| 【発明の名称】 |
硬化性樹脂組成物及びその硬化物 |
| 【発明者】 |
【氏名】勝山 裕大
【氏名】石田 祐之
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| 【要約】 |
【課題】TiO2を主とした無機化合物と有機化合物を複合化することにより、有機化合物加工性を生かしながら新規な機能を付与することを目的とする。
【解決手段】1分子中に2個以上のエポキシ基を有する多官能エポキシ樹脂(A)、及びチタンアルコキシド(B) と必要に応じて水を含有してなる硬化性樹脂組成物であって、該チタンアルコキシド(B)の一部又全部が、エポキシ基と反応する官能基を1つ以上有するアルキル部分を1つ以上構造部分として持つチタンアルコキシド(B1)であり、該多官能エポキシ樹脂(A)が15〜85重量%の範囲で、該チタンアルコキシド(B)が15〜85重量%の範囲で、かつ(B1)/(A)の比率が0.1〜5.0の重量比で含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物である。上記硬化性樹脂組成物を硬化することにより得られる硬化物であって、Ti含有量がTiO2換算値で2〜40重量%であることを特徴とする硬化物である。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】1分子中に2個以上のエポキシ基を有する多官能エポキシ樹脂(A)、及びチタンアルコキシド(B)を含有してなる硬化性樹脂組成物であって、該チタンアルコキシド(B)の一部又全部が、エポキシ基と反応する官能基を1つ以上有するアルキル部分を1つ以上構造部分として持つチタンアルコキシド(B1)であり、該多官能エポキシ樹脂(A)が15〜85重量%の範囲で、該チタンアルコキシド(B)が15〜85重量%の範囲で、かつ(B1)/(A)の比率が0.1〜5.0の重量比で含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物。 【請求項2】さらに水を含有することを特徴とする請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。 【請求項3】前記、(B1)が持つエポキシ基と反応する官能基がアミノ基であることを特徴とする 請求項1または2に記載の硬化性樹脂組成物。 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化物であって、Ti含有量がTiO2換算値で2〜40重量%であることを特徴とする硬化物。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、エポキシ樹脂と特定のチタンアルコキシドを必須の原料とする硬化性樹脂組成物と、前記組成物を硬化してなる硬化物に関する。 【0002】 【従来の技術】エポキシ樹脂は、耐熱性、電気特性、力学特性等に優れているため、各種の分野に使用されている。一方チタンアルコキシドは、塩基もしくは酸触媒で加水分解を経て重縮合をおこして架橋するいわゆるゾル-ゲル反応で酸化チタン及びオリゴマーが生成することが知られている。金属酸化物のような無機化合物は有機化合物にない耐水性、耐熱性、硬度を有することが特徴であり、特に酸化チタンは、光触媒作用から抗菌性も有している。有機物と無機物を複合化させる技術はいろいろと検討されているが、特にゾル-ゲル反応を用いる手法は分子分散が可能である点から着目されている。しかしその中の多くはシリケートの加水分解とそれに続くシラノール基の縮合からなるシリカを複合させた例であり、酸化チタンを無機層とした複合体の検討例は少ない。これは、原料のアルコキシドの加水分解・重縮合速度の反応性の点で、チタン化合物がシラン化合物に比べて制御しにくいためであり、実際問題として均一な複合体を得ることは容易ではない。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】酸化チタンとエポキシ樹脂を複合化することにより、有機物に無機物が持つ新規な機能を付与することを目的とする。 【0004】 【課題を解決するため手段】発明者は、上記課題を解決するために種々検討した結果、エポキシ基と反応する官能基を1つ以上有するアルキル部分を1つ以上有するチタンアルコキシドをエポキシ樹脂の硬化剤として、同じ系内でゾルゲル反応と同時にエポキシ樹脂の硬化反応を行わせて、均一透明な外観の有機/無機複合体と考えられる硬化物を得ることが出来た。 【0005】即ち本発明は、1) 1分子中に2個以上のエポキシ基を有する多官能エポキシ樹脂(A)、及びチタンアルコキシド(B) と必要に応じて水を、含有してなる硬化性樹脂組成物であって、該チタンアルコキシド(B)の一部又全部が、エポキシ基と反応する官能基を1つ以上有するアルキル部分を1つ以上構造部分として持つチタンアルコキシド(B1)であり、該多官能エポキシ樹脂(A)が15〜85重量%の範囲で、該チタンアルコキシド(B)が15〜85重量%の範囲で、かつ(B1)/(A)の比率が0.1〜5.0の重量比で含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物である。 【0006】2)上記記載の硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化物であって、その硬化物のTi含有量がTiO2換算値で2〜40重量%であることを特徴とする硬化物に関する。 【0007】 【発明の実施の形態】本発明に使用されるエポキシ樹脂(A)としては、通常に使用されるものであれば良く、具体例としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、テトラメチルビスフェノールF、ビスフェノールS、ビスフェノールK、ビフェノール、テトラメチルビフェノール、ハイドロキノン、トリメチルハイドロキノン、ジ−t−ブチルヒドロキノン、レゾルシノール、メチルレゾルシノール、カテコール、メチルカテコール、ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシジメチルナフタレン等のグリシジル化物、フェノール類もしくはナフトール類とアルデヒド類との縮合物、フェノール類もしくはナフトール類とキシリレングリコールとの縮合物、フェノール類もしくはナフトール類とビスメトキシメチルビフェニルとの縮合物、フェノール類とジシクロペンタジエンの反応物、フルオレン類とフェノール類との反応物、テルペン類とフェノール類との反応物のグリシジル化物等が挙げられる。これらは公知の方法により得ることが出来、単独または数種混合して使用される。 【0008】上記フェノール類としてはフェノール、クレゾール、キシレノール、ブチルフェノール、アミルフェノール、ノニルフェノール、カテコール、レゾルシノール、メチルレゾルシノール、ハイドロキノン、フェニルフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビフェノール、テトラメチルビフェノール等が例示される。 【0009】又、ナフトール類としては、1−ナフトール、2−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキジメチルナフタレン、トリヒドロキシナフタレン等が例示される。 【0010】更に、アルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピルアルデヒド、ブチルアルデヒド、バレルアルデヒド、カプロンアルデヒド、ベンズアルデヒド、クロルベンズアルデヒド、ブロムベンズアルデヒド、グリオキサザール、マロンアルデヒド、ピメリンアルデヒド、セバシンアルデヒド、アクロレイン、クロトンアルデヒド、サリチルアルデヒド、フタルアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド等が例示される。 【0011】チタンアルコキシド(B)の中の、エポキシ基と反応する官能基を1つ以上有するアルキル部分を1つ以上有することを特徴とするチタンアルコキシド(B1)としては、市販されているチタネート系カップリング剤のイソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネートのように、エポキシ基と反応するアミノ基を有するN−アミノエチル−アミノエチルと上記官能基を有さないイソプロパピルからなる化合物のような物質を例示することが出来る。エポキシ基と反応する官能基としては、アミノ基、カルボキシル基、スルホニル基、チオール基、水酸基、リン酸基等や、上記官能基を熱等で容易にはずすことのできる保護基によりブロックされた基を挙げることができる。アルキル基中に含まれる官能基の個数は、多官能エポキシ化合物と反応させて架橋させることから複数個含有することが望ましいが、ゾルゲル反応において完全に無機化合物形成中にアルキル部分が脱離せず一部残るので1官能であっても、結果的に硬化物は架橋体となるので、よい。 【0012】チタンアルコキシド1分子中に含まれる、上で示した官能基を有するアルキル基は1個以上あればよく、複数であることが好ましい。 【0013】チタンアルコキシド(B)の中の、エポキシ基と反応する官能基を有さないアルキル部分からなるチタンアルコキシド(B2)としては、一般にTi(OR)4で示される化合物(Rはアルキル基)であるテトラメトキシチタン、テトラエトキチチタン、テトラ-i-プロポキシチタン、テトラブトキシチタン、テトラキス(2-エチルヘキシルオキシ)チタン、テトラステアリルオキシチタンのように、1つのアルキル基からなるアルコキシド、ジメトキシジブトキシチタン、ジエトキシジプロポキシチタンのように、2種以上のアルキル基からなるアルコキシドを例示することができる。加えて(B2)としては、イソプロピルトリステアリロイルチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネートのように官能基を有しないアルキル部分からなるアルコキシドでありカルボン酸塩でもある一種のチタンカップリング剤、ジ-i-プロポキシビス(アセチルアセトナート)チタンのようなキレート配位子を持つ化合物、トリ−n−ブトキシチタンステアレート、イソプロポキシチタントリステアレートのようにアシレート配位子を持つ化合物、も含めて例示することができる。これらは、単独で添加してもよいが、2種以上を併用して添加することも良い。 【0014】水は、ゾル-ゲル反応の加水分解過程において必要であるので、全樹脂混合物100重量物に対して、0.01〜20重量部添加することが多いが、使用するエポキシ樹脂や、硬化剤中に含まれる水分量で反応がおこっていると考えられる結果より添加しなくてもよい。必要に応じ用いる事ができる。 【0015】本発明の硬化性樹脂組成物において、多官能エポキシ樹脂(A)、チタンアルコキシド(B)((B1)と(B2)の合計量)の含有する比率は、以下のようになる。エポキシ樹脂(A)中のエポキシ基に対し、エポキシ基と反応する官能基を1つ以上有するアルキル部分を1つ以上構造部分として持つことを特徴とするチタンアルコキシド(B1)の官能基を硬化剤として換算し、必要に応じて併用する硬化剤と合わせ、硬化剤として換算した当量が0.1〜5.0当量となるようにすることが好ましく、より好ましくは0.2〜4.0当量、さらにより好ましくは0.3〜3.5当量である。0.1当量未満では未反応エポキシ樹脂の量が多くなり、5.0当量を超える量では、エポキシ基と反応する官能基を1つ以上有するアルキル部分を1つ以上構造部分として持つことを特徴とするチタンアルコキシドチタン(B1)の官能基が未反応の物と/もしくは未反応硬化剤の量が多くなり、硬化した後の熱的、機械的物性が低下して好ましくない。 【0016】上記、エポキシ基と反応する官能基を有さないアルキル部分からなるチタンアルコキシド(B2)の使用量は、必須の成分であるエポキシ基と反応する官能基を1つ以上有するアルキル部分を1つ以上有するチタンアルコキシド(B1)と必要に応じて使用するチタンアルコキシド(B2)を含め、全量(B)で考える。硬化性樹脂組成物から全て脱アルコールを起こして、必要な水の量は充分に供給できていると仮定して、TiO2を形成し、アルコール成分が全く揮発せずにとりこまれたとして硬化反応前の組成物中に占める量として計算した値で、2〜40重量%となるように添加される。2重量%未満では、耐熱性、硬度等の無機物の性質が付与できず、40重量%を超える量では取り扱い性、加工性、経済性より現実的でなく好ましくない。より好ましくは3〜35重量%の範囲である。 【0017】上記エポキシ樹脂(A)の上記硬化性樹脂組成物中に占める重量比は、上記当重量比をみたすことが必要となるが、本組成物については15〜85重量%であり、好ましくは20〜80重量%である。15重量%未満ではエポキシ樹脂のもつ加工性、物性が付与できず、85重量%を超える場合は、耐熱性、硬度等の無機物の性質が付与できず好ましくない。 【0018】チタンアルコキシド(B)((B1)と(B2)の合計量)が占める重量比は、同様に上記当量比をみたすことが必要となるが、15〜85重量%であり、好ましくは20〜80重量%である。15重量%未満では耐熱性、硬度等の無機物の性質が付与できず、85重量%を超える場合は、エポキシ樹脂のもつ加工性、物性が付与できず好ましくない。 【0019】官能基を有するチタンアルコキシド(B1)とエポキシ樹脂(A)の重量比率は、同様に上記当量比をみたすことが必要となるが、0.1〜5.0であり、好ましくは0.2〜4.0である。0.1未満の場合、エポキシ樹脂(A)のエポキシ基とチタンアルコキシド(B1)の官能基の反応が不十分で均一な硬化物がえられず、5.0を超える場合は未反応のエポキシ樹脂が多くなり、硬化物の熱的、機械的物性が低下して好ましくない。 【0020】官能基を有しないチタンアルコキシド(B2)が占める重量比は、同様に上記当量比を満たすことが必要となるが、0〜84重量%であり、好ましくは0〜80重量%である。添加しない場合(0%)は、TiO2換算値を大きな値にすることが出来なくなる。また84重量%を超える場合、官能基を有するチタンアルコキシド(B1)の濃度が低くなり、有機物との均一な複合化が困難になる。 【0021】本組成物は、必要に応じ、硬化剤を含有してもよい。必要により用いる硬化剤は、エポキシ樹脂の硬化剤として使用できる物であればよい。この中にはいわゆる硬化促進剤と呼ばれるものも含まれ、次のものが例示できる。 【0022】1)アミン類:ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン等の脂肪族アミンジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン、メタキシレンジアミン、メタフェニレンジアミン等の芳香族アミンベンジルジメチルアミン、2,4,6−トリス(ジメチアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7,1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン−7等の3級アミン及びその塩類が例示できる。 【0023】2)酸無水物類:無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等の芳香族酸無水物類、無水テトラヒドロフタル酸、無水メチルテトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルヘキサヒドロフタル酸、無水メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸。無水ドデセニルコハク酸、無水トリアルキルテトラヒドロフタル酸等の環状脂肪族酸無水物類が例示できる。 【0024】3)多価フェノール類:ビスフェノールA、ビスフェノールF、テトラメチルビスフェノールF、ビスフェノールS、ビスフェノールK、ビフェノール、テトラメチルビフェノール、ハイドロキノン、トリメチルハイドロキノン、ジ−t−ブチルヒドロキノン、レゾルシノール、メチルレゾルシノール、カテコール、メチルカテコール、ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシジメチルナフタレン、フェノールノボラック類、クレゾールノボラック類、ビスフェノールA等の2価フェノールのノボラック化物類、トリスヒロドキシフェニルメタン類、アルキルポリフェノール類、ジジクロペンタジエンポリフェノール類等が例示できる。 【0025】4)その他:2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール及び2−フェニルイミダゾール等のイミダゾール系化合物及びそれらの塩類、アミンのBF3錯体化合物、脂肪族スルホニウム塩及び芳香族スルホニウム塩等のブレンステッド酸塩類、ジシアンジアミド類、アジピン酸ジヒドラジッド及びフタル酸ジヒドラジッド等の有機酸ヒドラジッド類、レゾール類、アジピン酸、セバシン酸、テレフタル酸、トリメリット酸及びカルボキシル基含有ポリエステル等のポリカルボン酸類、トリフェニルホスフィン等の有機ホスフィン化合物類等である。これらのエポキシ樹脂用硬化剤は単独で使用してもよいが、2種以上を併用することも可能である。 【0026】本発明の樹脂組成物では、アルコキシシラン、シランカップリング剤のような珪素と有機物からなる物質や、チタニウムステアレートのような本明細書中でチタンアルコキシドとして例示しなかった他の有機チタン化合物、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレートのようなアルミニウム系カップリング剤、その他各種無機元素と有機成分からなる物質を添加することができる。無機元素としては、アルミニウム、バリウム、ジルコニア、ニオブ、バナジウム、ストロンチウム、銅等の金属類を有機成分としてはアルコキシド、水酸化物、酢酸等の有機酸との塩等の形態をとることを例示することができる。 【0027】さらに、必要に応じ、無機充填材、顔料、離型剤、柔軟剤、補強材を添加することができる。無機充填材としては、アルミナ(酸化アルミニウム)、チタニア(酸化チタン)、酸化鉄、酸化銅、酸化マグネシウム、酸化モリブデン、シリカ(酸化珪素)、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化ジルコニウム、チタン酸バリウム等の金属酸化物や、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化鉄等の金属水酸化物、錫酸亜鉛、窒化珪素、窒化アルミニウム、炭酸カルシウムなどのそれ以外の化合物が例示される。 【0028】本発明の樹脂組成物は、各成分を所定の割合で均一に混合することにより得ることが出来る。本発明の樹脂組成物を得るには、エポキシ樹脂とエポキシ基と反応する官能基を1つ以上有するアルキル部分を1つ以上有するチタンアルコキシドを均一に混合し、必要に応じ、官能基を有しないアルキル部分からなるチタンアルコキシド、硬化剤、水を添加するが、その混合順序や混合方法はいかなる順序、方法を採用しても良い。 【0029】こうして得られた樹脂組成物を、望ましくは注形、塗布等で膜状もしくは板状にし60〜200℃で2〜30時間加熱することでエポキシ樹脂の硬化反応と、ゾル-ゲル反応による無機相形成を行い、硬化物を得ることができる。この硬化物はエポキシ樹脂成分と官能基が反応して得られる有機部分とチタンアルコキシ部分が加水分解や重縮合してなる無機部分が複合化している物質である。これは、いわゆる混合物とは異なりサブミクロンからナノオーダーで分散した均一な物質であり、相分離の大きさから透明な状態となって得られることが多い。 【0030】硬化する際の形状は、膜状もしくは板状に特にこだわらないが、ゾル-ゲル反応により脱離するアルコールや残存の水分が実際は揮発することから膜状もしくは板状である方が好ましい。得られた硬化物は、上記のように有機相とチタンを必須として含む無機相が複合化していると考えられるため、無機物特有の物性を付与することが出来る。無機成分の含有量によって、一概には決定できないが、耐熱性、耐水性、難燃性、抗菌性の付与を挙げることができる。樹脂組成物、得られた硬化物は、成形材料、塗料、接着剤等各種用途で使用する事が出来る。例えば、自動車部品や電気用部品、OA機器部品等が挙げられる。 【0031】 【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらにより何ら限定される物ではない。なお、実施例及び比較例の本文あるいは表中に記載の部数は、特に断りのない限り重量部を示す。 【0032】(実施例1)60℃に加熱したYD−127(東都化成社製のビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量184)100部に味の素ファインテクノ社製のイソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート)25部添加し、充分に混合した後、離型処理したガラス板上にシリコーンゴムで作成した枠を設け、3mm厚になるように流し込み、オーブン中で80℃×4時間、100℃×4時間、150℃×4時間加熱して無色透明の硬化物を得た。 【0033】<TiO2換算値>イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート)の組成式は、TiO4C15H39N6なので式量は415となる。この中のTi含有量を計算すると11.5%となる。 【0034】上記樹脂組成物中のTiO2換算値は、次のようになる。全量125部の中に含まれるTi量は25×0.115=2.875部である。この全てがTiO2となっていれば、Tiの式量が48、 TiO2の式量が80より、Ti量の80/48=1.7倍の重量を占めるので、4.79部となる。よって、TiO2換算値での含有量=4.79/125×100=3.8%となる。 【0035】(実施例2)実施例1と同じ操作を行いガラス板上に流し込む前に、水を1.25部添加したところ、白化した。これを混合したところ均一無色透明になったので、実施例1と同様に離型処理したガラス板上に3mm厚になるように流し込み、オーブン中で80℃×4時間、100℃×4時間、150℃×4時間加熱して無色透明の硬化物を得た。 【0036】<TiO2換算値>実施例1と同様に計算して、3.7%である。 【0037】(実施例3)イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネートの量を50部、水の量を1.5部にする以外は実施例2と同じ操作を行い、無色透明の硬化物を得た。 【0038】<TiO2換算値>実施例1と同様に計算して、6.5%である。 【0039】(実施例4)イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネートの量を100部、水の量を2部にする以外は実施例2と同じ操作を行い、無色透明の硬化物を得た。 【0040】<TiO2換算値>実施例1と同様に計算して、9.7%である。 【0041】(実施例5)80℃に加熱したYD−127(東都化成社製のビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量184)100部に、日本曹達社製のT−50(ジ-i-プロポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタンの75%i-プロパノール溶液)50部加え、充分に混合した後加熱減圧して溶媒のi-プロパノール12.5部を除去して褐色の均一液体とした。その後60℃にした後、実施例1と同様に味の素ファインテクノ社製のイソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート)25部添加し、充分に混合した後、離型処理したガラス板上に3mm厚になるように流し込み、オーブン中で80℃×4時間、100℃×4時間、150℃×4時間加熱して褐色透明の硬化物を得た。 【0042】<TiO2換算値>樹脂組成物の全量を、減圧除去した溶媒のi-プロパノール12.5部を引いた162.5部として実施例1と同様に計算して、8.0%である。 【0043】(実施例6)実施例5と同じ操作を行いガラス板上に流し込む前に、水を1.75部添加したところ、白化した。これを混合したところ均一褐色透明になったので、実施例1と同様に離型処理したガラス板上に3mm厚になるように流し込み、オーブン中で80℃×4時間、100℃×4時間、150℃×4時間加熱して褐色透明の硬化物を得た。 【0044】<TiO2含有量>実施例5と同様に計算して、8.0%である。 【0045】(実施例7)80℃に加熱したYD−127(東都化成社製のビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量184)100部に、日本曹達社製のT−50(ジ-i-プロポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタンの75%i-プロパノール溶液)200部加え、充分に混合した後加熱減圧して溶媒のi-プロパノール50部除去して褐色の均一液体とした。その後60℃にした後、実施例1と同様に味の素ファインテクノ社製のイソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート)25部、水を3.3部添加し、充分に混合した後、離型処理したガラス板上に3mm厚になるように流し込み、オーブン中で80℃×4時間、100℃×4時間、150℃×4時間加熱して褐色透明の硬化物を得た。 【0046】<TiO2換算値>実施例5と同様に計算して、14%である。 【0047】(実施例7)80℃に加熱したYD−127(東都化成社製のビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量184)100部に、日本曹達社製のT−50(ジ-i-プロポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタンの75%i-プロパノール溶液)600部加え、充分に混合した後加熱減圧して溶媒のi-プロパノール150部を除去して褐色の均一液体とした。その後60℃にした後、実施例1と同様に味の素ファインテクノ社製のイソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート)25部、関東電化工業社製テトラエチレンペンタミン1.4部、水7.5部添加し、充分に混合した後、離型処理したガラス板上に3mm厚になるように流し込み、オーブン中で80℃×4時間、100℃×4時間、150℃×4時間加熱して褐色透明の硬化物を得た。 【0048】<TiO2換算値>実施例5と同様に計算して、18%である。 【0049】(比較例1)60℃に加熱したYD−127(東都化成社製のビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量184)100部に関東電化工業社製テトラエチレンペンタミン14部添加し、充分に混合した後、離型処理したガラス板上に3mm厚になるように流し込み、オーブン中で80℃×4時間、100℃×4時間、150℃×4時間加熱してわずかに褐色がかった透明の硬化物を得た。 【0050】(比較例2)60℃に加熱したYD−127(東都化成社製のビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量184)100部にテトラブトキシチタン30部添加し、充分に混合したところ増粘した。水を1.3部添加したところ白化し、全体が増粘して流動性を失い、ガラス板上に流し込むことができなかった。 【0051】(実施例9〜16,比較例3)実施例1、2、3、4、5、6、7、8と比較例1で得られた硬化物の物性を比較した。 【0052】<難燃性>20mm×20mm(3mm厚み)に切削した試験片を、ブンゼンバーナーの高さ4cmの炎に2秒接触した試験片の燃焼の状況を観察した。 【0053】 【表1】
【0054】 【表2】
【0055】 【発明の効果】本発明の硬化性樹脂組成物は、無機物の特性を付与しているために、耐熱、耐湿性の改善が見られ成形材料、複合材料、塗料、接着剤等に使用する場合に極めて有用である。上記硬化性樹脂組成物を硬化させる事により得られた硬化物は、酸化チタンとエポキシ樹脂が複合化する事によって、新規な機能が付与された硬化物となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004628 【氏名又は名称】株式会社日本触媒
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| 【出願日】 |
平成12年12月19日(2000.12.19) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2002−187935(P2002−187935A) |
| 【公開日】 |
平成14年7月5日(2002.7.5) |
| 【出願番号】 |
特願2000−385842(P2000−385842) |
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