| 【発明の名称】 |
エポキシ樹脂改質剤及びエポキシ樹脂組成物並びにこれを用いた回路基板及びIC封止材 |
| 【発明者】 |
【氏名】渡辺 篤史
【氏名】住本 典史
【氏名】元重 良一
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| 【要約】 |
【課題】低粘度、溶解分散性に優れるエポキシ樹脂改質剤及びその硬化物の機械強度に優れたエポキシ樹脂組成物並びにこれを用いた回路基板及びIC封止材を提供する。
【解決手段】本改質剤は、ゴム質重合体(a1)30〜80重量%の存在下にビニル系化合物の群から選ばれる単量体化合物(a2)20〜70重量%をグラフト重合して得られるグラフト重合体を含有する。このグラフト重合体20重量%をメチルエチルケトン80重量%に添加したときの動的光散乱法による平均粒子径は50nm以上600nm以下であり、且つその溶液粘度が500mPa・s以下である。また、本エポキシ樹脂組成物は本改質剤に含まれるグラフト重合体1〜100部とエポキシ樹脂100部を含有してなる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ゴム質重合体(a1)30〜80重量%の存在下に、ビニル系化合物の群から選ばれる少なくとも一種の単量体化合物(a2)20〜70重量%[但し、(a1)+(a2)=100重量%]をグラフト重合して得られ、下記の特性を有するグラフト重合体を含有することを特徴とするエポキシ樹脂改質剤。 特性;上記グラフト重合体20重量%をメチルエチルケトン80重量%に添加したときの動的光散乱法による平均粒子径が50nm以上600nm以下であり、且つその溶液粘度が500mPa・s以下である。 【請求項2】 上記グラフト重合体と有機溶剤とを含有し、上記グラフト重合体が該有機溶剤に分散されている請求項1記載のエポキシ樹脂改質剤。 【請求項3】 (B)エポキシ樹脂100重量部と、上記の請求項1又は2に記載の(A)エポキシ樹脂改質剤に含まれるグラフト重合体1〜100重量部とを含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物。 【請求項4】 請求項3記載のエポキシ樹脂組成物を用いて形成された絶縁層又は絶縁部を備えることを特徴とする回路基板。 【請求項5】 請求項3記載のエポキシ樹脂組成物を用いて形成された封止層又は封止部を備えることを特徴とするIC封止材。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、エポキシ樹脂改質剤及びエポキシ樹脂組成物並びにこれを用いて形成される回路基板及びIC封止材に関し、更に詳しくは、溶解分散性に優れるエポキシ樹脂改質剤及びその硬化物が低応力化(低弾性率化)、破壊靱性に優れるエポキシ樹脂組成物、並びにこれを用いて形成される回路基板及びIC封止材に関する。 【0002】 【従来の技術】従来から、エポキシ樹脂の硬化物は優れた物理的、化学的特性を有していることが知られている。例えば、耐熱性、耐蝕性、電気特性、耐薬品性に優れていることから、接着剤、塗料、封止材、シーリング材、積層板等幅広い分野で使用されている。しかしながら、エポキシ樹脂の硬化物は、これらの優れた特性を有している反面、脆いという弱点を持っている。この脆さを補い、耐衝撃性が強く、可撓性を有する製品を得ることが、エポキシ樹脂工業界において強く要望されている。この問題を解決するため、特公昭55−33732号公報、特公昭57−30133号公報等に見られるように、エポキシ樹脂や硬化剤との反応が期待できるカルボキシル基等の各種官能基を導入した変性アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(変性NBR)がエポキシ樹脂改質剤として利用されている。また、用途によっては、官能基変性したシリコーンオイルの使用も同様に行われている。しかし、これら改質剤として使用されるポリマーは、全て未架橋のポリマーであるため、硬化剤の種類や硬化条件により、エポキシ樹脂組成物中に分散させたポリマーの粒子径やその組成物中の分布が変化し、エポキシ樹脂中のポリマーの分散状態が異なるため、エポキシ樹脂の硬化物の特性が変化してしまうという欠点がある。更に近年では、多層プリント配線板用層間絶縁接着剤等では、薄く塗布する場合があり、溶剤を使用することがある。この場合、改質剤も溶剤に分散することが要求される。しかしながら、溶剤に分散するポリマーは、未架橋ポリマーであり、上記理由により硬化物の特性が変化し、安定した物性を発現しないという問題があった。【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題を背景になされたもので、上記問題点を解決し、溶解分散性に優れるエポキシ樹脂改質剤及びその硬化物が低応力化(低弾性率化)、破壊靱性に優れるエポキシ樹脂組成物、並びにこれを用いて形成される回路基板及びIC封止材を提供することを目的とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、エポキシ樹脂組成と機械強度との関係について鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。即ち、請求項1記載の発明であるエポキシ樹脂改質剤は、ゴム質重合体(a1)30〜80重量%の存在下に、ビニル系化合物の群から選ばれる少なくとも一種の単量体化合物(a2)20〜70重量%[但し、(a1)+(a2)=100重量%]をグラフト重合して得られ、下記の特性を有するグラフト重合体を含有することを特徴とする。特性;上記グラフト重合体20重量%をメチルエチルケトン80重量%に添加したときの動的光散乱法による平均粒子径が50nm以上600nm以下であり、且つその溶液粘度が500mPa・s以下である。 【0005】上記エポキシ樹脂改質剤は、請求項2に示すように、グラフト重合体と有機溶剤とを含有し、このグラフト重合体が有機溶剤に分散されているものとすることができる。使用可能な有機溶剤としては特に限定されないが、レジスト用溶剤が好ましく用いられ、例えば、キシレン、トルエン、ブタノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、N,N−ジメチルホルムアミド、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、シクロヘキサノン等が挙げられる。これらのうち、 N,N−ジメチルホルムアミド、メチルエチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートが好ましく用いられる。 【0006】本発明のエポキシ樹脂改質剤は、上記グラフト重合体のみをエポキシ樹脂改質剤としても、又は上記グラフト重合体に公知の安定剤、可塑剤、難燃剤、難燃助剤、酸化防止剤、帯電防止剤等を配合したものをエポキシ樹脂改質剤としてもいずれでもよい。また、固体状態でも、あるいは上記のように有機溶媒を用いてこれらを分散した液体状態でも、いずれの場合でも用いることが可能である。 【0007】請求項3記載の発明であるエポキシ樹脂組成物は、(B)エポキシ樹脂100重量部と、請求項1又は2に記載の(A)エポキシ樹脂改質剤に含まれるグラフト重合体1〜100重量部とを含有することを特徴とする。 【0008】上記エポキシ樹脂改質剤に係わるゴム質重合体(a1)は、ゴム質を示す重合体であれば特に限定されないが、ポリブタジエン、ポリブタジエンの水素添加物、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、エチレン−プロピレン(非共役ジエン)系共重合体、エチレン−ブテン−1−(非共役ジエン)共重合体、イソブチレン−イソプレン共重合体、アクリルゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、SEBS等の水素添加ジエン系(ブロック、ランダム、又はホモ)(共)重合体、ポリウレタンゴム及びシリコーンゴム等が挙げられる。上記スチレン−ブタジエン共重合体としては、スチレン−ブタジエンランダム共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体の水素添加物等が挙げられる。これらのうち好ましいゴム質重合体は、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体である。本発明のゴム質重合体は、一種単独で使用することも、あるいは二種以上を組み合わせて使用することもできる。 【0009】上記ゴム質重合体の存在下、重合に用いられる「ビニル系単量体化合物」としては、(1)スチレン、t−ブチルスチレン、オクチルスチレン、α−メチルスチレン、メチル−α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、エチルスチレン、α−エチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルキシレン、ビニルピリジン、ジメチルスチレン、1,1−ジフェニルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノメチルスチレン、ジビニルベンゼン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、トリクロロスチレン、モノブロモスチレン、ジブロモスチレン、トリブロモスチレン、フルオロスチレン、ビニルナフタレン、スチレンスルホン酸ナトリウム等の芳香族ビニル単量体、(2)アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル単量体、(3)メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ドデシルアクリレート、オクタデシルアクリレート、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレート、グリシジルアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、オクタデシルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、アリルメタクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル単量体等が挙げられる。これらのうち、好ましい単量体化合物は、スチレン、ジビニルベンゼン、メチルメタクリレートである。これらは、一種単独で使用することも、あるいは二種以上を混合して用いることもできる。 【0010】上記単量体化合物以外に、更に必要に応じて重合可能な単量体化合物、例えば、不飽和酸無水物、不飽和酸、アミノ基含有不飽和化合物、不飽和ジカルボン酸のイミド化合物等を使用することができる。不飽和酸無水物としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等が挙げられる。不飽和酸としては、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。アミノ基含有不飽和化合物としては、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート等が挙げられる。不飽和ジカルボン酸のイミド化合物としては、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−(2−メチルフェニル)マレイミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)マレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等が挙げられる。これらは、一種単独で使用することも、あるいは二種以上を混合して用いることもできる。 【0011】上記グラフト重合体の製造において、ゴム質重合体(a1)の存在下、単量体化合物(a2)をグラフト重合する際の仕込み組成は、成分(a1)が30〜80重量%(より好ましくは40〜75重量%、更に好ましくは45〜70重量%)、成分(a2)が20〜70重量%(より好ましくは25〜60重量%、更に好ましくは30〜55重量%)[但し、(a)+(b)=100重量%]である。成分(a1)が30重量%未満であれば、破壊靱性係数が小さくなり、また、80重量%を越えると、エポキシ樹脂分散時の粘度が高くなり、取り扱いが難しくなり、いずれも好ましくない。グラフト重合体のグラフト率は、好ましくは25〜200重量%、更に好ましくは30〜150重量%である。グラフト率の測定方法は、実施例に示す。 【0012】上記グラフト重合体20重量%をメチルエチルケトン80重量%に添加したときの動的光散乱法による平均粒子径は、50nm以上600nm以下であり、より好ましくは、50nm以上500nm以下、更に好ましくは100nm以上500nm以下である。50nm未満であれば、エポキシ樹脂組成物の粘度が高くなり、600nmを越えると、エポキシ樹脂中で凝集が起こり、諸物性の改良効果が発現しない。 【0013】また、上記グラフト重合体20重量%をメチルエチルケトン80重量%に添加したときの溶液粘度は500mPa・s以下であることが好ましく、500mPa・sを越えると、エポキシ樹脂への分散性が劣り、諸物性の改良効果が発現しない。 【0014】上記グラフト重合体を得る方法の例としては乳化重合、懸濁重合、溶液重合、塊状重合が挙げられるが、乳化重合、溶液重合が好ましく用いられる。尚、上記グラフト重合体を製造する際には、ゴム質重合体(a1)及びビニル系単量体化合物(a2)は、ゴム質重合体全量の存在下に、ビニル系単量体化合物を一括添加して重合してもよく、分割もしくは連続添加して重合してもよい。更に、ゴム質重合体の全量又は一部を重合途中で添加して重合してもよい。 【0015】乳化重合で製造する際には、重合開始剤、連鎖移動剤(分子量調節剤)、乳化剤、水等が用いられる。重合開始剤の例としては、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド等の有機ハイドロパーオキサイド類と、含糖ピロリン酸処方、スルホキシレート処方等の還元剤との組み合わせによるレドックス系、あるいは過硫酸カリウム等の過硫酸塩、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、ベンゾイルパーオキサイド(BPO)、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシラウレイト、t−ブチルパーオキシモノカーボネート等の過酸化物が挙げられる。上記重合開始剤は、一括又は連続的に添加することができる。更に、重合開始剤の使用量は、ビニル系単量体化合物全量に対して通常0.1〜3.0重量%、好ましくは0.1〜1.5重量%である。 【0016】連鎖移動剤の例としては、n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ヘキサデシルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、t−テトラデシルメルカプタン等のメルカプタン類、テトラエチルチウラムスルフィド、四塩化炭素、臭化エチレン、ペンタフェニルエタン等の炭化水素類、テルペン類、またはアクロレイン、メタクロレイン、アリルアルコール、2−エチルヘキシルチオグリコール、α−メチルスチレンのダイマー等が挙げられる。これらの連鎖移動剤は、一種単独で使用することも、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。連鎖移動剤の添加方法としては、一括添加、分割添加、又は連続添加、あるいはこれらを組み合わせた方法が挙げられる。連鎖移動剤の使用量は、ビニル系単量体化合物全量に対して0.05〜2.0重量%である。 【0017】乳化重合の場合に使用する乳化剤は、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、及び両性界面活性剤等が使用できる。このうち、アニオン性界面活性剤としては、例えば、高級アルコールの硫酸エステル、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム等の脂肪族スルホン酸塩、高級脂肪族カルボン酸塩、リン酸塩等が挙げられる。ノニオン性界面活性剤としては、通常のポリエチレングリコールのアルキルエステル型、アルキルエーテル型、アルキルフェニルエーテル型等が用いられる。更に両性界面活性剤としては、アニオン部分としてカルボン酸塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、リン酸エステル塩を、カチオン部分としてアミン塩、第4級アンモニウム塩等を有するものが挙げられる。これらの乳化剤は、一種単独で使用することも、あるいは二種以上を混合して用いることもできる。乳化剤の添加方法としては、一括添加、分割添加、又は連続添加、あるいはこれらを組み合わせた方法が挙げられる。尚、乳化剤の使用量は、ビニル系単量体化合物全量に対して0.3〜5.0重量%程度である。上記乳化重合に際して、好ましい重合温度は10〜95℃であり、より好ましくは30〜95℃である。 【0018】上記グラフト重合体を乳化重合により製造する場合、通常、凝固剤により凝固して得られた粉末を水洗後、乾燥し、粉体とすることによって精製される。この凝固剤としては、硫酸、酢酸、塩酸等の酸や、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム等の無機塩を使用することができるが、硫酸、硫酸マグネシウム、塩化カルシウムが好ましく用いられる。また、凝固せずに、スプレードライヤーによる噴霧乾燥を行ってもよい。更に噴霧凝固方法であるアトマイザー凝固を行ってもよい。 【0019】本発明のエポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂改質剤の配合量は、エポキシ樹脂100重量部に対して、固形分換算で1〜100重量部であり、好ましくは、1〜80重量部、更に好ましくは、1〜50重量部である。1重量部未満では、エポキシ樹脂の低応力化の改良効果が発現せず、100重量部を越えると、エポキシ樹脂分散時の粘度が高くなり、いずれも好ましくない。 【0020】本発明のエポキシ樹脂組成物として配合する上記「(B)エポキシ樹脂」としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、環状脂肪族型エポキシ樹脂、長鎖脂肪族型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、イソシアネート系エポキシ樹脂、ダイマー酸変性エポキシ樹脂、NBR変性エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂等が挙げられる。また、硬化物を得る場合には、使用目的により硬化剤と硬化促進剤を適用することができる。 【0021】本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じて、公知の安定剤、可塑剤、難燃剤、難燃助剤、酸化防止剤、軟化剤、無機又は有機の各種充填剤、補強剤、架橋剤、帯電防止剤、着色剤、カップリング剤、粘度調整剤、耐候剤、滑剤、シリコーンオイル等の添加剤を配合することができる。 【0022】上記エポキシ樹脂組成物の硬化物を得る場合、硬化剤としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、イソホロンジアミン、エチレンジアミン、m−フェニレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、ピペリジン、N,N′−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザジシクロ(2,2,2)オクタン、ピリジン、ピコリン、ベンジルジメチルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、DBU(1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセン)、ジメチルベンジルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、ジメチルヘキシルアミン、ジメチルアミノメチルフェノール、ジメチルアミノp−クレゾール、テトラエチレンペンタミン、N−アミノエチルピペラジン、トリスジメチルアミノメチルフェノール、ジシアンジアミド、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、2−n−ヘプタデシルイミダゾール、メラミン、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、ドデセニル無水コハク酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水クロレンディック酸、トリフッ化ホウ素−モノエチルアミン等が挙げられる。これらは、一種単独で使用することも、あるいは二種以上を混合して用いることもできる。 【0023】硬化剤の使用量は、目的に応じて異なり、エポキシ樹脂100重量部に対して1〜200重量部、好ましくは1〜180重量部の範囲で使用される。また、硬化促進剤としては第3級アミンが一般的であり、その他には、2−エチル−4−メチルイミダゾール、DBU、第4級ホスホニウム塩、アミンイミド類、トリフェニルホスフィン等が挙げられる。硬化促進剤の使用量はエポキシ樹脂100重量部に対して0.1〜20重量部、好ましくは0.1〜10重量部の範囲で使用される。 【0024】本発明のエポキシ樹脂組成物を硬化させる方法としては、下記に示す方法■〜■等が挙げられ、用途に応じて適宜選択が可能である。また、硬化温度は、常温〜200℃まで幅広く、使用する硬化剤の種類によって大きく異なる。 ■(B)エポキシ樹脂に直接(A)エポキシ樹脂改質剤を添加し、溶解分散させた後、硬化剤、硬化促進剤、他の添加剤を添加し、所定の温度で硬化させる方法。 ■(A)エポキシ樹脂改質剤を有機溶剤〔キシレン、トルエン、ブタノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、セルソルブ系(メチル、エチルまたはブチルのモノあるいはジエーテル)、N,N−ジメチルホルムアミド、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、シクロヘキサノン、その他レジスト用溶剤〕に溶解分散させた後、(A)エポキシ樹脂に添加し、溶剤を留去し、硬化剤、硬化促進剤、その他の添加剤を添加し、所定の温度で加熱し硬化させる方法。 ■前記■の方法で、溶剤を留去せず、そのまま硬化させる方法。 【0025】上記(B)エポキシ樹脂、(A)エポキシ樹脂改質剤及び硬化剤その他の混合方法は、通常の加工機、例えば、ディスパー、ニーダー、プラネタリーミキサー、パドリミキサー、インターミキサー、ホモミキサー、バンバリーミキサー、各種押出機等を用いて行うことができる。本発明のエポキシ樹脂組成物は、圧縮成形、積層成形、トランスファー成形、注型成形、プレス成形等の成形方法によって、成形することができる。 【0026】請求項4記載の発明である回路基板は上記エポキシ樹脂組成物を用いて形成された絶縁層又は絶縁部を備えることを特徴とする。また、請求項5記載の発明であるIC封止材は上記エポキシ樹脂組成物を用いて形成された封止層又は封止部を備えることを特徴とする。 【0027】 【発明の実施の形態】以下に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、実施例及び比較例において、部及び%は特に断らない限り重量基準である。 【0028】1.評価方法本実施例において用いられる評価方法は以下の通りである。 (1)エポキシ樹脂改質剤の平均粒子径の測定平均粒子径は、光散乱法で測定した。測定は、(A)エポキシ樹脂改質剤としてのグラフト重合体20重量%をメチルエチルケトン80重量%に添加した後、10分間振とうし、大塚電子(株)製、レーザー粒径解析システムLPA−3100型により行い、70回積算でキュムラント法を用いて測定した。 【0029】(2)粘度(A)エポキシ樹脂改質剤としてのグラフト重合体20重量%をメチルエチルケトン80重量%に添加し、溶液状態でBM型粘度計を用いて測定した。測定温度は、25℃で行った。 (B)エポキシ樹脂100重量部に(A)エポキシ樹脂改質剤18重量部を分散させたエポキシ樹脂組成物の粘度は、TOKIMECINIC(株)製のBH型粘度計を用いて測定した。測定温度は、25℃で行った。 【0030】(3)グラフト率100mlのマイヤーフラスコにグラフト重合体の一定量(W1)(約1.0g)秤量し入れる。これにアセトン20mlを入れ、振とう機で2時間振とうし、遊離の重合体を溶解させ、遠心分離器を用いて23,000rpmで1時間遠心分離し、不溶分と可溶分とを分離し、不溶分を真空乾燥機を用いて120℃で2時間乾燥し、乾燥後の可溶分(W2)と不溶分(W3)の重量を測定し、下記式よりグラフト率を算出した。 可溶分率(%)=(W2/W1)×100不溶分率(%)=(W3/W1)×100不溶分含有率(%)=[不溶分率/(可溶分率+不溶分率)]×100グラフト重合体におけるモノマーの転化率(%)=Cゴム質重合体含有率(重合仕込み値)(%) =R転化率換算したグラフト重合体中のゴム質重合体含有率(%)={R/[R+(100−R)×C/100]}×100グラフト率(%)=〔(不溶分含有率−換算ゴム質重合体含有率)/換算ゴム質重合体含有率〕×100【0031】(4)溶解分散性(B)エポキシ樹脂に(A)エポキシ樹脂改質剤を溶解分散させたエポキシ樹脂組成物の状態を以下の基準で目視判断した。 ◎:完全に溶解分散している。 ○:一部不溶解部(ブツ)あり。 ×:半分以上不溶解部(ブツ)あり。 【0032】(5)エポキシ樹脂組成物の硬化物の物性評価曲げ強度:JIS K6911に準じて測定した。 曲げ弾性率:JIS K6911に準じて測定した。 破壊靱性係数:JIS K6911に準じて測定した。 【0033】2.ゴム質重合体の調製ゴム質重合体として、1,3−ブタジエンの乳化重合によりポリブタジエンラテックスを得た。 【0034】3.エポキシ樹脂改質剤の調製滴下ビン、コンデンサ、窒素導入口及び攪拌機を備えたセパラブルフラスコに、上記のゴム質重合体を固形分換算で50部、乳化剤としてロジン酸カリウム0.1部、及び水100部を混合し、続いてジビニルベンゼン5部を添加した。65℃まで昇温し、65℃になった時点で、ピロリン酸ナトリウム0.2部、ブドウ糖0.25部、硫酸第1鉄0.01部を添加し、引き続いて、クメンハイドロパーオキサイド0.2部を添加し、1時間反応させた。その後、メチルメタクリレート35部、スチレン10部、水20部、ロジン酸カリウム1部を4時間かけて滴下し、更に1時間反応させた。重合転化率は97.5%であった。得られた重合体を硫酸で凝固させ、この凝固物をよく水洗した後、乾燥させ、粉末状のグラフト重合体を得て、これをエポキシ樹脂改質剤(A−1)とした(表1参照)。同様に、ゴム質重合体の配合量、連鎖移動剤の使用量、配合比率、重合温度、重合時間等を変えて、グラフト重合体を得て、上記のようにしてこれらをエポキシ樹脂改質剤(A−2)〜(A−6)とした(表1)。 【0035】 【表1】
【0036】4.実施例1〜4、比較例1〜9(1)方法■(実施例1〜2、比較例1〜7) 表2、3に示す配合処方で、下記の(B)エポキシ樹脂100重量部をホモミキサーで回転数500rpmで攪拌し、(A)エポキシ樹脂改質剤であるグラフト重合体を徐々に添加した。その後、回転数6,000rpmまで上げてから2時間攪拌した。減圧にて脱泡後、室温にて下記の硬化剤80重量部と硬化促進剤1重量部を添加、攪拌し、実施例1〜2及び比較例1〜7に係わるエポキシ樹脂組成物を得た。この樹脂組成物において、粘度測定及び目視による溶解分散性評価を行った。次に、これを型に流し込み、90℃/2時間、120℃/1時間の条件で加熱硬化させ、エポキシ樹脂組成物の硬化物を得た後、各種評価を行った。表2、3に、これらの評価結果を示す。 (2)方法■(実施例3〜4、比較例8〜9) メチルエチルケトンを攪拌機で回転数100rpmで攪拌しながら、固形分として20重量%となるように(A)エポキシ樹脂改質剤を添加し、これに表2、3に示す配合処方となるよう、下記の(B)エポキシ樹脂を添加する。その後、減圧下でメチルエチルケトンを留去、及び脱泡し、実施例3〜4及び比較例8〜9に係わるエポキシ樹脂組成物を得た。この樹脂組成物において、粘度測定及び目視による溶解分散性評価を行った。次に、これを型に流し込み、90℃/2時間、120℃/1時間の条件で加熱硬化させ、エポキシ樹脂組成物の硬化物を得た後、各種評価を行った。表2、3に、これらの評価結果を示す。 (ア)エポキシ樹脂;エピコート828〔油化シェルエポキシ社製〕、粘度12〜15Pa・s、エポキシ当量184〜194(イ)硬化剤;アデカハードナーH3326〔旭電化社製〕 (ウ)硬化促進剤;アンカミンK−54〔エイ・シー・アイ・ジャパン社製〕 【0037】 【表2】
【0038】 【表3】
【0039】表3の結果より、比較例1では、成分(A)及び(B)の配合において、成分(A)の配合量が1重量部未満であるため、低応力化、破壊靱性係数の改良効果は発現しない。比較例2では、成分(A)の配合量が100重量部を越えるため、エポキシ樹脂分散時の粘度が高くなり、諸物性が低下した。比較例3では、ゴム質重合体の量が30重量部未満であるため(表1)、破壊靱性係数が低下した。比較例4では、ゴム質重合体の量が80重量部を越えるため、エポキシ樹脂中で凝集が起こり、諸物性の改良効果が発現しない。比較例5では、メチルエチルケトン中での成分(A)の平均粒子径が50nm未満であるため、エポキシ樹脂組成物の粘度が大幅に上がった。比較例6では、メチルエチルケトン中での成分(A)の平均粒子径が600nmを越えるため、エポキシ樹脂中での成分(A)の凝集が起こり、諸物性の改良効果が発現しない。比較例7では、成分(A)を含有するメチルエチルケトンの溶液粘度が500mPa・sを越えるため(表1)、エポキシ樹脂への分散性が劣り、諸物性の改良効果が発現しない。比較例8では、ゴム質重合体の量が30重量部未満であるため、破壊靱性係数が低下した。比較例9では、ゴム質重合体の量が80重量部を越えるため(表1)、エポキシ樹脂中で凝集が起こり、諸物性の改良効果が発現しない。一方、実施例においては、比較例に比べエポキシ樹脂組成物の粘度が非常に低く、目視による分散状態も良好であった。硬化物の物性は、曲げ強度、破壊靱性係数に優れ、特に破壊靱性係数では比較例平均値0.78に対して実施例平均値1.60であり2倍以上の値であった。 【0040】尚、本発明は上記実施例に限定されず、目的、用途に応じて種々変更した実施例とすることができる。本発明のエポキシ樹脂組成物を用いた絶縁層を備える回路基板は、例えば図1のようにして形成される。即ち、紙フェノール又はガラスエポキシ等からなる基板1(図1のA参照)の表面に銅メッキ層2を形成し(B参照)、エッチング処理により導電パターン2aを残す(C参照)。これに前記グラフト重合体が有機溶剤により分散されたエポキシ樹脂改質剤を含有するエポキシ樹脂組成物を塗布し、その塗膜を加熱により乾燥、硬化させて相間絶縁膜3とする(D参照)。更にレジストを塗布してレジスト層4を形成(E参照)し、導電パターンを形成するためにアルカリ等でパターンとなる部分を除去(F参照)し、その部分に銅メッキを施す(G参照)。残されたレジストを除去することによって銅の導電パターン5及び絶縁部を備えたビルドアップ回路基板(H参照)を製造することができる。この回路基板は、必要に応じて、貫通孔を開ける等の二次加工も可能である。尚、本発明の回路基板はビルドアップ回路基板に限定されず、単層型の回路基板でも構わない。また、導電パターンを形成する材料も銅以外のものでもよい。 【0041】本発明のエポキシ樹脂組成物を用いた封止部を備えるIC基板は、例えば、図2に示すように、プリント回路基板6上の銅等の配線パターン(図示せず)によってつなげられているIC7が上記エポキシ樹脂組成物が塗布、乾燥及び硬化によって封止8されるものである。この場合の封止方法の例としては、有機溶媒に分散させたエポキシ樹脂組成物を封止部分に塗布して、乾燥、硬化させる方法がある。 【0042】 【発明の効果】本発明のエポキシ樹脂改質剤は、エポキシ樹脂改質剤20重量%をメチルエチルケトンに添加した際の平均粒子径が50nm以上600nm以下で、且つその溶液粘度が500mPa・s以下の範囲にあることにより、エポキシ樹脂に対する溶解分散性、粘度(低粘度)に優れる。また、このエポキシ樹脂改質剤は固形状又は有機溶剤に分散させた溶剤分散状で使用することができる。そして、エポキシ樹脂と必要に応じて配合される添加剤からなるエポキシ樹脂組成物の硬化物は機械的特性に優れている。したがって、その性質を利用して、絶縁層又は絶縁部を備える回路基板や、封止層又は封止部を備えるIC封止材等の電子材料をはじめ、金属に対する下塗り塗料、粉体塗料、土木・建築用途等の構造用接着剤、シーリング剤、電気・電子材料用接着剤、プリント配線用接着剤、積層板用接着剤等の幅広い分野に使用することができる。本発明の回路基板やIC封止材は、上記エポキシ樹脂組成物の粘度が低いことから加工性に優れた製品となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】396021575 【氏名又は名称】テクノポリマー株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年7月14日(2000.7.14) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100094190 【弁理士】 【氏名又は名称】小島 清路
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| 【公開番号】 |
特開2002−30122(P2002−30122A) |
| 【公開日】 |
平成14年1月31日(2002.1.31) |
| 【出願番号】 |
特願2000−214764(P2000−214764) |
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