トップ :: B 処理操作 運輸 :: B60 車両一般




【発明の名称】 車両用ランプの点灯制御装置
【発明者】 【氏名】山田 雅央

【氏名】佐藤 武利

【要約】 【課題】車両用ランプに断線が発生した場合に、他種類の車両用ランプを適切に点灯させて代用させる車両用ランプの点灯制御装置を、より簡単かつ低コストで提供する。

【解決手段】演算処理回路1は、複数種類の車両用ランプ10〜14に対して夫々直列に接続されているFET4〜8に対してスイッチング制御信号を出力し、各車両用ランプ10〜14の点消灯を制御すると共に、断線検出回路15がヘッドライトLo10の断線を検出すると代わりにヘッドライトHi11を調光制御して点灯させる。そして、FET4〜8,断線検出回路15及び演算処理回路1を同一の半導体基板上に集積回路装置として構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数種類の車両用ランプに対して夫々直列に接続され、各車両用ランプに通電を行うための半導体スイッチング素子と、前記各車両用ランプについて断線が生じているか否かを検出する断線検出手段と、前記半導体スイッチング素子に対してスイッチング制御信号を出力し各車両用ランプの点消灯を制御すると共に、前記断線検出手段が何れかの車両用ランプの断線を検出した場合は、当該車両用ランプに代えて、異なる種類の車両用ランプを点灯させるように制御する点消灯制御手段とを備え、前記半導体スイッチング素子,前記断線検出手段及び前記点消灯制御手段は、同一の半導体基板上に構成されていることを特徴とする車両用ランプの点灯制御装置。
【請求項2】 前記断線検出手段は、車両の始動時に前記各車両用ランプの断線検出を所定の時間間隔をおいて行うことを特徴とする請求項1記載の車両用ランプの点灯制御装置。
【請求項3】 前記点消灯制御手段は、車両用ランプの断線を検出する場合に、夫々対応する半導体スイッチング素子をスイッチング制御して断続的に通電を行うことを特徴とする請求項2記載の車両用ランプの点灯制御装置。
【請求項4】 前記断線検出手段が何れかの車両用ランプの断線を検出した場合に、車両の乗員に対して警告を行うための警告手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の車両用ランプの点灯制御装置。
【請求項5】 前記点消灯制御手段は、代わりに点灯させる車両用ランプが対向車両の乗員等によって視認される相対輝度が、断線した車両用ランプと同程度になるように制御することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の車両用ランプの点灯制御装置。
【請求項6】 前記点消灯制御手段は、断線した車両用ランプがロウビームヘッドライトである場合は代わりにハイビームヘッドライトを点灯させることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の車両用ランプの点灯制御装置。
【請求項7】 前記点消灯制御手段は、ロウビームヘッドライトと共にハイビームヘッドライトが断線している場合は代わりにフォグランプを点灯させることを特徴とする請求項6記載の車両用ランプの点灯制御装置。
【請求項8】 前記点消灯制御手段は、断線した車両用ランプが方向指示灯である場合は代わりに車幅灯を点滅させるように対応する半導体スイッチング素子をスイッチング制御することを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の車両用ランプの点灯制御装置。
【請求項9】 前記点消灯制御手段は、方向指示灯と共に車幅灯が断線している場合は代わりにフォグランプを点滅させることを特徴とする請求項8記載の車両用ランプの点灯制御装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、何れかの車両用ランプの断線が検出された場合に、代わりに異なる種類の車両用ランプを点灯させるように制御する車両用ランプの点灯制御装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】例えば、車両用ランプは通常車両の外部に複数設けられているが、夫々運転の安全性を確保したり、他の車両に対して自車両を認識させたり或いは運転動作の予告などを行うために設けられている。従って、何れの車両用ランプが断線した場合も、何らかの支障を来すことになるため好ましくない。
【0003】斯様な問題に対処するため、例えば、特開平11−291815号公報には、テールランプに断線が発生した場合に、ストップランプを点灯させて代用させる技術が開示されている。そして、この技術では、ストップランプを代用点灯させる場合に、ECUが夫々のランプの給電ラインに介挿されているリレーの接続を切換えてテールランプを輝度調整手段側の給電ラインに接続し、更に、ECUが輝度調整手段に対して輝度調整信号を出力するようになっている。
【0004】即ち、この従来技術においては、点灯制御を行うECUと、接続切換えを行うリレーと、輝度調整を行うための輝度調整手段が何れも個別に構成されているため部品点数が多い。従って、組立て用部品の管理コストや組立て工数が余分に必要となってしまう。
【0005】本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、車両用ランプに断線が発生した場合に、他種類の車両用ランプを適切に点灯させて代用させる車両用ランプの点灯制御装置を、より簡単かつ低コストで提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の車両用ランプの点灯制御装置によれば、点消灯制御手段は、複数種類の車両用ランプに対して夫々直列に接続されている半導体スイッチング素子に対してスイッチング制御信号を出力し、各車両用ランプの点消灯を制御する。また、断線検出手段が何れかの車両用ランプの断線を検出した場合は、当該車両用ランプに代えて、異なる種類の車両用ランプを点灯させるように制御する。そして、以上の半導体スイッチング素子,断線検出手段及び点消灯制御手段を同一の半導体基板上に構成するので、断線が発生した車両用ランプの代わりに異なる車両用ランプを点灯させる制御を行う構成を、小形化し且つ低コスト化することができる。更に、各車両用ランプの点消灯制御を半導体スイッチング素子を介して行うので、各車両用ランプの光量制御を半導体スイッチング素子のスイッチング制御によって容易に行うことができる。
【0007】請求項2記載の車両用ランプの点灯制御装置によれば、断線検出手段は、車両の始動時に各車両用ランプの断線検出を所定の時間間隔をおいて行う。即ち、各車両用ランプの断線検出は、車両の運転が開始される前等に一括して行うことが望ましい。ところで、車両用ランプの断線を検出するには各ランプに通電を行う必要があるが、各ランプの通電時には比較的大きな突入電流が流れるため、全てのランプに一斉に通電を行うと、車両のバッテリ電圧が急激に低下して寿命を縮めてしまうおそれがある。
【0008】そこで、断線検出手段が、各車両用ランプの断線検出を所定の時間間隔をおいて行うことで、バッテリにかかる負荷が短時間内に集中することを回避して、寿命の低下を防止することができる。
【0009】請求項3記載の車両用ランプの点灯制御装置によれば、点消灯制御手段は、車両用ランプの断線を検出する場合に、夫々対応する半導体スイッチング素子をスイッチング制御して断続的に通電を行うので、断線検出時における消費電力を低減してバッテリの負荷をより軽減することができる。
【0010】請求項4記載の車両用ランプの点灯制御装置によれば、断線検出手段が何れかの車両用ランプの断線を検出した場合に、車両の乗員に対して警告を行うための警告手段を備えるので、車両の乗員に断線が発生したことを確実に警告報知することができる。
【0011】請求項5記載の車両用ランプの点灯制御装置によれば、点消灯制御手段は、代わりに点灯させる車両用ランプが対向車両の乗員等によって視認される相対輝度が、断線した車両用ランプと同程度になるように制御する。例えば、代わりに点灯させる車両用ランプの相対輝度が断線した車両用ランプよりも高い場合には対向車両の乗員等が眩しさを感じる場合もあるので、代わりに点灯させる車両用ランプの相対輝度を低下させるように半導体スイッチング素子のスイッチング制御を行う。逆に、代わりに点灯させる車両用ランプの相対輝度が断線した車両用ランプよりも低い場合には対向車両の乗員等による視認性が低下するので、例えば、複数種類の車両用ランプを同時に点灯させるようにする。
【0012】斯様にして代わりに点灯させる車両用ランプの相対輝度を調整することで、過剰な相対輝度が対向車両の乗員の運転を妨げることを防止したり、或いは、自車両の視認性が低下することを防止できる。
【0013】請求項6記載の車両用ランプの点灯制御装置によれば、点消灯制御手段は、断線した車両用ランプがロウビームヘッドライトである場合は代わりにハイビームヘッドライトを点灯させるので、ロウビームヘッドライトの断線が車両の運転中に判明した場合でも、ハイビームヘッドライトを代用して運転を続行することができる。
【0014】請求項7記載の車両用ランプの点灯制御装置によれば、点消灯制御手段は、ロウビームヘッドライトと共にハイビームヘッドライトが断線している場合は代わりにフォグランプを点灯させるので、ヘッドライト用ランプが何れも断線している場合でも、次善の対策を行うことができる。
【0015】請求項8記載の車両用ランプの点灯制御装置によれば、点消灯制御手段は、断線した車両用ランプが方向指示灯である場合は代わりに車幅灯を点滅させるように対応する半導体スイッチング素子をスイッチング制御するので、車幅灯を方向指示灯の代わりに用いることができる。
【0016】請求項9記載の車両用ランプの点灯制御装置によれば、点前記点消灯制御手段は、方向指示灯と共に車幅灯が断線している場合は代わりにフォグランプを点滅させるので、車幅灯が断線していてもフォグランプを方向指示灯の代わりに用いることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】(第1実施例)以下、本発明の第1実施例について図1乃至図3を参照して説明する。図1は、電気的構成を示す機能ブロック図である。演算処理回路(点消灯制御手段,断線検出手段)1は、外部の車両用ECU(Electronic Control Unit) 2より与えられる制御信号に応じて、車両外部のフロント側に配置されている各種車両用ランプの点消灯制御を行うものであり、CPU等から構成されている。
【0018】演算処理回路1は、例えばフォトカプラなどで構成される駆動回路3を介してNチャネルMOSFET(半導体スイッチング素子)4〜8のゲートにゲート信号を与えるようになっている。各FET4〜8のドレインは、車両のバッテリ9の正側端子に共通に接続されており、ソースは、夫々車両用ランプたるヘッドライトLo(ロウビーム)10,ヘッドライトHi(ハイビーム)11,フォグランプ12,車幅灯13及びウインカ(方向指示灯)14のバルブを介してグランドに接続されている。
【0019】断線検出回路(断線検出手段)15は、各車両用ランプ10〜14の断線検出を行うものであり、その出力端子は対応する各車両用ランプ10〜14の電源側(即ち、FET4〜8のソース)に夫々接続されている。そして、断線検出回路15は、演算処理回路1がFET4〜8を夫々ONさせて各車両用ランプ10〜14に電圧を印加した場合に、それら電源側端子の電圧レベルをバッテリ9の電圧レベルと比較することによって断線検出を行い、その検出結果を演算処理回路1に出力するようになっている。
【0020】尚、演算処理回路1,駆動回路3,FET4〜8及び断線検出回路15は、点灯制御装置16を構成している。また、点灯制御装置16は、半導体基板上に集積回路装置として構成されている。
【0021】一方、ECU2には、車室内のインスツルメントパネル等に配置されている各種スイッチ17の操作信号が与えられている。また、ECU2は、点灯制御装置16による車両用ランプ10〜14の断線検出結果に応じて車両の乗員に警告を行うための警告ランプ(警告手段)18を点灯制御するようになっている。尚、ECU2と点灯制御装置16の演算処理回路1とは、例えば車内LAN等によって通信を行うようになっている。また、通常、車両用ランプは車両の右側に配置されるものと左側に配置されるものとで1組をなしているが、図1では何れか一方側のみを示している。
【0022】次に、本実施例の作用について図2及び図3をも参照して説明する。図2は、ヘッドライトLo10が点消灯される場合の演算処理回路1の制御内容を示すフローチャートである。演算処理回路1は、ECU2を介してヘッドライトLo10のON信号が与えられると(ステップA1,「YES」)、断線検出回路15によってヘッドライトLo10の断線検出を行う(ステップA2)。
【0023】ステップA2における断線検出は、演算処理回路1がFET4をONさせた場合におけるヘッドライトLo10の電源側端子の電位が、バッテリ9の電源電圧とほぼ等しいか否かによって検出する。即ち、ヘッドライトLo10が断線しておらず正常であればFET4には5A程度のドレイン電流が流れるため、FET4のON抵抗によって電圧降下が生じる。例えば、ON抵抗が20mΩであれば0.1V程度の電圧降下が発生する。従って、断線検出回路15は、両者の電位差が0.1V以上ある場合は“断線無し”と判定し、両者の電位差が0.1V未満である場合は“断線”と判定する。
【0024】断線検出回路15が断線を検出しなかった場合(ステップA3,「NO」)、演算処理回路1は、FET4にゲート信号を出力して点灯させる(ステップA4)。そして、演算処理回路1は、ECU2を介してヘッドライトLo10のON信号が与えられなくなると(ステップA4a,「NO」)、ヘッドライトLo10を消灯させて(ステップA13)処理を終了する。
【0025】一方、ステップA3において、断線検出回路15がヘッドライトLo10の断線を検出すると(ステップA3,「YES」)、演算処理回路1は、ヘッドライトHi11を選択し(ステップA5)その断線検出を行わせる(ステップA6)。断線検出回路15がヘッドライトHi11の断線を検出しなかった場合は(ステップA7,「NO」)、演算処理回路1は、FET5にゲート信号を出力して調光制御を行い(ステップA8)、ヘッドライトHi11を点灯させる(ステップA9)。そして、ステップA4aに移行する。
【0026】尚、ステップA8における調光制御は、以下のように行う。ヘッドライトHi11の投光角度は、車両の進行方向に対して略平行になっているため、ヘッドライトLo10に代えて連続点灯させると、対向車両の乗員等にとっては眩しすぎることになってしまう。そこで、演算処理回路1は、代わりにヘッドライトHi11を点灯させる場合にFET5をスイッチング制御(PWM制御)して間欠的に点灯させ、その相対輝度(即ち、対向車両の乗員等によって視認される輝度)がヘッドライトLo10と同程度となるように減光調整する。
【0027】また、ステップA7において、ヘッドライトHi11も断線している場合(「YES」)、演算処理回路1は、断線検出回路15に制御信号を与えてフォグランプ12を選択して(ステップA10)その調光制御を行い(ステップA11)フォグランプ12を点灯させて(ステップA12)ステップA1に戻る。尚、ステップA11における調光制御は、ステップA8と同様の趣旨に基づいて、フォグランプ12の相対輝度がヘッドライトLo10と同程度となるように減光調整するものである。
【0028】図3は、運転者がウインカスイッチをONした場合の制御内容を示すフローチャートである。ステップB1〜B4aの処理は、ステップA1〜A4aの処理をウインカ14に置き換えたものである。そして、断線検出回路15がウインカ14の断線を検出した場合(ステップB3,「YES」)、演算処理回路1は、断線検出回路15に制御信号を与えて車幅灯13を選択し(ステップB5)その断線検出を行わせる(ステップB6)。
【0029】断線検出回路15が車幅灯13の断線を検出しなかった場合は(ステップB7,「NO」)、演算処理回路1は、FET5にゲート信号を出力して点滅制御を行い(ステップB8)、ウインカ14に代えて車幅灯13を断続的に点滅させて(ステップB9)ステップB4aに移行する。
【0030】また、ステップB7において、車幅灯13も断線している場合(「YES」)、演算処理回路1は、断線検出回路15に制御信号を与えてフォグランプ12を選択して(ステップB10)その点滅制御を行い(ステップB11)フォグランプ12を点滅させて(ステップB12)ステップB4aに移行する。
【0031】以上のように本実施例によれば、演算処理回路1は、複数種類の車両用ランプ10〜14に対して夫々直列に接続されているFET4〜8に対してスイッチング制御信号を出力し、各車両用ランプ10〜14の点消灯を制御すると共に、断線検出回路15がヘッドライトLo10の断線を検出すると代わりにヘッドライトHi11を点灯させるので、ヘッドライトLo10の断線が車両の運転中に判明した場合でも、ヘッドライトHi11を代用して車両の運転を続行することができる。
【0032】その場合、演算処理回路1は、ヘッドライトHi11の相対輝度がヘッドライトLo10と同程度となるように減光調整するので、過剰な相対輝度が対向車両の乗員の運転を妨げることを防止したり、或いは、自車両の視認性が低下することを防止できる。更に、演算処理回路1は、ヘッドライトLo10と共にヘッドライトHi11が断線している場合は代わりにフォグランプ12を点灯させるので、ヘッドライト10,11が何れも断線している場合でも、次善の対策を行うことができる。
【0033】また、本実施例によれば、演算処理回路1は、ウインカ14が断線した場合は代わりに車幅灯13を点滅させるので、車幅灯13をウインカ14の代わりに用いることができる。更に、ウインカ14と共に車幅灯13が断線している場合は代わりにフォグランプ12を点滅させるので、車幅灯13が断線していてもフォグランプ12をウインカ14の代わりに用いることができる。
【0034】そして、以上のFET4〜8,断線検出回路15及び演算処理回路1を同一の半導体基板上に集積回路装置として構成し点灯制御装置16としたので、全体を小形化し且つ低コスト化することができる。更に、各車両用ランプ10〜14の点消灯制御をFET4〜8を介して行うので、各車両用ランプ10〜14の光量を上記のように制御する場合に、FET4〜8のスイッチング制御によって容易に行うことができる。
【0035】(第2実施例)図4乃至図7は本発明の第2実施例を示すものであり、第1実施例と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分についてのみ説明する。第2実施例の構成は基本的に第1実施例と同様であり、演算処理回路1の制御内容が若干異なっている。即ち、第2実施例では、演算処理回路1は、車両の始動時に全ての車両用ランプ10〜14の断線検出を行うようになっている。ここでの車両の始動時とは、例えば、キーレスエントリシステムにおけるリモコンキーによって解錠信号が与えられた場合や、エンジンが始動された場合などである。
【0036】図4は、車両の始動時における断線検出のフローチャートである。例えば、イグニッションONによってエンジンが始動されると(スタート)、演算処理回路1は、何れかの車両用ランプ10〜14の内1つを選択して断線検出回路15により断線検出を行う(ステップC1)。尚、この場合、演算処理回路1は、検出対象ランプに対応するFETにスイッチング制御信号を与えて検出対象ランプを間欠的に通電するようにPWM制御し、断線検出時における消費電力を極力低減する。
【0037】検出対象のランプについて断線が検出されなければ(ステップC2,「NO」)ステップC5に移行し、断線が検出された場合は(「YES」)、検出対象のランプについて断線フラグをセットする(ステップC3)。即ち、演算処理回路1内部のRAMにおける所定のフラグ格納領域に“1”をセットする。それから、ステップC4に移行すると、演算処理回路1は、ECU2に制御データを送信して、断線が検出された車両用ランプに対応する警告ランプ18を点灯表示させて、車両の乗員に報知を行う。
【0038】続くステップC5において、演算処理回路1は、所定時間が経過するまで待機する。ここで、所定時間の経過を待つのは、各車両用ランプの通電時には図5に示すように比較的大きな突入電流が流れるため、全てのランプに一斉に通電を行うと、バッテリ9の電圧が急激に低下して寿命を縮めてしまうおそれがあるためである。従って、各車両用ランプ10〜14の断線検出を所定の時間間隔をおいて行うことで、バッテリ9にかかる負荷が短時間内に集中することを回避して寿命の低下を防止する。
【0039】図5に示す一例では、バッテリ9の電圧が14V,2つのヘッドライトLo10が夫々55Wである場合に、突入電流がピークから定常電流値の2倍程度となるのに約50ms,安定するまで約200msを要している。従って、この場合には、ステップC5における所定時間を50ms〜200msの間に設定するのが好ましい。
【0040】ステップC5において所定時間が経過すると(「YES」)、演算処理回路1は、全ての車両用ランプ10〜14を断線検出していなければ(ステップC6),「NO」)ステップC1に戻り、次のランプについて同様に断線検出を行う。ステップC6において、全てのランプについて断線検出を終了すると(「YES」)処理を終了する。
【0041】図6及び図7は、第1実施例における図2及び図3に対応するフローチャートである。図6において、演算処理回路1は、ステップA1で「YES」と判断すると、ステップA2を実行せず、ステップA3に代わるステップA14を実行する。ステップA14では、ヘッドライトLo10について断線フラグがセットされているか否かを判断し、セットされていなければ(「NO」)ステップA4に移行し、セットされていれば(「YES」)ステップA5に移行する。
【0042】また、ステップA5においてヘッドライトHi11を選択した場合も、ステップA6を実行することなくステップA7に代わるステップA15を実行し、ヘッドライトLo10について断線フラグがセットされているか否かを判断する。そして、断線フラグがセットされていなければ(「NO」)ステップA8に移行し、セットされていれば(「YES」)ステップA9に移行する。その他の処理は第1実施例と同様である。
【0043】一方、図7において、演算処理回路1は、ステップB1で「YES」と判断すると、ステップB2を実行せず、ステップB3に代わるステップB14を実行する。ステップB14では、ウインカ14について断線フラグがセットされているか否かを判断し、セットされていなければ(「NO」)ステップB4に移行し、セットされていれば(「YES」)ステップB5に移行する。
【0044】また、ステップB5において車幅灯12を選択した場合も、ステップB6を実行することなくステップB7に代わるステップB15を実行し、車幅灯12について断線フラグがセットされているか否かを判断する。そして、断線フラグがセットされていなければ(「NO」)ステップB8に移行し、セットされていれば(「YES」)ステップB9に移行する。その他の処理は第1実施例と同様である。
【0045】以上のように第2実施例よれば、演算処理回路1は、車両の始動時に各車両用ランプ10〜14の断線検出を所定の時間間隔をおいて行うので、バッテリ9にかかる負荷が短時間内に集中することを回避して、寿命の低下を防止することができる。
【0046】また、演算処理回路1は、車両用ランプ10〜14の断線を検出する場合に、夫々対応するFET4〜8をスイッチング制御して断続的に通電を行うので、断線検出時における消費電力を低減してバッテリ9の負荷を一層軽減することができる。更に、断線検出回路15が何れかの車両用ランプの断線を検出した場合に、演算処理回路1は、ECU2を介して対応する警告ランプ18を点灯させるので、車両の乗員に断線が発生したことを確実に警告報知することができる。
【0047】本発明は上記し且つ図面に記載した実施例にのみ限定されるものではなく、次のような変形または拡張が可能である。断線検出回路15は、バッテリ9の電圧と各車両用ランプ10〜14の電源側端子と電位差を比較するものに限らず、例えば、各車両用ランプ10〜14の電源側端子電圧を全て測定した結果、他の電圧よりも高い電圧を示すものが1つ以上あった場合には、その車両用ランプが断線していると判断しても良い。また、断線検出手段は、電圧を検出するものに限らず、FET4〜8に代えてドレイン電流を分流した電流が検出可能である電流検出端子付のFETを配置し、その電流検出端子において電流が検出されるか否かによって判定しても良い。断線検出手段と点消灯制御手段とは、夫々全く独立に構成しても良い。第1実施例において、断線を検出した場合は第2実施例と同様に警告を行っても良い。警告手段は、音声によって報知を行うものでも良い。第2実施例における車両の始動時の断線検出と、第1実施例における各車両用ランプ10〜14のON信号が与えられた場合の断線検出とを何れも行うようにしても良い。車両始動時の断線検出において、各車両用ランプに対する検出を所定時間間隔を開けて行う処理や、PWM制御する処理は、バッテリに必要とされる寿命に応じて適宜行えば良い。車両のリア側に配置される車両用ランプであるストップランプやテールランプなどについても、同様の制御を行っても良い。
【出願人】 【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
【出願日】 平成12年11月6日(2000.11.6)
【代理人】 【識別番号】100071135
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 強
【公開番号】 特開2002−144958(P2002−144958A)
【公開日】 平成14年5月22日(2002.5.22)
【出願番号】 特願2000−337828(P2000−337828)