| 【発明の名称】 |
ポリウレタン樹脂水性分散体 |
| 【発明者】 |
【氏名】北田 満
【氏名】久場 一生
【氏名】橋本 豊
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| 【要約】 |
【課題】タックフリータイム(オープンタイム)が長く、基材に塗布した後、従来よりも低い、例えば、50〜60℃程度の再活性温度条件で接着が可能であり、しかも接着強度、耐熱性に優れることを特徴とするポリウレタン樹脂水性分散体、及びそれを用いた接着剤を提供する。
【解決手段】(A)有機ポリイソシアネートと(B)芳香族スルホン酸金属塩基を含有するポリエステルポリオール、(C)水酸基価が10〜350mgKOH/gの脂肪族ポリオール、(D)分子量300以下のポリアミン及び/又はポリオールを用いて得られるポリウレタン樹脂水性分散体であって、(B)のポリエステルポリオールが(B−1)芳香族スルホン酸金属塩基を含有するジカルボン酸もしくはそのエステル誘導体、及び(B−2)分子量300以下のポリオールを用いて得られるポリエステルポリオールであり、(C)の脂肪族ポリオールをポリウレタン樹脂固形分中に55重量%以上含有するポリウレタン樹脂水性分散体であり、該ポリウレタン樹脂水性分散体を含有する水性接着剤である。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 (A)有機ポリイソシアネートと(B)芳香族スルホン酸金属塩基を含有するポリエステルポリオール、(C)水酸基価が10〜350mgKOH/gの脂肪族ポリオール、(D)分子量300以下のポリアミン及び/又はポリオールを用いて得られるポリウレタン樹脂水性分散体であって、(B)のポリエステルポリオールが(B−1)芳香族スルホン酸金属塩基を含有するジカルボン酸もしくはそのエステル誘導体、及び(B−2)分子量300以下のポリオールを用いて得られるポリエステルポリオールであり、(C)の脂肪族ポリオールをポリウレタン樹脂固形分中に55重量%以上含有することを特徴とするポリウレタン樹脂水性分散体。 【請求項2】 (D)の分子内のアミン基と水酸基の官能基数の合計が2以上であり、且つ、分子量300以下のポリアミン及び/又はポリオールを用いて得られる請求項1記載のポリウレタン樹脂水性分散体。 【請求項3】 (B)のポリエステルポリオールが、(B−1)芳香族スルホン酸金属塩基を含有するジカルボン酸もしくはそのエステル誘導体、(B−2)分子量300以下のポリオール、及び(B−3)スルホン酸基を含有しないポリカルボン酸もしくはそのエステル誘導体、及び/又は環状エステルを用いて得られるポリエステルポリオールである請求項1又は2記載のポリウレタン樹脂水性分散体。 【請求項4】 環状エステルが、ε−カプロラクトンである請求項3に記載のポリウレタン樹脂水性分散体。 【請求項5】 ポリウレタン樹脂固形分に対して、スルホン酸金属塩基を50〜700mmol/kg含有する請求項1〜4の何れかに記載のポリウレタン樹脂水性分散体。 【請求項6】 請求項1〜5の何れかに記載のポリウレタン樹脂水性分散体を含有することを特徴とする水性接着剤。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、特に接着剤として使用するのに好適であるポリウレタン樹脂水性分散体、及びそれを用いた接着剤に関するものである。更に詳しくは、タックフリータイム(オープンタイム)が長く、基材に塗布した後、従来よりも低い再活性温度条件で接着が可能であり、しかも接着強度、耐熱性に優れることを特徴とするポリウレタン樹脂水性分散体、及びそれを用いた接着剤に関するものである。 【0002】 【従来の技術】一般に、ゴム、皮革、金属、ポリ塩化ビニル(PVC)等のプラスチック、発泡体、繊維等の各種基材にポリウレタン系水性溶液、分散液を用いて接着する場合、接着強度、耐久性以外に接着剤のタックフリータイム(オープンタイム)が非常に重要である。 【0003】水性分散体の接着剤を塗布した基材を貼り合わせるには、接着剤を基材に塗布した後、水分を除去して接着性能を発現するために、例えば、50〜60℃程度の条件で乾燥する、いわゆる「再活性工程」が必要である。再活性工程から接着剤を塗布した基材を貼り合わせるまでの時間が長すぎると、貼り合わせ時に接着剤表面の粘着性が消失して接着性能が得られないという問題が発生する。また、接着剤のタックフリータイム(オープンタイム)は、塗布および貼り合わせする時の環境温度および基材の表面温度に強く影響を受けるため、環境および基材表面の温度が低い場合にはタックフリータイム(オープンタイム)が短くなる傾向にあり、逆にこれらの温度が高い場合には長くなる傾向にある。 【0004】このため、従来から、靴、ゴム等の種々の接着において、環境温度および基材の表面温度に対して、影響を受けることが少なく、再活性後から貼り合わせまでの時間が十分とれ、タックフリータイム(オープンタイム)の長い、しかも接着強度、耐久性に優れる接着剤の提供が強く要望されていた。 【0005】ポリウレタン樹脂水性分散体の製造方法については、米国特許第3,036,998号公報、米国特許第3,756,992号公報等に記載されており公知である。また、特公昭59−30186号公報には、スルホン酸金属塩基を含有する非晶性のポリエステルポリオールとポリイソシアネート化合物から得られるポリウレタン樹脂が記載されている。該公報では該製造法から得られるポリウレタン樹脂をポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布したものについて密着性、耐水性等の向上が記載されている。しかしながら、該ポリウレタン樹脂水性分散体の接着剤は、芳香族ポリエステルポリオールを主体とするものであり、再活性温度が100℃以上の高温であり、しかも高温での加熱接着が必要であるため、靴、ゴム等の一般の接着、貼り合わせに使用するには接着剤のタックフリータイム(オープンタイム)が短く、熱による基材の損傷の可能性があるため十分な性能を満たしていなかった。 【0006】更に、特許第2894494号公報では、親水基としてカルボキシレート基および/またはスルホネート基を含有するポリイソシアネート重付加物の水性溶液または分散液の製造法が記載されている。該特許では、基材に塗布した接着剤を再活性する場合に低温で処理出来ることが記載されているが、接着剤の塗布作業性に重要であるタックフリータイム(オープンタイム)が短く、しかも接着強度等の接着性能を十分満足していないという問題があった。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的は、タックフリータイム(オープンタイム)が従来タイプの接着剤と比較して長く、例えば、50〜60℃程度の低温での再活性が可能であり、且つ、接着強度、耐熱性に優れるポリウレタン樹脂水性分散体及び該水性分散体を用いてなる接着剤を提供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示す特定のポリウレタン樹脂水性分散体を接着剤として使用することにより、接着剤のタックフリータイムが長く、例えば、50〜60℃程度の低温での再活性が可能であり、且つ、接着強度、耐熱性に優れることを見出し、本発明を完成させるに至った。 【0009】即ち、本発明は、(A)有機ポリイソシアネートと(B)芳香族スルホン酸金属塩基を含有するポリエステルポリオール、(C)水酸基価が10〜350mgKOH/gの脂肪族ポリオール、(D)分子量300以下のポリアミン及び/又はポリオールを用いて得られるポリウレタン樹脂水性分散体であって、(B)のポリエステルポリオールが(B−1)芳香族スルホン酸金属塩基を含有するジカルボン酸もしくはそのエステル誘導体、及び(B−2)分子量300以下のポリオールを用いて得られるポリエステルポリオールであり、(C)の脂肪族ポリオールをポリウレタン樹脂固形分中に55重量%以上含有することを特徴とするポリウレタン樹脂水性分散体であり、【0010】また、ポリウレタン樹脂水性分散体を含有することを特徴とする水性接着剤に関する。 【0011】 【発明の実施の形態】次いで、本発明を実施するにあたり、必要な事項を具体的に以下に述べる。 【0012】本発明のポリウレタン樹脂水性分散体は、(A)有機ポリイソシアネートと(B)芳香族スルホン酸金属塩基を含有するポリエステルポリオール、(C)水酸基価が10〜350mgKOH/gの脂肪族ポリオール、(D)分子量300以下のポリアミン及び/又はポリオールを用いて得られるポリウレタン樹脂水性分散体であって、(B)のポリエステルポリオールが(B−1)芳香族スルホン酸金属塩基を含有するジカルボン酸もしくはそのエステル誘導体、及び(B−2)分子量300以下のポリオールを用いて得られるポリエステルポリオールであり、(C)の脂肪族ポリオールをポリウレタン樹脂固形分中に55重量%以上含有することを特徴とするポリウレタン樹脂水性分散体である。 【0013】本発明のポリウレタン樹脂水性分散体を調製するに際して使用する有機ポリイソシアネート(A)とは、下記一般式[1]で示されるような化合物である。 R(NCO)n 一般式[1] (但し、一般式[1]中のRは任意の有機基、n≧2である。) 【0014】本発明で使用する有機ポリイソシアネート(A)としては、公知のものが何れも使用できるが、その中で特に代表的なものを例示すると、例えば、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,12−ドデカメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,3−ないしは1,4−ジイソシアネート、1−イソシアナト−3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン(別名イソホロンジイソシアネート;IPDI)、ビス−(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタン(別名水添MDI)、2−ないしは4−イソシアナトシクロヘキシル−2’−イソシアナトシクロヘキシルメタン、1,3−ないしは1,4−ビス−(イソシアナトメチル)−シクロヘキサン、ビス−(4−イソシアナト−3−メチルシクロヘキシル)メタン、【0015】1,3−ないしは1,4−α,α,α’α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、2,4−ないしは2,6−ジイソシアナトトルエン、2,2’−、2,4’−ないしは4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン(MDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート、p−ないしはm−フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートまたはジフェニル−4,4’−ジイソシアネートなどが挙げられる。 【0016】これらの内でも、とりわけ機械的強度などの点からは、芳香族ジイソシアネート化合物の使用が望ましく、また、とりわけ耐久性、耐光性などの点からは、脂肪族ないしは脂環族ジイソシアネート化合物の使用が望ましい。 【0017】また、接着性を阻害しない範囲で2官能を越えるポリイソシアネート化合物を併用しても構わない。 【0018】本発明において、ポリウレタン樹脂固形分に対するイソシアネート含有率は、好ましくは8〜25重量%の範囲である。かかる範囲内であれば、ウレタン分子の凝集力が好適な範囲となり、低温での再活性が良好に行われ、且つ、初期強度の発現が遅延することもなく好ましい。 【0019】本発明で使用する芳香族スルホン酸金属塩基を含有するポリエステルポリオール(B)において、芳香族スルホン酸金属塩基を含有するジカルボン酸もしくはそのエステル誘導体(B−1)とは、Na、K、Li、Ca等の金属イオンを含む5−スルホイソフタル酸、スルホテレフタル酸、4−スルホフタル酸、5[4−スルホフェノキシ]イソフタル酸の如きジカルボン酸もしくはそのエステル誘導体の金属塩が挙げられる。 【0020】また、本発明で使用する分子量300以下のポリオール(B−2)としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル1,3−プロパンジオール等の脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等の脂環族ジオール、ビスフェノールA、ハイドロキノン、ビスヒドロキシエトキシベンゼンおよびそれらのアルキレンオキシド付加体等のジオール、又、多官能成分としてグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等のポリオール等が挙げられる。 【0021】更に、本発明で使用するスルホン酸基を含有しないポリカルボン酸もしくはそのエステル誘導体及び/又は環状エステル(B−3)の内の、スルホン酸基を含有しないポリカルボン酸もしくはそのエステル誘導体とは、以下のスルホン酸基を含有しない化合物、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−p,p’−ジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸及びそれらの酸無水物もしくはエステル形成性誘導体、p−ヒドロキシ安息香酸等の芳香族ヒドロキシカルボン酸およびそれらのエステル形成性誘導体等が挙げられる。 【0022】また、脂肪(脂環)族ジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、無水マレイン酸、フマル酸等の脂肪族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸及びそれらの無水物もしくはエステル形成性誘導体が挙げられる。また、多官能成分としてトリメリット酸、ピロメリット酸、シクロヘキサントリカルボン酸等のポリカルボン酸およびそれらの無水物或いはエステル形成性誘導体が挙げられる。 【0023】更に、本発明で使用する(B−3)の内の環状エステルとしては、ε−カプロラクトン、γ−バレロラクトン等が挙げられる。これら環状エステルの中でも、ε−カプロラクトンが好ましい。 【0024】一般的に各種基材に塗布する場合、作業上の点からタックフリータイム(オープンタイム)は3分以上が必要と考えられ、貼り合わせ直後の接着強度が大きく、耐熱性等にも優れていることが要求されている。通常、タックフリータイム(オープンタイム)を長くするように設計されたポリウレタン樹脂水性分散体は、凝集性、結晶性、及び初期の耐熱性が低く、接着強度の低下をもたらすことが多い。 【0025】これに対して、芳香族スルホン酸金属塩基を含有するポリエステルポリオール(B)は、主鎖に芳香環を有するためポリウレタン分子に剛直性を付与するのと同時に立体構造からウレタン分子鎖間の凝集力を一部抑制する性質がある。このため、該芳香族スルホン酸金属塩基を含有するポリエステルポリオールをポリウレタン分子内に導入することにより、接着剤としてのタックフリータイム(オープンタイム)を長くするだけでなく、同時に凝集力と剛直性を付与することが実現できるのである。 【0026】更に、ポリウレタン樹脂には分子量の大きいポリオールから成るソフトセグメントが界面へ局在化する性質を持つ。そのため本発明で必須成分のソフトセグメントであるポリオール中に極性(親水=スルホン酸金属塩)基が存在する場合、塩化ビニル(PVC)や金属の様な極性基材に対する親和性が増し、接着性の向上が期待できる。 【0027】また、本発明で使用する芳香族スルホン酸金属塩基を含有するポリエステルポリオール(B)は、芳香族酸のエステルであるため耐加水分解性にも優れ、従来から水性ウレタン樹脂において問題になっていた貯蔵安定性及び耐久性の改善にも有効である。また、低分子ポリオールを任意に選定し、更に、耐水性の良好なラクトンモノマーを該芳香族スルホン酸金属塩基を含有するポリエステルポリオール(B)中に導入することにより、該ポリウレタン樹脂水性分散体の耐水性、耐熱性、及び凝集力等を任意に調整することが可能である。 【0028】本発明で使用する芳香族スルホン酸金属塩基を含有するポリエステルポリオール(B)の含有率は、親水基であるスルホン酸金属塩基の含有率とも関係しており、ポリウレタン樹脂固形分に対して5〜30重量%の範囲が好ましく、スルホン酸金属塩基の含有率としてはポリウレタン樹脂固形分に対して70〜250mmol/kgとなるように調製することが好ましい。スルホン酸金属塩基の含有率がかかる範囲内であれば、親水基量が好適となり粒子が安定化して粒子の凝集が生ずることはなく、高濃度化も容易で、且つ、耐水性も良好である。 【0029】本発明のポリウレタン樹脂水性分散体を調製するに際して、使用される脂肪族ポリオール(C)としては、ポリエステルポリオールが主体的に使用されるが、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール等、もしくはこれらの単独或いは混合物、共重合物も使用してもよい。 【0030】前記脂肪族ポリエステルポリオールは、公知慣用の種々のポリオール化合物と、公知慣用の種々のポリカルボン酸類と、或いはそれらの諸反応性誘導体とを公知慣用の種々の方法でもって反応させることにより調製される。 【0031】ここでポリオール化合物として特に代表的なものを例示すると、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル1,3−プロパンジオール等の脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等の脂環族ジオール、また多官能成分としてグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等のポリオールが挙げられる。 【0032】一方のジカルボン酸類としては、脂肪族の中で代表的なものを例示すると、例えば、コハク酸、無水コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸等が挙げられる。また、ε−カプロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状ラクトンを付加させたポリエステルポリオールであっても構わない。 【0033】また、本発明で使用出来るポリエーテルポリオールとして特に代表的なものを例示すると、例えば、活性水素原子(反応性水素原子)を有する化合物の存在下にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、テトラヒドロフランまたはエピクロルヒドリンなどのような種々の三員環もしくは四員環のエーテル化合物の単独或いは2種以上の混合物を開環重合して得られる重合体などが挙げられる。ポリエーテルジオールの具体例としては例えば、ポリエチレンポリオール、ポリプロピレンポリオールまたはポリテトラメチレンポリオールなどが挙げられる。また、一部メタノールやブタノール等のモノアルコールにてブロック化されたポリエーテルモノオールについては、高分子量化を阻害しない範囲で使用しても構わない。 【0034】また、本発明で使用出来るポリカーボネートポリオールとして特に代表的なものを例示すると、例えば、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールまたはポリテトラメチレングリコールなどのようなジオール類と、ジメチルカーボネートなどによって代表されるようなジアルキルカーボネート或いはエチレンカーボネートなどによって代表されるような環式カーボネートとの反応生成物などが挙げられる。 【0035】本発明で使用する脂肪族ポリオール(C)の水酸基価は、好ましくは10〜350mgKOH/gの範囲である。尚、ここで云う「水酸基価」とは、試料1gをアセチル化する際に、水酸基と結合した酢酸を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数である。 【0036】本発明では、ポリウレタン樹脂固形分中に脂肪族ポリオール(C)を、好ましくは55重量%以上、より好ましくは55〜85重量%含有することにより、ポリウレタン樹脂水性分散体の中で凝集性と柔軟性等を付与することが出来る。また、ポリウレタン樹脂固形分中の脂肪族ポリオール(C)の含有量が、かかる範囲内であれば、例えば、50〜60℃程度の温度で熱溶融するポリウレタン樹脂成分中のソフトセグメント(脂肪族ポリオール)部位が多くなる為、接着面の再活性化が活発となり、貼り合わせ直後から高い接着性能の発現が可能となる。 【0037】次いで、本発明で使用する、分子量300以下のポリアミン及び/又はポリオール(D)とは、分子内のアミン基と水酸基の官能基数の合計が2以上であり、且つ、分子量300以下のポリアミン及び/又はポリオールである。 【0038】本発明で使用する、官能基数が2以上で、且つ、分子量300以下のポリアミンとして特に代表的なものを例示すると、例えば、1,2−ジアミノエタン、1,2−ないしは1,3−ジアミノプロパン、1,2−ないしは1,3−ないしは1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、ピペラジン、N,N’−ビス−(2−アミノエチル)ピペラジン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチル−シクロヘキサン(イソホロンジアミン)、ビス−(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス−(4−アミノ−3−ブチルシクロヘキシル)メタン、1,2−、1,3−ないしは1,4−ジアミノシクロヘキサンまたは1,3−ジアミノプロパン等のジアミン類、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等のポリアミン、ヒドラジンまたはアジピン酸ジヒドラジドなどのヒドラジン誘導体、更には特公昭49−36693号やカナダ国特許第928,323号に記載されているスルホン酸ジアミン、或いはN−(2−アミノエチル)−2−アミノプロピオン酸ナトリウム等も使用することが出来る。 【0039】また、本発明で使用する、官能基数が2以上で、且つ、分子量300以下のポリオールとしては、芳香族スルホン酸金属塩基を含有するポリエステルポリオール(B)において、前述の分子量300以下のポリオール(B−2)の具体例として記載したものと同様のポリオールが使用出来る。 【0040】更に、本発明で使用する、分子内にアミノ基とアルコール性の水酸基を持ち、官能基数が合計2以上であり、且つ、分子量300以下のアミノアルコールも使用することが出来、そのような化合物としては、例えば、エタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、プロパノールアミン、N−メチルジイソプロパノールアミン、N−エチルジエチレンアミン、N−エチルジイソプロパノールアミン、アミノエチルエタノールアミン、ジエタノールアミン等が挙げられる。 【0041】これら官能基数が2以上で、且つ、分子量300以下のポリアミン及び/又はポリオールを使用することで、ポリウレタン樹脂の凝集力を高め、更に高分子量化による初期耐熱性の向上が可能となる。 【0042】本発明のポリウレタン樹脂水性分散体を調製するに際し使用される有機溶媒として特に代表的なものを例示すると、例えば、ベンゼン、トルエン、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、酢酸メチル、アセトニトリル、クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素、1,2−ジクロルエタン、1,1,2−トリクロルエタン、テトラクロルエチレン、またはN−メチルピロリドンなどが挙げられ、これらの単独または混合溶媒も使用できる。この中でポリウレタン樹脂の溶解性の高い溶媒として特にアセトン、メチルエチルケトンを用いることは好適である。 【0043】本発明のポリウレタン樹脂水性分散体を調製する際に乳化剤を併用することもできる。本発明で使用可能な代表的な乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールエーテル型、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル型、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル型、ポリオキシエチレンラウリルエーテル型、ポリオキシエチレンラウレート型、ポリオキシエチレンアルキルエーテル型、ソルビタン誘導体型、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル型等のノニオン系乳化剤、アルキルベンゼンスルホン酸塩型、ジアルキルサクシネートスルホン酸塩型等のアニオン系乳化剤、カチオン系乳化剤、及び両性イオン系乳化剤が挙げられる。 【0044】これら乳化剤の中でもノニオン系乳化剤、及び/又はアニオン系乳化剤が好適であり、その添加量としては、固形分対比でポリウレタン樹脂に対して、好ましくは10重量%以下である。これら乳化剤を使用する場合、乳化分散工程前のポリウレタン樹脂溶液、あるいはイソシアネート基が残存するプレポリマーに添加した後、乳化分散することが望ましいが、乳化分散工程終了後に添加しても構わない。 【0045】本発明のポリウレタン樹脂水性分散体を調製する際に必要ならばウレタン化触媒を使用することができる。本発明で使用出来るウレタン化触媒としては、例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、またはN−メチルモルホリン等の種々の含窒素化合物、酢酸カリウム、ステアリン酸亜鉛、またはオクチル酸錫等の種々の金属塩、ジブチルチンジラウレート等の種々の有機金属化合物などである。 【0046】本発明のポリウレタン樹脂水性分散体を含有する水性接着剤としては、該ポリウレタン樹脂単独でも構わないが、SBRラテックス樹脂やアクリルエマルジョンに代表されるウレタン樹脂以外の水性分散体を併用してもよく、その場合(ポリウレタン樹脂固形分/全固形分)の比率で、好ましくは1重量%以上、より好ましくは10重量%以上で併用してもよい。 【0047】更に、本発明の接着剤の凝集性を阻害しない範囲で通常の接着剤に使用される副資材および添加剤、例えば、可塑剤、粘着付与剤(ロジン樹脂、ロジンエステル樹脂、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、石油樹脂、クマロン樹脂等)、充填剤、顔料、増粘剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、難燃剤等を使用することも可能である。 【0048】本発明のポリウレタン樹脂水性分散体は、このもの単独でも使用できるが、ポリイソシアネート化合物のような2官能以上のものを架橋剤として使用することもできる。本発明で使用出来る2官能以上の架橋剤としては、例えば、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン(MDI)、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の3量体からなるポリイソシアネート化合物、または該ポリイソシアネート化合物とエチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ポリオキシエチレングリコール、長鎖高級アルコール等の低分子活性水素化合物等からなるイソシアネート基末端の化合物が挙げられる。 【0049】尚、本発明の態様は、上述したように、(A)有機ポリイソシアネートと(B)芳香族スルホン酸金属塩基を含有するポリエステルポリオール、(C)水酸基価が10〜350mgKOH/gの脂肪族ポリオール、(D)分子量300以下のポリアミン及び/又はポリオールを用いて得られるポリウレタン樹脂水性分散体であって、(B)のポリエステルポリオールが(B−1)芳香族スルホン酸金属塩基を含有するジカルボン酸もしくはそのエステル誘導体、及び(B−2)分子量300以下のポリオールを用いて得られるポリエステルポリオールであり、(C)の脂肪族ポリオールをポリウレタン樹脂固形分中に55重量%以上含有することを特徴とするポリウレタン樹脂水性分散体にかかるものである。 【0050】本発明の他の態様の一つとしては、(D)の分子内のアミン基と水酸基の官能基数の合計が2以上であり、且つ、分子量300以下のポリアミン及び/又はポリオールを用いて得られる上記のポリウレタン樹脂水性分散体にかかるものである。 【0051】本発明の他の態様の一つとしては、(B)のポリエステルポリオールが、(B−1)芳香族スルホン酸金属塩基を含有するジカルボン酸もしくはそのエステル誘導体、(B−2)分子量300以下のポリオール、及び(B−3)スルホン酸基を含有しないポリカルボン酸もしくはそのエステル誘導体、及び/又は環状エステルを用いて得られるポリエステルポリオールである上記の各ポリウレタン樹脂水性分散体にかかるものである。 【0052】本発明の他の態様の一つとしては、環状エステルが、ε−カプロラクトンである上記のポリウレタン樹脂水性分散体にかかるものである。 【0053】本発明の他の態様の一つとしては、ポリウレタン樹脂固形分に対して、スルホン酸金属塩基を50〜700mmol/kg含有する上記の各ポリウレタン樹脂水性分散体にかかるものである。 【0054】本発明の他の態様の一つとしては、上記のポリウレタン樹脂水性分散体を含有することを特徴とする水性接着剤にかかるものである。 【0055】 【実施例】以下、本発明を実施例と比較例により、一層、具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。以下において、部および%は、特に断わりのない限り、全て重量基準であるものとする。尚、本発明のポリウレタン樹脂水性分散体の接着剤に関する性能評価方法については以下の通りである。 【0056】[タックフリータイム(オープンタイム)の評価方法]ポリウレタン樹脂水性分散体の接着剤を、刷毛を使用して1mm(厚さ)×20mm(幅)×300mm(長さ)のPVCシートに100g/m2塗布し、50℃で6分間熱風循環乾燥機に入れ再活性する。この乾燥機より取り出した基材表面の接着剤のタックが消失し、接着面同士をゴムローラーで加圧して貼り合わせても接着しなくなる時間を測定し、タックフリータイム(オープンタイム)とした。 【0057】[コンタクト性の評価方法]ポリウレタン樹脂水性分散体の接着剤を塗布したPVCシート同士を貼り合わせた後、1分後に手で接着面を剥離し接着剤の凝集破壊の程度を観察して接着剤同士の食い込み状態からコンタクト性の良否を評価した。尚、表2及び表3の評価基準は、下記に従って行った。 ○;剥離抵抗感が強く、基材両面の接着剤が剥離時に伸びる状態。 △;剥離抵抗感が弱く、基材両面の接着剤が伸びずに剥離する状態。 ×;剥離抵抗感がなく、容易に剥離する状態。 【0058】[初期接着強度の評価方法]タックフリータイム(オープンタイム)の場合と同様にして2枚のPVCシートに各接着剤を100g/m2塗布した。50℃で6分間熱風循環乾燥機に入れ再活性する。この乾燥機より取り出したPVC基材の接着面同士をゴムローラーで加圧して貼り合わせて、貼り合わせしてから2分後の剥離強度をデジタルゲージにて測定した。 【0059】[経時剥離強度の評価方法]初期接着強度の評価方法と同様にして作製した貼り合わせ試験片について、貼り合わせ後2時間、及び1日の剥離強度を引張試験機で測定した。引張速度100mm/分で180度剥離の強度を求めた。 【0060】[耐熱クリープの評価方法]初期接着強度の評価方法と同様にして作製した貼り合わせ試験片について、3日間室温にて養生硬化させた。該試験片に1kgの錘を吊して、70℃で30分間熱風循環乾燥機に入れ、180度のクリープ試験を行った。100mmの標線間を剥離した距離(mm)または錘が落下した時間を測定した。 【0061】《参考例》芳香族スルホン酸金属塩基を含有するポリエステルポリオール(B)の調整方法温度計、窒素ガス導入管、攪拌機を備えた反応容器中で窒素ガスを導入しながら、5−スルホソジウムイソフタル酸ジメチル(DMS)1480部と1,6−ヘキサンジオール1240部、及びジブチル錫オキサイド0.5部を仕込み、塔頂温度が60〜70℃になるように反応容器内温度を180〜190℃で酸価が1mgKOH/g以下になるまでエステル交換反応を行い、次に210℃で2時間反応させることにより水酸基価240mgKOH/g、酸価0.3mgKOH/gのポリエステルポリオール(1)を得た。更に該ポリエステルポリオール(1)にε−カプロラクトン2280部を仕込み、180℃で3時間開環重合反応することにより水酸基価120mgKOH/g、酸価0.3mgKOH/gのポリエステルポリオール(2)を得た。その結果を参考例として表1に示す。 【0062】 【表1】
【0063】《実施例1》ポリエステルポリオール(1) 50部をN−メチル−2−ピロリドン(略称NMP)100部を加え十分攪拌溶解し、イソホロンジイソシアネート(略称IPDI)71部を加えて80℃で2時間反応させた。次いで、メチルエチルケトン(略称MEK)204部を投入し60℃まで冷却後、ヘキサメチレンジイソシアネート(略称HDI)5部と1,4−ブチレングリコールとアジピン酸から成るポリエステルであるブチレンアジペート(水酸基価=56mgKOH/g)を330部加え80℃にて反応を行った。その後、イソシアネート値が0.85%以下になったら、40℃まで冷却し、水460部を加え十分撹拌混合した後、10%ピペラジン水溶液63部(残存イソシアネート基に対しアミン基として95当量%)を加えて乳化分散した。得られた乳化液を脱溶剤し、不揮発分40%の水分散体を得た。 【0064】得られた該水分散体100部にSN−シックナー A−812(サンノプコ(株)社製)を1部添加して増粘した後、水に分散し得るイソシアネート架橋剤CR−60N(大日本インキ化学工業(株)製)5部加えることにより接着剤を調整した。次に、調整した接着剤を2枚のPVCシートに刷毛で100g/m2塗布した後、接着面同士を貼り合わせ、各接着性能の評価を行った。評価結果を表2に示したが、本発明の接着剤は、タックフリータイムが長く、接着強度等に優れるものであった。 【0065】《実施例2》ポリエステルポリオール(2) 30部をメチルエチルケトン60部を加え十分撹拌溶解し、イソホロンジイソシアネート34部及びヘキサメチレンジイソシアネート4部を加えて80℃で3時間反応させた。次いで、メチルエチルケトン95部を投入し60℃まで冷却後、1,4−ブチレングリコール5部と、1,4−ブチレングリコールとアジピン酸から成るポリエステルであるブチレンアジペート(水酸基価=37mgKOH/g)160部を加え80℃にて反応を行った。その後、イソシアネート値が0.79%以下になったら、40℃まで冷却し、水280部を加え十分撹拌混合した後、10%ピペラジン水溶液29.7部(残存イソシアネート基に対しアミン基として95当量%)を加えて乳化分散した。得られた乳化液を脱溶剤し、不揮発分50%の水分散体を得た。 【0066】得られた該水分散体を実施例1と同様にして接着剤を調整した後、接着面同士を貼り合わせ、各接着性能の評価を行った。評価結果を表2に示したが、本発明の接着剤は、タックフリータイムが長く、初期接着強度等に優れるものであった。 【0067】《実施例3》1,4−ブチレングリコールとアジピン酸から成るポリエステルであるブチレンアジペート(水酸基価=37mgKOH/g)160部と1,4−ブチレングリコール5部をメチルエチルケトン60部を加え十分撹拌溶解し、イソホロンジイソシアネート13部及びヘキサメチレンジイソシアネート23.5部を加えて80℃で3時間反応させた。次いで、メチルエチルケトン100部を投入し60℃まで冷却後、ポリエステルポリオール(2) 40部を加え80℃にて反応を行った。その後、イソシアネート値が0.98%以下になったら、40℃まで冷却し、水280部を加え撹拌混合した後、10%ピペラジン水溶液38.5部(残存イソシアネート基に対しアミン基として95当量%)を加えて水性化した。得られた乳化液を脱溶剤し、不揮発分50%の水分散体を得た。 【0068】得られた該水分散体を実施例1と同様にして接着剤を調整した後、接着面同士を貼り合わせ、各接着性能の評価を行った。評価結果を表2に示したが、本発明の接着剤はタックフリータイムが長く、接着強度、耐熱クリープなどに優れるものであった。 【0069】《比較例1》実施例3の10%ピペラジン水溶液を、10%ピペラジンとn−ブチルアミンの混合水溶液(ピペラジン/n−ブチルアミン=9/1アミン当量比)を39.9部(残存イソシアネート基に対しアミン基として95当量%)を使用し鎖伸長した以外は実施例3と同様の合成を行い、不揮発分50%の水分散体を得た。 【0070】得られた該水分散体を実施例1と同様にして接着剤を調整した後、接着面同士を貼り合わせ、各接着性能の評価を行った。評価結果を表2に示したが、コンタクト性、接着強度、耐熱クリープなどに劣るものであった。 【0071】《比較例2》ポリエステルポリオール(2) 100部と1,4−ブチレングリコールとアジピン酸から成るポリエステルであるブチレンアジペート(水酸基価=37mgKOH/g)20部とをメチルエチルケトン100部を加え十分撹拌溶解し、イソホロンジイソシアネート30部を加えて80℃で3時間反応させた。その後、イソシアネート値が0.71%以下になったら、40℃まで冷却し、水450部を加え撹拌混合した後、10%ピペラジン水溶液17.3部(残存イソシアネート基に対しアミン基として95当量%)を加えて水性化した。得られた乳化液を脱溶剤し、不揮発分30%の半透明な水分散体を得た。 【0072】得られた該水分散体を実施例1と同様にして接着剤を調整した後、接着面同士を貼り合わせ、各接着性能の評価を行った。評価結果を表2に示したが、タックフリータイムは長いものの、コンタクト性が無く、時間が経過しても接着強度が増大せず、耐熱クリープにも劣り実用に供するレベルのものが得られなかった。 【0073】《比較例3》1,4−ブチレングリコールとアジピン酸から成るポリエステルであるブチレンアジペート(水酸基価=37mgKOH/g)160部と1,4−ブチレングリコール5部をメチルエチルケトン52部を加え十分撹拌溶解し、イソホロンジイソシアネート13部及びヘキサメチレンジイソシアネート23.5部を加えて80℃で3時間反応させた。次いで、メチルエチルケトン87部を投入し60℃まで冷却後、ポリエステルポリオール(2) 7部を加え80℃にて反応を行った。その後、イソシアネート値が1.99%以下になったら、40℃まで冷却し、水245部を加え撹拌混合した後、10%ピペラジン水溶液67.5部(残存イソシアネート基に対しアミン基として95当量%)を加えて乳化分散したが、安定な粒子が得られず脱溶剤後にゲル化してしまい、実用に供するものではなかった。 【0074】《比較例4》1,4−ブチレングリコールとアジピン酸から成るポリエステルであるブチレンアジペート(水酸基価=37mgKOH/g)160部と1,4−ブチレングリコール6部をメチルエチルケトン70部を加え十分撹拌溶解し、イソホロンジイソシアネート75部を加えて80℃で3時間反応させた。次いで、メチルエチルケトン119部を投入し60℃まで冷却後、ポリエステルポリオール(2) 40部を加え80℃にて反応を行った。その後、イソシアネート値が3.13%以下になったら、40℃まで冷却し、水330部を加え撹拌混合した後、10%ピペラジン水溶液143.3部(残存イソシアネート基に対しアミン基として95当量%)を加えて水性化した。得られた乳化液を脱溶剤し、不揮発分50%の水分散体を得た。 【0075】得られた該水分散体を実施例1と同様にして接着剤を調整した後、接着面同士を貼り合わせ、各接着性能の評価を行った。本品は表3に示したように、コンタクト性、接着強度、耐熱クリープに劣るものであった。 【0076】《比較例5》1,4−ブチレングリコールとアジピン酸から成るポリエステルであるブチレンアジペート(水酸基価=22mgKOH/g)160部をメチルエチルケトン138部を加え十分撹拌溶解し、ヘキサメチレンジイソシアネート12部を加えて80℃で3時間反応させた。次いで、メチルエチルケトン60部を投入し60℃まで冷却後、ポリエステルポリオール(2) 30部を加え80℃にて反応を行った。その後、イソシアネート値が0.16%以下になったら、40℃まで冷却し、水280部を加え撹拌混合した後、10%ピペラジン水溶液6.4部(残存イソシアネート基に対しアミン基として95当量%)を加えて水性化した。得られた乳化液を脱溶剤し、不揮発分50%の水分散体を得た。 【0077】得られた該水分散体を実施例1と同様にして接着剤を調整した後、接着面同士を貼り合わせ、各接着性能の評価を行った。本品は表3に示したように、コンタクト性が無く、接着強度、耐熱クリープに劣るものであった。 【0078】《比較例6》1,4−ブチレングリコールとアジピン酸から成るポリエステルであるブチレンアジペート(水酸基価=56mgKOH/g)360部と1,4−ブチレングリコール2部を80℃で均一溶融した中にイソホロンジイソシアネート15部とヘキサメチレンジイソシアネート30部を加え80℃で4時間撹拌を続けた。次いで、イソシアネート値が0.91%以下になったら温度を50℃まで冷却した後、アセトン800部をゆっくり投入し、そこにN−(2−アミノエチル)−2−アミノエタンスルホン酸水溶液(濃度50%)22.9部(残存イソシアネート基に対しアミン基として90当量%)を添加する。その後、水500部をゆっくり投入して乳化分散を行い、脱溶剤して不揮発分40%の水分散体を得た。 【0079】得られた該水分散体を実施例1と同様にして接着剤を調整した後、接着面同士を貼り合わせ、各接着性能の評価を行った。本品は表3に示したように、タックフリータイムが短く、耐熱クリープに劣るものであった。 【0080】《比較例7》実施例1の1,4−ブチレングリコールとアジピン酸から成るポリエステルであるブチレンアジペート(水酸基価=56mgKOH/g)を、1,4−ブチレングリコールとイソフタル酸から成るポリエステルであるブチレンアジペート(水酸基価=56mgKOH/g)に換えた以外は実施例1と同様の合成を行い、不揮発分50%の水分散体を得た。 【0081】得られた該水分散体を実施例1と同様にして接着剤を調整した後、接着面同士を貼り合わせ、各接着性能の評価を行った。本品は表3に示したように、熱活性温度が高く、貼り合わせ後の接着強度が劣るものであった。 【0082】 【表2】
【0083】 【表3】
【0084】 【表4】
【0085】 【表5】
【0086】 【発明の効果】本発明のポリウレタン樹脂水性分散体は、従来技術においてタックフリータイム(オープンタイム)を長くするように調製すると初期接着強度および経時接着強度が低く、耐熱性等の耐久性が十分でなかった問題を解決し、手作業および工場ラインにおいてタックフリータイム(オープンタイム)を長くすることができ、しかも接着強度、耐久性に優れる接着剤を提供することを可能にするものであり、特に、靴用、フィルム、金属、発泡体、ゴム、繊維、各種プラスチック等の基材に好適である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002886 【氏名又は名称】大日本インキ化学工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年8月27日(2001.8.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100088764 【弁理士】 【氏名又は名称】高橋 勝利
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| 【公開番号】 |
特開2002−201254(P2002−201254A) |
| 【公開日】 |
平成14年7月19日(2002.7.19) |
| 【出願番号】 |
特願2001−256068(P2001−256068) |
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