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【発明の名称】 硬質プラスチックフォームの製造方法
【発明者】 【氏名】太田 高道

【氏名】吉田 勉

【要約】 【課題】HFC−365mfcを発泡剤として用いる場合に、発泡体製造時の雰囲気温度が低い状態においても、正常なフォームが得られる硬質ポリウレタンフォームまたはウレタン変性硬質ポリイソシアヌレートフォームの製造方法を提供する。

【解決手段】活性水素含有化合物とポリイソシアネート化合物とを低沸点ハロゲン化炭化水素系発泡剤の存在下に反応させて、硬質ポリウレタンフォームまたはウレタン変性硬質ポリイソシアヌレートフォームを製造する方法において、発泡剤として、HFC−125及び/又はHFC−143aを0.1〜30重量%とHFC−365mfcを99.9〜70重量%との混合物を用いることを特徴とする硬質ポリウレタンフォームまたはウレタン変性硬質ポリイソシアヌレートフォームの製造方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 イソシアネート基と反応し得る活性水素含有官能基を2個以上有する活性水素含有化合物とポリイソシアネート化合物とを低沸点ハロゲン化炭化水素系発泡剤の存在下に反応させて、硬質ポリウレタンフォームまたはウレタン変性硬質ポリイソシアヌレートフォームを製造する方法において、発泡剤として、HFC−125及び/又はHFC−143aを0.1〜30重量%とHFC−365mfcを99.9〜70重量%との混合物を用いることを特徴とする硬質ポリウレタンフォームまたはウレタン変性硬質ポリイソシアヌレートフォームの製造方法。
【請求項2】 整泡剤、触媒を含有する活性水素含有化合物に発泡剤を2〜50重量%混合し、該混合物をポリイソシアネート化合物と反応させることを特徴とする請求項1に記載の硬質ポリウレタンフォームまたはウレタン変性硬質ポリイソシアヌレートフォームの製造方法。
【請求項3】 発泡剤を含有する反応液の液温を10℃以上として使用することを特徴とする請求項1又は2に記載の硬質ポリウレタンフォームまたはウレタン変性硬質ポリイソシアヌレートフォームの製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は硬質ポリウレタンフォームまたはウレタン変性硬質ポリイソシアヌレートフォームを製造する方法に関するものであり、特に特定の発泡剤を使用することを特徴とする硬質ポリウレタンフォームまたはウレタン変性硬質ポリイソシアヌレートフォームの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】イソシアネート基と反応し得る活性水素含有官能基を2個以上有する活性水素含有化合物とポリイソシアネート化合物とを整泡剤、触媒と発泡剤の存在下に反応させて硬質ポリウレタンフォームまたはウレタン変性硬質ポリイソシアヌレートフォームを製造することは広く行われている。上記硬質ポリウレタンフォームまたはウレタン変性硬質ポリイソシアヌレートフォームを製造するための発泡剤として様々な化合物が知られているが主として1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン(HCFC−141b)が使用されている。また、通常はHCFC−141bとともに水が併用される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】HCFC−141bを発泡剤として用いる場合には、分子中に塩素原子を含有するため、大気層上空のオゾン層に達した後、紫外線の作用で分解され、その分解物がオゾン層を破壊することが近年明らかになっている。この問題を解決するために、発泡剤として1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン(HFC−365mfc)を使用することが提案されている。このハロゲン化炭化水素は分子中に塩素原子を含有していないため、オゾン層を破壊する恐れが少ないと思われる上、沸点がHCFC−141bに近いことから、HCFC−141bに代わる発泡剤として有望視されているものである。
【0004】しかるに、HFC−365mfcを発泡剤として用いる場合は、その発泡剤の沸点が高いことに起因して硬質ポリウレタンフォームまたはウレタン変性硬質ポリイソシアヌレートフォーム製造時の雰囲気温度によっては泡化不足を起こし、正常な発泡体を得ることが難しくなる。本発明は、この硬質ポリウレタンフォームまたはウレタン変性硬質ポリイソシアヌレートフォームの製造時における問題点を解決すべくなされたものであり、特定の発泡剤を用いることにより問題点を解決したものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち、本願の第1発明は、イソシアネート基と反応し得る活性水素含有官能基を2個以上有する活性水素含有化合物とポリイソシアネート化合物とを低沸点ハロゲン化炭化水素系発泡剤の存在下に反応させて、硬質ポリウレタンフォームまたはウレタン変性硬質ポリイソシアヌレートフォームを製造する方法において、発泡剤として、HFC−125及び/又はHFC−143aを0.1〜30重量%とHFC−365mfcを99.9〜70重量%との混合物を用いることを特徴とする硬質ポリウレタンフォームまたはウレタン変性硬質ポリイソシアヌレートフォームの製造方法であり、第2発明は、整泡剤、触媒を含有する活性水素含有化合物に発泡剤を2〜50重量%混合し、該混合物をポリイソシアネート化合物と反応させることを特徴とする第1発明の硬質ポリウレタンフォームまたはウレタン変性硬質ポリイソシアヌレートフォームの製造方法であり、第3発明は、発泡剤を含有する反応液の液温を10℃以上として使用することを特徴とする第1発明または第2発明の硬質ポリウレタンフォームまたはウレタン変性硬質ポリイソシアヌレートフォームの製造方法である。なお、HFC−125は(CHF2 CF3 )の構造式で示されるヒドロフルオロカーボンであり、HFC−143aは(CH3 CF3 )の構造式で示されるヒドロフルオロカーボンであり、HFC−365mfcは(CF3 CH2 CF2 CH3 )の構造式で示されるヒドロフルオロカーボンである。
【0006】以下に本発明を詳しく説明する。HFC−365mfcを発泡剤として用いると、硬質ポリウレタンフォームまたはウレタン変性硬質ポリイソシアヌレートフォーム製造時の雰囲気温度が低い場合には、発泡の立ち上がりが遅くなる傾向が見られる。これは発泡剤の沸点が高いことに起因すると思われる。硬質ポリウレタンフォームまたはウレタン変性硬質ポリイソシアヌレートフォームの製造において、HFC−365mfcのような物理的発泡剤の役割は、活性水素化合物とポリイソシアネート化合物との重合時の反応熱によって発泡剤が気化し、硬質プラスチックの泡化を促すことである。しかし、雰囲気温度が低くなると、反応初期において気化に必要な反応熱が発生するまでにタイムラグが生じ、その間に樹脂化反応が進み、正常な発泡体を得られなくなると考えられる。
【0007】本発明者らは、物理的発泡剤としてのHFC−365mfcに、低沸点ハロゲン化炭化水素発泡剤であるHFC−125及び/又はHFC−143aを併用して、泡化反応を促すことが低雰囲気温度での硬質ポリウレタンフォームまたはウレタン変性硬質ポリイソシアヌレートフォームの製造に効果的であることを見出し、本発明に到った。また、反応液の温度を10℃以上、好ましくは20℃以上とすることで低沸点ハロゲン化炭化水素の効果が顕著に現れることも見出した。
【0008】本発明において、発泡剤の一成分として使用する低沸点ハロゲン化炭化水素発泡剤であるHFC−125及び/又はHFC−143aの混合量は0.1〜30重量%、好ましくは0.2〜15重量%、更に好ましくは0.3〜10重量%である。該混合量が0.1重量%未満であると発泡剤としての泡化効果を発揮することができず、また30重量%を超えると低沸点発泡剤の突沸によってフォームの発泡が阻害される。イソシアネート基と反応し得る活性水素含有官能基を2個以上有する活性水素含有化合物としては、水酸基やアミノ基などの活性水素含有官能基を2個以上有する化合物、又はその化合物の2種以上の混合物が挙げられる。特に、2個以上の水酸基を有する化合物やその混合物、又はそれを主成分とし、さらにポリアミンなどを含む混合物が好ましい。2個以上の水酸基を有する化合物としては、広く使用されているポリオールが好ましい。
【0009】ポリオールとしては、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、多価アルコール、ポリアミン、アルカノールアミンなどが挙げられ、それらポリオールとその他活性水素化合物との併用が好ましい。ポリエーテル系ポリオールとしては、多価アルコール、糖類、アルカノールアミン、ポリアミン、その他のイニシエーターに環状エーテル、特にプロピレンオキサイド、エチレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドを付加して得られるポリエーテル系ポリオールが好ましい。
【0010】ポリエステル系ポリオールとしては、多価アルコール−多価カルボン酸縮合系のポリオールや環状エステル開環重合体系のポリオールなどが挙げられ、多価アルコールとしてはエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどが挙げられる。ポリイソシアネート化合物としては、イソシアネート基を2個以上有する芳香族系、脂環族系および脂肪族系のポリイソシアネート、それらの2種以上の混合物、ならびにそれらを変性して得られる変性ポリイソシアネートが挙げられる。具体的には、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどのポリイソシアネートやそれらのプレポリマー型変性体、ヌレート変性体、ウレア変性体などが挙げられる。
【0011】活性水素化合物とポリイソシアネート化合物を反応させる際には、通常触媒の使用が必要とされる。触媒としては、活性水素含有基とイソシアネート基の反応を促進させる有機スズ化合物などの金属化合物系触媒やトリエチレンジアミンなどの3級アミン触媒が使用される。また、カルボン酸金属塩などのイソシアネート基同士を反応させる多量化触媒が目的に応じて使用される。さらに、良好な気泡を形成するための整泡剤も多くの場合使用される。整泡剤としてはシリコーン系整泡剤が主として挙げられる。その他、任意に使用し得る配合剤としては、例えば充填剤、安定剤、着色剤、難燃剤などが挙げられる。
【0012】これら原料を使用し、硬質ポリウレタンフォーム、硬質ウレタン変性イソシアヌレートフォームが得られる。本発明は、特にハロゲン化炭化水素系発泡剤の使用量の多い分野である硬質ポリウレタンフォーム、ウレタン変性硬質ポリイソシアヌレートフォームの製造において特に有用である。以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0013】
【実施例】硬質ポリウレタンフォームにおける本発明による発泡剤の評価を実施例及び比較例を用いて行った。使用したポリオールは下記の通りである。
ポリオールA:トリエタノールアミンにプロピレンオキサイドを反応させた水酸基価400のポリオールポリオールB:シュークローズにプロピレンオキサイドを反応させた水酸基価450のポリオールまた、発泡状態の評価は、次の評価基準に従って行った。
○ :泡化が良く、フォームの立ち上がりが良い○△:泡化が良く、僅かにフォームの立ち上がりが遅れる△ :泡化に時間がかかり、フォームの立ち上がりが遅れる△×:泡化に時間がかかり、フォームの立ち上がりが遅い【0014】
【実施例1】ポリオールA:50重量部とポリオールB:50重量部との混合物に対して、シリコーン系整泡剤:2重量部、水:1重量部、触媒としてトリエチレンジアミンのDPG溶液:1重量部及び発泡剤として表−1に示す発泡剤を混合した反応液とポリメチレンポリフェニルイソシアネート(通称:クルードMDI)を所定の液温で混合し、雰囲気温度10℃で200mm×200mm×100mmの木製ボックスに投入し、発泡させて発泡体を得た。得られた発泡体の評価結果を表−1に示す。
【0015】
【実施例2】発泡剤を表−1に示す如くに替えた以外は実施例1と同様にして発泡体を得た。得られた結果を表−1に示す。
【比較例1】発泡剤を表−1に示す如くに替えた以外は実施例1と同様にして発泡体を得た。得られた結果を表−1に示す。
【0016】
【表1】

【0017】
【発明の効果】本発明により、雰囲気温度が低い状態においても、正常な硬質ポリウレタンフォームまたはウレタン変性硬質ポリイソシアヌレートフォームを製造することが出来た。
【出願人】 【識別番号】592158866
【氏名又は名称】日本パフテム株式会社
【出願日】 平成12年12月28日(2000.12.28)
【代理人】 【識別番号】100103436
【弁理士】
【氏名又は名称】武井 英夫 (外1名)
【公開番号】 特開2002−201248(P2002−201248A)
【公開日】 平成14年7月19日(2002.7.19)
【出願番号】 特願2000−401744(P2000−401744)