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【発明の名称】 光重合性組成物
【発明者】 【氏名】早川 聡

【氏名】小嶋 かおり

【氏名】藤原 英資

【要約】 【課題】保存安定性の良い光重合性組成物と、これを用いたカラーフィルターを提供する。

【解決手段】少なくとも(I)エチレン性不飽和二重結合を2個以上含有する化合物及び(II)(a)周期律表第8族金属のアレーン錯体を含む光重合開始剤を含有する光重合性組成物において、該光重合性組成物中におけるエポキシ基の含有量が、周期律表第8族金属のアレーン錯体1モルに対して0.2モル以下であることを特徴とする光重合性組成物、並びに該光重合性組成物を用いてなる、カラーフィルター用光重合性組成物及び該カラーフィルター用光重合性組成物を用いて形成された画像を有するカラーフィルター。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも(I)エチレン性不飽和二重結合を2個以上含有する化合物及び(II)(a)周期律表第8族金属のアレーン錯体を含む光重合開始剤を含有する光重合性組成物において、該光重合性組成物中におけるエポキシ基の含有量が、周期律表第8族金属のアレーン錯体1モルに対して0.2モル以下であることを特徴とする光重合性組成物。
【請求項2】 光重合性組成物が、エポキシ基を有する化合物を含有していないことを特徴とする請求項1記載の光重合組成物。
【請求項3】 光重合開始剤として、さらに(b)アミノ基含有ベンゾフェノン誘導体を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の光重合組成物。
【請求項4】 光重合開始剤として、さらに(c)N−アリールグリシンまたはその誘導体を含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光重合組成物。
【請求項5】 光重合性組成物が、さらに(III)バインダ樹脂を含有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光重合組成物。
【請求項6】 バインダー樹脂は、エチレン性不飽和二重結合を有するバインダー樹脂であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の光重合性組成物。
【請求項7】 光重合性組成物が、更に着色顔料を含有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の光重合性組成物。
【請求項8】 (a)周期律表第8族金属のアレーン錯体が、Fe錯体であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の光重合性組成物。
【請求項9】 N−アリールグリシンまたはその誘導体は、下記一般式(1)で示されることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項記載の光重合性組成物。
【化1】

(式中 R1は、置換されていても良い炭素数6〜14のアリール基を表し、R2は水素原子、ハロゲン原子、それぞれ置換されていても良い炭素数1〜10の鎖状若しくは炭素数3〜6の環状脂肪族炭化水素基、炭素数3〜14のアリール基、トリアルキルシリル基又は炭素数1〜7のアシル基を表し、 R3、R4およびR5は、独立して水素原子、それぞれ置換されていても良い炭素数1〜20の鎖状若しくは炭素数3〜6の環状脂肪族炭化水素基、炭素数6〜14のアリール基又はベンジル基を表す。)
【請求項10】 一般式(1)において、R1は、炭素数1〜7のアシル基又はハロゲン化アルキル基で置換されていても良いフェニル基、 R2、R3、R4は水素原子、R5は、水素原子、置換されていても良い炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基またはベンジル基であることを特徴とする請求項9に記載の光重合性組成物。
【請求項11】 請求項1〜10のいずれか一項記載の光重合性組成物を用いてなる、カラーフィルター用光重合性組成物。
【請求項12】 請求項11記載のカラーフィルター用光重合性組成物を用いて形成された画像を有するカラーフィルター。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液晶表示素子、固体撮像素子、カメラ等に使用される光学的カラーフィルターの製造に好適な光重合性組成物に関する。さらに詳しくは、高感度で現像性に優れるため高精度で画像特性に優れるカラーフィルターを形成可能なカラーフィルター用光重合性組成物及び該組成物を用いて形成された画像を有するカラーフィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】カラーフィルターの製造方法としては、染色法、電着法、印刷法、顔料分散法、転写法等、様々な手法が知られているが、生産性、品質、コスト等を総合的に考慮すると、現状では顔料分散法が最も優れており、現在、主流のカラーフィルター製造法となっている。顔料分散法は、有機顔料やカーボンブラック等を分散、着色させた感光性樹脂であるレジストを用いて、フォトリソグラフィーによりガラス等の透明基板上に微細な着色画像を形成し、カラーフィルターを製造する手法である。カラーフィルターには少なくとも3原色のパターンが必要であり、さらに、多くの場合、3原色のパターンの間に、コントラスト向上のため格子状の遮光性のブラックマトリックスを配置するのが一般的である。そしてカラーフィルターは、これら3原色とブラックマトリックス用のレジストによるフォトリソグラフィーを繰り返すことによって形成されるが、カラーフィルターの生産性はフォトリソグラフィーの効率に大きく影響されるため、材料であるレジストには高感度化が強く求められる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このため、レジストとしては、種々の原理の感光樹脂を利用したものが提案されているが、高感度化の観点から、連鎖反応を利用した光ラジカル重合タイプのものが現在主流となっている。そして光ラジカル重合反応を開始、連鎖させるためのレジスト成分として、ほとんどの場合、単独あるいは複数の、いわゆる光重合開始剤が用いられる。従って、レジストの高感度化のためには、光重合開始剤の重合開始、連鎖の効率をいかに向上させるかが重要となる。そして、ここで言う光重合開始剤の効率向上が、開始剤の単位重量当たりの効率を意味するとすれば、開始剤の効率向上は添加する開始剤量の削減を可能にし、従って、カラーフィルターの性能に直接影響する顔料やカーボンブラック、更には感光性樹脂の量を増やし得ることとなるため、生産性向上のみならず、カラーフィルターの性能そのものの向上をも可能にすることとなる。
【0004】上述のレジスト用光重合開始剤の中でも、特に感度の高いものの一つとして、例えば、特開平11−271517号公報に記載のチタノセン化合物、N−フェニルグリシンおよび4,4'−(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等の増感剤を組み合わせて用いた開始剤が挙げられる。また、鉄アレーン錯体を一成分とする開始剤は、一般に紫外領域から赤外領域まで幅広く感度特性を持つために硬化のための光源の選択肢が広く、また、比較的高感度を示すものとして知られている。例えば、特開平1−152109号公報では、鉄アレーン錯体と、4,4’−(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等の増感剤を組み合わせた開始剤が開示されており、更に、特開平2−157761号公報には、鉄アレーン錯体とN−フェニルグリシン等の増感剤を組み合わせた開始剤が開示されている。本発明者らは、先により高活性な重合開始剤として、鉄アレーン錯体等の周期表第8族金属のアレーン錯体、アミノ基含有ベンゾフェノン誘導体及びN−アリールグリシン類を組み合わせ使用した光重合性組成物を提案した。一方、カラーフィルター用光重合性組成物(レジスト)において、耐熱性の向上等を目的としてエポキシ基を有する化合物を使用するのが効果的であることは一般に知られている。例えば、特開平4−301802号公報には、熱架橋剤としてエポキシ樹脂を含有する組成物を用いたカラーフィルターが記載されている。また、特開平4−340965号公報にも、エポキシ基を有する化合物を含むカラーフィルター用光重合組成物が開示されており、該エポキシ基と組成物中のカルボキシル基などが、熱的に反応し架橋することにより、得られる画像の耐熱性が向上する旨記載されている。このように、高分子化合物・低分子化合物のいずれであっても、エポキシ基を有する化合物はレジストの代表的な成分の一つである。
【0005】
【課題を解決するための手段】しかし、本発明者らは鉄アレーン錯体等の周期表第8族金属のアレーン錯体を重合開始剤として含有する光重合性組成物中における、これらの重合開始剤成分の挙動について鋭意研究を進めた結果、光重合性組成物中にエポキシ基を有する化合物が存在した場合、光重合性組成物の保存中に鉄アレーン錯体が、該エポキシ基と徐々に反応するため、光重合性組成物が経時劣化する傾向にあることを見出し、本発明に至った。すなわち、本発明の要旨は、少なくとも(I)エチレン性不飽和二重結合を2個以上含有する化合物及び(II)(a)周期律表第8族金属のアレーン錯体を含む光重合開始剤を含有する光重合性組成物において、該光重合性組成物中におけるエポキシ基の含有量が、周期律表第8族金属のアレーン錯体1モルに対して0.2モル以下であることを特徴とする光重合性組成物に存し、他の要旨は、該光重合性組成物を用いてなる、カラーフィルター用光重合性組成物及び該カラーフィルター用光重合性組成物を用いて形成された画像を有するカラーフィルターに存する。
【0006】本発明の好適な態様として、該光重合性組成物が、エポキシ基を有する化合物を含有していないこと;光重合開始剤として、さらに(b)アミノ基含有ベンゾフェノン誘導体及び/又は(c)N−アリールグリシン若しくはその誘導体を含有すること;更にバインダー樹脂(III)を含有し、バインダー樹脂は、エチレン性不飽和二重結合を有するバインダー樹脂であること;光重合性組成物が、更に着色顔料を含有すること;(a)周期律表第8族金属のアレーン錯体が、Fe錯体であること;N−アリールグリシンまたはその誘導体は、前記一般式(1)で示され、特にN−フェニルグリシンまたはそのエステル誘導体であることを挙げることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。なお、本明細書において、「脂肪族炭化水素基」とは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基の総称である。また、「プロピル」、「ブチル」等の表現は、それぞれ可能な全ての異性体を含むものとする。例えば、「プロピル」および「ブチル」の場合は、それぞれ「n−プロピル」と「i−プロピル」、「n−ブチル」、「s−ブチル」、「t−ブチル」、「イソブチル」のいずれも含むものとする。さらに、「(メタ)アクリル」とは「アクリルまたはメタクリル」を示し、「(メタ)アクリラート」についても同様とする。
【0008】(I)エチレン性不飽和二重結合を2個以上含有する化合物エチレン性不飽和二重結合を2個以上含有する化合物(以下「エチレン性化合物」と称する。)は、後述する光重合開始剤から発生するラジカルにより重合反応が誘起される化合物である。エチレン性化合物としては、狭義の単量体以外に二量体、三量体、オリゴマーをも包含するものであり、通常、分子量2000未満、好ましくは1000未満である。
【0009】エチレン性化合物としては、例えば、不飽和カルボン酸、脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル、芳香族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル、不飽和カルボン酸と多価カルボン酸及び脂肪族ポリヒドロキシ化合物との反応により得られるエステル、芳香族ポリヒドロキシ化合物のエチレンオキシド、プロピレンオキシド付加物と不飽和カルボン酸とのエステル化反応生成物、脂肪族ポリヒドロキシ化合物のエチレンオキシド、プロピレンオキシド付加物と不飽和カルボン酸とのエステル化反応生成物、カプロラクトン変性多価アルコールと不飽和カルボン酸とのエステル、多価アルコールと多価イソシアナートと不飽和カルボン酸との反応生成物、スチリル末端化合物、含リン酸不飽和化合物、ポリエポキシと不飽和カルボン酸との付加物等が挙げられる。これらの中、脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル、芳香族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル、不飽和カルボン酸と多価カルボン酸及び多価ヒドロキシ化合物とのエステル化反応により得られるエステルが有用である。
【0010】脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルとしては具体的には、エチレングリコールジアクリラート、トリエチレングリコールジアクリラート、ネオペンチルグリコールジアクリラート、ヘキサンジオールジアクリラート、トリメチロールプロパントリアクリラート、トリメチロールエタントリアクリラート、ペンタエリスリトールジアクリラート、ペンタエリスリトールトリアクリラート、ペンタエリスリトールテトラアクリラート、ジペンタエリスリトールテトラアクリラート、ジペンタエリスリトールペンタアクリラート、ジペンタエリスリトールへキサアクリラート、グリセロールアクリラート等のアクリル酸エステル、これら例示化合物のアクリラートをメタクリラートに代えたメタクリル酸エステル、同様にイタコナートに代えたイタコン酸エステル、クロトナートに代えたクロトン酸エステルもしくはマレエートに代えたマレイン酸エステル等が挙げられる。
【0011】芳香族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルとしては、ヒドロキノンジアクリラート、ヒドロキノンジメタクリラート、レゾルシンジアクリラート、レゾルシンジメタクリラート、ピロガロールトリアクリラート等が挙げられる。不飽和カルボン酸と多価カルボン酸及び多価ヒドロキシ化合物とのエステル化反応により得られるエステルとしては必ずしも単一物では無いが代表的な具体例としては、アクリル酸、フタル酸及びエチレングリコールの縮合物、アクリル酸、マレイン酸及びジエチレングリコールの縮合物、メタクリル酸、テレフタル酸及びペンタエリスリトールの縮合物、アクリル酸、アジピン酸、ブタンジオ一ル及びグリセリンの縮合物等が挙げられる。
【0012】その他本発明に用いられるエチレン性化合物の例としては、エチレンビスアクリルアミド等のアクリルアミド類;フタル酸ジアリル等のアリルエステル類;ジビニルフタラート等のビニル基含有化合物なども有用である。なお、前記した主鎖にエチレン性不飽和結合を有するオリゴマ―としては、例えば、不飽和二価カルボン酸とジヒドロキシ化合物との重縮合反応により得られるポリエステル、不飽和二価カルボン酸とジアミンとの重縮合反応により得られるポリアミド等がある。また、側鎖にエチレン性不飽和結合を有するオリゴマーとしては、側鎖に不飽和結合を持つ二価カルボン酸、例えばイタコン酸、プロピリデンコハク酸、エチリデンマロン酸等とジヒドロキシ又はジアミン化合物との縮合重合体がある。また、側鎖にヒドロキシ基やハロゲン化メチル基の如き反応活性を有する官能基をもつ重合体、例えばポリビニルアルコール、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリラート)、ポリエピクロロヒドリン等とアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の不飽和カルボン酸との高分子反応により得られるオリゴマーも好適に使用し得る。
【0013】(II)光重合開始剤本発明の光重合開始剤は、少なくとも(a)周期律表第8族金属のアレーン錯体と(b)アミノ基含有ベンゾフェノン誘導体及び/又は(c)N−アリールグリシン若しくはその誘導体を含有するものであり、特に(a)、(b)及び(c)の三成分を含有するものが好ましい。
(a)周期律表第8族金属のアレーン錯体本発明で使用される金属アレーン錯体は、例えば下記一般式(2)で表される。
【0014】
【化2】

【0015】(式中、MはFeまたはRuを表し、好ましくはFeである。R6〜R10は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6の鎖状若しくは炭素数3〜6の環状脂肪族炭化水素基、または炭素数6〜14のアリール基を表し、好ましくは水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、またはフェニル基である。R11〜R16は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6の鎖状若しくは炭素数3〜6の環状脂肪族炭化水素基、または炭素数6〜14のアリール基を表すか、または隣接するR同士が結合して、R11〜R16が結合しているベンゼン環と縮合する環を形成しても良い。R11〜R16として好ましいのは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基、または1,3−ブタジエニレン基である。
【0016】Xは、BF4、PF6、PCl6、AsF6、SbF6、SbCl6、BiCl6、ClO4、FeCl4、B(C65)4、B(C65)4、またはSnCl5を表し、これらの内好ましいのはBF4、PF6、SbF6、またはClO4である。
【0017】なお本発明における、一般式(2)の構成要件、M、R6〜R10、R11〜R16、およびXの組み合わせとしては、各々の構成要件の中で好ましいもの同士を組み合わせるのが好ましい。
【0018】(b)アミノ基含有ベンゾフェノン誘導体本発明で使用されるアミノ基含有ベンゾフェノン誘導体は、例えば下記一般式(3)で表される。
【0019】
【化3】

【0020】(式中、R17〜R26は各々独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基または下記式(4)で示される置換アミノ基であり、R17〜R26の少なくとも1つは置換アミノ基である。
【0021】
【化4】

(R27およびR28は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜6の鎖状若しくは炭素数3〜6の環状脂肪族炭化水素基、または炭素数6〜14のアリール基を表す。R2728は、アミノ基の結合炭素に隣接するR17〜R26と結合して環を形成してもよく、R27とR28が互いに結合して環を形成していても良い。)
この中で好ましいのは、R19、R24が共に−NR2728であるものであり、特に好ましくは、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジプロピルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジフェニルアミノ)ベンゾフェノン、および下記化合物である【0022】
【化5】

【0023】(c)N−アリールグリシンまたはその誘導体本発明で使用されるN−アリールグリシンまたはその誘導体としては、例えば下記一般式(1)で表されるものが好ましい。
【0024】
【化6】

【0025】(式中、R1は、置換されていても良い炭素数6〜14のアリール基を表し、R2は水素原子、ハロゲン原子、それぞれ置換されていても良い炭素数1〜10の鎖状若しくは炭素数3〜6の環状脂肪族炭化水素基、炭素数3〜14のアリール基、トリアルキルシリル基又は炭素数1〜7のアシル基を表し、 R3、R4およびR 5は、独立して水素原子、それぞれ置換されていても良い炭素数1〜20の鎖状若しくは炭素数3〜6の環状脂肪族炭化水素基、炭素数6〜14のアリール基又はベンジル基を表す。)
【0026】ここで、R1が有し得る置換基の例としては、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜7のアシル基、下記の式(6−1,6−2)で示されるアミノ基、アルコキシ基又は水酸基が挙げられる。
【化7】

(式中、Ra及びRbは、各々独立に水素原子、炭素数1〜6の鎖状若しくは炭素数3〜6の環状脂肪族炭化水素基を表す。)
更に、R2〜R5が有し得る置換基の例としては、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基、フェニル基、ベンジル基、上記の式(6−1,6−2)で示されるアミノ基、アルコキシ基又は水酸基が挙げられる。上記一般式(1)において、R1は、炭素数1〜7のアシル基又はハロゲン化アルキル基で置換されていても良いフェニル基、R2、R3、R4は水素原子、R5は、水素原子、置換されていても良い炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基またはベンジル基であることが好ましい。
【0027】上記一般式(1)で表される化合物の非限定的な具体例としては、N−フェニルグリシン、N−(4−アセチルフェニル)グリシン、N−(3−トリフルオロメチルフェニル)グリシン、N−(3−アセチルフェニル)グリシン、N−(4−トリフルオロメチルフェニル)グリシン、N−フェニル−N−(t−ブチルジメチルシリル)グリシン、N−クロロ−N−フェニルグリシン、N−ホルミル−N−フェニルグリシン、N−(1−ナフチル)グリシン等のN−(置換)アリールグリシン;N−フェニルグリシンメチルエステル、N−フェニル−N−(t−ブチルジメチルシリル)グリシンメチルエステル、N−ベンジル−N−フェニルグリシンn−ヘキシルエステル、N−フェニルグリシンエチルエステル、N−(2−ナフチル)グリシンエチルエステル、N−(6−アセチル−1−ナフチル)グリシンベンジルエステル、N−(4−トリフルオロメチル−2−ナフチル)グリシンフェニルエステル等のN−(置換)アリールグリシンエステルが挙げられる。これらの中、N−(置換)フェニルグリシンおよびN−(置換)フェニルグリシンエステルが好ましい。なお、N−アリールグリシンまたはその誘導体としては、アンモニウムカチオンとカルボン酸アニオンを構造中に含む双極イオン化合物であっても良い。
【0028】(d)着色顔料本発明で用いられる着色顔料は、大別すると、黒色顔料と、黒色顔料以外の着色顔料に分けられる。黒色顔料としては、カーボンブラック、チタンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、ボーンブラック、黒鉛、鉄黒、アニリンブラック、シアニンブラック等の無機、有機黒色顔料がある。また、赤、青、緑、紫、黄、シアン、マゼンタ色の有機染顔料を混合し疑似黒色顔料とし用いること、あるいは、前記無機、有機黒色顔料と混合して用いることもできる。これらの中で、特にカーボンブラツクが遮光率、画像特性の観点から好ましい。カーボンブラックとしては、チャンネルブラック、アセチレンブラック、ファーネスブラック等種々のカーボンブラックを用いることができるが、市販のカーボンブラックの例(商品名)としては、以下のようなものが挙げられる。
【0029】三菱化学社製:MA7、MA8、MA11、MA100、MA220、MA230、#52、#50、#47、#45、#2700、#2650、#2200、#1000、#990、#900等デグサ社製:Printex95、プリンテックス90、Printex85、Printex75、Printex55、Printex45、Printex40、Printex30、Printex3、PrintexA、PrintexG、SpecialBlack550、SpecialBlack350、SpecialBlack250、SpecialBlack100等キャボット社製:Monarch460、Monarch430、Monarch280、Monarch120、Monarch800、Monarch4630、REGAL99、REGAL99R、REGAL415、REGAL415R、REGAL250、REGAL250R、REGAL330、BLACK PEARLS480、PEARLS130等コロンビヤン カーボン社製:RAVEN11、RAVEN15、RAVEN30、RAVEN35、RAVEN40、RAVEN410、RAVEN420、RAVEN450、RAVEN500、RAVEN780、RAVEN850、RAVEN890H、RAVEN1000、RAVEN1020、RAVEN1040等また、上記市販のカーボンブラックだけでなく、オイルファーネス法などの方法で原料油の燃焼などで製造したものを用いてもよい。
【0030】上記のカーボンブラックは、単独で使用することができるが、他の黒色の無機、有機顔料と併用しても良い。他の黒色顔料は、カーボンブラックより遮光性が低いため自ずと混合比率は制限される。他の黒色顔料の例としては、チタンブラック、アニリンブラック、酸化鉄系黒色顔料、及び、赤色、緑色、青色等の混合疑似黒色顔料などである。疑似黒色顔料を構成する染顔料としては、ビクトリアピュアブルー(42595)、オーラミンO(41000)、カチロンブリリアントフラビン(べーシック13)、ローダミン6GCP(45160)、ローダミンB(45170)、サフラニンOK70:100(50240)、エリオグラウシンX(42080)、No.120/リオノールイエロー(21090)、リオノ―ルイエロ―GR0(21090)、シムラーファーストイエロー8GF(21105)、べンジジンイエロー4T-564D(21095)、シムラーファーストレッド4015(12355)、リオノールレッド7B4401(15850)、ファーストゲンブルーTGR-L(74160)、リオノールブルーSM(26150)、リオノールブルーES(ピグメントブルー15:6)、リオノーゲンレッドGD(ピグメントレッド168)、リオノールグリーン2YS(ピグメントグリーン36)等が挙げられる(なお、上記の( )内の数字は、カラーインデックス(C.I.)を意味する)。他の顔料についてC.I.ナンバーにて示すと、例えば、C.I.黄色顔料20,24,86,93,109,110,117,125,137,138,147,148,153,154,166、C.I.オレンジ顔料36,43,51,55,59,61、C.I.赤色顔料9,97,122,123,149,168,177,180,192,215,216,217,220,223,224,226,227,228,240、C.I.バイオレット顔料19,23,29,30,37,40,50、C.I.青色顔料15,15:1,15:4,22,60,64、C.I.緑色顔料7、C.I.ブラウン顔料23,25,26等を挙げることができる。
【0031】黒色顔料としてカーボンブラックを使用する場合、カーボンブラックの中でも、特に少なくとも一部が樹脂で被覆されたカーボンブラックを使用することができる。被覆されるカーボンブラックとしては、前述のような市販品を使用することができる。カーボンブラックを被覆する具体的な樹脂としては、フェノール樹脂、メラミン樹脂、キシレン樹脂、ジアリルフタラート樹脂、グリプタル樹脂、アルキルベンゼン樹脂等の熱硬化性樹脂や、ポリスチレン、ポリカーボナート、ポリエチレンテレフタラート、ポリブチレンテレフタラート、変性ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリパラフェニレンテレフタルアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリアミノビスマレイミド、ポリエーテルスルホポリフェニレンスルホン、ポリアリラート、ポリエーテルエーテルケトン等の熱可塑性樹脂が使用できる。これらの中で好ましいのは熱硬化性樹脂である。カーボンブラックに対する樹脂の被覆量は、少なすぎると樹脂の被覆の効果が現れず、また多すぎると被覆カーボンブラック同士が凝集して固まってしまうといった問題を生じるため、カーボンブラックと樹脂の合計量に対し1〜30重量%が好ましい。上記の被覆カーボンブラックは、単独あるいは2種以上の混合物として使用することができる。
【0032】樹脂で被覆されたカーボンブラックを調製する方法としては特に限定されず、公知の方法を適宜採用でき、例えば、特開平9−26571号公報に記載の以下の様な方法が挙げられる。すなわち、カーボンブラックおよび樹脂の配合量を適宜調整した後、■樹脂とシクロヘキサノン、トルエン、キシレン等の溶剤とを混合して加熱溶解させた樹脂溶液と、カーボンブラックおよび水を混合した懸濁液とを混合撹拌し、カーボンブラックと水とを分離させた後、水を除去して加熱混練して得られた組成物をシート状に成形し、粉砕した後、乾燥させる方法、■前記と同様にして調製した樹脂溶液と懸濁液とを混合撹拌してカーボンブラックおよび樹脂を粒状化した後、得られた粒状物を分離、加熱して残存する溶剤および水を除去する方法が用いられる。
【0033】更に、■前記例示した溶剤にマレイン酸、フマル酸等のカルボン酸を溶解させ、カーボンブラックを添加、混合して乾燥させ、溶剤を除去してカルボン酸添着カーボンブラックを得た後、これに樹脂を添加してドライブレンドする方法、■被覆させる樹脂を構成する反応性基含有モノマー成分と水とを高速撹拌して懸濁液を調製し、重合後冷却して重合体懸濁液から反応性基含有樹脂を得た後、これにカーボンブラックを添加して混練し、カーボンブラックと反応性基とを反応させ(カーボンブラックをグラフトさせ)、冷却および粉砕する方法などを採用することができる。また、カーボンブラックへの樹脂の被覆を助ける目的で、被覆前のカーボンブラックに酸化処理などを施しても良い。
【0034】黒色顔料の配合量は、光重合性組成物中の全固形分に対して20〜90重量%、特に30〜80重量%の範囲とするのが好ましい。また、特に黒色顔料としてカーボンブラックを用いるときは、配合量は、光重合性組成物中の全固形分に対して20〜90重量%、より好ましくは30〜80重量%、特に30〜70重量%の範囲とするのが好ましい。黒色顔料やカーボンブラックを組成物中に配合するときに本発明の目的を損なわない範囲で種々の分散剤、分散助剤を用いることもできる。
【0035】黒色顔料以外の着色顔料としてはアゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、べンツイミダゾロン系、イソインドリノン系、ジオキサジン系、インダンスレン系、ペリノン系等の有機顔料の他に種々の無機顔料等も利用可能である。例えば、下記に示すピグメントナンバ―の顔料等を好適に用いることができる。
C.I.赤;9、97、122、123、149、168、177、180、192、2I5、216、217、220、223、224、226、227、228、240254C.I.青;15、15;6、22、60、64C.I.緑;7、36C.I.黄色;20、24、86、93、109、110、117、125、137、138、139、147、148、150153、154、166、168180C.I.オレンジ;36、43、51、55、59、61C.I.バイオレット;19、23、29、30、37、40、50C.I.茶;23、25、26なお、これら黒色顔料以外の顔料の配合量は、光重合性組成物中の全固形分に対して20〜90重量%、特に30〜80重量%とするのが好ましい。
【0036】(III)エチレン性不飽和二重結合を有するバインダー樹脂本発明の光重合性組成物には、更にバインダー樹脂が配合されるのが好ましく、バインダー樹脂は、相溶性、皮膜形成性、現像性、接着性を向上させる結合剤としての機能を発現する材料として配合されるもので、エチレン性不飽和二重結合を有する樹脂である。このようなバインダー樹脂としては、例えば、側鎖にエチレン性不飽和二重結合を有する有機高分子化合物が挙げられる。中でも、エチレン性不飽和二重結合、カルボキシル基及び水酸基等の機能性官能基を有する共重合体が好ましく用いられる。このような共重合体は、上記官能基を有する単量体を共重合することにより、或いは、スチレン系共重合体、アクリル系共重合体等の高分子重合体に種々の反応を用い、上記機能性官能基を導入することにより得られる。特に、エチレン性不飽和二重結合とカルボキシル基と水酸基を有するスチレン系共重合体またはアクリル系共重合体が好ましい。
【0037】上述のエチレン性不飽和二重結合を有するバインダー樹脂の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン系モノマー;アクリル酸、メタクリル酸、桂皮酸、マレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の不飽和基含有カルボン酸;メチル(メタ)アクリラート、エチル(メタ)アクリラート、プロピル(メタ)アクリラート、アリル(メタ)アクリラート、ブチル(メタ)アクリラート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリラート、ヒドロキシルエチル(メタ)アクリラート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート、ベンジル(メタ)アクリラート等、ヒドロキシフェニル(メタ)アクリラート、メトキシフェニル(メタ)アクリラート、ベンジル(メタ)アクリラート等の(メタ)アクリル酸のエステル;アクリロニトリル;酢酸ビニル、バーサチック酸ビニル、プロピオン酸ビニル、桂皮酸ビニル、ピバリン酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステルをモノマーとする有機高分子共重合体に、通常の高分子反応等により、側鎖としてエチレン性二重結合を導入することによって得られる。
【0038】本発明に使用する、エチレン性不飽和二重結合を有するバインダー樹脂において、エチレン性二重結合を導入する方法の例としては、エステル結合、アミド結合、エーテル結合、イミド結合、ウレタン結合等の有機結合を形成する方法が挙げられる。導入反応の一例としては、前記有機高分子共重合体の、カルボキシル基および/または水酸基の一部または全部を、グリシジル(メタ)アクリラート、アリルグリシジルエーテル、下記に示す構造式の脂環式エポキシ基含有不飽和化合物等のエポキシ基含有不飽和化合物と反応させて導入することができる。この様な導入反応で得られるバインダー樹脂には、実質的にエポキシ基は残存していない。
【0039】
【化8】

【0040】
【化9】

【0041】
【化10】

【0042】[上記エポキシ基含有化合物の各構造式中、R1は、各々独立に水素原子またはメチル基を示す。R2は、各々独立に炭素数1〜6の2価の脂肪族飽和炭化水素基を示す。R3は、各々独立に炭素数1〜10の2価の炭化水素基を示す。mは0〜10の整数を示す。]
上記において、R2によって示される炭素数1〜6の2価の脂肪族飽和炭化水素基としては、直鎖又は分枝状のアルキレン基、例えばメチレン、エチレン、プロピレン、テトラメチレン、エチルエチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン基等を挙げることが出来る。また、R3によって示される炭素数1〜10の2価の炭化水素基としては、例えばメチレン、エチレン、プロピレン、テトラメチレン、エチルエチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ポリメチレン、フェニレン、1,4−ヘキシレン、1,4−キシレン−7,8−ジイル基等を挙げることが出来る。
【0043】本発明において、特に好ましいバインダー樹脂としては、基板への接着性を高める目的で、スチレン、α−メチルスチレン、ベンジル(メタ)アクリラート、ヒドロキシフェニル(メタ)アクリラート、メトキシフェニル(メタ)アクリラート、ヒドロキシフェニル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシフェニル(メタ)アクリルスルホンアミド等のフェニル基を有する共重合モノマーを10〜90モル%、好ましくは20〜80モル%、より好ましくは30〜70モル%の割合で含有し、(メタ)アクリル酸を2〜50重量%、好ましくは5〜50重量%の割合で含有する有機高分子共重合体に、全共重合モノマーに対して2〜50モル%、好ましくは5〜40モル%のエポキシ基含有不飽和化合物が付加された反応物が望ましい。
【0044】このようなバインダー樹脂の分子量としては、重量平均分子量(Mw)で2,000〜1,000,000、好ましくは2,000〜300,000、より好ましくは3,000〜100,000の範囲である。バインダー樹脂のMwがこの範囲より著しく低いと、現像時に画線部分の膜減りが生じ、逆にバインダー樹脂のMwが著しく高いと、現像時に非画線部の抜け性不良を生じる。さらにレジストとしての性能およびカラーフィルターとしての性能を向上させる目的で他の有機・無機高分子を加えても良い。これらの有機・無機高分子としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラエチレングリコール、エピクロロヒドリンとビスフェノールAとのポリエーテルおよび共重合ポリエーテル、ポリビニルアルキルエーテル、可溶性ナイロン等のポリアミド、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタラート/イソフタラート、ポリエチレンアジパート、ポリテトラエチレンアジパート、ポリエチレンフマラート等のポリエステル、アセチルセルロースおよびポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール等が挙げられる。これらのポリマー含有量は、通常、バインダー樹脂全量の30重量%以下である。
【0045】(IV)光重合性組成物本発明の光重合性組成物を調製するにあたり、前記顔料を光重合性組成物に配合するが、その際には、先ず、顔料分散液を製造する。顔料分散液は、顔料を有機溶剤中に分散させて製造するが、この時に分散を容易に進めるため及び/又は分散液を安定させるために、バインダー樹脂を共存させて分散させたり、目的を損なわない範囲で種々の分散剤、分散助剤を用いることもできる。分散させる方法としては、ペイントコンディショナー、サンドグラインダー、ボールミル、ロールミル、ストーンミル、ジェットミル、ホモジナイザー等にて微細に分散できる。ペイントコンディショナー、サンドグラインダーにて分散させるときは、0.1から数ミリ径のガラスビーズ又はジルコニアビーズを用いて分散させる。分散処理は顔料の平均粒径としては1μ以下、好ましくは0.5μ以下、さらに好ましくは0.1μ以下にするのが良い。分散させる条件は、通常、温度は0℃から100℃であり、好ましくは、室温から60℃である。分散時間は、用いる顔料、バインダー樹脂によって変化するが、10分から50時間、好ましくは、20分から20時間である。
【0046】続いて、このようにして調製した顔料と溶剤、あるいは、顔料と溶剤並びにバインダー樹脂及び/又は分散剤、分散助剤からなる顔料分散液に、(I)エチレン性不飽和二重結合を2個以上含有する化合物、(II)光重合開始剤および有機溶剤、必要に応じ(III)バインダー樹脂を加え、さらに目的に応じて種々の添加剤(密着向上剤、塗布性向上剤、現像改良剤、レべリング剤、光安定剤等)を加え光重合性組成物(レジスト組成物)を製造する。尚、本発明の光重合性組成物においては、エポキシ基を有する化合物の混入は出来るだけ避ける必要があるので、これらの添加剤はエポキシ基を有しない化合物から適宜選定使用する。
【0047】顔料分散液および光重合性組成物に用いる有機溶剤としては特に制限されず、具体的には以下のような溶剤が挙げられる。すなわち、ジイソプロピルエーテル、アミルエーテル、ジエチルエーテル、エチルイソブチルエ一テル、ブチルエーテル、ブロピルエーテル、ジへキシルエーテル、エチレングリコ―ルジエチルエーテル等のエーテル類;エチルカプリラート、ブチルステアラート、アミルアセタート、ブチルブチラート、アミルホルメート、酢酸ブチル、エチルべンゾアート、エチルオルソホルメート、メチルイソブチラート、エチルプロピオナート、メチルセロソルブアセタート、プロピルアセタート、アミルアセタート、アミルホルメート、酢酸エチル、プロピルプロピオナート、3−メチル―3―メトキシブチルアセタート等のエステル類;3−メトキシプロピオン酸、3−エトキシプロピオン酸、3−エトキシプロピオン酸エチル、3―メトキシプロピオン酸メチル、3―メトキシプロピオン酸エチル、3―メトキシプロピオン酸プロピル、3―メトキシプロピオン酸ブチル等の3−アルコキシプロピオン酸及びそのエステル類;n−ペンタン、n−ヘキサン、イソプレン、n−オクタン、ジイソブチレン、メチルシクロへキセン、ドデカン、へキセン、ジペンテン、ビシクロヘキシル、ミネラルスピリット、バルソル#2、アプコ#18ソルべント、アプコシンナー、Socal solvent No.1およびNo.2、ソルべッソ#150、シェルTS28 ソルべント等の炭化水素類が挙げられる。
【0048】また、ジイソブチルケトン、メチルノニルケトン、ジイソプロピルケトン、エチルアミルケトン、メトキシメチルペン夕ノン、メチルブチルケトン、メチルへキシルケトン、メチルイソアミルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルエチルケトン、シクロへキサノン等のケトン類;メトキシメチルペンタノール、3―メチル−3−メトキシブタノ―ル等のアルコール類;プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ブロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセタート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセタート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール−t−ブチルエーテル、プロピレングリコール―t―ブチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエ―テル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセタート、カルビトール、ジグライム、エチレングリコールアセタート、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、エチレングリコ―ルモノブチルエーテル等の多価アルコールおよびその誘導体類;更にブチルクロライド、アミルクロライド、べンゾニトリル等の有機溶剤を具体的に挙げることができる。
【0049】溶剤は光重合性組成物の各成分を溶解または分散させることができるもので、沸点が80〜200℃の範囲のものを選択するのが好ましい。より好ましくは100〜170℃の沸点をもつものである。これらの溶剤は単独もしくは混合して使用することができる。本発明の光重合性組成物は、着色顔料を使用する場合、(I)エチレン性不飽和二重結合を2個以上含有する化合物、(II)光重合開始剤、(IV)着色顔料の全固形分重量に対して、(I)を10〜29.5重量%、(II)を0.5〜90重量%、(IV)を25〜65重量%の範囲にするのが好ましい。また、更にバインダー樹脂(III)を併用する場合、(I)の一部、具体的には40〜80重量%を(III)で置き換えることが出来る。さらに、(II)光重合開始剤を構成する(a)周期律表第8族金属のアレーン錯体、(b)アミノ基含有ベンゾフェノン誘導体、(c)N−アリールグリシン又はその誘導体の3成分のそれぞれは、上記固形分重量中、0.1〜40重量%にするのが好ましい。
【0050】本発明の光重合性組成物は、光重合開始剤の一成分として周期律表第8族金属のアレーン錯体を含有するが、該錯体は、光重合性組成物中に存在するエポキシ基含有化合物と徐徐に反応し、該組成物の経時劣化の誘因となる。そのため、重合開始剤の活性低下を阻止し、光重合性組成物の安定性を確保するためには、該光重合性組成物中におけるエポキシ基を有する化合物の含有量は所定量以下に制御することが必要で、出来るだけ少なくするのが好ましい。即ち、該光重合性組成物中におけるエポキシ基を有する化合物の含有量は、(a)第8族金属のアレーン錯体1モルに対し、エポキシ基0.2モル以下、好ましくは0.1モル以下である。なお、該光重合性組成物中のエポキシ基は、例えば■まず過剰のハロゲン化水素をエポキシ基と反応させ、未反応のハロゲン化水素を逆滴定する、■NMRで直接エポキシ基の量を定量する、など既知の様々な方法で定量することができる。また、予め添加したエポキシ基含有化合物の量と構造が判っている場合には、計算によって組成物中のエポキシ基量を求めることもできる。更に、光重合性組成物の有機溶剤を除く成分中における、エポキシ基含有化合物の重量による含有量は、該化合物の分子量により異なるが、例えば1重量%以下、より好ましくは0.5重量%以下である。本発明の光重合性組成物としては、エポキシ基を有する化合物を含有しない組成物が最も好ましい。
【0051】(V)カラーフィルターの製造方法次に、本発明の光重合性組成物を用いたカラーフィルターの製造方法について説明する。まず、透明基板上に、本発明のカラーフィルター用光重合性組成物をスピナー、ワイヤーバー、フローコーター、ダイコーター、ロールコーター、スプレー等の塗布装置により塗布して乾燥した後、該試料の上にフォトマスクを置き、該フォトマスクを介して画像露光、現像、必要に応じて熱硬化或いは光硬化処理を行い第1色目の画像を形成させる。さらにこの操作を残る各色について各々繰り返して着色画素部を形成し、カラーフィルター画像を形成させる。なお、各色画素を形成する前に透明基板上にブラックマトリックスを形成するのが一般的である。ブラックマトリクスは、クロム等の金属又は金属化合物の薄膜にて形成されていてもよく、(凝似)黒色顔料を含む本発明の光重合性組成物を用いて形成されていてもよい。ブラックマトリクスの膜厚(光重合性組成物を用いた場合は、乾燥後の膜厚)は、0.1〜2μm、好ましくは0.3〜1.5μm、更に好ましくは0.5〜1.5μmの範囲とするのが好ましく、又、膜厚1μmでの光線遮光率が3.0以上であるのが好ましい。
【0052】ここで用いる透明基板は、カラーフィルター用の透明基板であり、その材質は特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンテレフタラート等のポリエステルやポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン、ポリカーボナート、ポリメチルメタクリラート、ポリスルホン等の熱可塑性プラスチックシート、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ(メタ)アクリル樹脂等の熱硬化性プラスチックシート、或いは各種ガラス板等を挙げることができる。特に、耐熱性の点からガラス板、耐熱性プラスチックが好ましく用いられる。このような透明基板には、表面の接着性等の物性を改良するために、コロナ放電処理、オゾン処理、シランカップリング剤やウレタンポリマー等の各種ポリマーの薄膜処理等を行うこともできる。
【0053】透明基板の板厚は、0.05〜10mm、特に0.1〜7mmの範囲であることが好ましい。また、各種ポリマーの薄膜処理を行う場合には、その膜厚は0.01〜10μm、特に0.05〜5μmの範囲であることが好ましい。また、透明基板の大きさは特に限定されるものではないが、通常の場合、透明基板としては数センチ角〜百数十センチ角程度の透明基板が使用される。
【0054】また、露光に用いる光源は、例えば、キセノンランプ、ハロゲンランプ、タングステンランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、中圧水銀灯、低圧水銀灯等のランプ光源やアルゴンイオンレーザ―、YAGレーザー、エキシマーレーザー、窒素レーザー等のレーザ―光源等が挙げられる。この場合に特定の照射光の波長のみを使用する場合には適宜、光学フィルターを利用すれば良い。
【0055】現像処理は、未露光部のレジスト膜を溶解させる能力のある溶剤であれば特に制限は受けないが、アルカリ現像液を使用するのが好ましい。例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機のアルカリ剤、或いはジエタノールアミン、トリエタノ―ルアミン、水酸化テトラアルキルアンモニウム等の有機のアルカリ剤を含有し、必要に応じ、画質向上、現像時間の短縮等の目的で界面活性剤、水溶性の有機溶剤、水酸基又はカルボン酸基を有する低分子化合物等を含有させた水溶液を用いる。
【0056】現像液の界面活性剤としては、ナフタレンスルホン酸ナトリウム基、べンゼンスルホン酸ナトリウム基を有するアニオン性界面活性剤、ポリアルキレンオキシ基を有するノニオン性界面活性剤、テトラアルキルアンモニウム基を有するカチオン性界面活性剤等を挙げることができ、また、水溶性の有機溶剤としては、エタノール、プロピルアルコール、ブタノール、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、フェニルセロソルブ、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリブロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテルアセタート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート等を挙げることができる。また水酸基又はカルボキシル基を有する低分子化合物としては、1−ナフトール、2−ナフトール、ピロガロール、安息香酸、コハク酸、グルタル酸等を挙げることができる。
【0057】現像処理は、通常、10〜50℃、好ましくは15〜45℃の現像温度で、浸漬現像、スプレー現像、ブラシ現像、超音波現像等の方法により行われる。現像処理後、諸物性を安定化させる目的で硬化処理を行うことができる。硬化処理としては、加熱による処理、紫外線による処理等がある。
【0058】
【実施例】次に実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、これらの実施例によって制約を受けるものではない。なお、以下の例において、光学濃度(OD値)の測定には透過濃度計TD904(Macbeth社製)を用いた。また、液体クロマトグラフィー測定には、カラムにL−カラムODS(4.6mm×250mm、財団法人化学物質評価研究機構)、移動相にリン酸緩衝液/アセトニトリル混合液、検出器は紫外線検出器を用いた。
【0059】[実施例1]
光重合性組成物の調製1)カーボンブラック分散インキの調製カーボンブラックとして三菱化学社製MA220を100g、高分子分散剤BYK−182(商品名:ビックケミー社製)17gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート(PGMEA)350gと混合し、ペイントシェーカーにより25〜45℃の範囲で6時間分散処理をおこなった。ビーズは0.5mmφのジルコニアビーズ1800gを用いた。分散終了後、フィルターによりビーズと分散液を分離し、黒色分散インキを得た。
【0060】2)バインダー樹脂の合成酸価200(mgKOH/g)、分子量5000のスチレン・アクリル酸樹脂(共重合比=スチレン60重量%:アクリル酸40重量%)40g、p−メトキシフェノール0.4g、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド0.4g、PGMEA80gをフラスコに仕込み、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルアクリラート15.2gを滴下し100℃の温度で30時間反応させた。反応液を水に再沈殿、乾燥させて樹脂を得た。KOHによる中和滴定を行ったところ、樹脂の酸価は80(mgKOH/g)であった。
【0061】3)黒色光重合性組成物(レジスト)の調製黒色レジスト(a)を、下記表1に記載の化合物および組成で配合し調製した。なお、表1記載の成分中には、エポキシ基含有化合物は含まれていない。
【0062】
【表1】

【0063】*1:上記表1中、「イルガキュア261(チバガイギー社製)」は、下記の構造を有する。
【化11】

【0064】*2:密着向上剤【化12】

*3:塗布性向上剤【0065】4)レジスト現像性評価調製直後の黒色レジスト(a)を、乾燥時のODが3.2になるようにガラス基板(旭硝子(株)製「AN635」)にスピンコートし、乾燥温度70℃で150秒間乾燥した。次に上記基板の上面の一部に密接してステップ感度評価用テストチャート(URGA社)を置き、テストチャートを置いた側から基板全面に3kW超高圧水銀灯により照度21.0mW/cm2、露光量800mJ/cm2で露光した。これを、0.2重量%の炭酸カリウムと0.4%のノニオン性界面活性剤(花王(株)製「エマルゲンA−60」)を含有する水溶液よりなる現像液を用い、23℃で、未露光部のレジストが完全に溶解する時間の1.5倍の時間シャワー現像し、純水にて現像を停止した後、水洗スプレーにてリンスした。ステップ部分に残ったレジスト膜のOD値を表4に示す。次いで、5℃、遮光下で一定期間(12日、19日、41日)保存した後のレジスト(a)を用い、上記調製直後のレジスト(a)の評価と全く同じ条件で同様の操作を行い、得られたレジストのステップパターンのOD値を測定した。結果を表3および図1に示す。
【0066】[比較例1]
1)黒色光重合性組成物(レジスト)の調製黒色レジスト(b)を、下記表2に記載の化合物および組成で配合し調製した。表2記載の成分のうち、SH6040のみはエポキシ基含有化合物である。エポキシ基量は鉄アレーン錯体(イルガキュア261)1モルに対し1.3モルである。なお、化合物SH6040は、組成物中2.9wt%である。
【0067】
【表2】

【0068】*1:密着向上剤【化13】

【0069】2)レジスト現像性評価黒色レジスト(a)の代わりに黒色レジスト(b)を用いる以外は全て[実施例1 4)]と同じ操作を行った。結果を表3および図2に示す。
【0070】
【表3】

表3、図1及び図2より本発明の[実施例1]は、[比較例1]に比べて保存による感度変化が少ない、即ち、保存安定性に優れていることがわかる。
【0071】
【発明の効果】本発明によれば、保存による画像形成特性変化の少ない光重合性組成物を得ることができる。
【出願人】 【識別番号】000005968
【氏名又は名称】三菱化学株式会社
【出願日】 平成13年6月18日(2001.6.18)
【代理人】 【識別番号】100068065
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 一 (外3名)
【公開番号】 特開2002−371106(P2002−371106A)
【公開日】 平成14年12月26日(2002.12.26)
【出願番号】 特願2001−182694(P2001−182694)