| 【発明の名称】 |
鉄道車両の防音構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】小松 宣之
【氏名】北山 茂
【氏名】清水 一輝
【氏名】南 智之
【氏名】加藤 修
【氏名】小出 高志
|
| 【要約】 |
【課題】空力音の発生を低減して車体外部騒音の低下を図る。
【解決手段】多孔質材の発泡アルミ6の台車側面に、表面全体を布11にて覆ったパンチングメタル12を重ね、パンチングメタル12と発泡アルミ6とをスペーサー10を介して車体側取付部8に取り付けた。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 多孔質材からなる吸音材を空気層を介して台車周囲の車体側取付部に取り付けた鉄道車両の防音構造において、前記吸音材の台車側面に、表面を布で覆ったパンチングメタルを重ね、該パンチングメタルを前記吸音材とともに車体側取付部に取り付けたことを特徴とする鉄道車両の防音構造。 【請求項2】 多孔質材からなる吸音材を空気層を介して台車周囲の車体側取付部に取り付けた鉄道車両の防音構造において、前記吸音材の台車側面に、表面に起毛を施したパンチングメタルを重ね、該パンチングメタルを前記吸音材とともに車体側取付部に取り付けたことを特徴とする鉄道車両の防音構造。 【請求項3】 前記パンチングメタルは、開口率20%以上であることを特徴とする請求項1又は2に鉄道車両の防音構造。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、鉄道車両の防音構造に関し、特に高速車両における空力音の発生を低減する防音構造に関する。 【0002】 【従来の技術】高速車両の走行中の騒音源としてパンタグラフ騒音、先頭部形状騒音、車体間騒音、台車部騒音が主なものとして挙げられる。このうち、パンタグラフ騒音、先頭部形状騒音、車体間騒音については近年対策がなされ騒音レベルは低下傾向にある。また、台車部騒音については、図6乃至図13に示されるように、台車1側部のカバー2内側及び車体3下部の端部フサギ部4や車端カウル部5にそれぞれ吸音材を取り付けたものがある。吸音材としては、例えば、発泡アルミ6を押さえ枠7にて直接車体側取付部8に取り付けるものや、新幹線300X系車両のように、空気層9を介して発泡アルミ6を車体側取付部8に取り付けるものがある。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところが、これらの構造について風速200km/h相当の風洞試験を行ったところ、図14に示されるように、発泡アルミが多孔質で表面に凹凸があるところから、空力音を発生しやすく、また、押さえ枠も発泡アルミの表面から出っ張っているため、空力音の発生源となる。 【0004】そこで本発明は、防音構造自らが発生する空力音を低減した鉄道車両の防音構造を提供することを目的としている。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記した目的を達成するため、本発明は、多孔質材からなる吸音材を空気層を介して台車周囲の車体側取付部に設けた鉄道車両の防音構造において、第1の手段は、前記吸音材の台車側面に、表面を布で覆ったパンチングメタルを重ね、該パンチングメタルを前記吸音材とともに車体側取付部に取り付けたことを特徴とし、第2の手段は、前記吸音材の台車側面に、表面に起毛を施したパンチングメタルを重ね、該パンチングメタルを前記吸音材とともに車体側取付部に取り付けたことを特徴としている。また、前記パンチングメタルは、開口率20%以上が望ましい。 【0006】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態例を図1乃至図5に基づいて説明する。なお、前記従来例と同一要素には同一の符号を付して説明する。車体側取付部8に設けたスペーサー10を介することにより、車体側取付部8との間に空気層9を形成して配置されれた発泡アルミ6の台車側面には、表面全体が布11にて覆われたパンチングメタル12が全面に重ねられ、該パンチングメタル12と発泡アルミ6とがスペーサー10を介して車体側取付部8に取り付けられている。なお、別の実施形態として、パンチングメタル12の表面全体に静電植毛により起毛を施し、このパンチングメタル12を発泡アルミ6に重ねて取り付けてもよい。 【0007】これらの構造について、従来と同様に、風速200km/h相当の風洞試験を行ったところ、図2に示されるように、布11を貼った表面形状及び静電植毛により起毛を施した表面形状は、発泡アルミ6だけの表面形状及び発泡アルミ6の表面にパンチングメタル12を重ねた表面形状に比較して、はるかに空力音が少ない。なお、布11を貼った表面形状と起毛を施した表面形状とでは、布11を貼った表面形状のほうが空力音が少なかった。 【0008】また、直径5mmの開口を有するパンチングメタル12の開口率の相違による吸音率について試験したところ、図3に示されるように、開口率10%のものでは、発泡アルミ単体よりも吸音性能が低下し、開口率20%のもの及び開口率30%のものは、発泡アルミの吸音性能を維持した。したがって、パンチングメタル12は、開口率20%以上が望ましい。 【0009】さらに、パンチングメタル12の表面に布11を貼った表面形状と起毛を施した表面形状との吸音率の比較では、図4及び図5に示されるように、起毛を施した表面形状のほうが吸音率がよかった。 【0010】したがって、パンチングメタル12の表面を布11で覆うか、または、静電植毛により起毛を施すことにより、表面形状が滑らかになって空力音の発生が低減するとともに、音は通過するので、発泡アルミ6の吸音性能はそれほど損なわれない。また、上述の試験結果から、空力音発生の低減を重要視するのなら、布11を貼った表面形状がよく、吸音性能を重要視するのなら、起毛を施した表面形状がよい。 【0011】 【発明の効果】以上説明したように、本発明の鉄道車両の防音構造は、多孔質材からなる吸音材の台車側面に、表面を布で覆うか又は表面に起毛を施したパンチングメタルを重ね、パンチングメタルと吸音材を車体側取付部に取り付けたので、表面形状が滑らかになり、防音構造自らが発生する空力音が低減する。また、吸音材の吸音性能を低下も少ないから、全体として車外騒音を低減できる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】390021577 【氏名又は名称】東海旅客鉄道株式会社 【識別番号】000004617 【氏名又は名称】日本車輌製造株式会社
|
| 【出願日】 |
平成12年8月25日(2000.8.25) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100086210 【弁理士】 【氏名又は名称】木戸 一彦
|
| 【公開番号】 |
特開2002−67941(P2002−67941A) |
| 【公開日】 |
平成14年3月8日(2002.3.8) |
| 【出願番号】 |
特願2000−255418(P2000−255418) |
|