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【発明の名称】 カーボン・フェノール樹脂成形材料の製造方法
【発明者】 【氏名】井出 勇

【氏名】西川 昌信

【氏名】樋口 尚登

【要約】 【課題】成形性を改善したカーボン・フェノール樹脂成形材料の製造方法を提供する。

【解決手段】フェノール類とアルデヒド類とを、触媒の存在下で、カーボン粉末及び滑剤と混合しつつ反応させる。カーボン・フェノール樹脂成形材料にはカーボンの他に滑剤が含有されており、滑性を付与することができる。該成形材料には、さらに、繊維、カップリング剤、またはエポキシ樹脂が混合されて反応させることが好ましい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 フェノール類とアルデヒド類とを、触媒の存在下で、カーボン粉末及び滑剤と混合しつつ反応させることを特徴とするカーボン・フェノール樹脂成形材料の製造方法。
【請求項2】 カーボン粉末及び滑剤の他に繊維を混合しつつ反応させることを特徴とする請求項1に記載のカーボン・フェノール樹脂成形材料の製造方法。
【請求項3】 カーボン粉末及び滑剤の他にカップリング剤を混合しつつ反応させることを特徴とする請求項1又は2に記載のカーボン・フェノール樹脂成形材料の製造方法。
【請求項4】 カーボン粉末及び滑剤の他にエポキシ樹脂を混合しつつ反応させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のカーボン・フェノール樹脂成形材料の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐火物や鋳造用の成形材料、砥石、ブレーキライニング、軸受けの摺動部材等の成形材料、電極、シール材料等の成形材料などに好適に使用されるカーボン・フェノール樹脂成形材料の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】上記のような用途に用いられるフェノール樹脂成形材料としては、カーボン粉末とフェノール樹脂とをニーダー、加圧ニーダー、ヘンシェルミキサーなどで混合・混練して調製したものが従来から一般的である。カーボンは耐熱性、滑性、電気伝導性においてそれぞれ優れた特性を有するので、カーボンとフェノール樹脂からなる成形材料を上記のような各種の用途に好適に使用することができるのである。
【0003】そしてカーボンのこのような特性を最大限に引き出すために、バインダー成分であるフェノール樹脂の配合量を少なくしたカーボン・フェノール樹脂成形材料の製造方法が、本出願人によって特公平6−21140号公報で提供されている。すなわちこの方法は、フェノール類とアルデヒド類とを反応させてフェノール樹脂を調製する際に、同時にカーボン粉末を混合しながらこの反応を行なわせるようにしたものであり、カーボン粉末の表面にフェノール樹脂が極めて薄く均一に被覆した顆粒状物としてカーボン・フェノール樹脂成形材料を得ることができ、ニーダーなどで混練する場合のように多量のフェノール樹脂を混合しなくてもカーボンとフェノール樹脂が偏在することなく、均一にカーボンとフェノール樹脂が混在するカーボン・フェノール樹脂成形材料を得ることができるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のようにして調製されるフェノール樹脂量が少ないカーボン・フェノール樹脂成形材料は、カーボンが有する優れた耐熱性、滑性、電気伝導性などの特性を発現することができる上で好ましいのであるが、バインダー成分であるフェノール樹脂の量が少ないために、成形物を成形する際の成形性が低下し、また得られた成形物の機械的強度が低くなるという問題を有するものであった。
【0005】本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、成形性を改善することを目的とし、また成形物の機械的強度を改善することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係るカーボン・フェノール樹脂成形材料の製造方法は、フェノール類とアルデヒド類とを、触媒の存在下で、カーボン粉末及び滑剤と混合しつつ反応させることを特徴とするものである。
【0007】また請求項2の発明は、カーボン粉末及び滑剤の他に繊維を混合しつつ反応させることを特徴とするものである。
【0008】また請求項3の発明は、カーボン粉末及び滑剤の他にカップリング剤を混合しつつ反応さえることを特徴とするものである。
【0009】また請求項4の発明は、カーボン粉末及び滑剤の他にエポキシ樹脂を混合しつつ反応させることを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0011】本発明においてフェノール類としては、フェノールの他にフェノールの誘導体を用いることができるものであり、例えばm−クレゾール、レゾルシノール、3,5−キシレノールなどの3官能性のもの、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ジヒドロキシジフェニルメタンなどの4官能性のもの、o−クレゾール、p−クレゾール、p−ter−ブチルフェノール、p−フェニルフェノール、p−クミルフェノール、p−ノニルフェノール、2,4又は2,6−キシレノールなどの2官能性のo−又はp−置換のフェノール類などを挙げることができ、さらに塩素又は臭素で置換されたハロゲン化フェノールなども用いることができる。勿論、これらから1種を選択して用いる他、複数種のものを混合して用いることもできる。
【0012】またアルデヒド類としては、水溶液の形態であるホルマリンが最適であるが、パラホルムアルデヒドやアセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、トリオキサン、テトラオキサンのような形態のものも用いることもでき、その他、ホルムアルデヒドの一部あるいは大部分をフルフラールやフルフリルアルコールに置き換えて使用することも可能である。
【0013】さらに反応触媒としては、フェノール類のベンゼン核とベンゼン核の間に−NCH2結合を生成するような塩基性物質、例えばヘキサメチレンテトラミン、アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、エチレンジアミン、モノエタノールアミン等の第1級や第2級のアミン類などを用いることができる。またこれらと併用してアルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物や第3級アミンなどの塩基性触媒を用いることもできる。
【0014】そして上記のフェノール類とアルデヒド類及び触媒を反応釜など反応容器にとって、フェノール類とアルデヒド類とを反応させるのであるが、このとき本発明ではさらにカーボン粉末及び滑剤を反応容器に投入し、また必要に応じて繊維、カップリング剤、エポキシ樹脂などの添加剤を反応容器に投入し、これらの存在下でフェノール類とアルデヒド類の反応を行なわせるものである。本発明においてカーボン粉末や滑剤以外の添加剤としては、上記の他にロウ石やアルミナなどを添加することもできる。ここで、特に限定されるものではないが、フェノール類とアルデヒド類の配合比率はモル比で1:1〜1:3の範囲に設定するのが好ましく、また触媒の配合量は使用するフェノール類に対して質量比で0.2〜20質量%の範囲が好ましく、0.5〜10質量%の範囲がより好ましい。
【0015】この反応は反応系を攪拌するに足る量の水などの溶媒中で、攪拌しつつ行なわれるものであり、反応の当初では反応系は粘稠なマヨネーズ状であって攪拌に伴って流動する状態であるが、反応が進むにつれて次第に、カーボン粉末及び滑剤さらに必要に応じて添加した添加剤を含むフェノール類とアルデヒド類との縮合反応物が系中の溶媒と分離し始め、反応生成されるフェノール樹脂とこれらとが凝集した複合粒子が突然に反応容器の全体に分散された状態になる。そしてさらに所望する程度にフェノール樹脂の反応を進めて冷却したのちに攪拌を停止すると、この複合粒子は沈殿して溶媒と分離される。この複合粒子は微小な顆粒体となっており、反応容器から取り出して濾過することによって溶媒から容易に分離することができるものであり、これを乾燥することによって成形に適した顆粒体にすることができる。
【0016】このようにして得られる粒体は、カーボン粉末及び滑剤、さらに必要に応じて添加した添加剤を含むカーボン・フェノール樹脂成形材料であり、カーボン粉末及び滑剤や添加剤とフェノール樹脂とが凝集されたものであるために、各粒子においてカーボン粉末及び滑剤や添加剤とフェノール樹脂の割合が同一であり、またバインダーであるフェノール樹脂は粒子の表面に極めて薄く均一に被覆されるため、フェノール樹脂の量が少ないカーボン・フェノール樹脂成形材料を容易に得ることができるものである。従って、バインダーであるフェノール樹脂の含有量が少なく、カーボン粉末及び滑剤や添加剤とフェノール樹脂とが均一に分散されたカーボン・フェノール樹脂成形材料を得ることができるものである。
【0017】本発明においてカーボン粉末としては、炭素質の粉末であれば特に制限されることなく使用することができるものであり、例えば天然黒鉛、人造黒鉛、カーボンブラック、メソフェースカーボン、コークス、木炭、籾殻炭などを用いることができる。これらは一種を単独で用いる他、複数種のものを混合して用いることもできる。カーボン粉末の粒径は特に限定されるものではないが、1〜200μm程度が好ましい。カーボン粉末の配合量は特に制限されるものではないが、カーボン・フェノール樹脂成形材料の全量に対して55〜97質量%の範囲に設定するのが好ましい。
【0018】ここで、上記の滑剤とは、樹脂成形材料の成形加工時や成形加工後に滑性を付与することにより、成形加工性を向上させたり、成形物の表面外観を向上させたりするためのものである。従って滑剤を配合することによって、成形圧力を低くすることができ、また複雑な形状の成形物の成形が容易になるものである。このような滑剤を大別すると、流動パラフィン、天然パラフィン、マイクロワックス、ポリエチレンワックス、塩素化炭化水素、フルオロカーボンなどの炭化水素系、高級脂肪酸、オキシ脂肪酸などの脂肪族系、脂肪酸アミド、(アルキル)ビス脂肪酸アミドなどの脂肪族アミド系、単純エステル、グリセリド、エステルワックスなどのエステル系、ステアリン酸鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛などの金属石鹸、一価アルコール、多価アルコールなどの脂肪族アルコール、α−グリセロールモノステアレート、オレイン酸モノグリセリドなどの脂肪族と多価アルコールの部分エステル、エチレングリコールモノステアレート、各種ワックスの配合品などの複合滑剤等がある。本発明ではこれらの任意のものを用いることができるものであり、なかでも粉末状のものが好ましい。滑剤の配合量は特に制限されるものではないが、カーボン・フェノール樹脂成形材料の全量に対して0.2〜5.0質量%の範囲に設定するのが好ましい。
【0019】また、繊維は成形物を補強して機械的強度を向上させるために用いるものであり、このような繊維としては、セルロース、綿、羊毛、絹、麻、ガラス繊維、セラミック繊維、セラミックウイスカー、炭素繊維、プラスチック繊維などを用いることができる。繊維の長さは、長いもの程機械的強度の向上に有効であるが、アスペクト比、すなわち直径に対する長さの比が5〜200程度のものが好ましい。繊維の配合量は特に制限されるものではないが、カーボン・フェノール樹脂成形材料の全量に対して0.2〜5.0質量%の範囲に設定するのが好ましい。
【0020】またカップリング剤は、フェノール樹脂とカーボン粉末や繊維との接着性を向上させ、成形物の機械的強度を高めるためのものである。特にカーボン粉末は液体との濡れ性が悪いためフェノール樹脂との接着性が悪いが、カップリング剤を添加することによって、カーボン粉末の液体に対する親和性を高めてフェノール樹脂との接着性を向上させることができ、成形物の機械的強度をより高めることができるものである。カップリング剤としてはγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノエチルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどを用いることができる。カップリング剤の配合量は特に制限されるものではないが、カーボン・フェノール樹脂成形材料の全量に対して0.1〜4.0質量%の範囲に設定するのが好ましい。
【0021】さらにエポキシ樹脂は、フェノール樹脂の水酸基と反応して硬化し、成形物の吸水性や吸湿性を抑制して耐水性を高めることができると共に電気伝導性の低下を抑えることができるものであり、またカップリング剤程ではないが、カーボン粉末や繊維の成形物マトリックスに対する接着性を向上させることもできる。エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂などや、これらの変性物を用いることができるが、粉末状のものを用いるのが好ましい。エポキシ樹脂の配合量は特に制限されるものではないが、カーボン・フェノール樹脂成形材料の全量に対して2〜50質量%の範囲に設定するのが好ましい。
【0022】
【実施例】次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。
【0023】(実施例1)反応容器にフェノールを385質量部、37%ホルマリンを499質量部、ヘキサメチレンテトラミンを40質量部仕込み、さらにカーボン粉末として平均粒径が5μmの鱗片状黒鉛粉末を1362質量部、滑剤として平均粒径が44μmの粉末状ステアリン酸亜鉛を34.8質量部、水を1500質量部仕込み、これを攪拌しつつ60分を要して90℃まで昇温し、そのまま3時間反応を行なった。
【0024】そしてこれを冷却後、濾別して乾燥することによって、顆粒状のカーボン・フェノール樹脂成形材料を得た。このカーボン・フェノール樹脂成形材料のフェノール樹脂含有率は19.6質量%、カーボン粉末含有率は78.4質量%、滑剤含有率は2.0質量%であった。
【0025】(実施例2)反応容器にフェノールを385質量部、37%ホルマリンを499質量部、ヘキサメチレンテトラミンを40質量部仕込み、さらにカーボン粉末として実施例1と同じ黒鉛を1362質量部、滑剤として実施例1と同じステアリン酸亜鉛を34.8質量部、カップリング剤としてγ−アミノプロピルトリエトキシシランを6.8質量部、水を1500質量部仕込み、実施例1と同様にして反応させ、実施例1と同様にして顆粒状のカーボン・フェノール樹脂成形材料を得た。このカーボン・フェノール樹脂成形材料のフェノール樹脂含有率は19.6質量%、カーボン粉末含有率は78.0質量%、滑剤含有率は2.0質量%、カップリング剤含有率は0.4質量%であった。
【0026】(実施例3)反応容器にフェノールを308質量部、37%ホルマリンを399質量部、ヘキサメチレンテトラミンを32質量部仕込み、さらにカーボン粉末として実施例1と同じ黒鉛を1362質量部、滑剤として実施例1と同じステアリン酸亜鉛を34.8質量部、エポキシ樹脂として固形のビスフェノールA型エポキシ樹脂(三井石油化学工業(株)製「エポミックスR366」;平均粒径が53μm)を68.1質量部、水を1500質量部仕込み、実施例1と同様にして反応させ、実施例1と同様にして顆粒状のカーボン・フェノール樹脂成形材料を得た。このカーボン・フェノール樹脂成形材料のフェノール樹脂含有率は15.7質量%、カーボン粉末含有率は78.4質量%、滑剤含有率は2.0質量%、エポキシ樹脂含有率は3.9質量%であった。
【0027】(実施例4)反応容器にフェノールを385質量部、37%ホルマリンを499質量部、ヘキサメチレンテトラミンを40質量部仕込み、さらにカーボン粉末として実施例1と同じ黒鉛を1293質量部、滑剤として実施例1と同じステアリン酸亜鉛を34.8質量部、繊維として直径11μm、平均長さ0.3mm(平均アスペクト比27)のガラス繊維を68質量部、水を1500質量部仕込み、実施例1と同様にして反応させ、実施例1と同様にして顆粒状のカーボン・フェノール樹脂成形材料を得た。このカーボン・フェノール樹脂成形材料のフェノール樹脂含有率は19.7質量%、カーボン粉末含有率は74.4質量%、滑剤含有率は2.0質量%、繊維含有率は3.9質量%であった。
【0028】(実施例5)反応容器にフェノールを308質量部、37%ホルマリンを399質量部、ヘキサメチレンテトラミンを32質量部仕込み、さらにカーボン粉末として実施例1と同じ黒鉛を1362質量部、滑剤として実施例1と同じステアリン酸亜鉛を34.8質量部、カップリング剤としてγ−アミノプロピルトリエトキシシランを6.8質量部、エポキシ樹脂として実施例3と同じビスフェノールA型エポキシ樹脂を68質量部、水を1500質量部仕込み、実施例1と同様にして反応させ、実施例1と同様にして顆粒状のカーボン・フェノール樹脂成形材料を得た。このカーボン・フェノール樹脂成形材料のフェノール樹脂含有率は15.6質量%、カーボン粉末含有率は78.1質量%、滑剤含有率は2.0質量%、カップリング剤含有率は0.4質量%、エポキシ樹脂含有率は3.9質量%であった。
【0029】(実施例6)反応容器にフェノールを308質量部、37%ホルマリンを399質量部、ヘキサメチレンテトラミンを32質量部仕込み、さらにカーボン粉末として実施例1と同じ黒鉛を1293質量部、滑剤として実施例1と同じステアリン酸亜鉛を34.8質量部、カップリング剤としてγ−アミノプロピルトリエトキシシランを6.8質量部、エポキシ樹脂として実施例3と同じビスフェノールA型エポキシ樹脂を68質量部、繊維として実施例4と同じガラス繊維を68質量部、水を1500質量部仕込み、実施例1と同様にして反応させ、実施例1と同様にして顆粒状のカーボン・フェノール樹脂成形材料を得た。このカーボン・フェノール樹脂成形材料のフェノール樹脂含有率は15.7質量%、カーボン粉末含有率は74.1質量%、滑剤含有率2.0質量%、カップリング剤含有率は0.4質量%、エポキシ樹脂含有率は3.9質量%、繊維含有率は3.9質量%であった。
【0030】(比較例1)反応容器にフェノールを385質量部、37%ホルマリンを499質量部、ヘキサメチレンテトラミンを40質量部仕込み、さらにカーボン粉末として実施例1と同じ黒鉛を1362質量部、水を1500質量部仕込み、実施例1と同様にして反応させ、実施例1と同様にして顆粒状のカーボン・フェノール樹脂成形材料を得た。このカーボン・フェノール樹脂成形材料のフェノール樹脂含有率は20.0質量%、カーボン粉末含有率は80.0質量%であった。
【0031】尚、上記の各実施例及び比較例において、フェノール樹脂含有率の測定は、得られたカーボン・フェノール樹脂成形材料の試料10gを円筒濾紙にとり、これをソックスレー抽出器に入れてメチルアルコールにより6時間還流下でフェノール樹脂を抽出することによって行ない、乾燥後の質量の減少率をフェノール樹脂含有率とした。
【0032】また上記の各実施例及び比較例のカーボン・フェノール樹脂成形材料について、流れ、疎充填かさ密度、粒度を測定した。
【0033】流れの測定は、試料量を10g、荷重を39.2kN(4000kgf)、加圧時間を2分に設定して、JIS K 6911(5.3.2)「成形材料(円板式流れ)」に準拠して行なった。
【0034】疎充填かさ密度の測定は、筒井理化学器械(株)製の「ABD粉体特性測定器」を用いて行なった。すなわち、測定円台に100cm3の試料容器を載せて振動させ、これに試料を上部のホッパーから供給し、試料容器が一杯になった時点でスイッチを切って山になった部分をヘラですり取り、試料容器内の試料の全量を測定し、次の式から疎充填かさ密度を算出した。
【0035】疎充填かさ密度(g/cm3)=(試料の質量:g)/(試料容器の容量:100cm3)また、粒度の測定は、(株)飯田製作所製の振動ふるい器を用いて行なった。
【0036】これらの測定結果を表1に示す。
【0037】
【表1】

【0038】次に、上記の各実施例及び比較例のカーボン・フェノール樹脂成形材料を成形金型に入れ、成形温度160℃、成形圧力5MPa、成形時間15分の条件で成形し、成形物を作製した。そしてこの成形物について、比重、曲げ強さ、曲げ弾性率、ロックウェル硬さ、表面抵抗率、体積抵抗率を測定した。ここで、比重、曲げ強さ、曲げ弾性率はJIS K 6911に、ロックウェル硬さはJISK 7202に、表面抵抗率、体積抵抗率はJIS K 7194にそれぞれ準拠して測定を行なった。結果を表2に示す。
【0039】
【表2】

【0040】
【発明の効果】上記のように本発明に係るカーボン・フェノール樹脂成形材料の製造方法は、フェノール類とアルデヒド類とを、触媒の存在下で、カーボン粉末及び滑剤と混合しつつ反応させるようにしたので、カーボン・フェノール樹脂成形材料にはカーボンの他に滑剤が含有されており、バインダーであるフェノール樹脂の含有量が少なくても滑剤で滑性を付与して、成形加工性を向上させることができるものである。
【0041】また請求項2の発明は、カーボン粉末及び滑剤の他に繊維を混合しつつ反応させるようにしたので、繊維による補強効果を得ることができ、バインダーであるフェノール樹脂の含有量が少なくても繊維で補強して、成形物の機械的強度を向上することができるものである。
【0042】また請求項3の発明は、カーボン粉末及び滑剤の他にカップリング剤を混合しつつ反応させるようにしたので、フェノール樹脂とカーボン粉末やあるいは繊維との接着性を向上させることができ、成形物の機械的強度をさらに向上することができるものである。
【0043】また請求項4の発明は、カーボン粉末及び滑剤の他にエポキシ樹脂を混合しつつ反応させるようにしたので、エポキシ樹脂はフェノール樹脂の水酸基と反応し、成形物の吸水性や吸湿性を抑制して耐水性を高めることができると共に電気伝導性の低下を抑えることができるものである。
【出願人】 【識別番号】000115658
【氏名又は名称】リグナイト株式会社
【出願日】 平成12年12月20日(2000.12.20)
【代理人】 【識別番号】100087767
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 惠清 (外1名)
【公開番号】 特開2002−187924(P2002−187924A)
【公開日】 平成14年7月5日(2002.7.5)
【出願番号】 特願2000−387831(P2000−387831)