| 【発明の名称】 |
手巻き用食品包装ストレッチフィルム |
| 【発明者】 |
【氏名】亀田 明芳
【氏名】生方 和幸
【氏名】岡本 康
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| 【要約】 |
【課題】低価格、薄肉で性能面においてポリ塩化ビニルフィルムに劣らない手巻き用食品包装ストレッチフィルムを提供すること。
【解決手段】少なくとも1層の密度0.920g/cm3以下の直鎖状低密度ポリエチレン75〜99重量%と該直鎖ポリエチレン以外の低密度ポリエチレン20重量%以下と防曇剤1〜5重量%とを含有する層を有する、フィルムの総厚みが11μm以下である、Tダイで成形される手巻き用食品包装ストレッチフィルム。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも1層の密度0.920g/cm3以下の直鎖状低密度ポリエチレン75〜99重量%と該直鎖ポリエチレン以外の低密度ポリエチレン20重量%以下と防曇剤1〜5重量%とを含有する層を有する、フィルムの総厚みが11μm以下である、Tダイで成形される手巻き用食品包装ストレッチフィルム。 【請求項2】 2層から構成され、片方の層が密度0.920g/cm3以下の直鎖状低密度ポリエチレン75〜99重量%と該直鎖ポリエチレン以外の低密度ポリエチレン20重量%以下と防曇剤1〜5重量%とを含有し、もう一方の層が密度0.920g/cm3以下の直鎖状低密度ポリエチレン75〜100重量%と該直鎖ポリエチレン以外の低密度ポリエチレン20重量%以下と防曇剤0〜5重量%とを含有する請求項1に記載の手巻き用食品包装ストレッチフィルム。 【請求項3】 3層から構成され、両表面層が密度0.920g/cm3以下の直鎖状低密度ポリエチレン75〜99重量%と該直鎖ポリエチレン以外の低密度ポリエチレン20重量%以下と防曇剤1〜5重量%とを含有し、中間層が密度0.920g/cm3以下の直鎖状低密度ポリエチレン75〜100重量%と該直鎖ポリエチレン以外の低密度ポリエチレン20重量%以下と防曇剤0〜5重量%とを含有する請求項1に記載の手巻き用食品包装ストレッチフィルム。 【請求項4】 3層から構成され、両表面層が密度0.920g/cm3以下の直鎖状低密度ポリエチレン75〜99重量%と該直鎖ポリエチレン以外の低密度ポリエチレン20重量%以下と防曇剤1〜5重量%とを含有し、中間層が密度0.920g/cm3以下の直鎖状低密度ポリエチレン79〜100重量%と該直鎖ポリエチレン以外の低密度ポリエチレン20重量%以下と防曇剤0〜1重量%とを含有する請求項3に記載の手巻き用食品包装ストレッチフィルム。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、食品包装ストレッチフィルムに関する。さらに詳細には本発明は、手巻きでトレー包装する際に性能面でポリ塩化ビニルフィルムに劣らない、直鎖状低密度ポリエチレンを主成分とする食品包装ストレッチフィルムに関する。 【0002】 【従来の技術】手巻きでトレー包装する方式の食品包装ストレッチフィルムにおいて、好適なフィルムとしてポリ塩化ビニルフィルムが用いられているが、焼却処分時に塩素を含んだ有害ガスを発生し、環境汚染等の問題がある。そのため代替品として、ポリオレフィン系樹脂を基材としたフィルムの開発が行われている。 【0003】しかしながら、ポリオレフィン系フィルムはポリ塩化ビニルフィルムに比べて、価格が高いばかりでなく、性能の点においても劣っているというのが一般的な認識であった。 【0004】さらに環境問題として、廃棄物の軽減が必要でありさらなる薄肉化が求められているが、それを解決するフィルムは未だ得られていなかった。 【0005】食品包装ストレッチフィルムは、強度面での配向バランスを考慮しインフレーション成形されるのがふつうであるが、樹脂価格の安い直鎖状低密度ポリエチレンを表面層とした場合、透明性が悪くなるという問題が避けられない。そこで、直鎖状低密度ポリエチレンに比べて樹脂価格は高いけれども透明性のよいエチレン・酢酸ビニル共重合体の使用を余儀なくされている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の課題は、低価格、薄肉で性能面においてポリ塩化ビニルフィルムに劣らない手巻き用食品包装ストレッチフィルムを提供することである。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明者等は鋭意研究の結果、透明性の問題はインフレーション成形の急冷の難しさに起因することに着目し、急冷可能なTダイ成形で製膜することで樹脂価格の安い直鎖状低密度ポリエチレンを使用できることをつきとめ、本発明を完成するに至った。 【0008】つまり本発明の課題は、少なくとも1層の密度0.920g/cm3以下の直鎖状低密度ポリエチレン75〜99重量%と該直鎖ポリエチレン以外の低密度ポリエチレン20重量%以下と防曇剤1〜5重量%とを含有する層を有する、フィルムの総厚みが11μm以下である、Tダイで成形される手巻き用食品包装ストレッチフィルムによって解決される。該直鎖ポリエチレン以外の低密度ポリエチレンとしては、例えば分岐状ポリエチレンや密度0.920g/cm3超の直鎖状低密度ポリエチレンが挙げられる。 【0009】 【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 【0010】本発明では、環境問題を考慮して廃棄物の軽減のためさらなる薄肉化を図っている。インフレーション成形で製膜するフィルムの厚みは一般的には13μmであるが、インフレーション成形でのさらなる薄肉化は成形安定性の悪化を引き起こし、生産効率を損なう。ところが、Tダイ成形ならばインフレーション成形よりも薄く製膜することが可能であり、急冷の難しいインフレーション成形に固有の透明性の問題を回避できることとも相俟って好ましい。 【0011】前記のとおり、強度面での配向バランスを考慮するとインフレーション成形が好ましいが、これは押し上げ式等の自動包装機において、フィルムの縦方向、横方向の配向バランスの乱れが破れ等の原因の一つになっているためである。 【0012】しかし本発明のフィルムは、自動包装機用ではなくて手巻き用であるから、強度面にさしたる配慮は必要ない。手巻きトレー包装においては、フィルムを横方向に引っ張りながら包装するため、フィルムの横方向がよく伸びて破れにくくかつ柔軟性があれば十分である。そして、Tダイ成形で密度が0.920g/cm3以下の直鎖状低密度ポリエチレンを用いて製膜した場合、フィルムの横方向の伸びがあり破れにくくかつ柔軟性のある、手巻きトレー包装に適した良好なフィルムを得ることができる。ただし、密度が0.920g/cm3超の直鎖状低密度ポリエチレンを用いてTダイ成形で製膜した場合、フィルムが硬くなってしまい柔軟性に欠けてしまう。 【0013】食品包装ストレッチフィルムにおいては、表面層樹脂と中間層樹脂との融点に差をつけることによりヒートシール性を付与している。本発明の食品包装ストレッチフィルムにおいては、直鎖状低密度ポリエチレンの層がヒートシール層となるので、中間層樹脂としてはポリプロピレン系樹脂や高密度ポリエチレン等が考えられるが、高密度ポリエチレンは硬く柔軟性に欠けるので用いることはできない。ポリプロピレン系樹脂の場合、軟質ポリプロピレンが柔軟性を有するが、一般的に軟質ポリプロピレンの樹脂価格は直鎖状低密度ポリエチレンと比べて高い上、軟質になればなるほど樹脂価格が上昇するという難点がある。そこで、直鎖状低密度ポリエチレンを用いることが好ましい。 【0014】フィルムの厚みによるヒートシール性を検証したところ、Tダイ成形で直鎖状低密度ポリエチレンを使用し、厚みが13μmのフィルムでは、破れずにヒートシールできる温度域が見つからなかった。同様にして厚みが10μmのフィルムでは破れずにヒートシールできることがわかった。ヒートシール性、低価格、薄肉という条件を満たすには、低密度直鎖状ポリエチレンを用いた場合、フィルムの厚みが11μm以下であることが必要である。前記の直鎖状低密度ポリエチレンだけでもヒートシール性は十分であるが、該直鎖ポリエチレン以外の低密度ポリエチレンを加えるとさらにヒートシール性が向上することがわかった。これは、直鎖状低密度ポリエチレン単独のものより融点が低くなりヒートシール性が向上するためだと考えられる。しかし、加えすぎるとフィルムを横方向に伸張したときに破れが発生するため、該直鎖ポリエチレン以外の低密度ポリエチレンの含有量は20重量%以下が適当である。好ましくは15重量%以下である。さらには、必要な性能に影響を与えない程度で、その他の一般的なポリオレフィン系樹脂を加えることができる。その他の一般的なポリオレフィン系樹脂としては、高密度ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物、エチレン・エチルアクリレート共重合体、エチレン・メタクリレート共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体等のエチレン系共重合体、ホモポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体、プロピレン・ブテン共重合体、エチレン・プロピレン・ブテン共重合体等のプロピレン系重合体等が好適に用いられる。さらには、スチレン・ブタジエンブロック共重合体、スチレン・イソプレンブロック共重合体等のスチレン系共重合体、石油樹脂、テルペン樹脂、クマロン・インデン樹脂、ロジン系樹脂等の石油樹脂類、また石油樹脂類の水素添加誘導体等を用いてもよい。なおこれらのポリオレフィン系樹脂は、1種類か又は2種類以上を併用してもよい。 【0015】本発明において使用する防曇剤は、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、エチレンオキサイド付加物、脂肪酸アミン、脂肪酸アミド等であり、これらは、単独又は2種類以上混合して使用できる。これらの防曇剤の添加量は、1重量%未満であると防曇性が十分でなく、5重量%を超えてしまうと、スクリューがスリップ現象を起こし、押出しムラが起こってしまう。本発明の食品包装ストレッチフィルムにおいては、各層を構成する樹脂成分100重量部当たり10重量部以下の帯電防止剤、滑剤、安定剤、着色剤等の添加剤を適宜配合することができる。 【0016】 【実施例】以下、実施例によって本発明の内容を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何等制限されるものではない。以下の実施例及び比較例におけるフィルムの特性・性能の評価は、下記のとおりに行った。 【0017】(1)包装試験寺岡精工社製(ラップイット)の手巻き用トレー包装機を用いて、発泡ポリスチレントレー(195mm×175mm×25mm)に木片(約80g)を、フィルム幅300mmの試料フィルムで、手巻き包装を行った。 【0018】(2)包装試験の評価方法(i)伸張性フィルム横方向の伸び具合と強度を評価した。 ◎適度な伸びがあり破れにくい○若干伸びにくいが破れにくい▲伸びやすいが破れやすい×伸びにくく破れやすい(ii)ヒートシール性熱盤温度を約105℃とし包装後のシール状態を評価した。 ◎◎通常の取り扱いでは剥がれない◎ ◎◎よりも若干劣るが問題なし○ 僅かに剥がれが生じる▲ 剥がれが生じることが多い× 熱により穴明きが発生(iii)透明性フィルムの透明性を目視により評価した。 ◎透明であり白化がみられない○透明ではあるが僅かに白化がみられる▲白化がみられる×透明でない【0019】実施例1直鎖状低密度ポリエチレン(住友化学社製、スミカセンE FV401、MFR(190℃)4g/10分、密度 0.902g/cm3)97重量%、防曇剤3重量%を用いTダイ成形で、ダイス温度が280℃、フィルム厚み10μmで製膜した。 【0020】実施例2直鎖状低密度ポリエチレン(住友化学社製、スミカセンE FV401、MFR(190℃)4g/10分、密度 0.902g/cm3)87重量%、低密度ポリエチレン(住友化学社製、スミカセン CY443―3N10、MFR(190℃)2g/10分、密度 0.924g/cm3)10重量%、防曇剤3重量%を用いTダイ成形で、ダイス温度が280℃、フィルム厚み10μmで製膜した。 【0021】実施例3両表面層が直鎖状低密度ポリエチレン(住友化学社製、スミカセンE FV401、MFR(190℃)4g/10分、密度 0.902g/cm3)87重量%、低密度ポリエチレン(住友化学社製、スミカセン CY443―3N10、MFR(190℃)2g/10分、密度 0.924g/cm3)10重量%、防曇剤3重量%を用い、中間層に直鎖状低密度ポリエチレン(住友化学社製、スミカセンE FV401、MFR(190℃)4g/10分、密度 0.902g/cm3)87重量%、低密度ポリエチレン(住友化学社製、スミカセンCY443―3N10、MFR(190℃)2g/10分、密度 0.924g/cm3)10重量%、防曇剤3重量%を用い2種3層で構成し、Tダイ成形で、ダイス温度が280℃、フィルム厚み10μmで製膜した。 【0022】実施例4直鎖状低密度ポリエチレン(住友化学社製、スミカセンE FV402、MFR(190℃)4g/10分、密度 0.915g/cm3)87重量%、低密度ポリエチレン(住友化学社製、スミカセン CY443―3N10、MFR(190℃)2g/10分、密度 0.924g/cm3)10重量%、防曇剤3重量%を用いTダイ成形で、ダイス温度が280℃、フィルム厚み10μmで製膜した。 【0023】比較例1直鎖状低密度ポリエチレン(住友化学社製、スミカセンE FV102、MFR(190℃)1g/10分、密度 0.930g/cm3)97重量%、防曇剤3重量%を用いTダイ成形で、ダイス温度が280℃、フィルム厚み10μmで製膜した。 【0024】比較例2直鎖状低密度ポリエチレン(住友化学社製、スミカセンE FV401、MFR(190℃)4g/10分、密度 0.902g/cm3)87重量%、低密度ポリエチレン(住友化学社製、スミカセン CY443―3N10、MFR(190℃)2g/10分、密度 0.924g/cm3)10重量%、防曇剤3重量%を用いTダイ成形で、ダイス温度が280℃、フィルム厚み13μmで製膜した。 【0025】比較例3直鎖状低密度ポリエチレン(住友化学社製、スミカセンE FV401、MFR(190℃)4g/10分、密度 0.902g/cm3)87重量%、低密度ポリエチレン(住友化学社製、スミカセン CY443―3N10、MFR(190℃)2g/10分、密度 0.924g/cm3)10重量%、防曇剤3重量%を用いインフレーション成形で、ダイス温度が170℃、フィルム厚み10μmで製膜した。 【0026】比較例4直鎖状低密度ポリエチレン(住友化学社製、スミカセンE FV401、MFR(190℃)4g/10分、密度 0.902g/cm3)67重量%、低密度ポリエチレン(住友化学社製、スミカセン CY443―3N10、MFR(190℃)2g/10分、密度 0.924g/cm3)30重量%、防曇剤3重量%を用いTダイ成形で、ダイス温度が280℃、フィルム厚み10μmで製膜した。 【0027】得られたフィルムの評価を表1に示した。 【0028】 【表1】
【0029】 【発明の効果】本発明によれば、低価格で薄肉の、伸張性、ヒートシール性、透明性がいずれも優れた手巻き用食品包装ストレッチフィルムを提供できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000220387 【氏名又は名称】シーアイサンプラス株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年5月2日(2001.5.2) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100066692 【弁理士】 【氏名又は名称】浅村 皓 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−332063(P2002−332063A) |
| 【公開日】 |
平成14年11月22日(2002.11.22) |
| 【出願番号】 |
特願2001−134760(P2001−134760) |
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