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【発明の名称】 ポリアミドの製造方法
【発明者】 【氏名】志田 隆敏

【氏名】田中 一實

【要約】 【課題】設備新設等のコストを低く抑え、製造プロセスを変更せずに従来廃棄対象となっていた回収ポリアミドを廃棄することなく原料の一部として再利用して、品質を劣化させることなくポリアミドを製造する方法を提供すること、及び、回収ポリアミドを含む原料から得られたポリアミドの結晶化速度を増加させる方法を提供すること。

【解決手段】溶融ジカルボン酸にジアミンを添加し、溶融状態で重縮合反応を行ってポリアミドを製造する方法において、前記重縮合反応系中に回収ポリアミドを添加し、同反応中に添加した回収ポリアミドを溶解させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 溶融ジカルボン酸にジアミンを添加し、溶融状態で重縮合反応を行ってポリアミドを製造する方法において、前記重縮合反応系中に回収ポリアミドを添加し、同反応中に添加した回収ポリアミドを溶解させることを特徴とするポリアミドの製造方法。
【請求項2】 前記重縮合反応系中に生成ポリマーに対して30重量%未満の回収ポリアミドを添加することを特徴とする請求項1記載のポリアミドの製造方法。
【請求項3】 前記重縮合反応系中に生成ポリマーに対して3重量%未満の回収ポリアミドを添加し、得られるポリアミドの物性を変化させずにポリアミドを製造することを特徴とする請求項1記載のポリアミドの製造方法。
【請求項4】 前記重縮合反応系中に生成ポリマーに対して3重量%以上30重量%未満の回収ポリアミドを添加し、得られるポリアミドの結晶化速度を調整することを特徴とする請求項1記載のポリアミドの製造方法。
【請求項5】 前記重縮合反応系中に生成ポリマーに対して3重量%以上30重量%未満の回収ポリアミドを添加し、得られるポリアミドの結晶化速度を増加させることを特徴とする請求項1記載のポリアミドの製造方法。
【請求項6】 ジアミンがキシリレンジアミンである、請求項1〜5に記載のポリアミドの製造方法。
【請求項7】 キシリレンジアミンがメタキシリレンジアミンである、請求項6に記載のポリアミドの製造方法。
【請求項8】 ジアミンがビスアミノシクロヘキサンである、請求項1〜5に記載のポリアミドの製造方法。
【請求項9】 ビスアミノシクロヘキサンが1,3−ビスアミノシクロヘキサンである、請求項8に記載のポリアミドの製造方法。
【請求項10】 ジカルボン酸がアジピン酸である、請求項1〜9に記載のポリアミドの製造方法。
【請求項11】 溶融ジカルボン酸中の水分濃度が10重量%以下である、請求項1から10のいずれかに記載のポリアミドの製造方法。
【請求項12】 添加する回収ポリアミドの形状が粒状もしくは粉状である、請求項1から11のいずれかに記載のポリアミドの製造方法。
【請求項13】 添加する回収ポリアミドの数平均分子量が80,000以下である、請求項1から12のいずれかに記載のポリアミドの製造方法。
【請求項14】 添加する回収ポリアミドの結晶化度が50%以下である、請求項1から13のいずれかに記載のポリアミドの製造方法。
【請求項15】 溶融ジカルボン酸にジアミンを添加し、溶融状態で重縮合反応を行ってポリアミドを製造する方法において、前記重縮合反応系中に生成ポリマーに対して3重量%以上30重量%未満の回収ポリアミドを添加し、同反応中に添加した回収ポリアミドを溶解させることにより得られる、結晶化速度が調整されたポリアミド。
【請求項16】 溶融ジカルボン酸にジアミンを添加し、溶融状態で重縮合反応を行ってポリアミドを製造する方法において、前記重縮合反応系中に生成ポリマーに対して3重量%以上30重量%未満の回収ポリアミドを添加し、同反応中に添加した回収ポリアミドを溶解させることにより得られる、結晶化速度が増加されたポリアミド。
【請求項17】 ジアミンがキシリレンジアミンである、請求項15または16に記載のポリアミド。
【請求項18】 キシリレンジアミンがメタキシリレンジアミンである、請求項17に記載のポリアミド。
【請求項19】 ジアミンがビスアミノシクロヘキサンである、請求項15または16に記載のポリアミド。
【請求項20】 ビスアミノシクロヘキサンが1,3−ビスアミノシクロヘキサンである、請求項19に記載のポリアミド。
【請求項21】 ジカルボン酸がアジピン酸である、請求項15〜20のいずれかに記載のポリアミド。
【請求項22】 溶融ジカルボン酸中の水分濃度が10重量%以下である、請求項15から21のいずれかに記載のポリアミド。
【請求項23】 添加する回収ポリアミドの形状が粒状もしくは粉状である、請求項15から22のいずれかに記載のポリアミド。
【請求項24】 添加する回収ポリアミドの数平均分子量が80,000以下である、請求項15から23のいずれかに記載のポリアミド。
【請求項25】 添加する回収ポリアミドの結晶化度が50%以下である、請求項15から24のいずれかに記載のポリアミド。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリアミドの製造方法に関し、詳しくはポリアミド製造工程中に発生する形状不良成形品、スクラップ、余剰品等の産業廃棄物(以後回収ポリアミドと呼ぶ事がある)を溶融重合工程に戻し、原料の一部として再利用することを特徴とするポリアミドの製造方法及びそれによって得られる結晶化速度が調整されたポリアミドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリアミドは家電製品や各種自動車用部品、コンピューターのハウジング等の射出成形材料、繊糸、編織物等の衣料品、タイヤコ−ド、漁網、釣り糸等の工業用またはレジャ−用フィラメント材料、食品包装用のフィルムや各種容器用シ−トあるいはボトル用材料として使用しうる高強力、耐磨耗性、耐疲労性、良好な染色性、ガスバリヤー性等の化学的、機械的性質を有している。特にポリアミドMXD6のようなキシリレンジアミンと脂肪族ジカルボン酸とから得られるアミド結合繰り返し単位を含有するポリアミドはポリアミド6やポリアミド66等に比べて高強度、高ヤング率、低吸水性であり、なおかつガスバリヤー性にも優れるため、各種工業用材料、あるいは食品包装用のフィルム、シート、ボトル用材料として特に有用である。
【0003】ジアミンとジカルボン酸を原料とするポリアミドの製法には、ジアミンとジカルボン酸との等モル塩水溶液を加圧下で加熱する所謂加圧法と、溶融ジカルボン酸に昇温しながらジアミンを滴下する所謂常圧法が存在する。後者は例えばメタキシリレンジアミンとアジピン酸を原料とするポリアミドMXD6のようにジアミンの沸点よりもジカルボン酸及びポリアミドの融点が低い場合に有効な製造法であり、加圧法と比較して反応時間が短い、1バッチ当たりの生産量が大きい、工程及び装置が簡略化されるなどの利点を有する。
【0004】通常、重縮合の終了したポリアミドは、バッチ式の場合は重合槽内を不活性ガスで加圧することにより、また、連続式の場合はスクリュー等の機械的な動力によって複数の吐出口からストランドと呼ばれる糸状に押し出された後、冷却固化・切断してペレットとして製品化する。この際、槽内の加圧状態や溶融樹脂の状態の予期せぬ変化によってストランドの乱れが起こり、隣のストランドと接触した状態でペレット化されると、複数のペレットが数珠繋ぎに接着した異形ペレットができる。この異形ペレットは射出・押出成形時に供給不良や射出成形機、押出機の不調の原因となるため、一般にふるいにかけて工程外に取り除かれる。
【0005】一方、ポリアミドは先に述べたように様々な用途に用いられるため、その用途に応じた成形に適した溶融粘度等の物性を必要とする。例えば射出成形用に用いられる材料は金型内の流動性を高めるために溶融粘度の低いポリアミドが用いられ、押出成形の場合は押出時の溶融強度が必要となるため溶融粘度の高いポリアミドが用いられる。また、ポリマーアロイやポリマーブレンド、あるいは多層シートやフィルムのように複数の樹脂を複合させて使用する場合、複合する材料同士の相性やその複合率あるいは量に応じて必要とされる溶融粘度が異なる場合がある。このため原料メーカ−は通常、溶融粘度の異なる複数のグレードを用意して対応するが、市場の要求や需要量の変化によって、グレードによっては余剰品が発生する場合がある。
【0006】これらの工程選別品や余剰品は従来廃棄するしかなく、産業廃棄物として処理されるため、処理費用や運送費用が別途必要とされ、採算不良の原因となっていた。近年高まっている環境問題の観点からも廃棄物を出さないことが望まれ、収率アップの面からもこれらの工程選別品や余剰品の再利用が望まれている。
【0007】ポリアミド樹脂の製造現場における工程選別品や余剰品のリサイクル方法としては一般的には押出機等を用いて再溶融した後、再造粒する方法が挙げられる。この方法はコスト的に有利だが、色調等の品質が低下し、再溶融する前の製品と同等に使用できない問題が生じる。
【0008】次に、一般にサーマルリサイクルと呼ばれる、熱として回収する方法が挙げられる。しかし、この方法は材料として再利用できない場合の最終手段といえる。
【0009】3番目の方法として、一般にケミカルリサイクルと呼ばれる、モノマーに分解して再利用する方法が挙げられる。この方法は最も一般的であり、多くの原料メーカーが検討している。例えば特許第3048644号公報には、ポリアミド縮合生成物からジアミン及びジカルボン酸を回収する方法が示されている。この発明はポリアミド縮合生成物に硝酸を加えて加水分解する事によりモノマーを回収する方法であるが、採用する際にはやはり専用の装置を必要し、また、硝酸という強酸を使用することによる装置の腐食問題が存在するため、設備費及び維持費が大きな負担となる。
【0010】一方、特開平9−12711号公報には、形状不良ペレットを水等の液状媒体のスラリーとして原料と混合しポリアミドを製造する方法が記載されている。この方法は設備的にはほとんど変更する必要が無く、コスト的に有利だが、水等の液状媒体を大量に使用するため、エネルギー的に不利である。
【0011】以上の事から、設備新設等のコストを低く抑え、製造プロセスを変更せず、尚かつ回収ポリアミドと同等の品質を有するポリアミドを製造することが出来る回収ポリアミドリサイクル方法の開発が強く望まれてきた。
【0012】ところで、上述のように射出成形用材料には金型内の流動性を高めるために溶融粘度の低いポリアミドが用いられるが、その一方で成形サイクルを速めるために結晶化速度の速いポリアミドが用いられる。一般的に結晶化速度を速める手段としては各種無機物や、結晶化速度が速く、ポリアミドと相溶しやすいポリマー等の添加が行われているが、各種物性低下の問題から添加許容量には限界があり、従って、この方法による結晶化速度の増加には限界が存在する。従って、更なる結晶化速度向上のためにはポリアミドそのものの結晶化速度向上が必要となり、その方法についても開発が強く望まれてきた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は設備新設等のコストを低く抑え、製造プロセスを変更せずに従来廃棄対象となっていた回収ポリアミドを廃棄することなく原料の一部として再利用して、品質を劣化させることなくポリアミドを製造する方法を提供することを目的とする。本発明の他の目的は、回収ポリアミドを含む原料から得られたポリアミドの結晶化速度を増加させる方法を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討した結果、溶融ジカルボン酸にジアミンを添加し、溶融状態で重縮合反応を行ってポリアミドを製造する方法において、前記重縮合反応系中に回収ポリアミドのある一定量を添加し、重合反応中に回収ポリアミドを溶解させることにより前記目的が達成されることを見出した。また、回収ポリアミドの添加量を調整する事により、得られるポリアミドの結晶化速度が増加することを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は溶融ジカルボン酸にジアミンを添加し、溶融状態で重縮合反応を行ってポリアミドを製造する方法において、前記重縮合反応系中に回収ポリアミドを添加し、重縮合反応中に添加した回収ポリアミドを溶解させることを特徴とするポリアミドの製造方法を提供する。本発明は、さらに、前記製造方法によって得られる結晶化速度が調整されたポリアミドを提供する。
【0015】本発明で使用する回収ポリアミド及び本発明の方法により製造されるポリアミドは、ジアミンとジカルボン酸から得られるポリアミドであれば特に限定されないが、本発明では、溶融ジカルボン酸に昇温しながらジアミンを添加する所謂常圧法でポリアミドを製造するため、ジアミンの沸点よりもジカルボン酸及びポリアミドの融点が低い事が望ましい。例えばキシリレンジアミンもしくはビスアミノシクロヘキサンとアジピン酸から得られるポリアミド、特にメタキシリレンジアミンもしくは1,3−ビスアミノシクロヘキサンとアジピン酸から得られるポリアミドが望ましい。
【0016】本発明では重縮合反応系中に回収ポリアミドを添加するが、重合反応を終了する前に添加した回収ポリアミドが溶解する必要がある。重合反応中に回収ポリアミドが完全に溶解しないと、得られるポリアミドの品質が安定しない、あるいは製品取り出し時の吐出口閉塞等、製造時のトラブル要因となる可能性がある。従って、回収ポリアミドの添加時期は重合反応を終了する前に、添加した回収ポリアミドが溶解する条件であれば特に規定されないが、回収ポリアミドの溶解及び重縮合反応時間が延びて製品の熱履歴を多く受けるのを避けるため、溶融ジカルボン酸にジアミンが添加される前に溶融ジカルボン酸中に添加するのが望ましい。
【0017】回収ポリアミドとして添加される工程選別品、スクラップ、余剰品はそれぞれ単独でも良く、また、2種以上の混合品でも構わないが、その添加量は得られるポリアミドの30重量%(wt%)未満である必要がある。30wt%以上添加した場合、添加した回収ポリアミドが重合反応中に完全に溶解しないことにより、得られるポリアミドに品質不安定化や製造時のトラブル要因となる可能性がある。また、重合反応液の粘度上昇による重合反応の阻害によって必要な物性を得るための重合反応時間が通常よりも延びることや、回収ポリアミドが溶解したとしてもそれまでに時間がかかること等の理由により、得られるポリアミドが通常よりも多く熱遍歴を受けることになり、結果として製品の品質を損なう。
【0018】また、回収ポリアミドの添加量についてはその目的に応じて選択することができる。得られるポリアミドの物性が回収ポリアミドの添加により変化することを望まない場合、回収ポリアミドの添加量は重縮合反応で得られるポリアミドの3wt%未満である必要がある。また、得られるポリアミドの結晶化速度を増大させたい場合、回収ポリアミドの添加量は重縮合反応で得られるポリアミドの3wt%以上30wt%未満である必要があり、4wt%以上20wt%以下であることが望ましい。
【0019】溶融ジカルボン酸に添加された回収ポリアミドはジカルボン酸過剰系で少量の水分によって加水分解反応を受ける可能性がある。しかし、溶融ジカルボン酸中の水分濃度は10wt%以下であるのが好ましい。水分濃度が10wt%を越えると、本来の重縮合反応が阻害され、必要な物性を得るための重縮合反応時間が通常よりも延びる事から製品が熱履歴を通常よりも多く受ける事になり、結果として製品の品質を損なう。
【0020】添加される回収ポリアミドは反応系への溶解速度ができるだけ速いことが望ましく、従ってその形状は粒状もしくは粉体であることが望ましい。また、添加される回収ポリアミドの数平均分子量は好ましくは80,000以下、更に好ましくは65,000以下、更にその結晶化度は好ましくは50%以下、更に好ましくは40%以下である必要がある。数平均分子量が80,000を越える場合、もしくは結晶化度が50%を越えると前述した添加量以内であっても重合反応中に回収ポリアミドが完全に溶解しない、もしくは、添加した回収ポリアミドが溶解するまでに時間がかかり、また、重合反応液の粘度が上昇するため、結果として製品の品質を損なう。更に、結晶化速度増加を目的とする場合は、分子量が10,000以上50,000以下であることが望ましい。
【0021】本発明におけるポリアミドの製造方法には必要に応じて滑剤、着色防止剤、架橋防止剤、耐光剤、顔料、制電剤、難燃剤等の無機、有機化合物を組み合わせて使用することができる。添加する時期は特に制限されないが、回収ポリアミドと同時に添加することがより望ましい。
【0022】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を説明する。表中では回収ポリアミドとして添加したポリメタキシリレンアジパミドをN−MXD6、数平均分子量をMnと表記する。尚、本発明における評価のための測定は以下の方法によった。
■ 水分率(重量%)ペレット2gを、三菱化学(株)製カールフィッシャー微量水分測定装置(CA−05型)及び気化装置(VA−05型)を用い、融点温度で30分の気化条件で水分量を定量し、水分率を求めた。
■ 数平均分子量アミノ基及びカルボキシル基の定量値(末端基濃度)から次式により求めた。
数平均分子量=2/([NH2]+[CO2H])
[NH2]: アミノ基濃度(当量/g)[CO2H]: カルボキシル基濃度(当量/g)■ 結晶化速度結晶化速度の評価方法として半結晶化時間を用いた。半結晶化時間とはある結晶性材料が融解状態から結晶化状態まで移行する場合に、結晶化が1/2進行するまでの時間を表し、半結晶化時間が短いほどその材料は結晶化速度が速いといえる。(有)コタキ製作所製結晶化速度測定器(MK−801型)を用い、半結晶化時間を測定した。260℃で3分間予熱した後、所定の温度の油浴中に浸漬し、放置時間に対する偏光補償電圧を測定し、一定となった電圧の半分の値に到達する時間を半結晶化時間とした。
【0023】実施例1攪拌機、分縮機、温度計、滴下ロート及び窒素ガス導入管を備えた内容積2リットルのセパラブルフラスコに、精秤したアジピン酸600.00gを入れ、充分に窒素置換した後、更に少量の窒素気流下で190℃まで加熱し、均一に溶融した後、ポリメタキシリレンアジパミド(数平均分子量16,000)を14.55g(生成ポリマーに対して2.8wt%)添加し、20分撹拌後、メタキシリレンジアミン562.00gを撹拌下に120分を要して滴下した。この間、反応温度は連続的に250℃まで昇温させた。ジアミンの滴下により生じる縮合水は分縮器及び全縮器を通して系外に除いた。ジアミン滴下終了後、内温258℃で60分反応を継続した。得られたポリアミドの性状を表1に示す。
【0024】実施例2攪拌機、分縮機、温度計、滴下ロート及び窒素ガス導入管を備えた内容積2リットルのセパラブルフラスコに、精秤したアジピン酸600.00gを入れ、充分に窒素置換した後、更に少量の窒素気流下で190℃まで加熱し、均一に溶融した後、ポリメタキシリレンアジパミド(数平均分子量40,000)を14.55g(生成ポリマーに対して2.8wt%)添加し、20分撹拌後、メタキシリレンジアミン562.00gを撹拌下に120分を要して滴下した。この間、反応温度は連続的に250℃まで昇温させた。ジアミンの滴下により生じる縮合水は分縮器及び全縮器を通して系外に除いた。ジアミン滴下終了後、内温258℃で60分反応を継続した。得られたポリアミドの性状を表1に示す。
【0025】実施例3攪拌機、分縮機、温度計、滴下ロート及び窒素ガス導入管を備えた内容積2リットルのセパラブルフラスコに、精秤したアジピン酸600.00gを入れ、充分に窒素置換した後、更に少量の窒素気流下で190℃まで加熱し、均一に溶融した後、ポリメタキシリレンアジパミド(数平均分子量16,000)を14.75g(生成ポリマーに対して2.8wt%)添加し、20分撹拌後、1,3−ビスアミノシクロヘキサン578.51gを撹拌下に120分を要して滴下した。この間、反応温度は連続的に244℃まで昇温させた。ジアミンの滴下により生じる縮合水は分縮器及び全縮器を通して系外に除いた。ジアミン滴下終了後、内温250℃で60分反応を継続した。得られたポリアミドの性状を表3に示す。
【0026】実施例4攪拌機、分縮機、温度計、滴下ロート及び窒素ガス導入管を備えた内容積2リットルのセパラブルフラスコに、精秤したアジピン酸600.00gを入れ、充分に窒素置換した後、更に少量の窒素気流下で190℃まで加熱し、均一に溶融した後、ポリメタキシリレンアジパミド(数平均分子量16,000)を58.20g(生成ポリマーに対して5.4wt%)添加し、20分撹拌後、メタキシリレンジアミン562.00gを撹拌下に120分を要して滴下した。この間、反応温度は連続的に250℃まで昇温させた。ジアミンの滴下により生じる縮合水は分縮器及び全縮器を通して系外に除いた。ジアミン滴下終了後、内温258℃で60分反応を継続した。得られたポリアミドの性状を表1に示す。
【0027】実施例5攪拌機、分縮機、温度計、滴下ロート及び窒素ガス導入管を備えた内容積2リットルのセパラブルフラスコに、精秤したアジピン酸600.00gを入れ、充分に窒素置換した後、更に少量の窒素気流下で190℃まで加熱し、均一に溶融した後、ポリメタキシリレンアジパミド(数平均分子量16,000)を59.00g(生成ポリマーに対して5.4wt%)添加し、20分撹拌後、1,3−ビスアミノシクロヘキサン578.51gを撹拌下に120分を要して滴下した。この間、反応温度は連続的に244℃まで昇温させた。ジアミンの滴下により生じる縮合水は分縮器及び全縮器を通して系外に除いた。ジアミン滴下終了後、内温250℃で60分反応を継続した。得られたポリアミドの性状を表3に示す。
【0028】実施例6攪拌機、分縮機、温度計、滴下ロート及び窒素ガス導入管を備えた内容積2リットルのセパラブルフラスコに、精秤したアジピン酸600.00gを入れ、充分に窒素置換した後、更に少量の窒素気流下で190℃まで加熱し、均一に溶融した後、ポリメタキシリレンアジパミド(数平均分子量16,000)を116.60g(生成ポリマーに対して10wt%)添加し、20分撹拌後、メタキシリレンジアミン562.00gを撹拌下に120分を要して滴下した。この間、反応温度は連続的に250℃まで昇温させた。ジアミンの滴下により生じる縮合水は分縮器及び全縮器を通して系外に除いた。ジアミン滴下終了後、内温258℃で60分反応を継続した。得られたポリアミドの性状を表2に示す。
【0029】実施例7攪拌機、分縮機、温度計、滴下ロート及び窒素ガス導入管を備えた内容積2リットルのセパラブルフラスコに、精秤したアジピン酸600.00g及びポリメタキシリレンアジパミド(数平均分子量16,000)233.30g(生成ポリマーに対して18wt%)を入れ、充分に窒素置換した後、更に少量の窒素気流下で190℃まで加熱し、均一に溶融した後、メタキシリレンジアミン562.00gを撹拌下に120分を要して滴下した。この間、反応温度は連続的に250℃まで昇温させた。ジアミンの滴下により生じる縮合水は分縮器及び全縮器を通して系外に除いた。ジアミン滴下終了後、内温258℃で60分反応を継続した。得られたポリアミドの性状を表2に示す。
【0030】参考例1攪拌機、分縮機、温度計、滴下ロート及び窒素ガス導入管を備えた内容積2リットルのセパラブルフラスコに、精秤したアジピン酸600.00gを入れ、充分に窒素置換した後、更に少量の窒素気流下で190℃まで加熱し、均一に溶融した後20分そのまま撹拌し、メタキシリレンジアミン562.00gを撹拌下に120分を要して滴下した。この間、反応温度は連続的に250℃まで昇温させた。ジアミンの滴下により生じる縮合水は分縮器及び全縮器を通して系外に除いた。ジアミン滴下終了後、内温258℃で60分反応を継続した。得られたポリアミドの性状を表2に示す。
【0031】参考例2攪拌機、分縮機、温度計、滴下ロート及び窒素ガス導入管を備えた内容積2リットルのセパラブルフラスコに、精秤したアジピン酸600.00gを入れ、充分に窒素置換した後、更に少量の窒素気流下で190℃まで加熱し、均一に溶融した後、20分そのまま撹拌し、1,3−ビスアミノシクロヘキサン578.51gを撹拌下に120分を要して滴下した。この間、反応温度は連続的に244℃まで昇温させた。ジアミンの滴下により生じる縮合水は分縮器及び全縮器を通して系外に除いた。ジアミン滴下終了後、内温250℃で60分反応を継続した。得られたポリアミドの性状を表3に示す。
【0032】比較例1攪拌機、分縮機、温度計、滴下ロート及び窒素ガス導入管を備えた内容積2リットルのセパラブルフラスコに、精秤したアジピン酸600.00g及びポリメタキシリレンアジパミド(数平均分子量16,000)441.00g(生成ポリマーに対して30wt%)を入れ、充分に窒素置換した後、更に少量の窒素気流下で190℃まで加熱し、更に360分攪拌を継続したが、添加したポリメタキシリレンアジパミドは溶融したアジピン酸に完全には溶解しなかった。その後、この不均一溶液にメタキシリレンジアミン562.00gを撹拌下に120分を要して滴下し、この間、反応温度は連続的に250℃まで昇温させた。ジアミンの滴下により生じる縮合水は分縮器及び全縮器を通して系外に除いた。ジアミン滴下終了時点でも添加したポリメタキシリレンアジパミドが完全に溶解せず、バッチ内の品質バラツキ、造粒時の吐出口閉塞等様々な不都合が想定されるため、以後の反応及び評価を中止した。
【0033】比較例2攪拌機、分縮機、温度計、滴下ロート及び窒素ガス導入管を備えた内容積2リットルのセパラブルフラスコに、精秤したアジピン酸600.00g及びポリメタキシリレンアジパミド(数平均分子量40,000)441.00g(生成ポリマーに対して30wt%)を入れ、充分に窒素置換した後、更に少量の窒素気流下で190℃まで加熱し、更に360分攪拌を継続したが、添加したポリメタキシリレンアジパミドは溶融したアジピン酸に完全には溶解しなかった。その後、この不均一溶液にメタキシリレンジアミン562.00gを撹拌下に120分を要して滴下した。この間、反応温度は連続的に250℃まで昇温させた。ジアミンの滴下により生じる縮合水は分縮器及び全縮器を通して系外に除いた。ジアミン滴下終了時点でも添加したポリメタキシリレンアジパミドが完全に溶解せず、バッチ内の品質バラツキ、造粒時の吐出口閉塞等様々な不都合が想定されるため、以後の反応及び評価を中止した。
【0034】比較例3攪拌機、分縮機、温度計、滴下ロート及び窒素ガス導入管を備えた内容積2リットルのセパラブルフラスコに、精秤したアジピン酸600.00g及びポリメタキシリレンアジパミド(数平均分子量16,000)446.00g(生成ポリマーに対して30wt%)を入れ、充分に窒素置換した後、更に少量の窒素気流下で190℃まで加熱し、更に360分攪拌を継続したが、添加したポリメタキシリレンアジパミドは溶融したアジピン酸に完全には溶解しなかった。その後、この不均一溶液に1,3−ビスアミノシクロヘキサン578.51gを撹拌下に120分を要して滴下した。この間、反応温度は連続的に244℃まで昇温させた。ジアミンの滴下により生じる縮合水は分縮器及び全縮器を通して系外に除いた。ジアミン滴下終了時点でも添加したポリメタキシリレンアジパミドが完全には溶解せず、バッチ内の品質バラツキ、造粒時の吐出口閉塞等様々な不都合が想定されるため、以後の反応及び評価を中止した。
【0035】
表1実施例番号 実施例1 実施例2 実施例4アジピン酸(g) 600.00 600.00 600.00メタキシリレンジアミン(g) 562.00 562.00 562.00添加N−MXD6 Mn 16,000 40,000 16,000生成ポリマーに対する添加量(wt%) 2.8 2.8 5.4ポリアミドの性状 水分率(%) 0.40 0.39 0.37 Mn 17,100 16,900 16,800 半結晶化時間 120℃(秒) 830 830 760 160℃(秒) 38 38 36 【0036】
表2実施例番号 実施例6 実施例7 参考例1アジピン酸(g) 600.00 600.00 600.00メタキシリレンジアミン(g) 562.00 562.00 562.00添加N−MXD6 Mn 16,000 16,000 ---生成ポリマーに対する添加量(wt%) 10 18 ---ポリアミドの性状 水分率(%) 0.38 0.38 0.45 Mn 17,000 16,700 17,200 半結晶化時間 120℃(秒) 650 800 830 160℃(秒) 33 37 38 【0037】
表3参考例番号 実施例3 実施例5 参考例2アジピン酸(g) 600.00 600.00 600.001,3−ビスアミノシクロヘキサン(g) 578.51 578.51 578.51添加N−MXD6 Mn 16,000 16,000 ---生成ポリマーに対する添加量(wt%) 2.8 5.4 ---ポリアミドの性状 水分率(%) 0.45 0.45 0.45 Mn 13,200 13,300 13,200 半結晶化時間 160℃(秒) 1200 1100 1200 170℃(秒) 700 640 700 【0038】表1から表3に示される結果から、実施例1及び実施例2の条件で得られるポリアミドの結晶化速度は、参考例1のN−MXD6無添加品と同等である事、実施例3の条件で得られるポリアミドの結晶化速度は参考例2のN−MXD6無添加品と同等である事、実施例4、実施例6及び実施例7の条件で得られるポリアミドの結晶化速度は参考例1のN−MXD6無添加品と比較して増加が認められる事、実施例5の条件で得られるポリアミドの結晶化速度は参考例2のN−MXD6無添加品と比較して増加が認められる事が分かる。また、上記したように、比較例1、比較例2及び比較例3の条件では添加したポリアミドが重縮合反応中に反応系に完全に溶解せず、正常な製品が得られない事が明らかである。
【0039】
【発明の効果】本発明を用いることにより、ポリアミド製造工程中に発生する形状不良成形品等の産業廃棄物を回収ポリアミドとして溶融重合工程に戻し、製品の品質を損なうことなく原料の一部として再利用することが可能となる。また、回収ポリアミドの添加量を調整することにより、得られるポリアミドの結晶化速度調整が可能となる。
【出願人】 【識別番号】000004466
【氏名又は名称】三菱瓦斯化学株式会社
【出願日】 平成13年9月19日(2001.9.19)
【代理人】 【識別番号】100117891
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 隆
【公開番号】 特開2002−173531(P2002−173531A)
【公開日】 平成14年6月21日(2002.6.21)
【出願番号】 特願2001−285616(P2001−285616)