| 【発明の名称】 |
微粒子粉末の製造方法及び微粒子粉末 |
| 【発明者】 |
【氏名】大村 貴宏
【氏名】山内 博史
【氏名】中田 泰詩
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| 【要約】 |
【課題】噴霧乾燥法により、微粒子の分散液から一次粒子の平均粒子径が10μm以下の微粒子粉末をほとんど凝集することなく効率よく製造する。
【解決手段】微粒子の分散液を四流体ノズルを備えた噴霧乾燥機で噴霧乾燥することにより目的の微粒子粉末を得る。微粒子の分散液としては、モノマーを重合して得られる重合体微粒子の分散液が好適である。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 微粒子の分散液を四流体ノズルを備えた噴霧乾燥機で噴霧乾燥することを特徴とする微粒子粉末の製造方法。 【請求項2】 モノマーを重合して得られる重合体微粒子の分散液を用いることを特徴とする請求項1に記載の微粒子粉末の製造方法。 【請求項3】 噴霧乾燥機の乾燥室内の温度が40〜90℃であることを特徴とする請求項1又は2に記載の微粒子粉末の製造方法。 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法により得られる微粒子粉末。 【請求項5】 微粒子粉末が平均粒径0.1〜10μmの一次粒子からなる請求項4に記載の微粒子粉末。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、微粒子粉末の製造方法及びその製造方法により得られる微粒子粉末に関する。 【0002】 【従来の技術】微粒子の分散液を噴霧乾燥機で噴霧乾燥することにより、微粒子粉末を製造する方法は知られている。この種の噴霧乾燥法は、濾過、乾燥、粉砕、分級等の工程を省くことができるという利点がある。 【0003】噴霧乾燥機としては、アトマイザー(噴霧器)として、加圧ノズル(一流体ノズル)、二流体ノズル、回転円盤式(ディスク式)を備えた噴霧乾燥機が使用されている。このような噴霧乾燥機のなかで、二流体ノズルを備えた噴霧乾燥機は、微細な粒子径の微粒子粉末を得るのに適している。 【0004】しかし、二流体ノズルを備えた噴霧乾燥機を使用し、噴霧液滴の微細化を目的として、噴霧液に対する噴霧用の気体流量の比を大きくしても、乾燥機内において乾燥用気体の逆流が発生し、噴霧液滴や噴霧液滴と乾燥済の粒子との衝突・合一が起こって、目的とする粒子径よりもはるかに大きい粗大粒子(凝集粒子)を生成する例が多く見られる。 【0005】粗大粒子(凝集粒子)の生成を防ぐために、特開平9−71608号公報には、二流体ノズルを備えた噴霧乾燥機において、乾燥機の上部コーン部の開き角度及び上部コーン部の入り口径と乾燥機直胴部の径との比を調整して、噴霧液滴や乾燥粒子の衝突・合一を防止する方法が開示されている。 【0006】しかし、この方法によっても、一次粒子の平均粒子径が10μm以下の微粒子粉末をほとんど凝集させることなく効率よく製造することは困難である。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題を解決するもので、その目的とするところは、噴霧乾燥法により、微粒子の分散液から一次粒子の平均粒子径が10μm以下の微粒子粉末をほとんど凝集させることなく効率よく製造することができる微粒子粉末の製造方法及びその製造方法により得られる微粒子粉末、特に一次粒子の平均粒子径が10μm以下の微粒子粉末を提供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記の目的は、微粒子の分散液を四流体ノズルを備えた噴霧乾燥機で噴霧乾燥することによって達成することができる。特に微粒子の分散液としては、モノマーを重合して得られる重合体微粒子の分散液が好適である。 【0009】ここで、四流体ノズルを備えた噴霧乾燥機とは、工業調査会発行の「化学装置」2000年6月号第60〜65頁に記載されているように、二つの気体路と二つの液体路とを有し、これ等の気体路と液体路との噴出口から噴出する流体が一点に集まる衝突焦点を形成するように構成されたノズルを備えた噴霧乾燥機である。 【0010】上記噴霧乾燥機の四流体ノズルを図により説明する。図1は噴霧乾燥機の四流体ノズルの一例を示す断面図であって、この四流体ノズル10は、ノズルエッジが直線状(図に対して垂直方向に直線状になっている)に形成されている。そして、11a、11bは二つの気体路、12a、12bは二つの液体路を示し、これ等の気体路11a、11bと液体路12a、12bとの噴出口から噴出する流体20が一点に集まる衝突焦点21を形成させるように構成されている。 【0011】図1には、衝突焦点21がノズルの外側に形成される外部混合方式を示したが、衝突焦点21がノズルの内側に形成される内部混合方式であってもよい。しかし、閉塞が起きにくいことから外部混合方式が好ましい。また、図1には、ノズルエッジが直線状に形成されているストレートエッジ型の四流体ノズル10を示したが、ノズルエッジが円筒状に形成されているサークルエッジ型の四流体ノズルも使用できる。 【0012】ストレートエッジ型の四流体ノズル10の場合、ノズルエッジは噴霧量により適正な長さ(例えば2〜30mm)の直線状に形成されており、気体路11a、11bと液体路12a、12bとは、そのエッジ長さにあわせて、一定の間隔(例えば0.1〜0.3mm)に精度を保ったスリット状の出口になっている。 【0013】二流体ノズルでは、噴霧出口が孔形状の構造から大きく変化することができなかった。しかし、図1に示す四流体ノズルは、そのノズルエッジを直線状に形成し、気体路と液体路とをそれぞれ二つにすることで、噴霧液の微粒化と大量噴霧の目的を同時に解決することができる。 【0014】図1において、ノズルエッジ先端の衝突焦点21に向かつて、両サイドの気体路11a、11bへ噴霧用気体を圧入するとともに、両サイドの液体路12a、12bへ微粒子の分散液を注入する。すると、気体路11a、11bのスリットから出た高速気体流が、液体路12a、12bのスリットから湧き出るように出た微粒子の分散液を、流体流動面で混合しながら薄く引き延ばす。引き延ばされた微粒子の分散液は、エッジ先端の衝突焦点21で発生する衝撃波で、より微細化され微細な液滴20を形成する。 【0015】液体路12a、12bへ注入される微粒子の分散液は、四流体ノズル10により微細液滴化して溶媒や分散媒を揮発させ、乾燥、粉粒化させることができるものであれば特に制限なく、例えば、ポリ(メタ)アクリレート、ポリエステル、ポリスチレン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル等の熱可塑性樹脂からなる微粒子の分散液;ポリフェノール、尿素樹脂、メラミン樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂からなる微粒子の分散液が挙げられる。 【0016】また、クレイ、シリカ、炭酸カルシウム、酸化チタン等の無機充填剤からなる微粒子の分散液;有機発泡剤、洗剤、顔料、殺虫剤、除草剤、殺菌剤などの微粒子の分散液、インスタントコーヒー、ココア、麦芽抽出物、でんぷん、その他の食品類、天然及び合成香料、化粧品、抗生物質、血清、血漿、各種ビタミン、ペニシリン、ぶどう糖、各種アミノ酸等の医薬品類などの微粒子の分散液が挙げられる。 【0017】これらの中で、モノマーを重合して得られる重合体微粒子の分散液を噴霧し、微細で均一な微粒子粉末を回収するものに好適に使用される。モノマーの重合法としては、液体の媒体を必要とする重合方法で、例えば、乳化重合法、懸濁重合法、マイクロサスペンジョン重合法、ソープフリー重合法、分散重合法、シード重合法、溶液重合法などが挙げられる。重合体微粒子の粉末は、医学用薬物キャリヤー、液晶表示用スペーサー、トナー、粉体塗料等に好適に使用される。 【0018】気体路11a、11bへ圧入される噴霧用気体の種類は、適用する微粒子の分散液の性質に合わせて選択され、通常は入手のしやすさから空気が用いられるが、可燃性物質の噴霧乾燥においては窒素等の不活性気体を用いるのが安全上好ましい。また、噴霧用気体の流量及び流速は乾燥温度を考慮した、噴霧乾燥機における熱バランスから適宜決定される。 【0019】エッジ先端の衝突焦点21で微細化され微細な液滴20は、噴霧乾燥機の乾燥室内(図示せず)において乾燥熱風に効率よく接触し、瞬時に乾燥されて微粒子粉末となり、サイクロン・バグフィルタ等で回収される。噴霧乾燥機の乾燥室、サイクロン・バグフィルタは従来と同様に構成される。 【0020】乾燥温度は、分散液中の微粒子の性質に応じて調節する必要があるが、通常は目標とする乾燥効率と微粒子の耐熱性及び供給熱源の温度とで条件を設定する。一般に、乾燥用の熱風温度として噴霧乾燥機入口で50〜450℃、乾燥室内温度で40〜200℃を用いることが多い。 【0021】乾燥室内温度が25℃以下の場合は、外気温との関係で温度を安定に維持するのが困難となりやすく、また、水系の噴霧では乾燥不十分となることがある。また、モノマーを重合して得られる重合体微粒子を乾燥させる場合、粒子の二次凝集を防止するため、乾燥粒子の温度を重合体のガラス転移温度以下に制御する必要があり、乾燥室内の温度を40〜90℃にすることが好ましい。 【0022】また、得られる微粒子粉末の粒子径の制御は、適用する微粒子の分散液の濃度と、噴霧用気体の総流量と被噴霧液の流量との比で行うことができ、必要粒子径等によって適宜決定される。 【0023】微粒子の分散液の濃度が高い程粒子径が大きくなる。また、噴霧用気体総流量と被噴霧液流量との比は、小さくなると噴霧液滴自体が大きくなるため、微細な乾燥粒子が得にくくなり、大きくなると噴霧液滴の微細化には有効であるが、噴霧用気体の消費量が増加して、圧縮気体の製造設備のための費用や設備運転費用が大きくなり、経済的に不利である。 【0024】こうして、微粒子の分散液、特にモノマーを重合して得られる重合体微粒子の分散液から、一次粒子の平均粒子径が10μm以下の微粒子粉末がほとんど凝集することなく効率よく得られる。 【0025】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例及び比較例を示す。 (実施例1) 〈重合体微粒子の分散液の調製〉メチルメタクリレート200g、トリメチロールプロパントリアクリレート2gとラウロイルパーオキサイド1gを撹拌混合した。これに、イオン交換水400g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2gを添加し、ホモジナイザーで撹拌して乳化モノマー液を調製した。 【0026】一方、撹拌機及びジャケットを備えた重合器にイオン交換水400gを入れ、攪拌を開始した。重合器内を減圧して器内の脱酸素を行った後、窒素により圧力を大気圧まで戻して、内部を窒素雰囲気とした後、これに上記乳化モノマー液を一括に添加した。 【0027】その後、重合器内を70℃まで昇温して乳化重合を開始した。重合反応は1時間で完了し、その後1時間の熟成期間をおいた後、室温まで冷却した。重合反応の結果、固形分(重合体)濃度約20重量%、平均粒子径(一次粒子)4.3μmの重合体微粒子を含む分散液を得た。分散液中の重合体微粒子の平均粒子径は、堀場製作所社製のレーザー回折粒度分布計LA−910を用いて測定した。 【0028】〈重合体微粒子の分散液の噴霧乾燥〉図1に示すような4流体ノズルを備えた噴霧乾燥機として、藤崎電機社製のマイクロミストドライヤーMDL−050(ノズルエッジ長さ3mm、気体路スリット0.2mm、液体路スリット0.25mm)を使用して、上記重合体微粒子を含む分散液の噴霧乾燥を行って、重合体微粒子の粉末の製造した。乾燥条件は、熱風の入り口温度120℃、乾燥室内温度65.2℃、分散液のフィード速度20ml/minであった。 【0029】得られた重合体微粒子の粉末について、日立製作所社製の走査型電子顕微鏡S−4200型を用いて粒子の形態を観察したところ、重合体微粒子は完全な一次粒子を呈していた。 【0030】(実施例2) 〈重合体微粒子の分散液の調製〉スチレン190g、ジビニルベンゼン10gを撹拌混合した。これに、イオン交換水400g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2gを添加し、ホモジナイザーで撹拌して乳化モノマー液を調製した。 【0031】一方、撹拌機及びジャケットを備えた重合器にイオン交換水400gを入れ、攪拌を開始した。重合器内を減圧して容器内の脱酸素を行った後、窒素により圧力を大気圧まで戻して、内部を窒素雰囲気とした後、重合器内を70℃まで昇温した。 【0032】その後、重合器内に過硫酸アンモニウム0.2gを添加し、15分撹拌した後、上記乳化モノマー液のうち10重量%を一括に添加し、乳化重合を開始した。重合開始より20分後に、重合系へ残りの乳化モノマー液の滴下を開始した。2時間で滴下を完了し、その後1時間の熟成期間をおいた後、室温まで冷却した。重合反応の結果、固形分(重合体)濃度約20重量%、平均粒子径(一次粒子)0.21μmの重合体粒子を含む分散液を得た。分散液中の重合体微粒子の平均粒子径は、堀場製作所社製のレーザー回折粒度分布計LA−910を用いて測定した。 【0033】〈重合体微粒子の分散液の噴霧乾燥〉図1に示すような4流体ノズルを備えた噴霧乾燥機として、藤崎電機社製のマイクロミストドライヤーMDL−050を使用して、上記重合体微粒子を含む分散液の噴霧乾燥を行って、重合体微粒子の粉末の製造した。乾燥条件は、熱風の入り口温度120℃、乾燥室内温度59.5℃、分散液のフィード速度20ml/minであった。 【0034】得られた重合体微粒子の粉末について、日立製作所社製の走査型電子顕微鏡S−4200型を用いて粒子の形態を観察したところ、重合体微粒子はわずかに1μm以下の凝集粒子が見られたが、大多数は完全な一次粒子を呈していた。 【0035】(比較例1)二流体ノズルを備えた噴霧乾燥機として、ホソカワミクロン社製AGM−35SDを使用し、実施例1で得られた重合体微粒子を含む分散液の噴霧乾燥を行った。乾燥条件は、熱風の入り口温度80℃、乾燥室内温度58.4℃、分散液のフィード速度100ml/minであった。 【0036】得られた重合体微粒子の粉末について、日立製作所社製の走査型電子顕微鏡S−4200型を用いて粒子の形態を観察したところ、粒子の凝集が見られ、10μm以上の凝集粒子が多数観察された。 【0037】(比較例2)二流体ノズルを備えた噴霧乾燥機として、ホソカワミクロン社製AGM−35SDを使用し、実施例2で得られた重合体微粒子を含む分散液の噴霧乾燥を行った。乾燥条件は、熱風の入り口温度80℃、乾燥室内温度62.9℃、分散液のフィード速度120ml/minであった。 【0038】得られた重合体微粒子の粉末について、日立製作所社製の走査型電子顕微鏡S−4200型を用いて粒子の形態を観察したところ、10μm以上の凝集粒子が多数観察された。 【0039】 【発明の効果】上述のとおり、微粒子の分散液、特にモノマーを重合して得られる重合体微粒子の分散液を、四流体ノズルを備えた噴霧乾燥機で噴霧乾燥することにより、微粒子の分散液から一次粒子の平均粒子径が10μm以下の微粒子粉末をほとんど凝集させることなく効率よく製造することができ、粉砕や分級の工程を省略もしくは簡素化できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002174 【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年2月27日(2001.2.27) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2002−249512(P2002−249512A) |
| 【公開日】 |
平成14年9月6日(2002.9.6) |
| 【出願番号】 |
特願2001−52387(P2001−52387) |
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