トップ :: B 処理操作 運輸 :: B61 鉄道




【発明の名称】 切換制御装置
【発明者】 【氏名】近松 秀明

【氏名】山本 正宣

【要約】 【課題】ATSからATCへの切換を自動的に行えるようにする。

【解決手段】ATSの信号保安制御システムの路線とATCの信号保安制御システムの路線との境界におけるそのATSの信号保安制御システムの路線に設けられたATC投入用の地上子と、前記ATC投入用の地上子の設置位置と所定の間隔を保ち、かつ、前記ATCの信号保安制御システムの路線寄りの前記ATSの信号保安制御システムの路線に設けられたATS開放用の地上子と、列車が前記ATC投入用の地上子を通過したときに得られた所定の信号に基づいてその列車に搭載されているATCの信号保安制御システムの駆動を開始させ、その列車が前記ATS開放用の地上子を通過したときに得られた所定の信号に基づいてその列車に搭載されているATSの信号保安制御システムの駆動を停止させる切換制御手段とからなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 列車がATSの信号保安制御システムの路線からATCの信号保安制御システムの路線へ乗入れるときの切換制御装置であって、前記ATSの信号保安制御システムの路線と前記ATCの信号保安制御システムの路線との境界におけるそのATSの信号保安制御システムの路線に設けられたATC投入用の地上子と、前記ATC投入用の地上子の設置位置と所定の間隔を保ち、かつ、前記ATCの信号保安制御システムの路線寄りの前記ATSの信号保安制御システムの路線に設けられたATS開放用の地上子と、前記列車が前記ATC投入用の地上子を通過したときに得られた所定の信号に基づいてその列車に搭載されているATCの信号保安制御システムの駆動を開始させ、その列車が前記ATS開放用の地上子を通過したときに得られた所定の信号に基づいてその列車に搭載されているATSの信号保安制御システムの駆動を停止させる切換制御手段と、を有することを特徴とする切換制御装置。
【請求項2】 列車がATCの信号保安制御システムの路線からATSの信号保安制御システムの路線へ乗入れるときの切換制御装置であって、前記ATCの信号保安制御システムの路線と前記ATSの信号保安制御システムの路線との境界におけるそのATCの信号保安制御システムの路線に設けられたATS投入用の地上子と、前記ATS投入用の地上子の設置位置と所定の間隔を保ち、かつ、前記ATSの信号保安制御システムの路線寄りの前記ATCの信号保安制御システムの路線に設けられたATC開放用の地上子と、前記列車が前記ATS投入用の地上子を通過したときに得られた所定の信号に基づいてその列車に搭載されているATSの信号保安制御システムの駆動を開始させ、その列車が前記ATC開放用の地上子を通過したときに得られた所定の信号に基づいてその列車に搭載されているATCの信号保安制御システムの駆動を停止させる切換制御手段と、を有することを特徴とする切換制御装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ATSの信号保安制御システムからATCの信号保安制御システムへの切換、又は、そのATCの信号保安制御システムからATSの信号保安制御システムへの切換を自動的に行えるようにした切換制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来(Automatic Train Stop ;自動列車停止装置)の信号保安制御システム(以下、「ATSシステム」という。)を採用している路線からATC(Autotic Train Control ; 自動列車制御装置)の信号保安制御システム(以下、「ATCシステム」という。)を採用している路線へ乗入れるとき、又は、これを逆にATCシステムの路線からATSシステムの路線へ乗入れる場合は、乗務員交替駅において、車上装置を列車乗務員(運転士)が手動で切換操作を行うようにしている。
【0003】以下、図6〜図8を用いて従来のATSシステムからATCシステムへの切換及びそのATCシステムからATCシステムへの切換制御装置について説明する。図6及び図7において、軌道回路XT,XT′に位置する甲駅がATSシステムとATCシステムの切換駅で、かつ、乗務員交替駅に設定されている。そして、二重線で示される路線はATSシステムを採用している路線、また、太い実線で示される路線はATCシステムを採用している路線を示している。
【0004】図6は、ATSシステムの路線からATCシステムの路線へ乗入れる例を示し、図7は、ATCシステムの路線からATSシステムの路線へ乗入れる例を示している。また、図8は、列車イに搭載される車上装置bを示している。
【0005】車上装置bは、列車イの走行するレールからATC信号をATC受電器1を介して入力するとともに、速度発電機TGからの信号を入力するATC受信器2と、ATSアンテナ(車上子)3を介して地上子(図示せず)から信号を受信するATS受信器4とを有し、これら受信器2,4は、運転士の所持するキーにより操作されるATC/ATS切換スイッチ(C/S・SW)により択一的に選択され、その選択された受信器(2,4)で列車イの制御が行われるように構成されている。
【0006】今、列車イが軌道回路1Tから軌道回路XTに向けてATSシステムの制御により進行しているものとする(図6(a)参照)。そして、その列車イが軌道回路XT(甲駅)に進入して停車したとする(図6(b)参照)。
【0007】甲駅において運転士の交替が行われると、それまで乗車していた運転士のキーがC/S・SWから抜かれ、交替した運転士のキーによりC/S・SWがATCシステム側に切換えられる。これにより、車上装置bは、ATS受信器4からATC受信器2に切換えられ、列車イは、ATCシステムの制御下におかれる(図6(c)参照)。したがって、列車イは、ATCシステム制御の路線側へ進入することができる(図6(d)参照)。
【0008】図7は、上記図6の例と逆に、ATCシステムの路線からATSシステムの路線に列車イが乗入れる例である。このときの切換制御は、上述のATSシステムからATCシステムの逆なので、これ以上の説明は省略する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来のATSシステムからATCシステム、又はそのATCシステムからATSシステムへの切換の行われる切換制御装置においては、乗務員交替駅において運転士がキーを用いて手動により切換操作を行わなければならないので、運転士の負担が大きくなる欠点があった。また、ATSシステムからATCシステムへの切換又はそのATCシステムからATSシステムへの切換は、列車を停車させて行わなければならず、運転時隔短縮を図る上で障害となっていた。
【0010】そこで、本発明は、上記欠点を解決するためになされたものであって、その目的は、ATSシステムからATCシステムの切換、又はそのATCシステムからATSシステムへの切換を自動的に行えるようにした切換制御装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係る切換制御装置は、上記目的を達成するために、列車がATSシステムの路線からATCシステムの路線へ乗入れるときの切換制御装置であって、前記ATSシステムの路線と前記ATCシステムの路線との境界におけるそのATSシステムの路線に設けられたATC投入用の地上子と、前記ATC投入用の地上子の設置位置と所定の間隔を保ち、かつ、前記ATCシステムの路線寄りの前記ATSシステムの路線に設けられたATS開放用の地上子と、前記列車が前記ATC投入用の地上子を通過したときに得られた所定の信号に基づいてその列車に搭載されているATCシステムの駆動を開始させ、その列車が前記ATS開放用の地上子を通過したときに得られた所定の信号に基づいてその列車に搭載されているATSシステムの駆動を停止させる切換制御手段と、を有することを特徴としている。
【0012】本発明に係る切換制御装置は、上記目的を達成するために、列車がATCシステムの路線からATSシステムの路線へ乗入れるときの切換制御装置であって、前記ATCシステムの路線と前記ATSシステムの路線との境界におけるそのATCシステムの路線に設けられたATS投入用の地上子と、前記ATS投入用の地上子の設置位置と所定の間隔を保ち、かつ、前記ATSシステムの路線寄りの前記ATCシステムの路線に設けられたATC開放用の地上子と、前記列車が前記ATS投入用の地上子を通過したときに得られた所定の信号に基づいてその列車に搭載されているATSシステムの駆動を開始させ、その列車が前記ATC開放用の地上子を通過したときに得られた所定の信号に基づいてその列車に搭載されているATCシステムの駆動を停止させる切換制御手段と、を有することを特徴としている。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、軌道回路XTに位置する甲駅がATSシステムとATCシステムの切換駅のときの路線図であって、軌道回路1T側がATSシステムの路線、軌道回路3T側がATCシステムの路線として示されている。また、図2は、列車イに搭載される車上装置aの概略構成図である。なお、上記図6〜図8と同一構成要素には同一符号を用いて説明する。
【0014】図1中、10は、ATC投入用の地上子であって、軌道回路1Tの進入側に設けられ、20は、ATS開放用の地上子であって、軌道回路1Tの進出側に設けられている。
【0015】車上装置aは、列車イの走行するレールからATC信号をATC受電器1を介して入力するとともに、速度発電機TGからの信号を入力するATC受信器2と、ATSアンテナ(車上子)3を介して図示しないATS用の地上子から信号を受信するATS受信器4と、ATC←→ATS切換制御(以下、「CSG」という。)トランスポンダ用アンテナ5を介して図1に示される各地上子10,20及び後述する図4に示される各地上子30,40からの信号を受信して切換信号を発生させるATC←→ATS切換制御用トランスポンダ受信器(以下、「CSGTP受信器」という。)6とを有している。
【0016】図2中、CEBRは、ATCシステムにおける非常用ブレーキリレー、CNBRは、ATCシステムにおける常用ブレーキリレー、SEBRは、ATSシステムにおける非常用ブレーキリレー、CSRは、切換リレー、SORは、ATSシステムへの切換リレー、CORは、ATCシステムへの切換リレー、EBRは、非常用ブレーキリレー、及びNBRは、常用ブレーキリレーを示している。
【0017】次に、列車イが図1に示されるように進行するときのATSシステムからATCシステムへの切換制御動作を図3のタイムチャートを用いて説明する。
【0018】列車イの進行に伴って、地上子10にさしかかると、その地上子10からの信号がCSGトランスポンダ用アンテナ5を介してCSGTP用受信器6に入力される(図3(f)参照)。列車イに搭載されている車上装置aは、この信号受信を以て、列車イをATCシステムに切換えるためのATC投入情報と認識し、ATC受信器2の電源がONとされる(図3(b)参照)。
【0019】列車イが地上子10から地上子20に進行する間に、列車イは、ATC信号を受信し始めることとなる(図3(g)及び図1の二重線と太い実線との境界参照)。したがって、列車イは、ATSシステムの制御下においてATC信号を受信できるので、そのATC信号の健全をチェックすることが可能となる。列車イが次の地上子20までに進む間にそのATC信号の健全を確認できないときは、図3のタイムチャートでは省略されているが、列車イは、停止されて防護が図られる。
【0020】列車イが地上子20に達し、CSGTP受信器6がその地上子20から信号を入力すると、リレーSORをOFFさせるとともに、CSRをONさせ(図3(f),(d),(c)参照)、ATS受信器4の電源がOFFとされる(図3(a)参照)。これにより、列車イは、ATSシステムからATCシステムに切換えられ、以後、列車イは、ATCシステムで運転される。
【0021】図4は、列車イがATCシステムの路線からATSシステムの路線に乗入れする場合を示している。このときのATCシステムからATSシステムへの切換制御動作を図5のタイムチャートを用いて説明する。なお、甲駅に位置する軌道回路XT′の手前に設けられる軌道回路2Tには、その進入側にATS投入用の地上子30が設けられ、また、その進出側には、ATC開放用の地上子40が設けられている。
【0022】さて、列車イの進行に伴って、地上子30にさしかかると、その地上子30からの信号がCSGTP用受信器6に入力される(図3(f)参照)。列車イに搭載されている車上装置aは、この信号を列車イをATSシステムに切換えるためのATS投入情報と認識し、切換リレーSORのON(図3(d)参照)によりATS受信器4の電源がONとされる(図3(a)参照)。
【0023】列車イが地上子30から地上子40に進行する間、ONにされたATS受信器4の健全性がチェックされる(図5(g)参照)。なお、列車イが次の地上子40までに進む間にそのATS信号の健全を確認できないときは、図5のタイムチャートでは省略されているが、列車イは、停止されて防護が図られる。
【0024】列車イが地上子40に達し、CSGTP受信器6がその地上子40から信号を入力すると、リレーCORをONさせるとともに、CSRをOFFさせ(図3(f),(e),(c)参照)、ATC受信器2の電源がOFFとされる(図3(b)参照)。これにより、列車イは、ATCシステムからATSシステムに切換えられ、以後、列車イは、ATSシステムで運転される。
【0025】なお、上述の例では、ATSシステムからATCシステムへの切換、又は、そのATCシステムからATSシステムへの切換を甲駅に対応させているが、この切換は、駅に関係なく行うことができる。したがって、運転士の交替を行うことなく、例えば、自社の車両であれば、自社の運転士が他社のシステムの異なる路線をそのまま運転することができ、列車の運転時隔を短縮することが可能となる。
【0026】
【発明の効果】本発明に係る切換制御装置は、ATSシステムの路線とATCシステムの路線との境界におけるそのATSシステムの路線に設けられたATC投入用の地上子と、そのATC投入用の地上子の設置位置と所定の間隔を保ち、かつ、前記ATCシステムの路線寄りの前記ATSシステムの路線に設けられたATS開放用の地上子と、前記列車が前記ATC投入用の地上子を通過したときに得られた所定の信号に基づいてその列車に搭載されているATCシステムの駆動を開始させ、その列車が前記ATS開放用の地上子を通過したときに得られた所定の信号に基づいてその列車に搭載されているATSシステムの駆動を停止させる切換制御手段とからなるので、ATSシステムからATCシステムへの切換を自動的に行うことができ、列車の時隔短縮に資することができる。
【0027】本発明に係る切換制御装置は、ATCシステムの路線とATSシステムの路線との境界におけるそのATCシステムの路線に設けられたATS投入用の地上子と、そのATS投入用の地上子の設置位置と所定の間隔を保ち、かつ、前記ATSシステムの路線寄りの前記ATCシステムの路線に設けられたATC開放用の地上子と、前記列車が前記ATS投入用の地上子を通過したときに得られた所定の信号に基づいてその列車に搭載されているATSシステムの駆動を開始させ、その列車が前記ATC開放用の地上子を通過したときに得られた所定の信号に基づいてその列車に搭載されているATCシステムの駆動を停止させる切換制御手段とからなるので、ATCシステムからATSシステムへの切換を自動的に行うことができ、列車の時隔短縮に資することができる。
【出願人】 【識別番号】000004651
【氏名又は名称】日本信号株式会社
【出願日】 平成12年6月27日(2000.6.27)
【代理人】 【識別番号】100079201
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 光正
【公開番号】 特開2002−2484(P2002−2484A)
【公開日】 平成14年1月9日(2002.1.9)
【出願番号】 特願2000−192872(P2000−192872)