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【発明の名称】 電気ブレーキシステム
【発明者】 【氏名】小笠 正道

【氏名】山本 貴光

【氏名】山下 道寛

【氏名】渡邉 朝紀

【要約】 【課題】電機品容量の増加を抑え、摩擦ブレーキを使用することなく電気ブレーキのみで車両を減速及び停止させることができる電気ブレーキシステムを提供する。

【解決手段】本発明の電気ブレーキシステムは、パンタグラフ11から入力された架線18からの直流電圧を制御する昇降圧DC/DCコンバータ12とDC/AC変換器であるインバータ13とから成るPAM制御方式主回路20と、鉄道車両などに使用される主電動機群14と、ブレーキ信号を入力するブレーキ入力部16と、ブレーキ入力部16からのブレーキ信号に応じて、予め設定された応速度ブレーキ力パターン(期待粘着ブレーキパターン)μに基づいて、PAM制御方式主回路20を制御する制御部17と、を備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 交流電圧の印可を受けて該交流電圧に対応した制動トルクを車軸に与える主電動機と、前記主電動機に接続され、電圧を制御する電圧制御回路と、前記電圧制御回路を所定の期待粘着ブレーキパターンμに基づいて制御する制御手段と、を備え、前記電圧制御回路は、入力された直流電圧を交流電圧に変換して、前記主電動機に変換した交流電圧を印可するインバータと、前記インバータに入力する直流電圧を制御する昇降圧回路と、を備える、ことを特徴とする電気ブレーキシステム。
【請求項2】 前記期待粘着ブレーキパターンμは、車両速度をVt[km/h]としたとき、μ=b/(Vt+a)、の関数で示され、前記係数a及びbは、前記関数で示される反比例曲線上の任意の2点での値によって決定される、ことを特徴とする請求項1記載の電気ブレーキシステム。
【請求項3】 前記係数aは、約78であり、前記係数bは、約15.84である、ことを特徴とする請求項2記載の電気ブレーキシステム。
【請求項4】 前記電圧制御回路は、PAM(Pulse Amplitude Modulation)制御方式の回路である、ことを特徴とする請求項1乃至3記載の電気ブレーキシステム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、交流モータ等の電気ブレーキを用いて鉄道車両(以下、単に「車両」ともいう)を減速及び停止させる電気ブレーキシステムに関する。特には、電機品容量の増加を抑え、摩擦ブレーキを使用することなく電気ブレーキのみで車両を減速及び停止させることができる電気ブレーキシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、鉄道車両用のブレーキとして、電気ブレーキ、摩擦ブレーキ、流体ブレーキなどが用いられている。このうち電気ブレーキの代表的なものは、駆動電動機を発電機として電流を発生して車軸に制動トルクを与え車両を減速及び停止させるものである。また、摩擦ブレーキは、圧縮空気や油圧などによって機械的に制輪子を車軸やブレーキディスクなどに押し付けて摩擦力を発生させ車両を減速及び停止させるものである。また、流体ブレーキは、油などの流体を回転翼などで攪拌し、その際の抵抗力をブレーキ力として車両を減速及び停止させるものである。
【0003】ここで、走行中の電気車などの鉄道車両を停止させる場合、まず電気ブレーキによって徐々に減速し、最後に摩擦ブレーキによって物理的に車軸などを固定して停止させている。その後、最終的には、摩擦ブレーキを使用して確実に車両の停止状態の保持を行っている。
【0004】特に、現在の電気車では、主電動機への印加電圧が架線電圧相当の印加電圧で頭打ちになる速度(以下、単に「定格速度」ともいう)より高速域の弱磁束領域・特性領域において、主電動機の制御特性上、定トルク領域に較べて電動機トルクが速度とともに急激に低下する。これは、架線電圧上限値相当以上の電圧を主電動機に印加できない現在の主回路構成上やむを得ないことである。
【0005】一般に、電気車両のブレーキにおいて、高速域での電気ブレーキ力が低速度域に較べて低下することから、所要ブレーキ力を満足できない部分は機械ブレーキにより補足している。
【0006】この高速域での機械ブレーキ分担が増えることは、車輪やデイスクヘの熱的負荷の増大やブレーキシュー・ライニングの摩耗の増大を伴い、近年、特に運行時分短縮のために高減速度の要求される機会が増えているため、車輪踏面亀裂や凹摩耗などが発生する場合もある。
【0007】このため、ブレーキ力の機械ブレーキ分担分をなくし、電気ブレーキのみで賄うことも考えられる。この場合には、高速域での電気ブレーキ分担分を増加させることで実現可能となる。
【0008】図3は、近郊電車における常用最大ブレーキ設定を示す図である。図3に示すように、最近では、車種によって、中速度〜高速度にかけて簡単な応速度ブレーキ力パターンを持たせて、高速域での期待粘着係数(摩擦係数)μ’を若干緩和したものもある。
【0009】ここで、期待粘着係数μ’とは、駆動伝達力と車軸重量の比であり、<式1>期待粘着係数μ’=駆動伝達力/車軸重量で示される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、現状の常用最大ブレーキ力を最高速度で電気ブレーキのみで分担するにはあまりにも電機品の容量が大きくなってしまうという問題が生じる。
【0011】また、現状のブレーキでは、満車条件での常用最大ブレーキでほぼ非常ブレーキと同等近くの減速度水準に設計されているため、期待粘着係数μもかなり高いものとなり、実在電車の常用ブレーキの期待粘着係数μは、高速域では厳しいものになってしまうという問題が生じる。
【0012】本発明はこのような背景の中でなされたものであって、電機品容量の増加を抑え、摩擦ブレーキを使用することなく電気ブレーキのみで車両を減速及び停止させることができる電気ブレーキシステムを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、本発明の電気ブレーキシステムは、交流電圧の印可を受けて該交流電圧に対応した制動トルクを車軸に与える主電動機と、主電動機に接続され、電圧を制御する電圧制御回路と、電圧制御回路を所定の期待粘着ブレーキパターンμに基づいて制御する制御手段と、を備え、電圧制御回路は、入力された直流電圧を交流電圧に変換して、主電動機に変換した交流電圧を印可するインバータと、インバータに入力する直流電圧を制御する昇降圧回路と、を備える、ことを特徴とする。
【0014】ここで、期待粘着ブレーキパターンμは、車両速度をVt[km/h]としたとき、「μ=b/(Vt+a)」の関数で示され、係数a及びbは、関数で示される反比例曲線上の任意の2点での値によって決定される、ようにすることができる。このとき、係数aは、約78であり、係数bは、約15.84である、ようにするとよい。
【0015】また、電圧制御回路は、PAM制御方式の回路とすることができる。
【0016】上述の本発明の電気ブレーキシステムにおいては、インバータに入力する直流電圧を制御する電圧制御回路を、「μ=b/(Vt+a)」で示される期待粘着ブレーキパターンμで制御するため、電機品容量の増加を抑え、摩擦ブレーキを使用することなく電気ブレーキのみで車両を減速及び停止させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下本発明の電気ブレーキの制御方法について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0018】図1は、本発明の電気ブレーキシステムの実施の形態の一例を示すブロック図である。この電気ブレーキシステムは、パンタグラフ11から入力された架線18からの直流電圧を制御するPAM(Pulse Amplitude Modulation)制御方式主回路20と、鉄道車両などに使用される三相交流電動機群(以下、単に「主電動機群」ともいう)14と、ブレーキ信号を入力するブレーキ入力部16と、ブレーキ入力部16からのブレーキ信号に応じて、予め設定された応速度ブレーキ力パターン(期待粘着ブレーキパターン)μに基づいて、PAM制御方式主回路20を制御する制御部17と、を備えている。
【0019】ここで、PAM制御方式主回路20は、パンタグラフ11から入力された架線18からの直流電圧の電圧値を制御する昇降圧DC/DCコンバータ12と、直流と交流の電圧変換を行うDC/AC変換器であるインバータ13と、を備えている。また、インバータ13は、例えば、PWM(Pulse Width Modulation)制御によって直流を交流に変換する電力変換装置を使用するとよい。さらに、このPWM制御(パルス幅変調制御)を使用したインバータ13には、PWM制御(パルス幅変調制御)VVVF(Variable Voltage Variable Frequency)インバータとするとよい。このPWM制御(パルス幅変調制御)VVVF(可変電圧可変周波数)インバータは、PWM制御(パルス幅変調制御)によって正負2レベルまたは3レベルのパルス電圧を出力し、平均電圧として目的の振幅と周波数を持った交流電圧を得ることができる。
【0020】また、主電動機群14からの制動トルクによって車軸(図示せず)及び車輪15の運動が制御され、車両の速度制御が行なわれる。
【0021】以下、制御部17においてPAM制御方式主回路20を制御する期待粘着ブレーキパターンμについて説明する。
【0022】期待粘着ブレーキパターン(駆動伝達力/軸重比)μが速度Vt(Velocity of Train)に反比例するパターンとし、<式2>μ=b/(Vt+a)
を満たす関数とする。
【0023】ここで、係数a、bは,反比例曲線上の2点A(Vt_a、μa)、B(Vt_b、μb)を設定すれば一意に決まり、以下の式で計算することができる。
<式3>a=(μb×Vt_b−μa×Vt_a)/(μa−μb)
b=μa×μb(Vt_b−Vt_a)/(μa−μb)
Vt_a≦Vt_bμa≧μb【0024】ここで、2点A、Bの与え方を変えることで、いろいろなμパターンが作成できる。例えば、新幹線における計画粘着式はこのような反比例近似を用いており、<式4>μ=13.6/(Vt+85)
が用いられている。
【0025】また、在来線は車種別、乾燥・湿潤別の計算式もある一方で、平均値として、<式5>μ=32.74/(Vt+187)
が用いられている。
【0026】例えば、A(10[km/h]、0.18)、B(120[km/h]、0.08)とすると、<式6>μ=15.84/(Vt+78)
となる。
【0027】図2は、期待粘着ブレーキパターンμが式6のときの粘着パターン変更による設計減速度(常用最大ブレーキ設定)を示す図である。図2に示すように、式6に示した期待粘着ブレーキパターンμは、現状の動力分散列車の粘着性能に適した値であるといえる。なお、速度10[km/h]以下をフラットなパターンにしてもよい。
【0028】次に、<式6>の場合の減速度・停止距離の算出を示す。電気ブレーキで負担するブレーキ力をFe_t[N]、電気ブレーキで分担する減速度をβe[Km/h/s]とする。いま、編成全体両数k[両]、電動車数n[両]、1両当たりの満車荷重を17.0[ton/両]とし、簡単のために電動車質量(空車)M0[kg/両]、付随車質量(空車)T0「kg/両」、荷重載荷時の電動車質量ML[kg/両]とすると、編成全体の最大質量M’[kg]は、<式7>M’=n×(M0+17000)+(k−n)×(T0+17000)
=n×M0+(k−n)×T0+17000×kとなる。
【0029】このとき、列車編成としての並進系運動方程式は、<式8>(M’/3.6)×(dVt/dt)=n×μ×ML×gとなる。
【0030】また、動軸1軸当たりの慣性モーメントJw[kgm2]、車輪の回転角速度ωw[rad/s]、車輪半径rw[m]、車輪への印加トルクτw[Nm]、車輪周引張力fw[N]とすると、動軸の回転系運動方程式は、<式9>Jw×(dωw/dt)=τw−μ×(ML/4)×g×rwまたは、並進系に換算して、<式10>Jw/rw2×(dVt/dt)×(1/3.6)=fw−μ×(ML/4)×g但し、Jw/rw2は、慣性質量[kg]となる。
【0031】上述の<式7>〜<式10>より、μの項を消去すると、<式11>|βe|=dVt/dt =3.6×(4×n×fw)/(M’+4×n×Jw/rw2)
となり、編成全体としての減速度βeが算出できる。
【0032】次に,編成全体の印加電気ブレーキカFe_t[N]は、<式12>Fe_t=4×n×fw =(M’+4×n×Jw/rw2)×|βe|×3.6となり、電動車1軸当たりの期待粘着ブレーキパターン(粘着係数)μ(=駆動伝達力/軸重比)は、<式13>μ=M’/(n×ML)×|βe|/(3.6×g)
となる。
【0033】いま、<式2>の期待粘着ブレーキパターンμならば、この<式2>を<式13>に代入して、<式14>|βe|=3.6×g×n×ML/M’×b/(Vt+a)
=b’/(Vt+a)
但し、b’=3.6×g×n×ML/M’×bを得ることができる。
【0034】このとき、速度Vtは以下の微分方程式を満足する。
<式15>|βe|=―dVt/dt=b’/(Vt+a)
Vt×(Vt+a)=−b’【0035】ここで、<式15>を時刻0[秒]―>t1[秒]まで定積分すると、<式16>(1/2)×{Vt(t1)2―Vt(0)2}+a×{Vt(t1)−Vt(0)}=−b’×t1となり、<式16>をVtの次数ごとに整理し、実数かつVt(t1)≧0の条件より、Vt(t1)をt1の関数としてVtを求めると、<式17>Vt(t1)=−a+√{a2+Vt(0)2+2×a×Vt(0)−2×b’×t1}
となる。
【0036】従って、Vt(0)―>Vt(t1)までの減速時間t1[秒]は、<式18>t1={Vt(0)−Vt(t1)}×{2×a+Vt(0)+Vt(t1)}/(2×b’)
走行距離l[m]は、<式17>及び<式18>より、<式19>l=∫t10{Vt(t1)/3.6}dt ={Vt(0)2×{3×a+2×Vt(0)}
―Vt(t1)2×{3×a+2×Vt(t1)}}
/(3.6×6×b’)
となる。
【0037】ここで、速度0までの時間t0と距離l0は、Vt(t1)=0を代入して、<式20>t0=Vt(0)×{2×a+Vt(0)}/(2×b’)
l(t0)={Vt(0)2×{3×a+2×Vt(0)}/(3.6×6×b’)}
となる。
【0038】編成全体としての平均減速度βavr[km/h/s]は、<式21>βavr=Vt(0)/t0=2×b’/{2×a+Vt(0)}
であり、電動軸の平均期待粘着係数(平均期待粘着ブレーキパターン)μavrは、<式22>μavr=βavr/(3.6×g)
=(2×b×n×ML/M’)/{2×a+Vt(0)}
となる。
【0039】次に、ブレーキ力(引張力)、編成パワー、及び運動エネルギーについて説明する。時刻t1[秒]での印加力Fe_tは、<式12>及び<式14>より、<式23>Fe_t=n×ML×g×(M’+4×n×Jw/rw2)/M’×b /(Vt(t1)+a)
=n×ML×g×kj×b /√(a2+Vt(0)2+2×a×Vt(0)−2×b’×t1)
但し、慣性係数kjは、kj=(M’+4×n×Jw/rw2)/M’となる。
【0040】ブレーキ初速における編成全体のブレーキ力は、<式24>Fe_t(t1=0)=n×ML×g×kj×b/(Vt(0)+a)
となる。
【0041】時刻t1[秒]後の編成パワーP[W](車輪周基準)は、<式25>P(t1)=Fe_t×Vt/3.6 =n×ML×(g/3.6)×kj×b×Vt(t1)
/(Vt(t1)+a)
=n×ML×(g/3.6)×kj×b ×{1−a/√(a2+Vt(0)2 +2×a×Vt(0)−2×b’×t1)}
で表され、Vt(t)≧0の範囲において、0≦a≦bなるいかなるa、bの値を与えても、時刻t1の増加に伴ってP[W]が単調減少することを示している。
【0042】すなわち、いかなる反比例μパターン(期待粘着ブレーキパターン)を与えても、最高速度におけるμパターンの設定値で最大パワーが決定される。
【0043】編成全体の最大パワーPmax[W]は、<式26>Pmax=P(t1=0)
=Fe_t(t=0)×Vt(0)/3.6 =n×ML×(g/3.6)×kj×b×Vt(0)
/(Vt(0)+a)
となる。
【0044】ここで、時刻0[秒]−>t1[秒]までに編成全体で吸収すべき運動エネルギーE[J]は、<式27>E=∫t10{Pt(t)}dt =n×ML×(g/3.6)×kj×b ×∫t10{1−a/√(a2+Vt(0)2 +2×a×Vt(0)−2×b’×t1)}
=n×ML×(g/3.6)×kj×b ×{t1+a/b’×√(a2+Vt(0)2 +2×a×Vt(0)−2×b’×t1)
−a/b’×(a+Vt(0)}
となる。
【0045】次に、本発明の電気ブレーキシステムの電機容量計算を行う。以下においては、簡単のために電気機器の効率・損失等を無視することとする。
【0046】いかなる反比例のμパターンを与えても、編成としての最大パワーが最高速度時になることは、<式25>により明らかである。これはつまり、最高速度まで電気ブレーキのみで所要ブレーキ力を期待する以上は、主電動機群14の制御特性上、定電力域から特性域への移行速度を最高速度に設定しなければならないことを意味する。
【0047】これを通常の架線電圧に直接繋がったインバータで実現するならば、架線電圧で規定される主電動機への最大電圧と主電動機電流の積の定数倍がパワーであることから、大電流主電動機が必要になる。このとき、実際の車両に大電流主電動機を搭載することも考えられるが、そうすると現状の主電動機に対して大幅な設計変更を余儀なくされる上、電流値に見合った大電流インバータの設計も必要となる。
【0048】これを回避するために、本発明の電機ブレーキシステムにおいては、主電動機群14への印加電圧を任意に選定できる主回路として、PAM制御方式主回路20を採用し、このPAM方式により最大パワー時でも主電動機群14の電流最大値を増加せさずに回生ブレーキ力増大を行うことができる。
【0049】ここで、PAM制御方式主回路20は、現状の直流電車における架線18に接触するパンタグラフ11と主電動機群14の間に設けられている。このPAM制御方式主回路20としては、例えば、DC/DC双方向チョッパである電流可逆チョッパとPWMインバータの組合せや4象限チョッパとPWMインバータの組合せなどを適用することができる。
【0050】これにより、ごく低速では一定電圧印加による非同期PWM制御を行い、その後、1パルスモードで駆動しながら直流中間回路電圧を速度とともに上昇させ、最高速度で最高電圧を主電動機群14に印加するように制御することができる。
【0051】以上のように、本発明の電気ブレーキシステムによれば、高速域での総合ブレーキ力を下げて電気ブレーキの分担分を大きくし、低速域で電気ブレーキのかかる車軸のブレーキ力を増加させるような期待粘着ブレーキパターンμを適用することにより、常用最大ブレーキの要件である「最高速度から600[m]以内でY信号速度である55[km/h]〜45[km/h]まで減速すること」を満足することができる。これにより、常用最大ブレーキを電気ブレーキのみで賄うことができる。
【0052】
【発明の効果】以上述べた通り、本発明の電気ブレーキシステムによれば、インバータに入力する直流電圧を制御する電圧制御回路をPAM制御方式主回路とし、「μ=b/(Vt+a)」で示される期待粘着ブレーキパターンμでその出力電圧を制御するため、電機品容量の増加を抑え、摩擦ブレーキを使用することなく電気ブレーキのみで車両を減速及び停止させることができるようになった。
【出願人】 【識別番号】000173784
【氏名又は名称】財団法人鉄道総合技術研究所
【出願日】 平成13年6月12日(2001.6.12)
【代理人】 【識別番号】100100413
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 温 (外2名)
【公開番号】 特開2002−369310(P2002−369310A)
【公開日】 平成14年12月20日(2002.12.20)
【出願番号】 特願2001−177157(P2001−177157)