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【発明の名称】 トラック荷台におけるラッシングベルト用フック
【発明者】 【氏名】居潟 圭祐

【氏名】山本 良太郎

【要約】 【課題】ラッシングベルトを係合するベルト係合部を、トラック荷台に容易に低コストで取付けることができると共に、トラック荷台の製作自体をも低コストにできるトラック荷台におけるラッシングベルト用フックの提供を図る。

【解決手段】長尺状のフック本体2に、長手方向に沿って複数のベルト係合部3を設ける。各ベルト係合部3は、ラッシングベルト6の先端を係脱自在に係合するものである。このフック本体2は、トラック荷台100における側端に設けられた煽り板と、その内側に設けられた荷台板との間に取り付けられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】長尺状のフック本体(2)と、フック本体(2)の長手方向に沿って形成された複数のベルト係合部(3)とを備え、各ベルト係合部(3)が、ラッシングベルト(6) の先端を係脱自在に係合するものであり、フック本体(2)が、トラック荷台(100)における側端に設けられた煽り板(102)とその煽り板(102)の内側に設けられた荷台板(104)との間に取り付け可能とされたものであることを特徴とするトラック荷台におけるラッシングベルト用のフック。
【請求項2】フック本体(2)が、複数のベルト係合部(3)を有する上壁(21)と、上壁(21)の幅方向の両端側から下方に伸ばされた外側壁(22)及び内側壁(23)とを備え、外側壁(22)がフック本体(2)のトラック荷台(100)への取付けに際して、トラック荷台(100)の煽り板(102)側に、内側壁(23)が荷台板(104)側に、夫々配位されるものであり、この外側壁(22)が、下方にいくに従い漸次外側になるように伸ばされたものであることを特徴とする請求項1記載のトラック荷台におけるラッシングベルト用フック。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、トラック荷台用のフック、詳しくは、トラックの側縁に配位され、トラックの積荷を固定するラッシングベルトを固定するトラック荷台用のフックの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】トラックは、一般に、図7に示すように、トラック荷台100の下部に鋼製の土台枠101が渡され、この土台枠101の最外周にヒンジ103を介して煽り板102が取り付けられている。この煽り板102は、起こされた状態で、土台枠101の最外周に立つ状態となり、又、この煽り板102の内側に、木製等の荷台板104が設けられている。このようなトラックには、従来から積荷固定用のロープをトラック荷台に固定するためのコの字状のロープ用のフックaが、トラック荷台の側縁に設けられている場合が多いが、昨今、ロープに代わる積荷固定用のものとして、ラッシングベルトも多用されるに至っている。このラッシングベルトは、一端に固定金具が設けられ、他端にベルト同士を長さ調整可能に接続するバックルが設けられたものであり、例えば図8に示すように、トラック荷台100における左右の両煽り板102,102各々の上端における複数箇所に設置したベルト係合部b、bに、ラッシングベルト6の固定金具62,62を係合させることにより、積荷Nを固定することができ、ロープに比して積荷の固定が容易であるという利点がある。しかしながら、ラッシングベルト6を用いて積荷を固定する場合には、トラック荷台100における複数箇所にベルト係合部bを予め設置しておかなければラッシングベルト6の正しい固定ができない。そのため、ベルト係合部bの設置に時間を要し、コスト高になるという課題がある。その一方、トラック荷台100に積み込んだ荷をフォークリフトで降ろす際に、フォークリフトのフォークの先端が荷台板104の端面に当たって荷台板104を破損させる場合が多い。そのため、従来から、図7に示すように鋼製の断面コの字状の保護用レール107を土台枠101に溶接し、この保護用レール107に木製等の荷台板104の側辺を嵌め入れ、荷台板104の破損を防止することが行われている。ところが、保護用レール107が断面コの字状を呈しているため、フォークリフトのフォークの先端が保護用レール107に衝突してしまい、フォークリフトによる作業効率が悪くなっているとともに、保護用レール107自体も複数回の使用によって傷んでしまう。又、このようなレール107を、別途に設けたのでは、トラック荷台100の製作に時間を要するとともに、コスト高になってしまい、トラック荷台100にラッシングベルト用の固定金具を設けたトラックでは、全体としてコストの掛かるものになってしまっているという課題を有する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本願発明は、以上の事情に鑑み提案されたもので、ラッシングベルトを係合するベルト係合部を、トラック荷台に容易に低コストで取付けることができるトラック荷台用のフックを提供することを第1の目的とする。
【0004】本願発明は、トラック荷台の製作自体を低コストにできるトラック荷台用のフックを提供することを第2の目的とする。
【0005】本願発明は、フォークリフトで荷をトラック荷台に積み降ろしする際に、フォークリフトのフォークの先端から荷台板を保護するとともに、フォークの先端を滑らせてフォークリフトによる作業効率が良く、しかも、破損し難いトラック荷台におけるラッシングベルト用フックを提供することを第3の目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願発明は、以下の特徴を有するトラック荷台におけるラッシングベルト用フックを提供することにより上記課題を解決する。本願第1発明に係るラッシングベルト用フックは、長尺状のフック本体2と、フック本体2の長手方向に沿って形成された複数のベルト係合部3とを備える。各ベルト係合部3は、ラッシングベルト6の先端を係脱自在に係合するものである。フック本体2は、トラック荷台100における側端に設けられた煽り板102とその煽り板102の内側に設けられた荷台板104との間に取り付け可能とされたものである。
【0007】本願第2発明は、本願第1発明に係るトラック荷台におけるラッシングベルト用フックにおいて、次の点を特徴としたものを提供する。即ち、フック本体2が、複数のベルト係合部3を有する上壁21と、上壁21の幅方向の両端側から下方に伸ばされた外側壁22及び内側壁23とを備え、外側壁22はフック本体2のトラック荷台100への取付けに際し、トラック荷台100の煽り板102側に、内側壁23が荷台板104側に、夫々配位されるものである。そして、この外側壁22は、下方にいくに従い漸次外側になるように伸ばされたものであることを特徴とする。
【0008】以上のように構成された本願第1発明のトラック荷台におけるラッシングベルト用フックおいては、長尺状のフック本体2に、複数のベルト係合部3…3を備えたものとしたため、このフック本体2を、トラック荷台100に取付ければ良く、これにより、複数のベルト係合部3…3をトラック荷台100に一度に位置決めできるとともに、固定作業を容易なものにできる。又、ラッシングベルト用フック1を凹溝105に取り付けることにより、ラッシングベルト用フック1を荷台板104の外側に配位させることができ、フォークリフトのフォークから荷台板104を保護できる。従って、荷台板104の端部に、従来のような保護用レールを不要にでき、トラック荷台100自体を低コストで製作できるものにし得る。又、ラッシングベルト用フック1の高さを、荷台板104に合わせて(荷台板104の高さと等しくあるいはそれよりも低く)形成しておけば、ラッシングベルトを使用しない場合には、荷台板104からラッシングベルト用フック1の上壁21上にかけて荷を積むことができ、トラック荷台100を狭くすることなく広く効率的に使用できる。
【0009】本願第2発明においては、外側壁22を、下方に行くに従い漸次外方側に伸ばしたものとする。こうすることにより、例えばフォークリフトでトラック荷台100に荷を積み降ろしする際、フォークリフトのフォークがラッシングベルト用フック1の外側壁22に当たった場合でも、当たったフォークを引っ掛けることなく上方側に滑らせることができ、外側壁22の破損を確実に防止できるとともに、フォークリフトによる作業を円滑に行うことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図を基に本願発明の一実施形態を具体的に説明する。図1は、本願発明の一実施形態のトラック荷台におけるラッシングベルト用フックの平面図、図2は、図1のII−II線断面図である。
【0011】本願発明のラッシングベルト用フック1は、トラックのトラック荷台100に取り付けられて使用される。このラッシングベルト用フック1が取り付けられる本実施形態のトラックのトラック荷台100は、従来と略同構成を採る。詳しくは、図4に示すように、トラック荷台100の下部には、鋼製の土台枠101が渡され、その最外周にヒンジ103を介して煽り板102が配位されている。又、この煽り板102の内側に、木製の荷台板104が張られているが、この荷台板104には、従来のような保護用レール107(図7に図示)は設けられていない。そして、煽り板102と荷台板104との間に凹溝105が設けられている。尚、この例では、土台枠101の上面が、凹溝105の上面を形成しているが、土台枠101上に他の部材が配位され、この配位された部材が凹溝の上面を形成する場合もある。
【0012】そして、本願発明のラッシングベルト用フック1は、図1,図2に示すようにフック本体2と、フック本体に形成された複数のベルト係合部3…3とを備えている。フック本体2は、トラック荷台100の前後長さと略同長さを有する長尺状のものから構成されている。このフック本体2は、上壁21と、上壁21の幅方向の左右両端から下方に延設された左右の両側壁22,23とを有る。そして、上壁21と両側壁22,23とによって、後述するラッシングベルト6の挿入部63(図3に図示)を受容するベルト受容部24が、区画形成される。
【0013】両側壁22,23は、図2の左方側の外側壁22と、右方側の内側壁23とから構成されており、互いの間隔が、トラック荷台100の煽り板102と荷台板104との間の凹溝105の幅と等しいか、これより狭く形成され、凹溝105内に入れられて取付けられるようになされている。又、両側壁22,23の高さは、荷台板104の上面と同程度の高さに設定されている。外側壁22は、このフック本体2がトラック荷台100の凹溝105内に取付けられた際に、煽り板102側に配位されて煽り板102と対向し、右方側の内側壁23が荷台板104側に配位されて荷台板104と対向する面をなす。
【0014】外側壁22は、図4に示すように、上壁21から下方に行くに従い漸次外方(図中左方向)に伸ばされ、土台枠101の上面(即ち、凹溝105の上面)と外側壁22とのなす角度Pが鈍角をなした傾斜面に形成されている。一方、内側壁23は、上壁21から下方に真っ直ぐ伸ばされ、土台枠101の上面(即ち、凹溝105の上面)と内側壁23とが略直角をなすように形成されている。
【0015】このように構成された本実施形態のラッシングベルト用フック1は、トラック荷台100の凹溝105内に、内側壁23と荷台板104との間に殆ど隙間ができないようにして、左右両側壁22,23各々の下端が土台枠101に溶接により固定される。この固定により、外側壁22が上方にいくに従い漸次トラック荷台100の内方側に傾斜して配位される。
【0016】ベルト係合部3…3は、フック本体2の上壁21の長手方向に沿って並設されている。ベルト係合部3…3各々は、ラッシングベルトを係脱自在に係合するためのものである。このラッシングベルト6は、図3に示すように、ベルト61の端部に固定金具62を備えたものであり、この固定金具62は、先端の挿入部63と、基端側のベルト固定孔64との間に、一対の切欠部65,66を備える。一方の切欠部65は浅く、他方の切欠部66は深く形成されており、深い方の切欠部66に、ストッパー67が配位されている。このストッパー67は、軸68によって回動可能に固定金具62内に取り付けられ、バネ69によって閉方向(図4のX方向)に付勢されている。この閉状態で、ストッパー67の先端寄りのストッパ面70が深い方の切欠部66内に位置している。そして、バネ69の付勢力に抗して、摘み71を引き上げることによって、ストッパ面70が深い方の切欠部66から出て、この切欠部66が開くようになされたものである。
【0017】そして、ラッシングベルト6を係合する本実施形態のベルト係合部3…3各々は、前後方向に穿設された長溝状の係合孔31と、係合孔31の前後両側に形成された係止部32,32とを備えている。係止部32,32は、係合孔31の前後両側における上壁21によって構成されており、係止部32,32間の長さは、図3に示すように固定金具62の先端の挿入部63の長さよりも短く、開状態の両切欠部65,66間の長さよりも長く設定されている。さらに、同係止部32,32間の長さは、閉状態のストッパ面70と浅い方の切欠部65との間の長さよりも長く形成されている。
【0018】使用に際しては、ラッシングベルトの摘み71を引き上げることによって、ストッパ面70が深い方の切欠部66から出て、この切欠部66が開状態となる。この開状態で、深い方の切欠部66を、係合孔31から一方の係止部32に深く差し込み、次いで、浅い方の切欠部65側を、他方の係止部32の下に差し入れ。これにより、挿入部63がベルト受容部24に入り、切欠部65と係止部32とを係合させることができる。そして、摘み71から手を離すことによって、深い方の切欠部66を閉状態とする。これによって、係止部32,32間に、浅い方の切欠部65とストッパ面70とが位置して、左右に動く余裕がなくなり、先端の挿入部63が、係止部32,32間から抜け出ることができなくなり固定が完了する。
【0019】以上のように構成した長尺状のラッシングベルト用フック1を、トラック荷台100に取付けるようにすれば、複数のベルト係合部3…3をトラック荷台100に一度に位置決めできるとともに、固定作業を容易なものにできる。又、ラッシングベルト用フック1を凹溝105に取り付けることにより、ラッシングベルト用フック1を荷台板104の外側に配位させることができ、フォークリフトのフォークから荷台板104を保護できる。従って、荷台板104の端部に、従来のような保護用レールを不要にでき、トラック荷台100自体を低コストで製作できる。しかも、フォークリフトでトラック荷台100に積んだ荷を降ろす際、フォークリフトのフォークがラッシングベルト用フック1の外側壁22に当たった場合でも、外側壁22を、上方に行くに従い漸次内方側に伸ばした傾斜面に形成しているため、当たったフォークを引っ掛けることなく上方側に滑らせることができ、外側壁22の破損を防止できるとともに、フォークリフトによる作業を円滑に行うことができる。一方、ラッシングベルト用フック1と荷台板104とが略同じ高さに形成されて段差が無いため、ラッシングベルトを使用しない場合には、荷台板104からラッシングベルト用フック1の上壁21上にかけて荷を積むことができ、トラック荷台100を狭くすることを防止できる。
【0020】尚、本実施形態では、外側壁22を、傾斜面に形成しているが、この形態のものに限らず、例えば図5(A)に示すように外側壁22を、湾曲状に形成し、上方にいくに従い漸次トラック荷台100の内方側に伸びる形態のものであれば良い。さらに外側壁22は、上方にいくに従い漸次トラック荷台100の内方側に伸びる形態のものに限らず、例えば図5(B)に示すように上壁21と直角に形成するようにしても良く、適宜変更できる。尚、内側壁23の形状は、特に限定されず、傾斜面や湾曲状に形成しても良い。
【0021】又、本実施形態では、外側壁22と内側壁23の各々の下端をトラック荷台100の土台枠101に溶接により固定しているが、ラッシングベルト用フック1のトラック荷台100への取付け手段は、溶接による形態のものに限らず、ボルトにより行うようにしても良い。例えば図6(A)(B)に示すように、フック本体2を、上壁21と、内外の両側壁22,23と、下壁24とから構成し、上壁21の各係合孔31の前後中央部にボルトの頭部を挿通し得る径の大きな挿入部31aを形成するとともに、その挿入部31aの下方側の下壁24にボルト8の軸部を挿通し得るボルト挿通孔24aを穿設したものとしてもよい。この例では、挿入部31aからボルト挿通孔24aに通したボルト8の軸部を、トラック荷台100の土台枠101に設けたボルト挿通孔101aに通してナット9で固定できる。
【0022】また、本実施形態では、ラッシングベルト用フック1の内側壁23と、トラック荷台100の荷台板104との間に殆ど隙間ができないように配位しているが、隙間を隔ててラッシングベルト用フック1を配位させても良い。又、本願発明のラッシングベルト用フック1を設置するトラック荷台100は、上述した形態のものに限らず、例えば荷台板104に保護用レールを設けたもの、或いは積荷固定用のロープを固定するロープ用のフックを設けたものでも良い。
【0023】
【発明の効果】以上、本願第1発明は、フック本体2を、トラック荷台100に取付ければ良く、これにより、複数のベルト係合部3…3をトラック荷台100に一度に位置決めできるとともに、固定作業を容易なものにできる。又、ラッシングベルト用フック1を凹溝105に取り付けることにより、ラッシングベルト用フック1を荷台板104の外側に配位させることができ、フォークリフトのフォークから荷台板104を保護できる。従って、荷台板104の端部に、従来のような保護用レールを不要にでき、トラック荷台100自体を低コストで製作できるものにし得る。又、ラッシングベルト用フック1の高さを、荷台板104に合わせて形成しておけば、ラッシングベルトを使用しない場合には、荷台板104からラッシングベルト用フック1の上壁21上にかけて荷を積むことができ、トラック荷台100を狭くすることなく広く効率的に使用できる。
【0024】本願第2発明は、例えばフォークリフトでトラック荷台100に荷を積み降ろしする際、フォークリフトのフォークがラッシングベルト用フック1が外側壁22に当たった場合でも、当たったフォークを引っ掛けることなく上方側に滑らすことができ、外側壁22の破損を確実に防止できるとともに、フォークリフトによる作業を円滑に行うことができる。
【出願人】 【識別番号】596092551
【氏名又は名称】信和自動車工業株式会社
【出願日】 平成13年3月23日(2001.3.23)
【代理人】 【識別番号】100086346
【弁理士】
【氏名又は名称】鮫島 武信
【公開番号】 特開2002−274274(P2002−274274A)
【公開日】 平成14年9月25日(2002.9.25)
【出願番号】 特願2001−84031(P2001−84031)