| 【発明の名称】 |
ラクトン構造を有する新規(メタ)アクリレート化合物、重合体、フォトレジスト材料、及びパターン形成法 |
| 【発明者】 |
【氏名】金生 剛
【氏名】長谷川 幸士
【氏名】渡辺 武
|
| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】一般式(1)で表される(メタ)アクリレート化合物。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 下記一般式(1)で表される(メタ)アクリレート化合物。 【化1】
(式中、R1は水素原子又はメチル基、R2、R3は水素原子、又は炭素数1〜15の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基を表し、R2とR3は結合して環を形成してもよく、その場合には、R2とR3で炭素数2〜15の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基を表す。Xは−CH2−、−CH2CH2−もしくは−O−又は互いに分離した2個の−Hであることを表す。点線はノルボルナン環、ビシクロ[2.2.2]オクタン環、7−オキサノルボルナン環、又はシクロヘキサン環構造とγ−ブチロラクトン環構造とを結合する単結合、二価の有機基又はこれら両環構造間で一個又は二個の構成炭素原子を共有する構造を表す。) 【請求項2】 下記一般式(2)で表される(メタ)アクリレート化合物。 【化2】
(式中、R1は水素原子又はメチル基、R2、R3は水素原子、又は炭素数1〜15の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基を表し、R2とR3は結合して環を形成してもよく、その場合には、R2とR3で炭素数2〜15の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基を表す。Xは−CH2−、−CH2CH2−もしくは−O−又は互いに分離した2個の−Hであることを表す。Yは一個又は複数個のメチレン基が酸素原子に置換されていてもよい−(CH2)n−を表す。nは0≦n≦6を満たす整数を表す。) 【請求項3】 下記一般式(3)又は(4)で表される(メタ)アクリレート化合物。 【化3】
(式中、R1は水素原子又はメチル基、R2、R3は水素原子、又は炭素数1〜15の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基を表し、R2とR3は結合して環を形成してもよく、その場合には、R2とR3で炭素数2〜15の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基を表す。Xは−CH2−、−CH2CH2−もしくは−O−又は互いに分離した2個の−Hであることを表す。) 【請求項4】 下記一般式(5)で表される(メタ)アクリレート化合物。 【化4】
(式中、R1は水素原子又はメチル基、R2、R3は水素原子、又は炭素数1〜15の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基を表し、R2とR3は結合して環を形成してもよく、その場合には、R2とR3で炭素数2〜15の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基を表す。Xは−CH2−、−CH2CH2−もしくは−O−又は互いに分離した2個の−Hであることを表す。) 【請求項5】 下記一般式(6)で表される繰り返し単位を含有することを特徴とする重合体。 【化5】
(式中、R1は水素原子又はメチル基、R2、R3は水素原子、又は炭素数1〜15の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基を表し、R2とR3は結合して環を形成してもよく、その場合には、R2とR3で炭素数2〜15の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基を表す。Xは−CH2−、−CH2CH2−もしくは−O−又は互いに分離した2個の−Hであることを表す。点線はノルボルナン環、ビシクロ[2.2.2]オクタン環、7−オキサノルボルナン環、又はシクロヘキサン環構造とγ−ブチロラクトン環構造とを結合する単結合、二価の有機基又はこれら両環構造間で一個又は二個の構成炭素原子を共有する構造を表す。) 【請求項6】 更に、下記一般式(7)で表される繰り返し単位を含有し、重量平均分子量が2,000〜100,000である請求項5記載の重合体。 【化6】
(式中、R4は水素原子又はメチル基、R5は炭素数4〜20の三級アルキル基を表す。) 【請求項7】 (A)請求項5又は6記載の重合体、(B)酸発生剤、(C)有機溶剤を含有することを特徴とするフォトレジスト材料。 【請求項8】 (1)請求項7記載のフォトレジスト材料を基板上に塗布する工程と、(2)次いで加熱処理後、フォトマスクを介して波長300nm以下の高エネルギー線もしくは電子線で露光する工程と、(3)必要に応じて加熱処理した後、現像液を用いて現像する工程とを含むことを特徴とするパターン形成方法。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、微細加工技術に適した化学増幅型レジスト材料のベース樹脂用のモノマーとして有用なラクトン構造を有する新規(メタ)アクリレート化合物、これを原料とした重合体、該重合体を含むフォトレジスト材料、及びパターン形成法に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、LSIの高集積化と高速度化に伴い、パターンルールの微細化が求められているなか、次世代の微細加工技術として遠紫外線リソグラフィーが有望視されている。中でもKrFエキシマレーザー光、ArFエキシマレーザー光を光源としたフォトリソグラフィーは、0.3μm以下の超微細加工に不可欠な技術としてその実現が切望されている。 【0003】エキシマレーザー光、特に波長193nmのArFエキシマレーザー光を光源としたフォトリソグラフィーで用いられるレジスト材料に対しては、該波長における高い透明性を確保することは当然として、薄膜化に対応できる高いエッチング耐性、高価な光学系材料に負担をかけない高い感度、そして何よりも、微細なパターンを正確に形成できる高い解像性能を併せ持つことが求められている。それらの要求を満たすためには、高透明性、高剛直性かつ高反応性のベース樹脂の開発が必至であるが、現在知られている高分子化合物の中にはそれらの特性をすべて備えるものがなく、未だ実用に足るレジスト材料が得られていないのが現状である。 【0004】高透明性樹脂としては、アクリル酸又はメタクリル酸誘導体の共重合体、ノルボルネン誘導体由来の脂肪族環状化合物を主鎖に含有する高分子化合物等が知られているが、そのいずれもが満足のいくものではない。例えば、アクリル酸又はメタクリル酸誘導体の共重合体は、高反応性モノマーの導入や酸不安定単位の増量が自由にできるので反応性を高めることは比較的容易だが、主鎖の構造上剛直性を高めることは極めて難しい。一方、脂肪族環状化合物を主鎖に含有する高分子化合物については、剛直性は許容範囲内にあるものの、主鎖の構造上ポリ(メタ)アクリレートよりも酸に対する反応性が鈍く、また重合の自由度も低いことから、容易には反応性を高められない。加えて、主鎖の疎水性が高いために、基板に塗布した際に密着性が劣るという欠点も有する。従って、これらの高分子化合物をベース樹脂としてレジスト材料を調製した場合、感度と解像性は足りていてもエッチングには耐えられない、あるいは許容できるエッチング耐性を有していても低感度、低解像性で実用的でないという結果に陥ってしまう。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、300nm以下の波長、特にArFエキシマレーザー光を光源としたフォトリソグラフィーにおいて、密着性と透明性に優れたフォトレジスト材料製造用のモノマーとして有用なラクトン構造を有する(メタ)アクリレート化合物、これを原料とした重合体、フォトレジスト材料、及びパターン形成方法を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、後述する方法により下記一般式(1)、(2)、(3)、(4)、(5)で表されるラクトン構造を有する(メタ)アクリレート化合物が高収率かつ簡便に得られること、更に、この(メタ)アクリレート化合物を用いて得られた樹脂が、エキシマレーザーの露光波長での透明性が高く、これをベース樹脂として用いたレジスト材料が、基板密着性に優れることを知見した。 【0007】即ち、本発明は、以下の(メタ)アクリレート化合物、重合体、フォトレジスト材料、及びパターン形成法を提供する。 【0008】(I)下記一般式(1)で表される(メタ)アクリレート化合物。 【化7】
(式中、R1は水素原子又はメチル基、R2、R3は水素原子、又は炭素数1〜15の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基を表し、R2とR3は結合して環を形成してもよく、その場合には、R2とR3で炭素数2〜15の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基を表す。Xは−CH2−、−CH2CH2−もしくは−O−又は互いに分離した2個の−Hであることを表す。点線はノルボルナン環、ビシクロ[2.2.2]オクタン環、7−オキサノルボルナン環、又はシクロヘキサン環構造とγ−ブチロラクトン環構造とを結合する単結合、二価の有機基又はこれら両環構造間で一個又は二個の構成炭素原子を共有する構造を表す。) (II)下記一般式(2)で表される(メタ)アクリレート化合物。 【化8】
(式中、R1は水素原子又はメチル基、R2、R3は水素原子、又は炭素数1〜15の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基を表し、R2とR3は結合して環を形成してもよく、その場合には、R2とR3で炭素数2〜15の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基を表す。Xは−CH2−、−CH2CH2−もしくは−O−又は互いに分離した2個の−Hであることを表す。Yは一個又は複数個のメチレン基が酸素原子に置換されていてもよい−(CH2)n−を表す。nは0≦n≦6を満たす整数を表す。) (III)下記一般式(3)又は(4)で表される(メタ)アクリレート化合物。 【化9】
(式中、R1は水素原子又はメチル基、R2、R3は水素原子、又は炭素数1〜15の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基を表し、R2とR3は結合して環を形成してもよく、その場合には、R2とR3で炭素数2〜15の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基を表す。Xは−CH2−、−CH2CH2−もしくは−O−又は互いに分離した2個の−Hであることを表す。) (IV)下記一般式(5)で表される(メタ)アクリレート化合物。 【化10】
(式中、R1は水素原子又はメチル基、R2、R3は水素原子、又は炭素数1〜15の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基を表し、R2とR3は結合して環を形成してもよく、その場合には、R2とR3で炭素数2〜15の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基を表す。Xは−CH2−、−CH2CH2−もしくは−O−又は互いに分離した2個の−Hであることを表す。) (V)下記一般式(6)で表される繰り返し単位を含有することを特徴とする重合体。 【化11】
(式中、R1は水素原子又はメチル基、R2、R3は水素原子、又は炭素数1〜15の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基を表し、R2とR3は結合して環を形成してもよく、その場合には、R2とR3で炭素数2〜15の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基を表す。Xは−CH2−、−CH2CH2−もしくは−O−又は互いに分離した2個の−Hであることを表す。点線はノルボルナン環、ビシクロ[2.2.2]オクタン環、7−オキサノルボルナン環、又はシクロヘキサン環構造とγ−ブチロラクトン環構造とを結合する単結合、二価の有機基又はこれら両環構造間で一個又は二個の構成炭素原子を共有する構造を表す。) (VI)更に、下記一般式(7)で表される繰り返し単位を含有し、重量平均分子量が2,000〜100,000である(V)記載の重合体。 【化12】
(式中、R4は水素原子又はメチル基、R5は炭素数4〜20の三級アルキル基を表す。) (VII)(A)(V)又は(VI)記載の重合体、(B)酸発生剤、(C)有機溶剤を含有することを特徴とするフォトレジスト材料。 (VIII)(1)(VII)記載のフォトレジスト材料を基板上に塗布する工程と、(2)次いで加熱処理後、フォトマスクを介して波長300nm以下の高エネルギー線もしくは電子線で露光する工程と、(3)必要に応じて加熱処理した後、現像液を用いて現像する工程とを含むことを特徴とするパターン形成方法。 【0009】以下、本発明につき更に詳しく説明する。本発明の(メタ)アクリレート化合物は、下記一般式(1)で表されるものである。 【化13】
(式中、R1は水素原子又はメチル基、R2、R3は水素原子、又は炭素数1〜15、好ましくは1〜8の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基を表し、R2とR3は結合して環を形成してもよく、その場合には、R2とR3で炭素数2〜15、好ましくは2〜5の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基を表す。Xは−CH2−、−CH2CH2−もしくは−O−又は互いに分離した2個の−Hであることを表す。点線はノルボルナン環、ビシクロ[2.2.2]オクタン環、7−オキサノルボルナン環、又はシクロヘキサン環構造とγ−ブチロラクトン環構造とを結合する単結合、二価の有機基又はこれら両環構造間で一個又は二個の構成炭素原子を共有する構造を表す。) 【0010】ここで、Xが−CH2−である場合はノルボルナン環構造を形成し、Xが−CH2CH2−の場合はビシクロ[2.2.2]オクタン環構造を形成し、Xが−O−の場合は7−オキサノルボルナン環構造を形成する。また、Xが互いに分離した2個の−Hである場合は、下記に示すようにシクロヘキサン環構造を形成する。 【0011】 【化14】
【0012】また、上記点線において、二価の有機基としては、炭素数1〜6のアルキレン基、炭素数2〜5のオキサアルキレン基を挙げることができる。 【0013】上記(メタ)アクリレート化合物としては、下記式(2)で示されるものが好ましく、更には、下記式(3)、(4)、(5)で示されるものが好ましい。 【0014】 【化15】
(式中、Yは一個又は複数個のメチレン基が酸素原子に置換されていてもよい−(CH2)n−を表す。nは0≦n≦6を満たす整数を表す。R1、R2、R3、Xは上記の通りである。) 【0015】本発明の(メタ)アクリレート化合物としては、具体的には下記のものを例示できる。 【0016】 【化16】
【0017】 【化17】
【0018】本発明の(メタ)アクリレート化合物は、例えば、下記の方法にて製造できるが、これに限定されるものではない。 【0019】一般式(1)で表される本発明の(メタ)アクリレート化合物は、対応するヒドロキシラクトン化合物(8)をエステル化(アクリロイル化又はメタクリロイル化)することによって得られる。 【0020】 【化18】
【0021】反応は公知の方法にて容易に進行するが、好ましくは塩化メチレン等の溶媒中、原料のヒドロキシラクトン化合物(8)、(メタ)アクリル酸クロリド等のエステル化剤、トリエチルアミン等の塩基を順次又は同時に加え、必要に応じて冷却する等して行うのがよい。 【0022】ヒドロキシラクトン化合物(8)は、対応するケトラクトン化合物(9)を還元することによって得られる。 【0023】 【化19】
(式中、[H]は還元剤を表す。) 【0024】このケト基の還元には種々の還元剤を用いることができるが、還元剤として、具体的には、ボラン、アルキルボラン、ジアルキルボラン、ジアルキルシラン、トリアルキルシラン、水素化ナトリウム、水素化リチウム、水素化カリウム、水素化カルシウム等の金属水素化物類、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素カリウム、水素化ホウ素カルシウム、水素化アルミニウムナトリウム、水素化アルミニウムリチウム、水素化トリメトキシホウ素ナトリウム、水素化トリメトキシアルミニウムリチウム、水素化ジエトキシアルミニウムリチウム、水素化トリt−ブトキシアルミニウムリチウム、水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム、水素化トリエチルホウ素リチウム等の錯水素化塩類(Complex hydride)やそれらのアルコキシあるいはアルキル誘導体を例示できる。 【0025】また、ヒドロキシラクトン化合物(8)は、対応するオレフィンラクトン化合物(10)から合成することもできる。 【0026】 【化20】
【0027】原料のオレフィンラクトン化合物(10)としては、公知の化合物の他、既に出願した脂環構造を有する下記ラクトン化合物(特願2000−205217)や脂環構造を有するエポキシ化合物等を用いることができる。 【0028】 【化21】
(m=1〜8) 【0029】 【化22】
(式中、U、Zのうち一方は−CR03R04−又は−C(=O)−を示し、他方はCH2を示す。R03、R04はそれぞれ独立に水素原子、又は炭素数1〜6の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示し、また、R03、R04は互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に脂肪族炭化水素環を形成してもよい。) 【0030】オレフィンラクトン化合物(10)からヒドロキシラクトン化合物(8)への変換方法の一つは、オレフィンラクトン化合物(10)への酸HYの付加の後、付加体のアルカリ加水分解又はアルカリ加溶媒分解による方法である。 【0031】 【化23】
(式中、HYは酸、OH-は塩基を表す。) 【0032】酸HYとして、具体的には、塩化水素酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸等の無機酸類、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、安息香酸、クロロギ酸、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、フルオロ酢酸、トリフルオロ酢酸、3,3,3−トリフルオロプロピオン酸等の有機酸類を例示できる。なお、オレフィンラクトン化合物(9)へ付加させるHYとしてアクリル酸又はメタクリル酸を使えれば、直接(メタ)アクリレート化合物(1)を合成することもできる。塩基OH-として、具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム等の無機水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸リチウム、炭酸カリウム等の無機炭酸塩類、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、リチウムメトキシド、リチウムエトキシド、リチウムtert−ブトキシド、カリウムtert−ブトキシド等のアルコキシド類、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ジメチルアニリン等の有機塩基類を例示できる。 【0033】また、 オレフィンラクトン化合物(10)からヒドロキシラクトン化合物(8)への変換の第2の例として、オレフィンラクトン化合物(10)のエポキシ化の後、エポキシド化合物(11)を還元的開裂させる方法をあげることができる。 【0034】 【化24】
(式中、[O]は酸化剤、[H]は還元剤を表す。) 【0035】酸化剤[O]としては、具体的には、過ギ酸、過酢酸、トリフルオロ過酢酸、m−クロロ過安息香酸等の過酸類、過酸化水素、ジメチルジオキシラン、tert−ブチルヒドロパーオキシド等の過酸化物類等を例示できる。なお、これらの酸化剤を用いた反応の際、金属又は金属塩類を触媒として共存させてもよい。還元剤[H]としては、具体的には、水素、ボラン、アルキルボラン、ジアルキルボラン、ジアルキルシラン、トリアルキルシラン、水素化ナトリウム、水素化リチウム、水素化カリウム、水素化カルシウム等の金属水素化物類、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素カリウム、水素化ホウ素カルシウム、水素化アルミニウムナトリウム、水素化アルミニウムリチウム、水素化トリメトキシホウ素ナトリウム、水素化トリメトキシアルミニウムリチウム、水素化ジエトキシアルミニウムリチウム、水素化トリt−ブトキシアルミニウムリチウム、水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム、水素化トリエチルホウ素リチウム等の錯水素化塩類(Complex hydride)やそれらのアルコキシあるいはアルキル誘導体を例示できる。なお、これらの還元剤を用いた反応の際、金属又は金属塩類を触媒として共存させてもよい。 【0036】オレフィンラクトン化合物(10)からヒドロキシラクトン化合物(8)への変換の第3の方法として水ホウ素化−酸化反応(Hydroboration−Oxidation)を例示できる。 【0037】 【化25】
【0038】オレフィンラクトン化合物(10)にボラン(BH3)を付加させた後、アルカリ条件下過酸化水素水で酸化してヒドロキシラクトン化合物(8)に変換するのが一般的であるが、公知の様々な水ホウ素化−酸化反応の条件を適用できる。 【0039】本発明の重合体は、上記(メタ)アクリレート化合物をモノマーとして用いて得られ、この(メタ)アクリレート化合物に由来する下記繰り返し単位(6)を有するものである。 【化26】
【0040】上記の(メタ)アクリレート化合物をモノマーとして用いて合成したレジストポリマーにおいて、極性基と考えられるブチロラクトン部分をアルキレン基等のリンカーの有無や長さを適当に選択することによって、ポリマー主鎖から望ましい部位に位置させることができ、良好な基板密着性を発揮するものと考えられる。また、リンカーの長さや種類の適当なものを選択しモノマーとして用いることで、ポリマー全体の脂溶性を調節することができ、ポリマーの溶解特性をも制御できる。 【0041】本発明の重合体は、上記(メタ)アクリレート化合物と共に、これと共重合し得る他のモノマーを用いて得ることが好ましく、本発明の(メタ)アクリレート化合物と共重合させる重合性化合物としては、重合性炭素−炭素二重結合を有する各種の化合物が使用可能である。具体的には、(メタ)アクリル酸などのα,β−不飽和カルボン酸類、(メタ)アクリル酸エステル、クロトン酸エステル、マレイン酸エステルなどのα,β−不飽和カルボン酸エステル類、アクリロニトリルなどのα,β−不飽和ニトリル類、5,6−ジヒドロ−2H−ピラン−2−オンなどのα,β−不飽和ラクトン類、無水マレイン酸、無水イタコン酸、マレイミド類、ノルボルネン誘導体、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデセン誘導体、アリルエーテル類、ビニルエーテル類、ビニルエステル類を例示できる。 【0042】この場合、特には式(7a)で示されるモノマーを用いることにより、下記式(7)で示される繰り返し単位を導入することができる。 【0043】 【化27】
(式中、R4は水素原子又はメチル基、R5は炭素数4〜20の三級アルキル基を表す。) 【0044】ここで、上記一般式(7)において、R4は水素原子又はメチル基である。R5は炭素数4〜20の三級アルキル基である。 【0045】R5の炭素数4〜20の三級アルキル基として具体的には、t−ブチル基、t−ペンチル基、1−エチル−1−メチルプロピル基、トリエチルカルビニル基、1−メチルシクロペンチル基、1−エチルシクロペンチル基、1−シクロペンチルシクロペンチル基、1−シクロヘキシルシクロペンチル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−エチルシクロヘキシル基、1−シクロペンチルシクロヘキシル基、1−シクロヘキシルシクロヘキシル基、2−メチル−2−ノルボニル基、2−エチル−2−ノルボニル基、8−メチル−8−トリシクロ[5.2.1.02,6]デシル基、8−エチル−8−トリシクロ[5.2.1.02,6]デシル基、2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基、1−アダマンチル−1−メチルエチル基を例示できるがこれらに限定されない。 【0046】本発明の(メタ)アクリレート化合物と他の重合性化合物との重合はラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合などの常法により行うことができる。 【0047】なお、本発明の重合体において、式(6)の割合は1〜90モル%、特に5〜80モル%であることが好ましく、式(7)の割合は5〜90モル%、特に10〜80モル%であることが好ましい。 【0048】ここで、本発明の重合体、即ちレジストベースポリマーの重量平均分子量は好ましくは2,000〜100,000とすることが望まれ、2,000に満たないと成膜性、解像性に劣る場合があり、100,000を超えると解像性に劣る場合がある。 【0049】本発明の重合体は、フォトレジスト材料、特に化学増幅ポジ型レジスト材料のベースポリマーとして好適に用いられる。この場合、本発明のフォトレジスト材料の組成は、下記のものとすることができる。 (A)上記重合体(ベースポリマー)、(B)酸発生剤、(C)有機溶剤【0050】ここで、本発明で使用される(B)成分の酸発生剤は、300nm以下の高エネルギー線もしくは電子線の照射により酸を発生する酸発生剤であり、なおかつ当酸発生剤と先に示した本発明の重合体と有機溶剤とよりなるレジスト材料が均一溶液で、均一な塗布、成膜が可能であればいかなる酸発生剤でもよい。また、酸発生剤は単独でも2種以上を混合して用いてもよい。 【0051】使用可能な酸発生剤の例としては、例えばトリフルオロメタンスルホン酸トリフェニルスルホニウムなどのトリフェニルスルホニウム塩誘導体、トリフルオロメタンスルホン酸ジp−t−ブチルヨードニウムなどのジフェニルヨードニウム塩誘導体、その他各種オニウム塩類、アルキルスルホン酸類、ジアルキルスルフォニルジアゾメタン類、ジスルホン類、スルホン酸イミド類などがある。酸発生剤の配合量は、全ベースポリマー100部(重量部、以下同じ)に対して、0.2〜50部、特に0.5から40部とすることが好ましく、0.2部に満たないと露光時の酸発生量が少なく、感度及び解像性が劣る場合があり、50部を超えるとレジストの透過率が低下し、解像性が劣る場合がある。 【0052】また、本発明で使用される(C)成分の有機溶剤としては、酸発生剤、ベースポリマー等が溶解可能な有機溶剤であればいずれでもよい。このような有機溶剤としては、例えばシクロヘキサノン等のケトン類、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール等のアルコール類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、乳酸エチル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル等のエステル類、γ−ブチロラクトンなどのラクトン類が挙げられ、これらを単独で又は2種以上を混合して使用することができるが、これらに限定されるものではない。本発明では、これらの有機溶剤の中でもレジスト成分中の酸発生剤の溶解性が最も優れているジエチレングリコールジメチルエーテルや1−エトキシ−2−プロパノール、乳酸エチルの他、安全溶剤であるプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びその混合溶剤が好ましく使用される。 【0053】本発明のフォトレジスト材料の基本的構成成分は上記の重合体、酸発生剤及び有機溶剤であるが、必要に応じて更に、溶解阻止剤、酸性化合物、塩基性化合物、安定剤、色素、界面活性剤などの他の公知の成分を添加してもよい。 【0054】上記レジスト材料は、常法に従ってパターン形成を行うことができ、典型的には、フォトレジスト材料を基板上に塗布し、次いで加熱処理後、フォトマスクを介して波長300nm以下の高エネルギー線もしくは電子線で露光し、必要に応じて加熱処理した後、現像液を用いて現像することによりパターンを形成することができる。 【0055】 【実施例】以下、実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。 【0056】[実施例1]8−メタクリロイルオキシ−4−オキサトリシクロ[5.2.2.02,6]ウンデカン−3−オンと9−メタクリロイルオキシ−4−オキサトリシクロ[5.2.2.02,6]ウンデカン−3−オンの混合物(Monomer 1)の合成【0057】 【化28】
【0058】[実施例1−1]還元反応:水素化ホウ素ナトリウム7.0gを水50mlに溶かした溶液に、室温でかき混ぜながら、ケトラクトン化合物、即ち、4−オキサトリシクロ[5.2.2.02,6]ウンデカ−3,8−ジオンと4−オキサトリシクロ[5.2.2.02,6]ウンデカ−3,9−ジオンの約1:1の混合物57.7gをテトラヒドロフラン100mlに溶かした溶液を滴下した。室温で3時間かき混ぜた後、反応混合物を希塩酸にあけ、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル溶液を、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥、減圧濃縮して粗ヒドロキシラクトン化合物、即ち、8−ヒドロキシ−4−オキサトリシクロ[5.2.2.02,6]ウンデカン−3−オンと9−ヒドロキシ−4−オキサトリシクロ[5.2.2.02,6]ウンデカン−3−オンの混合物58.3gを得た。 【0059】[実施例1−2]メタクリロイル化反応:[実施例1−1]で得られた粗ヒドロキシラクトン化合物58.3gとトリエチルアミン60ml、4−ジメチルアミノピリジン100mg、塩化メチレン200mlの混合物に、5〜10℃でかき混ぜながら、塩化メタクリロイル35mlを滴下した。5〜10℃で5時間かき混ぜた後、反応混合物を氷水にあけ、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル溶液を、希塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥、減圧濃縮、更にシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製して目的のメタクリレート化合物(Monomer 1)63.1g(通算収率79%)を得た。 Monomer 1(位置異性体混合物)のIR(液膜):ν=2945、2873、1765、1713、1320、1296、1173、945cm-1。 Monomer 1(位置異性体混合物)の1H−NMR(300MHz、CDCl3):δ=1.40−2.80(12H、m)、4.20−4.54(2H、m)、4.85−5.06(1H、m)、5.54−5.06(1H、m)、5.54−5.60(1H、m)、6.05−6.14(1H、m)ppm。 【0060】[実施例2]スピロ[シクロペンタン−1,5’−(8’−メタクリロイルオキシ−4’−オキサトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−3’−オン)]とスピロ[シクロペンタン−1,5’−(9’−メタクリロイルオキシ−4’−オキサトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−3’−オン)]の混合物(Monomer 2)の合成【0061】 【化29】
【0062】[実施例2−1]水ホウ素化−酸化反応:スピロ[シクロペンタン−1,5’−(4’−オキサトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8’−エン−3’−オン)]24.5gをテトラヒドロフラン100mlに溶かした溶液に、5〜15℃でかき混ぜながら、1.0M−ボラン−テトラヒドロフラン溶液を滴下した。この温度で1時間かき混ぜた後、水14ml、次いで2.5N−水酸化ナトリウム水溶液63mlを加えた。この混合物に、氷冷下かき混ぜながら、35%−過酸化水素水48mlを反応温度を30℃以下に保ちながら、ゆっくりと滴下した。反応混合物を40℃で1時間かき混ぜた後、氷水にあけ、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル溶液を飽和食塩水で洗い、減圧濃縮して、粗ヒドロキシラクトン化合物、即ち、スピロ[シクロペンタン−1,5’−(8’−ヒドロキシ−4’−オキサトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−3’−オン)]とスピロ[シクロペンタン−1,5’−(9’−ヒドロキシ−4’−オキサトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−3’−オン)]の混合物23.3gを得た。 【0063】[実施例2−2]メタクリロイル化反応:[実施例1−2]の[実施例1−1]で得られた粗ヒドロキシラクトン化合物のかわりに[実施例2−1]で得られた粗ヒドロキシラクトン化合物23.3gを用いて、[実施例1−2]と同様な方法でメタクリロイル化反応を行い、シリカゲルカラムクロマトグラフィで精製して目的のメタクリレート化合物(Monomer 2)24.6g(通算収率71%)を得た。 Monomer 2(立体及び位置異性体混合物)のIR(液膜):ν=2964、2877、1761、1713、1325、1302、1169、978cm-1。 Monomer 2(立体及び位置異性体混合物)の1H−NMR(300MHz、CDCl3):δ=1.35−3.30(19H、m)、4.80−5.16(1H、m)、5.40−5.65(1H、m)、6.00−6.11(1H、m)ppm。 Monomer 2(立体及び位置異性体混合物)の13C−NMR(75MHz、CDCl3、主要な二異性体のピーク):18.17、18.17、23.41、23.58、24.21、24.55、32.89、33.56、34.07、35.29、38.61、38.72、38.94、39.28、43.64、43.96、44.53、45.48、46.05、47.21、50.36、51.09、72.85、73.61、93.77、93.97、125.11、125.44、136.28、136.44、166.25、166.96、176.41、177.24ppm。 【0064】[実施例3]1’,6’−cis−スピロ[シクロペンタン−1,9’−(3’−メタクリロイルオキシ−8’−オキサビシクロ[4.3.0]ノナン−7’−オン)]と1’,6’−cis−スピロ[シクロペンタン−1,9’−(4’−メタクリロイルオキシ−8’−オキサビシクロ[4.3.0]ノナン−7’−オン)]の混合物(Monomer 3)の合成【0065】 【化30】
【0066】[実施例3−1]水ホウ素化−酸化反応:[実施例2−1]のスピロ[シクロペンタン−1,5’−(4’−オキサトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8’−エン−3’−オン)]のかわりに1’,6’−cis−スピロ[シクロペンタン−1,9’−(8’−オキサビシクロ[4.3.0]ノナ−3’−エン−7’−オン)]48.1gを用いて[実施例2−1]と同様な方法で水ホウ素化−酸化反応を行い、粗ヒドロキシラクトン化合物、即ち、1’,6’−cis−スピロ[シクロペンタン−1,9’−(3’−ヒドロキシ−8’−オキサビシクロ[4.3.0]ノナン−7’−オン)]と1’,6’−cis−スピロ[シクロペンタン−1,9’−(4’−ヒドロキシ−8’−オキサビシクロ[4.3.0]ノナン−7’−オン)]の混合物52.2gを得た。 【0067】[実施例3−2]メタクリロイル化反応:[実施例1−2]の[実施例1−1]で得られた粗ヒドロキシラクトン化合物のかわりに[実施例3−1]で得られた粗ヒドロキシラクトン化合物52.2gを用いて、[実施例1−2]と同様な方法でメタクリロイル化反応を行い、シリカゲルカラムクロマトグラフィで精製して目的のメタクリレート化合物(Monomer 3)52.2g(収率75%)を得た。 Monomer 3(位置異性体混合物)のIR(液膜):ν=2958、2866、1765、1707、1633、1346、1298、1191、1161、964、941cm-1。 Monomer 3(位置異性体混合物)の1H−NMR(300MHz、CDCl3、主要な異性体のピーク):δ=1.20−2.50(18H、m)、3.03−3.12(1H、m)、4.60−4.70(1H、m)、5.48−5.56(1H、m)、6.02−6.12(1H、m)ppm。 Monomer 3(位置異性体混合物)の13C−NMR(300MHz、CDCl3、主要な異性体のピーク):δ=18.14、23.31、23.34、23.45、28.08、29.13、33.22、37.66、41.57、42.24、69.89、95.48、125.11、136.40、166.34、176.62ppm。 【0068】[実施例4]スピロ[5−メタクリロイルオキシノルボルナン−2,3’−テトラヒドロフラン−2−オン]とスピロ[6−メタクリロイルオキシノルボルナン−2,3’−テトラヒドロフラン−2−オン]とスピロ[5−メタクリロイルオキシノルボルナン−2,4’−テトラヒドロフラン−2−オン]とスピロ[6−メタクリロイルオキシノルボルナン−2,4’−テトラヒドロフラン−2−オン]の混合物(Monomer 4)の合成【0069】 【化31】
【0070】[実施例4−1]ギ酸の付加−加メタノール分解反応:スピロ[5−ノルボルネン−2,3’−テトラヒドロフラン−2−オン]とスピロ[5−ノルボルネン−2,4’−テトラヒドロフラン−2−オン]の混合物164gにギ酸800gを加え、100℃で10時間かき混ぜた。冷却後、反応混合物を減圧濃縮してギ酸の大部分を除去し、残渣をトルエン1,500mlに溶解した。トルエン溶液を飽和炭酸ナトリウム溶液で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。この残渣にメタノール1,000mlと炭酸カリウム5gを加えた混合物を室温で10時間かき混ぜた。反応混合物を減圧濃縮してメタノールの大部分を除去し、残渣を酢酸エチル1,000mlに溶解した。酢酸エチル溶液を20%塩酸次いで飽和食塩水で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮して、粗ヒドロキシラクトン化合物、即ち、スピロ[5−ヒドロキシノルボルナン−2,3’−テトラヒドロフラン−2−オン]とスピロ[6−ヒドロキシノルボルナン−2,3’−テトラヒドロフラン−2−オン]とスピロ[5−ヒドロキシノルボルナン−2,4’−テトラヒドロフラン−2−オン]とスピロ[6−ヒドロキシノルボルナン−2,4’−テトラヒドロフラン−2−オン]の混合物164gを得た。 【0071】[実施例4−2]メタクリロイル化反応:[実施例1−2]の[実施例1−1]で得られた粗ヒドロキシラクトン化合物のかわりに[実施例4−1]で得られた粗ヒドロキシラクトン化合物82gを用いて、[実施例1−2]と同様な方法でメタクリロイル化反応を行い、シリカゲルカラムクロマトグラフィで精製して目的のメタクリレート化合物(Monomer 4)89g(通算収率71%)を得た。 Monomer 4(立体及び位置異性体混合物)のIR(液膜):ν=2966、2879、1784、1705、1632、1452、1414、1381、1331、1308、1290、1178、1022cm-1。 Monomer 4(立体及び位置異性体混合物)の13C−NMR(75MHz、CDCl3、主要な二異性体のピーク):18.18、18.18、33.71、34.72、34.93、35.49、37.86、39.09、39.88、42.20、42.39、43.33、43.64、44.12、45.70、45.95、75.76、75.89、75.91、80.06、125.39、125.42、136.33、136.34、166.84、166.84、176.18、176.31ppm。 【0072】[実施例5]スピロ[5−アクリロイルオキシノルボルナン−2,3’−テトラヒドロフラン−2−オン]とスピロ[6−アクリロイルオキシノルボルナン−2,3’−テトラヒドロフラン−2−オン]とスピロ[5−アクリロイルオキシノルボルナン−2,4’−テトラヒドロフラン−2−オン]とスピロ[6−アクリロイルオキシノルボルナン−2,4’−テトラヒドロフラン−2−オン]の混合物(Monomer 5)の合成【0073】 【化32】
【0074】[実施例5−1]アクリロイル化反応:[実施例4−1]で得られた粗ヒドロキシラクトン化合物82gとトリエチルアミン100ml、4−ジメチルアミノピリジン200mg、塩化メチレン400mlの混合物に、5〜10℃でかき混ぜながら、塩化アクリロイル56mlを滴下した。5〜10℃で5時間かき混ぜた後、反応混合物を氷水にあけ、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル溶液を、希塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥、減圧濃縮、更にシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製して目的のアクリレート化合物(Monomer 5)69.4g(通算収率59%)を得た。 Monomer 5(立体及び位置異性体混合物)のIR(液膜):ν=2964、2885、1780、1714、1633、1410、1306、1294、1279、1192、1014、984cm-1。 Monomer 5(立体及び位置異性体混合物)の1H−NMR(300MHz、CDCl3):δ=1.20−1.55(3H、m)、1.60−1.80(2H、m)、1.90−2.08(1H、m)、2.10−2.22(1H、m)、2.30−2.40(1H、m)、2.40−2.45(1H、m)、2.45−2.60(1H、m)、3.95−4.50(2H、m)、4.60−4.90(1H、m)、5.75−5.85(1H、m)、6.00−6.15(1H、m)、6.30−6.40(1H、m)ppm。 【0075】[実施例6]γ−(5−メタクリロイルノルボルナン−2−イル)エチル−γ−ブチロラクトンとγ−(6−メタクリロイルノルボルナン−2−イル)エチル−γ−ブチロラクトンの混合物Monomer 6の合成【0076】 【化33】
【0077】[実施例6−1]ギ酸の付加−加メタノール分解反応:[実施例4−1]のスピロ[5−ノルボルネン−2,3’−テトラヒドロフラン−2−オン]とスピロ[5−ノルボルネン−2,4’−テトラヒドロフラン−2−オン]の混合物のかわりにγ−(5−ノルボルネン−2−イル)エチル−γ−ブチロラクトン(endo,exo−混合物)20.6gを用いて、[実施例4−1]と同様な方法でギ酸の付加−加メタノール分解反応を行い、粗ヒドロキシラクトン化合物、即ち、γ−(5−ヒドロキシノルボルナン−2−イル)エチル−γ−ブチロラクトンとγ−(6−ヒドロキシノルボルナン−2−イル)エチル−γ−ブチロラクトンの混合物22.4gを得た。 【0078】[実施例6−2]メタクリロイル化反応:[実施例1−2]の[実施例1−1]で得られた粗ヒドロキシラクトン化合物のかわりに[実施例6−1]で得られた粗ヒドロキシラクトン化合物22.4gを用いて、[実施例1−2]と同様な方法でメタクリロイル化反応を行い、シリカゲルカラムクロマトグラフィで精製して目的のメタクリレート化合物(Monomer 4)24.3g(通算収率83%)を得た。 Monomer 6(立体及び位置異性体混合物)のIR(液膜):ν=2954、2873、1776、1713、1635、1454、1325、1296、1174、1012cm-1。 Monomer 6(立体及び位置異性体混合物)の1H−NMR(300MHz、CDCl3):δ=1.00−2.40(18H、m)、2.45−2.55(1H、m)、4.35−4.70(2H、m)、5.47−5.50(1H、m)、6.00−6.70(1H、m)ppm。 【0079】[実施例7]下記重合体(Polymer 1)の合成。 【化34】
【0080】[実施例6]で得たメタクリレート化合物14.6g、8−エチル−8−トリシクロ[5.2.1.02,6]デシルメタクリレート12.4g、N,N’−アゾビスイソブチロニトリル60mg、テトラヒドロフラン100mLの混合物を窒素雰囲気下、60℃で20時間加熱攪拌した。放冷後、激しく攪拌したメタノール2L中に反応混合物を滴下し、析出した沈殿をろ取した。得られた固体をメタノール洗浄後、減圧乾燥し目的の重合体を14.9g(収率55%)を得た。1H−NMRスペクトルの積分比より共重合比は50:50であった。GPC分析による重量平均分子量はポリスチレン換算で10,200、分散度(Mw/Mn)は1.78であった。 【0081】[実施例8]重合体を用いたレジストパターン形成実施例7で得られた重合体を用いて、下記に示す組成でレジスト材料を調製した。 (A)ベースポリマー(実施例7で得られた重合体):80重量部(B)酸発生剤:トリフルオロメタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、1.0重量部(C)溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、480重量部(D)その他:トリブチルアミン、0.08重量部【0082】このものを0.2μmのテフロン(登録商標)フィルターを用いて濾過した後、90℃、40秒間ヘキサメチルジシラザンを噴霧したシリコンウエハー上へ回転塗布し、110℃、90秒間の熱処理を施して、厚さ500nmのレジスト膜を形成した。これをArFエキシマレーザー光で露光し、110℃、90秒間の熱処理を施した後、2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて60秒間浸漬現像を行い、1:1のライン・アンド・スペース・パターンを形成した。現像済ウエハーを上空SEMで観察したところ、0.17μmのパターンまでパターン剥がれなく解像していることが確認された。このことから本発明のフォトレジスト材料は優れた基板密着性及び解像性を有することが分かった。 【0083】[実施例9]重合体の透明性の評価実施例7で得た重合体1.0gをシクロヘキサノン6.0gに溶解したのち、0.2μmのテフロンフィルターを用いて濾過した。得られた溶液を石英基板上に回転塗布し、90℃、60秒間の熱処理を施して、膜厚500nmの薄膜を形成した。この薄膜について、紫外可視分光光度計を用いて193nmにおける透過率を測定し、500nmあたり80%の透過率であった。この結果から本発明の重合体はエキシマレーザー用フォトレジストベースポリマーとして充分な透明性を有することが確認された。 【0084】 【発明の効果】本発明の重合体は透明性、特にエキシマレーザー露光波長での透明性に優れ、更に本発明の重合体を用いて調製したレジスト材料は、高エネルギー線に感応し、解像性に優れ、電子線や遠紫外線による微細加工に有用である。また基板密着性に優れるため、微細でしかも基板に対して垂直なパターンを容易に形成でき、超LSI製造用の微細パターン形成材料として好適である。従って、本発明のラクトン構造を有する(メタ)アクリレート化合物はフォトレジストの解像性を向上させる上で非常に有用である。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000002060 【氏名又は名称】信越化学工業株式会社
|
| 【出願日】 |
平成13年6月14日(2001.6.14) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100079304 【弁理士】 【氏名又は名称】小島 隆司 (外1名)
|
| 【公開番号】 |
特開2002−371114(P2002−371114A) |
| 【公開日】 |
平成14年12月26日(2002.12.26) |
| 【出願番号】 |
特願2001−179614(P2001−179614) |
|