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酸化触媒及びこれを用いる芳香族カルボン酸類の製造方法 - 特開2002−155015 | j-tokkyo
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【発明の名称】 酸化触媒及びこれを用いる芳香族カルボン酸類の製造方法
【発明者】 【氏名】滝口 真

【氏名】市川 修治

【要約】 【課題】ハロゲン化アルキル芳香族炭化水素の気相接触酸化によりハロゲン化安息香酸を商業的に効率よく製造するための触媒及びその触媒を用いるハロゲン化安息香酸の製造方法の提供。

【解決手段】1.チタン及びタングステンを含有してなることを特徴とする芳香族炭化水素類の気相接触酸化触媒。2.芳香族炭化水素類を1項に記載の触媒の存在下、酸素により気相接触酸化することを特徴とする芳香族カルボン酸類の製造方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 チタン及びタングステンを含有してなることを特徴とする芳香族炭化水素類の気相接触酸化触媒。
【請求項2】 チタン対タングステンの原子比が40:1〜1:5である請求項1に記載の触媒。
【請求項3】 チタン源及びタングステン源がそれぞれ酸化チタン及び酸化タングステンである請求項1又は2に記載の触媒。
【請求項4】 芳香族炭化水素類を請求項1ないし3のいずれかに記載の触媒の存在下、酸素により気相接触酸化することを特徴とする芳香族カルボン酸類の製造方法。
【請求項5】 原料の芳香族炭化水素類及び生成した芳香族カルボン酸類がそれぞれ下記一般式(I)及び(II)で表される化合物である請求項4に記載の製造方法。
【化1】

(式(I)又は(II)において、Rは炭素数1又は2の炭化水素基を表し、X1、X2 、X3 、X4 及びX5 は、それぞれ独立して、水素原子又はハロゲン原子を表す)
【請求項6】 酸化反応を200〜600℃で行う請求項4又は5に記載の製造方法。
【請求項7】 式(I)の化合物がハロゲン化アルキルベンゼンであり、且つ式(II)の化合物がハロゲン化安息香酸である請求項5に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チタン及びタングステンを含有してなる芳香族炭化水素類の気相接触酸化触媒及びこれを用いる芳香族カルボン酸類の製造方法に関する。本発明によれば、例えばハロゲン化アルキルベンゼン類の気相接触酸化によりハロゲン化安息香酸を効率よく製造することができる。
【0002】ハロゲン化安息香酸類は染料、医農薬及び各種機能材料等の中間体として重要な化合物であり、その分子中に塩素原子及び/又は臭素原子を有するハロゲン化安息香酸類は医農薬中間体として特に重要な化合物である。
【0003】
【従来の技術】ハロゲン化アルキルベンゼン類を酸化してハロゲン化安息香酸類を製造する方法については、これ迄にいろいろな方法が提案されている。例えば、p−クロロトルエンをシリカに担持したクロム触媒でp−クロロ安息香酸を合成する方法(Chemical Communication(Cambrige),1998,(18),1949〜1950)、p−クロロスチレンからコバルトアセチルアセトネート触媒でp−クロロ安息香酸を合成する方法(Tetrahedron Letters,1995,36,52,9461〜9464)、p−及びo−クロロトルエンからp−及びo−のクロロ安息香酸を臭素化酢酸コバルト触媒で合成する方法(Canadian Journalof Chemistry,1965,43,1306〜1317)、塩素化及び臭素化のハロゲン化ベンズアルデヒド又はトルエンから臭素酸ナトリウム及び臭素酸銀存在下、ハロゲン化安息香酸を合成する方法(Bulletin of the Chemical Society of Japan,1995,68,2319〜2325)、酢酸溶媒中遷移金属臭化物触媒存在下、ハロゲン化アルキル芳香族から臭素又は塩素置換芳香族カルボン酸を合成する方法(特開平8−225488号公報)が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これらの方法はいずれも液相反応で回分式で行われており、工業的に実施する場合には生産効率が高くはない。本発明は、芳香族炭化水素類、特にハロゲン化アルキル芳香族炭化水素類の気相接触酸化触媒、及びこれを用いて芳香族カルボン酸類、特にハロゲン化安息香酸類を効率よく製造する方法を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる事情に鑑み鋭意検討した結果、チタン及びタングステンを含有してなる触媒を用いてハロゲン化アルキルベンゼンを気相酸化することによりハロゲン化安息香酸を収率よく製造し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明の要旨は、1.チタン及びタングステンを含有してなることを特徴とする芳香族炭化水素類の気相接触酸化触媒2.芳香族炭化水素類を1項に記載の触媒の存在下、酸素により気相接触酸化することを特徴とする芳香族カルボン酸類の製造方法、にある。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明する。
(芳香族炭化水素類の気相接触酸化触媒)本発明の芳香族炭化水素類の気相接触酸化触媒は、チタン及びタングステンを含有してなるものである。チタン源及びタングステン源としては、特に限定されるものではないが、酸化チタン及び酸化タングステンが好ましい。
【0008】酸化チタンとしては、一酸化チタン、三二酸化チタン、二酸化チタンがあるが、これらの中、二酸化チタンが好ましい。なお、二酸化チタンの製造方法については、特に限定されるものではなく、その原料としては、四塩化チタン、チタン酸、水酸化チタン、硫酸チタン等を用いることができる。
【0009】また、酸化タングステンとしては、二酸化タングステン、五酸化二タングステン、三酸化タングステン等が用いられる。例えば、三酸化タングステンの製造方法については、特に限定されるものではないが、その原料としては、アルカリ金属又はアルカリ土類金属塩(Na2 WO4 、K2 WO4 等)、(NH4 2 WO4 パラタングステン酸アンモニウム、メタタングステン酸アンモニウム、ハロゲン化タングステン等の可溶性タングステン化合物が好ましく用いられる。
【0010】本発明の触媒の製造方法については、特に限定されるものではなく、公知の常用の方法を用いることができる。例えば、四塩化チタンのようなチタン化合物とタングステン酸アンモニウムのようなタングステン化合物との均一混合溶液を加熱濃縮乾燥し、焼成する方法、酸化チタン又は酸化チタン前駆体と水溶性タングステン化合物とを混合及び/又は混練後、焼成する方法、酸化チタンを担体として可溶性タングステン化合物を含浸後、焼成する方法、CVD方法、これらの組み合わせによる方法等を挙げることができる。
【0011】そして、TiとWとの原子比は、40:1〜1:5が好ましく、30:1〜1:2がより好ましい。Ti/Wの比が40/1より大きくなると、低活性となり、一方、Ti/Wの比が1/5より小さくなると、低選択性となる。なお、チタン及びタングステン以外の第三の触媒成分については、本発明の触媒の性能を著しく損わない限り、添加してもよい。
【0012】また、本発明の触媒は、必要に応じて、種々の成型助剤、例えばポリビニルアルコール等のバインダーや無機繊維等の補強材を配合して、所望の形状の成型、或いは成型体の強度を高めることができる。更に、必要に応じて、触媒をシリカ、アルミナ、マグネシア、ジルコニア等を担体として担持させることや希釈材として混合希釈することもできる。また、本発明による触媒は、形状においても何ら限定されるものではなく、ペレット状、粒状、ハニカム状等必要に応じて選ばれる。
【0013】(芳香族カルボン酸類の製造方法)本発明の芳香族カルボン酸類の製造方法は、前記触媒の存在下、芳香族炭化水素類、好ましくはハロゲン化アルキル芳香族炭化水素類、より好ましくはハロゲン化アルキルベンゼン類を酸素により気相接触酸化して芳香族カルボン酸類、好ましくはハロゲン化芳香族カルボン酸類、より好ましくはハロゲン化安息香酸類を製造するものである。
【0014】原料の芳香族炭化水素類及び生成物の芳香族カルボン酸類としては、特に限定されるものではないが、原料としては一般式(I)の化合物が好ましく、生成物としては一般式(II)の化合物が好ましい。
【0015】
【化2】

【0016】(式(I)又は(II)において、Rは炭素数1又は2の炭化水素基を表し、X1、X2 、X3 、X4 及びX5 は、それぞれ独立して、水素原子又はハロゲン原子を表す)
式(I)において、Rの具体例としては、例えばメチル基、エチル基、ビニル基等が挙げられる。これらの中、メチル基が好ましい。
【0017】また、X1 、X2 、X3 、X4 及びX5 については、少なくとも一個がハロゲン原子であることが好ましい。ハロゲン原子の具体例としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられるが、これらの中、塩素原子及び臭素原子が好ましく、塩素原子が特に好ましい。そして、式(I)の化合物の好ましいものはハロゲン化アルキルベンゼンでありその具体例としては、例えばトルエン、m−クロロトルエン、p−クロロトルエン、o−ブロモトルエン、m−ブロモトルエン、p−ブロモトルエン、o−クロロエチルベンゼン、m−クロロエチルベンゼン、p−クロロエチルベンゼン、o−ブロモエチルベンゼン、m−ブロモエチルベンゼン、p−ブロモエチルベンゼン、等が挙げられる。
【0018】また、式(II)の化合物の好ましいものはハロゲン化安息香酸であり、その具体例としては、例えばo−クロロ安息香酸、m−クロロ安息香酸、p−クロロ安息香酸、o−ブロモ安息香酸、m−ブロモ安息香酸、p−ブロモ安息香酸、等が挙げられる。本発明によるハロゲン化安息香酸の製造は、例えば前記触媒を充填した反応管に原料のハロゲン化アルキルベンゼン及び酸素含有ガスの混合物を供給して気相で行われる。
【0019】触媒単位容積当りの原料ガス混合物の供給速度(LHSV(1/hr))は、通常0.1〜50、好ましくは0.2〜10である。反応に用いる酸素源としては、例えば空気のような酸素含有ガスが用いられる。空気の場合、その量はハロゲン化アルキルベンゼンのガス1容量に対して、通常0.05〜2.0容量、好ましくは0.2〜2.0容量である。
【0020】反応温度については、通常200〜600℃、好ましくは300〜500℃である。温度が低過ぎると目的生成物の収率が低く、高過ぎると目的生成物の選択率が低下する。また、反応圧力については、通常常圧であるが、必要に応じて加圧又は減圧下で行うこともできる。更に反応形式についても、特に限定されるものではないが、通常の固定床の外、移動床や流動床を用いることもできる。
【0021】
【実施例】以下に示す実施例により、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、これらの実施例により限定されるものではない。
実施例−1(触媒調製)水酸化チタンスラリーとメタタングステン酸アンモニウム水溶液を均一に混合し、更に、混練しつつ加熱濃縮後、押し出し成型した。押し出し成型触媒は110℃で1晩乾燥し、次に、得られた固体をマッフル炉にて500℃で焼成して本発明の触媒を得た。得られた触媒は、1〜2mmの大きさに破砕整粒して反応に供した。
【0022】該触媒は金属原子比で、Ti:W=10:1であった。
(反応評価)得られた触媒2mlを内径7mmの石英反応管に充填し、空気流通下、350℃まで昇温を行う。所定温度になった後、所定量の空気、水及びp−クロロトルエンを反応管に導入し、LHSV(液空間速度)=1.92/hr、p−クロロトルエン=0.064ml(液)/分、水=0.026ml(液)/分、空気=26ml(ガス)/分、の条件で反応を開始し、一定時間で反応を終了し、反応管出口に設けた受器内の液と反応管触媒層以降に付着した固体を回収してガスクロマトグラフィーにより分析した結果、p−クロロトルエン転化率は10.3%、p−クロロ安息香酸の選択率は61.0%であった。
【0023】実施例−2(触媒調製)メタタングステン酸アンモニウム水溶液を1〜2mmの大きさに破砕整粒したTiO2 にエバポレーターを用い含浸した。含浸触媒は110℃で1晩乾燥し、次に、実施例−1同様マッフル炉にて500℃で焼成して触媒を得た。得られた触媒は、実施例−1と同条件で反応に供した。
【0024】該触媒の金属原子比で、Ti:W=10:1であった。
(反応評価)実施例−1と同様の方法で評価、分析した結果、p−クロロトルエン転化率は7.2%、p−クロロ安息香酸の選択率は68.1%であった。
比較例−1(触媒調製)TiO2 をシリカゲルに変えた以外は実施例−2と同様の方法で触媒を得、反応に供した。
【0025】該触媒の金属原子比は、Si:W=10:1であった。
(反応評価)実施例−1と同様の方法で評価した結果、p−クロロトルエン転化率は2.3%、p−クロロ安息香酸の選択率は34.8%であった。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、ハロゲン化アルキル芳香族炭化水素の気相接触酸化によりハロゲン化安息香酸を商業的に効率よく製造するための触媒及びその触媒を用いるハロゲン化安息香酸の製造方法が提供される。
【出願人】 【識別番号】000005968
【氏名又は名称】三菱化学株式会社
【出願日】 平成12年11月22日(2000.11.22)
【代理人】 【識別番号】100103997
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 曉司
【公開番号】 特開2002−155015(P2002−155015A)
【公開日】 平成14年5月28日(2002.5.28)
【出願番号】 特願2000−355530(P2000−355530)