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【発明の名称】 車両用通信システム
【発明者】 【氏名】牧田 智弘

【氏名】中畔 邦雄

【要約】 【課題】通信の不具合が発生したときでも、コストを上げることなく車両運転上問題のない状態を維持する。

【解決手段】第1電子制御装置11は、エンジンルームハーネス1と接続し、電子制御装置12,13から車両状態情報及び駆動制御情報を受信する通信IC23と、受信した情報に基づいて第3電子制御装置13との間の通信停止を判定する通信異常検出部29と、車両状態情報とヘッドランプ14の状態との関係を示した駆動条件マップを記憶する駆動条件変換マップ記憶部27と、車両状態情報と駆動条件マップとを照合して車両の挙動を判定してヘッドランプ14を駆動するか否かの判定結果を生成する車両挙動判断部26と、通信異常検出部29により通信停止を判断したときに、判定結果に基づいてヘッドランプ14を駆動制御するヘッドランプ駆動部31とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ハーネス上に複数の通信機器が接続された車両用通信システムであって、上記ハーネス上に接続され、車両を構成する駆動部品を駆動制御する第1通信機器と、上記ハーネス上に接続され、車両を駆動する駆動系部品の状態を示す車両状態情報を検出して上記第1通信機器に送信する第2通信機器と、上記ハーネス上に接続され、上記第1通信機器により制御される駆動部品を制御する駆動制御情報を検出して上記ハーネスを介して上記第1通信機器に送信する第3通信機器とを少なくとも備え、上記第1通信機器は、上記ハーネスと接続し、上記第2通信機器及び第3通信機器から車両状態情報及び駆動制御情報を受信する受信手段と、上記受信手段で受信した情報に基づいて上記第2通信機器又は上記第3通信機器との間の通信停止を判定する通信停止判断手段と、上記受信手段で受信した車両状態情報と上記駆動部品の状態との関係を示した駆動条件変換マップを記憶する駆動条件変換マップ記憶部と、上記受信手段で受信した車両状態情報と上記駆動条件変換マップとを照合して車両の挙動を判定して上記駆動部品を駆動するか否かの判定結果を生成する車両挙動判定手段と、上記通信停止判断手段により通信停止を判断したときに、上記車両挙動判定手段の判定結果に基づいて上記駆動部品を駆動制御する駆動制御手段とを備えることを特徴とする車両用通信システム。
【請求項2】 上記第1通信機器及び第2通信機器は、第1ハーネス上に接続されると共に、上記第3通信機器は、上記第1ハーネスと接続部品を介した第2ハーネス上に接続されることを特徴とする請求項1記載の車両用通信システム。
【請求項3】 上記第2通信機器は、上記駆動系部品を制御する手段と、上記駆動系部品の回転数を検出する回転数検出手段と、車両運転者により駆動系部品を制御する操作量を検出する操作量検出手段とを備え、上記回転数検出手段により検出された回転数及び上記操作量検出手段により検出された操作量を上記車両情報として上記第1通信機器に送信することを特徴とする請求項1記載の車両用通信システム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両内に複数の通信機器がハーネス及びコネクタにより接続されることで施設され、通信機器間で情報の送受信する車両用通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年の車両の高機能化に伴い、複数の通信機器をハーネスで接続し、各通信機器間で情報の送受信をする車両内通信ネットワークを使用することが知られている。この車両内通信ネットワークでは、複数のハーネスを使用し、各ハーネス間をコネクタなどの接続機器を使用することが多い。
【0003】この車両内通信ネットワークでは、例えばヘッドランプを駆動制御する駆動制御用通信機器と、運転者の車両操作による切り替え状態を検出する検出用通信機器をハーネスやコネクタで接続してなるものがある。このような車両内通信ネットワークでは、運転者がヘッドランプを点灯させるように車両操作したときに、検出用通信機器からハーネスやコネクタを介して駆動制御用通信機器にその旨の情報を送信し、駆動制御用通信機器で受信してヘッドランプを点灯させる動作をする。
【0004】車両内通信ネットワーク内で、例えばハーネスの断線などが発生した場合には、各通信機器間での情報の送受信が不能となり、車両運転上の問題が発生する場合がある。
【0005】すなわち、上述のようにヘッドランプを駆動制御するような車両用通信ネットワークでは、検出用通信機器と駆動制御用通信機器との間で情報の送受信をすることができなくなり、ヘッドランプを制御することができなくなる。
【0006】これに対し、従来では、ハーネスや通信機器内の情報送受信回路を二重化することがなされている。通信機器内の情報送受信回路を二重化する手法としては、同一の情報送受信回路を二つ設けることや、主回線と副回線とを設けて副回線を主回線と比較して機能的に劣った低コストなものとし通信不具合発生時には副回線を使用することが挙げられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従来の車両用通信ネットワークでは、情報送受信回路を二つ設ける必要があり、単一の通信バスを使用する方式と比較してコストがかかるという問題があった。
【0008】そこで、本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、通信の不具合が発生したときでも、コストを上げることなく車両運転上問題のない状態を維持することができる車両用通信システムを提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するために、請求項1に係る発明では、ハーネス上に複数の通信機器が接続された車両用通信システムであって、上記ハーネス上に接続され、車両を構成する駆動部品を駆動制御する第1通信機器と、上記ハーネス上に接続され、車両を駆動する駆動系部品の状態を示す車両状態情報を検出して上記第1通信機器に送信する第2通信機器と、上記ハーネス上に接続され、上記第1通信機器により制御される駆動部品を制御する駆動制御情報を検出して上記ハーネスを介して上記第1通信機器に送信する第3通信機器とを少なくとも備える。
【0010】この請求項1に係る発明において、上記第1通信機器は、上記ハーネスと接続し、上記第2通信機器及び第3通信機器から車両状態情報及び駆動制御情報を受信する受信手段と、上記受信手段で受信した情報に基づいて上記第2通信機器又は上記第3通信機器との間の通信停止を判定する通信停止判断手段と、上記受信手段で受信した車両状態情報と上記駆動部品の状態との関係を示した駆動条件変換マップを記憶する駆動条件変換マップ記憶部と、上記受信手段で受信した車両状態情報と上記駆動条件変換マップとを照合して車両の挙動を判定して上記駆動部品を駆動するか否かの判定結果を生成する車両挙動判定手段と、上記通信停止判断手段により通信停止を判断したときに、上記車両挙動判定手段の判定結果に基づいて上記駆動部品を駆動制御する駆動制御手段とを備えることを特徴とする。
【0011】請求項2に係る発明では、上記第1通信機器及び第2通信機器は、第1ハーネス上に接続されると共に、上記第3通信機器は、上記第1ハーネスと接続部品を介した第2ハーネス上に接続される。
【0012】請求項3に係る発明では、上記第2通信機器は、上記駆動系部品を制御する手段と、上記駆動系部品の回転数を検出する回転数検出手段と、車両運転者により駆動系部品を制御する操作量を検出する操作量検出手段とを備え、上記回転数検出手段により検出された回転数及び上記操作量検出手段により検出された操作量を上記車両情報として上記第1通信機器に送信することを特徴とする。
【0013】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、通信停止判断手段により第3通信機器との間での通信停止を判断して、第3通信機器からの駆動制御信号に従って駆動部品を制御できないときであっても、同一のハーネスに接続された通信機器からの車両情報に基づいた車両挙動判定手段の判定結果に従って駆動部品を駆動制御することができるので、通信の不具合が発生したときでも、コストを上げることなく車両運転上問題のない状態を維持することができる。
【0014】請求項2に係る発明によれば、第1通信機器及び第2通信機器が第1ハーネスに接続され、第3通信機器が第2ハーネスに接続された場合に、第1ハーネスと第2ハーネスとを接続する接続部品に不具合が発生して通信停止したときであっても、同一の第1ハーネスに接続された第2通信機器の情報に基づいて第1通信機器により駆動部品を駆動制御することができる。
【0015】請求項3に係る発明によれば、通信に不具合が発生したときでも、駆動系部品の回転数、車両運転者の操作量情報に従って車両の挙動を判定するので、駆動系部品の動作状況に応じて駆動部品を駆動制御することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0017】[車両用通信システムの構成]本発明は、例えば図1に示すように構成された車両用通信システムに適用される。車両用通信システムは、エンジンルーム内に施設されたエンジンルームハーネス1上に第1電子制御装置11及び第2電子制御装置12が接続されると共に、車室内に施設された車室内ハーネス2上に第3電子制御装置13が接続され、エンジンルームハーネス1と車室内ハーネス2とがコネクタ3により接続されて構成されている。エンジンルームハーネス1及び車室内ハーネス2は、コネクタ3により接続されることで、第1電子制御装置11、第2電子制御装置12及び第3電子制御装置13にとって同一の通信バスとして使用され、第1電子制御装置11、第2電子制御装置12及び第3電子制御装置13との間で情報の送受信を可能とする。
【0018】この車両用通信システムでは、第2電子制御装置12からエンジン回転数検出情報及びアクセル開度検出情報を第1電子制御装置11に送信すると共に、第3電子制御装置13からヘッドランプスイッチ検出情報を第1電子制御装置11に送信する。
【0019】「第1電子制御装置11の構成」第1電子制御装置11は、エンジンルームハーネス1と接続された送信バッファ21及び受信バッファ22と、通信IC23と、受信メッセージ変換部24と、ヘッドランプスイッチ信号判断部25と、車両挙動判断部26と、駆動条件変換マップ記憶部27と、メッセージカウンタ部28と、通信異常検出部29と、駆動信号切り替えスイッチ30と、ヘッドランプ14と接続されたヘッドランプ駆動部31とを備える。
【0020】送信バッファ21及び受信バッファ22は、エンジンルームハーネス1と接続され、エンジンルームハーネス1を介して入力された信号を一時的に記憶する。受信バッファ22は、エンジンルームハーネス1を介して受信した信号を一時的に記憶して通信IC23に出力する。また、送信バッファ21は、通信IC23からの信号を一時的に記憶して通信バスに送信する。
【0021】通信IC23は、第2電子制御装置12及び第3電子制御装置13の通信ICと同じプロトコルを実装する。通信IC23は、受信バッファ22からの信号を後段の受信メッセージ変換部24で処理可能な信号形態にして受信ラインTxを介して出力する。また、通信IC23は、受信メッセージ変換部24からの送信ラインRxを介した信号を通信バスで送信可能な信号形態にして送信バッファ21に出力する。
【0022】受信メッセージ変換部24は、受信ラインTxからの受信情報を後段の各部で処理可能な情報形態に変換し、内部に有するメモリに格納する。受信メッセージ変換部24は、受信情報をメモリに格納すると、正常に受信情報を受信可能であることを認識するためのリセット信号をメッセージカウンタ部28に出力する。メッセージカウンタ部28は、受信メッセージ変換部24からリセット信号が入力されると、内部に有するメッセージカウンタのカウンタ値をリセットする。
【0023】一方、受信メッセージ変換部24は、通信IC23で正常に受信情報を受信できなかったときにはカウントアップ信号をメッセージカウンタ部28に出力する。メッセージカウンタ部28は、出力されたカウントアップ信号に従ってカウンタ値をカウントアップさせる。
【0024】通信異常検出部29は、メッセージカウンタ部28でのカウント値を所定期間ごとに読み出す処理をする。通信異常検出部29は、読み出したカウンタ値が、予め決定しておいた通信不能を判定するための規定値を超えたか否かの判定をする。通信異常検出部29は、カウンタ値が規定値を超えていないときには駆動信号切り替えスイッチ30の端子aと端子cとを接続する制御をする。通信異常検出部29は、カウンタ値が規定値を超えたと判定したときには、通信異常検出信号を生成して駆動信号切り替えスイッチ30に出力して、駆動信号切り替えスイッチ30の端子aと端子bとを接続する制御をする。
【0025】ヘッドランプスイッチ信号判断部25は、受信メッセージ変換部24内のメモリに格納された受信情報のうち、ヘッドランプスイッチ検出情報を所定の期間ごとに読み出す処理をする。ヘッドランプスイッチ信号判断部25は、読み出したヘッドランプスイッチ検出情報によりヘッドランプスイッチ17のオンオフ状態を判断する。ヘッドランプスイッチ信号判断部25は、ヘッドランプスイッチ17がオン状態となっていると判断したときには、ヘッドランプ14を点灯させることを示すヘッドランプ点灯信号を生成して、駆動信号切り替えスイッチ30を介してヘッドランプ駆動部31に出力する。
【0026】車両挙動判断部26は、受信メッセージ変換部24内のメモリに格納されたエンジン回転検出情報及びアクセル開度検出情報の車両情報を所定期間ごとに読み出す処理をする。車両挙動判断部26は、読み出した車両情報と駆動条件変換マップ記憶部27に格納された駆動条件変換マップとを照合し、ヘッドランプ14を点灯するか否かを判断する。車両挙動判断部26は、ヘッドランプ14を点灯すると判断したときには、ヘッドランプ点灯信号を生成して、駆動信号切り替えスイッチ30を介してヘッドランプ駆動部31に出力する。
【0027】駆動条件変換マップ記憶部27は、ヘッドランプ14を点灯させる必要がある車両状態、すなわち車両走行中であると判定するエンジン回転数とアクセル開度値とを組み合わせたパターンを定義した駆動条件変換マップを記憶している。駆動条件変換マップ記憶部27は、駆動条件変換マップが車両挙動判断部26により読み込まれる。
【0028】駆動信号切り替えスイッチ30は、車両用通信システムで通信異常が発生していない通常時においては端子aと端子cとを接続して、ヘッドランプスイッチ信号判断部25からのヘッドランプ点灯信号をヘッドランプ駆動部31に出力する。また、駆動信号切り替えスイッチ30は、通信異常検出部29からの通信異常検出信号が入力されたことに応じて端子aと端子bとを接続する動作をして、車両挙動判断部26からのヘッドランプ点灯信号をヘッドランプ駆動部31に出力する。
【0029】「第2電子制御装置12の構成」第2電子制御装置12は、エンジンルームハーネス1と接続された送信バッファ41及び受信バッファ42と、通信IC43と、送信メッセージ変換部44と、車両を駆動する駆動系部品であるエンジンの回転数を検出するエンジン回転数センサ15及び運転者により操作されるアクセルの開度を検出するアクセル開度センサ16と接続されたセンサ信号入力部45とを備える。
【0030】送信バッファ41及び受信バッファ42は、エンジンルームハーネス1と接続され、エンジンルームハーネス1を介して入力された信号を一時的に記憶する。受信バッファ42は、エンジンルームハーネス1を介して受信した信号を一時的に記憶して通信IC43に出力する。また、送信バッファ41は、通信IC43からの信号を一時的に記憶して通信バスに送信する。
【0031】通信IC43は、第1電子制御装置11及び第3電子制御装置13の通信ICと同じプロトコルを実装する。通信IC43は、受信バッファ42からの信号を後段の送信メッセージ変換部44で処理可能な信号形態にして受信ラインTxを介して出力する。また、通信IC43は、送信メッセージ変換部44からの送信ラインRxを介した信号を通信バスで送信可能な信号形態にして送信バッファ41に出力する。
【0032】センサ信号入力部45は、エンジン回転数センサ15及びアクセル開度センサ16と接続され、所定期間ごとにエンジン回転数を示すセンサ信号及びアクセル開度を示すセンサ信号が入力される。センサ信号入力部45は、所定期間ごとに、入力されたセンサ信号に基づいてエンジン回転数情報及びアクセル開度情報を生成して送信メッセージ変換部44に出力する。
【0033】送信メッセージ変換部44は、センサ信号入力部45から入力されたエンジン回転数情報及びアクセル開度情報を第1電子制御装置11で処理可能な情報形態に変換して通信IC43に出力する。
【0034】「第3電子制御装置13の構成」第3電子制御装置13は、車室内ハーネス2と接続された送信バッファ51及び受信バッファ52と、通信IC53と、送信メッセージ変換部54と、ヘッドランプ14をオンオフするために運転者に操作されるヘッドランプスイッチ17と接続されたスイッチ信号入力部55とを備える。
【0035】送信バッファ51及び受信バッファ52は、車室内ハーネス2と接続され、車室内ハーネス2及びエンジンルームハーネス1を介して入出力される信号を一時的に記憶する。受信バッファ52は、車室内ハーネス2を介して受信した信号を一時的に記憶して通信IC53に出力する。また、送信バッファ51は、通信IC53からの信号を一時的に記憶して通信バスに送信する。
【0036】通信IC53は、第1電子制御装置11及び第2電子制御装置12の通信ICと同じプロトコルを実装する。通信IC53は、送信メッセージ変換部54からの送信ラインRxを介した信号を通信バスで送信可能な信号形態にして送信バッファ51に出力する。
【0037】スイッチ信号判定部55は、ヘッドランプスイッチ17と接続され、ヘッドランプスイッチ17のオンオフ状態を所定時間ごとに読み出し、ヘッドランプスイッチ17のオンオフ状態を判定し、判定結果を送信メッセージ変換部54に出力する。
【0038】送信メッセージ変換部54は、ヘッドランプ14のオンオフ状態を示す判定結果がスイッチ信号判定部55から入力され、ヘッドランプスイッチ検出情報として所定期間ごとに通信IC53に出力する。
【0039】[車両用通信システムの動作]
「通常時の動作」つぎに、上述した車両用通信システムの通常時の動作について説明する。
【0040】車両用通信システムでは、第1電子制御装置11〜第3電子制御装置13が起動しているときにおいて、エンジン回転数検出情報及びアクセル開度検出情報、並びにヘッドランプスイッチ検出情報を所定期間ごと第1電子制御装置11により受信する。
【0041】第1電子制御装置11では、受信メッセージ変換部24で各受信した情報(受信情報)を後段の各部で処理可能な信号形態に変換し、各受信情報ごとに内部のメモリに格納すると共に、メッセージカウンタをリセットする。この時、通信IC23により新たな受信情報を受信していないときには、各受信情報毎にメッセージカウンタをカウントアップする。すなわち、メッセージカウンタ部28は、エンジン回転数検出情報、アクセル開度検出情報、ヘッドランプスイッチ検出情報ごとに異なるカウンタを備える。
【0042】そして、第1電子制御装置11、第2電子制御装置12及び第3電子制御装置13の通信が通常に動作しているときには、メッセージカウンタ部28内のカウンタが規定値を超えることなく、駆動信号切り替えスイッチ30の端子aと端子cとを接続し、ヘッドランプスイッチ検出情報に従ってヘッドランプスイッチ信号判断部25及びヘッドランプ駆動部31によりヘッドランプ14のオンオフ状態を制御する。
【0043】「通信異常発生時の動作」つぎに、上述した車両用通信システムで、エンジンルームハーネス1と車室内ハーネス2とを接続するコネクタ3に不良が発生して第3電子制御装置13と第1電子制御装置11との間の通信異常が発生した場合について説明する。
【0044】この状態では、第1電子制御装置11は、第3電子制御装置13から所定期間ごとに送信されているヘッドランプスイッチ検出情報が通信IC23で受信不能となり、所定期間ごとにヘッドランプスイッチ検出情報に対応するメッセージカウンタをカウントアップする。
【0045】そして、通信異常検出部29により定期的にメッセージカウンタのカウント値を参照し、ヘッドランプスイッチ検出情報に対応するカウント値が規定値を超えた場合、通信異常検出部29は、第3電子制御装置13との間で通信異常が発生したと判定し、駆動信号切り替えスイッチ30における端子aと端子bとを接続する制御をする。
【0046】これにより、車両挙動判断部26は、定期的に第2電子制御装置12から入力されるエンジン回転数検出情報及びアクセル開度検出情報と駆動条件変換マップとを照合して、車両の挙動を判断して、ヘッドランプ14の点灯が必要であると判定したときには、ヘッドランプ14を点灯させるヘッドランプ点灯信号を駆動信号切り替えスイッチ30を介してヘッドランプ駆動部31に出力する。これにより、第1電子制御装置11は、ヘッドランプスイッチ検出情報を受信できないときであっても、ヘッドランプ14の点灯、消灯を制御することができる。
【0047】[実施の形態の効果]以上、詳細に説明したように、本実施の形態に係る車両用通信システムによれば、エンジンルームハーネス1と車室内ハーネス2を接続するコネクタ3に不良が発生し、車室内ハーネス2に接続された電子制御装置と通信不能となったときであっても、同一のエンジンルームハーネス1に接続された電子制御装置との間で通信をして、ヘッドランプ14を駆動制御することができる。したがって、この車両用通信システムによれば、コネクタ3不良が発生したときでも車両運転上問題のない状態を維持することができる。
【0048】また、この車両用通信システムによれば、コネクタ3不良が発生して、通信の不具合が発生したときでも、別に通信回路や、ハーネスを設けることなくコストを上げることがない。
【0049】なお、上述の実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【0050】上述した一例では、エンジンルームと車室とに設けられた電子制御装置間で情報を送受信する場合について説明したが、これに限らず、複数のハーネスがコネクタで接続されたものであれば本発明が適用可能である。
【出願人】 【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
【出願日】 平成13年3月21日(2001.3.21)
【代理人】 【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和 (外8名)
【公開番号】 特開2002−274296(P2002−274296A)
【公開日】 平成14年9月25日(2002.9.25)
【出願番号】 特願2001−81313(P2001−81313)