| 【発明の名称】 |
ポリアルキレンテレフタレート樹脂組成物及びその識別方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】鈴木 稔
【氏名】長野 博紀
|
| 【要約】 |
【課題】ポリアルキレンテレフタレート樹脂組成物を樹脂成形体に加工する際、バージンのテレフタル酸ジメチルからなるポリアルキレンテレフタレート樹脂との識別が容易に可能であり、更にバージンのテレフタル酸ジメチルからなるポリアルキレンテレフタレート樹脂と同等の品質を有するポリアルキレンテレフタレート樹脂組成物及びその識別方法を提供する。
【解決手段】識別化合物として、識別化合物としての炭素或いは/及び水素の同位体から構成されるテレフタル酸ジメチル、を全テレフタル酸ジメチルに対し1〜1000重量ppm添加する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 識別化合物としての炭素或いは/及び水素の同位体から構成されるテレフタル酸ジメチル、を全テレフタル酸ジメチルに対し1〜1000重量ppm添加するポリアルキレンテレフタレート樹脂組成物。 【請求項2】 炭素の同位体が、13Cである請求項1記載のポリアルキレンテレフタレート樹脂組成物。 【請求項3】 水素の同位体が、重水素である請求項1記載のポリアルキレンテレフタレート樹脂組成物。 【請求項4】 水素或いは/及び炭素の同位体から構成されるテレフタル酸ジメチルが、テレフタル酸−カルボキシ−13C−ジメチルエステル、テレフタル酸−カルボキシ−13C2−ジメチルエステル、テレフタル酸−13C6−ジメチルエステル、テレフタル酸−d−ジメチルエステル、テレフタル酸−d4−ジメチルエステルからなる群から選ばれた少なくとも1種の同位体化合物である請求項1記載のポリアルキレンテレフタレート樹脂組成物。 【請求項5】 ポリアルキレンテレフタレート樹脂組成物を製造するに際し、識別化合物としての炭素或いは/及び水素の同位体から構成されるテレフタル酸ジメチル、を全テレフタル酸ジメチルに対し1〜1000重量ppm添加したテレフタル酸ジメチル組成物を使用することを特徴とする、ポリアルキレンテレフタレート樹脂組成物の識別方法。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、識別化合物としての炭素或いは/及び水素の同位体から構成されるテレフタル酸ジメチルを含有するテレフタル酸ジメチル組成物からなるポリアルキレンテレフタレート樹脂組成物及びその識別方法に関する。 【0002】更に詳しくは、本発明は、ポリアルキレンテレフタレートを解重合し、メタノールでエステル化されたテレフタル酸ジメチル(以下、原料リサイクルDMTと略記する)に識別化合物としての炭素或いは/及び水素の同位体から構成されるテレフタル酸ジメチルを添加したテレフタル酸ジメチル組成物からなるポリアルキレンテレフタレート樹脂組成物を樹脂成形体に加工する際に、パラキシレンから生産されたテレフタル酸ジメチル(以下、バージンDMTと略記する)と容易に識別可能であり、更にバージンのテレフタル酸ジメチルからなるポリアルキレンテレフタレート樹脂と同等の品質を有するポリアルキレンテレフタレート樹脂組成物に関する。 【0003】 【従来の技術】現在、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略記する)は、繊維、樹脂、包装材料、フィルム、その他成形体として広く世の中で使用されているが、使用済材料、特に、PETボトルの処分について近年大きな問題となっている。ここ数年で、使用済PETボトルは、回収した後、粉砕処理、他の材料との分離処理及び洗浄処理を経て、繊維やシートなどに再加工されるマテリアルリサイクルの循環ループが出来、機能し始めている。 【0004】しかし、このシステムで処理された材料は、再加工設備及び条件に制約があり、且つ、再加工樹脂製品の品質低下の問題もあり、その用途も制約されている。また、マテリアルリサイクル再加工樹脂製品とバージン材料からなる樹脂の樹脂製品とを容易に識別することも出来ていない。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、リサイクル樹脂を使用していることを容易に識別でき、更にバージン樹脂製品との品質差の少ないポリアルキレンテレフタレート樹脂組成物及びその識別方法を提供することを課題とし、これを用いた中空成形体、熱成形容器、シート、射出成形品等の樹脂成形体を提供することを課題とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記従来技術に鑑み鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに到った。 【0007】すなわち、本発明の目的は、識別化合物としての炭素或いは/及び水素の同位体から構成されるテレフタル酸ジメチル、を全テレフタル酸ジメチルに対し1〜1000重量ppm添加するポリアルキレンテレフタレート樹脂組成物によって達成することができる。 【0008】さらに、本発明の他の目的は、ポリアルキレンテレフタレート樹脂組成物を製造するに際し、識別化合物としての炭素或いは/及び水素の同位体から構成されるテレフタル酸ジメチル、を全テレフタル酸ジメチルに対し1〜1000重量ppm添加したテレフタル酸ジメチル組成物を使用することを特徴とする、ポリアルキレンテレフタレート樹脂組成物の識別方法によって達成される。 【0009】 【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 【0010】本発明の識別方法においては、まず、識別化合物となるテレフタル酸ジメチルの同位体化合物が必要であり、炭素の同位体が13Cであり、水素の同位体が重水素であるテレフタル酸ジメチルの同位体化合物が好ましい。このテレフタル酸ジメチルの同位体化合物の中でも、テレフタル酸−カルボキシ−13C−ジメチルエステル、テレフタル酸−カルボキシ−13C2−ジメチルエステル、テレフタル酸−13C6−ジメチルエステル、テレフタル酸−d−ジメチルエステル、テレフタル酸−d4−ジメチルエステルからなる群から選ばれた少なくとも1種の同位体化合物であることが好ましい。 【0011】次に、ポリエステルを既知の解重合触媒存在下、EG中で解重合反応させる。ここでポリエステルとは、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレートである。解重合反応で得られた混合物は必要であれば、解重合反応で用いた過剰なEGを抜出し、その後MeOHと共に反応器内へ導入し、置換エステル化反応、及び冷却晶析により、粗テレフタル酸ジメチルを得る。更にこの得られた粗テレフタル酸ジメチルを蒸留精製することにより、高純度のテレフタル酸ジメチルを得ることができる。 【0012】以上の工程を経て得られた高純度の回収テレフタル酸ジメチルを140〜170℃の溶融状態に保ち、既知の方法でテレフタル酸ジメチルの同位体化合物を添加することができ、回分式と連続式、どちらでも問題なく採用することができる。 【0013】例えば、同位体化合物を添加する時の形態としては、同位体化合物の微粉末状態、あるいは、例えばメタノールに代表される有機溶媒のスラリー状態とし、添加した後、攪拌や液循環によりテレフタル酸ジメチル中に均一に分散させる方法が挙げられる。識別化合物としての炭素或いは/及び水素の同位体から構成されるテレフタル酸ジメチルは、ポリエステルからEG及びMeOHを用いて回収したテレフタル酸ジメチル中に、1〜1000重量ppm、好ましくは50〜300重量ppm添加することが好ましい。添加量が1重量ppm未満であると、検出が困難であり、1000重量ppmを超えると樹脂組成物の品質及び成形性悪化をもたらす為、好ましくない。 【0014】本発明のポリアルキレンテレフタレート樹脂組成物は、識別化合物としての炭素或いは/及び水素の同位体から構成されるテレフタル酸ジメチル、を全テレフタル酸ジメチルに対し1〜1000重量ppm添加するポリアルキレンテレフタレート樹脂組成物である。 【0015】本発明のポリアルキレンテレフタレートは、テレフタル酸単位とジオ−ル単位からなる熱可塑性ポリエステルであり、テレフタル酸単位を全酸成分の85モル%以上の成分とすることが好ましい。 【0016】テレフタル酸単位は、エステル誘導体に由来しており、誘導体として、メチルエステルであるテレフタル酸ジメチルが好ましい。 【0017】上述のテレフタル酸ジメチルは、ポリアルキレンテレフタレートをエチレングリコールで解重合し、次いでメタノールでエステル交換反応して得られたテレフタル酸ジメチルに前述の識別化合物としての炭素或いは/及び水素の同位体から構成されるテレフタル酸ジメチルを1〜1000重量ppm添加されたテレフタル酸ジメチルであることが好ましい。 【0018】全酸成分の15モル%未満の範囲で、例えば、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、1,7−ナフタレンジカルボン酸、その他のナフタレンジカルボン酸の異性体、イソフタル酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジフェニルエ−テルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸等のごとき芳香族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸等の如き脂環属族ジカルボン酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸等の如き脂肪族ジカルボン酸、p−β−ヒドロキシエトキシ安息香酸、ε−オキシカプロン酸等の如きオキシ酸等の二官能性カルボン酸から選ばれる少なくとも1種以上の酸成分を共重合できる。 【0019】また、ポリアルキレンテレフタレートを構成するジオール成分としては、例えば、エチレングリコ−ル、トリメチレングリコ−ル、テトラメチレングリコ−ル、ヘキサメチレングリコ−ル、デカメチレングリコ−ル、ネオペンチルグリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、1,1−シクロヘキサンジメタノ−ル、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル、2,2−ビス(4’−β−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン等のジオールの1種以上であることができる。 【0020】本発明において、ポリアルキレンテレフタレートには、3官能以上の化合物が2%以下の範囲で共重合されていても差し支えない。 【0021】次に、本発明のポリアルキレンテレフタレート樹脂組成物の識別方法につき説明する。 【0022】本発明のポリアルキレンテレフタレート樹脂組成物の識別方法は、上記の識別化合物としての水素或いは/及び炭素の同位体から構成されるテレフタル酸ジメチルを添加するテレフタル酸ジメチル及びジオ−ルとを含む原料を、エステル交換触媒の存在下のエステル交換反応させ、ビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレ−ト及び/又はそのオリゴマ−を形成させ、その後、重縮合触媒及び安定剤の存在下で高温減圧下に溶融重縮合を行って、ポリアルキレンテレフタレート樹脂組成物を得ることにより達成される。 【0023】エステル交換触媒としては、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属塩、チタン、亜鉛、マンガン等の金属化合物が好ましく使用される。重縮合触媒としては、ゲルマニウム化合物、アンチモン化合物、チタン化合物、コバルト化合物、錫化合物等が知られている。 【0024】又、安定剤としては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート等のリン酸エステル類、トリフェニルホスファイト、トリスドデシルホスファイト等の亜リン酸エステル類、メチルアシッドホスフェート、ジブチルホスフェート、モノブチルホスフェート酸性リン酸エステル、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ポリリン酸等のリン化合物が好ましい。 【0025】エステル交換反応触媒の供給は、原料調製時の他、エステル交換反応の初期の段階において行うことができる。また、安定剤の供給は、重縮合反応初期までに行うことが出来るが、エステル交換反応終了時に添加することが好ましい。さらに、重縮合触媒は重縮合反応工程の初期までに供給することができる。エステル交換反応時の反応温度は、通常200〜260℃であり、反応圧力は常圧〜0.3MPaである。また、重縮合時の反応温度は、通常250〜300℃であり、反応圧力は通常60〜0.1kPaである。この様なエステル交換反応及び重縮合反応は、一段で行っても、複数段階に分けて行っても良い。この様にして得られるポリマーは、極限粘度が通常0.4〜0.90dl/gであり、常法によりチップ化される。ポリマ−チップの平均粒径は、通常2.0〜5.5mm、好ましくは2.2〜4.0mmの範囲とされる。次に、上記の様に溶融重縮合により得られたポリマーは、固相重合しても良い。固相重合に供されるポリマーチップは、予め固相重合を行う温度より低い温度に加熱して予備結晶化を行った後、固相重合に供される。予備結晶化工程は、非晶状態のポリマーチップを、チップ結晶化発熱での融着が起こらないように常に流動状態下で一段もしくは二段で結晶化させる。次の固相重合工程は、少なくとも一段からなり、通常そのポリマ−の融着温度以下の重合温度で、0.05〜5kPaの真空下、もしくは常圧〜0.1Mpaの条件下で窒素、アルゴン、二酸化炭素等の不活性ガス流通下で実施される。固相重合時間は、温度が高いほど短時間でよいが、通常1〜50時間、好ましくは5〜30時間、更に好ましくは10〜25時間である。 【0026】本発明のポリアルキレンテレフタレートの固有粘度は、好ましくは0.5〜1.6、更に好ましくは、0.6〜1.3である。固有粘度が0.5未満であると衝撃強度が低下したり、延伸成形性が低下するなどの物性低下があり好ましくない。固有粘度が1.6を超えると生産性が悪く、射出成形性や延伸成形性が低下して好ましくない。 【0027】添加したテレフタル酸ジメチルの同位体化合物は、13CNMR、1HNMR、ガスクロマトグラフ質量分析計で分析を行うことで、バージンのテレフタル酸ジメチルとの識別判定が可能となる。 【0028】本発明の方法により製造されたポリエステル樹脂組成物は、各種成形体に成形することが出来る。成形には、一般の成形方法、例えば中空成形体の場合、射出ブロー成形、配向ブロー、押出ブロー、ダイレクトブロー、インジェクションブロー法などが適用され、その他成形体に従い、射出成形法、シート成形法、インフレーション成形法、熱成形法、各種多層成形法などを適用することができる。 【0029】第1に射出成形は、ポリアルキレンテレフタレート樹脂組成物の溶融温度以上に加熱することにより溶融し、溶融樹脂を金型へ流し込み冷却固化させることで実施される。この際、金型は、該ポリアルキレンテレフタレート樹脂組成物に適正な温度に加熱あるいは冷却される。さらに、ランナー部分も必要に応じて加熱(ホットランナー)しても良いし、加熱無(コールドランナー)でも良い。本発明のポリアルキレンテレフタレート樹脂組成物は、流動性、結晶性など良好な成形性を有する。 【0030】第2に、配向ブロー法による成形は、例えば次のように行うことができる。まずポリアルキレンテレフタレート樹脂組成物を、適当な形状の中空円筒有底状のプリフォーム(非晶成形品)に射出成形する(例えば、長さ11cm、内径1.5cm,外径2.3cm、胴部平均厚み4mm)。引き続き、これをそのポリマーのガラス転移点(Tg)以上に予熱し、その容器の胴部相当部分の表面積を約1.5〜16倍程度まで延伸させる。なお、容器の熱処理は適宜に行なうことができる。本発明のポリアルキレンテレフタレート樹脂組成物を用いて成形した中空成形体は、その透明性を厚み300μmでヘーズで好ましくは3%以下、さらに好ましくは2%以下とすることができ、良好な外観と透明性を得ることができる。 【0031】第3に、熱成形による各種形状の包装材料は、例えば次のように行うことが出来る。まず、ポリアルキレンテレフタレート樹脂組成物を押出機にて押出し、シート状に引き取る。引き続き、そのガラス転移温度以上に加熱し、圧空又は真空成形により、例えば、トレ−など適正な形状に成形することが出来、良好な外観と透明性を得ることが出来る。 【0032】 【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれによって何ら限定を受けるものではない。なお、例中の特性は下記の方法で測定した。 1)極限粘度(以下、IVと略記する):チップ及び成形体から切り出した試料を一定量計量し、o−クロロフェノールに0.012g/mlの濃度に溶解し、25℃にて測定した。 2)ヘーズ:成形体(ボトル胴部、シートなど)より50mm×50mmの大きさに切り出した試料について、日本電色工業製Color and color diference meter(MODEL1001DP)にて測定した。 3)識別化合物としての炭素或いは/及び水素の同位体から構成されるテレフタル酸ジメチルの識別方法:樹脂組成物中の炭素或いは/及び水素の同位体から構成されるテレフタル酸ジメチルは、FT−NMR装置(日本電子(株)製、JEOL A−600)を使用して分析を行った。 4)アセトアルデヒド含有量(以下、AAと略記する):AA含有量は、サンプルを凍結粉砕しバイアル瓶に仕込み、150℃×60分保持し、日立製ヘッドスペースガスクロマトグラフィーにて測定した。 5)ジエチレングリコール含有量(以下、DEGと略記する):サンプルをヒドラジンにて分解し、ガスコロマトグラフィーにて測定した6)Col−b:サンプルを一定容量定量し、カラーマシン社製CM−7500型カラーマシンで測定する。 【0033】[実施例1]ポリエチレンテレフタレートをエチレングリコールで解重合し、次いでメタノールでエステル交換反応して得られたテレフタル酸ジメチルに、識別化合物として、テレフタル酸−カルボキシ−13C2−ジメチルエステルを50重量ppm添加したテレフタル酸ジメチル(以下、原料リサイクルDMTと略記する)100重量部、およびエチレングリコ−ル(以下、「EG」と略記)64重量部を、エステル交換反応触媒としてテトラ−t−ブトキシチタンを用い、副生するメタノールを系外に留去しつつ、エステル交換反応を実施する。さらに、重合触媒として二酸化ゲルマニウムを添加し、250℃まで加熱昇温しながらエステル交換反応させ、メタノールの留去がほぼ終了した段階で、安定剤として正リン酸を添加して、エステル交換反応を終了せしめた。 【0034】次いで、反応生成物を高温高真空下で重縮合反応させて,固有粘度0.60のポリマ−を得た。引き続き、固相固相重合し、固有粘度0.83、Col−b=2、DEG=1.8wt%、AA=2ppmのポリアルキレンテレフタレ−ト樹脂組成物を得た。また、得られたポリエチレンテレフタレ−トを13CNMRで分析すると、テレフタル酸−カルボキシ−13C2−ジメチルエステル由来と考えられるカルボキシル基炭素のシグナル強度が他の炭素のシグナル強度と比較して異常に高く検出され、明らかに既知のポリエチレンテレフタレ−トのスペクトルとは異なっていた。 【0035】得られたポリアルキレンテレフタレ−ト樹脂組成物を乾燥機にて160℃で5時間乾燥させた後、第1に、射出成形機(名機製作所社製「M−100DM」)にて、シリンダー温度275℃、スクリュー回転数160rpm、1次圧時間3.0秒、金型温度10℃、サイクル30秒で、外径約28mm、内径約19mm、長さ136mm、重量約56gの円筒状のプリフォームを射出成形した。得られたプリフォームの固有粘度は0.77で、外観は良好で、射出成形性も良好であった。引き続いて、プリフォームの表面温度約110℃に赤外線ヒーターで予熱し、ブロー圧力5〜40kg/cm2、金型温度150℃に設定したブロー成形機にて延伸ブロー成形し、胴部平均肉厚330μm、内容積約1.5リットルのボトルを成形し、ボトルのヘーズは、0.9%で延伸性も良好であった。 【0036】第2に、ベント付2軸押出機にて膜厚0.5mmのシートを得、引き続き、シート表面温度100℃に加熱して、圧空にてトレ−に熱成形し、トレーのヘーズは1.0%で、その成形性も良好であった。 【0037】[参考例1]テレフタル酸ジメチルを帝人製のバージンのテレフタル酸ジメチル(識別化合物なし)とする以外は実施例1と同様に行った。固有粘度0.82、Col−b=2、DEG=1.8wt%、AA=2ppmのポリアルキレンテレフタレ−ト樹脂組成物を得た。また、各炭素のシグナル強度は既知のポリエチレンテレフタレートのシグナル強度とほぼ同程度であった。 【0038】第1に、実施例1と同様に成形し、プリフォームは、固有粘度0.76、外観は良好で、射出成形性も良好であった。さらに、実施例1と同様にブロー成形し、ボトルのヘーズは、0.9%で延伸性も良好であった。 【0039】第2に、実施例1と同様にトレ−を熱成形し、トレーのヘーズは1.1%で、その成形性も良好であった。 【0040】[実施例2]識別化合物として、テレフタル酸−カルボキシ−13C2−ジメチルエステルを50重量ppm含有する原料リサイクルDMT95重量部、イソフタル酸ジメチル5重量部およびエチレングリコ−ル(以下、「EG」と略記)64重量部を、エステル交換反応触媒として酢酸マンガン、整色剤として酢酸コバルトを用い、副生するメタノールを系外に留去しつつ、エステル交換反応を実施する。さらに、重合触媒として三酸化アンチモンを添加し、250℃まで加熱昇温しながらエステル交換反応させ、メタノールの留去がほぼ終了した段階で、安定剤として正リン酸を添加して、エステル交換反応を終了せしめた。 【0041】次いで、反応生成物を高温高真空下で重縮合反応させて,固有粘度0.60のポリマ−を得た。引き続き、固相固相重合し、固有粘度0.83、Col−b=1、DEG=1.3wt%、AA=2ppmのポリアルキレンテレフタレ−ト樹脂組成物を得た。 【0042】また、得られたポリエチレンテレフタレ−トを13CNMRで分析すると、テレフタル酸−カルボキシ−13C2−ジメチルエステル由来と考えられるカルボキシル基炭素のシグナル強度が他の炭素のシグナル強度と比較して異常に高く検出され、明らかに既知のポリエチレンテレフタレ−トのスペクトルとは異なっていた。 【0043】第1に、実施例1と同様に成形し、プリフォームは、固有粘度0.76、外観は良好で、射出成形性も良好であった。さらに、実施例1と同様にブロー成形し、ボトルのヘーズは、1.2%で延伸性も良好であった。 【0044】第2に、実施例1と同様にトレ−を熱成形し、トレーのヘーズは1.2%で、その成形性も良好であった。 【0045】[参考例2]テレフタル酸ジメチルを帝人製のバージンのテレフタル酸ジメチル(識別化合物なし)とする以外は実施例3と同様に行った。固有粘度0.83、Col−b=1.8、DEG=1.3wt%、AA=2ppmのポリアルキレンテレフタレ−ト樹脂組成物を得た。また、各炭素のシグナル強度は既知のポリエチレンテレフタレートのシグナル強度とほぼ同程度であった。 【0046】第1に、実施例1と同様に成形し、プリフォームは、固有粘度0.76、外観は良好で、射出成形性も良好であった。さらに、実施例1と同様にブロー成形し、ボトルのヘーズは、1.2%で延伸性も良好であった。 【0047】第2に、実施例1と同様にトレ−を熱成形し、トレーのヘーズは1.2%で、その成形性も良好であった。 【0048】[実施例3]識別化合物として、テレフタル酸−カルボキシ−13C2−ジメチルエステルを50重量ppm添加した原料リサイクルDMT100重量部、およびテトラメチレングリコ−ル(以下、「TMG」と略記)65重量部を、エステル交換反応触媒としてテトラ−t−ブトキシチタンを用い、副生するメタノールを系外に留去しつつ、210℃まで加熱昇温しながらエステル交換反応させ、次いで、反応生成物を高温高真空下で重縮合反応させて固有粘度0.70のポリマーを得た。引き続き、固相重合し、固有粘度1.20、Col−b=−2.0のポリアルキレンテレフタレ−ト樹脂組成物を得た。また、得られたポリエチレンテレフタレ−トを13CNMRで分析すると、テレフタル酸−カルボキシ−13C2−ジメチルエステル由来と考えられるカルボキシル基炭素のシグナル強度が他の炭素のシグナル強度と比較して異常に高く検出され、明らかに既知のポリエチレンテレフタレ−トのスペクトルとは異なっていた。 【0049】得られたポリアルキレンテレフタレ−ト樹脂組成物を乾燥機にて乾燥させた後、射出成形機(名機製作所社製「M−100DM」)にて、シリンダー温度260℃で、10cm×10cm×厚み2mmのプレートを成形した。プレートの成形性(可塑性、流動性)及び外観は良好であった。 【0050】[参考例3]テレフタル酸ジメチルを帝人製のバージンのテレフタル酸ジメチル(識別化合物なし)とする以外は実施例5と同様に行った。固有粘度1.20、Col−b=−2.3のポリアルキレンテレフタレ−ト樹脂組成物を得た。また、各炭素のシグナル強度は既知のポリエチレンテレフタレートのシグナル強度とほぼ同程度であった。 【0051】得られたポリアルキレンテレフタレ−ト樹脂組成物を乾燥機にて乾燥させた後、射出成形機(名機製作所社製「M−100DM」)にて、シリンダー温度260℃で、10cm×10cm×厚み2mmのプレートを成形した。プレートの成形性(可塑性、流動性)及び外観は良好であった。 【0052】 【発明の効果】本発明によれば、ポリアルキレンテレフタレートを解重合し、メタノールでエステル化されたテレフタル酸ジメチルに識別化合物としての水素或いは/及び炭素の同位体から構成されるテレフタル酸ジメチルを添加したテレフタル酸ジメチル組成物からなるポリアルキレンテレフタレート樹脂組成物であり、更にバージンDMTからなるポリアルキレンテレフタレート樹脂と同等の品質を有するポリアルキレンテレフタレート樹脂組成物及びその識別方法を提供することができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000003001 【氏名又は名称】帝人株式会社
|
| 【出願日】 |
平成12年12月4日(2000.12.4) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100077263 【弁理士】 【氏名又は名称】前田 純博
|
| 【公開番号】 |
特開2002−173522(P2002−173522A) |
| 【公開日】 |
平成14年6月21日(2002.6.21) |
| 【出願番号】 |
特願2000−368188(P2000−368188) |
|