トップ :: C 化学 冶金 :: C08 有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物




【発明の名称】 ヘテロ環状化合物の開環重合用金属触媒
【発明者】 【氏名】高嶋 陽子

【氏名】佐竹 宗一

【要約】 【課題】ヘテロ環状化合物の開環重合体の末端ヘテロ原子団基の1級化率が75%を越えるヘテロ環状化合物の開環重合用金属触媒を提供する。

【解決手段】配位子と金属原子とからなる金属触媒において、次に定義する全ての最大角度(D)のうち、最も小さい最大角度(Dm)が60度以下であることを特徴とするヘテロ環状化合物の開環重合用金属触媒を用いる。最大角度(D)とは、配位子と金属原子とからなる金属触媒において、反応基質(S)によって置換されない配位原子であって金属原子(M)と直接結合する配位原子のうち3つの配位原子の中心をそれぞれ通る仮想平面(P)に直交しかつ金属原子の中心を通る仮想線(X)と、配位中の非配位原子の中心及び金属原子の中心を結ぶ仮想線(Y)とがとりうる最大の角度を意味し、非配位原子の数だけ存在する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 配位子と金属原子とからなる金属触媒において、次に定義する全ての最大角度(D)のうち、最も小さい最大角度(Dm)が60度以下であることを特徴とするヘテロ環状化合物の開環重合用金属触媒。最大角度(D)とは、配位子と金属原子とからなる金属触媒において、反応基質(S)によって置換されない配位原子であって金属原子(M)と直接結合する配位原子のうち3つの配位原子の中心をそれぞれ通る仮想平面(P)に直交しかつ金属原子の中心を通る仮想線(X)と、配位中の非配位原子の中心及び金属原子の中心を結ぶ仮想線(Y)とがとりうる最大の角度を意味し、非配位原子の数(仮想線(Y)の本数)だけ存在する。
【請求項2】 金属原子の電気陰性度が8〜16である請求項1記載の金属触媒。
【請求項3】 3又は6配位構造からなる請求項1又は2記載の金属触媒。
【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の金属触媒の存在下に一般式(1)で表されるヘテロ環状化合物(S)を開環重合させてなる、一級化率が75%以上の開環重合体。
【化1】

一般式(1)中、Rは、炭素数3〜12のアルキレン基を表し、アルキレン基中の水素原子の一部がハロゲン原子及び/又は炭化水素基で置換されていてもよい。Qは、−O−、−S−、−NH−、−OCOO−、−SCOO−、−OCSO−、−OCOS−、−OCSS−、−SCSS−、−SCSO−、−SCOS−、−COO−、−CSO−、−COS−、−CSS−、−CONH−及び−N=C(−R’)−O−からなる群から選ばれる2価の有機基(式中R’は、炭素数1〜12のアルキル基、アルキル基で置換されてもよい炭素数5〜15のシクロアルキル基又はハロゲン原子で置換されてもよい炭素数1〜12のアリール基を表す)を表す。
【請求項5】 請求項4記載の開環重合体に、エチレンオキシドを開環重合させて得られる構造を有し、小田法による親水性−疎水性バランス(HLB)値が4〜7であり、かつ全水酸基に占める1級水酸基の割合が80%以上である開環重合体。
【請求項6】 請求項1〜3のいずれかに記載の金属触媒の存在下に一般式(1)で表されるヘテロ環状化合物(S)及び/又はエチレンオキシドを開環重合させてなる開環重合体の製造方法。
【化2】

一般式(1)中、Rは、炭素数3〜12のアルキレン基を表し、アルキレン基中の水素原子の一部がハロゲン原子及び/又は炭化水素基で置換されていてもよい。Qは、−O−、−S−、−NH−、−OCOO−、−SCOO−、−OCSO−、−OCOS−、−OCSS−、−SCSS−、−SCSO−、−SCOS−、−COO−、−CSO−、−COS−、−CSS−、−CONH−及び−N=C(−R’)−O−からなる群から選ばれる2価の有機基(式中R’は、炭素数1〜12のアルキル基、アルキル基で置換されてもよい炭素数5〜15のシクロアルキル基又はハロゲン原子で置換されてもよい炭素数1〜12のアリール基を表す)を表す。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヘテロ環状化合物の開環重合用金属触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】ヘテロ環状化合物を開環重合させて得られる重合体の末端ヘテロ原子団基(特に末端水酸基)の1級化率を向上させる触媒として、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリス(ペンタフルオロフェニル)アルミニウム、トリ(t−ブチル)ボラン及びトリ(t−ブチル)アルミニウムが知られている(特許第03070632号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの触媒を用いても1級化率が70%程度の重合体しか得られず、そのため、例えばウレタンフォーム用原料としてそのまま使用した場合、イソシアネートとの反応性が不十分であった。すなわち、本発明の目的は、ヘテロ環状化合物の開環重合体の末端ヘテロ原子団基(特に末端水酸基)の1級化率が75%を越えることを可能にするヘテロ環状化合物開環重合用金属触媒を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、特定の立体構造を有する金属触媒を用いることにより末端ヘテロ原子団基の1級化率が向上することを見いだし本発明に到達した。すなわち、本発明のヘテロ環状化合物の開環重合用金属触媒の特徴は、配位子と金属原子とからなる金属触媒において、次に定義する全ての最大角度(D)のうち、最も小さい最大角度(Dm)が60度以下である点にある。最大角度(D)とは、配位子と金属原子とからなる金属触媒において、反応基質(S)によって置換されない配位原子であって金属原子(M)と直接結合する配位原子のうち3つの配位原子の中心をそれぞれ通る仮想平面(P)に直交しかつ金属原子の中心を通る仮想線(X)と、配位子の非配位原子の中心及び金属原子の中心を結ぶ仮想線(Y)とがとりうる最大の角度を意味し、非配位原子の数(仮想線(Y)の本数)だけ存在する。
【0005】
【発明の実施の形態】まず、最大角度(D)について説明する。最大角度(D)とは、仮想線(X)と仮想線(Y)とがとりうる最大の角度を意味し、配位子中の原子のうち金属原子に直接配位する原子(配位原子)を除いた全ての原子(非配位原子)の数(仮想線(Y)の本数)だけ存在するものである。
【0006】仮想線(X)は、仮想平面(P)に直交し、かつ金属原子の中心を通ると仮想した場合の線であり、この仮想線(X)において、金属原子を挟んで仮想平面(P)と反対側の方向(仮想平面(P)中に金属原子の中心が存在する場合は仮想平面(P)を挟んでいずれか一方)に反応基質(S)が接近してくる方向が存在すること意味する。すなわち、この方向に金属原子の空軌道が存在するか、反応基質(S)と置換可能な配位原子が存在する。なお、このような空軌道又は置換可能な配位原子は必ずしも仮想線(X)線上に存在する必要はなく、仮想平面(P)と平行でありかつ金属原子の中心を通る仮想平面(P’)を挟んで仮想平面(P)と反対側(仮想平面(P)中に金属原子の中心が存在する場合は仮想平面(P)を挟んでいずれか一方)に空軌道又は置換可能な配位原子が存在すればよい。
【0007】仮想平面(P)は、反応基質(S)であるヘテロ環状化合物によって置換されない配位原子であって金属原子(M)と直接結合する配位原子のうち3つの配位原子の中心をそれぞれ通ると仮想した平面である。ヘテロ環状化合物(S)によって置換される原子とは、ヘテロ環状化合物によって置換されうる配位原子のことであり、例えば、ハロゲン原子、水素原子及びシアノ基中の炭素原子(シアノ基として置換される。)等が挙げられる。この配位原子が3つ以上存在する場合は、すべての仮想平面(P’)について最大角度(D’)を求め、それぞれの仮想平面(P’)について最も小さい最大角度(Dm’)を求める。これらの最も小さい最大角度(Dm’)がより大きくなる任意の3つの原子を選択してその原子の中心を通る平面を仮想平面(P)、その最も小さい最大角度(Dm’)を最も小さい最大角度(Dm)とする。3配位、平面4配位、四面体4配位の場合の仮想平面(P)について模式的に表した図2を用いて説明すると、反応基質(S)によって置換される配位原子(○白丸)を除いた3つの配位原子(●黒丸)の中心をそれぞれ通る平面(斜線部分)が仮想平面(P)である。
【0008】仮想線(Y)は、配位子中の非配位原子の中心と金属原子(M)の中心を通る仮想の線であり、非配位原子の数以上存在する。すなわち、非配位原子が自由回転をし得る場合、その非配位原子について仮想線(Y)は無限に存在する。
【0009】とりうる最大の角度とは、配位子中の自由回転可能な基が回転した際に、最も大きくなる場合の角度を意味する。とりうる最大の角度について、金属原子(M)にp−メチルフェニル基が配位した触媒の一部を模式的に表した図1を用いてさらに説明する。例えば、メチル基中の1つの水素原子について説明すると、メチル基はベンゼン環のパラ位の炭素原子とメチル炭素原子との間で自由回転しうるので、金属原子(M)とメチル基中の水素原子とを結ぶ仮想線は無数に存在するが(例えば、M−H1、M−H2、M−H3)、これらのうち、仮想線(X)と仮想線Y1(M−H1)との角度がこのメチル基中の水素原子についての最大角度(D)となる。
【0010】本発明において、金属触媒の最も小さい最大角度(Dm)は60度以下であり、好ましくは40〜60度、さらに好ましくは42〜59度、特に好ましくは43〜56度、さらに特に好ましくは44〜53度、最も好ましくは45〜50である。この範囲を超える場合は、反応場が広くなり末端へテロ原子団基の1級化率が向上しにくい傾向がある。なお、最も小さい最大角(Dm)は、分子動力学法計算(MM2)により求めることができる(計算化学ガイドブック、T.クラーク著、丸善;生物工学基礎コース計算機化学入門、櫻井実・猪飼篤著、丸善)。
【0011】本発明の金属原子(M)としては、ヘテロ環状化合物の開環重合用に使用できるものであれば特に制限なく使用でき、例えば、元素の周期律表の3〜15属の金属等(本発明では一般に金属に分類されない元素も便宜的に金属として扱う。)が使用できる。3属金属としては、例えば、スカンジウム(Sc)及びイットリウム(Y)の他に、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)及びサマリウム(Sm)等のランタノイド並びにトリウム(Th)、プロタチニウム(Pa)及びウラニウム(U)等のアクチノイドが用いられる。
【0012】4族の金属としては、例えば、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)及びハフニウム(Hf)等が用いられる。5族の金属としては、例えば、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)及びタンタル(Ta)等が用いられる。6族の金属としては、例えば、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)及びタングステン(W)等が用いられる。7族の金属としては、例えば、マンガン(Mn)、テクネチウム(Tc)及びレニウム(Re)等が用いられる。8族の金属としては、例えば、鉄(Fe)、ルテニウム(Ru)及びオスミウム(Os)等が用いられる。
【0013】9族の金属としては、例えば、コバルト(Co)、ロジウム(Rh)及びイリジウム(Ir)等が用いられる。10族の金属としては、例えば、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)及び白金(Pt)等が用いられる。11族の金属としては、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)及び金(Au)等が用いられる。12族の金属としては、例えば、亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)及び水銀(Hg)が用いられる。13族の金属としては、例えば、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)及びタリウム(Tl)が用いられる。
【0014】14族の金属としては、例えば、スズ(Sn)及び鉛(Pb)等が用いられる。15族の金属としては、例えば、リン(P)、砒素(As)、アンチモン(Sb)及びビスマス(Bi)等が用いられる。これらのうち、3族、4族及び13族の金属が好ましく、さらに好ましくはイットリウム(Y)、サマリウム(Sm)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、ホウ素(B)及びアルミニウム(Al)、特に好ましくはホウ素(B)及びアルミニウム(Al)、最も好ましくはホウ素(B)である。好ましい金属は電気陰性度が8〜16のものである。
【0015】配位子としては、1又は2以上の配位子が金属原子に配位することにより、最も小さい最大角度(Dm)が上記の範囲であれば、有機配位子及び無機配位子の何れの配位子をも使用できる。また、2以上の配位子を使用する場合は、それぞれ同じ配位子でも異なった配位子でもよく、配位子同士がそれぞれ結合していてもよい。
【0016】有機配位子としては、例えば、単座配位子、2座配位子、3座配位子、4座配位子、5座配位子及び6座配位子等が使用できる。単座配位子としては、置換基タイプの配位子(炭化水素基、スルホニル、アルコキシル、アリールオキシ、チオキシ、アルキルカルボニルオキシ及びアミノ等)及び化合物タイプの配位子(ケトン、アルデヒド、アセタール、ラクトン、酸無水物、アルコール、アミド、エーテル、リン化合物、硫黄化合物及び不飽和炭化水素(π電子が配位する)等)が用いられる。炭化水素基としては、例えば、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル及びシクロアルケニル等が挙げられる。
【0017】アルキルとしては、アルコキシ、ニトロ、シアノ、アリール及び/又はハロゲン等(アルコキシ及びアリールは、ニトロ、シアノ及び/又はハロゲン等で置換されてもよい。以下同じである。)で置換されてもよい炭素数1〜34(好ましくは3〜20、さらに好ましくは5〜15)のアルキル等が用いられ、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、sec−ペンチル、ネオペンチル、t−ペンチル、ヘキシル、sec−ヘキシル、ヘプチル、sec−ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、sec−オクチル、ノニル、sec−ノニル、デシル、sec−デシル、ウンデシル、sec−ウンデシル、ドデシル、sec−ドデシル、トリデシル、イソトリデシル、sec−トリデシル、テトラデシル、sec−テトラデシル、ヘキサデシル、sec−ヘキサデシル、ステアリル、エイコシル、ドコシル、テトラコシル、トリアコンチル、2−ブチルオクチル、2−ブチルデシル、2−ヘキシルオクチル、2−ヘキシルデシル、2−オクチルデシル、2−ヘキシルドデシル、2−オクチルドデシル、2−デシルテトラデシル、2−ドデシルヘキサデシル、2−ヘキサデシルオクタデシル、2−テトラデシルオクタデシル、イソステアリル、パーフルオロブチル、パーフルオロエイコシル、エトキシメチル、シクロヘキセニルエチル、ニトロペンチル、シアノドデシル、ベンジル、フェネチル、スチリル、シンナミル、ベンズヒドリル及びトリチル等が挙げられる。
【0018】アルケニルとしては、アルコキシ、ニトロ、シアノ、アリール及び/又はハロゲン等で置換されてもよい炭素数2〜20(好ましくは2〜10、さらに好ましくは2〜8)のアルケニル等が用いられ、例えば、ビニル、プロペニル、ブテニル、イソブテニル、ペンテニル、イソペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、テトラデセニル、オレイル、エイコセニル及びジクロロビニル等が挙げられる。
【0019】アリールとしては、アルキル、アルコキシ、アルケニル、ニトロ、シアノ、アリール及び/又はハロゲン等で置換されてもよい炭素数6〜20(好ましくは6〜15、さらに好ましくは6〜10)のアリール等が用いられ、例えば、フェニル、トリル、キシリル、クメニル、メシチル、エチルフェニル、プロピルフェニル、ブチルフェニル、t−ブチルフェニル、1,3,5−トリメチルフェニル、ペンチルフェニル、ヘキシルフェニル、ヘプチルフェニル、オクチルフェニル、ノニルフェニル、デシルフェニル、ウンデシルフェニル、ドデシルフェニル、フェニルフェニル、ベンジルフェニル、p−クミルフェニル、α−ナフチル、β−ナフチル、ペンタフルオロフェニル、ヘプチルフルオロナフチル、トリフルオロメチルフェニル、トリフルオロメチルナフチル、パーフルオロメチルフェニル、3−メチルテトラフルオロフェニル、p−トリフルオロメチルテトラフルオロフェニル、3,5−ジメチルトリフルオロフェニル、2,4,5−トリフルオロメチルフェニル、3,5−ジ[t−ブチル]フェニル、2,3,5−トリメチルフェニル、インデニル、アズレニル、フルオレニル、フェナントレニル、アントラセニル、アセナフチレニル、ビフェニレニル、ナフタセニル、ピレニル、トリフェニレニル及びパーフルオロ3,4,5−トリプロピルフェニル等が挙げられる。
【0020】シクロアルキルとしては、アルキル、アルコキシ、アルケニル、ニトロ、シアノ、アリール及び/又はハロゲン等で置換されてもよい炭素数5〜20(好ましくは5〜15、さらに好ましくは5〜10)のシクロアルキル等が用いられ、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、メチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、メチルシクロヘプチル、ドデシルシクロへキシル、2,3,4−トリプロピルシクロヘキシル、2−メチルシクロヘキシル、3,5−ジメチルシクロヘキシル、2,4,6−トリメチルシクロヘキシル、メトキシシクロヘキシル、ジクロロシクロペンチル及びパーフルオロシクロヘキシル等が挙げられる。
【0021】シクロアルケニルとしては、アルキル、アルコキシ、アルケニル、ニトロ、シアノ、アリール及び/又はハロゲン等で置換されてもよい炭素数5〜20(好ましくは5〜15、さらに好ましくは5〜10)のシクロアルケニル等が用いられ、例えば、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、メチルシクロペンテニル、メチルシクロヘキセニル、メチルシクロヘプテニル、ドデシルシクロへキセニル、シクロオクテニル、2,3,4−トリメチルシクロヘキセニル及びジクロロシクロペンチル等が挙げられる。
【0022】スルホニルとしては、アルキル、アルコキシ、アルケニル、ニトロ、シアノ、アリール及び/又はハロゲン等で置換されてもよい炭素数1〜20(好ましくは1〜10、さらに好ましくは1〜5)のスルホニル等が用いられ、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、フェニルスルホニル及びトリフルオロメチルスルホニル等が挙げられる。
【0023】アルコキシルとしては、アルキル、アルコキシ、アルケニル、ニトロ、シアノ、アリール及び/又はハロゲン等で置換されてもよい炭素数1〜20(好ましくは1〜15、さらに好ましくは1〜10)のアルコキシル基等が用いられ、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシ、2−エチルヘキシルオキシル、n−オクタデシルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、4−t−ブチルシクロヘキシルオキシ、シクロヘプチルオキシ、シクロオクチルオキシ、シクロヘキシルメトキシ、2−エトキシエトキシ、3−メトキシプロポキシ、3−エトキシプロポキシ、3−n−プロポキシプロポキシ、3−n−ブトキシプロポキシ、3−n−ヘキシルオキシプロポキシ、2−メトキシエトキシエトキシ、2−フェノキシメトキシ、2−フェノキシエトキシ、エイコシルオキシ、3−クロロプロポキシ、2,2,2−トリクロロエトキシ、トリフルオロメトキシ及びパーフルオロデシルオキシ等が挙げられる。
【0024】アリールオキシとしては、アルキル、アルコキシ、アルケニル、ニトロ、シアノ、アリール及び/又はハロゲン等で置換されていてもよい炭素数6〜20(好ましくは6〜15、、さらに好ましくは6〜10)のアリールオキシ等が用いられ、例えば、フェノキシ、クレジルオキシ、2,3,4−トリメチルフェノキシ、2,3,4−トリニトロフェノキシ、p−クロロフェノキシ、ペンタクロロフェノキシ、p−シアノフェノキシ、2,3−キシリルオキシ、p−デシルフェノキシ、p−トリフルオロメチルフェノキシ、ペンタフルオロフェノキシ及びヘプタフルオロナフチルオキシ及び3,4,5,6−テトラプロピルナフチルオキシ等が挙げられる。
【0025】チオキシとしては、アルキル、アルコキシ、アルケニル、シアノ、アリール及び/又はハロゲン等で置換されてもよい炭素数1〜20(好ましくは5〜20、さらに好ましくは5〜10)のチオキシ等が用いられ、例えば、メチルチオキシ、エチルチオキシ、プロピルチオキシ、イソプロピルチオキシ、n−ブチルチオキシ、2−エチルヘキシルチオキシ、アリルチオキシ、ベンジルチオキシ、オクタデシルチオキシ、シクロヘキシルチオキシ及びエイコシルチオキシ等が挙げられる。
【0026】アルキルカルボニルオキシとしては、アルコキシ、アルケニル、シアノ、アリール及び/又はハロゲン等で置換されてもよい炭素数2〜20(好ましくは5〜20、さらに好ましくは5〜10)のアルキルカルボニルオキシ等が用いられ、例えば、酢酸、プロパン酸、カプロン酸、シクロヘキサンカルボン酸、安息香酸、ブロモ酢酸、2−ヒドロキシプロパン酸、ブタン3−オン酸、エイコサン酸、2−ヘキシルドコサン酸、ナフチルヘキサン酸、トリクロロエタン酸、p−ニトロベンジル安息香酸又はシアノ酢酸等から誘導されるアルキルカルボニルオキシが挙げられる。
【0027】アミノとしては、アルキルアミノ及び環状アミノ等が使用できる。アルキルアミノとしては、アルコキシ、アルケニル、ニトロ、シアノ、アリール及び/又はハロゲン等で置換されてもよい炭化水素1〜20(好ましくは1〜10、さらに好ましくは1〜5)のアルキル基を有するアミノ等が用いられ、例えば、メチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルエチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノ、イソブチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、ジテトラデシルアミノ、ジシクロヘキシルアミノ、1−エチルプロピルアミノ、テトラクロロジエチルアミノ、ジエテニルアミノ及びニトロベンジルアミノ等が挙げられる。
【0028】環状アミノとしては、アルキル、アルコキシ、アルケニル、ニトロ、シアノ、アリール及び/又はハロゲン等で置換されてもよい炭素数4〜20(好ましくは4〜15、さらに好ましくは4〜10)のアミノ等が用いられ、例えば、アニリノ、パラクロロアニリノ、o−トルイルアミノ、2,3−キシリノアミノ、3,4−キシリノアミノ、α、α’−ジメチルピローリノ、ジメチルアニリノ、メチルエチルアニリノ、ピリジノ、ベンゾキノリノアミノ、ジフェニルアミノ、メチルフェニルアミノ、エチルフェニルアミノ、3,4−ジペンチルアニリノ、1−ピロリジニル、3−メチル−1−ピペリジニル、1−ピロリル、1−インドリル、1−ピペリジル、1−ピペラジニル、4−メチル−1−ピペラジニル、1−イミダゾリジニル及びモルホリニル等が挙げられる。
【0029】ケトンとしては、アルキル、アルコキシ、アルケニル、ニトロ、シアノ、アリール及び/又はハロゲン等で置換されてもよい炭素数3〜20(好ましくは3〜15、さらに好ましくは3〜10)のケトン等が用いられ、例えば、アセトン、エチルメチルケトン、プロピルメチルケトン、イソプロピルメチルケトン、ブチルメチルケトン、ピナコロン、ジエチルケトン、ブチロン、メチルビニルケトン、メチルヘプタノン、シクロブタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、アセトフェノン、プロピオフェノン、ブチロフェノン、バレロフェノン、ベンゾフェノン、アセトチエノン、2−アセトフロン、エチルオクタデシルケトン、トリクロロメチルエチルケトン、ニトロヘキシルメチルケトン及びシアノブチルエチルケトン等が挙げられる。
【0030】アルデヒドとしては、アルキル、アルコキシ、アルケニル、ニトロ、シアノ、アリール及び/又はハロゲン等で置換されてもよい炭素数1〜20(好ましくは1〜10、さらに好ましくは1〜5)のアルデヒド等が用いられ、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、バレルアルデヒド、イソバレルアルデヒド、ピバリンアルデヒド、カプロンアルデヒド、ヘプトアルデヒド、カプリルアルデヒド、ウンデシルアルデヒド、ラウリルアルデヒド、アクロレイン、クロトンアルデヒド、プロピオールアルデヒド、ベンズアルデヒド、o−トルアルデヒド、m−トルアルデヒド、p−トルアルデヒド、サリチルアルデヒド、シンナムアルデヒド、α−ナフトアルデヒド、β−ナフトアルデヒド、フリフラールアルデヒド、エイコシルアルデヒド、トリクロロプロピオンアルデヒド、ニトロベンジルアルデヒド及びシクロヘキシル3−シアノアルデヒド等が挙げられる。
【0031】アセタールとしては、アルキル、アルコキシ、アルケニル、ニトロ、シアノ、アリール及び/又はハロゲン等で置換されてもよい炭素数3〜20(好ましくは3〜15、さらに好ましくは3〜10)のアセタール等が用いられ、例えば、上で例示した各アルデヒド化合物のジメチルアセタール、メチルエチルアセタール、ジエチルアセタール、ジプロピルアセタール、エチルブチルアセタール、シクロヘキシルブチルアセタール、パークロロジエチルアセタール及びシアノジメチルアセタール等が挙げられる。
【0032】ラクトンとしては、アルキル、アルコキシ、アルケニル、ニトロ、シアノ、アリール及び/又はハロゲン等で置換されてもよい炭素数1〜20(好ましくは1〜15、さらに好ましくは4〜10)のラクトン等が用いられ、例えばブチロラクトン、バレロラクトン、テトラヒドロ−2−フラノン、テトラヒドロ2−ピロン、ベンゾフラノン、パークロロ2−ピロン、フタリド等が挙げられる。酸無水物としては、アルキル、アルコキシ、アルケニル、ニトロ、シアノ、アリール及び/又はハロゲン等で置換されてもよい炭素数1〜20(好ましくは1〜15、さらに好ましくは4〜10)の酸無水物等が用いられ、例えば無水酢酸、無水マロン酸、無水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水ヘキサン酸及び4−ジクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物等が挙げられる。
【0033】アルコールとしては、アルキル、アルコキシ、アルケニル、ニトロ、シアノ、アリール及び/又はハロゲン等で置換されてもよい炭素数1〜20(好ましくは1〜15、さらに好ましくは1〜10)のアルコール等が用いられ、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、n−ヘキサノール、2−エチルヘキサノール、n−オクタデカノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、4−t−ブチルシクロヘキサノール、シクロヘプタノール、シクロオクタノール、シクロヘキシルメタノール、2−エトキシエタノール、3−メトキシプロパノール、3−エトキシプロパノール、3−n−プロポキシプロパノール、3−n−ブトキシプロパノール、3−n−ヘキシルオキシプロパノール、2−メトキシエトキシエタノール、2−フェノキシメタノール、2−フェノキシエタノール、エイコサノール、3−クロロプロパノール、2,2,2−トリクロロエタノール、トリフルオロメタノール及びパーフルオロデカノール等が挙げられる。
【0034】アミドとしては、アルキル、アルコキシ、アルケニル、シアノ、アリール及び/又はハロゲン等で置換されてもよい炭素数1〜20(好ましくは2〜15、さらに好ましくは2〜15)のアミド等が用いられ、例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、N−フェニル−N’−メチル尿素、N,N−ジドデシルホルムアミド、ヘキサン酸アミド及びベンゼンスルホンアミド等が挙げられる。
【0035】エーテル配位子としては、アルキル、アルケニル、シアノ、アリール及び/又はハロゲン等で置換されてもよい炭素数2〜60(好ましくは2〜15、さらに好ましくは2〜10)のエーテル等が用いられ、例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソブチルエーテル、ジn−アミルエーテル、ジイソアミルエーテル、メチルエチルエーテル、メチルプロピルエーテル、メチルイソプロピルエーテル、メチルブチルエーテル、メチルn−アミルエーテル、メチルビニルエーテル、メチルアリルエーテル、メチルビニルエーテル、メチルアリルエーテル、エチルビニルエーテル、エチルアリルエーテル、アニソール、フェネトール、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェニルベンジルエーテル、α−ナフチルメチルエーテル、β−ナフチルメチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ドデシルフェニルエーテル、ドデシルナフチルエーテル、パークロロジメチルエーテル、エチルシクロヘキセニルエーテル、エチルシアニドメチルエーテル、12−4クラウンエーテル、15−4クラウンエーテル、15−5クラウンエーテル、18−6クラウンエーテル、ジベンゾ−18−6クラウンエーテル、ジ(トリフェナントリル)ジノニル−18−6クラウンエーテル及びペルヒドロジベンゾ−18−6クラウンエーテル等が挙げられる。
【0036】リン化合物としては、アルキル、アルコキシ、アルケニル、シアノ、アリール及び/又はハロゲン等で置換されてもよい炭素数1〜20(好ましくは1〜10、さらに好ましくは1〜5)のホスフィン化合物等が用いられ、例えば、メチルホスフィン、エチルホスフィン、ジメチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリメチルホスフィン、トリスペンタフルオロフェニルホスフィン、トリストリフルオロメチルフェニルホスフィン、メトキシフェニルジフェニルホスフィン、トリエチルホスファイト、トリスニトロベンジルホスファイト及びジメチルシアノエチルホスフィン等が挙げられる。
【0037】硫黄化合物としては、チオール、スルフィド、チオアルデヒド、チオケトン及びチオアセタール等が使用できる。チオールとしては、アルキル、アルコキシ、アルケニル、シアノ、アリール及び/又はハロゲン等で置換されてもよい炭素数1〜20(好ましくは5〜20、さらに好ましくは5〜10)のチオール等が用いられ、例えば、メチルチオール、エチルチオール、プロピルチオール、イソプロピルチオール、n−ブチルチオール、2−エチルヘキシルチオール、アリルチオール、ベンジルチオール、オクタデシルチオール、シクロヘキシルチオール及びエイコシルチオール等が挙げられる。
【0038】スルフィドとしては、アルキル、アルコキシ、アルケニル、シアノ、アリール及び/又はハロゲン等で置換されてもよい炭素数2〜20(好ましくは5〜20、さらに好ましくは5〜10)のスルフィド等が用いられ、例えば、ジメチルスルフィド、ジエチルスルフィド、メチルプロピルスルフィド、メチルチオナフタレン、プロピルチオアントラセン、ビス−p−メトキシフェニルスルフィド、パークロロジフェニルスルフィド、シクロペンテニルメチルスルフィド、シアノメチルエチルスルフィド及びビスニトロトルエニルスルフィド等が挙げられる。
【0039】チオアルデヒドとしては、アルキル、アルコキシ、アルケニル、シアノ、アリール及び/又はハロゲン等で置換されてもよい炭素数1〜20(好ましくは1〜10、さらに好ましくは1〜5)のチオアルデヒド等が用いられ、例えば、ホルムチオアルデヒド、アセトチオアルデヒド、プロピオンチオアルデヒド、ブチルチオアルデヒド、イソブチルチオアルデヒド、バレルチオアルデヒド、イソバレルチオアルデヒド、ピバリンチオアルデヒド、カプロンチオアルデヒド、ヘプトチオアルデヒド、カプリルチオアルデヒド、ウンデシルチオアルデヒド、ラウリルチオアルデヒド、チオアクロレイン、クロトンチオアルデヒド、プロピオールチオアルデヒド、ベンズチオアルデヒド、o−トルチオアルデヒド、m−トルチオアルデヒド、p−トルチオアルデヒド、サリチルチオアルデヒド、シンナムチオアルデヒド、α−ナフトチオアルデヒド、β−ナフトチオアルデヒド、フリフラールチオアルデヒド、エイコシルチオアルデヒド、トリクロロプロピオンチオアルデヒド、ニトロベンジルチオアルデヒド及びシクロヘキシル3−シアノチオアルデヒド等が挙げられる。
【0040】チオケトンとしては、アルキル、アルコキシ、アルケニル、ニトロ、シアノ、アリール及びハロゲン等で置換されてもよい炭素数3〜20(好ましくは3〜15、さらに好ましくは3〜10)のケトン等が用いられ、例えば、チオアセトン、エチルメチルチオン、プロピルメチルチオン、イソプロピルメチルチオン、ブチルメチルチオン、チオピナコロン、ジエチルチオン、ブチロチオン、メチルビニルチオン、メチルヘプチルチオン、シクロブタンチオン、シクロペンタンチオン、シクロヘキサンチオン、アセトフェニルチオン、プロピオフェニルチオン、ブチロフェニルチオン、バレロフェニルチオン、ベンゾフェニルチオン、アセトチエチオン、チオ2−アセトフロン、エチルオクタデシルチオン、トリクロロメチルエチルチオン、ニトロヘキシルメチルチオン及びシアノブチルエチルチオン等が挙げられる。
【0041】チオアセタールとしては、アルキル、アルコキシ、アルケニル、ニトロ、シアノ、アリール及び/又はハロゲン等で置換されてもよい炭素数3〜20(好ましくは3〜15、さらに好ましくは3〜10)のチオアセタール等が用いられ、例えば、上で例示した各アルデヒド化合物のジメチルチオアセタール、メチルエチルチオアセタール、ジエチルチオアセタール、ジプロピルチオアセタール、エチルブチルチオアセタール、シクロヘキシルブチルチオアセタール、パークロロジエチルチオアセタール及びシアノジメチルチオアセタール等が挙げられる。
【0042】炭化水素化合物(π電子が配位する)としては、オレフィン及び芳香族炭化水素等が使用できる。オレフィンとしては、アルコキシ、ニトロ、シアノ、アリール及び/又はハロゲン等で置換されてもよい炭素数2〜20(好ましくは2〜10、さらに好ましくは2〜8)のオレフィン等が用いられ、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、イソブテン、ペンテン、イソペンテン、イソペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ウンデセン、ドデセン、テトラデセン、オクタデセン、エイコセン、ジクロロエチレン、ニトロペンテン、3−シアノシクロヘキセン及びシクロペンテン等が挙げられる。
【0043】芳香族炭化水素としては、アルキル、アルコキシ、アルケニル、ニトロ、シアノ及び/又はハロゲン等で置換されてもよい炭素数6〜20(好ましくは6〜15、さらに好ましくは6〜10)の芳香族炭化水素等が用いられ、例えば、ベンゼン、ナフタレン、クロロベンゼン、フェノール、ニトロフェノール、シアノベンゼン、トリプロピルアントラセン、シクロペンタジエン及びシクロオクテン等が挙げられる。
【0044】2座配位子としては、ジカルボニル、ジアミン、アミノ酸、アミン変性体、ジエン、芳香族炭化水素(π電子が配位する)及びジオキシ等が用いられ、この他に配位原子が異なる2座配位子等も用いられる。ジカルボニルとしては、アルキル、アルコキシ、アルケニル、シアノ、アリール及び/又はハロゲン等で置換されてもよい炭素数3〜30(好ましくは3〜15、さらに好ましくは3〜10)のジケトン又はジアルデヒド等が用いられ、例えば、マロンアルデヒド、スクシンアルデヒド、2−フルアルデヒド(フルフラール)、1,2−ナフタレンジカルバルデヒド、アセチルアセトン、ジベンゾイルメタン、ジビバロイルメタン、ヘキサフルオロアセチルアセトン、5,5−ジメチル−1,3−シクロヘキサンジオン、ナフトキノン、アントラキノン及び9,10−フェナントレンキノン等が用いられる。
【0045】ジアミンとしては、アルキル、アルコキシ、アルケニル、シアノ、アリール及び/又はハロゲン等で置換されてもよい炭素数2〜20(好ましくは2〜15、さらに好ましくは2〜10)のジアミン等が用いられ、例えば、フェナントロリン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、o−トリジン、インダゾール、ビピリジル、バソクプロイン、ベンジジン、DABCO、DBM及びDBU等が挙げられる。
【0046】アミノ酸(エステル)としては、アルキル、アルコキシ、アルケニル、ニトロ、シアノ、アリール及び/又はハロゲン等で置換されてもよい炭素数2〜20(好ましくは2〜15、さらに好ましくは2〜10)のアミノ酸(エステル)等が用いられ、置換基タイプの配位子として、又は化合物タイプの配位子として配位できる。置換基タイプの配位子としては、例えば、グリシナト(NH2CH2COO−)、アラニナト、バリナト、ロイシナト及びプロリナト等が挙げられる。化合物タイプの配位子としては、例えば、グルタミン酸、2−アミノ酪酸、アロイソロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、グリシンメチルエステル、アラニンエチルエステル、バリンフェニルエステル、ロイシンメチルエステル、グルタミンシアノメチルエステル及びリシンペンチルエステル等が挙げられる。
【0047】アミン変性体としては、炭素数1〜30のオキシム及びアミンカルボン酸等が用いられる。オキシムとしては、ジメチルグリオキシム、シクロヘキサン−1,2−ジオンジオキシム及びベンジルオキシム等が挙げられる。アミンカルボン酸としては、エチレンジアミンテトラアセタト、イミノジアセタト、ニトリトジアセタト錯体等が挙げられる。
【0048】ジエンとしては、アルコキシ、シアノ、アリール及び/又はハロゲン等で置換されてもよい炭素数4〜20(好ましくは4〜15、さらに好ましくは4〜10)のジエン等が用いられ、例えば、ブタジエン、シクロペンタジエン、ヘキサジエン、オクタジエン、シクロオクタジエン、デカジエン、オクタデカジエン及び3−ノニル6−エチルデカ1,9−ジエン等が挙げられる。
【0049】芳香族炭化水素としては、アルキル、アルコキシ、アルケニル、ニトロ、シアノ、アリール及び/又はハロゲン等で置換されてもよい炭素数6〜20(好ましくは6〜15、さらに好ましくは6〜10)の芳香族炭化水素等が用いられ、例えば、ベンゼン、ナフタレン、クロロベンゼン、フェノール、ニトロフェノール、シアノベンゼン、トリプロピルアントラセン及びシクロペンタシクロオクテン等が挙げられる。
【0050】ジオキシとしては、炭素数2〜20(好ましくは2〜10、さらに好ましくは2〜6)のジオキシ等が用いられ、例えば、エチレングリコキシ、プロピレングリコキシ、ブチレングリコキシ、1,8−オクタンジオキシ、2,8−デカンジオキシ、カテコキシ及び2,18−エイコサンジオキシ等が挙げられる。
【0051】配位原子の異なる2座配位子としては、配位原子が窒素と酸素、窒素と硫黄、又は硫黄と酸素である配位子等が用いられる。配位原子が窒素と酸素である配位子(N−O配位子)としては、炭素数3〜20(好ましくは3〜15、さらに好ましくは3〜10)の環状化合物等が用いられ、例えば、3−キノリン酢酸、N−メチルインデン−2−カルバミド酸、イソキサゾール、フェノキサジン、ベンゾオキサジン、アミノピリジン及びピリドン等が挙げられる。
【0052】配位原子が窒素と硫黄である配位子(N−S配位子)としては、炭素数3〜20(好ましくは3〜15、さらに好ましくは3〜10)の化合物等が用いられ、例えば、2−キノリンチオール、1,3−チアゾール、フェニルピペリジニルスルフィド、アミノチオフェノール、アミノピリジン、ベンゾチアゾリン、4,7−ヒドロエピチオインドール及びジチゾン等が挙げられる。配位原子が硫黄と酸素である配位子(S−O配位子)としては、炭素数3〜20(好ましくは3〜15、さらに好ましくは3〜10)の化合物等が用いられ、例えば、チオホルミル安息香酸、チエノ[2,3−b]フラン及びオキサチオラン等が挙げられる。
【0053】3座配位子としては、トリアミン、トリエン及び芳香族炭化水素(π電子が配位する)等が用いられる。トリアミンとしては、炭素数4〜20(好ましくは4〜15、さらに好ましくは4〜10)のトリアミン等が用いられ、例えば、ジエチレントリアミン、N,N’−ジエチルジエチレントリアミン、N,N’−ジフェニルジエチレントリアミン、スペルミジン、2,2’:6’,2”−テルピリジン及び1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
【0054】トリエンとしては、炭素数6〜20(好ましくは6〜15、さらに好ましくは6〜10)のトリエン等が用いられ、例えば、ヘキサトリエン、オクタトリエン、シクロオクタトリエン及びエイコサトリエン等が挙げられる。
【0055】芳香族炭化水素としては、アルキル、アルコキシ、アルケニル、ニトロ、シアノ、アリール及び/又はハロゲン等で置換されてもよい炭素数6〜20(好ましくは6〜15、さらに好ましくは6〜10)の芳香族炭化水素等が用いられ、例えば、ベンゼン、ナフタレン、クロロベンゼン、フェノール、ニトロフェノール、シアノベンゼン、トリプロピルアントラセン及びシクロペンタシクロオクテン等が挙げられる。
【0056】4座配位子としては、テトラアミン、ポリエーテル及び芳香族炭化水素(π電子が配位する)等が用いられる。テトラアミンとしては、炭素数6〜200(好ましくは10〜100、さらに好ましくは10〜60)のテトラアミン等が用いられ、例えば、サイクラム(1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン)、メソテトラフェニルオクタエチルポルフィリン、メソテトラフェニルポルフィリン、α、β−ナフチルオクタエチルポルフィリン、トリエチレンテトラミン、エチレンジアミン4酢酸(EDTA)、1,1,2,2−テトラメチルエチレンジアミン、メソテトラフェナントリル−1,2,3,4,5,6,7,8−オクタデカンカルボン酸ポルフィリン及びフタロシアニン等が挙げられる。
【0057】ポリエーテルとしては、炭素数8〜60(好ましくは8〜30、さらに好ましくは8〜20)のクラウンエーテル等が用いられ、例えば、12−4クラウンエーテル、15−4クラウンエーテル、15−5クラウンエーテル、18−6クラウンエーテル、ジベンゾ−18−6クラウンエーテル、ジ(トリフェナントリル)ジノニル−18−6クラウンエーテル及びペルヒドロジベンゾ−18−6クラウンエーテル等が挙げられる。
【0058】芳香族炭化水素としては、アルキル、アルコキシ、アルケニル、ニトロ、シアノ、アリール及び/又はハロゲン等で置換されてもよい炭素数6〜20(好ましくは6〜15、さらに好ましくは6〜10)の芳香族炭化水素等が用いられ、例えば、ベンゼン、ナフタレン、クロロベンゼン、フェノール、ニトロフェノール、シアノベンゼン、トリプロピルアントラセン及びシクロペンタシクロオクテン等が挙げられる。
【0059】5又は6座配位子としては、EDTA、テトラエチレンペンタミン、N,N”−ビス(サリチリデン)ジプロピレントリジンビス(セミカルバゾン)、ジベンゾ−18−クラウン−6、18−クラウン−6及びクリプタンド[2,2,2]等が挙げられる。これら有機配位子のうち、炭化水素基及び不飽和炭化水素が好ましく、さらに好ましくはアリール及びジエン、特に好ましくはアルキル、アルコキシ、アルケニル、ニトロ、シアノ、アリール及び/又はハロゲン等で置換されてもよいアリール、並びにアルコキシ、ニトロ、シアノ、アリール及び/又はハロゲン等で置換されてもよいジエン、最も好ましくはアルキル及び/又はハロゲンで置換されたアリール、並びにハロゲンで置換されたジエンである。
【0060】無機配位子としては、特に制限なく公知のものが使用でき、例えば、アンミン(NH3)、アクア(H2O)、シアノ(CN)、カルボニル(CO)、ニトロシル(NO)、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、沃素(I)、ヒドロキシ(HO)、硫酸イオン(SO4)、炭酸イオン(CO3)、リン酸イオン(PO4)、リン酸水素イオン(HPO4)、過塩素酸イオン(ClO4)、ニトロシル(−SCN)、イソシアナト(−CNS)及び硝酸イオン(NO3)等が挙げられる。
【0061】本発明の金属触媒の配位構造としては、2配位、3配位、4配位、5配位及び6配位構造の何れでもよいが、3配位、4配位、5配位及び6配位構造が好ましく、さらに好ましくは3配位、4配位及び6配位構造、特に好ましくは3配位又は6配位構造、最も好ましくは3配位構造である。
【0062】本発明の金属触媒の具体例を以下に示す。なお、カッコ< >内に最も小さい最大角度(Dm)を示す。単座配位子として同種のアリールを含む金属触媒としては、例えば、トリス(2,3,4、5−テトラフルオロトルイル)イットリウム<58.0>、トリス(2,3,4,5−テトラフルオロトルイル)サマリウム<58.0>、テトラキス(2,3,4,5−テトラフルオロトルイル)チタン<53.5>、テトラキス(2,3,4,5−テトラフルオロトルイル)ジルコニウム<53.5>、テトラキス(2,3,4,5−テトラフルオロトルイル)ハフニウム<53.5>、トリス(2,3,4,5−テトラフルオロトルイル)ボラン<58.0>、トリス(2,3,4,5−テトラフルオロトルイル)アルミニウム<58.0>、ペンタキス(2,3,4,5−テトラフルオロトルイル)ホスフィン<40.3>、トリス[2,4,6−トリフルオロ−3,5−ジ(α,α,α−トリフルオロメチル)フェニル]イットリウム<53.8>、トリス[[2,4,6−トリフルオロ−3,5−ジ(α,α,α−トリフルオロメチル)フェニル]サマリウム<53.8>、テトラキス[2,4,6−トリフルオロ−3,5−ジ(α,α,α−トリフルオロメチル)フェニル]チタン<56.0>、テトラキス[2,4,6−トリフルオロ−3,5−ジ(α,α,α−トリフルオロメチル)フェニル]ジルコニウム<56.0>、テトラキス[2,4,6−トリフルオロ−3,5−ジ(α,α,α−トリフルオロメチル)フェニル]ハフニウム<56.0>、ペンタキス[2,4,6−トリフルオロ−3,5−(α,α,α−トリフルオロメチル)フェニル]ホスフィン<50.1>、ペンタキス(2,4−ジメチル−テトラフルオロフェニル)ホスフィン<42.2>、トリス(3−メチルテトラフルオロフェニル)ボラン<58.0>、トリス(3−メチルテトラフルオロフェニル)アルミニウム<58.0>、トリス(o−トリフルオロメチルフェニル)アルミニウム<54.0>、テトラフェニルジクロロホスフィン<53.9>、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ジクロロホスフィン<51.8>、テトラフェニルジシアノホスフィン<52.7>及びテトラフェニルジ沃化アンチモン<52.1>等が挙げられる。
【0063】単座配位子として異種のアリールを含む金属触媒としては、例えば、ビス[2,3,5,6−テトラフルオロ−p−(α,α、α−トリフルオロメチル)フェニル]−t−ブチルイットリウム<56.7>、ビス[2,3,5,6−テトラフルオロ−p−(α,α,α−トリフルオロメチル)フェニル]−t−ブチルサマリウム<56.7>、ビス[2,3,5,6−テトラフルオロ−p−(α,α,α−トリフルオロメチル)フェニル]−t−ブチルチタンクロライド<59.2>、ビス[2,3,5,6−テトラフルオロ−p−(α,α,α−トリフルオロメチル)フェニル]−t−ブチルジルコニウムクロライド<59.2>、ビス[2,3,5,6−テトラフルオロ−p−(α,α、α−トリフルオロメチル)フェニル]−t−ブチルハフニウムクロライド<59.2>、ビス[2,3,5,6−テトラフルオロ−p−(α,α,α−トリフルオロメチル)フェニル]−t−ブチルボラン<56.7>、ビス[2,3,5,6−テトラフルオロ−p−(α,α,α−トリフルオロメチル)フェニル]−t−ブチルアルミニウム<56.7>、トリス[2,3,5,6−テトラフルオロ−p−(α,α,α−トリフルオロメチル)フェニル]−t−ブチルホスフォラスクロライド<56.8>、3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル−[2,4−ジ(トリフルオロメチル)トリフルオロフェニル]−ペンタフルオロフェニルイットリウム<53.4>、3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル−[2,4−ジ(トリフルオロメチル)トリフルオロフェニル]−ペンタフルオロフェニルサマリウム<53.4>、3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル−1,3,5−トリフルオロ[2,4−ジ(α,α,α−トリフルオロメチル)フェニル]−ペンタフルオロフェニルチタン<48.7>、ビス[3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル−1,3,5−トリフルオロ[2,4−ジ(α,α,α−トリフルオロメチル)フェニル]−ペンタフルオロフェニルジルコニウム<48.7>、3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル−1,3,5−トリフルオロ[2,4−ジ(α,α,α−トリフルオロメチル)フェニル]−ペンタフルオロフェニルハフニウム<48.7>、3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル−1,3,5−トリフルオロ[2,4−ジ(α,α,α−トリフルオロメチル)フェニル]−ペンタフルオロフェニルボラン<53.4>、3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル−1,3,5−トリフルオロ[2,4−ジ(α,α,α−トリフルオロメチル)フェニル]−ペンタフルオロフェニルアルミニウム<53.4>及び[3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル−1,3,5−トリフルオロ[2,4−ジ(α,α,α−トリフルオロメチル)フェニル]−トリス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィン<45.1>等が挙げられる。
【0064】単座配位子としてアルキルを含む金属触媒としては、例えば、ビス[3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル]−t−ブチルイットリウム<54.3>、ビス[3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル]−t−ブチルサマリウム<54.3>、ビス[3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル]−ビス(t−ブチル)チタン<51.9>、ビス[3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル]−ビス(t−ブチル)ジルコニウム<51.9>、ビス[3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル]−ビス(t−ブチル)ハフニウム<51.9>、ビス[3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル]−t−ブチルボラン<54.3>、ビス[3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル]−t−ブチルアルミニウム<54.3>及びビス[3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル]−t−ブチルホスフィン<54.3>等が挙げられる。
【0065】単座配位子としてアルケニルを含む金属触媒としては、例えば、ビス[3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル]−シクロヘキセニルイットリウム<58.4>、ビス[3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル]−シクロヘキセニルサマリウム<58.4>、トリス[3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル]−シクロヘキセニルチタン<55.8>、トリス[3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル]−シクロヘキセニルジルコニウム<55.8>、トリス[3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル]シクロヘキセニルハフニウム<55.8>、ビス[3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル]−シクロヘキセニルボラン<58.4>、ビス[3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル]−シクロヘキセニルアルミニウム<58.4>及びビス[3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル]−シクロヘキセニルホスフィン<58.4>等が挙げられる。
【0066】単座配位子としてケトンを含む金属触媒としては、例えば、ビス[3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル]−アセトフェノナトイットリウム<57.6>、ビス[3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル]−アセトフェノナトサマリウム<57.6>、トリス[3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル]−アセトフェノナトチタン<53.6>、トリス[3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル]−アセトフェノナトジルコニウム<53.6>、トリス[3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル]−アセトフェノナトハフニウム<53.6>、ビス[3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル]−アセトフェノナトボラン<57.6>、ビス[3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル]−アセトフェノナトアルミニウム<57.6>及びビス[3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル]−アセトフェノナトホスフィン<57.6>等が挙げられる。
【0067】単座配位子としてアミノを含む金属触媒としては、例えば、ビス[3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル]−モルホリンイットリウム<52.5>、ビス[3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル]−モルホリンサマリウム<52.5>、トリス[3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル]−モルホリンチタン<54.9>、[3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル]−モルホリンジルコニウム<54.9>、トリス[3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル]−モルホリンハフニウム<54.9>、ビス[3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル]−モルホリンボラン<52.5>、ビス[3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル]−モルホリンアルミニウム<52.5>及びビス[3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル]−モルホリンホスフィン<52.5>等が挙げられる。
【0068】単座配位子としてリン化合物を含む金属触媒としては、例えば、ビス[3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル]−トリスフェニルホスホニウムイットリウム<52.5>、ビス[3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル]−トリスフェニルホスホニウムサマリウム<52.5>、トリス[3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル]−トリスフェニルホスホニウムチタン<52.3>、トリス[3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル]−トリスフェニルホスホニウムジルコニウム<52.3>、トリス[3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル]−トリスフェニルホスホニウムハフニウム<52.3>、ビス[3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル]−トリスフェニルホスホニウムボラン<52.5>、ビス[3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル]−トリスフェニルホスホニウムアルミニウム<52.5>及びトリス[3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル]−トリスフェニルホスホニウムホスフィン<52.5>等が挙げられる。
【0069】単座配位子として硫黄化合物を含む金属触媒としては、例えば、ビス[3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル]−ジフェニルスルホキシドイットリウム<58.1>、ビス[3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル]−ジフェニルスルホキシドサマリウム<58.1>、トリス[3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル]−ジフェニルスルホキシドチタン<58.3>、トリス[3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル]−ジフェニルスルホキシドジルコニウム<58.3>、トリス[3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル]−ジフェニルスルホキシドハフニウム<58.3>、ビス[3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル]−ジフェニルスルホキシドボラン<58.1>、ビス[3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル]−ジフェニルスルホキシドアルミニウム<58.1>、ビス[3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル]−ジフェニルスルホキシドホスフィン<58.1>、ビス[3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル]−イットリウム−エイコシルチオラート<59.1>、ビス[3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル]サマリウム−エイコシルチオラート<59.1>、トリス[3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル]チタン−エイコシルチオラート<56.9>、トリス[3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル]ジルコニウム−エイコシルチオラート<56.9>、トリス[3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル]ハフニウム−エイコシルチオラート<56.9>、ビス[3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル]ボラン−エイコシルチオラート<59.1>、ビス[3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル]アルミニウム−エイコシルチオラート<59.1>及びビス[3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル]ホスフィン−エイコシルチオラート<59.1>等が挙げられる。
【0070】単座配位子としてフェノキシを含む金属触媒としては、例えば、ビス[3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル]−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェノキシイットリウム<53.3>、ビス[3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル]−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェノキシサマリウム<53.3>、トリス[3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル]−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェノキシチタン<47.9>、トリス[3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル]−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェノキシジルコニウム<47.9>、トリス[3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル]−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェノキシハフニウム<47.9>、ビス[3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル]−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェノキシボラン<53.3>、ビス[3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル]−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェノキシアルミニウム<53.3>及びビス[3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル]−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェノキシホスフィン<53.3>等が挙げられる。
【0071】単座配位子としてエーテルを含む金属触媒としては、例えば、ビス[3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル]イットリウムβ−ナフチルメチルエーテル錯体<58.1>、ビス[3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル]サマリウムβ−ナフチルメチルエーテル錯体<58.1>、トリス[3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル]チタンβ−ナフチルメチルエーテル錯体<55.3>、トリス[3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル]ジルコニウムβ−ナフチルメチルエーテル錯体<55.3>、ビス[3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル]ハフニウムβ−ナフチルメチルエーテル錯体<55.3>、ビス[3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル]ボランβ−ナフチルメチルエーテル錯体<58.1>、ビス[3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル]アルミニウムβ−ナフチルメチルエーテル錯体<58.1>及びビス[3−(α,α、α、α’,α’,α’,α”,α”,α”−ノナフルオロ−t−ブチル)フェニル]−β−ナフチルメチルエーテルホスフィン<58.1>等が挙げられる。
【0072】2座配位子としてアミン変性体を含む金属触媒としては、例えば、ジメチルグリオキシマト−(2,3,5,6−テトラフルオロトルエニル)イットリウム<59.0>、ジメチルグリオキシマト−(2,3,5,6−テトラフルオロトルエニル)サマリウム<59.0>、ジメチルグリオキシマト−ビス(2,3,5,6−テトラフルオロトルエニル)チタン<58.3>、ジメチルグリオキシマト−ビス(2,3,5,6−テトラフルオロトルエニル)ジルコニウム<58.3>、ジメチルグリオキシマト−ビス(2,3,5,6−テトラフルオロトルエニル)ハフニウム<58.3>、ジメチルグリオキシマト−(2,3,5,6−テトラフルオロトルエニル)ボラン<59.0>、ジメチルグリオキシマト−(2,3,5,6−テトラフルオロトルエニル)アルミニウム<59.0>及びジメチルグリオキシマト−ビス(2,3,5,6−テトラフルオロトルエニル)ホスフィン<59.0>等が挙げられる。
【0073】2座配位子としてジアミンを含む金属触媒としては、例えば、(2,3,5,6−テトラフルオロトルエニル)−ビピリジルイットリウム<58.9>、(2,3,5,6−テトラフルオロトルエニル)−ビピリジルサマリウム<58.9>、ビス(2,3,5,6−テトラフルオロトルエニル)−ビピリジルチタン<54.2>、ビス(2,3,5,6−テトラフルオロトルエニル)−ビピリジルジルコニウム<54.2>、ビス(2,3,5,6−テトラフルオロトルエニル)−ビピリジルハフニウム<54.2>、(2,3,5,6−テトラフルオロトルエニル)−ビピリジルボラン<58.9>、(2,3,5,6−テトラフルオロトルエニル)−ビピリジルアルミニウム<58.9>及びビス(2,3,5,6−テトラフルオロトルエニル)−ビピリジルホスフィン<58.9>等が挙げられる。
【0074】2座配位子としてジエンを含む金属触媒としては、例えば、トリス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)イットリウム<59.1>、トリス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)サマリウム<59.1>、トリス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)クロロチタン<58.3>、トリス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)クロロジルコニウム<58.3>、トリス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)クロロハフニウム<58.3>、トリス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ボラン<59.1>、トリス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)アルミニウム<59.1>、トリス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ホスフィン<59.1>、チタノセンクロライド<52.8>、ジクロロ[R、R’]−エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)チタニウム<53.1>及びトリス(テトラメチルシクロペンタジエニル)サマリウム<52.7>等が挙げられる。
【0075】2座配位子としてジカルボニルを含む金属触媒としては、例えば、アセチルアセトナト−(2,3,5,6−テトラフルオロトルエニル)イットリウム<57.7>、アセチルアセトナト−(2,3,5,6−テトラフルオロトルエニル)サマリウム<57.7>、アセチルアセトナト−ビス(2,3,5,6−テトラフルオロトルエニル)チタン<56.9>、アセチルアセトナト−ビス(2,3,5,6−テトラフルオロトルエニル)ジルコニウム<56.9>、アセチルアセトナト−ビス(2,3,5,6−テトラフルオロトルエニル)ハフニウム<56.9>、アセチルアセトナト−(2,3,5,6−テトラフルオロトルエニル)ボラン<57.7>、アセチルアセトナト−(2,3,5,6−テトラフルオロトルエニル)アルミニウム<57.7>及びアセチルアセトナト−(2,3,5,6−テトラフルオロトルエニル)ホスフィン<57.7>等が挙げられる。
【0076】2座配位子としてジオキシを含む金属触媒としては、例えば(2,3,5,6−テトラフルオロトルエニル)−1,8−オクタンジオキシイットリウム<59.5>、(2,3,5,6−テトラフルオロトルエニル)−1,8−オクタンジオキシサマリウム<59.5>、ビス(2,3,5,6−テトラフルオロトルエニル)−1,8−オクタンジオキシチタン<58.7>、ビス(2,3,5,6−テトラフルオロトルエニル)−1,8−オクタンジオキシジルコニウム<58.7>、(2,3,5,6−テトラフルオロトルエニル)−1,8−オクタンジオキシハフニウム<58.7>、(2,3,5,6−テトラフルオロトルエニル)−1,8−オクタンジオキシボラン<59.5>、(2,3,5,6−テトラフルオロトルエニル)−1,8−オクタンジオキシアルミニウム<59.5>及び(2,3,5,6−テトラフルオロトルエニル)−1,8−オクタンジオキシホスフィン<59.5>等が挙げられる。
【0077】3座配位子としてトリアミンを含む金属触媒としては、例えば、(2,3,5,6−テトラフルオロトルエニル)−(1,3,5−トリアジノ)チタン<53.2>、(2,3,5,6−テトラフルオロトルエニル)−(1,3,5−トリアジノ)ジルコニウム<53.2>、(2,3,5,6−テトラフルオロトルエニル)−(1,3,5−トリアジノ)ハフニウム<53.2>及び(2,3,5,6−テトラフルオロトルエニル)−(1,3,5−トリアジノ)ホスフィン<53.2>等が挙げられる。
【0078】3座配位子としてトリエンを含む金属触媒としては、例えば、(2,3,5,6−テトラフルオロトルエニル)−エイコサトリエニルチタン<50.4>、(2,3,5,6−テトラフルオロトルエニル)−エイコサトリエニルジルコニウム<50.4>及び(2,3,5,6−テトラフルオロトルエニル)−エイコサトリエニルハフニウム<50.4>等が挙げられる。
【0079】4座配位子としてテトラアミンから誘導される配位子を含む金属触媒としては、例えば、α、β−ジナフチルオクタエチルポルフィリノ−ビス(2,3,5,6−テトラフルオロトルエニル)チタン<59.5>、α、β−ジナフチルオクタエチルポルフィリノ−ビス(2,3,5,6−テトラフルオロトルエニル)ジルコニウム<59.5>及びα、β、γ、δ−テトラナフチルオクタエチルポルフィリノ−ビス(2,3,5,6−テトラフルオロトルエニル)ハフニウム<59.5>等が挙げられる。
【0080】4座配位子としてエーテルを含む金属触媒としては、例えば、ビス(2,3,5,6−テトラフルオロトルエニル)チタンジベンゾ−18−6クラウンエーテル錯体<57.9>、ビス(2,3,5,6−テトラフルオロトルエニル)ジルコニウムジベンゾ−18−6クラウンエーテル錯体<57.9>、ビス(2,3,5,6−テトラフルオロトルエニル)ハフニウムジベンゾ−18−6クラウンエーテル錯体<57.9>及び(2,3,5,6−テトラフルオロトルエニル)ホスフィンジベンゾ−18−6クラウンエーテル錯体<57.9>等が挙げられる。
【0081】本発明の金属触媒は公知の合成法により容易に得ることができ、例えば、トリス(3−メチルテトラフルオロフェニル)ホウ素、トリス(3−メチルテトラフルオロフェニル)アルミニウム、トリス(o−トリフルオロメチルフェニル)アルミニウム、テトラフェニルジクロロホスフィン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ジクロロホスフィン、テトラフェニルジクロロホスフィン、テトラフェニルジシアノホスフィン及びテトラフェニルジ沃化アンチモン等は、特開平06−247978号公報、特開平08−253485号公報及び特開平09−295984号公報等に記載のトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランの合成法と同様にして合成できる。すなわち、置換フェニル臭化マグネシウム(置換フェニルグリニャール試薬)とMAn(Mは金属触媒の金属原子、Aは塩素又は臭素等のグリニャール試薬と反応して脱離可能な基、nはAのモル数である。)とを混合することにより所望の金属触媒が得られる。
【0082】また、チタノセンクロライド、ジクロロ[R、R’]−エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)チタニウム及びトリス(テトラメチルシクロペンタジエニル)サマリウム等のシクロペンタジエン等を配位子とするメタロセン化合物は、特開平3−163,088号公報、特開平3−188,092号公報及びD.F.Bari,”Metallocenes ’96”,27(1996)等に記載の合成法と同様にして得ることができる。
【0083】本発明の金属触媒は、弱カチオン、弱アニオン性触媒として、ヘテロ環状化合物の開環重合用触媒に好適である。本発明の金属触媒を用いてヘテロ環状化合物を開環重合する場合に、助触媒として、トリアルキルアルミニウム(例えば、トリエチルアルミニウム及びトリメチルアルミニウム等)及びトリアルキルアミン(例えば、トリエチルアミン等)等の助触媒を使用することができる。本発明の金属触媒の使用量は、反応基質(S)の重量に基づいて、0.001〜10重量%が好ましく、さらに好ましくは0.001〜1.0重量%、特に好ましくは0.005〜0.5重量%である。助触媒を使用する場合、助触媒の使用量は、本発明の金属触媒の重量に基づいて、0.001〜1.0重量%が好ましく、さらに好ましくは0.001〜0.5重量%、特に好ましくは0.005〜0.1重量%である。
【0084】反応基質であるヘテロ環状化合物(S)としては、環を構成する原子の一部にヘテロ原子を有する3〜8員環化合物等が使用できる。ヘテロ原子としては、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケイ素原子、リン原子、砒素原子及びセレン原子等が挙げられる。ヘテロ環状化合物(S)として、例えば、一般式(1)で表される化合物等が用いられる。
【0085】
【化3】

【0086】一般式(1)中、Rは、炭素数3〜12(好ましくは3〜8、さらに好ましくは3〜6)のアルキレン基を表し、アルキレン基中の水素原子の一部がハロゲン原子及び/又は炭素数1〜10(好ましくは1〜5、さらに好ましくは1〜3)の炭化水素基で置換されていてもよい。Qは、−O−、−S−、−NH−、−OCOO−、−SCOO−、−OCSO−、−OCOS−、−OCSS−、−SCSS−、−SCSO−、−SCOS−、−COO−、−CSO−、−COS−、−CSS−、−CONH−及び−N=C(−R’)−O−からなる群から選ばれる2価の有機基(式中R’は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12(好ましくは1〜8、さらに好ましくは1〜5)のアルキル基で置換されてもよい炭素数5〜15(好ましくは5〜10、さらに好ましくは5〜8)のシクロアルキル基又はハロゲン原子で置換されてもよい炭素数6〜12(好ましくは6〜10、さらに好ましくは6〜8)のアリール基を表す。
【0087】炭素数3〜12のアルキレン基としては、例えば、プロピレン、1,1−ジメチルプロピレン、1,2−ブチレン、1,1−ジメチル1,2−ブチレン、3,4−ブチレン、1,2−ジメチル1,4−ブチレン、1,2−ペンチレン、1,2−ヘキシレン、塩化プロピレン及び1,12−ウンデシレン等が挙げられる。炭素数1〜12のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、ブチル、ヘキシル、2−エチルヘキシル、デシル及びウンデシル等が挙げられる。炭素数5〜15のシクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル及び4−ヘキシルシクロへキシル等が挙げられる。
【0088】炭素数6〜12のアリール基としては、例えば、フェニル、4−クロロフェニル、ペンタクロロフェニル、ペンタフルオロフェニル、トリフルオロメチルフェニル、ナフチル及び3,5−メチルナフチル等が挙げられる。一般式(1)で表される化合物としては、例えば、以下の化合物等が例示できる。
(1)環状エーテル(Q:−O−)
プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、3,4−ブチレンオキシド、オキセタン、1,2−ジクロロオキセタン、1,2−ペンチレンオキシド、1,2−ヘキシレンオキシド、テトラヒドロフラン、スチレンオキシド、シクロヘキセンオキシド、エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、メチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル及びフェニルグリシジルエーテル等である。
【0089】(2)環状チオエーテル(Q:−S−)
エチレンサルファイド、プロピレンサルファイド、1,2−ブチレンサルファイド、2,3−ブチレンサルファイド、1,2−ペンテンサルファイド、シクロヘキセンサルファイド、スチレンサルファイド、エピクロロチオサルファイド、エピブロモチオサルファイド、パークロロプロピレンサルファイド及びアリルグリシジルチオサルファイド等である。
(3)環状アミン(Q:−NH−)
エチレンイミン、プロピレンイミン、1,2−ブチレンイミン、2,3−ブチレンイミン、1,2−ペンテンイミン、シクロヘキセンイミン、スチレンイミン、エピクロロイミン、エピブロモイミン、フェニルイミン、トルイルイミン及びアリルグリシジルイミン等である。
【0090】(4)環状カーボネート(Q:−OCOO−)
エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、iso−ブチレンカーボネート、フェニレンカーボネート、ヘキセンカーボネート及び1,2−クロロプロピレンカーボネート等が挙げられる。
(5)チオカーボネート(Q:−OCOS−)
エチレンチオカーボネート、プロピレンチオカーボネート、iso−ブチレンチオカーボネート及び1,2−クロロプロピレンカーボネート等が挙げられる。
(6)ラクトン(Q:−COO−)
ε−カプロラクトン、ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、クロロε−カプロラクトン及びヘプトラクトン等が挙げられる。
(7)チオラクトン(Q:−COS−)
プロピオチオラクトン、ブチルチオラクトン、1−メチル−ブチルチオラクトン、ジクロロプロピルチオラクトン、トリクロロブチルチオラクトン、ペンチルチオラクトン、クロロブチルチオラクトン及びヘキシルチオラクトン等が挙げられる。
【0091】(8)ラクタム(Q:−CONH−)
ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクタム、γ−バレロラクタム、δ−バレロラクタム、ヘプトラクタム、グリコシアミジン、オキシンドール、クロロε−カプロラクタム及びイサチン等である。
(9)環状オキサゾール(Q:−N=C(−R’)−O−)
オキサゾール、メチルオキサゾール、プロピルオキサゾール、ブチルオキサゾール、sec−ブチルオキサゾール、t−ブチルオキサゾール、ペンチルオキサゾール、sec−ペンチルオキサゾール等が挙げられる。これらの環状化合物のうち、環状エーテル、環状チオエーテル、環状アミン及び環状ラクトンが好ましく、さらに好ましくは環状エーテル及び環状チオエーテル、特に好ましくは環状エーテル、最も好ましくは炭素数3〜6の環状エーテルである。
【0092】本発明の金属触媒を用いて、へテロ環状化合物(S)を活性水素含有有機化合物に付加させることもできる。活性水素含有有機化合物は、ヘテロ環状化合物との反応によってヘテロ環状化合物付加体を生成するものであれば制限はないが、例えば、アルコール、チオアルコール、フェノール、チオフェノール、アミン、カルボン酸及びアミド等が用いられる。なお、これら活性水素含有化合物(イニシエーター)にヘテロ環状化合物を付加したものも活性水素が存在する限りイニシエーターとして使用することができる。
【0093】アルコールとして、例えば、1価アルコール、2価アルコール及び3価以上のアルコールが用いられる。1価アルコールとしては、炭素数1〜20(好ましくは1〜15、さらに好ましくは5〜15)のアルコール等が用いられ、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、ブタノール、2−エチルヘキシルアルコール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール及びエイコシルアルコール等が挙げられる。2価アルコールとしては、炭素数2〜20(好ましくは2〜10、さらに好ましくは2〜10)のアルコール等が用いられ、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール及びエイコサンジオール等が挙げられる。
【0094】3価以上のアルコールとしては、炭素数3〜20(好ましくは3〜15、さらに好ましくは3〜10)のアルコール及び重量平均分子量100〜1000の水酸基含有重合体等が用いられ、例えば、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、ペンタグリセリン、トリメチロールプロパン、ジメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビタン、ソルビトール、果糖及びショ糖等が挙げられ、これらの他に重量平均分子量100〜1000のポリビニルアルコール等が挙げられる。チオアルコールとしては、炭素数1〜20(好ましくは1〜15、さらに好ましくは5〜15)のチオアルコール等が用いられ、例えば、メチルメルカプタン、エチルチオアルコール、プロピルチオアルコール、ブチルチオアルコール、ペンチルチオアルコール、ヘキシルチオアルコール、ヘプチルチオアルコール、オクチルチオアルコール、ノニルチオアルコール、ドデシルチオアルコール、イソあプロピルチオアルコール、イソブチルチオアルコール、t−ブチルチオアルコール及びt−オクチルチオアルコール等が挙げられる。
【0095】フェノールとしては、炭素数6〜20(好ましくは6〜15、さらに好ましくは6〜10)のフェノール等が用いられ、例えば、フェノール、ノニルフェノール、オクチルフェノール、ジノニルフェノール、ナフトール、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、ビスフェノールA、トリフェノール、テトラフェノール等が挙げられる。チオフェノールとしては、炭素数6〜20(好ましくは6〜15、さらに好ましくは6〜10)のチオフェノール等が用いられ、例えば、チオフェノール、o−トルイルチオアルコール、p−トルイルチオアルコール、2,3−キシリルチオアルコール、2,4−キシリルチオアルコール、3,4−キシリルチオアルコール、4−エチルチオフェノール及び2−ナフチルチオアルコール等が挙げられる。
【0096】アミンとしては、アンモニア、アルカノールアミン、脂肪族アミン、芳香族アミン及び複素環式アミン等が用いられる。アルカノールアミンとしては、炭素数2〜12(好ましくは2〜8、さらに好ましくは2〜5)のアルカノールアミン等が用いられ、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン及びブタノールアミン等が挙げられる。
【0097】脂肪族アミンとしては、炭素数1〜20(好ましくは1〜10、さらに好ましくは1〜5)のモノアルキルアミン、炭素数2〜20(好ましくは2〜10、さらに好ましくは2〜5)のジアルキルアミン、及び炭素数2〜20(好ましくは2〜10、さらに好ましくは2〜5)のアルキレンポリアミン等が用いられる。モノアルキルアミンとしては、例えば、メチルアミン、エチルアミン、ブチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、オクタデシルアミン及びエイコシルアミン等が挙げられる。ジアルキルアミンとしては、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、メチルエチルアミン、2−エチルヘキシルメチルアミン、メチルオクタデシルアミン及びオクタデシルエチルアミン等が挙げられる。
【0098】アルキレンポリアミンとしては、炭素数2〜20のアルキレンポリアミン等が用いられ、例えば、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、イソホロンジアミン、シクロヘキシレンジアミン、ジエチレントリアミン及びトリエチレンテトラミン等が挙げられる。芳香族アミンとしては、炭素数6〜20(好ましくは6〜15、さらに好ましくは6〜10)のアリールアミン、アリールアルキルアミン及びアリーレンポリアミン等が用いられる。アリールアミンとしては、例えば、アニリン、N−メチルアニリン、o−トルイジン、m−トルイジン、N−エチルトルイジン、p−トルイルアミン、2,3−キシリノアミノ、2,4−キシリノアミン、ジフェニルアミン、メチルフェニルアミン、エチルフェニルアミン、ジ−o−トルイルアミン及びフェニルトルイルアミン等が挙げられる。アリールアルキルアミンとしては、例えば、ベンジルアミン、ベンジルメチルアミン及びo−トルイルメチルアミン等が挙げられる。アリーレンポリアミンとしては、例えば、フェニレンジアミン、ジアミノトルエン、キシリレンジアミン、メチレンジアニリン及びジフェニルエーテルジアミン等が挙げられる。
【099】複素環式アミンとしては、炭素数5〜20の複素環式アミン等が用いられ、例えば、アミノエチルピペラジン等の他に、特公昭55−21044号公報に記載の複素環式アミン等が挙げられる。
【0100】カルボン酸としては、脂肪族カルボン酸及び芳香族カルボン酸等が用いられる。脂肪族カルボン酸としては、モノカルボン酸、ジカルボン酸及びポリカルボン酸等使用できる。モノカルボン酸としては、炭素数1〜20(好ましくは1〜10、さらに好ましくは1〜5)のモノカルボン酸等が用いられ、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、オクタデカン酸及びエイコサン酸等が挙げられる。ジカルボン酸としては、炭素数2〜30(好ましくは2〜15、さらに好ましくは2〜10)のジカルボン酸等が使用でき、例えば、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸及びマレイン酸等が挙げられる。ポリカルボン酸としては、炭素数6〜30(好ましくは6〜20、さらに好ましくは6〜15)のポリカルボン酸等が使用でき、例えば、ヘキサントリカルボン酸、オクタントリカルボン酸、ヘキサンテトラカルボン酸等が挙げられ、これらの他に、重量平均分子量100〜2000のポリ(メタ)アクリル酸、ポリマレイン酸、メタクリル酸/マレイン酸共重合体及びメチルメタクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体等が挙げられる。
【0101】芳香族カルボン酸としては、モノカルボン酸、ジカルボン酸及びポリカルボン酸等使用できる。モノカルボン酸としては、炭素数7〜20(好ましくは7〜15、さらに好ましくは7〜10)のカルボン酸等が用いられ、例えば、安息香酸、4−メチル安息香酸、2,3,4−トリクロロ安息香酸及びナフタレンカルボン酸等が挙げられる。ジカルボン酸としては、炭素数7〜30(好ましくは7〜20、さらに好ましくは7〜15)のジカルボン酸等が用いられ、例えば、フタル酸、テレフタル酸及びトリクロロベンゼンジカルボン酸、m−トルエンジカルボン酸及びナフタレンジカルボン酸等が挙げられる。ポリカルボン酸としては、炭素数7〜30(好ましくは7〜20、さらに好ましくは7〜15)のポリカルボン酸等が用いられ、例えば、トリメリット酸、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸、ベンゼンヘキサカルボン酸及びナフタレンテトラカルボン酸等が挙げられ、これらの他に重量平均分子量150〜2000のポリ(4−カルボキシスチレン)等が挙げられる。
【0102】アミドとしては、炭素数1〜20(好ましくは1〜15、さらに好ましくは1〜10)のアミド等が用いられ、例えば、アセタミド、エチルアミド、プロピルアミド、メチルエチルアミド、ブチルアミド、ベンゾアミド等が挙げられる。
【0103】これら活性水素化合物(イニシエーター)に環状化合物を付加した付加体としては、ポリアルキレングリコール、アルコールアルキレンオキシド付加体、カルボン酸アルキレンオキシド付加体、アミンアルキレンオキシド付加体等が用いられる。ポリアルキレングリコールとしては、重量平均分子量88〜3,000のグリコール等が用いられ、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(オキシエチレン/オキシプロピレン:重量比10/90、ブロック)、ポリオキシエチレンポリオキシブチレングリコール(オキシエチレン/オキシブチレン:重量比50/50、ランダム)等が挙げられる。
【0104】アルコールアルキレンオキシド付加体としては、メタノールポリエチレンオキシド付加体、メタノールポリプロピレンオキシド付加体、エタノールポリエチレンオキシド付加体、エタノールプロピレンオキシド付加体、プロピルアルコールポリエチレンオキシド付加体、プロピルアルコールポリプロピレンオキシド付加体、グリセリンポリエチレンオキシド付加体、グリセリンポリプロピレンオキシド付加体等が挙げられる。カルボン酸アルキレンオキシド付加体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリル酸、蟻酸ポリエチレンオキシド付加体、蟻酸ポリプロピレンオキシド付加体、2−エチルヘキサン酸ポリエチレンオキシド付加体、2−エチルヘキサン酸ポリプロピレンオキシド付加体、シュウ酸ポリエチレンオキシド付加体、シュウ酸ポリプロピレンオキシド付加体等が挙げられる。これらの活性水素化合物は、2種以上併用して使用することもできる。
【0105】本発明の触媒を用いて開環付加反応を行う際に、必要により溶媒を使用することができる。溶媒としては、通常の開環付加反応に使用されるものをそのまま用いることができる。溶媒を使用する場合、溶媒の使用量は、ヘテロ環状化合物(S)の重量に基づいて、10〜80重量%が好ましく、さらに好ましくは30〜60重量%、特に好ましくは40〜50重量%である。反応温度は、0〜100℃が好ましく、さらに好ましくは20〜90℃、特に好ましくは40〜80℃である。反応圧力は、10〜100Paが好ましく、さらに好ましくは20〜80Pa、特に好ましくは20〜50Paである。
【0106】本発明の触媒を用いて開環付加反応する方法としては、通常の開環付加反応と同様の方法で行うことができ、例えば、■ヘテロ環状化合物を、活性水素含有有機化合物、本発明の触媒及び必要により使用する溶媒の混合物(あらかじめ反応温度に調製する)に少しずつ加えて開環付加反応させる方法、■ヘテロ環状化合物、活性水素含有有機化合物、本発明の触媒及び必要により使用する溶媒を一気に混合して、反応温度に調製する方法、■又は■で得た活性水素含有有機化合物をそのまま反応容器内に残し、ヘテロ環状化合物を代えてさらに開環付加反応させる方法等が挙げられる。また、開環付加反応の後、触媒を吸着剤(例えば、活性白土、ゼオライト、合成ゼオライト及びイオン交換樹脂等によって吸着除去、濾過による除去を行ってもよく、鉱酸、有機酸、アミン又は水酸化アルカリ金属等で中和処理してもよい。
【0107】本発明の触媒を用いて製造したヘテロ環状化合物の開環重合体は、末端ヘテロ原子団基の1級化率(75%以上、さらには80%以上)が高く、これを原料として他の原料と反応させる場合にその反応率が高く、所望の物性の製品を得やすいため、特にポリマー分散ポリオール、イソシアネート基末端プレポリマー、ポリウレタン樹脂、ポリオキシアルキレンポリアミン及び該ポリオキシアルキレンポリアミンを原料とするポリウレタンウレア樹脂等の誘導体原料として有益である。ここで、1級化率とは、開環重合体の全末端官能基に占める1級官能基(メチレン基に直接結合した官能基)の割合を意味する。ヘテロ環状化合物としてプロピレンオキシドを例に説明すると、1級化率とは開環重合体の全末端水酸基に占める1級水酸基{−CH(CH3)CH2OH}の割合(モル%)を意味する。末端ヘテロ原子団基の1級化率は、予め試料をエステル化の前処理した後に1H−NMR法により算出できる。すなわち、1H−NMRにより、開環重合体の末端1級ヘテロ原子団基の結合したメチレン基の含有部と、開環重合体の末端2級ヘテロ原子団基の結合したメチン基の含有部との合計部に対する開環重合体の末端1級ヘテロ原子団基の結合したメチレン基の含有部の比率を求め、これを末端ヘテロ原子団基の1級化率とするものである。また、本発明の金属触媒は、反応活性が高く、比較的低温(40〜80℃)で、しかも少量の触媒(30〜100ppm)を用いることで十分に反応し、かつ分子量分布の狭い開環重合体が得られる。
【0108】本発明の開環重合体に、エチレンオキシドを開環重合させることにより、さらに1級官能基(1級水酸基)の割合が80%以上、さらには95%以上となりやすい。また、本発明の開環重合体の末端官能基1個当たり、エチレンオキサイドを1〜10個(好ましくは2〜6個、さらに好ましくは2〜5個)開環重合させることにより、1級水酸基の割合が80%以上、さらには95%以上であり、かつ小田法(界面活性剤の合成と其応用、501頁、槇書店、小田、寺村;新・界面活性剤入門、197頁、藤本武彦、三洋化成工業株式会社発行)による親水性−疎水性バランス(HLB)値が4〜7である開環重合体が得られる。このような構造を有する開環重合体は、例えば、ウレタンフォーム用原料としてそのまま使用した場合イソシアネートとの反応性が極めて高く、かつ湿熱圧縮残留歪みが低い。
【0109】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれに限定されない。以下において、部及び%はそれぞれ重量部及び重量%を示す。
<実施例1>撹拌機能及び温度調節機能の付いたステンレス製オートクレーブに、ポリプロピレングリコール1000部(重量平均分子量1000、1モル部)、本発明の有機金属触媒であるトリス(3−メチルテトラフルオロフェニル)ボラン0.01部を投入し、混合系内を窒素で置換した後、減圧下(約20mmHg)、120℃にて1時間脱水を行った。次いで、プロピレンオキシド290部(5モル部)を60℃にて、ゲージ圧が1〜3kgf/cm2となるように維持しながら導入した後、さらに、60℃で1時間熟成反応させた。反応物に吸着処理剤(商品名:キョーワード1000、協和化学工業株式会社製)を3部投入し、90℃にて触媒を吸着処理後、ろ過によりプロピレンオキサイド開環重合体(I)を得た。1H−NMRによる開環重合体(I)の1級化率を測定した結果、80%であった。
【0110】<実施例2>実施例1で使用したトリス(3−メチルテトラフルオロフェニル)ボランをチタノセンクロライドに変更した以外は、実施例1と同様にしてヘテロ環状化合物開環重合体(II)を得た。1H−NMRによる開環重合体(II)の1級化率は89%であった。
【0111】<実施例3>実施例2で使用したポリプロピレングリコール1000部をジエチレングリコール62.1部(1モル部)に変えた以外は、実施例2と同様にしてヘテロ環状化合物開環重合体(III)を得た。1H−NMRによる開環重合体(III)の1級化率は88%であった。
【0112】<実施例4>実施例1で使用したトリス(3−メチルテトラフルオロフェニル)ボランをテトラキス[2,4−ジ(トリフルオロメチル)トリフルオロフェニル]ホスフィンに変えた以外は、実施例1と同様にしてヘテロ環状化合物開環重合体(IV)を得た。1H−NMRによる開環重合体(IV)の1級化率は95%であった。
【0113】<実施例5>実施例1で使用したプロピレンオキシドを1,2−ブチレンオキシドに変えた以外は、実施例1と同様にしてヘテロ環状化合物開環重合体(V)を得た。1H−NMRによる開環重合体(V)の1級化率は82%であった。
【0114】<比較例1>撹拌機能及び温度調節機能の付いたステンレス製オートクレーブに、ポリプロピレングリコール1000部(重量平均分子量1000,1モル部)、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン0.01部を投入し、混合系内を窒素で置換した後、減圧下(約20mmHg)、120℃にて1時間脱水を行った。次いで、プロピレンオキシド290部(5モル部)を60℃にて、ゲージ圧が1〜3kgf/cm2となるように維持しながら導入した後、さらに、60℃で1時間熟成反応させた。反応物に吸着処理剤(商品名:キョーワード1000、協和化学工業株式会社製)を3部投入し、90℃にて触媒を吸着処理後、ろ過によりヘテロ環状化合物開環重合体(VI)を得た。1H−NMRによる開環重合体(VI)の1級化率は73%であった。
【0115】<比較例2>比較例2で使用したトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランをトリス(t−ブチル)ホウ素0.03部に変えた以外は、比較例1と同様にしてヘテロ環状化合物開環重合体(VII)を得た。1H−NMRによる開環重合体(VII)の1級化率は69%であった。
【0116】<比較例3>比較例1で使用したプロピレンオキシドを1,2−ブチレンオキシドに変更した以外は、比較例1と同様にしてヘテロ環状化合物開環重合体(VIII)を得た。1H−NMRによる開環重合体(VIII)の1級化率は70%であった。
【0117】実施例1〜5及び比較例1〜3で使用した金属触媒、これらの最も小さい最大角度(Dm)、イニシエーター、使用したヘテロ環状化合物及び得られた開環重合体の末端水酸基の1級化率を表1に示した。なお、最も小さい最大角(Dm)は、分子動力学法計算(MM2)により求めた(計算化学ガイドブック、T.クラーク著、丸善;生物工学基礎コース計算機化学入門、櫻井実・猪飼篤著、丸善)。
【0118】<末端水酸基の1級化率の測定方法>試料調製法:測定試料約30mgを直径5mmの1H−NMR用試料管に秤量し、約0.5mlの重水素化溶媒を加え溶解させる。その後、約0.1mlの無水トリフルオロ酢酸を添加し25℃で約5分間放置してトリフルオロ酢酸エステルとして、分析用試料とした。ここで重水素化溶媒とは、重水素化クロロホルム、重水素化トルエン、重水素化ジメチルスルホキシド、重水素化ジメチルホルムアミド等であり、試料を溶解させることのできる溶媒を適宜選択した。
【0119】末端水酸基の1級化率の計算方法:NMR測定:通常の条件で1H−NMR測定を行った。1級水酸基の結合したメチレン基由来の信号は4.3ppm付近に観測され、2級水酸基の結合したメチン基由来の信号は5.2ppm付近に観測されるから、末端水酸基の1級化率を次の計算式により算出する。
{末端水酸基の1級化率(%)}=[a/(a+2×b)]×100a:4.3ppm付近の1級水酸基の結合したメチレン基由来の信号の積分値b:5.2ppm付近の2級水酸基の結合したメチン基由来の信号の積分値【0120】
【表1】

【0121】表中、Mwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる重量平均分子量を表す。触媒量は、ヘテロ環状化合物(S)1g当たりの触媒量(mmol)として表す。
【0122】
【発明の効果】本発明の触媒を用いて製造したヘテロ環状化合物の開環重合体は、末端ヘテロ原子団基の1級化率が極めて高く、これを原料として他の原料と反応させる場合にその反応率が高く、所望の物性の製品を得やすいため、ポリマー分散ポリオール、イソシアネート基末端プレポリマー、ポリウレタン樹脂、ポリウレタンフォーム用原料、ポリオキシアルキレンポリアミンを原料とするポリウレタンウレア樹脂等の誘導体原料として有益である。
【0123】
【出願人】 【識別番号】000002288
【氏名又は名称】三洋化成工業株式会社
【出願日】 平成13年9月27日(2001.9.27)
【代理人】
【公開番号】 特開2002−187951(P2002−187951A)
【公開日】 平成14年7月5日(2002.7.5)
【出願番号】 特願2001−297893(P2001−297893)