| 【発明の名称】 |
透明性含フッ素共重合体 |
| 【発明者】 |
【氏名】小森谷 治彦
【氏名】古賀 直
【氏名】堤 憲太郎
【氏名】前田 一彦
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| 【要約】 |
【課題】本発明の課題は、光の散乱や吸収が少なく、プラスチック光ファイバーや光導波路用の材料として有用な透明性の高い高分子化合物を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)で表されるα‐トリフルオロメチルアクリル酸エステル(A)に基づく単位と、ビニルモノマー(B)に基づく単位を主としてなる含フッ素共重合体。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 下記一般式(1)で表されるα‐トリフルオロメチルアクリル酸エステル(A)に基づく単位と、ビニルモノマー(B)に基づく単位を主としてなる含フッ素共重合体。 【化1】
(式中、R1はフッ素原子を少なくとも1個含有する有機基を表す。) 【請求項2】 ビニルモノマー(B)がビニルエーテル類である請求項1記載の含フッ素共重合体。 【請求項3】 ビニルモノマー(B)がアリルエーテル類またはアリルエステル類である請求項1記載の含フッ素共重合体。 【請求項4】 ビニルモノマー(B)がビニルエステル類である請求項1記載の含フッ素共重合体。 【請求項5】 ビニルモノマー(B)がアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルである請求項1記載の含フッ素共重合体。 【請求項6】 ビニルモノマー(B)がスチレン系モノマーである請求項1記載の含フッ素共重合体。 【請求項7】 ビニルモノマー(B)がヒドロキシスチレンであるか、またはヒドロキシスチレンの水酸基を酸の作用で脱離する基で保護した誘導体である請求項1記載の含フッ素共重合体。 【請求項8】 ビニルモノマー(B)が4−(2−ヒドロキシヘキサフルオロイソプロピル)スチレンまたは4−(2−ヒドロキシヘキサフルオロイソプロピル)スチレンの水酸基を酸の作用で脱離する基で保護した誘導体である請求項1記載の含フッ素共重合体。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、透明性高分子化合物に関し、より詳しくはフッ素原子を分子中に有する透明性高分子化合物に関する。この高分子化合物は、プラスチック光ファイバーや光導波路用の材料として、詳しくはプラスチック光ファイバーや光導波路のコア材料、同クラッド材料、または同被覆材料として有用である。 【0002】 【従来の技術】含フッ素高分子化合物は高い耐熱性や耐薬品性、良好な電気的特性を有することから、種々の用途に用いられている。しかしながら、これまでに一般に知られているような含フッ素高分子化合物、例えばテトラフルオロエチレンやフッ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレンなど含フッ素ビニルモノマーを重合して成る高分子化合物は、ほとんどの場合に結晶成分を含んでおり、光の散乱がおこることから透明性が低く、これを必要とする光学分野には殆ど用いられてこなかった。ただし、元来含フッ素高分子化合物はそのフッ素原子の性質に由来して特徴的に低屈折率であり、幅広い波長領域において光の吸収が少なく、潜在的には光学用途に対しても非常に有用な材料に成り得る可能性を持っている。 【0003】含フッ素高分子化合物の透明性を改善しようとする試みとして、特開昭63−238115には、末端二重結合を有する特定のパーフルオロエーテルと、ラジカル共重合可能な他の単量体とをラジカル共重合させることによって、共重合体主鎖に環構造を有する共重合体を生成せしめる方法が開示されており、このものはポリテトラフルオロエチレンやポリフッ化ビニリデンなど従来のフッ素系高分子化合物と比べて高い透明性を有することが示されている。また、特公昭63−18964には、パーフルオロ2,2−ジメチル1,3−ジオキソール、テトラフルオロエチレン、及び随時少なくとも1種の他のエチレン型不飽和単量体から成る無定形共重合体が開示されており、このものは完全に無定型であって高い透明性を有することが示されている。しかしながら、例示した含フッ素共重合体の場合には、いずれも溶剤に対する溶解性が不充分か、または特殊な溶剤に限定されているのが現状である。また、含フッ素共重合体とその他の材料との密着性が低いことも課題としてあげられており、高い透明性を必用としている分野に対して実用的な見地から充分な材料を供給するものではなかった。 【0004】一方、アクリル酸エステル系またはメタクリル酸エステル系ポリマーの光学材料への応用については、すでに多くが実用化されているところである。近年、この系統のポリマーにフッ素原子を導入して光学材料に用いようとする試みが種々成されている。その一つがポリアクリル酸フルオロアルキルエステルであり、アクリル樹脂の特徴と、フッ素樹脂の特徴を併せ持つものとして位置づけられる。この樹脂は、原料モノマーのフルオロアルキル基の種類を変えることによってフッ素含有量を変えることができ、透明で低屈折率な光学材料としての応用が期待されている。しかるに、フルオロアルキル側鎖を長くしてフッ素含有量を増加させた場合には、ガラス転移点が低下し、また各種基板への密着性が低下してしまうことが課題としてあげられている。フルオロアルキル側鎖の炭素数が6を越えるとガラス転移点は上昇に転じることが報告されているが、これは側鎖部分の結晶化に由来しており、同時に透明性が低下してしまうことが問題である。この様に、アクリル酸エステルのアルキル側鎖にフッ素原子を多く導入した場合には、低屈折率性などは得られるものの、他の物性が著しく低下するなど材料として難しい面も含んでいる。 【0005】また、α-トリフルオロメチルアクリル酸エステル系ポリマーについては、その報告例は未だ少ないが、エステル側鎖部分が単純なメチル基であるものについてはMauroAglietto らによって文献Macromol. Chem. Phys. 196, 2840-2853 (1995) に報告されている。この文献では、α-トリフルオロメチルアクリル酸またはα-トリフルオロメチルアクリル酸メチルエステルのホモポリマー、およびα-トリフルオロメチルアクリル酸メチルエステルとブチルビニルエーテルあるいはメチルビニルエーテルなどのビニルエーテル類との共重合体、α-トリフルオロメチルアクリル酸メチルエステルと1−デセンなどのα-オレフィン類との共重合体の合成に関して記載されている。しかしながら、エステル側鎖部分にもフッ素を含有したポリマーの合成は成されていない。また、HiroshiIto らによる文献Macromolecules 1982, 15, 915-920 においてもエステル側鎖部分が単純なメチル基であるものについてはポリマーの合成が報告されており、α-トリフルオロメチルアクリル酸メチルエステルのホモポリマー、およびα-トリフルオロメチルアクリル酸メチルエステルとメタクリル酸メチルとの共重合体が記載されている。この文献においてもエステル側鎖部分にもフッ素を含有したポリマーの合成は成されていない。 【0006】α-トリフルオロメチルアクリル酸トリフルオロエチルエステル、α-トリフルオロメチルアクリル酸ヘキサフルオロイソプロピルエステルのホモポリマーをアニオン重合法により製造することが特公平4−19247号公報に開示されているが共重合については何も記載していない。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、光の散乱や吸収が少なく、プラスチック光ファイバーや光導波路用の材料として有用な透明性の高い高分子化合物を提供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の如き発明が解決しようとする課題について、鋭意、検討を重ねたの結果、α‐トリフルオロメチルアクリル酸エステル(A)と、ビニルモノマー(B)を重合して得られる含フッ素共重合体が高い透明性を有し、しかもアセトンやメチルイソブチルケトンなど汎用の有機溶剤に良好に溶解することを見い出し、本発明を完成するに到った。この透明性高分子化合物は、光通信分野のみならず、光学部品を組み立てる際の光学用接着剤や、短波長帯(約120nm)〜長波長帯(約1.5ミクロン)までの広範囲で透明性を発現する感光性樹脂の基材としても非常に有用である。 【0009】すなわち、本発明は下記一般式(1)で表されるα‐トリフルオロメチルアクリル酸エステル(A)に基づく単位と、ビニルモノマー(B)に基づく単位を主としてなる含フッ素共重合体である。 【0010】 【化2】
【0011】(式中、R1はフッ素原子を少なくとも1個含有する有機基を表す。) 以下、本発明を詳細に説明する。 【0012】本発明において用いるエステル部位に少なくとも一つのフッ素原子を有するα‐トリフルオロメチルアクリル酸エステル(A)(以下「モノマー(A)」ということがある。)は一般式(1)で表される。 【0013】一般式(1)において、R1はフッ素原子を少なくとも1個含有する有機基を表す。そのような有機基としては、例えば、置換基として、アルキル基、フルオロアルキル基、シクロアルキル基、シクロフルオロアルキル基、アリール基、含フッ素アリール基、複素環基またはフルオロ複素環基を有することもあるC1〜C20のフルオロアルキル基、同C2〜C20のフルオロアルケニル基、同C6〜C20のフルオロアリール基、同C3〜C20のフルオロシクロアルキル基、同C4〜C20のフルオロシクロジェニル基、同5〜10員環であって少なくとも1個の窒素、酸素又は硫黄をヘテロ原子として含むフルオロ複素環基を示す。フルオロシクロアルキル基としては、単環でも、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン等に由来する骨格のような多環でもよい。モノマー(A)としては、一般式(1)で表されるα‐トリフルオロメチルアクリル酸エステルの混合物であってもよい。 【0014】R1としては、具体的には2,2,2−トリフルオロエチル基、1H,1H−ペンタフルオロプロピル基、1H,1H−ヘプタフルオロブチル基、3,3,4,4,5,5,5−ヘプタフルオロ−2−ペンチル基、ヘキサフルオロイソプロピル基、1H,1H−ペンタデカフルオロオクチル基、、3,4,4,4−ペンタフルオロ−2−ブチル基、1,1,1−トリフルオロ−2−プロピル基、1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチル基、1H,1H,11H−エイコサフルオロウンデシル基、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル基、1H,1H,3H−テトラフルオロプロピル基、4,4,4−トリフルオロブチル基、2−メチル−3,3,3−トリフルオロメチルプロピル基、2−ペンタフルオロフェニル−1−プロピル基、3−ペンタフルオロフェニル−1−プロピル基、1H,1H−2−トリフルオロメチル−テトラフルオロプロピル基、1H,1H、3H−2−トリフルオロメチル−トリフルオロプロピル基、1H,1H,3H−ヘキサフルオロブチル基、1H,1H,2H−2−メチル−トリデカフルオロ−1−オクチル基、1H,1H,2H,2H,3H,3H−トリデカフルオロノニル基などが例示できる。これらのうち、2,2,2−トリフルオロエチル基、ヘキサフルオロイソプロピル基は特に好ましい。 【0015】本発明において用いるエステル部位に少なくとも一つのフッ素原子を有するα‐トリフルオロメチルアクリル酸エステル(A)はどのような方法で製造されたものでもよい。例えば、特開昭60−42352号公報には、α−トリフルオロメチルアクリル酸と2,2,2−トリフルオロエタノールを90℃で混合し、そこへ20%発煙硫酸を滴下して反応させた後、蒸留してトリフルオロエチル−α−トリフルオロメチルアクリレートが得られ、同様にヘキサフルオロイソプロパノールを使用してヘキサフルオロイソプロピル−α−トリフルオロメチルアクリレートが得られることが記載されている。 【0016】本発明に使用するビニルモノマー(B)(以下「モノマー(B)」という。)としては、α−オレフィン類、環状オレフィン類、ビニルエーテル類、アリルエーテル類、アリルエステル類、ビニルエステル類、スチレン系モノマーが好適に用いられる。 【0017】本発明において使用されるモノマー(B)のうちα−オレフィン類の具体例としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、および1−エイコセンなどのC2〜C20のα−オレフィン、また、シクロプロペン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロノネン、シクロデセン、ノルボルネンなどのC3〜C20の環状オレフィンまたはその誘導体をあげることができる。 【0018】また、ビニルエーテル類の具体例としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、sec−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、ペンチルビニルエーテル、β−クロロエチルビニルエーテル、イソアミルシクロヘキシルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、デシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、メチルシクロヘキシルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、フェネチルビニルエーテル、トルイルビニルエーテル等をあげることができ、1,1,1−トリフルオロエチルビニルエーテル、2,2−ジフルオロエチルビニルエーテル、テトラフルオロエチルビニルエーテル、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルビニルエーテル、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルビニルエーテル、2,2,3,3,4,4,5,5、6,6,7,7,8,8,9,9−ヘキサデカフルオロノニルビニルエーテルなどのフルオロアルキルビニルエーテル類をあげることができる。 【0019】また、一般式(2)CF2=CF(OR2)(式中、R2はパーフルオロアルキル基を表す。)で表されるパーフルオロアルキルビニルエーテルも使用でき、例えば、パーフルオロメチルビニルエーテル、パーフルオロエチルビニルエーテル、パーフルオロプロピルビニルエーテル、パーフルオロイソプロピルビニルエーテル、パーフルオロブチルビニルエーテル、パーフルオロイソブチルビニルエーテル、パーフルオロ−sec−ブチルビニルエーテル、パーフルオロ−t−ブチルビニルエーテル、パーフルオロペンチルビニルエーテル、パーフルオロヘキシルビニルエーテル、パーフルオロオクチルビニルエーテル、パーフルオロドデシルビニルエーテルなどをあげることができる。 【0020】また、ヒドロキシル基を有するビニルエーテル類として、ヒドロキシメチルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロビルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、5−ヒドロキシペンチルビニルエーテル、6−ヒドロキシヘキシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールモノビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールビニルエーテルなどがあげられる。 【0021】また、アリルエーテル類も使用でき、その例としてはメチルアリルエーテル、エチルアリルエーテル、プロピルアリルエーテル、ブチルアリルエーテル、ベンジルアリルエーテル、シクロヘキシルアリルエーテルなどがあげられる。ヒドロキシル基を有するアリルエーテル類としては、例えばエチレングリコールモノアリルエーテル、プロピレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノアリルエーテル、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル、ヒドロキシブチルアリルエーテルなどのアルキレングリコールモノアリルエーテル類、またはアリルアルコール、グリセリンモノアリルエーテルなどの多価アルコールのアリルエーテル類があげられる。 【0022】また、各種の官能基を有するモノマーも挙げられ、エポキシ基を有するビニルエーテル、アリルエーテル、β−ケトエステル基を含有するビニルエーテルまたはアリルエーテルとしてアセト酢酸アリルなどがあげられ、さらにトリメトキシビニルエーテルなどの加水分解性基を有する珪素を含んだビニルエーテルもあげることができる。 【0023】ビニルエステル類としては、一般式(3)CH2=CHOCOR3(式中、R3は水素原子、C1〜C20のアルキル基、C2〜C20のアルケニル基、C6〜C20のアリール基、C3〜C20のシクロアルキル基、C4〜C20のシクロジェニル基、又は5〜10員環であって少なくとも1個の窒素、酸素又は硫黄をヘテロ原子として含む複素環基、あるいはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素から選ばれた少なくとも1種以上のハロゲン原子を少なくとも1個以上有するC1〜C20のハロゲン化アルキル基、同C2〜C20のハロゲン化アルケニル基、同C6〜C20のハロゲン化アリール基、同C3〜C20のハロゲン化シクロアルキル基、同C4〜C20のハロゲン化シクロジェニル基、同5〜10員環であって少なくとも1個の窒素、酸素又は硫黄をヘテロ原子として含むハロゲン化複素環基を示す。シクロアルキル基、ハロゲン化シクロアルキル基としては、単環でも、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン等に由来する骨格のような多環でもよい。また、これらの基は任意にアルキル基、シクロアルキル基、アリール基もしくは複素環基またはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素から選ばれた少なくとも1種以上のハロゲン原子で少なくとも1個以上の水素原子が置換されたアルキル基、シクロアルキル基、アリール基または複素環基で置換していてもよい。)で表される化合物をあげることができる。 【0024】本発明に使用する官能基を有しないビニルエステル類としては、例えばギ酸ビニル、酢酸ビニル、トリフルオロ酢酸ビニル、クロロ酢酸ビニル、ジクロロ酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、クロトン酸ビニル、トリメチル酢酸ビニル、カプロン酸ビニルイソカプロン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプリル酸ビニル、ペラルゴン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ミリスチン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、オレイン酸ビニル、バーサチック9酸ビニル(ベオバ9(シェル化学(株)製)、バーサチック10酸ビニル(ベオバ10(シェル化学(株)製)、シクロヘキサン酸ビニル、安息香酸ビニル、p−トルイル酸ビニル、p−tert−ブチル安息香酸ビニルがあげられる。 【0025】また、ビニルエステル類としては官能基を有していてもよく、例えば、クロトン酸ヒドロキシエチル、クロトン酸ヒドロキシブチル、などのカルボン酸エステル、コハク酸モノビニル、アジピン酸モノビニル、セバシン酸モノビニル、シクロヘキサンジカルボン酸モノビニルなどのジカルボン酸モノビニルなどがあげられる。 【0026】本発明で用いられるアクリル酸またはメタクリル酸、またはいずれかのエステルの例としては、下記一般式(4)で表される化合物を用いることができる。 【0027】 【化3】
【0028】一般式(4)において、R4は水素原子、またはメチル基を表す。R5は水素原子、C1〜C20のアルキル基、C2〜C20のアルケニル基、C6〜C20のアリール基、C3〜C20のシクロアルキル基、C4〜C20のシクロジェニル基、又は5〜10員環であって少なくとも1個の窒素、酸素又は硫黄をヘテロ原子として含む複素環基、あるいはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素から選ばれた少なくとも1種以上のハロゲン原子を少なくとも1個以上有するC1〜C20のハロゲン化アルキル基、同C2〜C20のハロゲン化アルケニル基、同C6〜C20のハロゲン化アリール基、同C3〜C20のハロゲン化シクロアルキル基、同C4〜C20のハロゲン化シクロジェニル基、同5〜10員環であって少なくとも1個の窒素、酸素又は硫黄をヘテロ原子として含むハロゲン化複素環基を示す。シクロアルキル基、ハロゲン化シクロアルキル基としては、単環でも、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン等に由来する骨格のような多環でもよい。また、これらの基は任意にアルキル基、シクロアルキル基、アリール基もしくは複素環基またはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素から選ばれた少なくとも1種以上のハロゲン原子で少なくとも1個以上の水素原子が置換されたアルキル基、シクロアルキル基、アリール基または複素環基で置換していてもよい。 【0029】アクリル酸エステル類としては、具体的には、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸−tert−ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸エチルヘキシル、アクリル酸−n−オクチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸ノニル、アクリル酸トリデシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸イソボルニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−tert−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸エチルヘキシル、メタクリル酸−n−オクチル、メタクリル酸イソオクチル、メタクリル酸ノニル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸イソボルニルなどが挙げられる。 【0030】また、本発明で用いられるスチレン系モノマーの例としては、下記一般式(5)で表される化合物を用いることができる。 【0031】 【化4】
【0032】一般式(5)において、R6は水素原子、C1〜C20までのアルキル基、C2〜C20のアルケニル基、C6〜C20のアリール基、C3〜C20のシクロアルキル基、C4〜C20のシクロジェニル基、又は5〜10員環であって少なくとも1個の窒素、酸素又は硫黄をヘテロ原子として含む複素環基、あるいはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素から選ばれた少なくとも1種以上のハロゲン原子を少なくとも1個以上有するC1〜C20のハロゲン化アルキル基、同C2〜C20のハロゲン化アルケニル基、同C6〜C20のハロゲン化アリール基、同C3〜C20のハロゲン化シクロアルキル基、同C4〜C20のハロゲン化シクロジェニル基、同5〜10員環であって少なくとも1個の窒素、酸素又は硫黄をヘテロ原子として含むハロゲン化複素環基を示す。シクロアルキル基、ハロゲン化シクロアルキル基としては、単環でも、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン等に由来する骨格のような多環でもよい。また、これらの基は任意にアルキル基、シクロアルキル基、アリール基もしくは複素環基またはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素から選ばれた少なくとも1種以上のハロゲン原子で少なくとも1個以上の水素原子が置換されたアルキル基、シクロアルキル基、アリール基または複素環基で置換していてもよい。さらに、一般式(5)におけるR6の各基の水素原子またはハロゲン原子が−OR7基で置換された下記一般式(6)で表される化合物【0033】 【化5】
【0034】または−R9−OR7基で置換されたスチレン誘導体も使用できる。 【0035】ここで、R7は酸の作用で脱離する基を表す。例えば、メトキシエトキシメチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、シクロプロピルメチル基、ベンジル基、エトキシベンジル基、メチルチオベンジル基、ベンジルオキシメチル基、メチルチオメチル基、エチルチオメチル基、ベンジルチオメチル基、フェナシル基、メトキシフェナシル基、α−メチルフェナシル基、ブロモフェナシル基、メチルチオフェナシル基、プロペニル基、1−メトキシエチル基、1−メチルチオエチル基、1,1−ジメトキシエチル基、1−エトキシエチル基、1−エチルチオエチル基、1,1−ジエトキシエチル基、1−フェノキシエチル基、1−フェニルチオエチル基、1,1−ジフェノキシエチル基、1−ベンジルオキシエチル基、1−ベンジルチオエチル基、1−シクロプロピルエチル基、1−フェニルエチル基、1,1−ジフェニルエチル基、1−メトキシカルボニルエチル基、1−エトキシカルボニルエチル基、1−n−プロポキシカルボニルエチル基、1−イソプロポキシカルボニルエチル基、1−n−ブトキシカルボニルエチル基、1−t−ブトキシカルボニルエチル基、p−トルエンスルホニル基、イソプロピル基、s−ブチル基、スベロイル基、t−ブチル基、1,1−ジメチルブチル基、メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、n−プロポキシカルボニルメチル基、イソプロポキシカルボニルメチル基、n−ブトキシカルボニルメチル基、アセチル基、t−ブトキシカルボニルメチル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、ブチリル基、ヘプタノイル基、プロピオイル基、メタクリロイル基、ヘキサノイル基、バレリル基、イソバレリル基、ラウリロイル基、シクロペンチル基、シクロプロピル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、オキサリル基、スクシニル基、グルアリル基、アジポイル基、プロピオニル基、ピペロイル基、アゼラオイル基、セバコイル基、アクリロイル基、クロトノイル基、マロニル基、オレオイル基、マレオイル基、フマロイル基、メサコニル基、ベンゾイル基、フタロイル基、イソフタロイル基、テレフタロイル基、ナフトイル基、トルオイル基、ヒドロアトロポイル基、アトロポイル基、フォルイル基、テノイル基、ニコチノイル基、イソニコチノイル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、4−メトキシシクロヘキシル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチオピラニル基、テトラヒドロチオフラニル基、3−ブロモテトラヒドロピラニル基、4−メトキシテトラヒドロピラニル基、4−メトキシテトラヒドロチオピラニル基、メシル基、3−テトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド、モノメチルシリル基、ジメチルシリル基、トリメチルシリル基、モノエチルシリル基、ジエチルシリル基、エチルジメチルシリル基、メチルジエチルシリル基、トリエチルシリル基、モノイソプロピルシリル基、ジイソプロピルシリル基、イソプロピルジメチルシリル基、メチルジイソプロピルシリル基、トリイソプロピルシリル基、モノ−t−ブチルシリル基、ジ−t−ブチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、メチルジ−t−ブチルシリル基、トリ−t−ブチルシリル基、モノフェニルシリル基、ジフェニルシリル基、フェニルジメチルシリル基、メチルジフェニルシリル基、トリフェニルシリル基などがあげられる。 【0036】また、R9としては、C1〜C20までのアルキレン基、C2〜C20のアルケニレン基、C6〜C20のアリーレン基、C3〜C20のシクロアルキレン基、C4〜C20のシクロジェニレン基、又は5〜10員環であって少なくとも1個の窒素、酸素又は硫黄をヘテロ原子として含む二価の複素環基、あるいはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素から選ばれた少なくとも1種以上のハロゲン原子を少なくとも1個以上有するC1〜C20のハロゲン化アルキレン基、同C2〜C20のハロゲン化アルケニレン基、同C6〜C20のハロゲン化アリーレン基、同C3〜C20のハロゲン化シクロアルキレン基、同C4〜C20のハロゲン化シクロジェニレン基、同5〜10員環であって少なくとも1個の窒素、酸素又は硫黄をヘテロ原子として含む二価のハロゲン化複素環基を示す。また、これらの基は任意にアルキル基、シクロアルキル基、アリール基もしくは複素環基またはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素から選ばれた少なくとも1種以上のハロゲン原子で少なくとも1個以上の水素原子が置換されたアルキル基、シクロアルキル基、アリール基または複素環基で置換していてもよい。ハロゲンとしてはフッ素が特に好ましい。 【0037】R9としては特に限定されないが、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、i−プロピレン基、n−ブチレン基、i−ブチレン基、sec−ブチレン基、t−ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、ジフルオロメチレン基、テトラフルオロエチレン基、n−パーフルオロプロピレン基、ヘキサフルオロイソプロピリデン基、n−パーフルオロブチレン基、i−パーフルオロブチレン基、sec−パーフルオロブチレン基、t−パーフルオロブチレン基、パーフルオロペンチレン基、パーフルオロヘキシレン基、パーフルオロヘプチレン基などが例示できる。 【0038】一般式(5)におけるR6の各基の水素原子またはハロゲン原子が−OR7基で置換された一般式(6)で表されるヒドロキシスチレン誘導体または−R9−OR7基で置換されたスチレン誘導体は、感光性を有するので、本発明の含フッ素共重合体に感光性を付与することが可能である。この場合、好ましくは光による酸発生剤と混合して使用されることによって、良好なポジ型の感光性材料と成り得る。 【0039】一般式(5)におけるR6の各基の水素原子またはハロゲン原子が−R9−OR7基で置換されたスチレン誘導体としては、一般式(7) 【0040】 【化6】
【0041】(式中、R8は一般式(6)におけるR7と同じ。)で表されるものが好ましく、4−(2−ヒドロキシヘキサフルオロイソプロピル)スチレンの水酸基がR8で保護された誘導体が好ましい。 【0042】また、一般式(5)におけるR6の各基の水素原子またはハロゲン原子が−OH基で置換された一般式(6)で表されるヒドロキシスチレン誘導体または−R9−OH基で置換されたスチレン誘導体は、本発明の含フッ素共重合体をガラスやシリコン基板の上にのせて用いる場合に、基板との密着性を向上させることができる。具体的には、モノマー(B)としてヒドロキシスチレンまたは4−(2−ヒドロキシヘキサフルオロイソプロピル)スチレンが好適に用いられる。 【0043】本発明の含フッ素共重合体において、本発明において用いるエステル部位に少なくとも一つのフッ素原子を有するα‐トリフルオロメチルアクリル酸エステル(A)(モノマー(A))に基づく単位と、ビニルモノマー(B))に基づく単位のモル比は、特に限定されるものではない。使用目的に応じて共重合体の組成をモノマー(A)/ビニルモノマー(B)を99.9/0.1〜0.1/99.1のモル比に変化させることによって、精密な物性のコントロールが可能である。また、ほぼ1/1の組成比であるのも好ましい。 【0044】本発明の含フッ素共重合体の重合方法としては、特に限定されるものではないが、アニオン重合、ラジカル重合、イオン重合、配位重合など公知の方法によって得ることができる。その中で好ましくはラジカル重合またはアニオン重合が採用される。また、重合形態としてはバルク重合、溶液重合、けん濁重合、乳化重合など公知の形態により、回分式、半連続式または連続式のいずれかの操作でおこなえばよい。 【0045】重合反応の温度は重合方法や重合の形態、特には開始剤の種類によって適宜変更され、通常は20〜200℃が好ましく、特に50〜140℃が好ましい。 【0046】重合反応に用いる反応容器は特に限定されない。 【0047】また、重合反応においては、重合溶媒を用いてもよい。重合溶媒としては、重合を阻害しないものが好ましく、アセトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒、トルエン、キシレン、ベンゼンなどの芳香族系溶媒、シクロペンタン、シクロヘキサンなどの環状の炭化水素系溶媒、イソプロピルアルコール、t−ブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテルなどのアルコール系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸−n−ブチルなどのエステル系溶媒などがあげられる。また、メルカプタンのような分子量調整剤を併用してもよい。 【0048】ラジカル重合開始剤の例としては、特に限定されるものではないが、例としてアゾ系化合物、過酸化物系化合物、レドックス系化合物があげられ、特にアゾビスイソブチロニトリル、t−ブチルパーオキシピバレート、過酸化ベンゾイル等が好ましい。 【0049】乳化重合を行う際の乳化剤としては、アニオン乳化剤、またはノニオン乳化剤を用いることができる。アニオン乳化剤の例としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルサルフェート塩、ポリオキシエチレンアルキルフェノールサルフェート塩、スチレンスルホン酸塩、ビニルサルフェート塩またはこれらの誘導体などがあげられる。これらの塩としては、アルカリ金属水酸化物による塩、アンモニア、またはトリエチルアミンなどの揮発性塩基による塩などをあげることができる。また、ノニオン乳化剤の例としては、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン高級脂肪酸エステル、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイドブロック共重合体、フルオロアルキルカルボン酸塩、フルオロアルキル硫酸塩などがあげられる。また、ラジカル重合開始剤は一般的な乳化重合に用いられているものであれば特に限定されないが、これらのうち水溶性開始剤が特に好ましく適用できる。 【0050】水溶性開始剤の例としては、例えば、過酸化水素などの過酸化物や、クメンハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジコハク酸パーオキシド、ジグルタル酸パーオキシドなどの有機系過酸化物、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウムなどの過硫酸塩、アゾビスイソブチルアミジンの塩酸塩、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシアノ吉草酸などのアゾ系開始剤、あるいは以上のような開始剤と亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ナトリウムビサルファイト、ナトリウムメタビサルファイト、ナトリウムビチオサルフェート、スルホキシル酸ホルムアルデヒドナトリウム、還元糖などの還元剤との組合せからなるレドックス開始剤、さらにこれらの組合せに金属として少量の鉄、第一鉄塩、硫酸銀、硫酸銅などを共存させた開始剤系などを使用することができる。これらのラジカル重合開始剤の添加方法は重合開始時の一括添加でも、反応途中の分割添加でもよい。溶液中でラジカル重合を行う場合の溶媒としては、使用するモノマーの溶解性と生成するポリマーの溶解性を考慮して選択することが可能であり、特に限定されるものではなく、一般的な公知の重合溶媒が任意に使用できるが、たとえば、トルエン、キシレン、酢酸ブチルなどをあげることができる。 【0051】また、アニオン重合も採用でき、その重合形態としてはバルク重合、および溶液重合が可能である。アニオン重合の開始剤としては、一般的に使用されているものが使用でき、特に限定されるものではないが、n−ブチルリチウム、t−ブチルリチウムなど市販されている有機リチウム化合物、またはジフェニルヘキシルリチウムなどの安定性の高いリチウム化合物を用いることが可能である。また、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、ナトリウムイソプロポキシド、カリウムイソプロポキシド、ナトリウム−t−ブトキシド、カリウム−t−ブトキシド等の金属あるアルコキシド類が好適に用いられる。また、ビリジン、ピコリン、ルチジン、ピペリジンなどの含窒素複素環状化合物、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミンなどのアミン類も好適に用いられる。 【0052】このようにして得られる本発明の含フッ素共重合体の溶液または分散液から、媒質である有機溶媒または水を除去する方法としては、公知の方法のいずれも利用できるが、例をあげれば再沈殿した後に濾過、または減圧下での加熱留出等の方法を採用できる。 【0053】本発明の含フッ素共重合体の数平均分子量としては、通常1,000〜1,000,000、好ましくは10,000〜500,000の範囲が適切である。分子量が1,000よりも小さい場合には高分子化合物としての強度が低くなり、分子量が1,000,000を越える場合には溶剤溶解性が不充分となる。 【0054】 【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。ヘキサフルオロイソプロピル−α−トリフルオロメチルアクリレート(HFIPTFMA)およびトリフルオロエチル−α−トリフルオロメチルアクリレート(TFETFMA)は特開昭60−42352号公報に記載の方法で調製した、それぞれ下式で表される化合物である。 【0055】 【化7】
【0056】 【化8】
【0057】4−(2−ヒドロキシヘキサフルオロイソプロピル)スチレン(HyHxFSt) 【0058】 【化9】
【0059】は、4−クロロ−スチレンとヘキサフルオロアセトンから文献(J.Macromol.Sci.−Chem.,A21(1984)、118−1216)にしたがって調製した。 【0060】エトキシメチル化ヒドロキシスチレン(EMヒドロキシスチレン) 【0061】 【化10】
【0062】エトキシメチル化4−(2−ヒドロキシヘキサフルオロイソプロピル)スチレン(EMHyHxFSt) 【0063】 【化11】
【0064】は、公知のアルコキシアルキルエーテルの合成方法(例えば、J.Am.Chem.Soc.,94,7827(1972))にしたがって調製した。 【0065】[実施例1](HFIPTFMA/イソブチルビニルエーテルの例)) 攪拌機を備えたガラス製反応器にヘキサフルオロイソプロピル−α−トリフルオロメチルアクリレート(HFIPTFMA)10.0g、イソブチルビニルエーテル(IBVE)3.5g、t−ブチルパーオキシピバレート0.12g、トルエン20mlを仕込み、反応器内を窒素で置換した。反応器を徐々に昇温し、60℃で16時間攪拌しながら反応した。反応終了後、反応溶液をn−ヘキサン500ml中に投入して沈殿して樹脂を析出させ、これをろ過して樹脂を取り出した。70℃で真空乾燥することによって、白色固体の重合体を得た。収量8.5g(収率63%)。得られた樹脂の一部はテトラヒドロフランに溶解し、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(G.P.C.)によって、ポリスチレンを標準物質とした分子量を測定した。この結果、分子量およびその分布は、数平均分子量(Mn)=132,000、重量平均分子量(Mw)=229,000、分子量分散(Mw/Mn)=1.7であった。また、核磁気共鳴(NMR)スペクトルの測定からもとめた共重合体の組成は約1/1であった。反応条件等を表1に示す。溶媒に対する溶解性は、アセトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、テトラヒドロフランに可溶であって、n−ヘキサンには不溶であった。 【0066】 【表1】
【0067】[実施例2](HFIPTFMA/ヒドロキシブチルアリルエーテルの例) 攪拌機を備えたガラス製反応器にヘキサフルオロイソプロピル−α−トリフルオロメチルアクリレート(HFIPTFMA)10.0g、ヒドロキシブチルアリルエーテル(HBAE)4.5g、t−ブチルパーオキシピバレート0.12g、トルエン20mlを仕込み、反応器内を窒素で置換した。反応器を徐々に昇温し、60℃で18時間攪拌しながら反応した。反応終了後、反応溶液をn−ヘキサン500ml中に投入して沈殿して樹脂を析出させ、これをろ過して樹脂を取り出した。70℃で真空乾燥することによって、白色固体の重合体を得た。収量7.5g(52%)。得られた樹脂の一部はテトラヒドロフランに溶解し、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(G.P.C.)によって、ポリスチレンを標準物質とした分子量を測定した。この結果、分子量およびその分布は、Mn=80,000、Mw=124,000、Mw/Mn=で1.6あった。また、核磁気共鳴(NMR)スペクトルの測定からもとめた共重合体の組成は約1/1であった。溶媒に対する溶解性は、アセトン、MIBK、テトラヒドロフランに可溶であって、n−ヘキサンには不溶であった。 【0068】[実施例3](TFETFMA/酢酸アリルの例) 攪拌機を備えたガラス製反応器にトリフルオロエチル−α−トリフルオロメチルアクリレート(TFETFMA)10.3g、酢酸アリル4.7g、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.038g、酢酸−n−ブチル15mlを仕込み、反応器内を窒素で置換した。反応器を徐々に昇温し、60℃で18時間攪拌しながら反応した。反応終了後、反応溶液をn−ヘキサン500ml中に投入して沈殿して樹脂を析出させ、これをろ過して樹脂を取り出した。70℃で真空乾燥することによって、白色固体の重合体を得た。収量11.8g(79%)。得られた樹脂の一部はテトラヒドロフランに溶解し、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(G.P.C.)によって、ポリスチレンを標準物質とした分子量を測定した。この結果、分子量およびその分布は、Mn=24,000、Mw=41,000、Mw/Mn=で1.7あった。また、核磁気共鳴(NMR)スペクトルの測定からもとめた共重合体の組成は約1/1であった。溶媒に対する溶解性は、アセトン、MIBK、テトラヒドロフランに可溶であって、n−ヘキサンには不溶であった。 【0069】[実施例4](HFIPTFMA/酢酸ビニルの例) 攪拌機を備えたガラス製反応器にヘキサフルオロイソプロピル−α−トリフルオロメチルアクリレート(HFIPTFMA)10.0g、酢酸ビニル(VAc)3.0g、t−ブチルパーオキシピバレート0.12g、トルエン20mlを仕込み、反応器内を窒素で置換した。反応器を徐々に昇温し、60℃で16時間攪拌しながら反応した。反応終了後、反応溶液をn−ヘキサン500ml中に投入して沈殿して樹脂を析出させ、これをろ過して樹脂を取り出した。70℃で真空乾燥することによって、白色固体の重合体を得た。収量11.4g(88%)。得られた樹脂の一部はテトラヒドロフランに溶解し、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(G.P.C.)によって、ポリスチレンを標準物質とした分子量を測定した。この結果、分子量およびその分布は、Mn=31,000、Mw=48,000、Mw/Mn=1.5であった。また、核磁気共鳴(NMR)スペクトルの測定からもとめた共重合体の組成は約1/1であった。溶媒に対する溶解性は、アセトン、MIBK、テトラヒドロフランに可溶であって、n−ヘキサンには不溶であった。 【0070】[実施例5](TFETFMA/スチレンの例) 攪拌機を備えたガラス製反応器にTFETFMA10.3g、スチレン4.8g、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.076g、トルエン20mlを仕込み、反応器内を窒素で置換した。反応器を徐々に昇温し、65℃で5時間攪拌しながら反応した。反応終了後、反応溶液をn−ヘキサン500ml中に投入して沈殿して樹脂を析出させ、これをろ過して樹脂を取り出した。70℃で真空乾燥することによって、白色固体の重合体を得た。収量7.5g(50%)。得られた樹脂の一部はテトラヒドロフランに溶解し、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(G.P.C.)によって、ポリスチレンを標準物質とした分子量を測定した。この結果、分子量およびその分布は、Mn=78,000、Mw=103,000、Mw/Mn=で1.3あった。また、核磁気共鳴(NMR)スペクトルの測定からもとめた共重合体の組成は約1/1であった。溶媒に対する溶解性は、アセトン、MIBK、テトラヒドロフランに可溶であって、n−ヘキサンには不溶であった。 【0071】[実施例6](TFETFMA/ヒドロキシスチレンの例) 攪拌機を備えたガラス製反応器にTFETFMA10.3g、ヒドロキシスチレン5.5g、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.076g、トルエン20mlを仕込み、反応器内を窒素で置換した。反応器を徐々に昇温し、65℃で15時間攪拌しながら反応した。反応終了後、反応溶液をn−ヘキサン500ml中に投入して沈殿して樹脂を析出させ、これをろ過して樹脂を取り出した。70℃で真空乾燥することによって、白色固体の重合体を得た。収量8.2g(52%)。得られた樹脂の一部はテトラヒドロフランに溶解し、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(G.P.C.)によって、ポリスチレンを標準物質とした分子量を測定した。この結果、分子量およびその分布は、Mn=90,000、Mw=144,000、Mw/Mn=で1.6あった。また、核磁気共鳴(NMR)スペクトルの測定からもとめた共重合体の組成は約1/1であった。溶媒に対する溶解性は、アセトン、MIBK、テトラヒドロフランに可溶であって、n−ヘキサンには不溶であった。 【0072】[実施例7](TFETFMA/HyHxFStの例) 攪拌機を備えたガラス製反応器にTFETFMA6.8g、4−(2−ヒドロキシヘキサフルオロイソプロピル)スチレン(HyHxFSt)8.3g、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.025g、酢酸−n−ブチル15mlを仕込み、反応器内を窒素で置換した。反応器を徐々に昇温し、65℃で20時間攪拌しながら反応した。反応終了後、反応溶液をn−ヘキサン500ml中に投入して沈殿して樹脂を析出させ、これをろ過して樹脂を取り出した。70℃で真空乾燥することによって、白色固体の重合体を得た。収量13.3g(88%)。得られた樹脂の一部はテトラヒドロフランに溶解し、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(G.P.C.)によって、ポリスチレンを標準物質とした分子量を測定した。この結果、分子量およびその分布は、Mn=149,000、Mw=203,000、Mw/Mn=1.4であった。また、核磁気共鳴(NMR)スペクトルの測定からもとめた共重合体の組成は約1/1であった。溶媒に対する溶解性は、アセトン、MIBK、テトラヒドロフランに可溶であって、n−ヘキサンには不溶であった。 【0073】[実施例8]((TFETFMA/EMヒドロキシスチレンの例)) 攪拌機を備えたガラス製反応器にTFETFMA6.8g、エトキシメチル化ヒドロキシスチレン(EMヒドロキシスチレン)5.5g、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.025g、酢酸−n−ブチル15mlを仕込み、反応器内を窒素で置換した。反応器を徐々に昇温し、65℃で18時間攪拌しながら反応した。反応終了後、反応溶液をn−ヘキサン500ml中に投入して沈殿して樹脂を析出させ、これをろ過して樹脂を取り出した。70℃で真空乾燥することによって、白色固体の重合体を得た。収量10.6g(86%)。得られた樹脂の一部はテトラヒドロフランに溶解し、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(G.P.C.)によって、ポリスチレンを標準物質とした分子量を測定した。この結果、分子量およびその分布は、Mn=101,000、Mw=143,000、Mw/Mn=1.4であった。また、核磁気共鳴(NMR)スペクトルの測定からもとめた共重合体の組成は約1/1であった。溶媒に対する溶解性は、アセトン、MIBK、テトラヒドロフランに可溶であって、n−ヘキサンには不溶であった。 【0074】[実施例9](HFIPTFMA/EMHyHxFStの例) 攪拌機を備えたガラス製反応器にHFIPTFMA7.8g、エトキシメチル化4−(2−ヒドロキシヘキサフルオロイソプロピル)スチレン(EMHyHxFSt)8.8g、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.022g、酢酸−n−ブチル15mlを仕込み、反応器内を窒素で置換した。反応器を徐々に昇温し、65℃で20時間攪拌しながら反応した。反応終了後、反応溶液をn−ヘキサン500ml中に投入して沈殿して樹脂を析出させ、これをろ過して樹脂を取り出した。70℃で真空乾燥することによって、白色固体の重合体を得た。収量11.1g(67%)。得られた樹脂の一部はテトラヒドロフランに溶解し、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(G.P.C.)によって、ポリスチレンを標準物質とした分子量を測定した。この結果、分子量およびその分布は、Mn=132,000、Mw=175,000、Mw/Mn=1.3であった。また、核磁気共鳴(NMR)スペクトルの測定からもとめた共重合体の組成は約1/1であった。溶媒に対する溶解性は、アセトン、MIBK、テトラヒドロフランに可溶であって、n−ヘキサンには不溶であった。 【0075】[実施例10](HFIPTFMA/TFEMAの例) 攪拌機を備えたガラス製反応器にHFIPTFMA10.0g、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート(TFEMA)5.8g、t−ブチルパーオキシピバレート0.12gを仕込み、反応器内を窒素で置換した。反応器を徐々に昇温し、60℃で64時間攪拌しながら反応した。反応終了後、テトラヒドロフランを20ml加えて一旦樹脂を溶解した後、n−ヘキサン500ml中に投入して沈殿して樹脂を析出させ、これをろ過して樹脂を取り出した。70℃で真空乾燥することによって、白色固体の重合体を得た。収量7.1g(45%)。得られた樹脂の一部はテトラヒドロフランに溶解し、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(G.P.C.)によって、ポリスチレンを標準物質とした分子量を測定した。この結果、分子量およびその分布は、Mn=78,000、Mw=105,000、Mw/Mn=1.34であった。また、核磁気共鳴(NMR)スペクトルの測定からもとめた共重合体の組成はHFIPTFMA/TFEMA=約2/8であった。溶媒に対する溶解性は、アセトン、MIBK、テトラヒドロフランに可溶であって、n−ヘキサンには不溶であった。 【0076】 【発明の効果】本発明の含フッ素共重合体は、光の散乱や吸収が少なく、溶媒への溶解性に優れ且つ熱加工性を有するため、溶液からの塗布、流延、紡糸などの方法や溶融による被覆、注型、紡糸などの方法で成形できるためプラスチック光ファイバーや光導波路用の材料として透明性の高い高分子化合物を提供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002200 【氏名又は名称】セントラル硝子株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年12月28日(2000.12.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100108671 【弁理士】 【氏名又は名称】西 義之
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| 【公開番号】 |
特開2002−201231(P2002−201231A) |
| 【公開日】 |
平成14年7月19日(2002.7.19) |
| 【出願番号】 |
特願2000−402897(P2000−402897) |
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