| 【発明の名称】 |
エポキシ樹脂結晶化物、その製法及び硬化性組成物 |
| 【発明者】 |
【氏名】村田 保幸
【氏名】堤 正之
【氏名】池端 清貴
【氏名】田中 堅
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| 【要約】 |
【課題】硬化剤等との配合が容易なエポキシ樹脂結晶化物を提供する。
【解決手段】4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニルとエピハロヒドリンとから誘導されたエポキシ樹脂の結晶化物であって、DSC装置を用いて毎分10℃の速度で昇温して測定した50℃から130℃の間の吸熱量と80℃から125℃の間の吸熱量との比が1.03以上であることを特徴とするエポキシ樹脂結晶化物。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニルとエピハロヒドリンとから誘導されたエポキシ樹脂の結晶化物であって、DSC装置を用いて毎分10℃の速度で昇温して測定した50℃から130℃の間の吸熱量と80℃から125℃の間の吸熱量との比が1.03以上であることを特徴とするエポキシ樹脂結晶化物。 【請求項2】 DSC装置を用いて毎分10℃の速度で昇温して測定した50℃から130℃の間の吸熱量と80℃から125℃の間の吸熱量との比が1.05以上、1.50以下であり、吸熱のピーク温度が110℃以下であることを特徴とする請求項1記載のエポキシ樹脂結晶化物。 【請求項3】 エポキシ当量が180から210である4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニルとエピハロヒドリンとから誘導されたエポキシ樹脂を105℃以上の溶融状態から冷却し、105℃より低い温度になってから2時間以内にほぼ完全に結晶化させることを特徴とする、DSC装置を用いて毎分10℃の速度で昇温して測定した50℃から130℃の間の吸熱量と80℃から125℃の間の吸熱量との比が1.03以上であるエポキシ樹脂結晶化物の製造方法。 【請求項4】 前記DSC装置を用いて毎分10℃の速度で昇温して測定した50℃から130℃の間の吸熱量と80℃から125℃の間の吸熱量との比が1.05以上、1.50以下であり、吸熱のピーク温度が110℃以下であることを特徴とする請求項3記載のエポキシ樹脂結晶化物の製造方法。 【請求項5】 前記溶融状態のエポキシ樹脂を105℃以上の溶融状態から冷却し、105℃より低い温度になってから2時間以内にほぼ完全に結晶化させる方法が、105℃より低い温度で結晶核を加える方法及び剪断力を加える方法のいずれか一方もしくは両方の方法で結晶化させる方法であることを特徴とする請求項3又は4に記載のエポキシ樹脂結晶化物の製造方法。 【請求項6】請求項1及び請求項2のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂結晶化物とエポキシ樹脂用硬化剤を必須成分として配合して成る硬化性エポキシ樹脂組成物。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、硬化剤等との配合が容易なテトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂結晶化物及び該エポキシ樹脂結晶化物の製造方法及び該エポキシ樹脂結晶化物を使用している、各種物性に優れた硬化性エポキシ樹脂組成物に関する。 【0002】 【従来の技術】エポキシ樹脂は、その優れた硬化物性や取扱いの容易さから、接着、注型、封止、積層、成型、塗装等の広い分野で使用されている。一般的に、エポキシ樹脂は、硬化剤を代表とする種々の添加剤と混合(配合)し、硬化性エポキシ樹脂組成物として成形され硬化されて使用されるが、配合時に各成分が均一に混合されていないと硬化反応が十分に進行しなかったり、硬化物が不均質になるなどの現象が起き、その性能が十分に発現できない。 【0003】4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニルとエピハロヒドリンとの反応で得られるテトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂は、100℃から120℃の融点を持つ結晶となるため、粉体塗料や半導体封止材などの常温では固体として扱い、成形・硬化時に昇温・溶融して流動させる用途に広く用いられている。ところが結晶であるため硬化剤などとの相溶が遅く、混合不良が起きやすい欠点がある。そこで均一混合するために配合時に融点以上に温度を上げるとその時点で硬化剤との反応が進んでしまい成型時に流動性不良を起こしやすい。また、混合時間を長くすると生産性が低下し工業的には不利益となる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、硬化剤等との配合が容易なテトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂結晶化物及び該エポキシ樹脂結晶化物の製造方法及び該エポキシ樹脂結晶化物を使用している各種物性に優れた硬化性エポキシ樹脂組成物に関する。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課題を解決するために種々研究を重ねた結果、特定の融解吸熱パターンを持ったテトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂の結晶が硬化剤などとの相溶が早く、均一な硬化性エポキシ樹脂組成物が容易に得られることを見いだし、また特定の結晶化条件をとることにより、特定の相溶が早いテトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂結晶化物を得ることができることを見いだして、その本発明を完成したのである。 【0006】本発明は以下の各発明を包含する。 (1) 4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニルとエピハロヒドリンとから誘導されたエポキシ樹脂の結晶化物であって、DSC装置を用いて毎分10℃の速度で昇温して測定した50℃から130℃の間の吸熱量と80℃から125℃の間の吸熱量との比が1.03以上であることを特徴とするエポキシ樹脂結晶化物。 【0007】(2) 前記DSC装置を用いて毎分10℃の速度で昇温して測定した50℃から130℃の間の吸熱量と80℃から125℃の間の吸熱量との比が1.05以上、1.50以下であり、吸熱のピーク温度が110℃以下であることを特徴とする(1) 項に記載のエポキシ樹脂結晶化物。 【0008】(3) エポキシ当量が180から210である4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニルとエピハロヒドリンとから誘導されたエポキシ樹脂を105℃以上の溶融状態から冷却し、105℃より低い温度になってから2時間以内にほぼ完全に結晶化させることを特徴とする、DSC装置を用いて毎分10℃の速度で昇温して測定した50℃から130℃の間の吸熱量と80℃から125℃の間の吸熱量との比が1.03以上であるエポキシ樹脂結晶化物の製造方法。 (4) 前記DSC装置を用いて毎分10℃の速度で昇温して測定した50℃から130℃の間の吸熱量と80℃から125℃の間の吸熱量との比が1.05以上、1.50以下であり、吸熱のピーク温度が110℃以下であることを特徴とする(3) 項記載のエポキシ樹脂結晶化物の製造方法。 【0009】(5) 前記105℃以上の溶融状態から冷却し、105℃より低い温度になってから2時間以内にほぼ完全に結晶化させる際に、結晶核を加える方法及び剪断力を加える方法のいずれか一方もしくは両方の方法を採用することを特徴とする(3)項又は(4) のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂結晶化物の製造方法。 【0010】(6) 4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニルとエピハロヒドリンとから誘導されたエポキシ樹脂の結晶化物であって、DSC装置を用いて毎分10℃の速度で昇温して測定した50℃から130℃の間の吸熱量と80℃から125℃の間の吸熱量との比が1.03以上であるエポキシ樹脂結晶化物とエポキシ樹脂用硬化剤を必須成分として配合して成る硬化性エポキシ樹脂組成物。 【0011】(7) 前記エポキシ樹脂結晶化物は、DSC装置を用いて毎分10℃の速度で昇温して測定した50℃から130℃の間の吸熱量と80℃から125℃の間の吸熱量との比が1.05以上、1.50以下であり、吸熱のピーク温度が110℃以下であるエポキシ樹脂結晶化物であることを特徴とする(6) 項記載の硬化性エポキシ樹脂組成物。 【0012】 【発明の実施の形態】本発明のエポキシ樹脂結晶化物は、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニルとエピハロヒドリンとから誘導されたエポキシ樹脂の結晶化物であるが、その融解吸熱パターンは、DSC装置を用いて毎分10℃の速度で昇温して測定した50℃から130℃の間の吸熱量と80℃から125℃の間の吸熱量との比が1.03以上であり、好ましくは1.05以上1.50以下であり、より好ましくは1.06以上1.40以下である。また、吸熱のピーク温度は110℃以下が好ましく、より好ましくは109℃以下である。 【0013】吸熱量はDSC装置(示差走査熱量計)を用いて5〜20mgの結晶粉末を毎分10℃の速度で昇温して測定し、得られたDSC曲線の50℃と130℃の点を直線で結び、その直線とDSC曲線で囲まれた部分の面積から算出できる。80℃から125℃の間の吸熱量も同様に求められる。吸熱のピーク温度はDSC曲線の吸熱ピークの頂点温度である。50℃から130℃の間の吸熱量と80℃から125℃の間の吸熱量との比が小さすぎると、硬化剤などとの相溶が遅くなり、本発明の効果が十分ではない。吸熱量の比が大きすぎる結晶は、結晶化が十分に完結しておらず、固体としての取り扱いが困難になる。吸熱のピーク温度が高すぎる結晶は、硬化剤などとの相溶が遅くなる。 【0014】本発明のエポキシ樹脂結晶化物の製造方法は、吸熱量の比が規定量以上の生成物が得られる方法である限り、その方法に特に制限はない。しかし、同じテトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂を用いても結晶化の条件でその結晶状態が変化するため、結晶化条件を規定した本発明のエポキシ樹脂結晶化物の製造方法を用いることが好ましい。 【0015】本発明のエポキシ樹脂結晶化物の製造方法で用いるテトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂は、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニルとエピハロヒドリンとから誘導されたエポキシ樹脂であり、その製造方法や性状には特に制約はないが、エポキシ当量が180から210である必要があり、好ましくは181以上200以下である。エポキシ当量が低すぎると本発明のエポキシ樹脂結晶化物の製造方法をもってしても吸熱量の比が規定以上の結晶を得ることが難しく、エポキシ当量が高すぎると結晶化を規定時間以内に完結させることが困難になる。 【0016】本発明のエポキシ樹脂結晶化物の製造方法は、まずテトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂を105℃以上の溶融状態に置く。続いて冷却し、融点以下とし結晶化させるが、樹脂温度が105℃より低い温度になってから2時間以内、好ましくは1時間30分以内、より好ましくは1時間以内にほぼ完全に結晶化させる。ほぼ完全な結晶化とは固体として取り扱いができる状態となることをいう。結晶化の時間は短いほど本発明の効果が顕著となり、長すぎると本発明のエポキシ樹脂結晶化物が得られない。 【0017】結晶化の時間を短くするには種々の方法があり、特に規定はないが、別途用意した結晶核を加える方法や、撹拌や混練して樹脂に剪断力を加える方法が容易な操作で短時間に結晶化できる点で好ましい。好ましい結晶化時の温度は他の条件により異なるが、通常は10〜90℃、好ましくは、20〜80℃である。 【0018】本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物は、本発明のエポキシ樹脂結晶化物とエポキシ樹脂用硬化剤を必須成分として配合して成る硬化性エポキシ樹脂組成物である。本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物には、本発明のエポキシ樹脂結晶化物以外のエポキシ樹脂も配合することができる。その併用できるエポキシ樹脂としては特に指定は無く、本発明のエポキシ樹脂結晶化物以外のエポキシ樹脂であればどのようなエポキシ樹脂でも使用可能である。 【0019】そのようなエポキシ樹脂としては、たとえば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD 、テトラブチルビスフェノールA、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、ジメチルハイドロキノン、ジブチルハイドロキノン、レゾルシン、メチルレゾルシン、ビフェノール、ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシジフェニルエーテル、ジヒドロキシスチルベン類、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ナフトールノボラック樹脂、テルペンフェノール樹脂、重質油変性フェノール樹脂、臭素化フェノールノボラック樹脂などの種々のフェノール類や、種々のフェノール類とヒドロキシベンズアルデヒド、クロトンアルデヒド、グリオキザールなどの種々のアルデヒド類との縮合反応で得られる多価フェノール樹脂等の各種のフェノール系化合物と、エピハロヒドリンとから製造されるエポキシ樹脂やジアミノジフェニルメタン、アミノフェノール、キシレンジアミンなどの種々のアミン化合物と、エピハロヒドリンとから製造されるエポキシ樹脂、メチルヘキサヒドロフタル酸、ダイマー酸などの種々のカルボン酸類と、エピハロヒドリンとから製造されるエポキシ樹脂などが挙げられる。 【0020】本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物における本発明のエポキシ樹脂結晶化物の使用割合は、全エポキシ樹脂成分中10〜100重量%であり、好ましくは20〜100重量%である。本発明の高性能エポキシ樹脂組成物の使用割合が少ないとテトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂の優れた特性が発現されない。 【0021】本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物には、エポキシ樹脂用硬化剤が必須成分として配合されるが、特に指定は無く、エポキシ樹脂用の硬化剤であれば、どのような硬化剤でも使用可能である。 【0022】その使用できる硬化剤としては、たとえば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、テトラブチルビスフェノールA、ハイドロキノン、レゾルシン、メチルレゾルシン、ビフェノール、テトラメチルビフェノール、ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシジフェニルエーテル、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール樹脂、テルペンフェノール樹脂、ナフトールノボラック樹脂、重質油変性フェノール樹脂、臭素化フェノールノボラック樹脂などの種々の多価フェノール類、及び種々のフェノール類とヒドロキシベンズアルデヒド、クロトンアルデヒド、グリオキザールなどの種々のアルデヒド類との縮合反応で得られる多価フェノール樹脂等の各種のフェノール樹脂類、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水ピロメリット酸、メチルナジック酸等の酸無水物類、ジエチレントリアミン、イソホロンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ジシアンジアミド等のアミン類などなどがあげられる。 【0023】また、エポキシ基の重合を開始するタイプの硬化剤として、たとえば、トリフェニルホスフィンなどのホスフィン化合物、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレートなどのホスホニウム塩、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、2, 4−ジシアノ−6−[2−メチルイミダゾリル−(1)]−エチル−S−トリアジンなどのイミダゾール類、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテート、2−メチルイミダゾリウムイソシアヌレート、2−エチル−4−メチルイミダゾリウムテトラフェニルボレート、2−エチル−1, 4−ジメチルイミダゾリウムテトラフェニルボレートなどのイミダゾリウム塩、2, 4, 6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、ベンジルジメチルアミンなどのアミン類、トリエチルアンモニウムテトラフェニルボレートなどのアンモニウム塩、1, 5−ジアザビシクロ(5, 4, 0)−7−ウンデセン、1, 5−ジアザビシクロ(4, 3,0)−5−ノネンなどのジアザビシクロ化合物、それらジアザビシクロ化合物のテトラフェニルボレート、フェノール塩、フェノールノボラック塩、2−エチルヘキサン酸塩など。 【0024】さらにトリフル酸(Triflic acid)塩、三弗化硼素エーテル錯化合物、金属フルオロ硼素錯塩、ビス(ペルフルオルアルキルスルホニル)メタン金属塩、アリールジアゾニウム化合物、芳香族オニウム塩、IIIa〜Va族元素のジカルボニルキレート、チオピリリウム塩、MF6 - 陰イオン(ここでMはリン、アンチモン及び砒素から選択される)の形のVIb元素、アリールスルホニウム錯塩、芳香族ヨードニウム錯塩、芳香族スルホニウム錯塩、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド−ビス−ヘキサフルオロ金属塩(例えばリン酸塩、砒酸塩、アンチモン酸塩等)、アリールスルホニウム錯塩、ハロゲン含有錯イオンの芳香族スルホニウム又はヨードニウム塩等を用いることができる。これらエポキシ樹脂用硬化剤は、1種単独でも、2種以上併用しても良い。 【0025】本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物で使用される硬化剤の使用割合は、エポキシ基と反応する基を持つ化合物を使用する場合は、全エポキシ樹脂成分中のエポキシ基1モルに対して、全硬化剤成分中のエポキシ基と反応する基の合計が0.5〜2. 0モルになる量が好ましく、より好ましくは、0. 7〜1. 5モルになる量である。硬化剤成分としてエポキシ基の重合を開始するタイプの硬化剤を使用する場合は、全エポキシ樹脂成分100重量部に対して、0. 1〜10重量部が好ましく、より好ましくは、0. 3〜5重量部である。 【0026】本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物には、必要に応じて無機充填剤、強化用繊維、硬化促進剤、カップリング剤、可塑剤、顔料、溶剤、難燃剤等を適宜に配合することができる。その無機充填剤の種類としては、たとえば、溶融シリカ、結晶性シリカ、ガラス粉、アルミナ、炭酸カルシウムなどがあげられる。その形状としては、破砕型又は球状である。各種の無機充填剤は、単独で又は、2種以上混合して用いられる。その使用量は、組成物全体の30〜95重量%であり、好ましくは50〜95重量%、より好ましくは70〜93重量%である。 【0027】また、硬化促進剤は、エポキシ樹脂中のエポキシ基と硬化剤中の活性基との反応を促進する化合物である。その硬化促進剤としては、たとえば、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス(ジメトキシフェニル)ホスフィン、トリス(ヒドロキシプロピル)ホスフィン、トリス(シアノエチル)ホスフィンなどのホスフィン化合物、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、メチルトリブチルホスホニウムテトラフェニルボレート、メチルトリシアノエチルホスホニウムテトラフェニルボレートなどのホスホニウム塩、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、2,4−ジシアノ−6−[2−メチルイミダゾリル−(1)]−エチル−S−トリアジン、2,4−ジシアノ−6−[2−ウンデシルイミダゾリル−(1)]−エチル−S−トリアジンなどのイミダゾール類、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテート、2−メチルイミダゾリウムイソシアヌレート、2−エチル−4−メチルイミダゾリウムテトラフェニルボレート、2−エチル−1, 4−ジメチルイミダゾリウムテトラフェニルボレートなどのイミダゾリウム塩、2, 4, 6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、ベンジルジメチルアミン、テトラメチルブチルグアニジン、N−メチルピペラジン、2−ジメチルアミノ−1−ピロリンなどのアミン類、トリエチルアンモニウムテトラフェニルボレートなどのアンモニウム塩、1, 5−ジアザビシクロ(5, 4, 0)−7−ウンデセン、1, 5−ジアザビシクロ(4, 3, 0)−5−ノネン、1, 4−ジアザビシクロ(2, 2, 2)−オクタンなどのジアザビシクロ化合物、それらジアザビシクロ化合物のテトラフェニルボレート、フェノール塩、フェノールノボラック塩、2−エチルヘキサン酸塩などがあげられる。 【0028】それらの硬化促進剤となる化合物の中では、三級アミン類、ホスフィン化合物、イミダゾール化合物、ジアザビシクロ化合物,及びそれらの塩が好ましい。それらの硬化促進剤は、単独で又は2種以上混合して用いられ、その使用量は全エポキシ樹脂成分に対して、0. 1〜7重量%である。 【0029】その難燃剤としては、臭素化エポキシ樹脂などのハロゲン系難燃剤、三酸化アンチモンなどのアンチモン化合物、リン酸エステル類、ホスフィン類などのリン系難燃剤、メラミン誘導体などの窒素系難燃剤及び水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの無機系難燃剤があげられる。 【0030】本発明のエポキシ樹脂結晶化物は、硬化剤などとの相溶が早いため、配合が容易であり、本発明のエポキシ樹脂結晶化物の製造方法は、該エポキシ樹脂結晶化物を容易に製造できる。また本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物は、硬化反応が均一に起こるため、硬化性に優れ、各種硬化物性にも優れる。 【0031】 【実施例】以下に、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂の製造例、本発明のエポキシ樹脂結晶化物、エポキシ樹脂結晶化物の製造方法及び硬化性エポキシ樹脂組成物の実施例及び比較例をあげてさらに詳述する。 【0032】(テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂製造例)温度計、撹拌装置、冷却管を備えた内容量5Lの三つ口フラスコに、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニル 363g、エピクロルヒドリン 1665g、及び2−プロパノール 600gを仕込み、50℃に昇温して溶解させたのち、48. 5重量%の水酸化ナトリウム水溶液273gを1時間かけて滴下した。その間に徐々に昇温し、滴下終了時には系内が70℃になるようにした。その後、70℃で30分間保持して反応を行わせた。その反応終了後、水洗して副生塩及び過剰の水酸化ナトリウムを除去した。次いで、生成物から減圧下で過剰のエピクロルヒドリン及び2−プロパノールを留去して、粗製エポキシ樹脂を得た。 【0033】この粗製エポキシ樹脂をメチルイソブチルケトン 750gに溶解させ、48. 5重量%の水酸化ナトリウム水溶液 6gを加え、70℃の温度で1時間反応させた。その反応終了後に、第一リン酸ナトリウムを加えて過剰の水酸化ナトリウムを中和し、水洗して副生塩を除去した。次いで、加熱しながら減圧下でメチルイソブチルケトンを完全に除去して、目的のエポキシ樹脂を得た。この時点でのエポキシ樹脂の状態は、樹脂温約150℃の溶融状態である。 【0034】実施例1上記製造例で製造した溶融状態のテトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂50gをガラス製の容器にとり、徐々に冷却して樹脂温が70℃になった時点で別途用意したテトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂の結晶粉末3gを加え素早く混合した。そのまま放冷したところ、樹脂温が105℃になった時点から、25分後にほぼ完全に結晶化し、固形として取り扱える状態になった。 【0035】このエポキシ樹脂結晶化物のエポキシ当量、50℃から130℃の間の吸熱量、80℃から125℃の間の吸熱量、それらの比、及び吸熱のピーク温度を表1に示した。DSCデータの測定は、TAインスツルメント社製MDSC2920型装置を使用し、サンプル量約10mg、昇温速度毎分10℃でおこなった。吸熱量の計算は、コンピューターによる自動計算でおこなった。(図1及び図2のDSCチャート参照) 【0036】実施例2上記製造例で製造した溶融状態のテトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂50gをガラス製の容器にとり、徐々に冷却して樹脂温が70℃になった時点からガラス棒で5分間激しく撹拌した。撹拌中に結晶が一部析出し始めた。そのまま放冷したところ、樹脂温が105℃になった時点から、15分後にほぼ完全に結晶化し、固形として取り扱える状態になった。このエポキシ樹脂結晶化物のエポキシ当量、50℃から130℃の間の吸熱量、80℃から125℃の間の吸熱量、それらの比、及び吸熱のピーク温度を表1に示した。 【0037】比較例1上記製造例で製造した溶融状態のテトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂50gをガラス製の容器にとり、静置し、放冷した。結晶の析出は非常に遅く、樹脂温が105℃になった時点から、3時間後にほぼ完全に結晶化し、固形として取り扱える状態になった。このエポキシ樹脂結晶化物のエポキシ当量、50℃から130℃の間の吸熱量、80℃から125℃の間の吸熱量、それらの比、及び吸熱のピーク温度を表1に示した。(図3及び図4のDSCチャート参照) 【0038】比較例2上記製造例で製造した溶融状態のテトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂50gをガラス製の容器にとり、メチルイソブチルケトン50gに約100℃で溶解した。徐々に冷却して約20℃で約5時間保持した。析出した針状結晶を濾別した後、50℃で約5時間真空乾燥してメチルイソブチルケトンを除去し、エポキシ樹脂結晶化物を得た。このエポキシ樹脂結晶化物のエポキシ当量、50℃から130℃の間の吸熱量、80℃から125℃の間の吸熱量、それらの比、及び吸熱のピーク温度を表1に示した。 【0039】実施例3, 4及び比較例3、4表2に示したように、エポキシ樹脂成分として、実施例1、2又は比較例1、2で製造したエポキシ樹脂結晶化物、硬化剤成分として、フェノールアラルキル樹脂、無機充填剤として溶融シリカ粉末、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィン、離型剤としてカルナバワックスを用いた。次いで、各成分を粉砕して混合した後、ミキシングロールを用いて70℃で5分間混練した。得られた各混合物はシート状に取り出し、粉砕して各硬化性エポキシ樹脂組成物を得た。 【0040】各硬化性エポキシ樹脂組成物のゲルタイムを180℃で測定した。これらの各硬化性エポキシ樹脂組成物を用い低圧トランスファー成形機で金型温度180℃、成形時間90秒で成形して、各試験片を得、5時間ポストキュアーさせた。各試験片のガラス転移温度及び23℃の曲げ強度を測定し表2に示した。実施例3、4で製造した硬化性エポキシ樹脂組成物は、比較例3、4で製造した硬化性エポキシ樹脂組成物に較べて硬化性、耐熱性及び機械的強度に優れていた。 【0041】 【表1】
【表2】
【0042】 【発明の効果】本発明のエポキシ樹脂結晶化物は、硬化剤などとの相溶が早いため、配合が容易である。また、本発明のエポキシ樹脂結晶化物の製造方法によれば、該エポキシ樹脂結晶化物を容易に製造することができる。さらに、該エポキシ樹脂結晶化物を配合した本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物は、硬化反応が均一になるため、硬化性に優れ、各種硬化物性にも優れている。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000246239 【氏名又は名称】ジャパンエポキシレジン株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年12月28日(2000.12.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100078503 【弁理士】 【氏名又は名称】中本 宏 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−201255(P2002−201255A) |
| 【公開日】 |
平成14年7月19日(2002.7.19) |
| 【出願番号】 |
特願2000−400013(P2000−400013) |
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