| 【発明の名称】 |
架橋重合体粒子及びその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】足立 正
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| 【要約】 |
【課題】合成吸着剤等の分離剤として用いた場合に、運転条件の変化による層高変化、操作圧変化が少なく、また液体クロマトグラフィー充填剤として用いた場合に、水−有機溶媒混合系溶離液中の水の組成変化による分離性能の低下や、膨潤圧による充填剤の劣化が低減され、さらに芳香族系重合体に由来する吸着特性を発現することのできる、優れた架橋共重合体粒子を提供する。
【解決手段】(メタ)アクリル酸エステル系架橋重合体粒子(A)の粒子表面に芳香族系重合体(B)が存在してなる架橋重合体粒子。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 (メタ)アクリル酸エステル系架橋重合体粒子(A)の粒子表面に芳香族系重合体(B)が存在することを特徴とする架橋重合体粒子。 【請求項2】 (メタ)アクリル酸エステル系架橋重合体粒子(A)が、多孔質構造を有するものである請求項1に記載の架橋重合体粒子。 【請求項3】 (メタ)アクリル酸エステル系架橋重合体粒子(A)が、(メタ)アクリル酸エステル単量体及び/又は多価アルコールのポリ(メタ)アクリル酸エステル単量体を、主たる単量体単位として含有する架橋(共)重合体からなるものである請求項1又は2に記載の架橋重合体粒子。 【請求項4】 芳香族系重合体(B)として用いる、モノビニル芳香族単量体及び/又はポリビニル芳香族単量体を単量体単位として含有する重合体(C)が、(メタ)アクリル酸エステル系架橋重合体粒子(A)の粒子内部と相互浸透し、且つ該重合体(C)の一部が該架橋重合体粒子(A)の表面に存在する請求項1〜3のいずれかに記載の架橋重合体粒子。 【請求項5】 (メタ)アクリル酸エステル系架橋重合体粒子(A)の表面の全て又は少なくとも一部に、芳香族系重合体(B)として用いるモノビニル芳香族単量体及び/又はポリビニル芳香族単量体を単量体単位として含有する重合体(C)が被覆されてなる請求項1〜3のいずれかに記載の架橋重合体粒子。 【請求項6】 (メタ)アクリル酸エステル系架橋重合体粒子(A)に対し、単量体混合物(G)、有機溶媒(H)及び重合開始剤(J)を添加し重合する方法において、単量体混合物(G)が、モノビニル芳香族単量体(D)と必要に応じて非芳香族モノビニル単量体(E)とのモノビニル単量体混合物及び/又はポリビニル芳香族単量体(F)から成るものであり、有機溶媒(H)が、(メタ)アクリル酸エステル系架橋重合体粒子(A)に対する溶媒膨潤比が1.0〜1.2であり且つ該単量体混合物(G)を溶解するものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の架橋重合体粒子の製造方法。 【請求項7】 (メタ)アクリル酸エステル系架橋重合体粒子(A)100重量部に対し、単量体混合物(G)が0.1〜200重量部、有機溶媒(H)が100〜3000重量部であり、単量体混合物(G)が、モノビニル芳香族単量体(D)と必要に応じて非芳香族モノビニル単量体(E)とのモノビニル単量体混合物90〜100重量%及びポリビニル芳香族単量体(F)10〜0重量%から成るものである請求項6に記載の架橋重合体粒子の製造方法。 【請求項8】 (メタ)アクリル酸エステル系架橋重合体粒子(A)に対し、単量体混合物(G)、有機溶媒(I)及び重合開始剤(J)を添加し重合する方法において、単量体混合物(G)が、モノビニル芳香族単量体(D)と必要に応じて非芳香族モノビニル単量体(E)とのモノビニル単量体混合物及び/又はポリビニル芳香族単量体(F)とから成るものであり、有機溶媒(I)が、該単量体混合物(G)を溶解するが該単量体混合物(G)を重合させて得られる重合体は溶解しないものであることを特徴とする請求項1〜3及び5のいずれかに記載の架橋重合体粒子の製造方法。 【請求項9】 (メタ)アクリル酸エステル系架橋重合体粒子(A)100重量部に対し、単量体混合物(G)0.1〜100重量部、有機溶媒(I)100〜3000重量部であり、単量体混合物(G)が、モノビニル芳香族単量体(D)と必要に応じて非芳香族モノビニル単量体(E)とのモノビニル単量体混合物0〜100重量%及びポリビニル芳香族単量体(F)100〜0重量%とから成るものである請求項8に記載の架橋重合体粒子の製造方法。 【請求項10】 請求項1〜5のいずれかに記載の架橋重合体粒子からなる吸着剤。 【請求項11】 請求項1〜5のいずれかに記載の架橋重合体粒子からなる分離剤。 【請求項12】 請求項1〜5のいずれかに記載の架橋重合体粒子からなる液体クロマトグラフィー充填剤。 【請求項13】 請求項10に記載の液体クロマトグラフィー充填剤を用いた逆相液体クロマトグラフィー分離方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は架橋重合体粒子及びその製造方法、並びに該架橋重合体粒子からなる吸着剤、分離剤、液体クロマトグラフィー充填剤及び該充填剤を用いた逆相液体クロマトグラフィー分離方法に関する。 【0002】 【従来の技術】架橋ポリスチレン等の芳香族系架橋重合体粒子は、合成吸着剤として発酵物、食品や薬草等からの有用物質の抽出精製に工業的に用いられている。また、微小粒径の芳香族系架橋重合体粒子は液体クロマトグラフィー充填剤としても用いられ、特に逆相クロマトグラフィー法による分析及び分取に応用されている。 【0003】架橋ポリスチレン等の芳香族系架橋重合体粒子は、酸性、アルカリ性条件でも化学的耐久性に優れること、多孔質粒子を用いることにより高い吸着量が得られること、シリカゲル系吸着剤とは吸着選択性が異なること等、合成吸着剤として優れた特性を有している。しかしながら、芳香族系重合体は水に対する親和性が低いことから、架橋重合体粒子とした場合の水中での膨潤度は有機溶媒中での膨潤度に比べて小さいものとなり、合成吸着剤としてカラム法を採用し工業的に応用する場合は、運転条件の変化により層高が変化する、また操作圧が変化する等の問題が生じる。 【0004】例えば、ダイヤイオンマニュアル改訂版I−基礎編(三菱化学株式会社編:平成10年6月10日発行第13版)の125頁、第II−3表には、スチレン−ジビニルベンゼン芳香族系合成吸着剤HPシリーズの溶媒膨潤比が示されており、HP20においては水に対する膨潤度を1.00とした場合、メタノールに対する膨潤度比は1.26である。 【0005】更に、微小粒径の芳香族系架橋重合体粒子を液体クロマトグラフィー充填剤として用いる場合には、水−有機溶媒混合系溶離液を用いる逆相クロマトグラフィー法が多用されるが、溶離液中の水の組成比が高くなると上述の原理により充填剤の膨潤度が小さくなることからカラム中の充填剤の充填状態に変化が生じ、その結果として微細な分離性能が低下する、また極端な場合にはカラム内に空隙が生じ正常な分離が得られなくなる等の問題が生じる。一方、このような問題を避けるためにカラムへの充填時に充填剤が収縮する条件で充填すると、操作時に充填剤の膨潤圧が極端に高くなり充填剤の耐圧を越えてしまい使用不能になることもある。 【0006】このような問題を解決するためには通常、芳香族系架橋重合体粒子の調製時に架橋度を高める方法が採用される。しかしながら、架橋度を高くしてもポリ(ジビニルベンゼン)自体が水に対して親和性が低いことから溶離液中の水の組成比が高くなると充填剤の膨潤度が小さくなり問題の根本的な解決には至らなかった。 【0007】一方、架橋重合体粒子の組成を芳香族系から他の組成に変更することも行われ、例えば(メタ)アクリル酸エステル系架橋重合体粒子を用いた場合、(メタ)アクリル酸エステル系重合体は極性が高いことから、架橋重合体粒子とした場合の水中での膨潤度と極性有機溶媒中での膨潤度の変化が小さいものとなり、合成吸着剤および液体クロマトグラフィー充填剤に応用する場合には有利となる。 【0008】例えば、ダイヤイオンマニュアル改訂版I−基礎編(三菱化学株式会社編:平成10年6月10日発行第13版)の128頁、第II−6表には、メタクリル系合成吸着剤HPMGシリーズの溶媒膨潤比が示されており、HP2MGにおいては水に対する膨潤度を1.00とした場合、メタノールに対する膨潤度比は1.05であり、スチレン−ジビニルベンゼン芳香族系合成吸着剤に比べて低い値である。 【0009】しかし、合成吸着剤および液体クロマトグラフィー充填剤としての保持特性等において芳香族系架橋重合体と(メタ)アクリル酸エステル系架橋重合体とは異なり、その結果、特定の対象物に対しての(メタ)アクリル酸エステル系架橋重合体の適用は芳香族系架橋重合体の適用に比べて総合的には不利となる場合も多い。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、吸着剤及び分離剤として用いた場合に、運転条件の変化による層高変化、操作圧変化が少ないこと、また液体クロマトグラフィー充填剤として用いた場合に水−有機溶媒混合系溶離液中の水の組成変化により分離性能が低下しない、膨潤圧による充填剤の劣化を起こさない等と共に芳香族系重合体に由来する吸着特性を発現することが可能な架橋重合体粒子を提供することにある。 【0011】 【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、(メタ)アクリル酸エステル系架橋重合体粒子の表面に芳香族系重合体が存在する構造を有する架橋重合体粒子が、(メタ)アクリル酸エステル系架橋重合体が水−有機溶媒組成変化に対する膨潤度変化を最小限にし、かつ表面に存在する芳香族系重合体が該芳香族系重合体に由来する吸着特性を発現することを見出し、本発明を完成した。 【0012】即ち、本発明の第一の要旨は、(メタ)アクリル酸エステル系架橋重合体粒子(A)の粒子表面に芳香族系重合体(B)が存在することを特徴とする架橋重合体粒子、に存する。本発明の第二の要旨は、(メタ)アクリル酸エステル系架橋重合体粒子(A)に対し、単量体混合物(G)、有機溶媒(H)及び重合開始剤(J)を添加し重合する方法において、単量体混合物(G)が、モノビニル芳香族単量体(D)と必要に応じて非芳香族モノビニル単量体(E)とのモノビニル単量体混合物及び/又はポリビニル芳香族単量体(F)から成るものであり、有機溶媒(H)が、(メタ)アクリル酸エステル系架橋重合体粒子(A)に対する溶媒膨潤比が1.0〜1.2であり且つ該単量体混合物(G)を溶解するものであることを特徴とする架橋重合体粒子の製造方法、に存する。 【0013】本発明の第三の要旨は、(メタ)アクリル酸エステル系架橋重合体粒子(A)に対し、単量体混合物(G)、有機溶媒(I)及び重合開始剤(J)を添加し重合する方法において、、単量体混合物(G)が、モノビニル芳香族単量体(D)と必要に応じて非芳香族モノビニル単量体(E)とのモノビニル単量体混合物及び/又はポリビニル芳香族単量体(F)とから成るものであり、有機溶媒(I)が、該単量体混合物(G)を溶解するが該単量体混合物(G)を重合させて得られる重合体は溶解しないものであることを特徴とする架橋重合体粒子の製造方法、に存する。 【0014】さらに本発明の第四の要旨は、該架橋重合体粒子から成る吸着剤、分離剤、液体クロマトグラフィー充填剤及び該充填剤を用いた逆相液体クロマトグラフィー分離方法、に関する。 【0015】 【発明の実施の形態】本発明において、(メタ)アクリル酸エステル系架橋重合体粒子(A)としては、通常、(メタ)アクリル酸エステル単量体及び/又は多価アルコールのポリ(メタ)アクリル酸エステル単量体を主たる単量体単位として含有する架橋(共)重合体粒子、(メタ)アクリル酸エステル単量体を主たる単量体単位として含有する重合体粒子に対して架橋反応を行うことにより得られる架橋重合体粒子、等が挙げられる。 【0016】(メタ)アクリル酸エステル単量体及び/又は多価アルコールのポリ(メタ)アクリル酸エステル単量体を主たる単量体単位として含有する架橋(共)重合体粒子として用いられる(メタ)アクリル酸エステル単量体としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−クロロエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル等が挙げられ、これらの(メタ)アクリル酸エステル単量体は単独でも二種類以上の混合物としても用いることが出来る。 【0017】また、多価アルコールのポリ(メタ)アクリル酸エステル単量体としては、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラヒドロキシブタンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらの多価アルコールのポリ(メタ)アクリル酸エステル単量体は単独でも二種類以上の混合物としても用いることが出来る。 【0018】更に、本発明における(メタ)アクリル酸エステル単量体及び/又は多価アルコールのポリ(メタ)アクリル酸エステル単量体を主たる単量体単位として含有する架橋(共)重合体粒子においては、その効果を発現するための要素である水−有機溶媒組成変化に対する膨潤度変化を最小限にしうる範囲内において、その他の重合性ビニル単量体を含んでいても良い。 【0019】本発明においては、(メタ)アクリル酸エステル系架橋重合体粒子(A)を構成する全単量体中、(メタ)アクリル酸エステル単量体及び/又は多価アルコールのポリ(メタ)アクリル酸エステル単量体の量が、通常、50重量%以上、好ましくは70重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上である。この際に用いられるその他の重合性ビニル単量体としては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸類;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド誘導体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;アリルアルコール及びそのエステルまたはエーテル類;(メタ)アクリロニトリル、ビニルスルホン酸、ビニルピロリドン等、その他のビニル化合物等が挙げられ、これらの重合性ビニル単量体は単独でも二種類以上の混合物としても用いることが出来る。 【0020】上述の単量体(混合物)の重合により(メタ)アクリル酸エステル系架橋重合体粒子を得る場合の重合方法としては、ラジカル重合法、アニオン重合法、カチオン重合法等を用いうるが、重合の制御や工業的応用の容易さの点からは、ラジカル重合法が好ましい。ラジカル重合法にて用いられる開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、4,4−アゾビス(4−シアノペンタン酸)等のアゾ系重合開始剤;t−ブチルヒドロペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、ジ−イソプロピルペルオキシジカーボネート、t−ブチルペルオキシイソブチレート及び過酸化水素、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過酸化物系重合開始剤またはこれらにアミン、重亜硫酸ナトリウム等の還元剤を添加した系;等を挙げることが出来る。 【0021】また、重合の形態としては塊状重合法、溶液重合法、分散重合法、乳化重合法、懸濁重合法等が挙げられるが、重合の制御の容易さ、また分離剤および液体クロマトグラフィー充填剤として用いる場合の性能から考慮すると分散重合法、乳化重合法、懸濁重合法が好ましい。また、分散重合法、乳化重合法、懸濁重合法により得られた粒子に対してシード重合法を用いて更に粒子径を増大することも好ましく用いうる。 【0022】一方、(メタ)アクリル酸エステル単量体を主たる単量体単位として含有する重合体粒子に対して架橋反応を行うことにより(メタ)アクリル酸エステル系架橋重合体粒子(A)を得る方法としては、(メタ)アクリル酸エステル系重合体粒子を調製後、架橋剤を反応させる方法や、熱等による自己架橋等が挙げられる。 【0023】架橋反応に用いる(メタ)アクリル酸エステル系重合体粒子の調製については、既に述べられた(メタ)アクリル酸エステル単量体及び又は多価アルコールのポリ(メタ)アクリル酸エステル単量体から成る架橋重合体粒子の調製において、多価アルコールのポリ(メタ)アクリル酸エステル単量体を用いない他は基本的に同様の方法が用いられる。 【0024】このうち、(メタ)アクリル酸エステル系重合体粒子の組成については、架橋剤を反応させる方法を用いて(メタ)アクリル酸エステル系架橋重合体粒子を得る場合においては、(メタ)アクリル酸エステル単量体を主たる単量体単位として含有する重合体粒子には架橋剤と反応しうる官能基を有する必要があり、例えば架橋剤として、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル,グリセロールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテルを用いる場合には、(メタ)アクリル酸エステル単量体から成る重合体粒子中に水酸基、アミノ基、グリシジル基等の官能基を有する必要がある。 【0025】また、熱等による自己架橋により(メタ)アクリル酸エステル系架橋重合体粒子(A)を得る場合では、(メタ)アクリル酸エステル単量体を主たる単量体単位として含有する重合体粒子中に、グリシジル基、N−メチロールアミノ基等の官能基を有する、またはアミノ基と水酸基、アミノ基とカルボキシル基等のアミド結合やエステル結合を形成しうる官能基群を有する必要がある。 【0026】上述の方法にて得られる(メタ)アクリル酸エステル系架橋重合体粒子(A)の中では、その製造の容易性および製造再現性を考慮すると(メタ)アクリル酸エステル単量体及び/又は多価アルコールのポリ(メタ)アクリル酸エステル単量体を主たる単量体単位として含有する架橋(共)重合体粒子が好適に用いられる。 【0027】本発明において、(メタ)アクリル酸エステル系架橋重合体粒子(A)の粒子形状は球状および不定形の何れも用いうるが、分離剤および液体クロマトグラフィー充填剤として用いる場合には球状粒子であることが好ましい。また、該(メタ)アクリル酸エステル系架橋重合体粒子(A)の粒子径については1μm〜3mmの範囲で選択され、その粒子径分布が狭いことが好ましい。 【0028】特に液体クロマトグラフィー充填剤として使用する場合には分離性能を高めるために粒子径範囲が1〜200μm、更には1〜20μmの範囲であり粒子径の変動係数が10%以下であることが好ましい。更に、該(メタ)アクリル酸エステル系架橋重合体粒子(A)は無孔状粒子および多孔質粒子の何れも用いうるが、分離剤として使用する場合には比表面積を多くすることにより吸着容量を高くできることから多孔質粒子を用いることが好ましい。一方、液体クロマトグラフィー充填剤として使用するときには、高吸着容量が要求される場合では多孔質粒子を用い、高分離性能が要求される場合には試料の孔内拡散による分離性能低下を避けるために無孔状粒子を用いる等、必要に応じて選択される。 【0029】また、本発明の構成要素として、(メタ)アクリル酸エステル系架橋重合体粒子(A)の表面に芳香族系重合体(B)が存在する構造を有することが挙げられるが、その存在の様式については(メタ)アクリル酸エステル系架橋重合体粒子(A)の表面の一部に存在する場合、表面の一部を被覆する場合および全て被覆する場合の何れも可能である。 【0030】更に表面の少なくとも一部を被覆する場合又は全てを被覆する場合においては、該芳香族系重合体(B)は該架橋重合体粒子(A)の表面を被覆することが満たされる限り、その一部が該架橋重合体粒子(A)の内部に相互浸透することも可能である。また該芳香族系重合体(B)の該架橋重合体粒子(A)に対する存在比についても分離剤または液体クロマトグラフィー充填剤として使用する場合に必要とされる吸着特性、分離特性に応じて適宜選択される。 【0031】(メタ)アクリル酸エステル系架橋重合体粒子(A)の表面に芳香族系重合体(B)が存在する構造を得るための方法としては、(1)(メタ)アクリル酸エステル系架橋重合体粒子(A)表面への芳香族系重合体(B)のコーティング、およびそれに付随する架橋反応による固定化(2)(メタ)アクリル酸エステル系架橋重合体粒子(A)表面への芳香族系単量体を含む単量体混合物のグラフト重合(3)(メタ)アクリル酸エステル系架橋重合体粒子(A)に対し、モノビニル芳香族単量体及び/又はポリビニル芳香族単量体を単量体単位として含有する芳香族系重合体(C)を該架橋重合体粒子の内部と相互浸透させ、該重合体(C)の一部を該架橋重合体粒子(A)の表面に存在させる、(4)(メタ)アクリル酸エステル系架橋重合体粒子(A)への、モノビニル芳香族単量体及び/又はポリビニル芳香族単量体を含むビニル単量体(混合物)を用いたシード重合(5)(メタ)アクリル酸エステル系架橋重合体粒子(A)表面へのモノビニル芳香族単量体及び/又はポリビニル芳香族単量体を含むビニル単量体(混合物)を用いたシード分散重合等が挙げられ、この中でも(3)又は(5)の方法が好適に用いられる。 【0032】上記(3)の具体例としては、(メタ)アクリル酸エステル系架橋重合体粒子(A)に対し、単量体混合物(G)、有機溶媒(H)及び重合開始剤(J)を添加し重合する方法において、単量体混合物(G)が、モノビニル芳香族単量体(D)と必要に応じて非芳香族モノビニル単量体(E)とのモノビニル単量体混合物及び/又はポリビニル芳香族単量体(F)から成るものであり、有機溶媒(H)が、(メタ)アクリル酸エステル系架橋重合体粒子(A)に対する溶媒膨潤比が1.0〜1.2であり且つ該単量体混合物(G)を溶解するものを用いる方法が挙げられる。 【0033】ここで、それぞれの量比は、通常、(メタ)アクリル酸エステル系架橋重合体粒子(A)100重量部に対して、単量体混合物(G)0.1〜200重量部、有機溶媒(H)100〜3000重量部である。また、単量体混合物(G)は、モノビニル芳香族単量体(D)と必要に応じて非芳香族モノビニル単量体(E)とのモノビニル単量体混合物90〜100重量%、ポリビニル芳香族単量体(F)10〜0重量%とから成るものである。 【0034】モノビニル芳香族単量体(D)としては、スチレン、メチルスチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、p−ヒドロキシスチレン等が挙げられ、これらは単独でも二種類以上の混合物としても用いることが出来る。これらのモノビニル芳香族単量体の量は、モノビニル単量体全量中、通常50重量%以上、好ましくは70重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上である。 【0035】また、吸着剤、分離剤および液体クロマトグラフィー充填剤として所望の特性を発現する範囲内において非芳香族モノビニル単量体(E)を含むこともでき、その使用量は、モノビニル単量体混合物の全量中、0〜50重量%であることが好ましい。この際に用いられる非芳香族モノビニル単量体(E)としては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸類;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−クロロエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル等の(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド誘導体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;アリルアルコール及びそのエステルまたはエーテル類;(メタ)アクリロニトリル、ビニルスルホン酸、ビニルピロリドン等、その他のビニル化合物;等が挙げられ、これらの非芳香族モノビニル単量体は単独でも二種類以上の混合においても用いることが出来る。 【0036】ポリビニル芳香族単量体(F)については該架橋重合体粒子(A)を吸着剤、分離剤および液体クロマトグラフィー分離剤として用いる場合に該芳香族系重合体(B)の対溶媒安定性を高めるために用いることが可能であり、ジビニルベンゼン、ビス(ビニルフェニル)エタン、ジビニルナフタレン、2,4,6−トリビニルエチルベンゼン等が挙げられ、これらは単独でも二種類以上の混合物としても用いることが出来る。 【0037】また、単量体混合物(G)におけるポリビニル芳香族単量体(F)の割合としては通常、0〜10重量%の範囲、好ましくは0〜2重量%であり、この量が多すぎると重合時に重合系が凝集することがある。有機溶媒(H)としては(メタ)アクリル酸エステル系架橋重合体粒子(A)に対する溶媒膨潤比が1.0〜1.2であり且つ該単量体混合物(G)を溶解するものから適宜用いられる。溶媒膨潤比とは水に対する膨潤度を1.0とした場合の該溶媒に対する膨潤度の比であり、この値が小さすぎると、モノビニル芳香族単量体及び/又はポリビニル芳香族単量体を主たる単量体単位として含有する芳香族系重合体(C)の該架橋重合体粒子(A)の内部への相互浸透が困難であり、一方溶媒膨潤比が大きすぎる場合には、得られた架橋重合体粒子の骨格中の芳香族系重合体(C)が多量に存在することから水−有機溶媒組成変化に対する膨潤度変化が大きくなり好ましくない。 【0038】具体的な有機溶媒(H)としては、メタノール、エタノール、プロパノール、(ジ)エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等のアルコール類;ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、(ジ)エチレングリコールモノアセテート等のエステル類;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、(ジ)エチレングリコールモノメチルエーテル、(ジ)エチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル類及びエーテルアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素類;クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロトルエン等のハロゲン化炭化水素類;アセトニトリル、ジメチルアミン、モノエタノールアミン、ジメチルホルムアミド、ピリジン、ニトロベンゼン等の含窒素化合物;二硫化炭素、ジメチルスルホキシド等の含硫黄化合物;等の媒体及び水が挙げられ、これらは(メタ)アクリル酸エステル系架橋重合体粒子(A)に対する溶媒膨潤比が1.0〜1.2であり且つ該単量体混合物(G)を溶解する限りにおいて単独でも二種類以上の混合物としても用いることが出来る。 【0039】重合開始剤(J)としては各種の開始剤が用いられるが、好ましくはラジカル重合開始剤が用いられ、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、4,4−アゾビス(4−シアノペンタン酸)等のアゾ系重合開始剤;t−ブチルヒドロペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、ジ−イソプロピルペルオキシジカーボネート、t−ブチルペルオキシイソブチレート等の過酸化物系重合開始剤またはこれらにアミン、重亜硫酸ナトリウム等の還元剤を添加した系;等を挙げることが出来る。 【0040】一方、上記(5)の具体例である(メタ)アクリル酸エステル系架橋重合体粒子(A)表面へのモノビニル芳香族単量体及び/又はポリビニル芳香族単量体を含むビニル単量体(混合物)を用いたシード分散重合により該(メタ)アクリル酸エステル系架橋重合体粒子(A)の表面に該芳香族系重合体(B)が存在する構造を得る方法については、一般的にはシード分散重合とはColloid &Polymer Science,267巻,p193−200(1989)やColloid & Polymer Science,274巻,p279−284(1996)に示されるように、種粒子の存在下、重合性ビニル単量体を溶解するが生成する重合体は溶解しない媒体中で該媒体可溶の重合開始剤を用いて該単量体の重合を行うことにより肥大化された重合体粒子を得る方法であるが、本発明においては種粒子として、(メタ)アクリル酸エステル系架橋重合体粒子(A)を用いることから重合性ビニル単量体の重合により生成する重合体は該架橋重合体粒子(A)の表面を被覆することとなる。 【0041】このような架橋重合体粒子(A)を製造するための本発明における具体例としては、(メタ)アクリル酸エステル系架橋重合体粒子(A)に対し、単量体混合物(G)、有機溶媒(I)及び重合開始剤(J)を添加し重合する方法において、単量体混合物(G)が、モノビニル芳香族単量体(D)と必要に応じて非芳香族モノビニル単量体(E)とのモノビニル単量体混合物及び/又はポリビニル芳香族単量体(F)とから成るものであり、有機溶媒(I)が、該単量体混合物(G)を溶解するが該単量体混合物(G)を重合させて得られる重合体は溶解しないものを用いる方法が挙げられる。 【0042】ここで、それぞれの量比は、通常、(メタ)アクリル酸エステル系架橋重合体粒子(A)100重量部に対し、単量体混合物(G)0.1〜100重量部、有機溶媒(I)100〜3000重量部である。上述のモノビニル芳香族単量体(D)、非芳香族モノビニル単量体(E)、ポリビニル芳香族単量体(F)および重合開始剤(J)については、上述した(メタ)アクリル酸エステル系架橋重合体粒子(A)に対し、モノビニル芳香族単量体及び/又はポリビニル芳香族単量体を主たる単量体単位として含有する芳香族系重合体(C)を該架橋重合体粒子(A)の内部と相互浸透させ、該重合体(C)の一部を該架橋重合体粒子(A)の表面に存在させる方法において用いたものと同様のものが選択される。 【0043】なお、単量体混合物(G)におけるポリビニル芳香族単量体(F)の割合は有機溶媒(I)の適切な選択を行うことにより任意の割合にて用いることが可能であるが、好ましくは、モノビニル芳香族単量体(D)と必要に応じて非芳香族モノビニル単量体(E)とのモノビニル単量体混合物が99.5〜0重量%であり、ポリビニル芳香族単量体(F)が0.5〜100重量%である。 【0044】一方、有機溶媒(I)としては該単量体混合物(G)を溶解するが該単量体混合物(G)を重合させて得られる重合体は溶解しないものから適宜用いられ、具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、(ジ)エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等のアルコール類;ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、(ジ)エチレングリコールモノアセテート等のエステル類;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、(ジ)エチレングリコールモノメチルエーテル、(ジ)エチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル類及びエーテルアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素類;クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロトルエン等のハロゲン化炭化水素類;アセトニトリル、ジメチルアミン、モノエタノールアミン、ジメチルホルムアミド、ピリジン、ニトロベンゼン等の含窒素化合物;二硫化炭素、ジメチルスルホキシド等の含硫黄化合物;等の媒体及び水が挙げられ、これらは該単量体混合物(G)を溶解するが該単量体混合物(G)から成る重合体は溶解しない限りにおいて単独でも二種類以上の混合物としても用いることが出来る。 【0045】上述の各方法にて得られた架橋重合体粒子は吸着剤、分離剤及び液体クロマトグラフィー充填剤として好適に用いられ、特に液体クロマトグラフィー充填剤として用いる場合には逆相クロマトグラフィー分離方法での使用が好ましい。 【0046】 【実施例】以下に、本発明の具体的態様を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これらの実施例によって限定されるものではない。 [実施例1((メタ)アクリル酸エステル系架橋重合体粒子(A)の表面に芳香族系重合体(B)が存在する架橋重合体粒子の調製)]撹拌器、コンデンサー、温度計及び窒素ガス導入管を備えた反応器中に(メタ)アクリル酸エステル系架橋重合体粒子(A)として、平均粒子径4μm、メタクリル酸メチル/エチレングリコールジメタクリレートの重量組成比が1/99であるメタアクリル酸エステル系多孔質架橋重合体粒子8.0重量部を有機溶媒(H)であるトルエン69.6重量部中に分散した。尚、トルエンのメタクリル酸メチル/エチレングリコールジメタクリレートの重量組成比が1/99であるメタアクリル酸エステル系多孔質架橋重合体粒子に対する膨潤比は1.04である。これにモノビニル芳香族単量体(D)であるスチレン8.0重量部および重合開始剤(J)である2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.080重量部を添加し、窒素雰囲気下にて70℃に加熱して8時間重合を行うことにより、(メタ)アクリル酸エステル系架橋重合体粒子(A)の表面に芳香族系重合体(B)が存在する架橋重合体粒子を得た。得られた架橋重合体粒子はメタノールにて洗浄を行うことにより、未重合のスチレンやその他の残存物を除去した。 [実施例2((メタ)アクリル酸エステル系架橋重合体粒子(A)の表面に芳香族系重合体(B)が存在する架橋重合体粒子の調製)]撹拌器、コンデンサー、温度計及び窒素ガス導入管を備えた反応器中に(メタ)アクリル酸エステル系架橋重合体粒子(A)として、平均粒子径4μm、メタクリル酸メチル/エチレングリコールジメタクリレートの重量組成比が1/99であるメタアクリル酸エステル系多孔質架橋重合体粒子8.0重量部を有機溶媒(I)であるエタノール63.2重量部中に分散した。これにモノビニル芳香族単量体(D)であるスチレン1.60重量部、ポリビニル芳香族単量体(F)である工業用ジビニルベンゼン(ジビニルベンゼン純度56%)0.032重量部および重合開始剤(J)である2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.032重量部を添加し、窒素雰囲気下にて70℃に加熱して8時間重合を行うことにより、(メタ)アクリル酸エステル系架橋重合体粒子(A)の表面に芳香族系重合体(B)が存在する架橋重合体粒子を得た。得られた架橋重合体粒子はメタノールにて洗浄を行うことにより、未重合のスチレンやその他の残存物を除去した。 [実施例3(逆相クロマトグラフィー分離方法による液体クロマトグラフィー充填剤としての応用)]実施例1および2で得られた粒子を内径4.6mm、長さ150mmのステンレスカラムに充填し、各種体積比の水/メタノール混合溶媒を溶離液として流速0.5ml/minにて通液し、各種試料および間隙容量算出用の試料である硝酸ナトリウム水溶液の逆相高速液体クロマトグラフィー分析を行った。検出方法は254nmの紫外検出器にて行った。各種試料についての保持比(k’)は以下の式により算出した。 k’=[(各試料の溶離容量)−(硝酸ナトリウムの溶離容量)]/[(硝酸ナトリウムの溶離容量)] 各種体積比の水/メタノール溶離液における充填カラムの操作圧力および各種試料の保持比(k’)を表1に示す。 [比較例1]平均粒子径4μm、メタクリル酸メチル/エチレングリコールジメタクリレートの重量組成比が1/99であるメタアクリル酸エステル系多孔質架橋重合体粒子を内径4.6mm、長さ150mmのステンレスカラムに充填し、実施例2と同様の条件にて逆相高速液体クロマトグラフィー分析を行った。各種体積比の水/メタノール溶離液における充填カラムの操作圧力および各種試料の保持比(k’)を表1に示す。 【0047】 【表1】
【0048】表1から、実施例1及び2により得られる(メタ)アクリル酸エステル系架橋重合体粒子の表面に芳香族系重合体が存在する架橋重合体粒子は、(メタ)アクリル酸エステル系架橋重合体粒子の水−有機溶媒組成変化に対する膨潤度変化特性に由来する操作圧力特性を維持すると共に、表面に存在する芳香族系重合体に由来する吸着特性を発現することが分かる。 [比較例2]芳香族系架橋重合体粒子として平均粒子径4μmのスチレン−ジビニルベンゼン系多孔質架橋粒子を内径4.6mm、長さ150mmのステンレスカラムに充填し、各種体積比の水/メタノール混合溶媒を溶離液として流速0.5ml/minにて通液したところ、水/メタノール=20/80の条件にて既に操作圧力が157kg/cm2となり、これ以上に操作圧力の上昇する条件での通液は不可能であった。 [実施例4(水−有機溶媒混合溶媒系での操作圧力)]実施例1で得られた架橋重合体粒子を内径4.6mm、長さ150mmのステンレスカラムに充填し、水/アセトニトリル=70/30(体積比)の混合溶媒を流速0.3ml/minにて通液したところ、操作圧力は28kg/cm2であった。 [実施例5(水−有機溶媒混合溶媒系での操作圧力)]実施例2で得られた架橋重合体粒子を内径4.6mm、長さ150mmのステンレスカラムに充填し、水/アセトニトリル=70/30(体積比)の混合溶媒を流速0.3ml/minにて通液したところ、操作圧力は24kg/cm2であった。 [比較例3]平均粒子径4μm、メタクリル酸メチル/エチレングリコールジメタクリレートの重量組成比が1/99であるメタアクリル酸エステル系多孔質架橋重合体粒子を内径4.6mm、長さ150mmのステンレスカラムに充填し、水/アセトニトリル=70/30(体積比)の混合溶媒を流速0.3ml/minにて通液したところ、操作圧力は37kg/cm2であった。 [比較例4]芳香族系架橋重合体粒子として平均粒子径4μmのスチレン−ジビニルベンゼン系多孔質架橋粒子を内径4.6mm、長さ150mmのステンレスカラムに充填し、水/アセトニトリル=70/30(体積比)の混合溶媒を流速0.3ml/minにて通液したところ、操作圧力は104kg/cm2であった。 [実施例6((メタ)アクリル酸エステル系架橋重合体粒子(A)の表面に芳香族系重合体(B)が存在する架橋重合体粒子の調製)]撹拌器、コンデンサー、温度計及び窒素ガス導入管を備えた反応器中に(メタ)アクリル酸エステル系架橋重合体粒子(A)として、平均粒子径4μm、メタクリル酸メチル/エチレングリコールジメタクリレートの重量組成比が1/99であるメタアクリル酸エステル系多孔質架橋重合体粒子5.0重量部をアセトニトリル35.0重量部とトルエン15.0重量部から成る有機溶媒(I)中に分散した。これにポリビニル芳香族単量体(F)である工業用ジビニルベンゼン(ジビニルベンゼン純度81.5%)1.00重量部および重合開始剤(J)である2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.040重量部を添加し、窒素雰囲気下にて70℃に加熱して8時間重合を行うことにより、(メタ)アクリル酸エステル系架橋重合体粒子(A)の表面に芳香族系重合体(B)が存在する架橋重合体粒子を得た。 【0049】得られた架橋重合体粒子はメタノールにて洗浄を行うことにより、未重合のジビニルベンゼンやその他の残存物を除去した。 [実施例7((メタ)アクリル酸エステル系架橋重合体粒子(A)の表面に芳香族系重合体(B)が存在する架橋重合体粒子の調製)]撹拌器、コンデンサー、温度計及び窒素ガス導入管を備えた反応器中に(メタ)アクリル酸エステル系架橋重合体粒子(A)として、平均粒子径4μm、メタクリル酸メチル/エチレングリコールジメタクリレートの重量組成比が1/99であるメタアクリル酸エステル系多孔質架橋重合体粒子5.0重量部をアセトニトリル35.0重量部と脱塩水15.0重量部から成る有機溶媒(I)中に分散した。これにポリビニル芳香族単量体(F)である工業用ジビニルベンゼン(ジビニルベンゼン純度81.5%)1.00重量部および重合開始剤(J)である2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.040重量部を添加し、窒素雰囲気下にて70℃に加熱して8時間重合を行うことにより、(メタ)アクリル酸エステル系架橋重合体粒子(A)の表面に芳香族系重合体(B)が存在する架橋重合体粒子を得た。 【0050】得られた架橋重合体粒子はメタノールにて洗浄を行うことにより、未重合のジビニルベンゼンやその他の残存物を除去した。 [実施例8(逆相クロマトグラフィー分離方法による液体クロマトグラフィー充填剤としての応用)]実施例6および実施例7で得られた粒子を内径4.6mm、長さ150mmのステンレスカラムに充填し、水/アセトニトリル=50/50(体積比)混合溶媒を溶離液として流速1.0ml/minにて通液し、各種試料および間隙容量算出用の試料である硝酸ナトリウム水溶液の逆相高速液体クロマトグラフィー分析を行った。検出方法は254nmの紫外検出器にて行った。各種試料の保持比(k’)を表2に示す。 [比較例5]平均粒子径4μm、メタクリル酸メチル/エチレングリコールジメタクリレートの重量組成比が1/99であるメタアクリル酸エステル系多孔質架橋重合体粒子を内径4.6mm、長さ150mmのステンレスカラムに充填し、実施例8と同様の条件にて逆相高速液体クロマトグラフィー分析を行った。各種試料の保持比(k’)を表2に示す。 【0051】 【表2】
【0052】 【発明の効果】本発明の、(メタ)アクリル酸エステル系架橋重合体粒子(A)の表面に芳香族系重合体(B)が存在する構造を有する架橋重合体粒子は、(メタ)アクリル酸エステル系架橋重合体(A)が水−有機溶媒組成変化に対する膨潤度変化を最小限にし、かつ表面に存在する芳香族系重合体(B)が該芳香族系重合体に由来する吸着特性を発現することから、合成吸着剤等の分離剤として用いた場合に、運転条件の変化による層高変化、操作圧変化が少ない、また液体クロマトグラフィー充填剤として用いた場合に水−有機溶媒混合系溶離液中の水の組成変化により分離性能が低下しない、膨潤圧による充填剤の劣化を起こさない等と共に芳香族系重合体に由来する吸着特性を発現するという優れた特徴を有する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005968 【氏名又は名称】三菱化学株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年7月19日(2000.7.19) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100103997 【弁理士】 【氏名又は名称】長谷川 曉司
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| 【公開番号】 |
特開2002−30121(P2002−30121A) |
| 【公開日】 |
平成14年1月31日(2002.1.31) |
| 【出願番号】 |
特願2000−218193(P2000−218193) |
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