| 【発明の名称】 |
食品の鮮度保持機能を有する複合材およびその加工法、並びに食品の鮮度保持方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】前田 信秀
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| 【要約】 |
【課題】食品、特に野菜や果物などの植物系の生鮮食品の呼吸作用を抑制し、さらに高い抗菌性、防かび性を有し、食品(加工・調理品を含む)、なかでも食用に利用する植物の部位が最も食用に適した時期(完熟した時期)に収穫された野菜や果物などの生鮮食品およびそれらを含む加工・調理品を新鮮な状態に長期間保つことのできる鮮度保持機能を有する複合材を提供する。
【解決手段】角閃石、リチウム化合物およびチタン化合物を含むセラミックス材料を有する食品の鮮度保持機能を有する複合材であって、樹脂製、紙製、布製、エラストマー・ゴム製のいずれか1種または2種以上の組み合わせたものを主成分とし、フィルム状、シート状、ネット状、ペレット状のいずれか1種または2種以上の組み合わせた形態のものであり、野菜や果物などの植物系の生鮮食品がおかれている場所でのマイナスイオン発生数を750ヶ/cm3以上にできるものである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 角閃石、リチウム化合物およびチタン化合物を含むセラミックス材料を有することを特徴とする食品の鮮度保持機能を有する複合材。 【請求項2】 前記リチウム化合物が、炭酸リチウムであることを特徴とする請求項1に記載の複合材。 【請求項3】 前記チタン化合物が、酸化チタンであることを特徴とする請求項1または2に記載の複合材。 【請求項4】 前記セラミックス材料が、さらに、花崗斑石、石英閃緑石および蛇紋石よりなる群から選ばれてなる少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合材。 【請求項5】 前記セラミックス材料の粒度が15μm以下の範囲であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合材。 【請求項6】 前記角閃石の含有量が、セラミックス材料に対し20〜45質量%の範囲であり、前記リチウム化合物の含有量が、セラミックス材料に対し20〜50質量%の範囲であり、前記チタン化合物の含有量が、セラミックス材料に対し3〜7質量%の範囲である(ただし、セラミックス材料の構成成分の含有量の総和は100質量%である。)ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の複合材。 【請求項7】 前記セラミックス材料の含有量が、複合材全量に対し3〜15質量%の範囲であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の複合材。 【請求項8】 前記複合材の形態が、フィルム状、シート状、ネット状、ペレット状のいずれか1種または2種以上の組み合わせであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の複合材。 【請求項9】 前記複合材が、樹脂製、紙製、布製、エラストマー・ゴム製のいずれか1種または2種以上の組み合わせたものを主成分とすることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の複合材。 【請求項10】 複合材の母材に対し、前記セラミックス材料を3〜15質量%の範囲で添加混入してなる材料を複合材形成原料とすることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の鮮度保持機能を有する複合材の加工法。 【請求項11】 マイナスイオン雰囲気中に食品をおくことを特徴とする食品の鮮度保持方法。 【請求項12】 食品がおかれている場所でのマイナスイオン発生数が、750ヶ/cm3以上であることを特徴とする請求項11に記載の食品の鮮度保持方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、食品の鮮度保持機能を有する複合材およびその加工法、並びに食品の鮮度保持方法に関するものである。特に、野菜や果物など植物系の生鮮食品の鮮度保持機能を有する複合材(例えば、ラッピングフィルム、包装紙、食品トレーや段ボール箱、ザル、発泡スチロールなどのケース、布袋などの包材、野菜や果物など植物系の保護用ネットやペレット状の緩衝材やパッキング材など)およびその加工法、並びに食品、特に、野菜や果物など植物系の生鮮食品の鮮度保持方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】農産物の場合、食用に利用する植物の部位が最も食用に適した時期(完熟した時期)に収穫したもののほうが、未成熟な時期に収穫後に完熟させたものよりも味も香りもよい。しかしながら、野菜や果物などの多くは完熟するのを待たず、むしろ生育初期の未成熟な時期に収穫するものが多い。特に近年の輸送技術の発達や都市部への人口の一極集中の問題などもあり、新鮮な野菜や果物は日本全国、さらには世界各国の生産地から日本全国の各消費地まで空輸ないし陸輸されてきている。さらに我が国では複雑な流通過程が存在するため、こうした各生産地で収穫されてから最終消費者の手に届くまでかなりの日数を要するという問題もあり、生育初期の未成熟な時期に収穫する傾向がより一層強まっている。ところが、こうした野菜や果物などは収穫後もなお成長をしつづける。しかし収穫後に成長した場合、こうした流通過程で要する日数や各過程での保存状態によっては、最終消費者が実際に食用に利用する時点ですでに完熟しすぎることで好ましくないものも多い。 【0003】例えば、タケノコ、アスパラガスなどは成長するにしたがって食用とする部位の繊維化が進み硬くなると同時にリグニンなどが維管束の管壁に沈着するために苦みを呈する。 【0004】また、ほうれん草、レタス、ネギなどの葉菜類では抽苔する。また、大根、牛蒡、人参などの根菜類では根の中心に空洞ができる(鬆がはいる)。そのため、これら現象を充分考慮する必要があった。 【0005】また、近年の遺伝子組み替え食物などバイオ技術の急速な進歩により、トマトなどの一部の食品では、非遺伝子組み替え食物に比べて腐敗しにくく長期間保存ができるものの米国などではすでに市販されてきている。しかしながら、一方では、こうした遺伝子組み替え食物の安全性に対しては十分な研究がなされておらず、ヨーロッパ各国などでは輸入を禁止する動きもある。我が国でも、こうした遺伝子組み替え食品に対しては表示義務が課せられるなど、多くの消費者がその安全性に懐疑的であるのが現状であり、食用に利用する植物の部位が最も食用に適した時期(完熟した時期)に収穫され、安全で且つ新鮮なまま鮮度保持された非遺伝子組み替え食物が市場(最終消費地)に提供されることを多くの消費者が強く要望している。 【0006】さらに、一般的に細菌が繁殖するためには食品中に利用できる水が40〜50質量%含まれていることが必要であり、またカビなどの生育には13〜20質量%の水分が必要であるが、多くの収穫後の野菜や果物などの生鮮食品では、こうした水分量を有するため、完熟した時期に収穫され安全で且つ新鮮なまま鮮度保持された非遺伝子組み替え食物を市場(最終消費地)に提供するには、抗菌性、防カビ性による抑制作用、あるいは防曇性付与により、水滴による野菜や果物などの生鮮食品の品質劣化防止が必要となる。 【0007】そこで、これらの点を充分考慮して、完熟した時期に収穫され安全で且つ新鮮な野菜や果物などの生鮮食品を新鮮な状態により長く保つことのできる鮮度保持機能を有するフィルムの開発が望まれていた。 【0008】こうした要望に対して、野菜や果物などの生鮮食品の鮮度を保持するための鮮度保持フィルムには多数の種類がある。例えば、母材樹脂は、一般的にポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン樹脂が多く、添加混入により練り込まれるものとしては、ゼオライト、セラミックス、さんご粉末(以上は、過熟ガス・エチレンの吸収材)、銀置換ゼオライト(抗菌性付与による腐敗防止)などの無機多孔質、界面活性剤(防曇性付与により、水滴による野菜の品質劣化防止)ヒノキチオール(抗菌性)などの有機物がある。なかでもエチレンの吸収および銀イオンによる抗菌性付与を目的とした銀置換ゼオライト添加混入ポリプロピレンフィルムなどが数多く開発されており、一部にはさらに遠赤効果を付与するために遠赤外線を出すセラミックスを添加混入してなるものなども提案されている。 【0009】しかしながら、これらの鮮度保持フィルムでもなお、未成熟な状態での早期収穫によらなければ、収穫から多くの流通過程を経て市場にでるころにはその鮮度が失われるため、どうしても、本来のおいしい野菜や果物を生産地から離れた消費者に届けることができなかった。そのため、最近では直接農家から消費者に届ける新たなマーケットも形成されつつあるが、値段が割高となるため、ごく一部の富裕層が購入できるに止まっている。 【0010】そこで、本発明者は、過熟ガスであるエチレンを吸収するのでは、成長をとめることはできないため完熟時に収穫したものに適用できないことに鑑み、過熟ガスを抑制することで鮮度保持できれば、より長寿命化が図れる可能性があり、完熟した時期に収穫したおいしい野菜や果物を鮮度を失うことなく提供できると考えるものである。 【0011】すなわち、一般的に植物体に含有されている成分の一部が基質として消費されることから、収穫時の状態を保つためには貯蔵中は呼吸作用をできるだけ抑えることが品質の低下を防ぐことになる。例えば、呼吸作用を1/2に抑えれば計算上では貯蔵できる期間は二倍になる。さらに影響を与えるのが温度である。一般的には温度係数(Q10)が用いられている。品温上昇によって呼吸作用が促進され基質の消耗、鮮度低下が急速に進行する。したがって、現在、多くの野菜や果物は一定温度に保たれたコンテナに入れられ輸送されるようになってきている。さらに鮮度保持の点から蒸散を抑制することが必要である。さらに抗菌性、防カビ性などの抑制作用が必要である。 【0012】なお、近年、都市部など学生や単身者が多く暮らすようになり、生活スタイルも多様化してきており、これにあわせて24時間営業しているようなコンビニエンスストアが数多く出店され、簡単で手軽に野菜や果物が食べられるように、サラダやフルーツの盛り合わせとして売られており、こうした加工・調理野菜や果物については、鮮度保持に加え抗菌、防かび性がより一層重要であり、こうした加工調理品についても、鮮度保持機能を有する包材が強く求められているのが現状である。 【0013】また、現在使われている鮮度保持フィルムや包材には、各種の薬品添加剤(安定剤、可塑剤、酸化防止剤など)が使用されており、その多くは家庭ゴミと一緒に廃棄され焼却処理に回されることになる。こうした場合に、焼却処理の時点でダイオキシン類の発生を免れることはできない。また、最近では、ダイオキシン対策法やPL法により、ダイオキシン類を発生しない安全なプラスチックなどとして塩素を含まない樹脂及び添加剤だけを用いて製造したフィルムも開発されている。しかしながら、後述する国立環境研究所と岐阜県保健環境研究所の共同研究グループの実験から明らかなように、たとえフィルム自身に塩素を含まないようにしても、多くの食塩を含む家庭ゴミと一緒に焼却されれば、ダイオキシン類の発生源となり得る。すなわち、国立環境研究所と岐阜県保健環境研究所の共同研究グループの実験により、都市ごみの焼却のような熱化学反応によるダイオキシン類の生成のメカニズムにつき塩素(特に食塩)が関与することが実証された。これによれば、1日90kgを焼却できる小型焼却炉を使い、新聞紙や重油だけを燃やしただけだとダイオキシン類の発生量は、焼却物1g当たり1ng(=1ng/g)以下であるが、新聞紙とポリ塩化ビニルのシートを一緒に焼却するとダイオキシン類の発生量が150ng/gと急増し、同様に、新聞紙に食塩水を浸して燃やした場合もダイオキシン類の発生量が100ng/gと急増する結果が得られたというものである。さらに、食塩水を浸した新聞紙に塩素を含まないプラスチックのポリエチレンを加えて燃やしてもダイオキシン類の発生量は100ng/gと高くなることも実験で確認できたとするものである。以上の実験結果から、ダイオキシン類の発生量は、焼却物中に含まれる塩素の量と関係していると結論づけている。このことから、塩素を含まないフィルムを用いても同様の結果になることはまず間違いないと言える。従って、焼却時に周囲に塩素(食塩)が存在していてもなお、ダイオキシン類を発生させることのないフィルムは、未だ開発されていないのが現状である。なお、本明細書では、ダイオキシン対策法で法律上規定されるポリ塩化ジベンゾパラジオキシン(PCDDs)、ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDFs)およびコプラナーポリ塩化ビフェニル(コプラナーPCB)をダイオキシン類とする。なお、ダイオキシンによる人体に対する影響について、米国の公的研究機関による最新の研究結果により、発ガン性のおそれがある物質から、極めて発ガン性の強い物質であるとの研究報告がなされ、「発ガン性物質」に加えられることになり、ダイオキシン類の発生防止技術の確立が急務となっている。 【0014】 【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的は、食品、特に野菜や果物などの植物系の生鮮食品の呼吸作用を抑制し、さらに高い抗菌性、防かび性を有し、食品(加工・調理品を含む)、なかでも食用に利用する植物の部位が最も食用に適した時期(完熟した時期)に収穫された野菜や果物などの生鮮食品およびそれらを含む加工・調理品を新鮮な状態に長期間保つことのできる鮮度保持機能を有する複合材およびその加工法を提供するものである。 【0015】また、本発明の目的は、上記鮮度保持機能に加え、さらに焼却時などの熱化学反応により生成されるダイオキシン類および塩化水素ガスの発生を抑制することのできる複合材およびその加工法を提供するものである。 【0016】また、本発明の目的は、呼吸作用を抑制し、新鮮な状態に長期間保つことのできる(加工・調理品を含む)、なかでも食用に利用する植物の部位が最も食用に適した時期(完熟した時期)に収穫された野菜や果物などの生鮮食品およびそれらを含む加工・調理品の鮮度保持方法を提供するものである。 【0017】 【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、呼吸作用を抑制し過熟ガスの発生を抑制する上で、食品の周辺でマイナスイオンを発生させることが極めて有用かつ効果的であることを見出し、さらに抗菌性、防かび性、遠赤効果を付与することにより、腐敗防止、品質低下防止を図ることができ、さらに塩化水素ガスおよびダイオキシン類の発生抑制に炭酸リチウムなどのリチウム化合物が有効かつ効果的であることを見いだし本発明を完成するに至ったものである。さらに、本発明者は、呼吸作用を抑制し過熟ガスの発生を抑制する上で、食品の周辺でマイナスイオンを発生させることが極めて有用かつ効果的であるとの知見から、輸送中や倉庫内に保存する際にも、マイナスイオン発生装置や発生部材を利用することができることを知得し、本発明を完成するに至ったものである。 【0018】すなわち、本発明の上記目的は、下記(1)〜(15)により達成することかできる。 【0019】(1) 角閃石、リチウム化合物およびチタン化合物を含む複合セラミックス材料を有することを特徴とする鮮度保持機能を有する複合材。 【0020】(2) 前記リチウム化合物が、炭酸リチウムであることを特徴とする上記(1)に記載の複合材。 【0021】(3) 前記チタン化合物が、酸化チタンであることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の複合材。 【0022】(4) 前記複合セラミックス材料が、さらに、花崗斑石、石英閃緑石および蛇紋石よりなる群から選ばれてなる少なくとも1種を含むことを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれか1つに記載の複合材。 【0023】(5) 前記複合セラミックス材料の粒度が15μm以下の範囲であることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか1つに記載の複合材。 【0024】(6) 前記角閃石の含有量が、複合セラミックス材料に対し25〜45質量%の範囲であり、前記リチウム化合物(特に、炭酸リチウム)の含有量が、複合セラミックス材料に対し20〜50質量%の範囲であり、前記チタン化合物(特に、酸化チタン)の含有量が、複合セラミックス材料に対し5±2質量%の範囲である(ただし、複合セラミックス材料の構成成分の含有量の総和は100質量%である。)ことを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれか1つに記載の複合材。 【0025】(7) 前記角閃石の含有量が、複合セラミックス材料に対し25〜45質量%の範囲であり、前記リチウム化合物(特に、炭酸リチウム)の含有量が、複合セラミックス材料に対し20〜50質量%の範囲であり、前記チタン化合物(特に、酸化チタン)の含有量が、複合セラミックス材料に対し5±2質量%の範囲であり、前記花崗斑石の含有量が、複合セラミックス材料に対し15〜25質量%の範囲であり、前記石英閃緑石の含有量が、複合セラミックス材料に対し15〜25質量%の範囲であり、前記蛇紋石の含有量が、複合セラミックス材料に対し20〜45質量%の範囲である(ただし、複合セラミックス材料の構成成分の含有量の総和は100質量%である。)ことを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれか1つに記載の複合材。 【0026】(8) 前記複合セラミックス材料の含有量が、複合材全量に対し3〜15質量%の範囲であることを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれか1つに記載の複合材。 【0027】(9) 前記複合材の形態が、フィルム状(ラミネートないし積層フィルムを含む)、シート状(ラミネートないし積層シートを含む)、ネット状、成型体のいずれか1種または2種以上の組み合わせであることを特徴とする上記(1)〜(8)のいずれか1つに記載の複合材。 【0028】(10) 前記複合材が、プラスチック(樹脂)製(発泡プラスチック(樹脂)製を含む)、紙製、布製、エラストマー・ゴム製のいずれか1種または2種以上の組み合わせたものを主成分とすることを特徴とする上記(1)〜(9)のいずれか1つに記載の複合材。 【0029】(11) 複合材の母材に対し、前記複合セラミックス材料を3〜15質量%の範囲で添加混入してなる材料を複合材形成原料とすることを特徴とする上記(1)〜(10)のいずれか1つに記載の鮮度保持機能を有する複合材の加工法。 【0030】(12) マイナスイオン雰囲気中に食品をおくことを特徴とする食品の鮮度保持方法。 【0031】(13) 前記食品がおかれている場所でのマイナスイオン発生数が、750ヶ/cm3以上であることを特徴とする上記(12)に記載の食品の鮮度保持方法。 【0032】(14) 前記食品を上記(1)〜(10)のいずれか1項に記載の複合材により包装ないし収納して保存することを特徴とする上記(12)または(13)に記載の食品の鮮度保持方法。 【0033】(15) 上記(1)〜(10)のいずれか1項に記載の複合セラミックス材料を前記食品の周辺に配して保存することを特徴とする上記(12)〜(14)のいずれか1つに記載の食品の鮮度保持方法。 【0034】 【発明の実施の形態】本発明の鮮度保持機能を有する複合材は、角閃石、リチウム化合物およびチタン化合物を含む複合セラミックス材料を有することを特徴とするものである。これにより、空気イオンをマイナスイオン化させることができるため、呼吸作用を抑制し過熟ガスの発生を抑制することができる。また、抗菌性、防かび性を有し、遠赤外線を発生させることができるためであり、腐敗防止、品質低下防止を図ることができる。さらに塩化水素ガスおよびダイオキシン類の発生を抑制することができるため、複合材廃棄物を焼却しても発ガン性物質などを生じることがなく、環境にやさしいものである。 【0035】本発明の複合材に用いることのできる複合セラミックス材料の構成成分である角閃石は、下記表1に示すとおり、マイナスイオン発生数および食品、特に野菜や果物などの植物系の生鮮食品の呼吸抑制率が最も高く、かつ後述する実施例に示すように複合材形成原料に添加混入させて複合材を形成した場合や、既存の包材やフィルムに塗布して複合材とした場合にもマイナスイオン発生能力および食品、特に野菜や果物などの植物系の生鮮食品の呼吸抑制能力を高く保持でき、過酷な環境である保冷状態や加湿状態におかれても長期間その効力が損なわれず安定的にその効力を維持できるものである。特に表1に示すように、当該マイナスイオン発生数と食品、特に野菜や果物などの植物系の生鮮食品の呼吸抑制率との間に強い相関関係があることがわかったものであり、これにより従来のように発生してしまった過熟ガスを吸収するのではなく、過熟ガスの発生そのものを抑えることが可能となったものである。さらに、高い防カビ性、遠赤外線の放射性を有するため、食品の腐敗防止や品質低下防止効果などにも有効かつ効果的に寄与し得るものである。 【0036】本発明の複合材に用いることのできる複合セラミックス材料の構成成分であるリチウム化合物、特に、炭酸リチウムなどは、下記表1に示すとおり、マイナスイオン発生数(発生能力)および食品、特に野菜や果物などの植物系の生鮮食品の呼吸抑制率が比較的高く、さらに優れた抗菌性、防かび性、脱臭性、遠赤外線の放射率、さらにはダイオキシン類および塩素系ガス(塩化水素ガス)の発生抑制効果を有し、かつ後述する実施例に示すように複合材形成原料に添加混入させて鮮度保持フィルムのような複合材を形成した場合や、既存の食品包装材や鮮度保持フィルムに塗布して複合材とした場合にも、これらの特性を比較的高く保持でき、保冷状態や加湿状態におかれても長期間その効力が損なわれず安定的にその効力を維持できるものである。これにより、こうした高い抗菌性、防かび性、脱臭性、遠赤外線の放射率などにより、食品の腐敗防止、品質低下防止に大幅に貢献することができ、さらにはこうした複合材を廃棄物として、食塩などが混在する一般的な家庭ごみ(都市ゴミ)等と一緒に焼却した際にも、リチウム化合物、特に炭酸リチウムを含有する複合材と塩化物(食塩やポリ塩化ビニル樹脂材など)との熱化学反応により、ダイオキシン類および塩化水素ガス(酸性雨の原因でもあり、急性毒性を持つ)が発生するのを有効かつ効果的に抑制することができるものである。こうしたダイオキシン類の生成機構は十分に解明されていないが、少なくとも本発明のリチウム化合物、特に炭酸リチウムが関与することで、毒性の高いダイオキシン類および塩化水素ガスの生成が妨げられるものと考える。本発明者は、複合セラミックス材料のリチウム化合物がダイオキシン類ないしその前駆体の発生の一因となっている塩素(ないし塩化水素ガス)と直接的に熱化学反応して、あるいは塩素(ないし塩化水素ガス)との熱化学反応に触媒的に作用してダイオキシン類やその前駆体以外の安定な化合物にすることによってダイオキシン類の発生を抑制することができると推論するものである。 【0037】ここで、リチウムは地球上に広く分布しており、鉱物、岩石、土壌および自然水中に微量存在する。特に主要鉱石はリチア雲母、リチア輝石、ペンタライトなどである。現在、リチウム鉱の原鉱として用いられているものは、ウロコ雲母、リシア輝石、ペタル石、ユークリプタイト、ベニウンモ、チンワルドウンモ、マナンドナイト、トリフィル石、リシオフィライト、アンブリゴ石(LiAl(FePO4 ))、フレモンタイト、シックラー石などである。こうしたリチウムを含有する鉱物は、燐酸、砒酸、バナジン酸ないし珪酸塩等を含む鉱物である。 【0038】よって、本発明のリチウム化合物には、こうしたリチウムを含有する鉱物、該鉱物から所定の加工工程を経て製造された燐酸リチウム、珪酸リチウム、炭酸リチウムなどのほか、天然の鹹水から製造(回収)された炭酸リチウムなどのリチウム化合物も含まれるものである。好ましくはリチウム化合物中に占めるリチウム含量比率が大きなものである。具体的にはリチウムを含有する鉱物ないし鹹水から所定の加工工程を経て製造された燐酸リチウム、珪酸リチウム、炭酸リチウムなどである。上記リチウム化合物のなかでも、これら炭酸リチウム、燐酸リチウム、珪酸リチウム、とりわけ炭酸リチウムは抗菌性や防かび性などに優れたものであって、リチウム電池の大量生産に伴い原料資材も安価なものとなっており、リチウム化合物も安価に生産でき、また安全性に優れ、プラスチック等に使用した場合でも母材の樹脂等を劣化させることもなく、耐光性、耐熱性にも優れたものであり、ダイオキシン発生抑制効果にも優れたものである。 【0039】本発明の複合材に用いることのできる複合セラミックス材料の構成成分であるチタン化合物としては、酸化チタン、金属チタンのほか、これらを含むチタン系鉱物であってもよい。好ましくは光触媒機能を有するものである酸化チタンが望ましい。チタン化合物、特に酸化チタンは、表1に示すように、極めて高い活性率、遠赤外線の放射性を有するため、他の複合セラミックス材料の構成成分と組み合わせた際に、他の成分の持つ(1)周囲の空気をマイナスイオン化する特性、(2)平均鮮度保持率、(3)抗菌性、(4)防かび性、(5)脱臭性、(6)遠赤外線放射性、(7)ダイオキシン類および塩化水素ガスの発生抑制特性をより高めることができるため極めて有用である。したがって、下記表1に示すように、複合セラミックス材料の構成成分として積極的に配合するのがよい。 【0040】本発明の複合材に用いることのできる複合セラミックス材料には、さらに、花崗斑石、石英閃緑石および蛇紋石よりなる群から選ばれてなる少なくとも1種を使用することが望ましい。すなわち、これらのセラミックス材料にも、(1)マイナスイオン発生特性、周囲の空気をマイナスイオン化する特性、(2)平均鮮度保持率、(3)抗菌性、(4)防かび性、(5)脱臭性、(6)遠赤外線放射性、(7)ダイオキシン類および塩化水素ガスの発生抑制特性、の少なくとも1種の機能を有するためである。このように、上記任意成分であるセラミックス材料を使用用途に応じて最適な組み合わせで選択することができるものである。さらに複合セラミックス材料には、必要に応じて、シリカ、マグネシア、凝灰石、酸化カルシウム、石灰石、電気石、苦灰石、千枚石などの無機化合物を適宜使用してもよい。 【0041】また、本発明の複合材に用いることのできる複合セラミックス材料の粒度は、複合材の使用形態により適宜決定されるものであり、特に制限されるものではない。膜厚および透明性が要求される鮮度保持フィルムを例にとれば、複合セラミックス材料の粒度は、通常15μm以下、好ましくは10μm以下、より好ましくは7.5μm以下、さらに好ましくは1〜7.5μm、特に好ましくは1〜5μmの範囲である。そして、平均粒度が1〜10μm、好ましくは1〜7.5μmの範囲のものが好ましい。複合セラミックス材料の粒度が15μmを越える場合には、フィルム化が困難となり、フィルムの強度や透明性などの特性に影響を及ぼすおそれが生じるため好ましくない。なお、下限については特に制限されるものではない。これは、複合セラミックス材料が微粉末の状態でも十分に下記表1に示す特性を発現できるためである。また、複合セラミックス材料を構成するそれぞれの成分の粒度についても、上記粒度範囲にあればよいが、好ましくは各成分の粒度が同じ粒度分布を有することが均一に混合することができるので望ましい。なお、他の使用形態、例えば、包装紙、食品トレーや段ボール箱、ザル、発泡スチロールなどのケース、布袋などの包材、野菜や果物などの保護用ネットやペレット状の緩衝材やパッキング材、トレーなどにおいても、上記粒度範囲であれば問題ないが、これらに添加されている既存の無機系材料の粒度と同じ程度であってもよい。 【0042】なお、本発明の複合材では、食品、特に野菜や果物などの植物系の生鮮食品の呼吸抑制作用に優れるものであるが、さらに、必要に応じて、既存の添加剤、例えば、過熟ガス吸収性を有するゼオライト、セラミックス、さんご粉末、抗菌性を有する銀置換ゼオライト、ヒノキチオール、防曇性を有する各種界面活性剤などを、例えば、無機系の添加剤の場合には複合セラミックス材料の構成成分の1種として、有機系の添加剤の場合には、複合材形成原料の1種として、必要に応じて適量を添加混入してもよいことはいうまでもない。 【0043】本発明の複合材に用いることのできる複合セラミックス材料の主要な構成成分につき、pH、放射率、防かび性、マイナスイオン発生数、平均鮮度保持率、活性率、脱臭性および抗菌性を下記表1に示す。 【0044】 【表1】
【0045】ここで、本発明でのpH(表1、3、4にて表示するもの)は、試料1gを水1リッルに懸濁ないし浸漬させてなる懸濁ないし浸漬液のpH(25℃)を市販のpH計測器により測定した。 【0046】本発明での放射率(表1、3、4にて表示するもの)は、赤外法(分光器;日本分光工業株式会社製)により仮想黒体と試料(20×30×2mmの板状に加工したもの)の放射率を比較することにより求めた。より詳しくは、試料の表面温度を所定の温度(100℃)にし、仮想黒体との比較放射率を計測し求めたものである。 【0047】本発明での防カビ性は、JIS Z 2911に準じて行い、性能評価した。 【0048】本発明でのマイナスイオン発生数(ヶ/cm3)(表1、3、4にて表示するもの)は、高い測定レベルでの客観的信頼性および公平性が担保されるように、外部の分析機関(株式会社ダン科学)にサンプル(表1では複合セラミックス材料に用いられる各種構成成分、表3では各種複合セラミックス材料、表4では各種複合材の1種である複合フィルム)を提出し、サンプルの分析を依頼した。よって、本明細書では、同分析機関が所有するマイナスイオン計測機械(株式会社ダン科学製;空気イオンカウンターMODEL:83−1001B)を使用して同分析機関で測定して得られた値を用いたものである。なお、同様のサンプルを他の国立研究機関に依頼して分析を行ったが同様の結果が得られた。 【0049】本発明での平均鮮度保持率(%)(表1、3、4にて表示するもの)は、傷みやすい果実の1つである完熟した桃を対象(各100個)として、常温下で1日放置したあとに、全く傷んでいないものの比率を求めた。表1では複合セラミックス材料に用いられる各種構成成分を押し固めて、表3では各種複合セラミックス材料を押し固めて、表4では各種複合材の1種である複合フィルムを対象の桃の底に敷いた状態で測定したものである。 【0050】本発明での活性率αb(%)(表1、3、4にて表示するもの)は、各試料の反応において、気体・溶質に対し強い異相の能力を有し、エネルギーと時間との物質量(%)で表示したものである。なお、試料が活性しないものの活性率は「−」で表した。 【0051】また、本発明での脱臭率(表1、3、4にて表示するもの)は、テドラーバッグ内に試料1g及び臭いガス600mlを投入し3時間経過後のガス濃度の変化を測定し、下記式により脱臭率を求めた。なお、ガス種には、アルカリ性ガスとしてアンモニア、酸性ガスとして硫化水素を使用した。尚、ガス濃度は、アンモニアは、吸光光度法ないし電位差計を用い、硫化水素は、ガスクロマトグラフ分析計ないし炎光光度検出器を用いて行った。 脱臭率(%)=((ブランクガス濃度−試料ガス濃度)/ブランクガス濃度)×100 また、本発明での抗菌率(表1、3、4にて表示するもの)は、日本防菌防黴学会で認定されている測定法を用いるものとする。すなわち、菌類に対する抗菌率に関しては、■粉末形態の無機系のセラミックス材料(粉末形態)についてはシェーク法により測定し、■プラスチック、フィルム等の各種加工品(一定の形状を有するもの)については、加圧法により測定するものとする。これらの測定法の概要を以下に簡単に説明する。 【0052】シェーク法;粉末形態の材料等に適用し得る抗菌力評価方法であって、リン酸緩衝液中にサンプルと、供試菌とを共存させ、一定の時間振とう後に生残菌数を測定するものである。すなわち、水溶液中に分散させたサンプルと供試菌とを振とうにより強制的に接触作用させて効果を確認する方法である。 【0053】加圧法;一定の形状の加工製品(フィルムやシートなどの製品がこれに該当する)に好適に適用し得る抗菌力評価方法であって、所定の大きさ(例えば、25×25mm)のサンプルであるフィルムなどの製品を1%ペプトン水溶液に供試菌を懸濁したものを適量(例えば、0.050ml)塗布する(サンプル1枚当たり1.0×106 CFU接種)。次に、殺菌したポリエチレンフィルム(30×30mm)を密着させ適当な温度(例えば、30℃)と湿度(加湿状態)を保ち24時間後、適量のSCDLP培地(例えば、10ml)で菌液を洗い出し適宜希釈を行い平板混釈法(SCDLP寒天培地 培養32℃48時間)により生菌数を測定するものである。 【0054】本発明の複合材に用いることのできる複合セラミックス材料では、食品、特に野菜や果物などの植物系の生鮮食品の呼吸作用を抑制し、さらに高い抗菌性、防かび性(さらには、高放射性、高活性、高脱臭性)を有し、食品(加工・調理品を含む)、なかでも食用に利用する植物の部位が最も食用に適した時期(完熟した時期)に収穫された野菜や果物などの生鮮食品およびそれらを含む加工・調理品(一部に動物系の食品を含んでいてもよい)を新鮮な状態に長期間保つことのできる鮮度保持機能を有し、さらに燃焼時にダイオキシン類および塩化水素ガスの発生抑制特性を有するように、所定の割合で角閃石、リチウム化合物、チタン化合物、さらには花崗斑石、石英閃緑石および蛇紋石よりなる群から選ばれてなる少なくとも1種を含有するものであればよい。 【0055】具体的には、角閃石の含有量は、複合セラミックス材料全量に対し通常15〜55質量%、好ましくは25〜45質量%、より好ましくは25〜40質量%、特に好ましくは25〜35質量%の範囲である。角閃石の含有量が25質量%未満の場合には、角閃石に匹敵するだけの高いマイナスイオン発生特性(周囲の空気をマイナスイオン化する特性)を有するものがなく、当該マイナスイオン発生特性が若干低下するため、例えば、複合セラミックス材料を複合材形成原料などに混入して鮮度保持フィルムなどの複合材を製造するような場合には、得られる複合材によるマイナスイオン発生数が食品、特に野菜や果物などの植物系の生鮮食品、特に野菜や果物などの植物系の生鮮食品に対して十分な呼吸抑制作用を発揮するのに有効とされる500ヶ/cm3以上のレベルを達成できない場合が生じるなど好ましくない。一方、角閃石の含有量が45質量%を越える場合には、マイナスイオン発生特性(周囲の空気をマイナスイオン化する特性)は十分に確保される反面、炭酸リチウムや酸化チタンなどの含有量が相対的に低下するため、十分な抗菌性、脱臭性、活性率、塩化水素ガス(ひいてはダイオキシン類)の発生抑制特性を発現させることが困難となるなど好ましくない。 【0056】また前記リチウム化合物(特に、炭酸リチウム)の含有量は、複合セラミックス材料全量に対し通常10〜60質量%、好ましくは20〜50質量%、より好ましくは20〜45質量%、特に好ましくは20〜40質量%の範囲である。リチウム化合物の含有量が20質量%未満の場合には、リチウム化合物、特に炭酸リチウムに匹敵するだけの多機能性(マイナスイオン化特性、抗菌性、防カビ性、脱臭性、放射性のいずれもが高い特性を有している)を有するものがなく、当該多機能性がいずれも低下するため、例えば、複合セラミックス材料を複合材形成原料などに混入して鮮度保持フィルムや包装材などの複合材を製造するような場合には、得られる複合材」における多機能性が十分でない場合が生じるなど好ましくない。一方、リチウム化合物の含有量が50質量%を越える場合には、他の構成成分である角閃石や酸化チタンなどの含有量が低下するため、これを用いて鮮度保持フィルムや包装材などの複合材を形成した場合に十分なマイナスイオン発生特性、平均鮮度保持率や活性特性などを十分に発現させることが困難となるなど好ましくない。 【0057】さらに、チタン化合物、特に酸化チタンは、活性特性を有効に発現できる適量を含有させることが有効かつ効果的である。そのためチタン化合物、特に酸化チタンの含有量は、複合セラミックス材料全量に対し通常2〜15質量%、好ましくは3〜7質量%、より好ましくは4〜6質量%、特に好ましくは5質量%の範囲である。チタン化合物、特に酸化チタンの含有量が15質量%を越える場合には、さらなる添加に見合うだけの効果が得られず、むしろ他の構成成分の含有量を減ずることによる特性低下を招くおそれがあるため好ましくない。一方、2質量%未満の場合には、十分な活性特性を発現させることができない場合がある。 【0058】さらに、任意成分である花崗斑石は、マイナスイオン化特性、平均鮮度保持率、脱臭性、抗菌性、放射性が比較的優れていることから、角閃石の一部を花崗斑石に変えることで、多機能性および色合いなどを適宜調節するのに有用である。そのため花崗斑石の含有量は、複合セラミックス材料全量に対し通常30質量%以下、好ましくは10〜30質量%、より好ましくは15〜25質量%、特に好ましくは20±3質量%の範囲である。花崗斑石の含有量が10質量%未満の場合には、多機能性や色合いなどを適宜調節するのに不十分な場合もあり得る。一方、30質量%を越える場合には、必須成分の含有量が低下するため、所望の特性を十分に発現させることが困難となる場合がある。 【0059】さらに、任意成分である石英閃緑石は、マイナスイオン化特性、平均鮮度保持率、脱臭性、抗菌性、放射性を有することから、角閃石の一部を石英閃緑石に変えることで、多機能性や色合いなどを適宜調節するのに有用である。そのため石英閃緑石の含有量は、複合セラミックス材料全量に対し通常30質量%以下、好ましくは10〜30質量%、より好ましくは15〜25質量%、特に好ましくは20±3質量%の範囲である。石英閃緑石の含有量が10質量%未満の場合には、多機能性や色合いなどを適宜調節するのに不十分である。一方、30質量%を越える場合には、必須成分の含有量が低下するため、所望の特性を十分に発現させることが困難となる場合がある。 【0060】さらに、任意成分である蛇紋石は、比較的高い多機能性(マイナスイオン化特性、平均鮮度保持率、抗菌性、防カビ性、脱臭性、放射性)を有することから、必須成分の一部を蛇紋石に変えることで、色合いや多機能性を適宜調節するのに有用である。そのため蛇紋石の含有量は、複合セラミックス材料全量に対し通常50質量%以下、好ましくは20〜50質量%、より好ましくは20〜45質量%、特に好ましくは20〜35質量%の範囲である。蛇紋石の含有量が20質量%未満の場合には、色合いや多機能性などを適宜調節するのに不十分である。一方、50質量%を越える場合には、必須成分(特にリチウム化合物)の含有量が低下するため、所望の特性(特に蛇紋石が持っていない塩化水素ガスおよびダイオキシン類の発生抑制特性)を十分に発現させることが困難となる場合がある。 【0061】なお、本発明の複合セラミックス材料では、その構成成分の含有量の総和は、いかなる組み合わせであれ100質量%である。 【0062】上記したように複合セラミックス材料は、所望の特性を有効に発現し得るように必須成分、さらには任意成分を上記に規定する含有量の範囲で加えて複合化(=多機能化)することによって、その複合材の特性が増すものである。 【0063】すなわち、上記表1に示すように複合セラミックス材料の構成成分ごとにその特性が異なるため、各複合セラミックス材料の成分毎の特性を充分検討して所望の複合セラミックス材料の成分混合率を決めることが望ましく、マイナスイオンの発生特性、平均鮮度保持率、抗菌率、防カビ性、活性特性、放射率、脱臭率、さらにダイオキシン類および塩化水素ガスの発生抑制特性などを充分考慮すると共に、使用用途に適した色合いが出せるように、求める特性に合致する複合セラミックス材料を作ることが望ましい。成分構成の異なる複合セラミックス材料の例として下記表2に複合セラミックスA〜Hを例示する。また、下記表3には、表2の複合セラミックスA〜HにおけるpH、放射率、防かび性、マイナスイオン発生数、平均鮮度保持率、活性率、脱臭性および抗菌性の特性を示す。 【0064】 【表2】
【0065】 【表3】
【0066】上記表3に示すように、複合セラミックス材料の特性は、全体として平均化して、放射率、防かび性、マイナスイオン発生数、平均鮮度保持率、活性率、脱臭率、抗菌率などがいずれも高い値を示しているといえる。 【0067】本発明の複合材に用いることのできる複合セラミックス材料のマイナスイオン発生数は、構成成分の組み合わせ、配合比率にもよるが、750ヶ/cm3以上、好ましくは1000ヶ/cm3以上、より好ましくは1250ヶ/cm3以上である。マイナスイオン発生数が500ヶ/cm3未満の場合には、これを用いて形成させた鮮度保持フィルムや包装材などの複合材に同様の多機能性を発現させる際に、ある程度その性能が低下する場合もあることから、最終的な製品として利用する上で、食品に対して有効な効果が認められる500ヶ/cm3以上を達成するのが困難である。 【0068】本発明の複合材に用いることのできる複合セラミックス材料の平均鮮度保持率は、構成成分の組み合わせ、配合比率にもよるが、55%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上である。食品、特に野菜や果物などの植物系の生鮮食品の平均鮮度保持率が55%未満の場合には、これを用いて形成させた鮮度保持フィルムや包装材などの複合材に同様の多機能性を発現させる際に、ある程度その性能が低下する場合もあることから、最終的な製品として利用する上で、食品に対して有効な効果が認められず好ましくない。 【0069】本発明の複合材に用いることのできる複合セラミックス材料の防カビ特性(JIS Z 2911)は、構成成分の組み合わせ、配合比率にもよるが、3である。食品の防カビ特性が2以下の場合には、これを用いて形成させた鮮度保持フィルムや包装材などの複合材に同様の防カビ特性を発現させることが困難であり、食品、特に野菜や果物などの植物系の生鮮食品に対して有効な防カビ効果が十分発揮できず好ましくない。 【0070】本発明の複合材に用いることのできる複合セラミックス材料の脱臭率は、脱臭対象(酸系ないしアルカリ系)や複合セラミックス材料の組み合わせにもよるが、通常50%以上、好ましくは55%以上、より好ましくは60%以上、特に好ましくは65%以上である。該脱臭率が50%未満の場合には、これを用いて形成させた鮮度保持フィルムや包装材などの複合材において、ある程度その性能が低下することから、鮮度保持フィルムや包装材などとして利用する上で十分な脱臭効果が認められず好ましくない。 【0071】本発明の複合材に用いることのできる複合セラミックス材料の抗菌率は、抗菌対象(大腸菌やブドウ球菌など)やその組み合わせにもよるが、通常80%以上、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上である。該抗菌率が80%未満の場合には、これを用いて形成させた鮮度保持フィルムや包装材などの複合材において、ある程度その性能が低下することから、鮮度保持フィルムや包装材などとして利用する上で十分な抗菌効果が認められず好ましくない。 【0072】本発明の複合材に用いることのできる複合セラミックス材料の活性率は、その組み合わせにもよるが、通常80%以上、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上である。該活性率が80%未満の場合には、これを用いて形成させた鮮度保持フィルムや包装材などの複合材において、十分に多機能性を高める(活性させる)ことができず好ましくない。 【0073】本発明の複合材に用いることのできる複合セラミックス材料の(遠赤外線の)放射率は、その組み合わせにもよるが、通常80%以上、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上である。該放射率が80%未満の場合には、これを用いて形成させた鮮度保持フィルムや包装材などの複合材において、ある程度その性能が低下することから、鮮度保持フィルムや包装材などとして利用する上で十分な遠赤外線の放射による作用効果が認められず好ましくない。 【0074】本発明の複合材に用いることのできる複合セラミックス材料の塩素(塩化水素ガス)の分解率(後述する実施例のダイオキシン類の発生抑制特性に強く関係するものである。)は、その組み合わせにもよるが、通常95%以上、好ましくは98%以上、より好ましくは99%以上である。該分解率が、95%未満の場合には、これを用いて形成させた鮮度保持フィルムや包装材などの複合材を焼却する際に、ダイオキシン類および塩化水素ガスの発生を十分に抑制することが困難である。 【0075】次に、本発明の複合材に用いられる上記複合セラミックス材料の含有量は、使用形態により異なるため一義的に規定することはできないが、複合セラミックス材料の持つ機能を有効かつ効果的に発現し得る範囲であれば、特に制限されるものではない。具体的には、鮮度保持フィルムでは、複合セラミックス材料の含有量は、複合材全量に対し0.01〜25質量%、好ましくは3〜15質量%、より好ましくは3〜7.5質量%、特に好ましくは3〜5質量%の範囲である。複合セラミックス材料の含有量が、複合材全量に対し3質量%未満の場合には、複合セラミックス材料の持つ多機能特性を十分に発揮させることができない場合がある。一方、複合セラミックス材料の含有量が、複合材全量に対し15質量%を越える場合には、材料の強度や材料の透明性が低下する場合がある。なお、複合材の使用形態が、他のシート材や成型材などによる食品包装材、食品保護材、食品緩衝材などの場合においても、上記フィルム形態での含有量の範囲内もしくはそれ以上の使用が可能であり、使用形態ごとに事前に簡単な予備実験などを行うことで、最適な含有量の範囲を知ることができるので、ここでの使用形態ごとの最適な含有量の開示は省略する。 【0076】本発明の複合材に用いることのできる複合セラミックス材料の粒度も、使用形態により異なるため一義的に規定することはできないが、複合セラミックス材料の持つ機能を有効に発現し得る範囲であれば特に制限されるものではなく、通常15μm以下、好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下の範囲である。複合セラミックス材料の粒度が15μmを越える場合には、使用形態によっては、その成形が困難となったり、材料の強度が低下する場合が生じるおそれがある。なお、下限については特に制限されるものではない。これは、複合セラミックス材料が微粉末の状態で複合材形成原料に混入し複合材を製造しても、また既存のフィルムや包装材などの表面にコーティングするなどしても、十分にその特性を発現できるためである。複合セラミックス材料は、複合材内部に分散させた状態でも有効に多機能性を示すことから、何らかの触媒作用が働くか、あるいは全く別の新規な作用機序によるものといえる。 【0077】本発明の複合材は、上記複合セラミックス材料を適量含有するものであればよく、各種樹脂(プラスチック)製(発泡樹脂(プラスチック)製を含む)、紙製、布製、エラストマー・ゴム製、木材製などのいずれか1種または2種以上を組み合わせたものを主成分としてなるものであり、食品の鮮度保持に供される各種包装材、保護材、緩衝材などとして幅広く利用できるものである。さらに、樹脂製、紙製、布製、エラストマー・ゴム製、木材製などのいずれか1種または2種以上を組み合わせたものを主成分とする複合材は、さらにアルミニウムなどの金属を蒸着したものなど従来公知の各種材料を用いてなる積層構造やラミネート構造としたものであってもよい。 【0078】本発明の複合材の他の構成成分は、上記樹脂製、紙製、布製、エラストマー・ゴム製、木材製などにより異なるものであるが、従来公知の各種母材成分および添加剤が使用できることは言うまでもない。樹脂およびゴム製品を例に挙げれば、まず、主成分である母材樹脂成分または母材ゴム成分としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ−p−キシリレン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、フッ素系プラスチック、ポリアクリロニトリル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、ポリエーテル、ポリカーボネート、熱可塑性ポリエステル、ポリアミド(ナイロン類)、ジエン系プラスチック、ポリウレタン系プラスチック、耐熱性高分子(芳香族ポリアミド、ポリフェニレン、ポリキシリレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、芳香族ヘテロ環ポリマー、はしご型ポリマーなど)等の熱可塑性樹脂(熱可塑性プラスチック)、フェノール樹脂、フラン樹脂、キシレン・ホルムアルデヒド樹脂、ケトン・ホルムアルデヒド樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アニリン樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、トリアリルシアヌレート樹脂、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのホルムアルデヒド樹脂、アクロレイン系樹脂、トリアジン系樹脂等の熱硬化性樹脂(熱硬化性プラスチック)、天然ゴム系プラスチック、セルロース系プラスチック、タンパク質系プラスチック、デンプンからのプラスチック等の天然プラスチック、パルプ、天然ゴム、合成ゴム等が挙げられ、例としては、ポリテトラクロロエチレン、ポリジメチルシロキサン(シリコン)、ブチルゴム、ポリプロピレン、ポリエチレン、水素添加ポリブタジエン、ポリブタジエン/スチレン(85/15、75/25、60/40)、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリブチルアクリレート、ポリエチレルヘキシルメタクリレート、ポリエトキシメチルメタクリレート、ポリプロピルアクリレート、ポリスチレン、ポリサルファイド(チオコールゴム)、ポリスチレンジビニルベンゼン、ポリメチルメタクリレート、ネオプレン、ポリブタジエン/アクリロニトリル(75/25)、ポリエチルアクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリウレタン、エチルセルロース、ポリビニルクロルアセテート、ポリエチレングリコールテレフタレート(テトロン)、セルロースジアセテート、セルロースジニトレート、ポリメチレノキサイド(デルリン)、ポリビニルデンクロライド(サラン)、ポリメタアクリロニトリル、ポリアクリロニトリル等が例示できる。特に、フィルムおよびシート材料に適するものとしては、例えば、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS);アクリロニトリル−アクリル酸メチル共重合体(ゴム変成品);セロハン(再生セルロース);エチルセルロース、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、プロピオン酸セルロース、三酢酸セルロース等のセルロース類;エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリクロロエチレン−トリフルオロエチレン共重合体(PCTFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)等のフッ素系プラスチック;アイオノマー;ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−11、ナイロン−12等のポリアミド;ポリブチレン;ポリカーボネート;ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート);低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)などのポリエチレン;酢酸ビニル、アクリル酸メチルなどのエチレン共重合体;ポリイミド;ポリメタクリル酸メチル(PMMA);ポリプロピレン(押出成形品、二軸延伸品など);ポリスチレン(配向グレード、発泡体など);ポリスチレン、ポリエーテルスルホンなどのスルホン系ポリマー;ポリウレタネラストマー;ポリビニルアルコール;ポリ塩化ビニル(非可塑化グレード、可塑化グレードなど);塩化ビニル−アセテート共重合体(非可塑化グレード、可塑化グレードなど)等が例示できる。特にフィルム材料では、好ましくは非吸水性樹脂であることが望ましく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ナイロン(ポリアミド)系樹脂、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニル系樹脂等が例示できる。さらに、吸水性である織布、不織布およびアルミ箔などに母材原料を張り合わせることによって、それぞれの素材の特性(吸水性、耐水・耐油性、熱・光反射性、ガスバリヤー性など)をさらに生かすことができるので、多くの分野で用いることができる。 【0079】また、上記母材樹脂成分および母材ゴム成分以外にも、必要に応じて、従来既知の各種添加剤、例えば、発泡剤、滑剤、着色剤、顔料、熱安定剤、紫外線安定剤(紫外線吸収剤)、酸化防止剤(抗酸化剤)、可塑剤、硬化剤、触媒、充填剤、補強材、増量剤、帯電防止剤、難燃剤、抗菌・防カビ剤等をそれぞれの性能(機能)が十分に発現し得る範囲内で適宜含有されていてもよい。 【0080】また、複合材の形態は、フィルム状(ラミネート構造ないし積層構造を含む。また、いわゆるポリ袋などのフィルムの加工品を含む。例えば、ラッピング用のフィルムや食品収納袋など)、シート状(ラミネート構造ないし積層構造を含む。また、いわゆるダンボール箱などのシートの加工品を含む。例えば、野菜や果物を収納する包装紙やダンボール板を箱に加工して使用する場合などが該当する。)、ネット状(みかんなどの果物を入れるようなネット状の袋、桃やメロンなどを保護するために下半分を包み込むような発泡樹脂製のネット状の袋などが該当する)、布製の袋状物(芋や玉ねぎ等を入れておく通気性のよい包材として使用する)、ペレット状(野菜や果物と収納箱との隙間に入れて緩衝材やパッキング材などとして使用する。)、その他、任意の成形形態(例えば、食品トレー、食品収納容器、ザル、発泡スチロールなどの収納ケース、りんご箱などの底に敷き窪み部にりんごなどがちょうど収まるように成型されたものなどが該当する。)のいずれか1種または2種以上を組み合わせたものなどが例示されるが、これらに限定されるものではない。好ましくは、該食品周辺でのマイナスイオンの発生作用、食品、特に野菜や果物などの植物系の生鮮食品の呼吸抑制作用(鮮度保持特性、腐敗防止効果)、抗菌性、防カビ性、遠赤効果、脱臭性、ダイオキシン類及び塩化水素ガスなどの環境汚染物質抑制効果の特性発現効果が強く求められる部材、例えば、果物や野菜に直接接する部分や野菜や果物を包装する際に用いられる部材など、食品への直接的な作用効率の観点からこうした複合材の表面部分にこうした特性を有する複合セラミックス材料が効果的に含有されていることが各種機能を高める上で特に有用かつ効果的である。また、これらを焼却する際にダイオキシン類の生成に不可欠な塩素含有の樹脂や添加剤を含有する複合材形成原料を用いて成形加工されている複合材はもとより、塩素を含有しない複合材であっても、食塩を含む家庭ごみと一緒に廃棄焼却される場合においても、ダイオキシン類や塩化水素ガスの発生に関与し得ることも十分にあり得るが、如何なる環境下で焼却処理されようと本発明の複合材では、ダイオキシン類や塩化水素ガスの発生を有用かつ効果的に抑制できるものである。 【0081】本発明に係る複合材は、上記複合セラミックス材料の持つ諸特性を損なうことなく下記に示すように同等の諸特性を有することから、上記に説明するような優れた作用効果を奏することができるものといえる。 【0082】すなわち、本発明の複合材のマイナスイオン発生数は、構成成分の組み合わせ、配合比率にもよるが、750ヶ/cm3以上、好ましくは1000ヶ/cm3以上、より好ましくは1250ヶ/cm3以上である。マイナスイオン発生数が500ヶ/cm3未満の場合には、鮮度保持フィルムや包装材などとして使われる複合材に所望の多機能性を発現させる際に、ある程度その性能が低下する場合もあることから、こうした鮮度保持フィルムや包装材などとして利用する上で、食品、特に野菜や果物などの植物系の生鮮食品に対して有効な効果が認められるマイナスイオン発生数500ヶ/cm3以上を達成するのが困難である。 【0083】本発明の複合材の平均鮮度保持率は、構成成分の組み合わせ、配合比率にもよるが、55%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上である。食品、特に野菜や果物などの植物系の生鮮食品の平均鮮度保持率が55%未満の場合には、鮮度保持フィルムや包装材などとして使われる複合材に所望の多機能性を発現させる際に、ある程度その性能が低下する場合もあることから、こうした鮮度保持フィルムや包装材などとして利用する上で、食品、特に野菜や果物などの植物系の生鮮食品に対して有効な効果が認められず好ましくない。 【0084】本発明の複合材の防カビ特性(JIS Z 2911)は、構成成分の組み合わせ、配合比率にもよるが、3である。食品の防カビ特性が2以下の場合には、鮮度保持フィルムや包装材などとして使われる複合材に所望の防カビ特性を発現させることが困難であり、食品、特に野菜や果物などの植物系の生鮮食品に対して有効な防カビ効果が十分発揮できず好ましくない。 【0085】本発明の複合材の脱臭率は、脱臭対象(酸系ないしアルカリ系)や複合セラミックス材料の組み合わせにもよるが、通常50%以上、好ましくは55%以上、より好ましくは60%以上、特に好ましくは65%以上である。該脱臭率が50%未満の場合には、鮮度保持フィルムや包装材などとして使われる複合材において、ある程度その性能が低下することから、鮮度保持フィルムや包装材などとして利用する上で十分な脱臭効果が認められず好ましくない。 【0086】本発明の複合材の抗菌率は、抗菌対象(大腸菌やブドウ球菌など)やその組み合わせにもよるが、通常80%以上、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上である。該抗菌率が80%未満の場合には、鮮度保持フィルムや包装材などとして使われる複合材において、ある程度その性能が低下することから、鮮度保持フィルムや包装材などとして利用する上で十分な抗菌効果が認められず好ましくない。 【0087】本発明の複合材の活性率は、その組み合わせにもよるが、通常80%以上、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上である。該活性率が80%未満の場合には、鮮度保持フィルムや包装材などとして使われる複合材において、十分に多機能性を高める(活性させる)ことができず好ましくない。 【0088】本発明の複合材の(遠赤外線の)放射率は、その組み合わせにもよるが、通常80%以上、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上である。該放射率が80%未満の場合には、鮮度保持フィルムや包装材などとして使われる複合材において、ある程度その性能が低下することから、鮮度保持フィルムや包装材などとして利用する上で十分な遠赤外線の放射による作用効果が認められず好ましくない。 【0089】本発明の複合材の塩素(塩化水素ガス)の分解率(及びダイオキシン類の発生抑制率)は、その組み合わせにもよるが、通常95%以上、好ましくは98%以上、より好ましくは99%以上である。該分解率(及びダイオキシン類の発生抑制率)が、95%未満の場合には、鮮度保持フィルムや包装材などとして使われる複合材を廃棄後に焼却する際に、ダイオキシン類および塩化水素ガスの発生を十分に抑制することが困難である。 【0090】次に、本発明の鮮度保持機能を有する複合材(包装材などの製品)の製造方法は、複合材の母材に対し、前記複合セラミックス材料を0.01〜25質量%、好ましくは3〜15質量%、より好ましくは3〜7.5質量%、特に好ましくは3〜5質量%の範囲で添加、混入してなる材料を複合材形成原料とすることを特徴とするものである。複合セラミックス材料の添加量が、複合材の母材全量に対し3質量%未満の場合には、複合セラミックス材料の持つ多機能特性を十分に発揮させることができない場合がある。一方、複合セラミックス材料の添加量が、複合材の母材全量に対し15質量%を越える場合には、材料の強度や材料の透明性が低下する場合がある。本発明の製造方法の他の要件(製造条件など)に関しては、特に制限されるものではなく、成型品やフィルムなど様々な形態に関するプラスチック製造加工(2次加工を含む)技術、紙・パルプ製造技術、ゴム・エラストマー製造加工技術、塗料・塗装製造加工技術、繊維加工技術(紡製加工技術や織編加工技術など)、木材加工技術、コーティング技術、粉体注入技術、さらにはこれらの複合(積層やラミネート)化技術、さらには各種製品組立技術などを適宜利用して製造できる。すなわち、今日までにも無機系充填剤などを樹脂、繊維、ゴム、塗料、木材などに加えることは一般的な手法であり、こうした無機系充填剤と同様にして本発明の複合セラミックス材料を加えればよく、製造上の技術的な問題はなく、あらゆる材料に適用でき、また所望の形態に加工することができるものである。例えば、チタンなどの硬い成分を使用する場合には、対応する成形装置の材質などに留意することは既に公知なものであり、また、無機系添加剤を均一に分散させる添加剤なども既に多く開発されており、これらを添加する時期に関しても既によく知られているように成形直前がよい場合や、マスターバッチに予め添加しておくのがよい場合など個々に決定すべきであり、使用する材料や添加剤に応じて適切な装置材料の選択などを含めて使用する装置の種類や操作条件等を適宜決定すればよい。本発明の複合材(包装材などの製品)の製造方法のうち、代表的な複合材の製造方法につき簡単に例示するが、本発明がこれらに限定されるものでないことはいうまでもない。 【0091】本発明の複合セラミックス材料を所定量含有してなる複合材の製造方法としては、母材原料の樹脂やパルプやエラストマー・ゴムなどに、複合セラミックス材料、さらには各種添加剤を必要に応じて配合してなる配合材料を用いて成形加工するものである。かかる配合操作は、目的とする複合材の形態に応じて適宜選択されるべきものであり、(1)母材原料、複合セラミックス材料及び他の添加剤(副資材)を適量づつ配合し、これに必要に応じて適当な溶剤を用いて液状混合し、更に必要に応じて含浸、乾燥、粉砕、造粒操作を単独で行って、あるいは2以上の操作を順次行って、ペースト、溶液、プリプレグ、樹脂含浸塗布紙、プリミックス、粉末、ペレットなど形態の配合材料を形成しても良いし、(2)母材原料、複合セラミックス材料及び他の添加剤(副資材)を適量づつ配合し、これに必要に応じて適当な溶剤を用いて固(粉)状混合し混練し、さらに必要に応じて粉砕または造粒して、混練物、粉末、ペレットなど形態の配合材料を形成しても良い。また、その後の、成形・加工方法も、目的とする複合材の形態に応じて適宜選択されるべきものであり、各種配合材料に適した成形加工法、例えば、スラッシュ成形(ペースト)、ディップ成形(ペースト)、注型(溶液)、発泡加工・発泡成形(溶液、ペレット)、積層成形(プリプレグ、樹脂含浸塗布紙、シート;配合材料である混練物を、さらにカレンダ加工または押出成形して得られる配合材料の形態の1つ)、粉末成形(粉末)、圧縮成形(プリミックス、粉末、ペレット)、トランスファ成形(粉末、ペレット)、射出成形(ペレット)、カレンダ加工(混練物)、押出成形(さらにブロー成形することもある)(混練物)、真空成形(シート)を利用すれば良い。さらに、こうした成形品は、適当な処理によって加工できる。例えば、印刷適性の改良、放射線によるポリマーの架橋、真空蒸着を用いた成形品表面への金属薄膜コーティング等を挙げることができるなど、従来公知の様々な成形加工法を適用することができる。また、これら樹脂加工品である容器、フィルム、シート等の成形加工品以外にも、繊維、塗料、接着剤、木材および木材加工品、皮革などに関しても、従来既知の製造方法を適宜利用して製造することができる。さらに、木材や皮革等については、後述する製造方法を適用することが望ましい。すなわち、真空装置内部に対象となる木材や皮革原料を入れておき、減圧させることで、これらの原料内も減圧されるので、この時点ないし常圧に戻す際に複合セラミックス材料を適当な溶液に均一に分散させたものを噴霧することで、こうした減圧された原料表面に複合セラミックス材料を注入するとした技術などが例示できる。また上記複合セラミックス材料を造粒化してなる造粒物を本発明の複合材とする場合には、複合セラミックス材料と水とを混合し、成形加工して造粒した後、か焼することで所望の造粒物を作ることができる。また、成形加工して造粒した後に、乾燥し、その後にか焼することをことで所望の造粒物を作ることができる。造粒物の場合には、複合セラミックス材料の含有量は、水を加えた総重量を基準として80〜95質量%とするのが好ましい。また、乾燥温度は、65〜85℃の範囲であるのが好ましく、か焼温度は、600〜700℃の範囲であるのが好ましい。 【0092】本発明の複合材の母材原料としては、特に制限されるものではなく、その用途、例えば、樹脂、ゴム、紙類、木材、繊維、接着剤、塗料、皮革などにより異なるものであり一義的に規定することはできないものであり、あらゆる種類の樹脂、ゴム(エラストマーを含む)、紙・パルプ、木材、皮革等を単独若しくは適当に組み合わせて母材原料とすることができるものである。さらにアルミニウム等の金属材料、ガラスなどの無機材料などの不燃性の母材原料(基材)等と組み合わせることもできる。すなわち、本発明の複合材としては、該母材原料に複合セラミックス材料および他の添加剤(副資材)を配合し成形加工して得られる高分子化合物(プラスチック、ゴム、エラストマー)や紙・パルプなどの一次加工品やこれらの二次加工品があり、こうした複合材において、本発明の作用効果を十分に発揮することができるものであればよい。さらに、木材や皮革などに上述する注入法により加えた加工品があり、こうした複合材においも、本発明の作用効果を十分に発揮することができるものであればよい。特に、汎用性のある高分子化合物を母材原料とするプラスチックの成形加工品(複合材)が幅広い分野に適用でき、またあらゆる形態に成形加工できる利点を有する。なお、これらの各成分の具体例に関しては、既に説明したとおりであり、上記複合セラミックス材料以外にも、従来公知の各種母材成分その他の添加剤の中から適宜選択して利用することができる。 【0093】次に、本発明に係る食品、特に野菜や果物などの植物系の生鮮食品の鮮度保持方法は、マイナスイオン雰囲気中に食品をおくことを特徴とするものである。これにより、輸送中や倉庫に適温で保管する間などに、経時的に鮮度が低下するのを抑制することができ、長期保存が可能となるものである。 【0094】ここで、食品がおかれている場所でのマイナスイオン発生数は、通常500ヶ/cm3以上、好ましくは750ヶ/cm3以上、より好ましくは1000ヶ/cm3以上、特に好ましくは1250ヶ/cm3以上である。マイナスイオン発生数が500ヶ/cm3未満の場合には、鮮度保持に適した環境を充分に付与することができておらず、生鮮食品の流通時間が限定されるため、わが国の複雑な流通過程を通す間に鮮度が低下したり、複雑な流通過程を省く直送手段による配送も可能であるがまだまだ普及しておらず、かつ少量輸送となるため輸送効率が悪く、エネルギー問題、交通渋滞、環境問題への影響も生じることにもなる。 【0095】さらに、(1)食品、特に野菜や果物などの植物系の生鮮食品を上記複合材により包装ないし収納して、あるいは(2)複合セラミックス材料を食品、特に野菜や果物などの植物系の生鮮食品の周辺に配して、輸送中のコンテナ内や保管中の倉庫内に保存することが望ましい。この場合には、さらには流通過程を経てデパートや八百屋の店頭での食品の陳列中や、消費者が購入後にもマイナスイオン雰囲気中に保存することができるため極めて好ましい態様といえる。これにより、傷みやすい桃などの生鮮食品では、収穫後に手を触れるだけでも傷みの原因となるため、収穫直後に本発明の複合材により包装ないし収納することで、あるいは複合セラミックス材料を生鮮食品の周辺に配しておくことで、その後の詰め替えなどを行わなくてもよいため、鮮度劣化をより効果的に抑制できるほか、輸送用のトラックや飛行機などのコンテナ内全体をマイナスイオンで満たすことは非効率的であり、また水を使ってマイナスイオンを発生させる方法では、生鮮食品に水滴が付着しやすく、水腐れなどが生じやすく、また電線などに電圧を印加してマイナスイオンを発生させるには、輸送中のコンテナや倉庫内に必要な配線をした上でマイナスイオン発生装置を設置する必要があり、既存のコンテナをそのまま利用するのが困難な問題があるが、本発明の複合材を使用すれば、こうした問題を生ずることもなく極めて優れた鮮度保持方法といえる。 【0096】なお、本発明の複合材および鮮度保持方法の鮮度保持の対象は、じょうじゅつしてきたよように、食品、特に野菜や果物など植物系の生鮮食品、例えば、タケノコ、大根、牛蒡、人参、しょうがなどの根菜類、ほうれん草、レタス、キャベツ、ネギ、白菜、セロリ、パセリ、おおば、ミョウガ、小松菜などの葉菜類、トマト、きゅうり、ウリ、ムキインドウ、ピーマン、オクラ、ナス、インゲン、アスパラガス、ブロッコリー、カリフラワー、モロヘイヤ、枝豆、椎茸などの新鮮な野菜(きのこ類を含む);桃、イチゴ、夏甘、青ウメ、ビワ、リンゴ、梨、スイカ、メロン、柿、無花果、葡萄、グレープフルーツ、マンゴー、みかんなどの新鮮な果物;さらにこれらの加工・調理品(コンビニエンスストアなどで直ぐに食べられるように加工・調理したカット野菜、カット果物、各種サラダセット、鍋焼きうどんセット、水炊きセットなど)を含むものであり、これらには一部に動物系の食品や穀類加工食品、調味料やドレッシングなどを含んでいてもよい。 【0097】 【実施例】複合材の製造例複合セラミックス材料として上記表2、3に示す複合セラミックスA〜Hをそれぞれ所定比率(3、5、7.5、10質量%)で母材の合成樹脂(ここでは、以下に示す市販のプラスチック原料を使用した。)に添加混入して複合材形成原料とした。 【0098】母材の合成樹脂には、ポリエチレン(低密、中密、高密)、ポリプロピレン(無延伸、延伸)、ポリスリレン(延伸)、ポリエステル(延伸、サランとのラミネート)、ナイロン6(無延伸、延伸、サランとのラミネート)、ポリ塩化ビニル(硬質、軟質)を使用した。 【0099】得られたそれぞれの複合材形成原料を用いて、野菜用のラップフィルムと果物用の包装材(かつ保護ないし緩衝機能を有するネット状発泡したフィルム)をそれぞれ作製し、複合フィルム(複合材)とした。得られたそれぞれ複合フィルムの諸特性を測定した。得られた結果を下記表4に表示する。本発明の複合フィルムの各特性値は、上記複合セラミックス材料A〜Hのサンプルの平均値を示す。 【0100】 【表4】
【0101】表4に示すような諸特性を有する複合フィルムを野菜および果実などの鮮度保持用フィルムとして使用した場合の実施例を挙げる。なお、以下の実施例では、複合セラミックス材料A〜Hのいずれも3〜10質量%の配合範囲では、どれも高い特性を有することから、代表例として複合セラミックス材料Aを5質量%配合した複合フィルムを使用することにした。) 実施例1複合フィルムとして複合セラミックス材料Aを5質量%配合した複合ポリエチレンフィルム(低密、中密、高密;表5、6参照のこと)および複合ポリ塩化ビニルフィルム(硬質、軟質;表7、8参照のこと)、並びに比較用に汎用鮮度フィルムとしてポリエチレンフィルム(表5、6参照のこと)およびポリ塩化ビニルフィルム(表7、8参照のこと)を用いて、鮮度保持期間を測定した。すなわち、新鮮な野菜ないし果実(各々5サンプルとし、いずれも収穫日が同じで完熟度も同程度のものを注意深く選んだ。)を賞味期限付で出来るだけ長期保存が利くような包装形態で市販されていると同じようにして、上記複合フィルムないし汎用鮮度フィルムにて、それぞれ包装ないし収納し、所定の温度(20℃)に設定された恒温恒湿室に入れ、経時的な変化を観察した。各表中の日数は、それぞれの野菜ないし果実に傷みが発生するまでの所要日数(5サンプルの平均値)を表すものである。それぞれの傷みの目安としては、一般に店頭から傷みにより商品価値がないとされる程度を目安とした。特に、ここでは、本実施例の複合フィルムと従来の汎用鮮度フィルムにつき、同じ野菜ないし果物に関しては、同じ包装ないし収納形態として同じ判定基準にて判断することができるため、本実施例の複合フィルムと従来の汎用鮮度フィルムとの間の比較が容易にできる形にまとまっている。 【0102】 【表5】
【0103】 【表6】
【0104】 【表7】
【0105】 【表8】
【0106】上記表5〜8の結果から明らかなように、多くの野菜や果実の包装材として、本実施例のものが優れた鮮度保持機能を有する複合フィルムであることが確認できた。 【0107】次に、鮮度保持作用につき一定期間経過後の平均鮮度保持率という形でも測定を行った。下記表9〜表10に示すように、複合フィルムとして複合セラミックス材料Aを5質量%配合した複合ポリエチレンフィルム(低密、中密;表9、10参照のこと)、複合ポリプロピレンフィルム(無延伸、延伸;表9参照のこと)及び複合ポリ塩化ビニルフィルム(硬質、軟質;表9、10参照のこと)、並びに比較用に汎用鮮度フィルムとして、ポリエチレンフィルム(表9、10参照のこと)、ポリプロピレンフィルム(表9参照のこと)およびポリ塩化ビニルフィルム(表7、8参照のこと)を用いて、鮮度保持率を測定した。すなわち、新鮮な野菜(ナス、ほうれん草、ピーマン;表9参照のこと)ないし果物(桃、梨;表10参照のこと)につき、各々100サンプルとし、いずれも収穫日が同じで完熟度も同程度のものを注意深く選んだ。これらの新鮮な野菜ないし果物を賞味期限付で出来るだけ長期保存が利くような包装形態で市販されていると同じようにして、上記複合フィルムないし汎用鮮度フィルムにて、それぞれ包装ないし収納し、所定の温度(20℃;常温)に設定された恒温恒湿室に入れ、1日経過後、3日経過後、7日経過後の変化を観察した。各表中の平均鮮度保持率は、各日数経過後に、それぞれの野菜ないし果実に傷みが発生しなかったものの割合を示すものである。傷みの目安としては、一般に店頭から傷みにより商品価値がないとされる程度を目安とした。そして、全体の55%(約半数)に傷みが発生した時点で食用に供することが出来ないと判断し、以後の観察は中止した。ここでも、本実施例の複合フィルムと従来の汎用鮮度フィルムにつき、同じ野菜ないし果物に関しては、同じ包装ないし収納形態として同じ判定基準にて判断することができるため、本実施例の複合フィルムと従来の汎用鮮度フィルムとの間の比較が容易にできる形にまとまっている。 【0108】 【表9】
【0109】 【表10】
【0110】上記表9〜10の結果から明らかなように、多くの野菜や果実の包装材として、本実施例のものが優れた鮮度保持機能を有する複合フィルムであることが確認できた。 【0111】さらに上記表5〜10に示す鮮度保持試験で包装材として使用した後、果物や野菜から取り外して、焼却炉にて焼却した際のダイオキシン類の発生量(濃度)につき測定を行った。 【0112】具体的には、本実施例の複合フィルム(複合セラミックス材料Aを5質量%配合した複合ポリ塩化ビニルフィルム)および汎用鮮度フィルム(ポリ塩化ビニルフィルム)をそれぞれ焼却し、焼却時のダイオキシン類の発生抑制特性効果を測定した。これらの焼却実験は、国立環境研究所と岐阜県保健環境研究所の共同研究グループの実験に即したかたちで行った。すなわち、市販の小型焼却炉を使い、複合フィルムおよび汎用鮮度フィルム10kgづつに食塩水を浸してなる各サンプルごとに炉内温度650℃で焼却し、燃焼開始時から適当な間隔毎に排気ガスを収集して、排気ガス中のダイオキシン類(PCDDs、PCDFs及びこれらの合計)の濃度(毒性等価濃度)をそれぞれ測定したものである。また、上記被焼却物を完全に焼却した後に、炉内の焼却灰についても、ダイオキシン類(PCDDs、PCDFs及びこれらの合計)の濃度(毒性等価濃度)を測定したものである。これら排ガスおよび灰(焼却灰)中のダイオキシン類の濃度(毒性等価濃度)は、財団法人高分子研究所にそれぞれのサンプルガス及び灰分を持ち込み、分析した結果である(以下同様)。得られた結果を下記表11に示す。 【0113】 【表11】
【0114】上記表11の結果から明らかなように、本実施例の複合フィルムでは、食塩と一緒に焼却しても環境汚染物質(さらには発ガン性物質)であるダイオキシン類の発生を抑制できることから、そのまま焼却処理しても問題にならないことが確認できた。本実施例の複合フィルムは、先に示したように塩素(塩化水素ガス)を分解する炭酸リチウムが所定比率で添加混入されており、かかる炭酸リチウムにより、さらにダイオキシン類の発生抑制もできるものと考えられる。 【0115】本発明の実施例の結果から、本実施例の複合フィルムのような優れた多くの特性を有する包材などの複合材は、野菜や果物などの鮮度を保持するための鮮度保持フィルムや収納ネットなどの鮮度保持材の既存の市場にはないものといえる。そのため本発明の鮮度保持機能を機能を有する複合材では、包材を初めとする生鮮食品の鮮度保持フィルムや収納ネットなどの鮮度保持材の今後の市場に急速に展開するとことができる。 【0116】 【発明の効果】本発明に係る食品の鮮度保持機能を有する複合材およびその加工法、並びに食品の鮮度保持方法、特に、野菜や果物など植物系の生鮮食品の鮮度保持機能を有する複合材(例えば、ラッピングフィルム、包装紙、食品トレーや段ボール箱、ザル、発泡スチロールなどのケース、布袋などの包材、野菜や果物など植物系の保護用ネットやペレット状の緩衝材やパッキング材など)およびその加工法、並びに食品、特に、野菜や果物など植物系の生鮮食品の鮮度保持方法では、食品、特に野菜や果物など植物系の生鮮食品の呼吸抑制作用を有し、優れた鮮度保持機能を発現し得るほか、さらに高い抗菌性、防かび性を有し、食品(加工・調理品を含む)、なかでも食用に利用する植物の部位が最も食用に適した時期(完熟した時期)に収穫された野菜や果物などの生鮮食品およびそれらを含む加工・調理品を新鮮な状態に長期間保つことができる。 【0117】また、本発明に係る複合材およびその加工法では、上記鮮度保持機能に加え、さらに焼却時などの熱化学反応により生成されるダイオキシン類および塩化水素ガスの発生を抑制することができるため、各消費者がこうしたラッピングフィルム、包装紙、食品トレーや段ボール箱、ザル、発泡スチロールなどのケース、布袋などの包材、野菜や果物など植物系の保護用ネットやペレット状の緩衝材やパッキング材などの複合材を一般ごみとして廃棄、焼却処理した場合であっても、かかる複合材に起因する環境汚染物質を産生することがなく、環境にやさしい包装材などとして極めて有用に活用することができる。 【0118】また、本発明に係る鮮度保持方法では、マイナスイオンが食品、特に野菜や果物など植物系の生鮮食品の呼吸抑制作用を有することを知得し、これを有効に活用させることで優れた鮮度保持機能を発現でき新鮮な状態に長期間保つことができることを見出したものである。そのため、野菜や果物など植物系の生鮮食品(加工・調理品を含む)、なかでも食用に利用する植物の部位が最も食用に適した時期(完熟した時期)に収穫された野菜や果物などの生鮮食品およびそれらを含む加工・調理品を新鮮な状態で長期間保存することができるため、収穫後、流通過程(コンテナや倉庫内)で長期間を要するような場合であってもなお新鮮な状態のものを提供することができるものである。従って、全国各地の特産品や名産品を全国各地に輸送することができ、地域格差なく全国各地の新鮮な特産品などを食することができるようになる優れた保存技術を提供できる。さらに、上記複合材を用いて鮮度保持する方法では、収穫後の流通過程にとどまらず、その後の店頭での販売中や、最終消費者に行きわたった後、最終的に食用に供するまでの間を通じて新鮮な状態のものを提供することができるものである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】591084137 【氏名又は名称】前田 信秀 【識別番号】500386828 【氏名又は名称】東北ポリマー株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年9月14日(2000.9.14) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100072349 【弁理士】 【氏名又は名称】八田 幹雄 (外4名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−87476(P2002−87476A) |
| 【公開日】 |
平成14年3月27日(2002.3.27) |
| 【出願番号】 |
特願2000−280350(P2000−280350) |
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