トップ :: C 化学 冶金 :: C08 有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物




【発明の名称】 イオン性基含有ポリマー及びそれを主成分とする膜
【発明者】 【氏名】北村 幸太

【氏名】田口 裕朗

【氏名】坂口 佳充

【氏名】中尾 淳子

【要約】 【課題】高いイオン伝導性を示し、耐久性に優れた高分子電解質となりうるポリマーの提供。

【解決手段】分子中に1.5meq/g以上のイオン性基を含有し、0.05dl/gのメタンスルホン酸溶液の25℃における対数粘度が0.1dl/g以上であり、25℃の水に浸漬したときの重量減少が5%以下であり、80℃、95%RHにおける10000Hzの交流インピーダンスを測定して求められる導電率が0.3[S/cm]以上であることを特徴とするポリマー。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 分子中に1.5meq/g以上のイオン性基を含有し、0.05dl/gのメタンスルホン酸溶液の25℃における対数粘度が0.1dl/g以上であり、25℃の水に浸漬したときの重量減少が5%以下であり、さらに80℃、95%RHにおける10000Hzの交流インピーダンスを測定して求められる導電率が0.3[S/cm]以上であることを特徴とするポリマー。
【請求項2】 イオン性基がスルホン酸基であることを特徴とする請求項1記載のポリマー。
【請求項3】 ポリマーがポリアゾールであることを特徴とする請求項1又は2記載のポリマー。
【請求項4】 下記一般式(1)で表されることを特徴とする請求項3に記載のポリマー。
【化1】

[式(1)において、nは0.5以上1.0以下の数を、mは1〜4の整数を、B1は2価の芳香族基を、A1及びA2は下記一般式(2)又は(3);
【化2】

【化3】

で表される構造より選ばれる2価の基を、それぞれ表す。A1及びA2は同一であっても異なっていてもよい。式(2)及び(3)においてXは、S又はO原子のいずれかを表す。]
【請求項5】 請求項1〜4にいずれかに記載のポリマーを主成分とすることを特徴とする成形体。
【請求項6】 請求項1〜4にいずれかに記載のポリマーを主成分とすることを特徴とする膜。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高分子電解質膜として有用なイオン性基含有ポリマー及びそれを主成分とする膜に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液体電解質のかわりに高分子固体電解質をイオン伝導体として用いる電気化学的装置の例として、水電解槽や燃料電池を挙げることができる。これらに用いられる高分子膜は、カチオン交換膜としてプロトン導電率と共に化学的、熱的、電気化学的及び力学的に十分安定なものでなくてはならない。このため、長期にわたり使用できるものとしては、主に米デュポン社製の「ナフィオン(登録商標)」を代表例とするパーフルオロカーボンスルホン酸膜が使用されてきた。しかしながら、100℃を越える条件で運転しようとすると、膜の含水率が急激に落ちる他、膜の軟化も顕著となる。このため、将来が期待されるメタノールを燃料とする燃料電池においては、膜内のメタノール透過による性能低下が起こり、十分な性能を発揮することはできない。また、現在主に検討されている水素を燃料として80℃付近で運転する燃料電池においても、膜のコストが高すぎることが燃料電池技術の確立の障害として指摘されている。
【0003】このような欠点を克服するため、芳香族環含有ポリマーにイオン性基を導入した高分子電解質膜が種々検討されている。例えば、ポリアリールエーテルスルホンをスルホン化したもの(Journal of Membrane Science, 83, 211(1993))、ポリエーテルエーテルケトンをスルホン化したもの(特開平6−93114号公報)、スルホン化ポリスチレン等である。しかしながら、これらのポリマーを原料として芳香環上に導入されたスルホン酸基は酸又は熱により脱スルホン酸反応が起こりやすく、燃料電池用電解質膜として使用するには耐久性が十分であるとは言えない。
【0004】ポリアリールエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、スルホン化ポリスチレン等に比べてさらに耐熱性を有するポリマーとして、ポリベンズイミダゾール、ポリベンズチアゾール、ポリベンズオキサゾールなどのポリアゾール系ポリマーが挙げられる。
【0005】スルホン酸を含有したポリベンズイミダゾールについては、J. Polym. Sci., Polym. Chem., 15, 1309(1977)における3,3’−ジアミノベンジジンと3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸又は4,6−ジカルボキシ−1,3−ベンゼンジスルホン酸から合成するものが、米国特許第5312895号公報では1,2,4,5−ベンゼンテトラミンと2,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸を主成分として合成するものが報告されている。これらの報告では、電解質膜用途などスルホン酸基が持つ電気化学的特性について顧みられることはなかった。
【0006】一方、スルホン酸基含有のポリベンズオキサゾールやポリベンズチアゾールを中心にしたものについても、2,5−ジアミノ−1,4−ベンゼンジチオールと3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸又は4,6−ジカルボキシ−1,3−ベンゼンジスルホン酸から合成するものがJ. Polym. Sci., Polym. Chem., 34, 481(1996)に、2,5−ジアミノ−1,4−ベンゼンジオールと3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸によるものが特開平10−158213号公報に、2,5−ジアミノ−1,4−ベンゼンジオールとテレフタル酸などからなるものをスルホン化したものが特開平4−353533号公報に、2,5−ジカルボキシスルホン酸と各種ジアミンジオールやジアミンジチオールからなるものが米国特許第5492996号公報に見られる。しかしながら、これらのいずれにおいてもスルホン酸基をプロトンイオンを伝導させる官能基として着目しているものはない。例えば、米国特許第5492996号公報においては、ポリマーのアルコール溶解性を引き出すためにスルホン酸基をアルキルアンモニウム化処理することが特徴となっているが、上述のメタノール燃料型燃料電池などへの応用でアルコール溶解性があることは致命的欠点であることからも明らかである。
【0007】また、スルホン酸基よりは耐熱性に優れると考えられるホスホン酸含有の芳香族ポリマーについて、高分子電解質の視点から着目したものはあまり見られない。例えば、米国特許第5498784号公報において4,4’−(2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチリデン)ビス(2−アミノフェノール)からなるポリベンズオキサゾールにおいて、ジカルボン酸成分の5%〜50%を3,5−ジカルボキシフェニルホスホン酸とするポリマーが報告されているが、溶解性の良さと複合材料としての可能性に着目しているが、電池用途の高分子電解質としては考慮されることはなかった。実際、このポリマーはアルコール溶解性が特徴であり、メタノールを燃料とする燃料電池用の電解質膜と使用することに適さないことは明白である。また、特開平11−286545号公報では、3,5−ジカルボキシフェニルホスホン酸を始めとする含リンポリアミド共重合体が報告されているが、これもその耐熱性に着目した性質しか調べられていない。
【0008】ポリマーのイオン伝導性を高めるためにイオン性基の量を増やすと、ポリマーの水による膨潤や溶解が起こりやすくなった。燃料電池や水電解では、高分子電解膜は必然的に多量の水に曝されるため、膨潤や溶解は致命的な欠点となる。ポリマーの耐水性は、疎水性のポリマーや溶解性の低いポリマーの使用によってある程度改善できるものの、それは同時にイオン伝導性を低下させることになる。このように、優れたイオン伝導性と耐久性を兼ね備えた高分子電解質はこれまで得られていなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高いイオン伝導性を示し、耐久性に優れた高分子電解質となりうるポリマーを得ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、一定量以上のイオン性基を有しているポリマーについて、一定レベル以上のイオン伝導性を有し、かつ水に浸漬したときの重量減少が一定レベル以下であるポリマーによって、高いイオン伝導性を示し、耐久性に優れた高分子電解質を得るに至った。
【0011】すなわち本発明は、(1) 分子中に1.5meq/g以上のイオン性基を含有し、0.05dl/gのメタンスルホン酸溶液の25℃における対数粘度が0.1dl/g以上であり、25℃の水に浸漬したときの重量減少が5%以下であり、80℃、95%RHにおける10000Hzの交流インピーダンスを測定して求められる導電率が0.3[S/cm]以上であることを特徴とするポリマー、(2) イオン性基がスルホン酸基であることを特徴とする(1)のポリマー、(3) ポリマーがポリアゾールであることを特徴とする(1)及び(2)に記載のポリマー、(4) 下記一般式(1)で表されることを特徴とする(3)に記載のポリマー、【0012】
【化4】

[式(1)において、nは0.5以上1.0以下の数を、mは1〜4の整数を、B1は2価の芳香族基を、A1及びA2は下記一般式(2)又は(3);
【0013】
【化5】

【0014】
【化6】

で表される構造より選ばれる2価の基を、それぞれ表す。A1及びA2は同一であっても異なっていてもよい。式(2)及び(3)においてXは、S又はO原子のいずれかを表す。]
(5) (1)〜(4)にいずれかに記載のポリマーを主成分とすることを特徴とする成形体、(6) (1)〜(4)にいずれかに記載のポリマーを主成分とすることを特徴とする膜、である。
【0015】
【発明の実施の形態】以下本発明について詳細に説明する。
【0016】イオン性基を含有するポリマーとは、アミン、酸などイオンとして解離可能な基を含有するポリマーを表す。イオン性基としては、アミノ基、四級アンモニウム基、カルボキシル基、スルホン酸基、ホスホン酸基などを挙げることができ、カルボキシル基、スルホン酸基、ホスホン酸基などのアニオン性基が好ましい。中でも、スルホン酸基及びホスホン酸基がさらに好ましい。ポリマー中のイオン性基の量は、ポリマーを適当な溶媒に溶解して中和滴定したり、ポリマーを酸もしくはアルカリを含む溶液に浸漬して塩を形成させ、残存の酸もしくは塩基を滴定することで求めることができる。高分子電解質として優れた性質を示すためにはできるだけ多量のイオン性基を含有していることが必要条件となる。本発明はそのようなポリマーとして、1.5meq/g以上のイオン性基を有しているポリマーを対象とする。
【0017】本発明のイオン性基含有ポリマーは、80℃、95%RHにおける10000Hzの交流インピーダンスを測定して求められる導電率が0.3[S/cm]以上であることを必須要件の一つとしている。測定の具体的方法は後に述べる。1.5meq/g以上のイオン性基を有しているポリマーであっても、80℃、95%RHにおける10000Hzの交流インピーダンスを測定して求められる導電率が0.3[S/cm]未満しか示さないものでは、高温時における保水性が本発明のポリマーに比べて劣ることもあり、本発明の目的を達成することはできない。
【0018】本発明のイオン性基含有ポリマーは測定の具体的方法は後に述べるが、25℃の水に浸漬したときの重量減少が5%以下であることを必須要件の一つとしている。重量減少が5%以上であると、ポリマーの溶解や膨潤による膜の物性低下が大きくなり、目的の用途には適さなくなる。重量減少を少なくする手段としては、ポリアゾールなど剛直な骨格を有するポリマーを用いたり、炭化水素基、芳香族基など疎水性基を導入することが挙げられる。また、低分子成分は水溶性が大きくなるため、予めポリマーを水中で再沈して低分子成分を除去しておくことも挙げられる。
【0019】本発明のイオン性基含有ポリマーの基本構造は特に限定されるものではなく、ビニル系ポリマー、アクリル系ポリマー、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレン、ポリアゾール、シリコーンなど公知又は任意の構造で、必須要件を満たすものを使用することができる。中でも、耐熱性の面から、ポリアゾール系ポリマーが好ましい。ポリアゾールは、構造により違いはあるものの、熱重量分析における熱減量温度はおおむね300℃以上を示す。
【0020】本発明でいうイオン性基含有ポリアゾールとは、イオン性基を含有する芳香族系のポリオキサゾール類、ポリチアゾール類、ポリイミダゾール類及びそれらが混在する組成物や共重合体をさす。一般的には下記一般式(4)のような繰り返し単位構造で示すことができる。
【0021】
【化7】

[但し、一般式(4)において、Rはアゾール環を形成できる4価の芳香族基を示し、XはO、S、又はNHを表し、NHの場合はHがイオン性基を含む基で置換されていてもよい。R’は二価の芳香族基を示し、R’のすべて又は一部にイオン性基を有している。R、R’はいずれも単環であっても、複数の芳香環の結合体、あるいは縮合環であってもよく、イオン性基以外の安定な置換基を有していてもよい。また、R、R’の芳香環中にN,S,O等が存在するヘテロ環構造を有していてもかまわない。]
また、一般式(5)のような繰り返し単位構造で示される。また、一般式(4)と(5)の両方の繰り返し単位を含んでいる構造であってもよい。
【0022】
【化8】

(ここでXはO、S、又はNHを表し、R”はアゾール環を形成できる三価の芳香族基を示す。R”の一部もしくは全部がイオン性基を有していてもよい。XがNHの場合はHがイオン性基を含む基で置換されていてもよい。)中でも、スルホン酸基及びホスホン酸基がさらに好ましい。
【0023】上記一般式(4)で示す本発明のスルホン酸含有ポリアゾールを合成する経路は特には限定されないが、通常は式中Rで示すアゾール環を形成できる4価の芳香族基単位を形成する芳香族ジアミンジオール、芳香族ジアミンジチオール、芳香族テトラミン及びそれらの誘導体から選ばれる化合物と、R’で示す二価基を形成するジカルボン酸及びその誘導体から選ばれる化合物の反応により合成することができる。その際、使用するジカルボン酸の中にイオン性基を含有するジカルボン酸を使用することで、得られるポリアゾール中にイオン性基を導入することができる。
【0024】また、予め重合しておいたイオン性基を含有しないポリアゾールにイオン性基を導入してもよい。例えば、発煙硫酸、濃硫酸、無水硫酸及びその錯体、プロパンサルトンなどのスルトン類、α−ブロモトルエンスルホン酸、クロロアルキルホスホン酸などを用いることができる。例えば、高分子加工,49,146(2000)に記載されているようなN,N’−ジメチルアセトアミド中でポリベンズイミダゾールに1,3−プロパンサルトンを開環付加させることによるアルキルスルホン化や、特開平4−353553号公報に記載された、無水硫酸によるポリベンズオキサゾールのスルホン化などを挙げることができる。これらの化合物は、ポリアゾールに直接反応させてもよいし、ポリアゾールを適当な溶媒に溶解して反応させてもよい。
【0025】芳香族ジアミンジオール、芳香族ジアミンジチオール、芳香族テトラミンの具体例としては、2,5−ジヒドロキシパラフェニレンジアミン、4,6−ジヒドロキシメタフェニレンジアミン、2,5−ジアミノ−1,4−ベンゼンジチオール、4,6−ジアミノ−1,3−ベンゼンジチオール、2,5−ジアミノ−3,6−ジメチル−1,4−ベンゼンジチオール、1,2,4,6−テトラアミノベンゼン、3,3’−ジヒドロキシベンジジン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジフェニルベンゼンジオール、3,3’−ジジメルカプトベンジジン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジフェニルベンゼンジチオール、3,3’−ジアミノベンジジン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−アミノ−3−メルカプトフェニル)エーテル、ビス(3−アミノ−4−メルカプトフェニルフェニル)エーテル、3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニルエーテル、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−アミノ−3−メルカプトフェニル)スルフィド、ビス(3−アミノ−4−メルカプトフェニルフェニル)スルフィド、3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニルスルフィド、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−アミノ−3−メルカプトフェニル)メタン、ビス(3−アミノ−4−メルカプトフェニルフェニル)メタン、3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニルメタン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−メルカプトフェニル)スルホン、ビス(3−アミノ−4−メルカプトフェニルフェニル)スルホン、3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニルスルホン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−メルカプトフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−メルカプトフェニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,4−ジアミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−メルカプトフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−メルカプトフェニルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3,4−ジアミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、ビス(4−アミノ−3−メルカプトフェノキシ)ベンゼン、ビス(3−アミノ−4−メルカプトフェノキシ)ベンゼン、ビス(3,4,−ジアミノフェノキシ)ベンゼン、等が挙げられるがこれらに限定されることはない。また、これらの化合物を同時に複数使用することもできる。
【0026】中でも、2,5−ジヒドロキシパラフェニレンジアミン、4,6−ジヒドロキシメタフェニレンジアミン、2,5−ジアミノ−1,4−ベンゼンジチオール、4,6−ジアミノ−1,3−ベンゼンジチオール、2,5−ジアミノ−3,6−ジメチル−1,4−ベンゼンジチオール、1,2,4,6−テトラアミノベンゼン、3,3’−ジヒドロキシベンジジン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジフェニルベンゼンジオール、3,3’−ジジメルカプトベンジジン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジフェニルベンゼンジチオール、3,3’−ジアミノベンジジンが好ましく、2,5−ジヒドロキシパラフェニレンジアミン、4,6−ジヒドロキシメタフェニレンジアミン、2,5−ジアミノ−1,4−ベンゼンジチオール、4,6−ジアミノ−1,3−ベンゼンジチオール、2,5−ジアミノ−3,6−ジメチル−1,4−ベンゼンジチオールがさらに好ましい。
【0027】これらの芳香族ジアミンジオール、芳香族ジアミンジチオール、芳香族テトラミンは、必要に応じて塩酸、硫酸、リン酸などの酸との塩でもあってもよく、塩化すず(II)や亜リン酸化合物など公知の酸化防止剤を含んでいてもよい。
【0028】イオン性基含有ジカルボン酸は、芳香族系ジカルボン酸中に1個から4個のイオン性基を含有するものを選択することができる。スルホン酸基含有芳香族ジカルボン酸としては、例えば、2,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸、3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸、4,6−ジカルボキシ−1,3−ジスルホン酸、などのスルホン酸含有ジカルボン酸及びこれらの誘導体を挙げることができる。またホスホン酸基含有芳香族ジカルボン酸としては、2,5−ジカルボキシフェニルホスホン酸、3,5−ジカルボキシフェニルホスホン酸、2,5−ビスホスホノテレフタル酸、などのホスホン酸含有ジカルボン酸及びこれらの誘導体を挙げることができる。これらのイオン性基含有ジカルボン酸基のイオン性基は、ナトリウムやカリウムなどのアルカリ金属、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属、アンモニア、アミンなどと塩を形成していてもよい。これらのイオン性基含有ジカルボン酸は1種類だけでなく数種類を混合したり、イオン性基を含有しないジカルボン酸と共に共重合の形で導入することができる。
【0029】イオン性基を含有するジカルボン酸の純度は特に制限されるものではないが、98%以上が好ましく、99%以上がより好ましい。イオン性基を含有するジカルボン酸を原料として重合されたポリアゾールは、イオン性基を含有しないジカルボン酸を用いた場合に比べて、重合度が低くなる傾向が見られるため、イオン性基を含有するジカルボン酸はできるだけ純度が高いものを用いることが好ましい。
【0030】上記イオン性基含有ジカルボン酸と共に使用できるジカルボン酸例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、ターフェニルジカルボン酸、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン等ポリエステル原料として報告されている一般的なジカルボン酸及びその誘導体を使用することができ、ここで例示したものに限定されるものではない。イオン性基を含有しないジカルボン酸の使用量は特に限定されるものではないが、一般には全ジカルボン酸に対して0〜50モル%であることが好ましく、0〜25モル%であることがさらに好ましい。
【0031】上記のイオン性基含有ジカルボン酸及びそれと共に使用するジカルボン酸の誘導体とは、酸クロライド、酸無水物、金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、エステル、アミドなどを挙げることができる。また、カルボキシル基の代わりにシアノ基やトリハロメチル基など同等の反応をすることができる基を有していてもよい。
【0032】上記一般式(5)で示されるポリアゾール単位を導入する経路は特には限定されないが、通常は式中Rで示すアゾール環を形成できる三価の芳香族基単位を形成するオルト位にアミノ基を2個持つ芳香族カルボン酸、オルト位の関係でアミノ基とヒドロキシル基を持つ芳香族カルボン酸、オルト位の関係でアミノ基とメルカプト基を持つ芳香族カルボン酸及びそれらの誘導体から選ばれる化合物の重合により得ることができる。
【0033】本発明におけるより好ましいイオン性基含有ポリマーは、一般式(1)で表すことができる。
【0034】
【化9】

[式(1)において、nは0.5以上1.0以下の数を、mは1〜4の整数を、B1は2価の芳香族基を、A1及びA2は下記一般式(2)又は(3);
【0035】
【化10】

【0036】
【化11】

で表される構造より選ばれる2価の基を、それぞれ表す。A1及びA2は同一であっても異なっていてもよい。式(2)及び(3)においてXは、S又はO原子のいずれかを表す。]
【0037】一般式(1)において、nは0.50以上であることがより好ましく、nが0.75以上であることがより好ましい。またmは1又は2であることが好ましい。スルホン酸基の一部は、一部がアルカリ金属などの塩であってもよい。一般式(1)における二価の芳香族基B1の例としては、p−フェニレン基、m−フェニレン基、ナフタレン基、ジフェニレンエーテル基、ジフェニレンスルホン基、ビフェニレン基、ターフェニル基、2,2−ビス(4−カルボキシフェニレン)ヘキサフルオロプロパン基などを挙げることができるがこれらに限定されるものではない。中でもp−フェニレン基が好ましい。またA1及びA2は同一であることが好ましく、一般式(2)で表される構造であることがさらに好ましい。
【0038】一般式(1)において2種類以上の繰り返し単位を有する場合には、それぞれの繰り返し単位が、ランダム、交互、ブロックのいずれの形式で結合していてもよい。イオン伝導性など高分子電解質としての性能をより発揮するためには、ランダムもしくは交互に結合していることが好ましい。
【0039】これらのイオン性基含有ポリアゾールを上記モノマー類から合成する手法は、特には限定されないが、J.F.Wolfe, Encyclopedia of Polymer Science and Engineering, 2nd Ed., Vol.11, P.601(1988)に記載されるようなポリリン酸を溶媒とする脱水、環化重合により合成することができる。また、ポリリン酸のかわりにメタンスルホン酸/五酸化リン混合溶媒系を用いた同様の機構による重合を適用することもできる。他に、適当な有機溶媒中や混合モノマー融体の反応でポリアミド構造などの前駆体ポリマーとしておき、その後の適当な熱処理などによる環化反応で目的のポリベンズオキサゾール構造に変換する方法なども使用することができる。
【0040】ポリマー中に2種類以上の繰り返し単位を導入する目的で、複数のモノマーを用いる場合には、全てのモノマーを一度に反応させてランダムもしくは交互共重合体を得ることもできるし、一部のモノマーを先に反応させて、その後残りのモノマーを反応させてブロック共重合体を得ることもできる。また、予め重合しておいた組成の異なるポリマー同士を反応させてブロック共重合体を得ることもできる。
【0041】原料のイオン性基含有ジカルボン酸のスルホン酸基が塩を形成している場合、ポリマーのイオン性基も塩を形成している場合がある。必要に応じて、塩を形成しているイオン性基の一部又は全部を再沈や酸・塩基処理によって遊離のイオン性基にすることもできる。また、遊離のイオン性基の一部又は全部を動揺の処理で塩にすることもできる。本発明のイオン性基含有ポリマーは、スルホン酸基の一部がアルカリ金属などと塩を形成していてもよい。
【0042】本発明のスルホン酸基含有ポリオキサゾールは、0.05dl/gのメタンスルホン酸溶液の25℃における対数粘度が0.1dl/g以上であることが好ましい。より好ましいのは、0.5〜50dl/gの範囲である。0.1dl/gよりも小さいと、水への溶解など成形体から脱落してしまう恐れがある。50dl/gよりも大きいと、溶液の粘度が大きくなりすぎるなど、加工性に悪影響を及ぼす恐れがある。対数粘度の測定は後で述べる方法で行なうことができる。
【0043】本発明のイオン性基含有ポリマーは、重合溶液又は単離したポリマーから押し出し、紡糸、圧延、キャストなど任意の方法で繊維やフィルムに成形したり、コーティング材料などに使用したりすることができる。成形する際には、適当な溶媒に溶解した溶液から成形することが好ましい。溶解する溶媒としては、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルホスホンアミドなど非プロトン極性溶媒や、ポリリン酸、メタンスルホン酸、硫酸、トリフルオロ酢酸などの強酸を用いることができるがこれらに限定されるものではない。これらの溶媒は、可能な範囲で複数を混合して使用してもよい。また、溶解性を向上させる手段として、臭化リチウム、塩化リチウム、塩化アルミニウムなどのルイス酸を有機溶媒に添加したものを溶媒としてもよい。溶液中のポリマー濃度は0.1〜30重量%の範囲であることが好ましい。低すぎると成形性が悪化し、高すぎると加工性が悪化する。好ましくは0.5〜5重量%である。
【0044】溶液から成形体を得る方法は公知の方法を用いることができる。例えば加熱、減圧乾燥、ポリマーを溶解する溶媒と混和できるポリマー非溶媒への浸漬などによって、溶媒を除去しイオン性基含有ポリマーの成形体を得ることができる。溶媒が有機溶媒の場合は、加熱又は減圧乾燥で溶媒を留去させることが好ましい。溶媒が強酸の場合には、水、メタノール、アセトンなどに浸漬することが好ましい。この際、必要に応じて他のポリマーと複合された形で繊維やフィルムに成形することもできる。耐熱性や機械的特性に優れるポリアゾール系ポリマーと組み合わせると、良好な成形をするのに都合がよい。
【0045】本発明のイオン性基含有ポリマーを主成分とする膜を成形する好ましい方法は、溶液からのキャストである。キャストした溶液から前記のように溶媒を除去してイオン性基含有ポリマーの膜を得ることができる。溶媒の除去は乾燥によることが膜の均一性からは好ましい。また、ポリマーや溶媒の分解や変質をさけるため、減圧下でできるだけ低い温度で乾燥することが好ましい。キャストする基板には、ガラス板やテフロン(登録商標)板などを用いることができる。溶液の粘度が高い場合には、基板や溶液を加熱して高温でキャストすると溶液の粘度が低下して容易にキャストすることができる。キャストする際の溶液の厚みは特に制限されないが、10〜1000μmであることが好ましい。薄すぎると膜としての形態を保てなくなり、厚すぎると不均一な膜ができやすくなる。より好ましくは100〜500μmである。溶液のキャスト厚を制御する方法は公知の方法を用いることができる。例えば、アプリケーター、ドクターブレードなどを用いて一定の厚みにしたり、ガラスシャーレなどを用いてキャスト面積を一定にして溶液の量や濃度で厚みを制御することができる。キャストした溶液は、溶媒の除去速度を調整することでより均一な膜を得ることができる。例えば、加熱する場合には最初の段階では低温にして蒸発速度を下げたりすることができる。また、水などの非溶媒に浸漬する場合には、溶液を空気中や不活性ガス中に適当な時間放置しておくなどしてポリマーの凝固速度を調整することができる。
【0046】本発明の膜は目的に応じて任意の膜厚にすることができるが、イオン伝導性の面からはできるだけ薄いことが好ましい。具体的には200μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがさらに好ましく、20μm以下であることが最も好ましい。
【0047】本発明のイオン性基含有ポリマーはイオン伝導性に優れているため、フィルム、膜状にして燃料電池などのイオン交換膜として使用するのに適している。さらに、本発明のポリマーを主成分にすることにより、本発明のイオン交換膜と電極との接合体を作製するときのバインダー樹脂として利用することもできる。
【0048】
【実施例】以下本発明を実施例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されることはない。
【0049】各種測定は次のように行った。
イオン伝導性測定:自作測定用プローブ(テフロン製)上で短冊状膜試料の表面に白金線(直径:0.2mm)を押しあて、80℃95%RHの恒温・恒湿オーブン((株)ナガノ科学機械製作所、LH−20−01)中に試料を保持し、白金線間の10KHzにおける交流インピーダンスをSOLARTRON社1250FREQUENCY RESPONSE ANALYSERにより測定した。極間距離を変化させて測定し、極間距離と抵抗測定値をプロットした勾配から以下の式により膜と白金線間の接触抵抗をキャンセルした導電率を算出した。
導電率[S/cm]=1/膜幅[cm]×膜厚[cm]×抵抗極間勾配[Ω/cm]
ポリマー対数粘度:ポリマー濃度0.05g/dlのメタンスルホン酸溶液について、オストワルド粘度計を用いて25℃で測定した。
水浸漬試験:ポリマー100mgを10mlのイオン交換水に25℃で3日間浸漬し、1G2のガラスフィルターで残留物を濾過した。フィルターは80℃で一晩減圧乾燥し、濾過前後の重量から、残留物の重量を求め、重量減少率を求めた。
重量減少率[%]=残留物重量[mg]
イオン性基の定量:ポリマー100mgを0.01NのNaOH水溶液50mlに浸漬し、25℃で一晩攪拌した。その後、0.05NのHCl水溶液で中和滴定した。中和滴定には、平沼産業株式会社製電位差滴定装置COMTITE−980を用いた。イオン性基量は下記式で求められる。
イオン性基含有量[meq/g]=(10−滴定量[ml])/2IR測定:分光器にBiorad社FTS−40、顕微鏡にBiorad社UMA−300Aを用いた顕微透過法により測定した。
【0050】(実施例1)200mlガラス製セパラブルフラスコに、4,6−ジアミノレゾルシノール二塩酸塩(略号:DAR)8.474g(3.977×10-2mol)、2,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸モノナトリウム(略号:STA)10.560g(3.938×10-2mol)、テレフタル酸(略号:TPA)0.066g(3.977×10-4mol)ポリリン酸(五酸化リン含量84%)35.570g、五酸化リン13.945gを秤量し、窒素気流下70℃で0.5時間、120℃で3時間、130℃で15時間、165℃で18時間、190℃で6時間の順に攪拌しながらオイルバス中で加熱すると、黒緑色で不透明の曳糸性のあるドープが得られた。ドープはイオン交換水中に投入し、pH試験紙中性になるまで水洗を繰り返した。得られたポリマーは80℃で終夜減圧乾燥した。ポリマーの対数粘度は、1.65dl/gを示した。ポリマーのイオン性基含有量は3.2meq/gだった。水による重量減少は2.9%だった。得られたポリマー0.200gを5mlのメタンスルホン酸に室温で一晩攪拌して溶解した。溶液はガラス板上に約300μm厚に流延し、10分間室温で放置した後、水中にガラス板を浸した。水を時々交換し、数日水浸漬を続けた。フィルムを取り出し、周りを固定して収縮を押さえながら風乾した。最後に減圧乾燥機により80℃終夜乾燥することでイオン伝導性測定用フィルムを作製した。80℃95%RHにおけるイオン伝導度は0.74S/cmを示し、測定イオン伝導度は長期にわたり安定した性能を保った。
【0051】(実施例2)STA、TPAの量を、STA8.960g(3.341×10-2mol)及びTPA1.057g(6.364×10-3mol)に変更した他は実施例1と同様にして深緑色の不透明な曳糸性のあるドープを得た。得られたポリマーの対数粘度は2.57dl/gだった。ポリマーのイオン性基含有量は2.8meq/gだった。水による重量減少は2.0%だった。実施例1と同様にイオン伝導性測定用フィルムを作製した。80℃95%RHにおけるイオン伝導度は0.63S/cmを示し、測定イオン伝導度は長期にわたり安定した性能を保った。
【0052】(実施例3)STA、TPAの代わりに、STA10.666g(3.977×10-2mol)を用いた他は実施例1と同様にして深緑色の不透明な曳糸性のあるドープを得た。得られたポリマーの対数粘度は1.74dl/gだった。ポリマーのIRスペクトルを図1に示す。ポリマーのイオン性基含有量は3.2meq/gだった。水による重量減少は2.5%だった。実施例1と同様にイオン伝導性測定用フィルムを作製した。80℃95%RHにおけるイオン伝導度は0.78S/cmを示し、測定イオン伝導度は長期にわたり安定した性能を保った。
【0053】(実施例4)STA、TPAの量を、STA9.600g(3.580×10-2mol)及びTPA0.661g(3.977×10-3mol)に変更した他は実施例1と同様にして深緑色の不透明な曳糸性のあるドープを得た。得られたポリマーの対数粘度は1.89dl/gだった。ポリマーのIRスペクトルを図2に示す。ポリマーのイオン性基含有量は2.9meq/gだった。水による重量減少は2.2%だった。実施例1と同様にイオン伝導性測定用フィルムを作製した。80℃95%RHにおけるイオン伝導度は0.73S/cmを示し、測定イオン伝導度は長期にわたり安定した性能を保った。
【0054】(実施例5)STA、TPAの量を、STA7.680g(2.864×10-2mol)及びTPA1.850g(1.114×10-2mol)に変更した他は実施例1と同様にして深緑色の不透明な曳糸性のあるドープを得た。得られたポリマーの対数粘度は3.72dl/gだった。ポリマーのイオン性基含有量は2.5meq/gだった。水による重量減少は0.7%だった。実施例1と同様にイオン伝導性測定用フィルムを作製した。80℃95%RHにおけるイオン伝導度は0.60S/cmを示し、測定イオン伝導度は長期にわたり安定した性能を保った。
【0055】(比較例1)STA、TPAの量を、STA2.133g(7.955×10-3mol)及びTPA5.286g(3.182×10-2mol)に変更した他は実施例1と同様にして黄褐色の不透明な曳糸性のあるドープを得た。得られたポリマーの対数粘度は7.83dl/gだった。ポリマーのイオン性基含有量は0.8meq/gだった。水による重量減少は0.1%だった。実施例1と同様にイオン伝導性測定用フィルムを作製した。80℃95%RHにおけるイオン伝導度は0.015S/cmだった。
【0056】(比較例2)既存のイオン交換膜であるデュポン社製ナフィオン117について80℃95%RHにおけるイオン伝導度を測定したところ、0.17S/cmだった。
【0057】(比較例3)2.8meq/gのスルホン酸を有するポリエーテルスルホンについて水による重量減少を評価したところ、ほぼ全量が溶解した。0.200gのスルホン化ポリエーテルスルホンを8mlのジメチルスルホキシドに室温で一晩攪拌して溶解した。溶液はガラス板上に約300μmの厚みに流延し、40℃で一晩、次いで80℃で2日間それぞれ減圧乾燥してフィルムを作製した。フィルムを95%RH、80℃の恒温恒湿器の中で1日間放置すると著しく膨潤し、フィルムの形態をもはや留めていなかったためイオン伝導度は測定できなかった。
【0058】
【発明の効果】本発明のポリマーにより、高いイオン伝導性を示し、耐久性に優れた高分子電解質となりうるポリマーを提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000003160
【氏名又は名称】東洋紡績株式会社
【出願日】 平成13年1月10日(2001.1.10)
【代理人】
【公開番号】 特開2002−206023(P2002−206023A)
【公開日】 平成14年7月26日(2002.7.26)
【出願番号】 特願2001−2663(P2001−2663)