| 【発明の名称】 |
封止樹脂用組成物 |
| 【発明者】 |
【氏名】渡辺 岳男
【氏名】佐藤 孝志
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| 【要約】 |
【課題】少ない活性エネルギー線照射量もしくは、短時間の加熱処理で硬化する諸物性に優れた半導体や液晶パネルの封止に好適な樹脂のための組成物を提供すること。
【解決手段】同一分子内に少なくとも一個のオキセタニル基と少なくとも一個のエポキシ基とを有する化合物を含むことを特徴とする組成物が少ない活性エネルギー線照射量や低温、短時間で硬化して諸物性に優れた封止特性を発揮することが見出された。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 同一分子内に少なくとも一個のオキセタニル基と少なくとも一個のエポキシ基とを有する化合物(a)を含むことを特徴とする封止樹脂用組成物。 【請求項2】 同一分子内に少なくとも一個のオキセタニル基と少なくとも一個のエポキシ基とを有する化合物(a)が脂環式アルカンであることを特徴とする請求項1に記載の封止樹脂用組成物。 【請求項3】 同一分子内に少なくとも一個のオキセタニル基と少なくとも一個のエポキシ基とを有する化合物(a)として一般式(1)で表される化合物を含むことを特徴とする請求項2に記載の封止樹脂用組成物。 【化1】
(式中Rは水素原子またはメチル基であり、mは0〜2の整数で、nはmが0の場合は2、それ以外は1である)。 【請求項4】 同一分子内に少なくとも一個のオキセタニル基と少なくとも一個のエポキシ基とを有する化合物(a)として7,8−エポキシ−2−オキサ−5−メチル−スピロ[3.5]ノナンおよび/または6,7−エポキシ−2−オキサ−スピロ[3.5]ノナンを含むことを特徴とする請求項3に記載の封止樹脂用組成物。 【請求項5】 活性エネルギー線の照射および/または加熱によりカチオン重合を開始させる化合物(b)を含む請求項1〜4のいずれかに記載の封止樹脂用組成物。 【請求項6】 活性エネルギー線の照射および/または加熱によりカチオン重合を開始させる化合物(b)がスルホニウム塩、ヨードニウム塩およびジアゾニウム塩の中から選ばれた1種以上である請求項5に記載の封止樹脂用組成物。 【請求項7】 一個以上のエポキシ基を有し、オキセタニル基を有しない化合物(c)を含有する請求項1〜6のいずれかに記載の封止樹脂用組成物。 【請求項8】 一個以上のオキセタニル基を有し、エポキシ基を有しない化合物(d)を含有する請求項1〜7のいずれかに記載の封止樹脂用組成物。 【請求項9】 ラジカル重合性不飽和基を有する化合物(e)を含有する請求項1〜8のいずれかに記載の封止樹脂用組成物。 【請求項10】 光ラジカル重合開始剤(f)を含有する請求項1〜9のいずれかに記載の封止樹脂用組成物。 【請求項11】 半導体封止樹脂用組成物である請求項1〜10のいずれかに記載の封止樹脂用組成物。 【請求項12】 液晶パネル封止樹脂用組成物である請求項1〜10のいずれかに記載の封止樹脂用組成物。 【請求項13】 請求項1〜12のいずれかに記載の封止樹脂用組成物を硬化してなる硬化物。 【請求項14】 活性エネルギー線の照射および/または加熱により封止樹脂用組成物を硬化することを特徴とする請求項13に記載の硬化物の製造方法。 【請求項15】 活性エネルギー線が紫外線である請求項14に記載の硬化物の製造方法。 【請求項16】 請求項11〜13のいずれかに記載の封止樹脂用組成物の硬化物により封止された装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は半導体等の電子部品や液晶パネルを封止するのに用いられる組成物に関し、また、その組成物を使用して製造された硬化物及びそれを用いる装置に関する。さらに詳しくは、同一分子内に少なくとも一個のオキセタニル基と少なくとも一個のエポキシ基とを有する化合物を含むことを特徴とし少ない活性エネルギー線照射量や低温、短時間で硬化する生産性に優れた封止樹脂用組成物に関する。 【0002】 【従来の技術】ダイオード、トランジスタ、ICなどの半導体の電子部品は、それを機械的、化学的に外部環境から保護するためにセラミックパッケージまたは樹脂パッケージ等で封止されている。また、近年半導体チップの実装方法として裸(ベア)の状態のチップを直接プリント回路基板に接続するフリップチップ実装が注目されている。これはベア・チップの素子形成面の金属バンプ電極をプリント回路基板上に形成されている電極パッドに溶融接続するものであり、回路基板とチップの間には応力低減のためにアンダーフィル剤という封止剤が用いられている。 【0003】また、液晶ディスプレイは2枚の平行な液晶基板の間に液晶が封止され、液晶基板上に透明電極が積層されている構造からなり、この液晶を封止するためのシール材として封止剤が使用される。従来のこの封止剤は、主剤にエポキシ樹脂を用い、硬化剤としてフェノール樹脂やアミン系または酸無水物系の硬化剤を用いており、170℃近い高温処理が必要であり、保存安定性が悪く、低温での保管が必要であったり、また液状の樹脂組成物では主剤と硬化剤とを分け二液として保存する必要があった。特開平11−17074号公報にはカチオン重合を用いた封止剤が開示されており、ビスフェノールAジグリシジルエーテルに比べ、オキセタン化合物単独もしくはオキセタン化合物とビスフェノールAジグリシジルエーテルの混合物の方が硬化速度が速いとの記載があるが、低温での硬化性は未だ不十分である。 【0004】これら加熱硬化方式とは別に、生産性を向上させるためや、熱に弱い素子を封止する目的で紫外線硬化型封止剤組成物が検討されている。特開平11−199651号公報には、この紫外線硬化型封止剤組成物としてラジカル硬化系のエポキシアクリレートといったビニルエステルやウレタンアクリレートを用いると耐湿性が悪かったり、接着性が弱いなどの問題点が指摘されている。特開昭59−54277号公報にはエポキシ樹脂とアリルオニウム塩からなるカチオン重合性封止剤組成物を用いると、ラジカル硬化型と比較して硬化収縮が小さいため、封止時にクラックが入らず、また内部応力が残存しないとの開示がある。また、特開2000−191751号公報にはエポキシ化合物と開始剤としてテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートをカウンターアニオンとする紫外線硬化型樹脂組成物の開示があるが、共に硬化に必要な照射エネルギーは大きく、さらなる生産性の向上が望まれてきた。 【0005】米国特許第3388105号には同一分子内にオキセタニル基とエポキシ基を有する化合物をカルボキシル基含有化合物と加熱付加反応させることにより硬化させるという記載があるが、この脂環アルカンがカチオン開環重合に対して極めて高い活性(硬化性)を示すことは知られてなく、また少ない活性エネルギー線照射量もしくは、短時間の加熱処理で硬化する諸物性に優れた封止樹脂用組成物の構成成分として特に好適であることは全く知られていなかった。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる状況に鑑みてなされたものであり、少ない活性エネルギー線照射量もしくは、短時間の加熱処理で硬化する諸物性に優れた封止樹脂用組成物で、具体的にはダイオード、トランジスタ、ICなどの半導体の封止、光電素子、発光素子の封止、フリップチップ実装のアンダーフィル材、液晶パネルの封止剤に好適な樹脂組成物を提供することを課題とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題の解決について鋭意検討した結果、同一分子内に少なくとも一個のオキセタニル基と少なくとも一個のエポキシ基とを有する化合物(a)を含む特定の樹脂組成物により課題を解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。 【0008】すなわち、本発明は以下の[1]〜[16]に示される封止樹脂用組成物、その硬化物および封止された装置に関する。 [1]同一分子内に少なくとも一個のオキセタニル基と少なくとも一個のエポキシ基とを有する化合物(a)を含むことを特徴とする封止樹脂用組成物。 [2]同一分子内に少なくとも一個のオキセタニル基と少なくとも一個のエポキシ基とを有する化合物(a)が脂環式アルカンであることを特徴とする[1]に記載の封止樹脂用組成物。 [3]同一分子内に少なくとも一個のオキセタニル基と少なくとも一個のエポキシ基とを有する化合物(a)として一般式(1)で表される化合物を含むことを特徴とする[2]に記載の封止樹脂用組成物。 【化2】
(式中Rは水素原子またはメチル基であり、mは0〜2の整数で、nはmが0の場合は2、それ以外は1である)。 [4]同一分子内に少なくとも一個のオキセタニル基と少なくとも一個のエポキシ基とを有する化合物(a)として7,8−エポキシ−2−オキサ−5−メチル−スピロ[3.5]ノナンおよび/または6,7−エポキシ−2−オキサ−スピロ[3.5]ノナンを含むことを特徴とする[3]に記載の封止樹脂用組成物。 [5]活性エネルギー線の照射および/または加熱によりカチオン重合を開始させる化合物(b)を含む[1]〜[4]のいずれかに記載の封止樹脂用組成物。 [6]活性エネルギー線の照射および/または加熱によりカチオン重合を開始させる化合物(b)がスルホニウム塩、ヨードニウム塩およびジアゾニウム塩の中から選ばれた1種以上である[5]に記載の封止樹脂用組成物。 [7]一個以上のエポキシ基を有し、オキセタニル基を有しない化合物(c)を含有する[1]〜[6]のいずれかに記載の封止樹脂用組成物。 [8]一個以上のオキセタニル基を有し、エポキシ基を有しない化合物(d)を含有する[1]〜[7]のいずれかに記載の封止樹脂用組成物。 [9]ラジカル重合性不飽和基を有する化合物(e)を含有する[1]〜[8]のいずれかに記載の封止樹脂用組成物。 [10]光ラジカル重合開始剤(f)を含有する[1]〜[9]のいずれかに記載の封止樹脂用組成物。 [11]半導体封止樹脂用組成物である[1]〜[10]のいずれかに記載の封止樹脂用組成物。 [12]液晶パネル封止樹脂用組成物である[1]〜[10]のいずれかに記載の封止樹脂用組成物。 [13][1]〜[12]のいずれかに記載の封止樹脂用組成物を硬化してなる硬化物。 [14]活性エネルギー線の照射および/または加熱により封止樹脂用組成物を硬化することを特徴とする[13]に記載の硬化物の製造方法。 [15]活性エネルギー線が紫外線である[14]に記載の硬化物の製造方法。 [16][11]〜[13]のいずれかに記載の組成物の硬化物により封止された装置。 【0009】 【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明する。本発明において用いる同一分子内に少なくとも一個のオキセタニル基と少なくとも一個のエポキシ基とを有する化合物(a)としては、例えば同一分子内に少なくとも一個のオキセタニル基と少なくとも一個のエポキシ基とを有する脂環式アルカンが挙げられる。その例には以下のようなものが挙げられる。すなわち、3−エチル−3−〔(オキシラニルメトキシ)メチル〕オキセタン、7,8−エポキシ−2−オキサ−5−メチル−スピロ[3.5]ノナン、6,7−エポキシ−2−オキサ−スピロ[3.5]ノナン、スピロ[5,6−エポキシノルボルナン−2,3’−オキセタン]、スピロ[5,6−エポキシ−3−メチルノルボルナン−2,3’−オキセタン]等である。更には、7,8−エポキシ−2−オキサ−5−メチル−スピロ[3.6]デカン、5,6−エポキシ−2−オキサ−スピロ[3.6]デカンも挙げられる。これらの中では7,8−エポキシ−2−オキサ−5−メチル−スピロ[3.5]ノナン、6,7−エポキシ−2−オキサ−スピロ[3.5]ノナンが好ましい。 【0010】これらの同一分子内に少なくとも一個のオキセタニル基と少なくとも1個のエポキシ基とを有する化合物(a)は既知の方法で容易に合成が可能であり、例えば米国特許3388105号等に合成方法が記載されている。 【0011】これら同一分子内に少なくとも一個のオキセタニル基と少なくとも一個のエポキシ基とを有する化合物(a)は、単独で、または2種以上の混合物として使用できる。分子内にオキセタニル基を有する化合物を含有してなる樹脂組成物から形成される硬化物は、吸水性が低いため結果として良好な耐水性を示す。また硬化収縮の程度が小さいために硬化物は寸法安定性に優れるという特徴を有する。 【0012】本発明でいう活性エネルギー線の照射および/または加熱によりカチオン重合を開始させる化合物(b)は、加熱や紫外線などの活性エネルギー線の照射によって変化し、酸などのカチオン重合を開始させる物質を生成する化合物とすることができる。従って、化合物(b)は一種のカチオン重合開始剤であり、当業界では「酸発生剤」とも呼ばれている。以降、本発明では化合物(b)を酸発生型カチオン重合開始剤と称する。 【0013】酸発生型カチオン重合開始剤は、加熱または紫外線などの光照射によって本発明の同一分子内に少なくとも一個のオキセタニル基と少なくとも一個のエポキシ基とを有する化合物(a)の両基の開環カチオン重合を促進し、形成される硬化物や塗膜の硬化を円滑に進行させるために配合されるものである。 【0014】また、本発明で言う酸発生型カチオン重合開始剤は加熱や紫外線などの活性エネルギー線の照射によって変化し、酸などのカチオン重合を開始させる物質を生成する化合物であり、カルボン酸のように最初から酸の形をとっている化合物は含まれない。 【0015】酸発生型カチオン重合開始剤としては公知のスルホニウム塩、ヨードニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩およびフェロセン類等が挙げられる。以下に具体的に例示するが、これらの化合物に限定されるものではない。 【0016】スルホニウム塩系の酸発生型カチオン重合開始剤としては、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド ビスヘキサフルオロホスフェート、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド ビスヘキサフルオロアンチモネート、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドビステトラフルオロボレート、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド ビスヘキサフルオロホスフェート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド ビスヘキサフルオロアンチモネート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド ビステトラフルオロボレート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、などが挙げられる。 【0017】ヨードニウム塩系の酸発生型カチオン重合開始剤としては、ジフェニルヨードニウム ヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウム テトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロホスフェート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム テトラフルオロボレート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウム ヘキサフルオロホスフェート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、などが挙げられる。 【0018】ジアゾニウム塩系の酸発生型カチオン重合開始剤としては、フェニルジアゾニウム ヘキサフルオロホスフェート、フェニルジアゾニウム ヘキサフルオロアンチモネート、フェニルジアゾニウム テトラフルオロボレート、フェニルジアゾニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、などが挙げられる。 【0019】アンモニウム塩系の酸発生型カチオン重合開始剤としては、1−ベンジル−2−シアノピリジニウム ヘキサフルオロホスフェート、1−ベンジル−2−シアノピリジニウム ヘキサフルオロアンチモネート、1−ベンジル−2−シアノピリジニウム テトラフルオロボレート、1−ベンジル−2−シアノピリジニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウム ヘキサフルオロホスフェート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウム ヘキサフルオロアンチモネート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウム テトラフルオロボレート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、などが挙げられる。 【0020】フェロセン系の酸発生型カチオン重合開始剤としては、(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Fe(II)ヘキサフルオロホスフェート、(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Fe(II)ヘキサフルオロアンチモネート、2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Fe(II)テトラフルオロボレート、2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Fe(II)テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、などが挙げられる。 【0021】これらの酸発生型カチオン重合開始剤ではスルホニウム塩とヨードニウム塩系の開始剤が硬化速度、安定性、経済性の面から好ましい。市販品としては、旭電化工業社製SP−150、SP−170、CP−66、CP−77;ユニオンカーバイド社製CYRACURE−UVI−6990、UVI−6974;日本曹達社製CI−2855、CI−2639;三新化学工業社製サンエイドSI−60;「イルガキュア261」(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Fe(II)ヘキサフルオロホスフェート)、「ロードシル(RHODORSIL)2074」;(ローヌ・プーラン社製4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート)等が挙げられる。 【0022】これら酸発生型カチオン重合開始剤は、上述した材料の中から選択し、単独で使用することもでき、2種類以上を組み合わせて使用することもできる。酸発生型カチオン重合開始剤の使用量の好適な範囲は、特に制限がないが、同一分子内に少なくとも一個のオキセタニル基と少なくとも一個のエポキシ基を有する化合物(a)の配合量(後述のエポキシ基を有する化合物等のカチオン重合可能な化合物を併用する場合はそれらの合計量)100質量部に対して0.05〜25質量部、好ましくは1〜20質量部である。添加量が0.05質量部より少ないと感度不良となり硬化するために著しく大きな光照射エネルギーや長時間の高温処理が必要である。また、25質量部を超えて添加しても感度の向上はせず、経済的にも好ましくない。逆に皮膜中に未硬化成分として残存する量が多くなり硬化物性が低下する恐れがある。 【0023】本発明の分子内に一個以上のエポキシ基を有し、オキセタニル基を有しない化合物(c)としては公知慣用のエポキシ化合物が使用できる。エポキシ化合物を本発明の封止樹脂用組成物に添加すると、得られた硬化皮膜の耐熱性、耐薬品性がより向上する。このエポキシ化合物は1分子中に1個以上のエポキシ基を有するものであれば特に限定されない。 【0024】具体的には、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールFジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールSジグリシジルエーテル、ノボラック型エポキシ樹脂(例えばフェノール・ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾール・ノボラック型エポキシ樹脂、臭素化フェノール・ノボラック型エポキシ樹脂)、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールSジグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレート等を用いることができる。 【0025】また、脂肪族エポキシ化合物として、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル−3’,4’−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキセンオキサイド、4−ビニルエポキシシクロヘキサン、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル−3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレングリコールのジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)が挙げられる。 【0026】更にエポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の脂肪族多価アルコールに1種または2種以上のアルキレンオキサイドを付加することにより得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテル類;脂肪族長鎖二塩基酸のジグリシジルエーテル類;脂肪族高級アルコールのモノグリシジルエーテル類;ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、クレゾルグリシジルエーテル、ノニルフェニルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート;フェノール、クレゾール、ブチルフェノールまたはこれらにアルキレンオキサイドを付加して得られるポリエーテルアルコールのモノグリシジルエーテル類;高級脂肪酸のグリシジルエステル類;エポキシ化大豆油;エポキシステアリン酸ブチル、エポキシステアリン酸オクチル、エポキシ化アマニ油、エポキシ化ポリブタジエン等を挙げることができる。 【0027】これら分子内に1個以上のエポキシ基を有し、オキセタニル基を有しない化合物(c)は単独でまたは2種以上混合して使用することができる。化合物(c)の配合量(2種以上を併用する場合はそれらの合計量)は本発明における同一分子内に少なくとも一個のオキセタニル基と少なくとも一個のエポキシ基とを有する化合物(a)100質量部に対して1〜10,000質量部が好ましく、10〜1,000質量部が特に好ましい。 【0028】本発明の封止樹脂用組成物には、組成物全体の粘度を調整したり、耐水性向上、硬化収縮の低減のために、本発明の目的を阻害しない範囲で、分子内に一個以上のオキセタニル基を有し、エポキシ基を有しない化合物(d)を添加することができる。 【0029】化合物(d)の具体例としては、トリメチレンオキシド、3,3−ジメチルオキセタン、3,3−ジクロルメチルオキセタン、3−エチル−3−フェノキシメチルオキセタン、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(東亞合成社製;商品名EOXA)、ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン(別名キシリレンジオキセタン;東亞合成社製;商品名XDO)、トリ〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチルフェニル〕エーテル、(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)オリゴジメチルシロキサンや、高分子量の多価オキセタン環を有する化合物、具体的にはオキセタンオリゴマー(東亞合成社製;商品名Oligo−OXT)、2−オキサスピロ[3.5]ノナン、7−メチル−2−オキサスピロ[3.5]ノナン、スピロ[アダマンタン−2,3’−オキセタン]、スピロ[ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3’−オキセタン]、スピロ[ビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3’−オキセタン]、スピロ[7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3’−オキセタン]、2−オキサスピロ[3.5]ノナ−6−エン、5−メチル−2−オキサスピロ[3.5]ノナ−6−エン、スピロ[ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2,3’−オキセタン]、スピロ[3−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2,3’−オキセタン]、5−メチル−2−オキサスピロ[3.5]ノナン、スピロ[3−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3’−オキセタン]等が挙げられる。これら化合物(d)は、単独で、または2種以上の混合物として使用できる。 【0030】化合物(d)の配合量(2種以上を併用する場合はそれらの合計量)は本発明の同一分子内に少なくとも一個のオキセタニル基と少なくとも一個のエポキシ基とを有する化合物(a)100質量部に対して1〜10,000質量部、好ましくは10〜1,000質量部である。上記提示化合物(d)のうち、分子内にカチオン重合性基を一つしか有さない化合物を脂環式アルカン(a)100質量部に対し200質量部以上添加すると指触乾燥性が悪くなり、さらに得られた硬化物の耐熱性、PCT(プレッシャークッカーテスト)耐性が低下するため好ましくない。 【0031】本発明においては以下に示すカチオン重合性モノマーも封止樹脂用組成物に添加することができる。このカチオン重合性モノマーは酸発生型カチオン重合開始剤の発生した酸により重合開始反応や架橋反応を起こす化合物であって(a)、(c)、(d)以外である化合物に分類される。例えばテトラヒドロフラン、2,3−ジメチルテトラヒドロフラン等のオキソラン化合物;トリオキサン、1,3−ジオキソラン、1,3,6−トリオキサンシクロオクタン等の環状アセタール化合物;β−プロピオラクトン、ε−カプロラクトン等の環状ラクトン化合物;エチレンスルフィド、1,2−プロピレンスルフィド、チオエピクロロヒドリン等のチイラン化合物;3,3−ジメチルチエタン等のチエタン化合物;エチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコルジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のビニルエーテル化合物;エポキシ化合物とラクトンとの反応生成物であるスピロオルソエステル化合物;ビニルシクロヘキサン、イソブチレン、ポリブタジエン等のエチレン性不飽和化合物;環状エーテル化合物;環状チオエーテル化合物;ビニル化合物等を挙げることができる。 【0032】これらのカチオン重合性モノマーは1種を単独で添加することもできるし、あるいは2種以上を組み合わせて添加することもできる。 【0033】本発明の封止樹脂用組成物に、光(活性エネルギー線)硬化性を向上させるために本発明の目的を阻害しない範囲で、ラジカル重合性不飽和基を有する化合物(e)を添加することも可能である。化合物(e)としては、特に限定はないが、(メタ)アクリル酸エステル系の公知慣用のラジカル重合性モノマーが使用できる。具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の単官能(メタ)アクリレート化合物;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、多官能エポキシ(メタ)アクリレート樹脂、多官能ウレタン(メタ)アクリレート樹脂等を挙げることができる。 【0034】化合物(e)の添加量は、カチオン重合性化合物(a),(c),(d)の総和100質量部に対して5〜200質量部、好ましくは10〜100質量部である。添加量が200質量部を超えると指触乾燥性が悪くなる。また、皮膜形成において(メタ)アクリル基の架橋の割合が多くなるため、得られた硬化皮膜の耐熱性、PCT耐性が低下する。 【0035】上記ラジカル重合性不飽和基を有する化合物のラジカル重合を円滑に促進させるための光ラジカル開始剤(f)としては、光に感応しラジカルを発生する公知慣用のものが使用できる。ここで「光」とは、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、電子線等の放射線を意味する。光ラジカル開始剤(f)としては、例えばベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2―ジメトキシ―2―フェニルアセトフェノン、2,2―ジエトキシ―2―フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2―メチル―1―フェニルプロパン―1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン(チバスペシャリティーケミカルズ社製;イルガキュア907)、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−2−(ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロロベンゾフェノン、2−メチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、p−ジメチルアミン安息香酸エステル、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド(BASF社製;ルシリンTPO)、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド含有開始剤(チバスペシャリティーケミカルズ社製;イルガキュア1700,149,1800)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(チバスペシャリティーケミカルズ社製;イルガキュア819)等が挙げられる。これらを1種または2種以上の混合物として使用できる。 【0036】光ラジカル開始剤(f)の使用量は、組成物中のラジカル重合性不飽和基を有する化合物(e)と、必要に応じて添加される後述のアルカリ可溶性樹脂(g)であって(メタ)アクリル基を含有する樹脂の合計の(メタ)アクリル基1当量に対し0.007〜0.5モル、好ましくは0.035〜0.3モルである。光ラジカル開始剤の添加量が0.007モルより少ないと感度不良となり、一方0.5モルを超えて添加しても感度の向上みられず、経済的にも好ましくない。 【0037】本発明の封止樹脂用組成物は更に硬化後に存在する酸成分を除去する目的でイオン交換体を含んでもよい。かかるイオン交換体としては、アンバーライトCG120(オルガノ社製)、トミックスAD500、600(富田製薬社製)、キョーワード500、600(協和化学社製)、IXE−500、600、633、700、1100、1320(東亜合成化学社製)、等が挙げられる。このイオン交換体は、酸発生型カチオン重合開始剤1質量部当たり、2〜12質量部、好ましくは4〜8質量部程度であってよい。このイオン交換体は、硬化後に残存する酸成分によるディスクのアルミ蒸着面やICカードのチップ、発振コイルの腐食を制止する。 【0038】本発明の封止樹脂用組成物は通常無溶剤で使用されるが、使用方法に適応するための粘度調整剤として溶剤を添加することもできる。具体的には、エチレングリコールモノアルキルエーテルまたはそのアセテート類;ジエチレングリコールモノまたはジアルキルエーテル類;プロピレングリコールモノアルキルエーテルまたはそのアセテート類;ジプロピレングリコールモノまたはジアルキルエーテル類;メチルカルビトール、ブチルカルビトール、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、エチルメチルケトン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン、石油エーテル、石油ナフサ、ソルベントナフサ等の公知の有機溶剤類;または可塑剤のような当該技術分野において周知の添加剤、溶剤等が挙げられ、これらを単独でまたは2種以上を組合せて用いることができる。 【0039】これら溶剤の添加量は、本発明の同一分子内に少なくとも一個のオキセタニル基と少なくとも一個のエポキシ基とを有する化合物(a)100質量部に対して0〜2000質量部であり、塗布方法に応じて適宜選択できる。 【0040】また本発明の封止樹脂用組成物には、成形時に金型との良好な離型性をもたせるため、離型剤を添加してもよい。この離型剤としては、酸化型若しくは非酸化型のポリオレフィン(例えばヘキスト社製H4やPE、PEDシリーズ等の平均分子量が500〜10000程度の低分子量ポリエチレン)、天然ワックス、合成ワックス、モンタン酸エステル、モンタン酸、ステアリン酸、高級脂肪酸及びその金属塩類、パラフィン等が挙げられ、これらを単独でまたは2種以上を組合せて用いることができる。総封止用組成物100質量部に対して0.01〜10質量部、好ましくは0.1〜5.0質量部未満添加することが好ましい。これは0.01質量部未満では十分な離型性を得ることができず、また10質量部を超えると接着性が阻害される恐れがある。 【0041】本発明の封止樹脂用組成物は、耐熱性、密着性、硬度などの特性を向上する目的で無機充填剤を配合してもよい。具体的には、溶融シリカ粉末、結晶シリカ粉末、アルミナ、ジルコン、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭化珪素、窒化アルミ、窒化ホウ素、ベリリウム、ジルコニア、タルク、クレー、水酸化アルミニウム、等の粉体、またはこれらを球形化したビーズ、チタン酸カリウム、炭化珪素、窒化ケイ素、アルミナ等の単結晶繊維、ガラス繊維等を1種類以上配合して用いることができる。これら無機充填剤の中で、線膨張係数低減の観点からは溶融シリカが、高熱伝導性の観点からはアルミナが好ましい。その使用量は、総封止樹脂用組成物全量100質量部に対して0〜2000質量部が好ましい。また、無機充填剤は予め充分混合しておくことが好ましい。 【0042】本発明の封止樹脂用組成物を活性エネルギー線のひとつである紫外線で重合させる際は、重合速度を向上させるために、増感剤を使用することもできる。そのような目的で使用する増感剤としては、ピレン、ペリレン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、フェノチアジンなどが挙げられる。増感剤を併用する場合の使用量は、光酸発生型カチオン重合開始剤100質量部に対して、0.1〜100質量部の範囲が好ましい。 【0043】さらに必要に応じて、フタロシアニン・ブルー、フタロシアニングリーン、アイオジン・グリーン、ジスアゾイエロー、クリスタルバイオレット、酸化チタン、カーボンブラック、ナフタレンブラック等の公知慣用の着色剤;シリコーン系、フッ素系、高分子系等の消泡剤;レベリング剤;イミダゾール系、チアゾール系、トリアゾール系、シランカップリング剤等の密着性付与剤、三酸化アンチモン、リン酸エステル、赤リン及びメラミン樹脂をはじめとする含窒素化合物等の難燃剤、シリコーンオイルやシリコーンゴム粉末等の応力緩和剤、ハイドロタルサイト、アンチモン−ビスマス等のイオントラップ剤のような公知慣用の添加剤類を用いることができる。 【0044】本発明の封止樹脂用組成物はこれまでに記述してきた化合物(a)、化合物(b)などの構成物質を公知慣用の混合装置で混合することで得ることができる。混合装置は各構成物質を均一に混合することのできる装置であれば特に限定はないが、組成物の粘度などを考慮して選定する必要がある。 【0045】本発明における封止樹脂用組成物は活性エネルギー線の照射および/または加熱によって重合(硬化)させることができる。ここでいう活性エネルギー線とは、紫外線、X線、電子線、γ線等を示す。紫外線を照射する場合の光源としてはメタルハライドランプ、水銀アークランプ、キセノンアークランプ、蛍光ランプ、炭素アークランプ、タングステン−ハロゲン複写ランプ、および太陽光等を挙げられる。 【0046】封止剤への照射条件は、通常線量が約10〜1,000mJ/cm2、好ましくは約10〜500mJ/cm2、より好ましくは約10〜100mJ/cm2とする範囲内が適している。加熱を利用する場合、硬化は室温(約25℃)〜250℃、好ましくは約50〜200℃、より好ましくは約75〜150℃において約1〜60分、好ましくは約5〜30分、より好ましくは約10〜20分の条件で行ってよい。 【0047】本発明の封止樹脂用組成物により封止された装置としては半導体素子、液晶パネルなどが挙げられる。本発明によって製造される半導体封止装置は、上述の封止樹脂用組成物を用いて半導体素子(チップ)を封止することにより容易に製造することができる。封止を行う半導体素子としては、例えば光源、検出、受動などのオプトデバイスのほか、集積回路、大規模集積回路、トランジスタ、サイリスタ、ダイオード等の素子が挙げられる。またフリップチップ実装のためのアンダーフィル封止剤も挙げられ特に限定されるものではない。 【0048】封止の最も一般的な方法としては、低圧トランスファー成形法があるが、射出成形、圧縮成形、注型等による封止も可能である。封止剤組成物で封止後、活性エネルギー線の照射または加熱によって硬化させ、最終的にはこの硬化物によって封止された半導体封止装置が得られる。 【0049】活性エネルギー線の照射により硬化させる場合をより詳しく説明すると、たとえばガラス、セラミック、プラスチック、シリコーンゴム等の活性エネルギー線の通過しやすい材質からなる型に組成物を入れ、半導体素子を浸漬しそのまま活性エネルギー線を照射して硬化させた後、脱型する方法が採用される。発光ダイオードの封止であれば、型の形状は例えば鐘状、レンズ状の物などが使用される。 【0050】また液晶パネルの封止においても、本発明の封止樹脂用組成物を用い、ディスペンサー等を用いて、ガラス基板の平面外周に開口部1つを残して塗布し、塗布したガラス基板と同じ大きさのガラス基板を、封止材層がガラス基板間になるように重ね合わせて、活性エネルギー線を照射させ硬化させ、開口部から液晶を注入し、開口部を封口して液晶パネルを得ることができる。 【0051】 【実施例】以下、実施例をあげて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例になんら限定されるものではない。なお、実施例および比較例の中の「部」は特に断りの無い限り質量部である。 【0052】なお実施例および比較例で使用した材料のうち、市販品は次の通りであり、精製することなく、そのまま使用した。 【0053】XDO:東亞合成社製1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼンKRM−2110:旭電化工業社製、脂環型エポキシベースレジンUVI−6990:ユニオンカーバイド社製、光カチオン重合開始剤EOCN−1020:日本化薬社製、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂エピコート828:油化シェルエポキシ社製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂サンエイドSI−100L:三新化学工業社製、カチオン重合開始剤M−309:東亞合成社製、トリメチロールプロパントリアクリレートイルガキュア907:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、光重合開始剤無機充填剤としては市販の平均粒径5μmの球状溶融シリカを使用した。 【0054】市販されていない化合物は発明者が化学合成したものを使用した。7,8−エポキシ−2−オキサ−5−メチルスピロ[3.5]ノナンおよび6,7−エポキシ−2−オキサスピロ[3.5]ノナンについては米国特許3388105号記載の方法を参考に本発明者が合成した。詳しくは、7,8−エポキシ−2−オキサ−5−メチル−スピロ[3.5]ノナンは下記の通りに合成した。 【0055】<7,8−エポキシ−2−オキサ−5−メチル−スピロ[3.5]ノナンの合成>1)2−メチル−4−シクロヘキセン−1,1−ジメタノールの合成3つ口フラスコにブタジエンとクロトンアルデヒドとのDiels-Alder反応生成物である2−メチル−4−シクロヘキセン−1−カルボアルデヒド327g、メタノール600ml及び37%のホルマリン水729gを投入し、この溶液を攪拌しながら60℃に昇温させた。続いてKOH252gを蒸留水600mlに溶解した溶液を2時間かけて滴下した。7時間攪拌し続けた後、反応溶液を減圧濃縮し、二層の残渣を得た。約150mlに濃縮された油層を300mlの蒸留水で洗浄した。油層を減圧濃縮した後、3,5−ジ(t−ブチル)−4−ヒドロキシトルエン(BHT)を50mg添加し、減圧蒸留を行い、無色結晶である2−メチル−4−シクロヘキセン−1,1−ジメタノール311g(収率82%)を得た。 【0056】2)2−メチル−4−シクロヘキセン−1,1−ジメタノール環状炭酸塩の合成3つ口フラスコに2−メチル−4−シクロヘキセン−1,1−ジメタノール310g(1.99 mol)、ジメチルカーボネート(DMC)894g及び炭酸カリウム0.93gを仕込み、90℃に昇温し4時間還流させた。反応溶液を室温に戻し、炭酸カリウムを濾別した。BHTを120mg添加した後、残存するDMC及びメタノールを2kPa(15mmHg)の減圧下で除去し、続いて減圧蒸留を行い常温無色結晶である2−メチル−4−シクロヘキセン−1,1−ジメタノール環状炭酸塩を326mg(収率89.4%)得た。 【0057】3)2−オキサ−5−メチルスピロ[3.5]ノナ−7−エンの合成3つ口フラスコに2−メチル−4−シクロヘキセン−1,1−ジメタノール環状炭酸塩321.15g、BHT642mg(0.2質量%)、LiCl1.93gを仕込み、マントルヒーターを用いて275℃で加熱攪拌した。生成物を直ちに約8kPa(60mmHg)の減圧下、系外に抜き出し、留出しなくなるまで4時間加熱を続けた。生成物にBHT600mgを加え、減圧蒸留を行い無色透明液体である2−オキサ−5−メチルスピロ[3.5]ノナ−7−エンを187g(収率71%)得た。 【0058】4)7,8−エポキシ−2−オキサ−5−メチル−スピロ[3.5]ノナンの合成2−オキサ−5−メチルスピロ[3.5]ノナ−7−エン50gを150mlのジクロロメタンに溶解させてから反応器に投入した。m−クロロ過安息香酸93.7gを400mlのジクロロメタンに懸濁させたものを反応溶液が40℃を超えないように1時間かけて滴下した。析出したm−クロロ安息香酸を濾別し、冷ジクロロメタンでよく洗浄した。有機層に水酸化カルシウム15.0gを投入し、30分攪拌後、析出した結晶を濾別し、冷ジクロロメタンで洗浄した。有機層を5%のNaHSO4水、飽和食塩水で洗浄した後濃縮し、減圧蒸留により常温で無色半固体形状の7,8−エポキシ−2−オキサ−5−メチル−スピロ[3.5]ノナンを38.1g(収率73.7%)得た。 【0059】6、7−エポキシ−2−オキサスピロ[3.5]ノナンも上記と類似の手順により本発明者が合成した。また、5−メチル−2−オキサスピロ[3.5]ノナンについては下記の通りにして本発明者が合成した。 【0060】<5−メチルー2−オキサスピロ[3.5]ノナンの合成>1L3つ口フラスコに2−メチル−シクロヘキサン−1,1−ジメタノール474g、炭酸ジメチル405g、炭酸カリウム1.4gを入れ、オイルバス中100℃の温度で加熱攪拌し、生成するメタノールを常圧で系外に留去しつつ反応を14時間行った。最終的に反応容器内を10mmHgまで減圧にし、相当する炭酸エステルを収率95%で得た。 【0061】得られた環状炭酸エステルをそのまま250℃で加熱攪拌し、生じた炭酸ガスを冷却装置の上部より系外へ排出しつつ反応を10時間行った。この反応溶液を蒸留精製し、5−メチルー2−オキサスピロ[3.5]ノナンを230g得た。 (実施例1)7,8−エポキシ−2−オキサ−5−メチルスピロ[3.5]ノナン(30質量部)、エピコート828(65質量部)、サンエイドSI−100L(5質量部)を混合し、5インチの3本ロールを用い混練し、粘稠な液状の封止樹脂用組成物を調製した。縦30mm×横15mm×深さ5mmの金型に調製した樹脂組成物を注入し十分に脱泡した後、9mm角のアルミニウム配線を有する評価用シリコン素子を浸漬した。その後、120℃のオーブンに10分静置した。オーブンから取り出し室温にもどした時点で硬化物は十分硬化しており、シリコン素子が封止された硬化物が得られた。 【0062】(比較例1)実施例1の7,8−エポキシ−2−オキサ−5−メチルスピロ[3.5]ノナン(30質量部)、エピコート828(65質量部)をエピコート828(75質量部)に変更する以外は全く同様の操作を行いシリコン素子の封止を試みた。しかし組成物の硬化は不十分であり液状のままであった。 【0063】(比較例2)実施例1の7,8−エポキシ−2−オキサ−5−メチルスピロ[3.5]ノナン(30質量部)をXDO(30質量部)に変更する以外は全く同様の操作を行いシリコン素子の封止を試みた。しかし組成物の硬化は不十分であった。 【0064】従って、同一分子内に少なくとも一個のオキセタニル基と少なくとも一個のエポキシ基とを有する化合物(a)を含むことを特徴とする本願発明に係る封止樹脂用組成物(実施例1)はエポキシ樹脂又はオキセタニル基のみを有する化合物のみを主剤とする封止樹脂用組成物(比較例1及び2のそれぞれ)よりも短い加熱時間で硬化することが明らかである。 【0065】(実施例2〜4,比較例3〜4)表1に記載されている各成分を実施例1と全く同じ方法で封止樹脂用組成物を調製し、シリコン素子を封止した試験片を得た。得られた試験片の硬化性、耐ヒートサイクル性、PCT耐性の結果を表1に示した。硬化しなかった比較例3については硬化後の試験は行っていない。なお、各評価方法は以下の通りに行った。 【0066】1)硬化性○ ・・・・内部まで十分に硬化している× ・・・・内部まで十分に硬化していない2)耐ヒートサイクル性得られた試験片を−40℃で1分間、次に100℃で10分間放置を1サイクルとして10回くり返し、試験片の状態を観察した。 ○ ・・・・全く異常がない△ ・・・・ややクラックの発生が見られる× ・・・・クラックが全面的に発生している3)プレッシャークッカー(PCT)耐性試験片を、トミー精工社製オートクレーブ(MODEL SS−240)に入れ、121℃、2気圧、相対湿度100%の飽和条件にて300時間放置した後取り出して試験片の状態を観察した。 ○ ・・・・全く異常がない△ ・・・・素子の部分にやや変色がある× ・・・・全面に変色が発生し、素子に腐食が発生している【0067】 【表1】
【0068】表1の結果から、同一分子内に少なくとも一個のオキセタニル基と少なくとも一個のエポキシ基とを有する化合物(a)を含むことを特徴とする本願発明に係る封止樹脂用組成物(実施例2〜4)は、エポキシ樹脂のみを主剤とする封止樹脂用組成物(比較例3)よりも硬化性、耐ヒートサイクル性及びPCT耐性の全ての面で優れ、またエポキシ樹脂とオキセタニル基のみを有する化合物とを主剤とする封止樹脂用組成物(比較例4)よりもPCT耐性に優れることが明らかである。 【0069】(実施例5〜8および比較例5)表2に記載されている各成分を混合し、実施例1と同様に混練し、封止樹脂用組成物を調製した。縦30mm×横15mm×深さ5mmのガラス製の型に調製した樹脂組成物を注入し十分に脱泡した後、9mm角のアルミニウム配線を有する評価用シリコン素子を浸漬した。その後、メタルハライドランプ(ウシオ電気社製:UVC−302/1MN:302/5XX−DX01、搭載ランプUVL−30000M2−N1)を用いて、300mJ/cm2の活性エネルギー線を照射した。硬化後、ガラス型より硬化物を離型し、シリコン素子を封止した試験片を得た。 【0070】得られた試験片の硬化性、耐ヒートサイクル性、PCT耐性の結果を表2に示した。 【0071】 【表2】
【0072】表2の結果から、同一分子内に少なくとも一個のオキセタニル基と少なくとも一個のエポキシ基とを有する化合物(a)を含むことを特徴とする本願発明に係る封止樹脂用組成物(実施例5〜8)はエポキシ樹脂とオキセタニル基のみを有する化合物とを主剤とする封止樹脂用組成物(比較例5)と比較して短時間の活性エネルギー線の照射条件においても優れた耐ヒートサイクル性及びPCT耐性を与えることが明らかである。 【0073】(実施例9)7,8−エポキシ−2−オキサ−5−メチルスピロ[3.5]ノナン(30質量部)、エピコート828(65質量部)、サンエイドSI−100L(5質量部)、スペーサー(積水ファインケミカル製ポリマービーズ、ミクロパール SP−207、一次粒径7μm)1.5質量部を混合し、攪拌機を用いて充分に混合して、液晶パネル封止樹脂用組成物を調製した。この樹脂組成物をディスペンサーを用いて、厚さ1mm、90mm×150mmのガラス基板の平面外周に幅2mmの開口部1つを残して、線幅1mm±0.05mm、厚さ7.5μmの封止材層となるように塗布した。塗布したガラス基板と同じ大きさのガラス基板を、封止材層がガラス基板間になるように重ね合わせて、メタルハライドランプ(ウシオ電気社製:UVC−302/1MN:302/5XX−DX01、搭載ランプUVL−30000M2−N1)を用いて、1J/cm2の活性エネルギー線を照射させ、硬化させた。開口部から液晶を注入し、空気が入らないように封口材(日本ロックタイト社製、ロックタイト350、紫外線硬化型変性アクリレート)を用いて開口部を封口して、本発明の封止剤で封止された液晶パネルを得た。本発明の封止剤は上記条件で十分硬化しており、1.5kg/cm2の加圧をしても、2枚のガラス板がずれることなく、間隔は7μmを維持していた。 【0074】 【発明の効果】本発明の封止樹脂用組成物は、少ない活性エネルギー線照射量、あるいは低温短時間の加熱で十分硬化する。信頼性が高く、量産性に優れた半導体チップの樹脂封止や、フリップチップ実装のアンダーフィル、液晶パネルの封止が可能となり、本発明はエレクトロニクス分野に極めて有用なものである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002004 【氏名又は名称】昭和電工株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年12月28日(2000.12.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100077517 【弁理士】 【氏名又は名称】石田 敬 (外4名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−201264(P2002−201264A) |
| 【公開日】 |
平成14年7月19日(2002.7.19) |
| 【出願番号】 |
特願2000−402427(P2000−402427) |
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