| 【発明の名称】 |
分岐化合物 |
| 【発明者】 |
【氏名】川島 美紀
【氏名】田中 洋明
【氏名】中村 稔
【氏名】砂原 建朗
【氏名】栗橋 透
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| 【要約】 |
【課題】溶剤を含まない無溶剤の硬化性樹脂組成物において高分子量で低粘度の分岐化合物を使用することにより、安全性や物性的に問題のある低分子量化合物の配合率を低減せしめ、作業環境の改善に寄与し、なおかつ従来より用いられているロールコーター、ナイフコーターなどの塗工方法、オフセット印刷、グラビア印刷、凸版印刷、スクリーン印刷などの印刷方式で造膜でき、やはり従来ある紫外線、赤外線、電子線、γ線照射等の放射線、特に、電子線、γ線照射等の場合には触媒や開始剤を使用せずに硬化させることができる低粘度で硬化性の分岐化合物を提供することを目的とする。
【解決手段】下記一般式(1)で示される分岐化合物。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 下記一般式(1)で示される分岐化合物。 【化1】
(式中R1は(1−a)または(1−b)で示される有機残基、R2は炭素数2〜22のアルキレン基または−(CsH2sO)t−(sは2〜4の整数、tは1〜25の整数を表す。)で示されるポリアルキレングリコール残基をそれぞれ表す。) 【請求項2】数平均分子量が200〜10000で、粘度100000cps(30℃)以下の液状である請求項1記載の分岐化合物。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、塗料、インキ等の被膜形成材料用または封止剤、成形剤、接着剤、粘着剤用の樹脂として使用することができ、また、熱・放射線硬化型樹脂組成物の硬化剤あるいは反応性希釈剤として使用することができる分岐化合物に関する。更に、本発明は、熱、または放射線硬化型の樹脂として印刷インキ、塗料のビヒクル、または接着剤等として利用することができる分岐化合物に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、塗料、接着剤、粘着剤、インキ、充填剤、成形材料には有機溶剤を含有する樹脂溶液が使われてきた。これらの樹脂溶液は、塗装、充填工程および硬化乾燥工程で大量の有機溶剤を飛散する。地球環境また作業環境への関心の高まりとともに、このような樹脂溶液の使用に対する制限が加えられるようになってきている。その一つの方法として、水溶性樹脂、粉体、ホットメルト等樹脂素材の開発が進められてきた、水系の樹脂組成物は分散媒である水を蒸発させるために多大な熱量を必要とし、更に塗装性を向上する意味から若干の有機溶剤を含むことが多く廃液処理の点からも問題が残っている。また、粉体またはホットメルトの塗装、充填の場合には、従来の塗装、充填設備と方法が大いに異なるために、新規の設備を導入する必要が生まれる。上記の問題を解決するために、樹脂溶液のハイソリッド化、水溶化樹脂の改良等を行われており、こうした努力により、今後樹脂溶液の使用量は低下の傾向がさらに顕著となると考えられる。しかし、根本的な解決策として、公害、安全衛生、引火、爆発等の問題がなく、広範囲に適用でき、且つ塗工、充填の容易な無溶剤型液状樹脂組成物の開発が強く要望されている。 【0003】無溶剤型液状樹脂組成物の代表的なものとしては、放射線硬化性樹脂組成物を挙げることができる。従来の放射線硬化型樹脂組成物は、各種のアクリレート系モノマー等の低粘度単量体、及びウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、またはエステルアクリレート等の反応性オリゴマー、更に必要に応じてその他の樹脂成分等から構成されている。低粘度単量体は主に反応性希釈剤として組成物の粘度を制御する目的で使用されているが、これを多く含有すると硬化時の体積収縮が大きく、硬化塗膜が脆弱であり、また塗膜中の残留モノマーによる臭気等が問題とされていた。そのため反応性希釈剤の使用量軽減や分子量増加等の改良が望まれていた。 【0004】また硬化物の機械的性能を向上させるには多官能の反応性希釈剤、反応性オリゴマー、更には高分子量樹脂素材等の配合が好ましいが、これらの素材は高粘度または固体のものであるため硬化前組成物の流動特性を考慮すると、多量の反応釈剤の配合が必要となりその配合量には限界があった。従って従来の無溶剤型液状樹脂組成物を硬化させていられる硬化物は硬度、強靱性、機械特性、耐薬品性等の硬化物特性に乏しく実用的には溶剤系、水系の樹脂組成物には遙かに及ばない性質であった。塗膜性能を向上させる目的で、多量の高分子量反応性オリゴマーや樹脂素材を配合した放射線硬化型樹脂組成物も開発されているが、塗工可能な粘度まで下げるために低分子量の反応性希釈剤や有機溶剤等を使用しており環境上の改良がなされたとは言い難い現状がある。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、十分な塗膜性能を有し、且つ塗工可能な低粘性を備えた無溶剤型樹脂組成物を得ることを目的とし、比較的高分子量でありながら低粘度である多官能性の液状樹脂を使用することにより安全性や性能面に問題のある低分子量化合物の配合率を低減せしめることを可能にした分岐化合物を提供するものである。また本発明は、従来より用いられているロールコーター、ナイフコーターなどの塗工方法、オフセット印刷、グラビア印刷、凸版印刷、スクリーン印刷などの印刷方式で造膜でき、加熱、紫外線、赤外線、電子線、γ線照射等の従来からあるトリガーにより硬化することができ、特に電子線、γ線照射等の場合には触媒や開始剤を使用せずに硬化させることができる分岐化合物を提供するものである。 【0006】本発明者は上記問題を解決するために様々な樹脂系の構造と粘度との相関性等について鋭意研究を行なった結果、一般的な線状ポリマーより櫛形ポリマー、更には分岐ポリマーとポリマーの分子構造を変化させることにより、高分子量でありながら低粘度であり、且つビニル基等の官能基を数多く導入できることを見いだした。また、分岐化合物として分子中にウレタン結合を有することにより、各種基材、特にこれまでラジエーション硬化系では非常に困難とされていたプラスチック素材に良好な密着性を示すことを見いだした。更に、高分子量でありながら従来の造膜方法で造膜できる粘度範囲内にあり、なおかつ従来からある硬化方法、特に電子線を硬化トリガーとして使用することにより高速度で硬化させることができる新しい液状樹脂である分岐化合物を見いだした。 【0007】 【課題を解決するための手段】即ち本発明は、下記一般式(1)で示される分岐化合物に関する。 【0008】 【化2】
【0009】(式中R1は(1−a)または(1−b)で示される有機残基、R2は炭素数2〜22のアルキレン基または−(CsH2sO)t−(sは2〜4の整数、tは1〜25の整数を表す。)で示されるポリアルキレングリコール残基をそれぞれ表す。) 【0010】更に本発明は、数平均分子量が200〜10000で、粘度100000cps(30℃)以下の液状である上記分岐化合物に関する。 【0011】本発明の分岐化合物は、数平均分子量200〜100000、好ましくは300〜50000更に好ましくは400〜5000であり、100000cps以下、好ましくは50000〜500cps、更に好ましくは20000〜1000cpsの粘性(30℃)を示す液状である。これより分子量が低いと硬化収縮が激しくなるため好ましくない。また分子量が高い場合は造膜可能な粘度範囲である場合には特に問題ではないが、上記の範囲以上に分子量が高くなると粘度が高くなるため塗工性の点で好ましくない。また、粘度としては上記の範囲を越えると他成分との溶解性や造膜性の点で好ましくない。 【発明の実施の形態】 【0012】本発明の分岐化合物は、エチレンジアミンと活性水素含有(メタ)アクリル化合物とをマイケル付加してなるコア化合物に対し、該コア化合物が含有する活性水素と化学量論的に等量のメタクリロイルオキシエチルイソシアネートを反応させることによって得られる。 【0013】活性水素含有(メタ)アクリル系化合物は、その(メタ)アクリロイル基にエチレンジアミンのアミノ基由来の活性水素がマイケル付加反応し、コア化合物が分岐化される。また、得られたコア化合物末端の活性水素含有(メタ)アクリル系化合物由来の活性水素はメタクリロイルオキシエチルイソシアネートとの付加反応の際の反応部位として機能する。 【0014】活性水素含有(メタ)アクリル系化合物は分子中に水酸基、カルボキシル基などに由来する活性水素を有する(メタ)アクリル系化合物である。分子中に水酸基を有する(メタ)アクリル系化合物としては、例えば下記式(2)で示されるヒドロキシアクリル(メタ)アクリレート化合物、 CH2=C(R1)COO−R2−OH (2) (式中、R1は水素原子またはCH3、R2は炭素数2〜22、好ましくは2〜16のアルキル基をそれぞれ表す。) 【0015】下記式(3)で示されるポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート系化合物が挙げられる。 CH2=C(R1)COO−(CXH2XO)mH (3) (式中、R1は水素原子またはCH3、xは1〜6、好ましくは2〜4の整数、mは1〜25、好ましくは4〜16の整数をそれぞれ表す。) 【0016】更に具体例を挙げると、一般式(2)に示したヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート系化合物としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどがあり、【0017】一般式(3)で示されるアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート系化合物としては、例えば、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングチコールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどがある。 【0018】コア化合物を得るための反応は基本的には従来法に準じて行うことができるが、メタノール、エタノールなどのアルコールを反応溶媒として用いると副反応が起きにくい。溶媒を用いる際には、エチレンジアミンの配合重量に対し、1〜100倍使用することが好ましい。また、特に加熱は必要としないが、エチレンジアミンまたは上記活性水素含有(メタ)アクリル系化合物の分子量が大きい時などは30℃〜70℃の範囲で加熱することが好ましい。反応時間は反応温度により様々であるが、30〜72時間、一般的には常温で1昼夜程度、50〜100℃に加温すると1〜10時間後には終了する。 【0019】メタクリロイルオキシエチルイソシアネートは、エチレンジアミンの未反応アミノ基由来の活性水素または上記活性水素含有(メタ)アクリル系化合物が有する活性水素とイソシアネート基との反応により、コア化合物の末端に重合性ビニル基を導入するために使用される。 【0020】本発明の分岐化合物は、上記コア化合物中の活性水素と等量のメタクリロイルオキシエチルイソシアネートを添加し、反応させることにより得られる。ここで、コア化合物中の活性水素とは、コア化合物中に存在する未反応アミノ基由来の活性水素、およびエチレンジアミンに付加した活性水素基含有(メタ)アクリル系化合物末端由来の活性水素の両方を示す。 【0021】さらに、本発明の分岐化合物は、コア化合物の合成溶液中にメタクリロイルオキシエチルイソシアネートを添加することにより得られる。その際、必要に応じて通常のウレタン合成時に使用される触媒、例えば、オクチル酸スズ、2−エチルヘキサン酸スズ等のスズ系の触媒等を添加してもよい。好ましい触媒の添加量はメタクリロイルオキシエチルイソシアネートに対して1〜0.01重量%である。 【0022】本発明の分岐化合物は、そのままでも硬化性の無溶剤液状樹脂として塗料、インキ、等の皮膜形成材料、成形材料、接着剤などとして使用できるが、単官能または多官能の(メタ)アクリルモノマー、ポリイソシアネート、メラミンなどの架橋剤を添加混合することにより、粘性を調節したり、造膜性、被膜性能を調節することができる。また、同様の理由からアミノ樹脂、フェノール樹脂等の硬化剤樹脂を配合しても差し支えない。また、被膜性能を向上させるため、公知のポリアミド樹脂、セルロース誘導体、ビニル系樹脂、ポリオレフィン、天然ゴム誘導体、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリスチレンなどの汎用ポリマー、ウレタンアクリル樹脂、エポキシアクリル樹脂、アルキド樹脂、ロジン変性アルキド樹脂、アマニ油変性アルキド樹脂などのビニル基を有する反応性樹脂、アマニ油、桐油、大豆油などの乾性油等を配合してもよい。ただし、これらの配合量は何れも好ましくは40重量%さらに好ましくは20重量%以下である。さらに、必要に応じて溶剤、相溶化剤、界面活性剤、滑剤等を添加してもよい。これらの配合量は、20重量%、好ましくは10重量%以下である。 【0023】本発明の分岐化合物に染料やカーボンブラック、チタンホワイト、フタロシアニン、アゾ色素、キナクリドン等の顔料からなる着色剤やSi系微粒子、雲母、炭酸カルシウムなど無機充填剤等を適当量添加することにより各種印刷インキや着色塗料等として使用することができる。また、放射線照射により硬化せしめる場合には、公知の光重合増感剤や開始剤を添加することができる。さらに、本発明の分岐化合物を含む組成物の流動性などを改良するために、水または有機溶剤などを配合してもよい。 【0024】本発明の分岐化合物は、各種金属、プラスチック、紙などの板、フィルム、シート上に、ロールコータ、バーコータ、ナイフコータなどで塗工あるいは充填でき、−5〜300℃の温度条件下で硬化せしめることができる。本発明の分岐化合物を用いた被膜形成材料用組成物は、各種鋼板、アルミニウム板等の金属板、プラスチックフィルム、紙、プラスチックフィルムラミネート紙等の基材にロールコーター、ナイフコーターなどの塗工方法、またはオフセット印刷、グラビア印刷、凸版印刷、シルクスクリーン印刷などの印刷方式など従来からある方法で、0.1〜500μmの膜厚で造膜でき、加熱または電子線、紫外線、可視光線、赤外線等の放射線を照射することにより硬化せしめることができる。 【0025】電子線照射により硬化せしめる場合には、好ましくは10〜1000kV、さらに好ましくは30〜300kVの範囲の加速電圧を持つ電子線照射装置が用いられる。照射線量(DOSE)は、好ましくは0.1〜100Mrad、更に好ましくは0.5〜20Mradの範囲である。これより少ないと充分な硬化物が得られにくく、またこれより大きいと塗膜や基材に対するダメージが大きいため好ましくない。 【0026】 【実施例】次に本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。 ◎構造解析、数平均分子量、および粘度の測定方法1)構造解析ここで合成した分岐化合物の構造は1H−NMRにより確認した。 2)数平均分子量:ゲル透過クロマトグラフィー(東ソー SC−8020) 1H−NMRで解析した数種類の構造既知の分岐化合物からゲルパーメーションクロマトグラフ(GPC)の検量線を独自に作成し、これを基にGPCで測定した結果を採用した。また、分子量分布(Mw/Mn)は、同測定機器において得られる値を採用した。 3)粘度:レオメータ(レオメトリクス社製:RDS−II、RFS−II) サンプルの粘度にあわせてレオメトリクス社製レオメータRDS−II(高粘度タイプ)または、RFS−II(低粘度タイプ)で測定した定常粘度(ズリ速度=1〜10/secの値)をそれぞれ採用した。 【0027】◎電子線照射装置と照射条件1)エリアビーム型電子線照射装置 Curetron EBC-200-20-30(日新ハイボルテージ゛) 電子線加速電圧:200kVDOSEは0.5〜8Mradの範囲で電流量により調節した。 2)MIN−EB(AIT社製) 電子線加速電圧: 60kVDOSEは0.5〜8Mradの範囲でベルトコンベア速度で調節した。 【0028】◎実施例、比較例で使用した以下の化合物の略号を記す。 1)ポリアミノ化合物ED:エチレンジアミン2)活性水素含有(メタ)アクリル系化合物4HBA:4−ヒドロキシブチルアクリレートPPG6A:ポリプロピレングリコール(PPG鎖の重合度=6)アクリレートPEG7A:ポリエチレングリコール(PPG鎖の重合度=7)アクリレート3)イソシアネート基含有ビニル単量体MOI:メタクリロイルオキシエチルイソシアネート【0029】(実施例1)撹拌装置、窒素導入管、温度センサー、及びコンデンサーを備えた500ミリリットル四つ口丸底フラスコにED:20g、4HBA:192g、酢酸エチル:70g、メタノール:20gを配合し、75℃に設定した湯浴にて3時間還流させた後、一部サンプリングし、1H−NMRを測定したところ、アクリル基由来のプロトンピークがほぼ消失していた。そこで、反応器とコンデンサーの間に分流管をセットし、80℃の湯浴にて常圧で加温・撹拌を続けながら溶媒を留去した、さらにコンデンサー上部から真空ラインを接続し、70℃に下げた湯浴で40mmHg以下まで減圧することにより酢酸エチルおよびメタノールを完全に留去したところ、粘稠な液状樹脂を得た(収率99%)。そこで、湯浴温度を60℃に下げ、酢酸エチル:400g、MOI:195gを添加し、更に10分後、2ーエチルヘキサン酸錫:1gを添加した。3時間加熱撹拌を続け、IRチャートで終点を確認した。更に、反応溶媒として用いた酢酸エチルをエバポレータで脱溶剤することにより目的とする分岐化合物を得た。得られた分岐化合物の1H−NMRチャートを図1にその帰属を下記に示した。また得られた分岐化合物の諸物性値を表1に示した。 【0030】 【化3】
【0031】(実施例2)撹拌装置、窒素導入管、温度センサー、及びコンデンサーを備えた2000ミリリットル四つ口丸底フラスコにED:20g、PPG6A:649g、酢酸エチル:290g、メタノール:20gを配合し、75℃に設定した湯浴にて5時間還流させた後、一部サンプリングし、1H−NMRを測定したところ、アクリル基由来のプロトンピークがほぼ消失していた。そこで、反応器とコンデンサーの間に分流管をセットし、80℃の湯浴にて常圧で加温・撹拌を続けながら溶媒を留去した、さらにコンデンサー上部から真空ラインを接続し、70℃に下げた湯浴で40mmHg以下まで減圧することにより酢酸エチルおよびメタノールを完全に留去したところ、粘稠な液状樹脂を得た(収率98%)。そこで、湯浴温度70℃のまま、酢酸エチル:860g、MOI:190gを順に添加し、更に10分後、2ーエチルヘキサン酸錫:1gを添加した。3時間加熱撹拌を続け、IRチャートで終点を確認した。更に、反応溶媒として用いた酢酸エチルをエバポレータで脱溶剤することにより目的とする多分岐化合物を得た。得られた分岐化合物の1H−NMRチャートを図2に、その帰属を下記に示した。また得られた分岐化合物の諸物性値を表1に示した。 【0032】 【化4】
【0033】(実施例3)撹拌装置、窒素導入管、温度センサー、及びコンデンサーを備えた2000ミリリットル四つ口丸底フラスコにED:20g、PPG6A:325g、4HBA:96g、酢酸エチル:189g、メタノール:20gを配合し、75℃に設定した湯浴にて5時間還流させた後、一部サンプリングし、1H−NMRを測定したところ、アクリル基由来のプロトンピークがほぼ消失していた。そこで、反応器とコンデンサーの間に分流管をセットし、80℃の湯浴にて常圧で加温・撹拌を続けながら溶媒を留去した、さらにコンデンサー上部から真空ラインを接続し、70℃に下げた湯浴で40mmHg以下まで減圧することにより酢酸エチルおよびメタノールを完全に留去したところ、粘稠な液状樹脂を得た(収率98%)。そこで、湯浴温度70℃のまま、酢酸エチル:630g、MOI:190gを順に添加し、更に10分後、2ーエチルヘキサン酸錫:1gを添加した。3時間加熱撹拌を続け、IRチャートで終点を確認した。更に、反応溶媒として用いた酢酸エチルをエバポレータで脱溶剤することにより目的とする多分岐化合物を得た。得られた分岐化合物の1H−NMRチャートを図3に、その帰属を下記に示した。また得られた分岐化合物の諸物性値を表1に示した。 【0034】 【化5】
【0035】(実施例4〜5)撹拌装置、窒素導入管、温度センサー、及びコンデンサーを備えた四つ口丸底フラスコにエチレンジアミン、当量の酢酸エチルを配合し、ここに、活性水素含有(メタ)アクリル系化合物を酢酸エチルにて75重量%になるように希釈した溶液を撹拌しながら添加した。活性水素含有化合物としてHEAを用いた場合以外は、更にエチレンジアミンと同モル数のメタノールを配合する。以上の反応溶液を75℃に設定した湯浴にて4時間還流させた後、一部サンプリングし、1H−NMRを測定し、アクリル基由来のプロトンピークにより反応終点を確認をした後、反応器とコンデンサーの間に分流管をセットし、80℃の湯浴にて常圧で加温・撹拌を続けながら溶媒を留去した。さらにコンデンサー上部から真空ラインを接続し、70℃に下げた湯浴で40mmHg以下まで減圧することにより酢酸エチルおよびメタノールを完全に留去したところ、粘稠な液状樹脂(コア化合物)を得た。そこで、湯浴温度60℃に下げ、新たに酢酸エチル活性をNV50%になるように添加し、コア化合物中の活性水素と当量になるようにメタクリロイルオキシエチルイソシアネートを添加し、更に反応系全体の濃度が50%になるように酢酸エチルにて希釈した。更に10分後、2ーエチルヘキサン酸錫をメタクリロイルオキシエチルイソシアネートの0.5重量%添加した。そのまま3時間以上加熱撹拌を続け、IRチャートのNCO基特性吸収(2270cm-1)が消失した時点を反応終点とした。更に、反応溶媒として用いた酢酸エチルをエバポレータで脱溶剤することにより目的とする多分岐化合物を得た。得られた多分岐化合物の合成時の原料組成と得られた多分岐化合物の特性を併せて表1に示す。また、比較例1〜3として同様の方法により測定した市販のジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DHPA)、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールトリアクリレート(TMPT3EO,TMPT6EO)の評価結果も併せて示す。 【0036】 【表1】
【0037】(実施例6〜10)実施例1〜5で得られた分岐化合物を#6のバーコーターで4種類のフィルム(評価用の基材のサイズ→厚さ;20μm、幅;5cm、長さ;20cm)上に塗布し種々のDOSE(5、20、40kGy)で電子線を照射した。表2に、使用した分岐化合物の種類と電子線照射により得られた塗膜の硬化特性(指触試験→×:タック有、△:タック無だが爪で傷付き有、○:タック無爪による傷つき無)、基材接着性(セロテープ(登録商標)剥離試験による塗膜未剥離率)および、耐溶剤性(MEKラビング試験50回前後の重量変化より求めた残存率)、カール性(基材フィルム変型性の官能試験により評価→○:カール無、△:端が反る程度、×:フィルムが巻いてしまう)、耐摩耗性の評価結果を示す。また表2中に比較例4〜6として市販のジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールトリアクリレート(TMPT3EO,TMPT6EO)の評価結果も併せて示す。 【0038】 【表2】
【0039】 【発明の効果】本発明により無溶剤型の硬化性樹脂として高分子量でありながら低粘度である多官能性の液状樹脂を使用することにより、通常の無溶剤型の硬化性樹脂組成物に使用されている安全性や物性的に問題のある低分子量化合物の配合率を低減もしくは不含とせしめることにより作業環境の改善に寄与し、かつ従来より用いられているロールコーター、ナイフコーターなどの塗工方法、オフセット印刷、グラビア印刷、凸版印刷、スクリーン印刷などの印刷方式で造膜でき、加熱、紫外線、赤外線、電子線、γ線照射等の従来からあるトリガーにより硬化することができ、特に電子線、γ線照射等の場合には触媒や開始剤を使用せずに硬化させることができる分岐化合物を提供するものである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000222118 【氏名又は名称】東洋インキ製造株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年11月25日(1997.11.25) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2002−187947(P2002−187947A) |
| 【公開日】 |
平成14年7月5日(2002.7.5) |
| 【出願番号】 |
特願2001−313803(P2001−313803) |
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