| 【発明の名称】 |
バッテリなしで運転可能な直列ハイブリッド車 |
| 【発明者】 |
【氏名】ジャン−ジャック シャロドー
【氏名】ピエール−アラン マネ
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| 【要約】 |
【課題】バッテリなしでも運転可能な直列ハイブリッド車両【解決手段】 下記(a)〜(f)を有する直列ハイブリッド車両用駆動伝達系:(a)出力シャフトの所で動力が得られるエンジン10によって駆動されるオルタネータ11、(b)電気駆動力を伝達する電線路12と電気駆動モータを所望トルクで運転させるインバータ22とを介して上記オルタネータに接続された少なくとも1つの電気駆動モータ21、(c)ドライバーが操作可能なアクセル制御装置CA、(d)エンジンに作用するアクチュエータ15、(e)少なくとも所望トルクが電気駆動モータの最大トルクに達した時にアクチュエータの位置をアクセル制御装置の位置の関数で一定限界まで制御する制御装置32、(f)上記の所望トルクを車両速度の関数かつ実際のエンジン速度の関数でエンジンの出力シャフトで得られる動力を評価する制御電力Pの関数で連続的に計算して車両の推進トルクを制御するためのユニット31。
【解決手段】下記(a)〜(f)を有する直列ハイブリッド車両用駆動伝達系:(a)出力シャフトの所で動力が得られるエンジン10によって駆動されるオルタネータ11、(b)電気駆動力を伝達する電線路12と電気駆動モータを所望トルクで運転させるインバータ22とを介して上記オルタネータに接続された少なくとも1つの電気駆動モータ21、(c)ドライバーが操作可能なアクセル制御装置CA、(d)エンジンに作用するアクチュエータ15、(e)少なくとも所望トルクが電気駆動モータの最大トルクに達した時にアクチュエータの位置をアクセル制御装置の位置の関数で一定限界まで制御する制御装置32、(f)上記の所望トルクを車両速度の関数かつ実際のエンジン速度の関数でエンジンの出力シャフトで得られる動力を評価する制御電力Pの関数で連続的に計算して車両の推進トルクを制御するためのユニット31。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 下記(a)〜(f)を有する直列ハイブリッド車両用駆動伝達系:(a) 出力シャフトの所で動力が得られるエンジン(10)によって駆動されるオルタネータ(11)、(b) 電気駆動力を伝達する電線路(12)と電気駆動モータを所望トルクで運転させるインバータ(22)とを介して上記オルタネータに接続された少なくとも1つの電気駆動モータ(21)、(c) ドライバーが操作可能なアクセル制御装置CA、(d) エンジンに作用するアクチュエータ(15)、(e) 少なくとも所望トルクが電気駆動モータの最大トルクに達した時にアクチュエータの位置をアクセル制御装置の位置の関数で一定限界まで制御する制御装置(32)、(f) 上記の所望トルクを車両速度の関数かつ実際のエンジン速度の関数でエンジンの出力シャフトで得られる動力を評価する制御電力Pの関数で連続的に計算して車両の推進トルクを制御するためのユニット(31)。 【請求項2】 制御電力Pを下記式で評価する請求項1に記載の駆動伝達系:【数1】
(ここで、「Adjustment」は操作パラメータ、「Speed」は計算時のエンジン速度、「Idling speed」はアイドリング時のエンジン速度、「Max.Speed」は最大電力ポイントでのエンジン速度である)【請求項3】 最大「Dyn.Adjust.」値から来る「Adjustment」パラメータが「Eco.Adjust.」値に向かい、車両を加速しようとしてアクセル制御装置CAに急速に作動したときに再び「Dyn.Adjust.」値を迅速にとる請求項2に記載の駆動伝達系。 【請求項4】 「Adjustment」パラメータが、「Dyn.Adjust.」とよばれる高い値と「Min.Adjust.」とよばれる低い値との間で変化し、「Min.Adjust.」は下記の式で計算する請求項2に記載の駆動伝達系:【数2】
(ここで、「v」は上限が「Speed threshold」である瞬間車両速度) 【請求項5】 パラメータの「Adjustment」を下記の式で計算する請求項2に記載の駆動伝達系:【数3】
(ここで、「v」は上限が「Speed threshold」である瞬間車両速度) 【数4】
(ここで、アクセル制御装置CAの位置の時間に対する一次導関数が負またはゼロであるときにはD=0、アクセル制御装置CAの位置の一次導関数が正であるときにはD=一次導関数の値、kは1) 【請求項6】 アクセル制御装置CAが所定閾値より低いときには上記制動制御ユニットが起動されて、所望の制動トルクCを電気モータへ送り且つアクチュエータPPをアイドリング位置にするように制御ユニットに命令する電気エネルギー吸収装置が、制動制御ユニット(14)を介して上記電線路にさらに接続されている請求項1〜5のいずれか一項に記載の駆動伝達系。 【請求項7】 アクセル制御装置CAの上記所定閾値が車両速度に比例する請求項6に記載の駆動伝達系。 【請求項8】 電気エネルギー吸収装置が電気エネルギーを蓄積する手段からなる請求項6または7に記載の駆動伝達系。 【請求項9】 アクセル制御装置CAから車両加速要求が出た時に、制御装置(32)は先ず最初にバッテリを空にし、その後にアクチュエータPPを作動させる請求項8に記載の駆動伝達系。 【請求項10】 アクチュエータPPを制御する手段が、繰返しの度に、下記の式で限界位置を計算する請求項1〜9のいずれか一項に記載の駆動伝達系:スロットル位置限界値=最大スロットル位置−k*(Pthd−Pa−Pt) 【請求項11】 車両の推進トルクを制御するユニット(31)が、所定サンプル周期で上記の所望トルクを計算する請求項1〜10のいずれか一項に記載の駆動伝達系。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は直列ハイブリッドモータ駆動式の路面走行車両に関するものである。 【0002】 【従来の技術】この方式の直列ハイブリッドモータ駆動式の車両では熱エンジンが電気オルタネータを駆動し、このオルタネータが熱エンジンのシャフトで得られる機械エネルギーを電気エネルギーに変換する。この電気エネルギーは車両の駆動車輪に機械的に連結された電気駆動モータに供給される。並列ハイブリッドモータ駆動式の車両ではエンジンと電気モータの両方が駆動車輪に機械的に連結され、両方のトルクが加え合わされて駆動車輪を駆動するが、直列ハイブリッドモータ駆動式の車両では熱エンジンは車輪に機械的に連結されていない。従来のモータ駆動式車両のドライバーは従来法で周知のアクセル制御および制動制御に慣れており、これらの制御は高度に発達し、優れた応答性を有している。本明細書で「従来のモータ駆動」という表現は熱エンジン、手動の変速機または自動変速機を用いた駆動方式を意味する。この従来のモータ駆動に慣れたドライバーが混乱しないようにするためには、ハイブリッド車でもそれとほぼ同じ状態で運転できるようにするのが望ましい。その場合の問題は、ドライバーのアクセルペダルに対する動作(より一般的にはアクセルペダルおよび制動ペダルに対する動作)をエンジンから始まり電気駆動モータで終わる駆動伝達系を調整するための正しい動作に変えることができか否かである。 【0003】オルタネータと電気モータとの間に緩衝器として電気充電バッテリを取付けることは周知である(特に、エンジンを切った状態で電気モードのみで駆動できるようにする場合)。この場合にはエンジンの調整と電気駆動モータの制御(電気的な意味での制御)とを独立させることができ、電気バッテリからエネルギーを取り出す電気モータのトルクの制御に特に問題はなく、ドライバーは進歩した優れた応答性を有するアクセルペダルを操作して制御をすることができる。 【0004】しかし、電気バッテリの使用には種々の問題がある。すなわち、バッテリは蓄積される電気エネルギーの量に比べて重量が重くなる。その結果、車両重量が重くなり、加速時のエネルギー浪費の原因になる。さらに、車両の動的挙動に問題が生じのは言うまでもない。この問題は大型車両の場合にさらに重大になる。さらに、バッテリにはメンテナンスおよび環境に問題がある。すなわち、リサイクルが困難な多くの汚染物質が含まれている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ドライバーが進歩した応答性に優れたアクセル制御ができ、場合によっては電気バッテリ無しでも運転が可能な直列ハイブリッド駆動伝達系を提供することにある。電気エネルギーを蓄積する装置(バッテリ)が全く無い場合には、要求を満たすのに必要な電気エネルギーを過不足なく発生させることができなけれなばならない。従って、問題はエンジンの失速または空転を避けながら、電気駆動モータに要求されるトルクを得ることができるか否かであり、しかも、それを従来の熱エンジン車両での進歩した応答性に優れたアクセルペダルの制御手段にできるだけ近い手段でできるか否である。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明は下記(a)〜(f)を有する直列ハイブリッド車両用駆動伝達系を提供する:(a) 出力シャフトの所で動力が得られるエンジンによって駆動されるオルタネータ、(b) 電気駆動力を伝達する電線路と電気駆動モータを所望トルクで運転させるインバータとを介して上記オルタネータに接続された少なくとも1つの電気駆動モータ、(c) ドライバーが操作可能なアクセル制御装置CA、(d) エンジンに作用するアクチュエータ、(e) 少なくとも所望トルクが電気駆動モータの最大トルクに達した時にアクチュエータの位置をアクセル制御装置の位置の関数で一定限界まで制御する制御装置、(f) 上記の所望トルクを車両速度の関数かつ実際のエンジン速度の関数でエンジンの出力シャフトで得られる動力を評価する制御電力Pの関数で連続的に計算して車両の推進トルクを制御するためのユニット。 【0007】 【発明の実施の形態】本発明のエンジンはアクセルペダル等の可変制御が可能な任意形式のエンジンである。例えば周知のディーゼルエンジンでは燃焼室に噴射される燃料の量を制御する。ガソリンエンジンでは燃焼室に送る空気の量を制御する。本発明がこれらのエンジンに限定されるものではない。ディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置およびガソリンエンジンのスロットル制御装置が本発明の「アクチュエータPP」である。 【0008】電気駆動モータは1つまたは複数の電気駆動モータにすることができる(例えば車両の各車輪に1つの電気駆動モータ)。電気駆動モータが複数の場合の「所望トルクC」は、全てのモータに対するトルクを組合せた全体であり、本発明ではモータ間のトルク分布の問題は考慮しない。電気駆動モータは回転シャフトのトルクを振幅および符号で制御可能な形式のモータである。例えば磁束集束式の永久磁石同期電動機(PMSM)を使用する。オルタネータは例えば電気駆動モータで説明したのと同じ形式の電気機械を使用する。このオルタネータはエンジンの出力シャフトで得られる機械的エネルギーを電気エネルギーに変換する。この電気エネルギーはオルタネータから給電される電線路に接続された電気的負荷によって消費される。 【0009】制御電力Pはエンジンから生じる利用可能な電力Pthdの評価から来る。この制御電力Pは実際に利用可能な電力Pthdと正確には一致しない。実際の速度Rを関数とする制御電力の各種の曲線を以下で示すが、これらの曲線はアクチュエータPPの種々の位置において利用可能な電力Pthdに対する真の曲線と重ねて示してある。制御電力Pは実体より大きいまたは小さい近似から得られるので、実際のエンジン速度Rの関数として特定の動力を出力するエンジンの動作ポイントは実際に利用可能な電力Pthdと、オルタネータに接続された負荷によって電気の形で消費される電力との平衡に必ずしも一致しない。所望トルクCの計算は一連の繰返し(iteration)で行う。エンジンから供給される動力と電気の形で消費される電力との間に差がある限り、エンジン速度が変化し、従って実際に利用可能な電力Pthdの評価が変る。次の繰返しで制御ユニットが所望のトルクCの計算を行うことによって所望のトルクCの新しい値を求め、それによって種々の電力がオルタネータに接続された負荷によって消費され、それによって上記の差が縮まり、差がなくなる。 【0010】以下、実際の速度Rの関数としての制御電力曲線(以下、単に「制御曲線とよぶ」)を選択して、オルタネータに接続された負荷によって消費される電力を利用可能な電力とバランスさせる方法を説明する。 【0011】本発明の1つの観点から、ドライバーが操作可能なアクセル制御装置CAは電気駆動モータの所望トルクCに直接には作用するのではなく、エンジンに作用するということを指摘しておく。電気駆動モータの所望トルクCはエンジンの実際の動作に自動的に合わされる。すなわち、アクセル制御装置CAはアクチュエータPPに直接作用する。過度に強い電流が流れると電気モータが破壊されてしまうため、電気駆動モータに吸収されるトルクは必ず制限しなければならないため、アクチュエータPPは電気駆動モータに吸収されるトルクを考慮する。すなわち、車両の移動速度が遅いときには飽和(電気モータおよびインバータに許容可能な最大電流)は低電力レベルで達成される。エンジンの空転を防ぐためには、ドライバーから来る加速要求を制限するのが望ましい。アクチュエータPPの制御をドライバーが直接操作するアクセル制御装置CAに例えば比例するようにリンクできるのは電気モータが飽和以下の場合のみである。 【0012】電気エネルギーを電線路で得られる限り、電気駆動モータ以外の種々の電気的負荷を接続することができるということも理解できよう。他の電気的負荷が一時的に大きな電力(場合によっては電気駆動モータ以上の電力、さらには利用可能な電力以上の電力)を吸収してもよい。この場合には以下で説明する調節原理に合うように種々の調節をするのが望ましい。上記以外の要求、例えばエンジン消費量の低下、その他を改良する方法は、添付図面を参照した以下の説明から明らかになるであろう。なお、本発明が下記実施例に限定されるものではない。 【0013】 【実施例】[図1]にはガソリンエンジン10と、インテークマニホルド内のスロットルの位置を制御するアクチュエータ15とが示されている。このエンジンがオルタネータ11を駆動する。オルタネータが供給す電気エネルギーは整流器13、電線路12およびインバータ22を介して4つの電気駆動モータ21に分配される(1つのモータ21に対して1つのインバータ22)。電線路12には電気エネルギー吸収装置14が接続されている。 【0014】車両の電気駆動伝達系(電気モータ21の駆動トルクまたは制動トルク)を含めた各種機能は中央処理装置30によって管理される。この中央処理装置30は電気モータ21の推進トルク(F)を制御するユニット31と、スロットルPPの位置を変えるアクチュエータ15を制御してエンジン10の出す動力(E)を変える電子装置32とを備えている。車両の推進トルクを制御するユニット31は選択されたサンプル周期で上記の所望トルクを計算する。中央処理装置30は各種パラメータを評価するための信号、例えばアクセル制御装置CA(ドライバーが使用可能なアクセルペダル、その他の制御装置)の位置を反映する電位差計40、スロットルPPの位置を反映するセンサ41、車両速度vを出力するセンサ42、エンジン速度Rを出力するセンサ43、各種温度センサ44、車両の油圧制動回路の圧力を出力するセンサ45からの信号を受信する。なお、上記装置が全てではない。 【0015】実際の車両では、エンジンからの動力は他の周辺機器によって吸収される。本発明では、オルタネータを介してクランクシャフトから動力を引き出すので、エンジンのクランクシャフトから直接、機械的動力を引き出すか、電線路12から電力を引き出すかはほとんど重要ではない。これらの周辺機器の中には中央処理装置30によって管理でき、それによってエンジン速度が変更可能になる前であってもアクチュエータ15を制御するための装置32で消費された電力の変化を考慮することができるという利点があるということを指摘しておく。 【0016】電気駆動モータ21はレゾルバー型の角度位置センサを備えた3相同期電動機であり、推進トルクを制御するためのユニット31の制御下でインバータ22によって制御される。この電子装置はトルク値を用いてモータを制御するように構成されている。従って、駆動組立体を駆動装置および制動装置として使用することができる。アクチュエータ15は基本的にエンジンのスロットルに連結された小さいDC電気モータで構成される。このモータは位置センサ41(電位差計)によって電子装置によって管理され、スロットルの位置を連続制御する。スロットル位置は電気駆動モータの所望トルク(負のトルクでもよい)に依存し、さらに周辺機器の追加の消費量の関数に合わされる。 【0017】各要素はCAN(登録商標)バス(Controller Area Network)50によって互いに接続され、それによって回路網のマスターとして選択された中央処理装置30は電気モータ21によって駆動される車輪の速度およびインバータ22からの動作の診断結果を受信でき、所望のトルクCをインバータ22へ伝達することができる。以下、駆動伝達系の操作の管理方法を説明する。アクセルペダルの位置を出力するセンサ40は以下の3つの機能を実行することができる信号を出力する。すなわち、通常加速、可能最大限のアクセル(自動変速機を備えた従来の車両でのいわゆる「キックダウン」位置に相当)およびエンジンブレーキである。ここではエンジンブレーキモードでの動作の説明は省く。 【0018】[図2]を参照すると、スロットルの種々の位置での安定状態のエンジンの実際の動力Pthdを表す一組の曲線が示されている。これらの曲線は乗用車のガソリンエンジンの実際の代表的な特性である。中央処理装置30はこれらの実際の特性を代表するプログラムされた命令は全く持っていない。[図2]にはさらに、電気駆動用の制御曲線P(制御電力)が示してある。この曲線は推進トルクを制御するためのユニット31にプログラムされた命令を示している。 【0019】様々な状況を調べてみることにする。これらの状況は駆動モータの電流飽和からかけ離れていない任意の安定状態があると仮定し、周辺機器によるエネルギー消費は無視する。これらの条件下では、スロットルの位置が一定である場合に、エンジンによって一定の動力が供給され、この動力はこの系を平衡状態にするために電気駆動モータ21によって消費されなければならない。例えば、3100回転/分且つ40%のスロットル開度ではエンジンは18000ワット(動作ポイント(1))を供給し、この利用可能な動力を車両速度で割ったものが系を平衡させる所望のトルクCである。利用可能な動力と、制御された所望トルクCで得られた消費電力とが等しくない場合にはエンジン速度が変化する。[図2]に見られるような制御曲線Pでは自己平衡性があることが注目される。 【0020】出発点は上記の操作ポイント(1)であると仮定する。アクセルペダルを押し下げると、制御装置32はスロットルをさらに開けるようにアクチュエータ15に命令する。具体的には、ドライバーのアクセル動作でスロットルが60%の開度に調節される場合、3100回転/分の初期速度で、エンジンは実際に27000ワットを供給する(操作ポイント(2))。駆動によって消費される電力がまだ変化していない状態である初期の瞬間では、駆動によって消費される電力はエンジンから供給された動力よりも小さい。従って、エンジン10の速度が上がる。速度が上がると、電気駆動に対する制御曲線Pによって決定されるように計算されたトルクCの所望の値も自動的に大きくなる。電気駆動モータ21によって吸収されるべき電力が新しい値になり、それによって車両速度の点から即時に新しい所望のトルクCが与えられる。エンジンは3800回転/分の速度(開口ポイント(3)、制御曲線Pと、スロットル開度が60%のエンジンの実際の特性曲線との交差点)で安定化し、この速度で、駆動によって消費される電力とエンジンから供給される動力、すなわち31000ワットとが等しくなることがわかる。 【0021】スロットルの位置が40%の開度に戻った場合を考える。3800回転/分の初期速度で、エンジンは今度は21000ワットしか供給できない(開口ポイント(4))。駆動によって消費される電力がエンジンから供給される動力よりも大きいままである状態では、エンジンは回転を緩め、3100回転/分の速度(開口ポイント(1)、制御曲線Pと、スロットル開度が40%のエンジンの実際の特性曲線との交差点)で安定化し、この速度で、駆動によって消費される電力とエンジンから供給される動力、すなわち18000ワットとが等しくなる。 【0022】この原理によって、実際に利用可能なときにだけ動力は消費され(エンジンが失速または空転しない)。[図2]に示すような電気駆動の場合の制御曲線Pでは、エンジンの実際の特性(時間の経過とともに特に磨耗の関数で変化する)を知らなくても、スロットルの各位置で、上記制御曲線P上に単一の操作ポイントがあるので駆動伝達系の動作は安定である。換言すれば、アクチュエータPPの全ての位置において、選択された制御電力曲線Pは実際に利用可能なPthdである電力の曲線と一点で交差するのが有利である(安定な操作を永久に保証する方法である)。選択された制御曲線Pは最大電力のエンジン速度でスロットル開度が100%のエンジンの実際の特性の曲線と交わるのが好ましい。 【0023】車両速度が遅い場合は、既に述べたように、電気モータは電流、従ってトルクに関して制限されるので、利用可能な全ての電力を消費することができないことは理解できよう。より一般的には、電気駆動モータのトルクを制限している原因は他にも考えられる。例としては駆動制御系を挙げることができる。 【0024】この系の作動効率を高めるために、スロットル位置の限界値を下記の修正値によって適合させることができる。すなわち、アクチュエータ15を制御するための手段が、繰返しの度に下記のように限界位置を計算する:スロットル位置限界値=最大スロットル位置−k*(Pthd−Pa−Pt) (ここで、Ptは車両の駆動に使用される電力であり、Paは駆動に使用されない追加の電力である)周辺機器による消費電力については既に述べた通りである。以下で説明するように種々の損失を考慮に入れるのも有利である。本明細書ではこの損失と周辺機器によって消費される電力とを併せて追加の電力とよぶ。 【0025】所望トルクCを制御電力Pに基づいて計算すると常に安定な動作に向かって収束することは理解できよう。電力の変化の原因としてドライバーによる作用で生じる原因以外の原因を計算に入れることができるので上記の収束は一層高速になることは当業者は理解できよう。このバージョンでは、駆動に使用されない追加電力(Pa)を考慮に入れることを提案する。損失は鉄損、オルタネータおよび電気駆動モータでのジュール熱損失、インバータでの損失、整流器での損失、および同様な他の損失を合計したものである。電気要素の上記の全ての損失はモデリング(測定、実験、計算…)することができる。このモデリングは中央処理装置30にロードすることができ、各種パラメータ、例えば各要素の動作温度、回転速度、電流、所望のトルクCの測定または知識によってPa(追加電力)を繰返しの度に計算することができる。 【0026】制御曲線Pに上述のように従う動作はアクセルへの正確な応答を確実にするので動的とよばれ、機械的変速機を備えた従来の車両での最短の速度比での動作に少し似ている。しかし、従来のエンジンの効率がその負荷、すなわちガソリンエンジンのスロットル開度から独立していないことも知られている。エンジンのトルクCthを縦座標に、エンジンの速度Rを横座標にとった[図3]に示すように、エンジンの比消費量はエンジンの速度および負荷によって変化する。所与の利用可能な電力Pthdでは、最小燃料消費量を提供する動作ポイントはやや遅いエンジン速度で且つ周知のように大きいスロットル開度に位置している。 【0027】以下ではより少ない燃料消費量を常に目指すことを目的とする有利な実施例を説明する。この実施例では、アクセルへの良好な応答性を損なわずに操作ポイントをより大きいエンジンの負荷に向かって進める。以下では、経済的制御から動的制御へ制御を自動的に変化させる手段を提案する。消費量の点で有利な動作領域はやや遅い速度で且つやや大きいスロットル開度に位置するということが認められたので、[図4]に示すような経済的な制御電力曲線PE(より簡単に「経済的制御」ともよぶ)も用いられる。[図4]では、動的制御曲線PDとよばれる[図2]と同等な制御電力曲線が示されている。曲線PEと曲線PDとの間では異なる動作ポイントで同じ電力を得ることができることがわかる。 【0028】[図4]の制御曲線PDは[図2]の制御曲線Pと同じものである。この曲線では、30000ワットの電力が約3750回転/分の速度且つ約60%の開度のスロットル位置(動作ポイント「B」)で得られることがわかり、曲線PEでは、同じ30000ワットの電力が約2500回転/分の速度且つ約80%の開度のスロットル位置(動作ポイント「A」)で得られることがわかる。 【0029】推進トルクを制御するためのユニット31のプログラミングがこの経済的制御曲線PEのみに基づく場合に、ドライバーが加速を必要とするとき、アクセル制御装置CAへの適当な作用に対する駆動伝達系全体の応答は、推進トルクを制御するためのユニット31のプログラミングが動的制御曲線PDに基づく場合のアクセル制御装置CAへの同じ適当な作用に対する応答よりも遅い。これは第1の場合のアクチュエータPPが第2の場合よりも最大スロットル開度にはるかに近い位置にあることによる。加速度の保存は動的制御の場合よりも経済的制御の場合の方がはるかに小さい。すなわち、経済的制御の場合はエンジンが速度を上げてより大きな動力を出すのに非常に時間がかかる。従って、所望のトルクCの増加が迅速でなく、車両の加速がパワフルでない。アクセルに対する応答は遅く、機械的変速機を備えた従来の車両での最長の速度比での応答と少し似ている。 【0030】この理由から極めて有利な変形例では、駆動伝達系の動作の限界値である一組の制御曲線を実際に用いて動的制御曲線PDから経済的制御曲線PEへ自動的且つ徐々に変化させることが提案されている。これは有効な制御が、加速要求への応答の動的特性を最適化するある制限モードと、エネルギー効率を最適化する他の制限モードとの間で自動的に変化することを意味する。推進トルクを制御するためのユニット31にプログラムされた制御曲線は下記の通り:【0031】 【数5】
【0032】ここで、「Adjustment」は動作パラメータであり、「Speed」は計算時のエンジンの速度であり、「Idling speed」はアイドリング時のエンジンの速度であり、「Max.Speed」は最大電力のポイントでのエンジンの速度である。「Adjustment」パラメータは用いるエンジンの特性動作曲線の関数として選択するのが好ましい。 【0033】一例として、制御は「Adjustment」パラメータの値が約1.5の場合(=Dyn.adjust.)には動的制御曲線PDに従ってほぼ正確に定義され、「Adjustment」パラメータの値が0.7の場合(=Eco.Adjust.)には経済的制御曲線PEに従ってほぼ正確に定義されるが、これに限定されるものではない。上記の値は単に説明のためのものであり、個々のケースに応じて例えば経験に基づいて決定するのが最もよい。このパラメータの高い値は動的制御に対応し、低い値は経済的制御に対応する。 【0034】制限モードが決定されたとき、「Adjustment」パラメータは自動的に以下のように簡単に変化することができる。「Adjustment」パラメータはドライバーによってアクセルが要求される場合を除いて、動的制御を確実とするように選択された最大「Dyn.Adjust.」値から、常に「Eco.Adjust.」値に向かう。これによってドライバーが加速していないときのPE曲線への自動的変更、およびドライバーが加速しているときのPD曲線への自動的変更、またその逆も可能になる。 【0035】上記の変更は例えば、ドライバーの運転の仕方を評価するための関連情報を簡単に分析することによって移動時にリアルタイムで行うことができる。例えば、車両速度、アクセル制御装置CAの位置、特にこの位置の全ての変化、特に変化の速度、最後の変化から経過した時間を考慮に入れることができる。別の変形例では、低速での車両操作の柔軟性を良くするために「Adjustment」パラメータに下限値を導入する。この場合「Adjustment」パラメータは「Dyn.Adjust.」とよぶ高い値と「Min.Adjust.」とよぶ低い値との間で変化し、「Min.Adjust.」は以下のように計算する:【0036】 【数6】
【0037】ここで、「v」は瞬間的車両速度であり、この上限は「Speed threshold」である。これによって低速での車両操作の快適性が向上することがわかった。低速でやや動的な状態を維持する制御曲線によって運転はより柔軟になる。速度閾値は15〜30km/時、例えば20km/時に固定される。速度閾値より上の速度では「Adjustment」パラメータを管理することによって経済的制御が可能になる。下記の変形例では、推進トルクを制御するためのユニット31の実際的なプログラミングが示されている。このプログラミングによって、ドライバーがアクセルペダルの位置を迅速に変えてパワフルに加速する意図を見せるときに、駆動伝達系の反応を可能な限り動的にすることができる。この関数を実施するためにアクセル制御装置CAの位置の導関数を用いる。この導関数の値によって動的制御曲線PDに多少速く近づくことができる。一定の時間の遅れの後、経済的制御曲線PEに徐々に戻る。 【0038】[図4]を参照する。経済的制御曲線PE上の動作ポイント(1)を原点として取る。スロットル開度が60%で且つ速度が1200回転/分であり、エンジンは9000ワットを供給している。ドライバーが大きな加速をしようとアクセルペダルを急に押し下げ、スロットル開度が80%になるような位置にアクセルペダルを持っていく。アクセルペダルの経時的位置を示す信号の導関数を例えば閾値と比較して分析すると、制御曲線はより動的な制御曲線、すなわちPDのような曲線に向かって変化したが、スロットルは位置を変更している途中である。有効に制御された電力は動作ポイント(2)に対応する電力、すなわち2000ワットである。このときには、エンジンから供給された動力と電気駆動モータ21を制御する電力との平衡状態はない。従って、[図2]の説明で述べたように、エンジンは速度を上げることによって車両を加速することができる。 【0039】一例として、動作ポイント(1)から動作ポイント(2)への変化は普通車において手動変速機を用いて下げる変化に対応する。動作ポイント(3)は迅速に達成される。適当な時間の遅れの後、より経済的な制御曲線に徐々に戻ることができる。説明を簡単にするために、制御ポイントがポイント(4)へ進むと仮定する。ここでも、エンジンから供給される動力と所望のトルクCを決定する電力とは平衡でなくなる。エンジン10は過負荷である。ここで、推進トルクを制御するためのユニット31が経済的制御曲線PEに従って動作するにつれて、これらの電力はエンジン10の速度が低下した後にポイント(5)でほぼ一定なスロットル位置で平衡になる。実際には、制御曲線の変化は連続的なので動作ポイントの進行は[図4]に示されるほど急激ではない。上記の動作は下記のプログラミング展開によって得ることができる。 【0040】 【数7】
【0041】ここで、「v」は瞬間的車両速度であり、この上限は「Speed threshold」である。 【0042】 【数8】
【0043】ここで、アクセル制御装置CAの位置の時間に対する一次導関数が負またはゼロであるときD=0、アクセル制御装置CAの位置の一次導関数が正であるとき、D=一次導関数の値、ここでkは1に限定される。ある条件下では、ドライバーが長時間にわたって全電力を必要とすることがある。これは例えば追い越しをする場合などである。この場合は、従来の車両の自動変速機で周知な「キックダウン」効果を得るように、推進トルクを制御するためのユニット31をプログラムできるのが有利である。ドライバーはアクセル制御装置CAを下がるところまで押し、全出力が要求される限りこの完全な押し下げ状態を維持することによって意志を示す。 【0044】可能な限り動的な制御曲線、すなわち曲線PDを用いることは理解できよう。スロットル開度は上記の限界値(電気駆動モータ、駆動制御系…の飽和)の範囲内で最大に達する。この場合は、ドライバーがアクセルペダルを押し下げ続ける限り、パラメータkは値1のままである。アクセルペダルが押し下げられている限り、アクチュエータPPの最大開度動作ポイントは維持される。 【0045】本発明の一実施例では、従来の車両のエンジンブレーキに匹敵する効果を与えるために、電気駆動モータをゼネレータとして作動させることができる。この場合は、制動制御ユニット14を介して電線路に接続された電気エネルギー吸収装置を車両に備え付ける。この制動制御ユニット14は回復という意味において進行するエネルギーの移動を自動的に検出し、これを電気エネルギー吸収装置に伝える。制動が生じた時からアクチュエータPPはトルク制御ユニット31によってアイドリング位置に既に配置されている(詳細は以下の[図5]の説明で述べる)。その結果、電気駆動モータがオルタネータとして動作しかつ車両に制動力を印加するときに、上記の電気駆動モータによって供給された電気エネルギーが吸収される。 【0046】電気駆動モータ10がゼネレータとして動作しているときにこの電気駆動モータ10から供給された電気エネルギーは電線路12に接続された負荷によって消費される。本発明は駆動伝達系の制御がオルタネータ11と電気モータ21との間の緩衝器としてバッテリを使用せずに動作できるように構成されているという特別な特徴を有するので、電気エネルギー吸収装置は制動エネルギーを放散するための単純な電気抵抗器140にすることができる。アクセル制御装置CAの所定の閾値は車両速度に比例していることが望ましい。 【0047】[図5]では、横軸線がドライバーの意志によるアクセル制御装置CAの位置を示し、縦軸線がこの位置の有効なアクセル制御装置CAe(正または負、定量化)への移動を示す。一組の曲線が示され、各曲線は車両速度に対応している。全ての曲線(ゼロの車両変位速度に対応する1つの曲線を除く)は加速要求が負で可変な第1の部分と、加速要求が正で可変な第2の部分と、加速要求が正で一定の第3の部分とを有する。 【0048】既に述べたように、正の加速要求によってトルク制御ユニット31は所望のトルクCを決定することができる。負の加速要求によってトルク制御ユニット31はエネルギー吸収装置14を制御し、所望の「アイドリング」値をアクチュエータPP制御装置に送信し(電線路12に接続された他の周辺機器が、エンジンブレーキ段階で電気モータ21の供給する電気エネルギーよりも大きいエネルギーを要求する場合を除く)、絶対値の大小にかかわらず負の所望のトルクCをインバータ22に送ることができる。従って、制動トルク(モータ21はトルクに関して制御されていることを想起されたい)はアクセルペダルの位置と瞬間的車両速度の関数である([図5]参照)。所望のトルクCを電気駆動モータ21によって許容可能な最大電流の関数として、さらに、車両に取付けられた散逸抵抗器または同等のエネルギー吸収装置にとって許容可能な最大電力の関数として制限することが好ましい。 【0049】加速要求がゼロである場合のアクセル制御装置CAの位置を「ニュートラル位置」とよぶ。この位置は車両速度に依存する。ペダルの位置がニュートラル位置よりも下側にある場合は、駆動伝達系はエンジンブレーキとして動作する。[図5]の曲線の加速要求が正で一定である第3の部分のアクセル制御装置CAの任意の位置は「キックダウン位置」とよぶ。ニュートラル位置とキックダウン位置との間では、駆動伝達系の動作は既に述べた通りの動作であり、ここでは動的制御PDと経済的制御PEとが自動的かつ一定で適合する。キックダウン領域での動作は既に述べた通りのものである。 【0050】例えばゼロ速度では、ニュートラルがアクセルペダルのゼロの所にあるので、エンジンブレーキ領域が全くなく、従って電気制動を行うことができない。車両速度が上がるときに、ニュートラルは変位し、制動領域が増大し、駆動領域が減少する。アクセル制御装置CAが静止し且つ車両変位速度がゼロの場合に、坂道発進を容易にしたり、斜面に車を止めておくために、ドライバーがアクセル制御装置CAに作用しない限り、推進トルクを制御するためのユニットは車両速度がゼロ値に維持されるように所望のトルクCを計算するのが有利である。 【0051】制動時にエネルギーを回復するために、電気エネルギーを蓄積するための手段、例えば電気化学的バッテリまたは同等の任意の装置を使用できることは理解できよう。蓄積容量は(車両が重くならないように)大きくない方が有利であり、アクセル制御装置CAによって車両の加速要求が示された時に、制御装置32は先ず最初にバッテリを空にし、その後、アクチュエータPPに作用するようにするのが有利である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】597117396 【氏名又は名称】コンセプション エ デヴロップマン ミシュラン,ソシエテ アノニム
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| 【出願日】 |
平成14年3月14日(2002.3.14) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100092277 【弁理士】 【氏名又は名称】越場 隆
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| 【公開番号】 |
特開2002−369312(P2002−369312A) |
| 【公開日】 |
平成14年12月20日(2002.12.20) |
| 【出願番号】 |
特願2002−70646(P2002−70646) |
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