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【発明の名称】 青果物用トレー
【発明者】 【氏名】大里 由太郎

【氏名】福田 格

【氏名】嘉屋 睦紀

【要約】 【課題】青果物と空間との仕切り線を明瞭にするとともに、透明シートでの被覆時に、隣接する収容凹部の開口の間の水分による影響をなくして、透明シートにしわがよらないように見栄えを良くして外観品質を向上させるようにする。

【解決手段】青果物が収容され略円形に形成された開口2を有したカップ状の収容凹部1を隣接する収容凹部1間に連通部6が形成されるように複数連設し、この複数連設された収容凹部1の開口縁2aの外側に連続する縁部3を設け、この縁部3の外周を収容凹部1の開口2の形状に倣った形状に形成し、隣接する収容凹部1の縁部3間に略V字状の切込10を形成した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 青果物が収容されるカップ状の収容凹部を複数連設し、該複数連設された収容凹部の開口縁外側に連続する縁部を設けた青果物用トレーにおいて、上記縁部の外周を上記収容凹部の開口の形状に倣った形状に形成したことを特徴とする青果物用トレー。
【請求項2】 青果物が収容されるカップ状の収容凹部を隣接する収容凹部間に連通部が形成されるように複数連設し、該複数連設された収容凹部の開口縁外側に連続する縁部を設けた青果物用トレーにおいて、上記縁部の外周を上記収容凹部の開口の形状に倣った形状に形成したことを特徴とする青果物用トレー。
【請求項3】 上記収容凹部の開口が略円形に形成され、上記縁部の外周を上記収容凹部の開口の形状に倣った形状に形成することにより、隣接する収容凹部の縁部間に略V字状の切込を形成したことを特徴とする請求項1または2記載の青果物用トレー。
【請求項4】 上記収容凹部の形状を、深さが開口の半径以下になるように扁平状に形成したことを特徴とする請求項3記載の青果物用トレー。
【請求項5】 上記青果物が軸線を有した非球状立体形状であるときに、上記収容凹部の形状を、該収容凹部の開口のある面に対して上記青果物の軸線が傾斜して該青果物を収容できるように形成したことを特徴とする請求項1,2,3または4記載の青果物用トレー。
【請求項6】 パルプを原料にして型成形される紙製であることを特徴とする請求項1,2,3,4または5記載の青果物用トレー。
【請求項7】 撥水剤が添加されていることを特徴とする請求項6記載の青果物用トレー。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リンゴ等の青果物を収納して店頭に並べるとき等に使用する青果物用トレーに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の青果物用トレーとしては、例えば、図8に示すようなものが知られている。これは、青果物Sが収容されるカップ状の収容凹部1を6個、例えば3列2行に連設し、複数連設された収容凹部1の開口2の開口縁2aの外側に連続する縁部3を設けて構成されている。縁部3は、隣接する収容凹部1の開口2の間に、略三角形状の架設部4を有する。この青果物用トレーTは、例えば、透明のポリエステル樹脂等の樹脂製シートを成形加工してなる樹脂製(実用新案登録第3037004号公報掲載)、あるいは、パルプを原料にして型成形される紙製からなる。そして、この青果物用トレーTを用いるときは、図8に示すように、例えば青果物Sとしてリンゴで説明すると、青果物Sを収容凹部1に入れ、トレーを青果物Sごと、例えば、ポリエチレン等の樹脂製の極薄の透明シート5(ラップシート)で被覆し(所謂シュリンク包装し)、この状態で店頭等に並べる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような従来の青果物用トレーにあっては、縁部3は、隣接する収容凹部1の開口2の間に略三角形状の架設部4を有するので、この三角形状の架設部4が露出してしまい、それだけ、青果物Sと空間との仕切り線がぼけて、青果物Sが小さく見えてしまうという問題があった。また、この青果物用トレーTが、紙製である場合には、図9に示すように、青果物Sから出る水分や空気中の水分を吸収して剛性が減少し、特に、三角形状の架設部4において弱くなり、透明シート5で被覆している場合には、透明シート5がその張力により、青果物用トレーTに圧接しており、そのため、三角形状の架設部4が透明シート5に押されて変形して、見栄えが悪くなるという問題があった。更に、この三角形状の架設部4が変形すると透明シート5が内側に入り込んでしわ5aになり、この点でも見栄えを悪くし、包装の外観品質を低下させてしまうという問題があった。本発明は上記の問題点に鑑みて為されたもので、青果物と空間との仕切り線を明瞭にするとともに、透明シートでの被覆時に、隣接する収容凹部の開口の間の水分による影響をなくして、透明シートにしわがよらないように見栄えを良くして外観品質を向上させるようにした青果物用トレーの提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決するための本発明の技術的手段は、青果物が収容されるカップ状の収容凹部を複数連設し、該複数連設された収容凹部の開口縁外側に連続する縁部を設けた青果物用トレーにおいて、上記縁部の外周を上記収容凹部の開口の形状に倣った形状に形成した構成としている。この青果物用トレーを用いるときは、青果物を収容凹部に入れ、トレーを青果物ごと、例えば、ポリエチレン等の樹脂製の極薄の透明シートで被覆し、この状態で店頭等に並べる。この場合、縁部の外周を収容凹部の開口の形状に倣った形状に形成したので、青果物と空間との仕切り線が明瞭になり、青果物が小さく見えてしまうことが防止され、外観品質が向上させられる。また、本発明の青果物用トレーが紙製の場合には、青果物から出る水分や空気中の水分を吸収して剛性が減少していくが、縁部の外周を収容凹部の開口の形状に倣った形状に形成したので、隣接する収容凹部の開口の間に縁部がないことから、従来のように三角形状の架設部が透明シートの張力により押されて変形してしまう事態はなく、見栄えが悪くなる事態が防止される。更に、透明シートは隣接する収容凹部の開口の間を跨いで青果物や青果物用トレーに最初から張設されてこれを覆うので、透明シートが収容凹部の開口の間に入り込んでしわになることが防止され、この点でも見栄えが悪くなる事態が防止される。
【0005】そして、必要に応じ、青果物が収容されるカップ状の収容凹部を隣接する収容凹部間に連通部が形成されるように複数連設し、該複数連設された収容凹部の開口縁外側に連続する縁部を設けた青果物用トレーにおいて、上記縁部の外周を上記収容凹部の開口の形状に倣った形状に形成した構成としている。収容凹部を隣接する収容凹部間に連通部が形成されるように複数連設しているものなので、連通部がリブ構造を取ることから、それだけ、剛性が高くなっており、全体の撓みが防止される。また、必要に応じ、上記収容凹部の開口が略円形に形成され、上記縁部の外周を上記収容凹部の開口の形状に倣った形状に形成することにより、隣接する収容凹部の縁部間に略V字状の切込を形成した構成としている。略V字状の切込の形成によって、確実に収容凹部の開口間に縁部が露出しないようになるので、包装の外観品質の向上が一層図られる。
【0006】更に、必要に応じ、上記収容凹部の形状を、深さが開口の半径以下になるように扁平状に形成した構成としている。青果物ができるだけ露出させられることになり、この点でも、青果物が小さく見えてしまうことが防止される。更にまた、上記青果物が軸線を有した非球状立体形状であるときに、上記収容凹部の形状を、該収容凹部の開口のある面に対して上記青果物の軸線が傾斜して該青果物を収容できるように形成した構成としている。青果物の側面部分をより多く露出させることができ、青果物が小さく見えてしまうことが確実に防止される。また、必要に応じ、パルプを原料にして型成形される紙製である構成としている。製造が容易で安価に作成できるようになる。この場合、撥水剤が添加されていることが有効である。青果物から出る水分や空気中の水分の吸収効率がにぶり、そのため、全体の剛性が減少してしまう事態が防止される。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて、本発明の実施の形態に係る青果物用トレーについて詳細に説明する。尚、上記と同様のものには同一の符号を付して説明する。図1乃至図3に示す青果物用トレーTは、青果物Sが収容されるカップ状の収容凹部1を複数(実施の形態では6つ)、3列2行に連設して形成されている。収容凹部1の開口2は略円形に形成され、隣接する収容凹部1間には凹状の連通部6が形成されている。収容凹部1の形状は、図3に示すように、深さHが収容凹部1の開口2の半径R以下の扁平状に形成されている。例えば、H:R=(55〜70):(75〜90)の範囲の関係に定めている。青果物としてリンゴを例にとれば、少なくともリンゴの高さの略2/3以上の部分を容器外に露出させるように、深さHと半径Rとの関係を定めるのが望ましい。例えば、H:R=63:83としている。また、4個の収容凹部1に囲まれた中央部には、矩形状の凹所7が形成されている。これにより、全体の撓み防止が図られるとともに、エチレンガス吸収袋等の収納を可能にしている。更に、各収容凹部1の底部の中心には、丸穴8が開けられており、エチレンガスや水滴を逃がすことを可能にしている。
【0008】更にまた、複数連設された収容凹部1の開口縁2aの外側には、連続する縁部3が設けられている。この縁部3の外周は収容凹部1の開口2の形状に倣った形状に形成されている。このように、縁部3の外周を収容凹部1の開口2の形状に倣った形状に形成することにより、隣接する収容凹部1の縁部3間に略V字状の切込10が形成される。そして、実施の形態に係る青果物用トレーTは、パルプを原料にして型成形される紙製であり、撥水剤が添加されている。
【0009】次に、この実施の形態に係る青果物用トレーTを製造する一例を説明する。この製造は、所謂パルプモールドによって行なわれる。図4に示すように、先ず、原料として古新聞,古雑誌,古段ボール等のリサイクル紙資源20を用い、これを適量の水とともにパルパー21に仕込み(1−1)、原料受入タンク22に移し、それから異物除去装置23で異物を除去し(1−2)、その後、原質調整設備24で添加剤の添加,叩解,濃度調整等の処理を行なう(1−3)。次に、周知の吸引型成形機25において金型成形し(1−4)、乾燥機26で乾燥して(1−5)、製品にする(1−6)。
【0010】このようにして製造された実施の形態に係る青果物用トレーTを用いるときは、図5に示すように、例えば、青果物Sとしてのリンゴで説明すると、青果物Sを収容凹部1に入れる。この場合、図5に示すように、リンゴを垂直に立てて入れるのが一般的であるが、斜めあるいは横にして入れるようにしても良い。そして、トレーを青果物Sごと、例えば、ポリエチレン等の樹脂製の極薄の透明シート5(ラップシート)で被覆し(所謂シュリンク包装し)、この状態で店頭等に並べる。この場合、青果物用トレーTの縁部3の外周は収容凹部1の開口2の形状に倣った形状に形成されているので、青果物Sと空間との仕切り線が円形で明瞭になっており、そのため、青果物Sが小さく見えてしまうことが防止され、外観品質を向上させることができる。また、収容凹部1の形状は、深さHが開口2の半径R以下の扁平状に形成されているので、青果物Sができるだけ露出させられることになり、この点でも、青果物Sが小さく見えてしまうことが防止され、外観品質を向上させることができる。
【0011】更に、青果物用トレーTは紙製なので、青果物Sから出る水分や空気中の水分を吸収して剛性が減少していくが、隣接する収容凹部1の開口2の間に略V字状の切込10が形成されているので、この切込10のところには縁部3がないことから、従来のように三角形状の架設部が透明シート5の張力により押されて変形してしまう事態はなく、見栄えが悪くなる事態が防止される。また、透明シート5は切込10を跨いで青果物Sや青果物用トレーTに最初から張設されてこれを覆うので、透明シート5が切込10内に入り込んでしわになりにくく、この点でも見栄えが悪くなる事態が防止され、包装の外観品質の向上が図られる。
【0012】図6には、別の実施の形態に係る青果物用トレーTを示している。これは、上記と略同様に形成されるが、上記と異なって、青果物Sがリンゴのような軸線Pを有した非球状立体形状であるときに用いられるもので、収容凹部1の形状が、収容凹部1の開口2のある面に対して青果物Sの軸線Pが角度θだけ傾斜して該青果物Sを収容できるように形成されている。尚、図6中符号11は、収容凹部1に一体成形されリンゴの底部の凹部に係合する突起である。この突起には、上記と同様の丸穴8が開けられている。従って、この別の実施の形態に係る青果物用トレーTによれば、青果物Sをその軸線Pが角度θだけ傾斜して収容凹部1に収容するので、青果物Sの側面部分をより多く露出させることができ、青果物Sが小さく見えてしまうことが防止され、外観品質をより一層向上させることができる。他の作用,効果は上記と同様である。
【0013】尚、上記実施の形態では、収容凹部1の数を6つとし、連設の仕方も3列2行にしたが、必ずしもこれに限定されるものではなく、図7(a)に示すように、4個を矩形状に連設し、あるいは、図7(b)に示すように、2個を連設する等、適宜に数を定め配置して良いことは勿論である。また、上記実施の形態では、青果物用トレーTの材質を、パルプを原料にして型成形される紙製にしたが、必ずしもこれに限定されるものではなく、例えば、透明のポリエステル樹脂等の樹脂製シートを成形加工してなる樹脂製にする等、どのような材質にしても良いことは勿論である。
【0014】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の青果物用トレーによれば、縁部の外周を収容凹部の開口の形状に倣った形状に形成したので、青果物と空間との仕切り線を明瞭にすることができ、そのため、青果物が小さく見えてしまうことを防止することができ、外観品質を向上させることができる。また、本発明の青果物用トレーが紙製の場合には、青果物から出る水分や空気中の水分を吸収して剛性が減少していくが、縁部の外周を収容凹部の開口の形状に倣った形状に形成したので、隣接する収容凹部の開口の間に縁部がないことから、従来のように三角形状の架設部が透明シートの張力により押されて変形してしまう事態はなく、見栄えが悪くなる事態を防止することができる。また、透明シートは隣接する収容凹部の開口の間を跨いで青果物や青果物用トレーに最初から張設されてこれを覆うので、透明シートが収容凹部の開口の間に入り込んでしわになることが防止され、この点でも見栄えが悪くなる事態を防止でき、包装の外観品質の向上を図ることができる。
【0015】そして、収容凹部を隣接する収容凹部間に連通部が形成されるように複数連設した場合には、連通部がリブ構造を取るので、それだけ、剛性が高くなっており、全体の撓みが防止される。また、収容凹部の開口が略円形に形成され、隣接する収容凹部の縁部間に略V字状の切込を形成した場合には、確実に収容凹部の開口間に縁部が露出しないようになるので、包装の外観品質の向上をより一層図ることができる。更に、収容凹部の形状を、深さが開口の半径以下の扁平状に形成した場合には、青果物ができるだけ露出させられることになり、この点でも、青果物が小さく見えてしまうことが防止され、外観品質を向上させることができる。
【0016】更にまた、青果物が軸線を有した非球状立体形状であるときに、収容凹部の形状を、該収容凹部の開口のある面に対して青果物の軸線が傾斜して青果物を収容できるように形成した場合には、青果物の側面部分をより多く露出させることができ、青果物が小さく見えてしまうことが防止され、外観品質をより一層向上させることができる。また、パルプを原料にして型成形される紙製である場合には、製造が容易で安価に作成できるようになる。更に、撥水剤を添加した場合には、青果物から出る水分や空気中の水分の吸収効率がにぶり、そのため、全体の剛性が減少してしまう事態を防止することができる。
【出願人】 【識別番号】593051364
【氏名又は名称】株式会社ヤマダイ
【識別番号】591036158
【氏名又は名称】十條パック株式会社
【出願日】 平成12年9月19日(2000.9.19)
【代理人】 【識別番号】100093148
【弁理士】
【氏名又は名称】丸岡 裕作
【公開番号】 特開2002−87484(P2002−87484A)
【公開日】 平成14年3月27日(2002.3.27)
【出願番号】 特願2000−283286(P2000−283286)