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【発明の名称】 アルキルヒドロキシアルキルセルロースの製造方法
【発明者】 【氏名】ボルフガング・ダンホルン

【氏名】ハルトビヒ・シユレジガー

【氏名】イエルン−ベルント・パネク

【氏名】ゲロルフ・バイスバツハ

【要約】 【課題】アルキルヒドロキシアルキルセルロースの効率のよい製造方法。

【解決手段】a)セルロースを、ハロゲン化アルキルを次の式:[AGU当たり当量のアルカリ金属水酸化物−1.4]〜[AGU当たり当量のアルカリ金属水酸化物+0.8]を使用して算出した量で含有する懸濁剤の存在下で、苛性水性溶液として用いられるアルカリ金属水酸化物AGU当たり1.5〜5.5当量を用いてアルカリ化し、b)アルカリ化したセルロースを、1種以上のアルキレンオキシドと、65℃を超える温度で反応させ、c)ハロゲン化アルキルを、再び、少なくとも、既に添加したAGU当たり当量のハロゲン化アルキル量と添加済みのAGU当たりのアルカリ金属水酸化物の量との差から成る量(但しこの量は最小限AGU当たり0.2当量)で添加し、d)得られたアルキルヒドロキシアルキルセルロースを反応混合物から分離しそして場合によっては精製する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 セルロースを、ハロゲン化アルキル及び1種以上のアルキレンオキシドと、アルカリの存在下で反応させることによるアルキルヒドロキシアルキルセルロースの製造方法であって、a)セルロースを、ハロゲン化アルキルを次の式:[AGU当たり当量のアルカリ金属水酸化物−1.4]〜[AGU当たり当量のアルカリ金属水酸化物+0.8]を使用して算出した量で含有する懸濁剤の存在下で、苛性水性溶液として用いられるアルカリ金属水酸化物AGU当たり1.5〜5.5当量を用いてアルカリ化し、b)アルカリ化したセルロースを、1種以上のアルキレンオキシドと、65℃を超える温度で反応させ、c)ハロゲン化アルキルを、再び、少なくとも、既に添加したAGU当たり当量のハロゲン化アルキル量と添加済みのAGU当たりのアルカリ金属水酸化物の量との差から成る量で、添加し、但しこの量は最小限AGU当たり0.2当量であり、そして、d)得られたアルキルヒドロキシアルキルセルロースを反応混合物から分離しそして場合によっては精製することを特徴とする方法。
【請求項2】 アルキルヒドロキシアルキルセルローズとして、好ましくはメチルヒドロキシプロピルセルロース(MHPC)を製造することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本明細書に記載された発明は、メチル基による特定のDS(置換度(degree ofsubstitution))、及び、ヒドロキシアルキル基、好ましくはヒドロキシエチル基及びヒドロキシプロピル基、特に好ましくはヒドロキシプロピル基による特定のMS(モル置換(molar substitution))を有する、アルキルヒドロキシアルキルセルロース、好ましくはメチルヒドロキシエチルセルロース(MHEC)及びメチルヒドロキシプロピルセルロース(MHPC)、特に好ましくは、メチルヒドロキシプロピルセルロースの製造方法を提供する。本発明の方法によれば、置換の比率及び全置換量並びに分子特性(最終粘度)により表される製品の構造上の特徴を、高い化学的収率及び良好な再現性を伴って、広く変動させることが可能である。得られた製品は、置換度に依存して、水溶性から有機溶媒可溶性まで広範囲であり、そして、多種多様な用途、例えば、無機分散性建築用材料における軟度調節剤及び加工助剤として、あるいは化粧用及び薬用調合品の製造用に使用することができる。
【0002】市場で用いられている代表的なメチルヒドロキシプロピルセルロース(MHPC)を含む2元のアルキルヒドロキシアルキルセルロースのグループを包含する、セルロースエーテルとして知られている種類の多い物質は、大学及び産業分野で数十年の間研究されてきて、何度も記述されてきた。化学的背景及び製造の原理(製造方法と工程段階)の総説並びに種々の誘導体の特性と応用の機会についての調査書及び記事が出されており、例えば、Houben−Weyl、Methoden der Organischen Chemie、Makromolekulare Stoffe、4th edition、vol.E20、p.2042(1987)に記載されている。
【0003】メチルヒドロキシプロピルセルロースのようなアルキルヒドロキシアルキルセルロースの製造のために記述されそして用いられている方法は、不均一系(物質の多相混合物)又は均一系(単相溶液など)いずれかの反応制御をベースとしている。工程自体は、バッチ法でも連続法でも行うことができる。更に、不均一反応法の場合、いわゆる気相法(液状の反応媒体を用いない)は、いわゆるスラリー法(液状反応媒体が存在下で行う)と区別されている。
【0004】アルキルヒドロキシアルキルセルロース、例えばメチルヒドロキシアルキルセルロースの製造に関して記述され、工業的に用いられている各種の方法は全て、以下に述べる化学的な反応原理に基づいている。
【0005】予備段階において、セルロース出発物質を、好ましくは苛性アルカリ溶液を用いて、活性化する。次いで、生成したアルカリ金属セルロースを、相当するアルキレンオキシド及び塩化メチルと強制反応させ、場合によっては使用された過剰のアルカリは、化学量論以上の塩化メチルで適宜中和する。続く精製段階において、好ましくは熱水で洗浄することにより、生成した塩と他の二次生成物を除去する。
【0006】DE−A2402740,US−A2949452及びEP−B134465に、MHPC製造用の、エーテル化反応中に液体又は凝縮媒体が存在しない、いわゆる気相プロセスが記載されている。このプロセスを用いる場合、置換(DSとMS値)を、広い範囲で変えることができる。しかしながら、液状熱伝導媒体を欠くため、化学反応の発熱特性を十分に制御することができず、加うるに、用いられたアルカリ及び反応物の分布に関して問題がある。これは、概して、中程度に過ぎない置換の再現性及び制御されていない比較的激しい分子量の低下となって現れており、この結果、製品の性質にばらつきが起こることになる。更に、激しい分子量低下があるので、高粘度製品は気相プロセスによっては得ることができない。
【0007】気相プロセスの議論で述べられた問題点は、液状反応媒体の存在下では、もしあったばあいでも非常に小さい程度でしか起こっていない。従って、いわゆるスラリープロセスでは、不活性有機溶媒、過剰の反応物塩化メチル又はそれらの適当な混合物は、通常分散媒体兼熱伝導媒体として機能している。活性化及び反応段階で反応媒体が存在すると、一方では、セルロースのより均一なアルカリ化及び反応物のより良好なアルカリ金属セルロースへの移行により、より高い再現性及びより高い化学的収率を伴ったより均一な置換反応が行われる。他方では、この方法は、効果的な熱消散の結果、全体的により制御し易く、局部的過熱の回避により、分子量の低下が明らかに抑制されており、その結果非常に高い粘度の製品をも得ることができる。これらの化学工学上及び製品品質上の利点により、工業的規模で用いられる製造方法では、スラリー法が大々的に展開されてきた。
【0008】標準的スラリー法の欠点は、反応物であるアルキレンオキシド及び塩化メチレンの全量がエーテル化反応段階中お互いに隣接して存在しており、置換度MSを限定された範囲内でしか調整することができないということである。例えば、メチルヒドロキシプロピルセルロースの場合、もっぱら、DS(メチル)が高くMS(ヒドロキシプロピル)が低い生成物が、反応物の式通りの併行反応により生産される。逆の種類の生成物、即ち、MS(ヒドロキシプロピル)が高くてDS(メチル)が平均ないし低い生成物は、たとえプロピレンオキシドの使用量を増したとしても、反応速度理論上の理由から、この種の方法を用いて得ることはできない。しかしながら、上述の高プロポキシ化MC誘導体は、多くの独自の特性という点で興味がある。
【0009】USA4096325によると、高プロポキシ化MC誘導体は、ヒドロキシプロピル化及びメチル化反応を、大きく分離した状態を保つ方法で行なえば、製造することができる。例えば、EP−A567869には、丁度この種の方法として、生成されるアルカリ金属セルロースの、最初にプロピレンオキシドとの、次いで溶媒中で塩化メチレンとの段階的反応が記載されている。この方法では、DS及びMS値を広い範囲に渉って変えることができる。
【0010】段階的反応制御で規定された方法の場合、ヒドロキシプロピル化は、通常高温で行われる。他方、本質的に発熱的に進行する反応であるメチル化反応は比較的低い温度で対向冷却を伴って行われる。長い工程時間とエネルギーの向流ゆえに、このプロセスは、経済的に採算をとる大規模製造にとってはあまり適切ではない。その上、反応段階の分離が増すにつれて、気相反応におけると同様に、置換の均一性及び再現性、温度制御並びに分子量低下(最終粘度)に関して問題点が生じる。
【0011】これまで開発され記述されてきた各種の製造方法における上記の欠点のために、スラリー法の化学工学及び製品品質上の利点並びに経済上の利点の両面を、収率と広い範囲での置換度MS及びDSの相対的比率の調節に関して気相法が持っている柔軟性と共に、提供する方法が継続的に求められている。
【0012】それゆえ、本発明に対する背景は、高い再現性及び化学的収率を伴って広い範囲の置換度MSとDS及び製品粘度の変動を容易にする、例えばメチルヒドロキシエチルセルロース及びメチルヒドロキシプロピルセルロースのようなアルキルヒドロキシアルキルセルロースの製造方法の供給であった。
【0013】驚くべきことに、この問題に対する解決策は、今まで化学工学的及び経済的実効可能性に関して、極く限定的な程度でのみ得ることができていた又は全く得ることができなかった製品が、反応系の化学量論に対する比較的低い度合いの修正と、熱的に強力に強制されたプロセス制御を伴ったスラリー法の形で得られるというタイプであることが見出された。
【0014】本発明は、苛性アルカリ溶液と1種以上の懸濁剤の存在下でのセルロースとアルキル化剤からのアルキルヒドロキシアルキルセルロースの製造、並びに好ましくは熱水での洗浄又は有機媒体での洗浄による反応生成物の分離及び精製のための、先行技術に比較して改良された方法を提供する。
【0015】本発明は、セルロースの、1種以上のハロゲン化アルキル及び1種以上のアルキレンオキシドとのアルカリの存在下での反応からのアルキルヒドロキシアルキルセルロースの製造方法であって、a)セルロースを、ハロゲン化アルキルを以下の式から算出した量A[AGU当たり当量のアルカリ金属水酸化物−1.4]〜[AGU当たり当量のアルカリ金属水酸化物+0.3]で含有する懸濁剤の存在下で、主として苛性水溶液として用いられるアルカリ金属水酸化物AGU当たり1.5〜5.5当量を用いてアルカリ化し、b)アルカリ化したセルロースを、1種以上の異なったアルキレンオキシドと、65℃を超える温度で反応させ、次いで、c)追加のハロゲン化アルキルを、既に添加したAGU当たり当量のハロゲン化アルキル量Aと添加済みのAGU当たりのアルカリ金属水酸化物の量との差である量Bで、添加し、但し量BはAGU当たり少なくとも0.2当量であり、そして、d)必要な場合には、追加のアルキレンオキシドを65℃を超える温度で添加し、化学的に反応させそしてe)得られたアルキルヒドロキシアルキルセルロースを反応生成物混合物から分離し、必要な場合には、精製することを特徴とする方法を提供する。
【0016】本発明による改良された製造方法で用いられる反応技術の中心特徴は、先ず定められた量と比率のハロゲン化アルキルと分散剤の存在下でセルロースをアルカリ化(活性化)し、第一の段階では規定量のアルキレンオキシドの目標を定めた添加により部分的にエーテル化し、そして第二の段階でエーテル化を完結させることであり、各回、追加の規定量のハロゲン化アルキルを添加し、必要な場合には、続いて追加のアルキレンオキシドを添加することである。
【0017】挙げることができる適切な出発物質は、木材パルプ又は綿リンターの形でのセルロースである。更に、例えばグアガム、デンプン等のような他の多糖類も用いることができる。エーテル化生成物の溶液粘度は、多糖類の適当な選択によって広い範囲で変動させることができる。粉砕した木材パルプ及び粉砕したリンターセルロースあるいはこれらの混合物が好ましい。
【0018】多糖類のアルカリ化(活性化)は、無機塩、好ましくは、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物水溶液、好ましくは35〜60重量%濃度の苛性ソーダ溶液、特に好ましくは48〜52重量%濃度の苛性ソーダ溶液中で、行われる。
【0019】使用される懸濁剤は、ジメチルエーテル(DME)、例えばシクロヘキサン又はペンタンのようなC5−C10 −アルカン類、例えばベンゼン又はトルエンのような芳香族化合物、例えばi−プロパノール又はt−ブタノールのようなアルコール類、例えばブタノン又はペンタノンのようなケトン類、例えばジエトキシエタン又は1,4−ジオキサンのような鎖状又は環状エーテル類及び既述の分散剤の種々の重量比率の混合物であることができる。特に好ましい不活性懸濁剤はジメチルエーテル(DME)である。
【0020】O−アルキル化に好ましい化合物は、例えば好ましくは塩化メチル(MCL)、塩化エチル、臭化エチル、及び例えば沃化プロピルのようなハロゲン化プロピルのような直鎖状又は分岐状のC1〜C6のハロゲン化アルキルである。塩化メチル及び塩化エチルが好ましく、特に好ましくは塩化メチルである。モノクロル酢酸、N−(2−クロロエチル)ジエチルアミン及びビニル硫酸のようなイオン機能を持ったアルキル化試薬も用いることができる。ヒドロキシアルキル基を導入するのに適切な試薬は、好ましくはエチレンオキシド(EO)、プロピレンオキシド(PO)、ブチレンオキシド(BO)及びアクリロニトリルである。プロピレンオキシドが特に好ましい。製造工程中での、ゆるやかな可変性のセルロースエーテルの架橋のために、例えば好ましくはジクロロエタン又はエピクロルヒドリンのような二官能性試薬を使用することができる。
【0021】本発明によるプロセスは、二元、三元、及び四元アルキルヒドロキシアルキルセルロース(AHAC)を製造するのに、好ましくは二元誘導体メチルヒドロキシエチルセルロース(MHEC)及びメチルヒドロキシプロピルセルロース、特に好ましくはメチルヒドロキシプロピルセルロースを製造するのに用いられる。
【0022】実際にこのプロセスを実施する場合には、粉砕した又は切り刻んだセルロースを、通常最初不活性の条件に導入する。次いで、セルロース基体をDME/MCLI混合物中に分散させるが、ここでDME/MCLIの重量比は70:30〜20:80で、好ましくは重量比65:35〜40:60で、特に好ましくは重量比60:40〜50:50である。最初の工程段階でのMCLIの量は次のような特徴がある(ここで、単位「当量」は用いられるセルロースの無水グルコース単位(AGU)に対する個々の供給物質のモル比を表す):最少MCLI当量=NaOH当量/AGU−1.4そして最大MCLI当量=NaOH当量/AGU+0.8。最初のプロセス段階での、好ましいMCLI量は、最少当量MCLI=当量NaOH/AGU−1.0で、最大当量MCLI=当量NaOH/AGU+0.3 である。最初のプロセス段階での、特に好ましいMCLI量は、最少MCLI当量=NaOH当量/AGU−0.5で、最大MCLI当量=NaOH当量/AGU+0.1である。最初のプロセス段階での、更に特に好ましいMCLI量は、最少MCLI当量=NaOH当量/AGU−0.5で、最大MCLI当量=NaOH当量/AGU−0.1である。
【0023】使用されるセルロースのアルカリ化は、1.5〜5.5当量NaOH/AGU、好ましくは2.2〜3.0当量NaOH/AGU、特に好ましくは2.4〜2.9当量NaOH/ AGUで行う。通常、アルカリ化は15〜50℃の温度で、好ましくは約40℃で、20〜80分間で、好ましくは30〜60分で行う。NaOHは、好ましくは35〜60重量%濃度の水溶液の形で、特に好ましくは48〜52重量%濃度の苛性ソーダ溶液として用いる。
【0024】アルキル化段階の後、例えばメチルヒドロキシプロピルセルロースの製造時にはプロピレンオキシド(PO)のようなヒドロキシアルキル化剤を添加し、加熱により反応を熱的に強制的に進行させる。ヒドロキシアルキル化剤の添加は加熱段階中に行なってもよい。ヒドロキシアルキル化剤(例えばPO)とMCLIの間の反応は、60〜110℃、好ましくは70〜90℃、特に好ましくは75〜85℃で行なう。添加されるPOの量は、必要とされる置換の程度に依存して、個々に調整される。現在の応用範囲で一般的に使用されているMHPC製品に関しては、使用されるPO量は、0.1〜5当量/AGUで、好ましくは0.2〜2.5当量/AGUで、特に好ましくは0.4〜1.6当量/AGUである。反応系へのPOの添加は、一度に全部、又は数回の添加ステップに分けて行うことができる。添加は、1ステップで行うのが好ましく、アルカリ化段階終了直後に1ステップで行うのが特に好ましい。
【0025】最初のエステル化段階の後、実質上冷却せずに、所望のメチル基での置換度に必要な量であって、最少MCLII当量=NaOH当量−MCLI当量+0.3、又は、上記の式を用いて計算したMCLIIの量が0.2当量MCL/AGUより少ない場合、最少MCLII当量=0.2当量MCL/AGUであることを特徴とする量のMCLIIを添加する。好ましくは、MCLII当量=1〜3.5当量MCL/AGUで、特に好ましくは、MCLII当量=1.5〜2.5当量MCL/AGUが用いられる。MCLIIの添加は、65℃以上、好ましくは75〜90℃の温度又はヒドロキシアルキル化段階の最後に現れる温度で行う。
【0026】第2のエステル化段階の完了後、全ての揮発成分は、場合によっては減圧下で、蒸留により除去する。得られた製品の精製、乾燥及び粉砕は、先行技術に従ってセルロース誘導体セクターで通常用いられている方法を用いて行う。
【0027】以下の実施例は、本発明の方法の説明及び得られた製品の記述を目的としており、本発明を限定するものではない。
【0028】実施例以下の製造実施例において、単位「当量」は、使用したセルロ−スの無水グルコ−ス単位(AGU)に対する個々の原料のモル比を表す。
実施例1〜7(MHPC)
5リットルのオ−トクレ−ブ中に、真空排気しそして窒素の再充填による不活性雰囲気下、綿リンタ−(含水量:6.6%、銅エチレンジアミン中のGI:1480ml/g )260gを入れる。次いで、ジメチルエ−テルxg及び塩化メチルy当量の混合物を反応器に加える。次いで、水酸化ナトリウム2.6当量を、50重量%濃度のカセイソ−ダ水溶液の形で、攪拌しながら、セルロ−ス上に吹き付ける。25℃で60分間攪拌後、酸化プロピレン0.8当量を反応器に添加し、そして混合物を85℃に加熱する。85℃で120分間攪拌後、塩化メチルz当量を、この温度で反応器に添加する。反応をさらに120分間85℃で続け、そして混合物を冷却する。揮発性成分を蒸留で除去し、そして反応器を排気する。粗生成物を熱水で2回洗浄し、そして次いで乾燥し、粉砕する。
【0029】このようにして得られたメチルヒドロキシプロピルセルロ−スエ−テルの、メチル基による置換度DS(M)、ヒドロキシプロピル基による置換度MS(HP)及び2重量%濃度の水溶液における粘度(V2、mPa.s)(回転粘度計、速度=2.55s-1、20℃)を表1に示す。NaCl含量は、全ての場合において0.1重量%未満であった。
【0030】
【表1】

【0031】実施例8〜14(MHPC)
5リットルのオ−トクレ−ブ中に、真空排気後窒素の再充填による不活性雰囲気下、綿リンタ−(含水量:6.6%、銅エチレンジアミン中のGI:1480ml/g )260gを入れる。次いで、ジメチルエ−テルxg、及び塩化メチルy当量の混合物を反応器に加える。次いで、水酸化ナトリウム2.6当量を、50重量%濃度のカセイソ−ダ水溶液の形で、攪拌しながら、セルロ−ス上に吹き付ける。25℃で60分間攪拌の後、酸化プロピレン0.8当量を反応器に添加し、そして混合物を85℃に加熱する。85℃で、40分間攪拌後、さらに酸化プロピレン 1.0当量を反応器に10分間に渉って添加する。85℃でさらに70分間攪拌後、クロロメタンz当量を、この温度で反応器に添加する。反応をさらに120分間85℃で続け、次いで混合物を冷却する。揮発性成分を蒸留で除去、そして反応器を排気する。粗生成物を、熱水で2回洗浄し、次いで乾燥し、粉砕する。
【0032】このようにして得られたメチルヒドロキシプロピルセルロ−スエ−テルの、メチル基による置換度DS(M)、ヒドロキシプロピル基による置換度MS(HP)及び2重量%濃度の水溶液における粘度(V2、mPa.s)(回転粘度計、速度=2.55s-1、20℃)を表2に示す。NaCl含量は、全ての場合において0.1重量%未満である。
【0033】
【表2】

【0034】実施例15〜20(MHPC)
5リットルのオ−トクレ−ブ中に、真空排気後窒素再充填による不活性雰囲気下、綿リンタ−(含水量:5.5%、銅エチレンジアミン中のGI:1480ml/g )257gを入れる。次いで、ジメチルエ−テル201g、及びクロロメタンy当量の混合物を反応器に加える。次いで、水酸化ナトリウム2.6当量を、50重量%濃度のカセイソ−ダ水溶液の形で、攪拌しながら、セルロ−ス上に吹き付ける。25℃で60分間攪拌の後、酸化プロピレンv当量を反応器に添加し、そして混合物を85℃に加熱する。85℃で、180分間攪拌後、クロロメタンz当量をこの温度で反応器に添加する。次いで、反応をさらに120分間85℃で続け次いで混合物を冷却する。揮発性成分を蒸留で除去し、そして反応器を排気する。粗生成物を、熱水で2回洗浄し、次いで乾燥し、粉砕する。
【0035】このようにして得られたメチルヒドロキシプロピルセルロ−スエ−テルの、メチル基による置換度DS(M)、ヒドロキシプロピル基による置換度MS(HP)及び2重量%濃度の水溶液における粘度(V2、mPa.s)(回転粘度計、速度=2.55s-1、20℃)を表3に示す。NaCl含量は、全ての場合において0.1重量%未満である。
【0036】
【表3】

【0037】実施例21〜28(MHPC)
5リットルのオ−トクレ−ブ中に、真空排気後窒素再充填による不活性雰囲気下で、綿リンタ−(含水量:2.8%、銅エチレンジアミン中のGI:1750ml/g )250gを入れる。次いで、ジメチルエ−テルxg及び塩化メチル164g(=y1)の混合物を反応器に加える。次いで、水酸化ナトリウム2.6当量を、50重量%濃度のカセイソ−ダ水溶液の形で、攪拌しながら、セルロ−ス上に吹き付ける。25℃で60分間攪拌の後、酸化プロピレン0.8当量を反応器に添加し、そして混合物を85℃に加熱する。85℃で、120分間攪拌後、さらに塩化メチル64g(=y2)を、この温度で反応器に添加する。反応をさらに120分間85℃で続け、そしてこの混合物を冷却する。揮発性成分を蒸留で除去し、そして反応器を排気する。粗生成物を、熱水で2回洗浄し、次いで乾燥し、粉砕する。
【0038】このようにして得られたメチルヒドロキシプロピルセルロ−スエ−テルの、メチル基による置換度DS(M)、ヒドロキシプロピル基による置換度MS(HP)及び2重量%濃度の水溶液における粘度(V2、mPa.s)(回転粘度計、速度=2.55s-1、20℃)を表4に示す。NaCl含量は、全ての場合において0.1重量%未満である。
【0039】
【表4】

【0040】実施例29〜30(MHBC)
5リットルのオ−トクレ−ブ中に、真空排気後窒素再充填による不活性雰囲気下で、綿リンタ−(含水量:2.8%、銅エチレンジアミン中のGI:1750ml/g )250g(1.5モル)を入れる。次いで、ジメチルエ−テルxg及び塩化メチルy当量の混合物を反応器に加える。次いで、水酸化ナトリウム2.6当量を、50重量%濃度のカセイソ−ダ水溶液の形で、攪拌しながら、セルロ−ス上に吹き付ける。25℃で60分間攪拌の後、酸化ブチレン108gを反応器に添加し、そして混合物を85℃に加熱する。85℃で、180分間攪拌後、塩化メチル z当量を、この温度で反応器に添加する。次いで、反応をさらに120分間85℃で続け次いで混合物を冷却する。揮発性成分を蒸留で除去し、そして反応器を排気する。粗生成物を、熱水で2回洗浄し、次いで乾燥し、粉砕する。
【0041】このようにして得られたメチルヒドロキシプロピルセルロ−スエ−テルの、メチル基による置換度DS(M)、ヒドロキシプロピル基による置換度MS(HP)及び2重量%濃度の水溶液における粘度(V2、mPa.s)(回転粘度計、速度=2.55s-1、20℃)を表5に示す。NaCl含量は、全ての場合において0.1重量%未満である。
【0042】
【表5】

【0043】実施例31〜32(MHEHPC)
5リットルのオ−トクレ−ブ中に、真空排気後窒素再充填による不活性雰囲気下で、綿リンタ−(含水量:2.8%、銅エチレンジアミン中のGI:1750ml/g )250g(1.5モル)を入れる。次いで、ジメチルエ−テルxg及び塩化メチルy当量の混合物を反応器に加える。次いで、水酸化ナトリウム2.6当量を、50重量%濃度のカセイソ−ダ水溶液の形で、攪拌しながら、セルロ−ス上に吹き付ける。25℃で60分間攪拌の後、酸化プロピレン0.6当量及び酸化エチレン0.4当量を反応器に添加し、そして混合物を85℃に加熱する。85℃で、120分間攪拌後、塩化メチルz当量を、この温度で反応器に添加する。反応をさらに120分間85℃で続け、次いでこの混合物を冷却する。揮発性成分を蒸留で除去し、そして反応器を排気する。粗生成物を熱水で2回洗浄し、次いで乾燥し、粉砕する。
【0044】このようにして得られたメチルヒドロキシプロピルセルロ−スエ−テルの、メチル基による置換度DS(M)、ヒドロキシエチル基による置換度MS(HE)、ヒドロキシプロピル基による置換度MS(HP)及び2重量%濃度の水溶液における粘度(V2、mPa.s)(回転粘度計、速度=2.55s-1、20℃)を表6に示す。NaCl含量は、全ての場合において0.1重量%未満である。
【0045】
【表6】

【0046】実施例33〜34(MHBHPC)
5リットルのオ−トクレ−ブ中に、真空排気後窒素再充填による不活性雰囲気下で、綿リンタ−(含水量:4.2%、銅エチレンジアミン中のGI:1750ml/g )254gを入れる。次いで、ジメチルエ−テルxg及び塩化メチルy当量の混合物を反応器に加える。次いで、水酸化ナトリウム2.6当量を、50重量%濃度のカセイソ−ダ水溶液の形で攪拌中のセルロ−ス上に吹き付ける。25℃で60分間攪拌の後、酸化ブチレン0.5当量及び酸化プロピレン0.5当量を反応器に添加し、そして混合物を85℃に加熱する。85℃で、180分間攪拌後、クロロメタンz当量を、この温度で反応器に添加する。ついで、反応をさらに120分間85℃で続け、次いでこの混合物を冷却する。揮発性成分を蒸留で除去し、そして反応器を排気する。粗生成物を、熱水で2回洗浄し、次いで乾燥し、粉砕する。
【0047】このようにして得られたメチルヒドロキシプロピルセルロ−スエ−テルの、メチル基による置換度DS(M)、ヒドロキシブチル基による置換度MS(HB)、ヒドロキシプロピル基による置換度MS(HP)及び2重量%濃度の水溶液における粘度(V2、mPa.s)(回転粘度計、速度=2.55s-1、20℃)を表7に示す。NaCl含量は、全ての場合において0.1重量%未満である。
【0048】
【表7】

【0049】以下に本発明の本質的な特徴と好ましい態様を列挙する。
【0050】1. セルロースを、ハロゲン化アルキル及び1種以上のアルキレンオキシドと、アルカリの存在下で反応させることによるアルキルヒドロキシアルキルセルロースの製造方法であって、a)セルロースを、ハロゲン化アルキルを次の式:[AGU当たり当量のアルカリ金属水酸化物−1.4]〜[AGU当たり当量のアルカリ金属水酸化物+0.8]を使用して算出した量で含有する懸濁剤の存在下で、苛性水性溶液として用いられるアルカリ金属水酸化物AGU当たり1.5〜5.5当量を用いてアルカリ化し、b)アルカリ化したセルロースを、1種以上のアルキレンオキシドと、65℃を超える温度で反応させ、c)ハロゲン化アルキルを、再び、少なくとも、既に添加したAGU当たり当量のハロゲン化アルキル量と添加済みのAGU当たりのアルカリ金属水酸化物の量との差から成る量で、添加し、但しこの量は最小限AGU当たり0.2当量であり、そして、d)得られたアルキルヒドロキシアルキルセルロースを反応混合物から分離しそして場合によっては精製することを特徴とする方法。
【0051】2. ジメチルエーテルを懸濁剤として使用することを特徴とする上記1項に記載の方法。
【0052】3. ハロゲン化アルキルとして、塩化メチル、塩化エチル、臭化エチル及び沃化プロピルから成る群から選ばれるハロゲン化アルキルを使用することを特徴とする上記1〜2項のいずれかに記載の方法。
【0053】4. 段階a)において、塩化メチルをハロゲン化アルキルとして使用し、そしてジメチルエーテル/塩化メチル比が、70:30〜20:80重量部であることを特徴とする上記1〜3項のいずれかに記載の方法。
【0054】5. アルキレンオキシドとして、エチレンオキシド、プロピレンオキシド及びブチレンオキシドから成る群から選ばれる1種以上のアルキレンオキシドを単独に又は混合物として使用することを特徴とする上記1〜4項のいずれかに記載の方法。
【0055】6. アルカリ化されたセルロースを、段階b)及びc)において、65〜110℃の範囲の温度で、1種以上のアルキレンオキシド及び少なくとも1種のハロゲン化アルキルと反応させ、段階c)において添加されるハロゲン化アルキルの添加を、この温度範囲で行うことを特徴とする上記1〜5項のいずれかに記載の方法。
【0056】7. アルキルヒドロキシアルキルセルローズとして、好ましくはメチルヒドロキシプロピルセルロース(MHPC)を製造することを特徴とする上記1項に記載の方法。
【出願人】 【識別番号】391023585
【氏名又は名称】ヴオルフ・ヴアルスロデ・アクチエンゲゼルシヤフト
【氏名又は名称原語表記】WOLFF WALSRODE AKTIENGESELLSCHAFT
【出願日】 平成13年8月2日(2001.8.2)
【代理人】 【識別番号】100060782
【弁理士】
【氏名又は名称】小田島 平吉
【公開番号】 特開2002−201201(P2002−201201A)
【公開日】 平成14年7月19日(2002.7.19)
【出願番号】 特願2001−234595(P2001−234595)