成したことがわかった。反応液を減圧下に濃縮することにより、(Ia)を99%の収率で得た。 【0028】実施例5m−ビス(シリル)ベンゼン0.3mmol、m−ジエチニルベンゼン0.3mmol及びベンゼン0.50mlの溶液に、窒素下、パラジウム−トリシクロヘキシルホスフィン触媒のベンゼン溶液(トリス(ジベンジリデンアセトン)ニパラジウムとトリシクロヘキシルホスフィン(4当量)の混合物のベンゼン溶液、0.02M Pd)0.0075ml(0.00015mmol Pd)を添加し、よく混合した後、室温で1時間放置した。反応液(ゲル状部分なし)のNMR測定から、ポリカルボシラン(Ia)、(−SiH2−m−C6H4−SiH2−R3−m−C6H4−R4−)n(式中、R3及びR4は、−CH=CH−(ビニレン基)及び>C=CH2(ビニリデン基)の中から選ばれる2価の基で、ビニレン基とビニリデン基の存在比は80:20であった。また、−SiH2−の一部(16%)が、−SiHR5−(R5は、−CH=CH−m−C6H4−または−C(=CH2)−m−C6H4−の骨格を有する有機基)に置換されていた。−SiH2−:−SiHR6−:−SiH3(末端基)(モル比は、67:13:20である。)が、ほぼ定量的に生成したことがわかった。(Ia)の分子量(ゲル浸透クロマトグラフィーで測定)は、重量平均分子量=7,800及び数平均分子量=2,200(ポリスチレン基準)であった。 【0029】実施例6反応時間を1時間とした実施例5に代えて2時間としたこと以外は、実施例5と同様に実験を行って(Ia)を得た(ゲル状部分なし)。得られた(Ia)の分子量(ゲル浸透クロマトグラフィーで測定)は、重量平均分子量=7,800及び数平均分子量=2,000(ポリスチレン基準)であった。反応液を減圧下に濃縮することにより、(Ia)を99%の収率で得た。 【0030】実施例7m−ビス(シリル)ベンゼン0.3mmol、p−ジエチニルベンゼン0.3mmol及びベンゼン0.30mlの溶液に、窒素下、パラジウム−トリシクロヘキシルホスフィン触媒のベンゼン溶液(トリス(ジベンジリデンアセトン)ニパラジウムとトリシクロヘキシルホスフィン(4当量)の混合物のベンゼン溶液、0.02M Pd)0.0075ml(0.00015mmol Pd)を添加し、よく混合した後、室温で2時間放置した。反応液(ゲル状)のNMR測定から、ポリカルボシラン(Ib)、(−SiH2−m−C6H4−SiH2−R3−p−C6H4−R4−)n(式中、R3及びR4は、−CH=CH−(ビニレン基)及び>C=CH2(ビニリデン基)の中から選ばれる2価の基であり、ビニレン基とビニリデン基の存在比は81:19であった。また、−SiH2−の一部(21%)が、−SiHR5−(R5は、−CH=CH−p−C6H4−または−C(=CH2)−p−C6H4−の骨格を有する有機基)に置換されていた。−SiH2−:−SiHR6−:−SiH3(末端基)(モル比は、64:17:19である。)が、ほぼ定量的に生成したことがわかった。反応液を減圧下濃縮することにより、(IIIb)を99%の収率で得た。 【0031】実施例8m−ビス(シリル)ベンゼン0.3mmol、p−ジエチニルベンゼン0.3mmol及びベンゼン0.50mlの溶液に、窒素下、パラジウム−トリシクロヘキシルホスフィン触媒のベンゼン溶液(トリス(ジベンジリデンアセトン)ニパラジウムとトリシクロヘキシルホスフィン(4当量)の混合物のベンゼン溶液、0.02M Pd)0.0075ml(0.00015mmol Pd)を添加し、よく混合した後、室温で1時間放置した。反応液(ゲル状部分なし)のNMR測定から、ポリカルボシラン(Ib)、(−SiH2−m−C6H4−SiH2−R3−p−C6H4−R4−)n(式中、R3及びR4は、−CH=CH−(ビニレン基)及び>C=CH2(ビニリデン基)の中から選ばれる2価の基で、ビニレン基とビニリデン基の存在比は81:19であった。また、−SiH2−の一部(11%)が、−SiHR5−(R5は、−CH=CH−p−C6H4−または−C(=CH2)−p−C6H4−の骨格を有する有機基)に置換されていた。−SiH2−:−SiHR6−:−SiH3(末端基)の比は、67:8:25である。)が、ほぼ定量的に生成したことがわかった。(Ib)の分子量(ゲル浸透クロマトグラフィーで測定)は、重量平均分子量=3,100及び数平均分子量=1,200(ポリスチレン基準)であった。 【0032】実施例9実施例5で得られたポリカルボシラン(Ia)の溶液(0.4ml)を、窒素気流下に乾燥させた後、真空中で加熱(100℃、1.5時間)したところ、耐熱性の塊状固体を得た。得られた塊状固体の熱重量分析等の結果を次に示す。 融点 >300℃熱重量分析(窒素気流中) Td2(2%重量減温度)595℃、 Td5(5%重量減温度)790℃、 残重量(980℃)93%熱重量分析(空気気流中) Td2(2%重量減温度)568℃、Td5(5%重量減温度)582℃、残重量(980℃)44%【0033】実施例10実施例5で得られたポリカルボシラン(Ia)の溶液(0.04ml)を、ガラス基板上にキャスト法で塗布して、窒素下に乾燥させた後、真空中で加熱(100℃、1.5時間)したところ、耐熱性の薄膜(無色透明)を得た。これをアルファステップで測定した膜厚は20μmであった。 【0034】実施例11実施例8で得られたポリカルボシラン(Ib)の溶液(0.4ml)を、窒素気流下に乾燥させた後、真空中で加熱(100℃、1.5時間)したところ、耐熱性の塊状固体を得た。得られた塊状固体の熱重量分析等の結果を次に示す。 融点 >300℃熱重量分析(窒素気流中) Td2(2%重量減温度)566℃、Td5(5%重量減温度)711℃、残重量(980℃)92%熱重量分析(空気気流中) Td2(2%重量減温度)528℃、Td5(5%重量減温度)575℃、残重量(980℃)45%【0035】実施例12実施例8で得られたポリカルボシラン(Ib)の溶液(0.04ml)を、ガラス基板上にキャスト法で塗布して、窒素下に乾燥させた後、真空中で加熱(100℃、1.5時間)したところ、耐熱性の薄膜(無色透明)を得た。これをアルファステップで測定した膜厚は15μmであった。 【0036】実施例13実施例3で得られたポリカルボシラン(Ic)の溶液(0.12ml)を、ガラス基板上に塗布して、窒素下乾燥後、真空中で加熱(100℃、1.5時間)したところ、耐熱性の塊状固体を得た。得られた塊状固体の熱重量分析等の結果を次に示す。 融点 >300℃熱重量分析(窒素気流中) Td2(2%重量減温度)407℃、Td5(5%重量減温度)461℃、残重量(980℃)71%【0037】実施例3で得られたポリカルボシラン(Ic)の溶液(0.01ml)を、ガラス基板上にキャスト法で塗布して、窒素下に乾燥させた後、真空中で加熱(100℃、1.5時間)したところ、耐熱性の薄膜(無色透明)を得た。これをアルファステップで測定した膜厚は10μmであった。 【0038】 【発明の効果】本発明の新規ポリカルボシランは、耐熱性有機材料が要望される各種の分野に幅広く使用できる有用なケイ素含有ポリマーである。また、本発明の方法により、ビス(トリヒドロシラン)類及びジイン化合物から、各種の耐熱性材料の製造に有用なシリレン基を有するポリカルボシランを、効率的かつ安全に製造できるから、本発明の工業的意義は多大である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】301021533 【氏名又は名称】独立行政法人産業技術総合研究所
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| 【出願日】 |
平成13年1月10日(2001.1.10) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2002−206027(P2002−206027A) |
| 【公開日】 |
平成14年7月26日(2002.7.26) |
| 【出願番号】 |
特願2001−3089(P2001−3089) |
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