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【発明の名称】 防音・制振金属製部材
【発明者】 【氏名】竹村 善夫

【要約】 【課題】金属製部材からなるパレットや建築用部材に使用する金属製部材である丸管、角管、多角管などの鋼管類あるいは型鋼などにおいて、その金属製部材の特有の効果を失うことなく、これらの接触や衝突などにより発生される騒音および振動を抑制することである。

【解決手段】パレット61あるいは建築用部材の壁面構造体71に使用する丸管11、角管12、多角管などの鋼管類もしくは例えばC型鋼13などの金属製部材において、金属製部材の内壁面21に静電植毛による植毛材41を形成した防音・制振金属製部材。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 パレットあるいは建築用部材の丸管、角管、多角管などの鋼管類もしくは型鋼などの金属製部材において、金属製部材の内壁面に静電植毛による植毛材を形成したことを特徴とする防音・制振金属製部材。
【請求項2】 植毛材は、長さ1〜20mmの短繊維からなることを特徴とする請求項1記載の防音・制振金属製部材。
【請求項3】 短繊維からなる植毛材は、その短繊維の表面に誘導性ポリマーを膜状物として重合して短繊維基材と一体化した短繊維であることを特徴とする請求項1または2に記載の防音・制振金属製部材。
【請求項4】 短繊維基材表面に重合一体化した誘導性ポリマーの膜状物は、膜厚0.005〜0.015μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の防音・制振金属製部材。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本件発明は、フォークリフトで移動したりするために使用する積み荷・搬送用のパレットあるいは建築用部材に使用される金属製部材に関し、特に丸管、角管、多角管などの鋼管類あるいは型鋼などの金属製部材に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、積み荷・搬送用のパレットあるいは建築用部材に用いられる金属製部材は、丸管、角管、多角管などの鋼管類あるいは型鋼が用いられている。
【0003】金属製部材からなるパレットは、使用中にその正面や背面または床面などが互いに衝突あるいは接触すると、それらの金属同士が大きな衝撃音や接触音を発し、これらの衝撃音や接触音は極めて不快な金属音であって環境に不都合であった。
【0004】また、金属製部材からなる建築用部材においては、建設作業中にこれらの部材同士が接触した時に不快な甲高い金属音を発し、近隣の住民に迷惑をかけるという不都合があった。さらに、このような不快な金属音を発生させるため、夜間作業を行うことができず生産管理上でも不都合であった。
【0005】さらに、建築物に備えたクーラーや冷蔵庫や電子レンジなどの電気製品の運転音や振動が、建築物を構成している金属製部材に共振し、建築物全体を包括して振動または共鳴し、静かな住環境を損ねたり、それらが居住人のストレスとなってしまう不都合もあった。
【0006】そこでこのような現象を防止するために、従来の金属製部材には、■鋼管、型鋼の内面に気泡シートを接着する。
■鋼管、型鋼の表面または内面にゴムシートを貼着または挿入する。
■鋼管、型鋼の中空部または空隙部に樹脂発泡体を充填する。
■鋼管、型鋼の中空部または空隙部にガラスウールやロックウールを貼着または挿入する。
■防音や制振塗料を塗布する。
■〜■などの防止策を講じて、騒音や振動を低減させていた。
【0007】しかし、これらの防止策にも、例えば、a.上記■の防音塗料を塗布する場合、騒音や振動の低減が今一つ悪い。
b.上記■の気泡シートを接着したり、■のゴムシートを貼着または挿入したり、■のガラスウールやロックウールを貼着または挿入する場合、作業性が悪い。
c.■のゴムシートを貼着または挿入する場合、重量増加が著しい。
d.■のガラスウールやロックウールを貼着または挿入する場合、施工環境が悪く、健康上に問題がある。
e.■の樹脂発泡体を充填したものの場合、産業廃棄物となって燃焼処分する際に有毒ガスが発生する。
f.経済的に合わない。
などの不都合があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようとする課題は、上記のような金属製部材からなるパレットや建築用部材に使用される金属製部材である丸管、角管、多角管などの鋼管類あるいは型鋼などにおいて、その金属製部材の特有の効果を失うことなく、これらの接触や衝突などにより発生される騒音および振動を抑制することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するための本発明の手段は、請求項1の発明では、パレットあるいは建築用部材の丸管、角管、多角管などの鋼管類もしくは型鋼などの金属製部材において、金属製部材の内壁面に静電植毛による植毛材を形成したことを特徴とする防音・制振金属製部材である。
【0010】請求項2の発明では、植毛材は、長さ1〜20mmの短繊維からなることを特徴とする請求項1の手段の防音・制振金属製部材である。
【0011】請求項3の発明では、短繊維からなる植毛材は、その短繊維の表面に誘導性ポリマーを膜状物として重合して短繊維基材と一体化した短繊維であることを特徴とする請求項1または2の手段の防音・制振金属製部材である。
【0012】請求項4の発明では、短繊維基材表面に重合一体化した誘導性ポリマーの膜状物は、膜厚0.005〜0.015μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項の手段の防音・制振金属製部材である。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、積み荷・搬送用のパレットや建築用部材として使用される本発明の鋼管あるいは型鋼からなる防音・制振金属製部材の断面図である。図2は、防音・制振金属製部品の製造工程図である。図3は、図2に示す工程図の植毛工程における植毛方法を模式的に示す図である。図4は、本発明における鋼管類の防音・制振金属製部材を使用した積み荷・搬送用のパレットの斜視図である。図5は本発明における鋼管類の防音・制振金属製部材を使用した建築物の壁面構造体を示す斜視図である。
【0014】図4に示す積み荷・搬送用のパレットの基柱あるいは図5に示す建築用部材の壁面構造体の主柱や間柱に使用される本発明の防音・制振金属製部材は、図1の(a)に示す丸管11、(b)に示す角管12などの鋼管あるいは(c)に示すC型鋼13などの金属製部材で、これら鋼管や型鋼の金属製部材の内壁面21に塗布した誘導性ポリマー31上に短繊維の植毛材41を静電植毛により形成してなる防音・制振金属製部材である。
【0015】上記の実施の形態における植毛材41の短繊維は、長さ1〜20mmのポリアミド、ポリエステル、アクリル芳香族ポリアミドなどであり、その長さは適宜選択して設ける。この短繊維は表面に膜厚の極めて薄い誘導性ポリマー31を塗布して膜状物として重合して短繊維基材と一体化したものである。その際、誘導性ポリマー31の膜状物は、膜厚0.005〜0.015μmとしたものである。この誘導性ポリマー31は極めて薄くごく微量であるので、短繊維の植毛材41の固有の性質、例えば、柔軟性、屈曲性、吸音性あるいは制振性がそのまま維持しながら植毛材41を導電性とする。本発明における静電植毛方法は慣用の静電植毛方法によるもので、例えば、図2にその工程図を示す。先ず、図1の(b)に示す角管12に植毛する場合を例として説明する。接着剤塗布(a)工程で角管12の内面に誘導性ポリマー31の接着剤を塗布する。ついで、図3の(a)に示すように、角管12の開口14を短繊維からなる植毛材41の投下口とし、開口14の上方に上記の導電性に加工した短繊維からなる植毛材41を収納箱51に収納し、角管12の開口14上の収納箱51の出口52にリング状のプラス電極53を配置し、角管12の開口14の内面が下方向にマイナス極となるようにマイナス電極54を角管12に配設する。上記のプラス電極53とマイナス電極54の2極間に高電界が形成される。この結果、収納箱51の出口52から上記の導電性に加工した短繊維の植毛材41を落下すると、落下された植毛材41はプラス電極53で荷電され、投入口である角管12の開口14内に強力に静電的に吸引され、誘導性ポリマー31からなる接着剤が塗布され、かつ、マイナスに荷電された角管12の内壁面21に、図3の(b)に示すように、静電的に吸着される。すなわち、図2の工程図で説明すると静電植毛(b)では短繊維の植毛材41は角管12の内壁面21のマイナス電極54により直線的に強力に引かれ、誘導性ポリマー31の接着剤の塗布された角管12の内壁面21に当接して接着されて植毛される。次いで、加熱硬化(c)により短繊維の植毛材41は接着剤の硬化により内壁面21に固着着される。次に、余剰植毛材除去(d)で吸引等により接着しなかった短繊維の植毛材41が除去され、防音・制振金属製部材(e)である図1の(b)の角管12が形成される。これらの角管12からなる防音・制振金属製部材は、内壁面21に植毛された植毛材41が音および振動を吸収する。したがって、これらの角管12、12が接触したり衝突しても金属音は低減されて不愉快な金属騒音を発することはない。
【0016】図3は、上記の実施の形態で得られた角管12を基柱62に使用して組立てた積み荷・搬送用のパレット61を示す。すなわち、パレット61は3本ないし4本の基柱62をそれらの側部を上下にして端部および中央部に配列し、これらの基柱62の上下の側部上に基柱62と直角に間隔をあけてそれぞれ複数枚の上角管63と複数枚の下角管64を配設して固定してなるものである。このパレット61は角管12からなる基柱62および上下角管63、64の内壁面21に短繊維の植毛材41が植毛されているので、パレット61、61同士が接触したり衝突しても、この防音・制振金属製部材である基柱62および上下角管63、64に音および振動は吸収されるので金属騒音を発することがない。なお、上記のパレット61の実施の形態では、下角管64を配設しているが、この下角管64を省略することもできることはいうまでもない。さらに、角管12に代えて、図1の(c)に示す例えばC型鋼13とすることもできる。
【0017】図5は、上記の実施の形態で得られた本発明の防音・制振金属製部材を壁面構造体71に使用した実施の形態を示す。壁面構造体71は例えば金属パネルからなる壁板72と、この壁板72を支持する太い柱73、73と、これらの主柱73の間で壁板72を補強する間柱74、74からなる。これらの主柱73、および、間柱74を本発明の防音・制振金属製部材とし、図1の(b)に示す角管12や(c)に示すC型鋼13からなるものとする。これらの主柱73および間柱74は短繊維の植毛材41が植毛されているので、壁面構造体71の組立て作業中にこれらの主柱73や間柱74の部材同士が接触したり衝突しても、この防音・制振金属製部材であるこれらの主柱73や間柱74に音および振動が吸収されるので金属騒音を発することがない。
【0018】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の請求項1の発明では、防音・制振金属製部材は、■積み荷・搬送用のパレットに使用した場合や建築用部材として主柱、間柱、梁、野縁、胴縁、根太などに使用した場合、その一つの部材に振動や音が伝わっても、その振動や音は他の部材に伝わる間に減衰して、振動や騒音が減少できる、■パレットに使用した場合、重量的にあまり増加することはないので従来通りの作業ができる、■パレットに使用した場合、外周面に植毛を施したものは、フォークリフトの爪が当たったり、落としたり、あるいは他のものと接触して擦れると剥げたりするが、本発明におけるパレットでは、内壁面に植毛しているので長期間にわたって本来の効果が持続する、■建築用部材として玄関柱などの表に出る部材としても、その内面に植毛しているので、その部材特有の美しさが損なわれることなくそのままで装飾柱として使用できる、■断熱効果により、冬場に現われる温度変化による鉄骨構造の建築特有の家鳴りも減少するなどの多くの利点を有する。請求項2の発明では、上記の硬化に加えて、植毛材が長さ1〜20mmの短繊維からなるで、適宜大きさの金属部材である鋼管や型鋼の内部にそれぞれの大きさに応じた長さの植毛材を選択できる。請求項3の発明では、短繊維からなる植毛材は、その短繊維の表面に誘導性ポリマーを膜状物として重合して短繊維基材と一体化した短繊維であるので、金属部材である鋼管や型鋼の内部に容易に静電付着させ得ることができる。さらに、請求項4の発明では、誘導性ポリマーの膜状物は、膜厚0.005〜0.015μmと極めて薄くごく微量であるので、植毛材の短繊維の本来の性質を損なうことがなく静電付着されるので、極めて優れた防音・制振効果とさらに断熱効果を有する防音・制振金属製部材形成されているなど、本発明は従来の部材に比して優れた効果を奏するものである。
【出願人】 【識別番号】000190482
【氏名又は名称】新家工業株式会社
【出願日】 平成13年5月28日(2001.5.28)
【代理人】 【識別番号】100101085
【弁理士】
【氏名又は名称】横井 健至
【公開番号】 特開2002−347765(P2002−347765A)
【公開日】 平成14年12月4日(2002.12.4)
【出願番号】 特願2001−158379(P2001−158379)