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【発明の名称】 電気車両編成列車
【発明者】 【氏名】小笠 正道

【氏名】川口 清

【要約】 【課題】回生ブレーキ車両と発電ブレーキ車両とを編成し、電気ブレーキを有効に利用して機械ブレーキの使用を最小限に抑えることができる電気車両編成列車を提供する。

【解決手段】本発明の電気車両編成列車1は、回生パワーを架線40に出力する回生ブレーキ車両20と、架線40から回生パワーを取り込む発電ブレーキ車両10と、貨車や客車などの付随車30と、で編成されている。発電ブレーキ車両10と回生ブレーキ車両20間においては、高圧引通しによる電気的な接続は行っていない。発電ブレーキ車両10では、自車両及び自編成内の回生ブレーキ車両20からの回生パワーの他、他の編成車両からの回生パワーを取り込む。また、発電ブレーキ車両10において、架線40の電圧を検出し、当該電圧が所定の電圧値以上の場合に回生パワーを取り込むようにする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電気車両を編成した電気車両編成列車であって、回生パワーを架線に出力する回生ブレーキ車両と、前記架線から回生パワーを取り込み可能な発電ブレーキ車両と、を編成し、前記発電ブレーキ車両と前記回生ブレーキ車両間において高圧引通しのない、ことを特徴とする電気車両編成列車。
【請求項2】 前記回生ブレーキ車両は、回生動作中に回生絞込動作を行わない、ことを特徴とする請求項1記載の電気車両編成列車。
【請求項3】 前記発電ブレーキ車両は、回生パワーを消費する固定発電抵抗回路と、前記架線と前記固定発電抵抗回路との間に設けられた架線側断路器と、架線電圧が第1の閾値以上になったとき、前記固定発電抵抗回路に前記回生ブレーキ車両からの余剰回生パワーを消費させるために前記架線側断路器を閉じ、当該架線側断路器が閉じられている場合、前記架線電圧が第2の閾値以下になったとき前記架線側断路器を開く制御回路と、を備える、ことを特徴とする請求項1又は2記載の電気車両編成列車。
【請求項4】 前記第1の閾値は、直流約1800[V]であり、前記第2の閾値は、直流約1750[V]である、ことを特徴とする請求項3記載の電気車両編成列車。
【請求項5】 前記発電ブレーキ車両は、回生パワーを消費する可変抵抗回路と、前記可変抵抗回路を構成し、当該可変抵抗回路を導通するブレーキチョッパと、架線電圧が第1の閾値以上になったとき、前記可変抵抗回路に前記回生ブレーキ車両からの余剰回生パワーを消費させるためにブレーキチョッパを動作し、当該ブレーキチョッパが動作中の場合、前記架線電圧が第2の閾値以下になったとき前記ブレーキチョッパの動作をオフにする制御回路と、を備える、ことを特徴とする請求項1又は2記載の電気車両編成列車。
【請求項6】 前記第1の閾値は、直流約1800[V]であり、前記第2の閾値は、直流約1750[V]である、ことを特徴とする請求項5記載の電気車両編成列車。
【請求項7】 前記発電ブレーキ車両は、回生パワーを消費する固定発電抵抗回路と、前記固定発電抵抗回路と前記架線の間に設けられた変換器と、架線電圧が第1の閾値以上になったとき前記変換器を力行モードで動作させ、当該変換器が力行モードで動作している場合、前記架線電圧が第2の閾値以下になったとき前記変換器の力行モードの動作をオフにする制御回路を備える、ことを特徴とする請求項1又は2記載の電気車両編成列車。
【請求項8】 前記第1の閾値は、交流約22700[V]であり、前記第2の閾値は、前記第1の閾値よりも小である、ことを特徴とする請求項7記載の電気車両編成列車。
【請求項9】 前記発電ブレーキ車両は、回生パワーを消費する可変抵抗回路と、前記可変抵抗回路を構成し、当該可変抵抗回路を導通するブレーキチョッパと、前記可変抵抗回路と前記架線の間に設けられた変換器と、架線電圧が第1の閾値以上になったとき前記変換器を力行モードで動作させ、前記変換器から出力される電圧が第2の閾値以上になったとき前記可変抵抗回路に前記回生ブレーキ車両からの余剰回生パワーを消費させるためにブレーキチョッパを動作し、前記変換器が力行モードで動作している場合、前記架線電圧が第3の閾値以下になったとき前記変換器の力行モードの動作をオフにし、当該ブレーキチョッパが動作中の場合、前記変換器から出力される電圧が第4の閾値以下になったとき前記ブレーキチョッパの動作をオフにする制御回路と、を備える、ことを特徴とする請求項1又は2記載の電気車両編成列車。
【請求項10】 前記第1の閾値は、交流約22700[V]であり、前記第2の閾値は、前記交換器に前記第1の閾値の前記架線電圧に相当する降圧または昇圧後の電圧が印可された場合の出力電圧に対応する、直流約2400[V]であり、前記第3の閾値は、前記第1の閾値よりも小であり、前記第4の閾値は、前記第2の閾値よりも小である、ことを特徴とする請求項9記載の電気車両編成列車。
【請求項11】 前記変換器は、AC/DCコンバータまたはDC/DCコンバータである、ことを特徴とする請求項7乃至10記載の電気車両編成列車。
【請求項12】 前記変換器は、PWM(Pulse Width Modulation)コンバータである、ことを特徴とする請求項7乃至10記載の電気車両編成列車。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、交流モータ等を用いて鉄道車両(以下、単に「車両」ともいう)を加減速させる電気車両を編成した電気車両編成列車に関する。特には、回生ブレーキ車両と発電ブレーキ車両とを編成し、回生ブレーキ車両からの余剰の回生エネルギーを架線を介して発電ブレーキ車両に供給することができる電気車両編成列車に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、交流モータ等を用いて車両を加減速させる電気車両においては、駆動電動機を発電機として電流を発生して車軸にトルクを与え車両を加減速させる。即ち、車両の発進又は加速時には駆動電動機を発電機として電流を発生して車軸に駆動トルクを与え、逆に、車両の減速又は停止時には、電気ブレーキとして車軸に制動トルクを与えて車両の減速又は停止を行っている。
【0003】また、電気車両のブレーキシステムとしては、電気ブレーキのほか摩擦ブレーキや流体ブレーキなどが使用されている。摩擦ブレーキは、圧縮空気や油圧などによって機械的に制輪子を車軸やブレーキディスクなどに押し付けて摩擦力を発生させ車両を減速及び停止させるものである。また、流体ブレーキは、油などの流体を回転翼などで攪拌し、その際の抵抗力をブレーキ力として車両を減速及び停止させるものである。
【0004】一般に、電気車両のブレーキにおいて、高速域での電気ブレーキ力が低速度域に比べて低下することから、所要ブレーキ力を満足できない部分は機械ブレーキにより補足している。
【0005】また、近年では、電気車両の電気ブレーキにおいて、回生ブレーキと発電ブレーキをブレンディングしてブレーキ制御を行うブレンディング制御方式を採用する車両も存在する。この車両においては、回生ブレーキ部と発電ブレーキ部を高圧引通しで接続し、回生ブレーキ側からの回生エネルギーを発電ブレーキ側で利用して車両のブレーキングを行っている。
【0006】また、発電ブレーキを持たない純粋な回生ブレーキ車両で閑散区間などの架線側が無負荷又は軽負荷の区間を走行した場合、即ち、回生負荷が無いか又は軽負荷の場合には、回生ブレーキ車両で不足するブレーキ力を機械ブレーキで補っている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の回生ブレーキ車両では、回生負荷が無いか又は軽負荷の場合には、電気ブレーキの絞り込みや回生失効による電気ブレーキオフの状態となり、回生ブレーキ車両で電気ブレーキ力は不足するため、機械ブレーキで補っていた。このため、機械ブレーキ分担が増えることとなり、車輪やデイスクヘの熱的負荷の増大やブレーキシュー・ライニングの摩耗の増大を伴い、車輪踏面亀裂や凹摩耗などが発生する場合もあった。
【0008】本発明はこのような背景の中でなされたものであって、回生ブレーキ車両と発電ブレーキ車両とを編成し、回生ブレーキ車両からの余剰の回生エネルギーを架線を介して発電ブレーキ車両に供給することにより、電気ブレーキを有効に利用して機械ブレーキの使用を最小限に抑えることができる電気車両編成列車を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、本発明の電気車両編成列車は、電気車両を編成した電気車両編成列車であって、回生パワーを架線に出力する回生ブレーキ車両と、架線から回生パワーを取り込み可能な発電ブレーキ車両と、を編成し、発電ブレーキ車両と回生ブレーキ車両間において高圧引通しのない、ことを特徴とする。
【0010】ここで、回生ブレーキ車両は、回生動作中に回生絞込動作を行わない、ようにすることができる。
【0011】また、発電ブレーキ車両は、回生パワーを消費する固定発電抵抗回路と、架線と固定発電抵抗回路との間に設けられた架線側断路器と、架線電圧が第1の閾値以上になったとき、固定発電抵抗回路に回生ブレーキ車両からの余剰回生パワーを消費させるために架線側断路器を閉じ、当該架線側断路器が閉じられている場合、架線電圧が第2の閾値以下になったとき架線側断路器を開く制御回路と、を備える、ことができる。このとき、第1の閾値は、直流約1800[V]であり、第2の閾値は、直流約1750[V]である、ようにするとよい。
【0012】また、発電ブレーキ車両は、回生パワーを消費する可変抵抗回路と、可変抵抗回路を構成し、可変抵抗回路を導通するブレーキチョッパと、架線電圧が第1の閾値以上になったとき、可変抵抗回路に余剰回生パワーを消費させるためにブレーキチョッパを動作し、当該ブレーキチョッパが動作中の場合、架線電圧が第2の閾値以下になったときブレーキチョッパの動作をオフにする制御回路と、を備える、ようにしてもよい。このとき、第1の閾値は、直流約1800[V]であり、第2の閾値は、直流約1750[V]である、ようにするとよい。
【0013】また、発電ブレーキ車両は、回生パワーを消費する固定発電抵抗回路と、固定発電抵抗回路と架線の間に設けられた変換器と、架線電圧が第1の閾値以上になったとき変換器を力行モードで動作させ、当該変換器が力行モードで動作している場合、架線電圧が第2の閾値以下になったとき変換器の力行モードの動作をオフにする制御回路を備える、ようにすることができる。このとき、第1の閾値は、交流約22700[V]であり、第2の閾値は、第1の閾値よりも小である、ようにするとよい。
【0014】また、発電ブレーキ車両は、回生パワーを消費する可変抵抗回路と、可変抵抗回路を導通するブレーキチョッパと、可変抵抗回路と架線の間に設けられた変換器と、架線電圧が第1の閾値以上になったとき変換器を力行モードで動作させ、変換器から出力される電圧が第2の閾値以上になったとき可変抵抗回路に余剰回生パワーを消費させるためにブレーキチョッパを動作し、変換器が力行モードで動作している場合、架線電圧が第3の閾値以下になったとき変換器の力行モードの動作をオフにし、当該ブレーキチョッパが動作中の場合、変換器から出力される電圧が第4の閾値以下になったときブレーキチョッパの動作をオフにする制御回路と、を備える、ようにすることができる。このとき、第1の閾値は、交流約22700[V]であり、第2の閾値は、交換器に第1の閾値の架線電圧に相当する降圧または昇圧後の電圧が印可された場合の出力電圧に対応する、直流約2400[V]であり、第3の閾値は、第1の閾値よりも小であり、第4の閾値は、第2の閾値よりも小である、ようにするとよい。
【0015】上述において、変換器は、AC/DCコンバータまたはDC/DCコンバータである、ようにすることができる。このとき、変換器は、PWM(Pulse WidthModulation)コンバータにすることもできる。
【0016】上述の本発明の電気車両編成列車においては、回生ブレーキ車両からの回生パワーを架線を介して発電ブレーキ車両に供給することができるため、効果的に電気ブレーキを利用することができ、機械ブレーキの使用を最小限に抑えることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下本発明の電気車両編成列車について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0018】図1は、本発明の電気車両編成列車の実施の形態の一例を示す図である。図1において、この電気車両編成列車1は、回生パワーを架線40に出力する回生ブレーキ車両20と、架線40から回生パワーを取り込む発電ブレーキ車両10と、貨車や客車などの付随車30と、で編成されている。
【0019】ここで、発電ブレーキ車両10と回生ブレーキ車両20間においては、高圧引通しによる電気的な接続は行っておらず、回生ブレーキ車両20からの回生パワーは、架線40を介して、発電ブレーキ車両10に供給される。したがって、発電ブレーキ車両10には、自編成内の回生ブレーキ車両20からの回生パワーの他、他の編成車両からの回生パワーを取り込むことができる。
【0020】また、発電ブレーキ車両10において、架線40の電圧を検出し、当該電圧が所定の電圧値以上の場合に回生パワーを取り込むようにする。これにより、回生ブレーキ車両20からの回生パワーは、架線40を介して、発電ブレーキ車両10に適宜供給されるため、回生動作中に回生絞込動作を行う必要がない。
【0021】図2は、本発明の電気車両編成列車1に接続される発電ブレーキ車両10aの実施の形態の一例を示す図である。また、図3は、本発明の電気車両編成列車1に接続される回生ブレーキ車両20aの実施の形態の一例を示す図である。図2の発電ブレーキ車両10aと図3の回生ブレーキ車両20aによって、本発明の電気車両編成列車1が構成される。なお、本編成列車は、直流き電区間の編成である。
【0022】図2において、この発電ブレーキ車両10aは、架線40から電圧が印可され、回生パワーが供給されるパンタグラフ11と、自車両の電気ブレーキによる回生パワー及び回生ブレーキ車両から受け入れる余剰の回生パワーを消費する固定発電抵抗回路17と、パンタグラフ11(架線40側)と固定発電抵抗回路17との間に設けられたLB(Line Breaker)回路12と、PWM(Pulse Width Modulation)制御によって直流を交流に変換するPWMインバータ13と、PWMインバータ13からの電圧に応じて車輪15の車軸(図示せず)に電動機トルクを与える三相交流電動機(以下、単に「主電動機群」ともいう)14と、LB回路12の回路開閉を制御する制御回路16aと、を備えている。ここで、固定発電抵抗回路17は、PWMインバータ13側からの自車の回生パワーと架線40側からの回生パワーとを消費することができる。
【0023】ここで、制御回路16aは、ブレーキ動作中または惰行中に架線40の電圧が所定の第1の閾値以上になったとき固定発電抵抗回路17に余剰回生パワーを消費させるためにLB回路12を閉じ、当該LB回路12が閉じられている場合、架線40の電圧が所定の第2の閾値以下になったときLB回路12を開く。
【0024】また、図3において、回生ブレーキ車両20aは、架線40から電圧が印可され、回生パワーを架線40側へ供給するパンタグラフ21と、LC回路26と、パンタグラフ21(架線40側)とLC回路26との間に設けられたLB回路22と、PWM制御によって直流を交流に変換するPWMインバータ23と、PWMインバータ23からの電圧に応じて車輪25の車軸(図示せず)に電動機トルクを与える主電動機群24と、を備えている。
【0025】図2及び図3に示した発電ブレーキ車両10aと回生ブレーキ車両20aとを編成した電気車両編成列車1においては、発電ブレーキ車両10aと回生ブレーキ車両20a間では、高圧引通しによる電気的な接続は行っておらず、回生ブレーキ車両20aからの回生パワーは、架線40を介して、発電ブレーキ車両10aに供給される。したがって、発電ブレーキ車両10aには、自編成内の回生ブレーキ車両20aからの回生パワーの他、他の編成車両からの回生パワーを取り込むことができる。
【0026】また、発電ブレーキ車両10aにおいて、制御回路16aは、パンタフラフ11から印可される架線40の電圧を検出し、ブレーキ動作中または惰行中に当該電圧が所定の電圧値以上の場合にLB回路12を閉じて回生パワーを取り込むようにする。これにより、回生ブレーキ車両20aからの回生パワーは、架線40を介して、発電ブレーキ車両10aに適宜供給されるため、回生動作中に回生絞込動作を行う必要がない。
【0027】即ち、パンタグラフ11(架線40側)からの電圧を検出している制御回路16aは、ブレーキ動作中または惰行中に架線40の電圧が所定の第1の閾値以上になったとき固定発電抵抗回路17に他車両の余剰回生パワーを消費させるためにLB回路12を閉じ、当該LB回路12が閉じられている場合、架線40の電圧が第2の閾値以下になったときLB回路12を開くようにする。例えば、架線40の通常電圧が直流1500[V]の場合には、第1の閾値を約1800[V]前後にし、第2の閾値を約1750[V]前後に設定するとよい。
【0028】図4は、本発明の電気車両編成列車1に接続される発電ブレーキ車両10bの実施の形態の一例を示す図である。図4の発電ブレーキ車両10bと上述の図3の回生ブレーキ車両20aによって、本発明の電気車両編成列車1を構成することができる。なお、図4の発電ブレーキ車両10bは、回生・発電協調ブレーキ車両とすることができる。また、本編成列車は、直流区間の編成である。
【0029】図4において、この発電ブレーキ車両10bは、架線40から電圧が印可され、回生パワーが供給されるパンタグラフ11と、回生パワーを消費する可変発電抵抗回路18と、パンタグラフ11(架線40側)と可変発電抵抗回路18との間に設けられたLB回路12と、PWM制御によって直流を交流に変換するPWMインバータ13と、PWMインバータ13からの電圧に応じて車輪15の車軸(図示せず)に電動機トルクを与える主電動機群14と、可変発電抵抗回路18の回路開閉を制御する制御回路16bと、を備えている。ここで、可変発電抵抗回路18は、PWMインバータ13側からの自車の回生パワーと架線40側からの回生パワーとを消費することができる。
【0030】ここで、可変発電抵抗回路18は、余剰回生パワーを消費する抵抗回路18aと、抵抗回路18aを導通するブレーキチョッパ18bと、を備えている。
【0031】また、制御回路16bは、ブレーキ動作中または惰行中に架線40の電圧が所定の第1の閾値以上になったとき可変発電抵抗回路18の抵抗回路18aに余剰回生パワーを消費させるためにブレーキチョッパ18bを動作して導通制御を行い、当該ブレーキチョッパ18bが動作中の場合、架線40の電圧が所定の第2の閾値以下になったときブレーキチョッパ18bの動作をオフにする。
【0032】即ち、パンタグラフ11(架線40側)からの電圧を検出している制御回路16bは、ブレーキ動作中または惰行中に架線40の電圧が所定の第1の閾値以上になったとき可変発電抵抗回路18の抵抗回路18aに余剰回生パワーを消費させるためにブレーキチョッパ18bを動作し、当該ブレーキチョッパ18bが動作中の場合、架線40の電圧が第2の閾値以下になったときブレーキチョッパ18bの動作をオフにする。例えば、架線40の通常電圧が直流1500[V]の場合には、第1の閾値を約1800[V]前後にし、第2の閾値を約1750[V]前後に設定するとよい。
【0033】図5は、本発明の電気車両編成列車1に接続される発電ブレーキ車両10cの実施の形態の一例を示す図である。また、図6は、本発明の電気車両編成列車1に接続される回生ブレーキ車両20bの実施の形態の一例を示す図である。図5の発電ブレーキ車両10cと図6の回生ブレーキ車両20bによって、本発明の電気車両編成列車1が構成される。なお、本編成列車は、交流区間の編成である。
【0034】図5において、この発電ブレーキ車両10cは、架線40から電圧が印可され、回生パワーが供給されるパンタグラフ11と、パンタグラフ11からの交流電圧を所定の交流電圧に変換する変圧回路31と、交流を直流に変換する交流サイリスタ混合ブリッジ回路19と、回生パワーを消費する固定発電抵抗回路17と、パンタグラフ11(架線40側)と変圧回路31との間に設けられたLB回路12と、PWM制御によって直流を交流に変換するPWMインバータ13と、PWMインバータ13からの電圧に応じて車輪15の車軸(図示せず)に電動機トルクを与える主電動機群14と、交流サイリスタ混合ブリッジ回路19の位相制御を行い動作モードを切り替える制御回路16cと、を備えている。ここで、固定発電抵抗回路17は、PWMインバータ13側からの自車の回生パワーと架線40側からの回生パワーとを消費することができる。
【0035】ここで、制御回路16cは、ブレーキ動作中または惰行中に架線40の電圧が所定の第1の閾値以上になったとき余剰回生パワーを消費させるために、交流サイリスタ混合ブリッジ回路19の位相制御を行って力行モードで動作させて回生ブレーキ車両の余剰回生パワーをも抵抗消費させ、当該交流サイリスタ混合ブリッジ回路19が力行モードで動作中に、架線40の電圧が所定の第2の閾値以下になったとき交流サイリスタ混合ブリッジ回路19の力行モードをオフにして、固定発電抵抗回路17に自車両のブレーキ回生パワーのみを抵抗消費させる。
【0036】また、図6において、回生ブレーキ車両20bは、架線40から電圧が印可され、回生パワーを架線40側へ供給するパンタグラフ21と、パンタグラフ21からの交流電圧を所定の交流電圧に変換する変圧回路27と、パンタグラフ21(架線40側)と変圧回路27との間に設けられたLB回路22と、PWM制御によって交流を直流に変換するPWMコンバータ28と、PWM制御によって直流を交流に変換するPWMインバータ23と、PWMインバータ23からの電圧に応じて車輪25の車軸(図示せず)に電動機トルクを与える主電動機群24と、を備えている。
【0037】図5及び図6に示した発電ブレーキ車両10cと回生ブレーキ車両20bとを編成した電気車両編成列車1においては、発電ブレーキ車両10cと回生ブレーキ車両20b間では、高圧引通しによる電気的な接続は行っておらず、回生ブレーキ車両20bからの回生パワーは、架線40を介して、発電ブレーキ車両10cに供給される。したがって、発電ブレーキ車両10cには、自車両及び自編成内の回生ブレーキ車両20bからの回生パワーの他、他の編成車両からの回生パワーを取り込むことができる。
【0038】また、発電ブレーキ車両10cにおいて、制御回路16cは、パンタフラフ11から印可される架線40の電圧を検出し、ブレーキ動作中または惰行中に当該電圧が所定の電圧値以上の場合に余剰回生パワーを消費させるために、交流サイリスタ混合ブリッジ回路19の位相制御を行って力行モードで動作させて回生ブレーキ車両の余剰回生パワーをも抵抗消費させ、当該交流サイリスタ混合ブリッジ回路19が力行モードで動作中に、架線40の電圧が所定の第2の閾値以下になったとき交流サイリスタ混合ブリッジ回路19の力行モードをオフにして、固定発電抵抗回路17に自車両の回生パワーのみを抵抗消費させる。これにより、回生ブレーキ車両20bからの回生パワーは、架線40を介して、発電ブレーキ車両10cに適宜供給されるため、回生動作中に回生絞込動作を行う必要がない。
【0039】即ち、パンタグラフ11(架線40側)からの電圧を検出している制御回路16cは、ブレーキ動作中または惰行中に架線40の電圧が所定の第1の閾値以上になったとき余剰回生パワーを消費させるために、交流サイリスタ混合ブリッジ回路19の位相制御を行って力行モードで動作させて回生ブレーキ車両からの余剰回生パワーをも抵抗消費させ、当該交流サイリスタ混合ブリッジ回路19が力行モードで動作中に、架線40の電圧が所定の第2の閾値以下になったとき交流サイリスタ混合ブリッジ回路19の力行モードをオフにして、固定発電抵抗回路17に自車両の回生パワーのみを抵抗消費させる。例えば、架線40の通常電圧が交流20000[V]の場合には、第1の閾値を約22700[V]前後にし、第2の閾値を第1の閾値よりも小にする。
【0040】図7は、本発明の電気車両編成列車1に接続される発電ブレーキ車両10dの実施の形態の一例を示す図である。図7の発電ブレーキ車両10dと上述の図6の回生ブレーキ車両20bによって、本発明の電気車両編成列車1を構成することができる。なお、本編成列車は、交流区間の編成である。また、図7の発電ブレーキ車両10dは、後述する図8に示す回生ブレーキ車両20cによって、本発明の電気車両編成列車1を構成することもできる。
【0041】図7において、この発電ブレーキ車両10dは、架線40から電圧が印可され、回生パワーが供給されるパンタグラフ11と、パンタグラフ11からの交流電圧を所定の交流電圧に変換する変圧回路31と、PWM制御によって交流を直流に変換するPWMコンバータ32と、回生パワーを消費する固定発電抵抗回路17と、パンタグラフ11(架線40側)と変圧回路31との間に設けられたLB回路12と、PWM制御によって直流を交流に変換するPWMインバータ13と、PWMインバータ13からの電圧に応じて車輪15の車軸(図示せず)に電動機トルクを与える主電動機群14と、PWMコンバータ32の動作モードを制御する制御回路16dと、を備えている。ここで、固定発電抵抗回路17は、PWMインバータ13側からの自車の回生パワーと架線40側からの他車両の回生パワーとを消費することができる。
【0042】ここで、制御回路16dは、ブレーキ動作中または惰行中に架線40の電圧が所定の第1の閾値以上になったとき余剰回生パワーを消費させるために、PWMコンバータ32の位相制御を行って力行モードで動作させて回生ブレーキ車両の余剰回生パワーをも抵抗消費させ、当該PWMコンバータ32が力行モードで動作中に、架線40の電圧が所定の第2の閾値以下になったときPWMコンバータ32の力行モードをオフにして、固定発電抵抗回路17で自車両の回生パワーを抵抗消費させる。
【0043】図7及び図6に示した発電ブレーキ車両10dと回生ブレーキ車両20bとを編成した電気車両編成列車1においては、発電ブレーキ車両10dと回生ブレーキ車両20b間では、高圧引通しによる電気的な接続は行っておらず、回生ブレーキ車両20bからの回生パワーは、架線40を介して、発電ブレーキ車両10dに供給される。したがって、発電ブレーキ車両10dには、自車両及び自編成内の回生ブレーキ車両20bからの回生パワーの他、他の編成車両からの回生パワーを取り込むことができる。
【0044】また、発電ブレーキ車両10dにおいて、制御回路16dは、パンタフラフ11から印可される架線40の電圧を検出し、ブレーキ動作中または惰行中に当該電圧が所定の電圧値以上の場合に回生ブレーキ車両の余剰回生パワーを消費させるために、PWMコンバータ32の力率制御を行って力行モードで動作させて回生ブレーキ車両の余剰回生パワーをも抵抗消費し、当該PWMコンバータ32が力行モードで動作中に、架線40の電圧が所定の第2の閾値以下になったときPWMコンバータ32の力行モードをオフにして、固定発電抵抗回路17に自車両の回生パワーを抵抗消費させる。これにより、回生ブレーキ車両20bからの回生パワーは、架線40を介して、発電ブレーキ車両10dに適宜供給されるため、回生動作中に回生絞込動作を行う必要がない。
【0045】即ち、パンタグラフ11(架線40側)からの電圧を検出している制御回路16dは、ブレーキ動作中または惰行中に架線40の電圧が所定の第1の閾値以上になったとき余剰回生パワーを消費させるために、PWMコンバータ32の力率制御を行って力行モードで動作させて回生ブレーキ車両の余剰回生パワーをも抵抗消費し、当該PWMコンバータ32が力行モードで動作中に、架線40の電圧が所定の第2の閾値以下になったときPWMコンバータ32の力行モードをオフにして、固定発電抵抗回路17に自車両の回生パワーを抵抗消費させる。例えば、架線40の通常電圧が交流20000[V]の場合には、第1の閾値を約22700[V]前後にし、第2の閾値を第1の閾値よりも小にする。
【0046】図8は、本発明の電気車両編成列車1に接続される回生ブレーキ車両20cの実施の形態の一例を示す図である。図8の回生ブレーキ車両20cと上述の図5又は図7の発電ブレーキ車両10c、10dによって、本発明の電気車両編成列車1を構成することができる。なお、本編成列車は、交流区間の編成である。
【0047】図8において、回生ブレーキ車両20cは、架線40から電圧が印可され、回生パワーを架線40側へ供給するパンタグラフ21と、パンタグラフ21からの交流電圧を所定の交流電圧に変換する変圧回路27と、パンタグラフ21(架線40側)と変圧回路27との間に設けられたLB回路22と、交流を直流に変換する交流サイリスタ純ブリッジ回路29と、電圧変換を行うLC回路26と、PWM制御によって直流を交流に変換するPWMインバータ23と、PWMインバータ23からの電圧に応じて車輪25の車軸(図示せず)に電動機トルクを与える主電動機群24と、を備えている。
【0048】図9は、本発明の電気車両編成列車1に接続される発電ブレーキ車両10eの実施の形態の一例を示す図である。図9の発電ブレーキ車両10eと上述の図6又は図8の回生ブレーキ車両20b、20cによって、本発明の電気車両編成列車1を構成することができる。なお、図9の発電ブレーキ車両10eは、回生・発電協調ブレーキ車両とすることができる。また、本編成列車は、交流区間の編成である。
【0049】図9において、この発電ブレーキ車両10eは、架線40から電圧が印可され、回生パワーが供給されるパンタグラフ11と、パンタグラフ11からの交流電圧を所定の交流電圧に変換する変圧回路31と、PWM制御によって交流を直流にPWMコンバータ32と、回生パワーを消費する可変発電抵抗回路18と、パンタグラフ11(架線40側)と変圧回路31との間に設けられたLB回路12と、PWM制御によって直流を交流に変換するPWMインバータ13と、PWMインバータ13からの電圧に応じて車輪15の車軸(図示せず)に電動機トルクを与える主電動機群14と、PWMコンバータ32の力率制御を行い動作モードを切り替え、且つ可変発電抵抗回路18の回路構成開閉を制御する制御回路16eと、を備えている。ここで、可変発電抵抗回路18は、PWMインバータ13側からの自車の回生パワーと架線40側からの回生パワーとを消費することができる。
【0050】ここで、可変発電抵抗回路18は、余剰回生パワーを消費する抵抗回路18aと、抵抗回路18aを導通するブレーキチョッパ18bと、を備えている。
【0051】また、制御回路16eは、ブレーキ動作中または惰行中に架線40の電圧が第1の閾値以上になったときPWMコンバータ32を力行モードで動作させて回生ブレーキ車両の余剰回生パワーをも抵抗消費し、PWMコンバータ32から出力される電圧が第2の閾値以上になったとき可変発電抵抗回路18の抵抗回路18aに余剰回生パワーを消費させるためにブレーキチョッパ18bを動作し、PWMコンバータ32が力行モードで動作している場合、架線40の電圧が第3の閾値以下になったときPWMコンバータ32の力行モードの動作をオフにし、当該ブレーキチョッパ18bが動作中の場合、PWMコンバータ32から出力される電圧が第4の閾値以下になったときブレーキチョッパ18bの動作をオフにする。
【0052】即ち、パンタグラフ11(架線40側)からの電圧を検出している制御回路16eは、ブレーキ動作中または惰行中にPWMコンバータ32の動作モードと可変発電抵抗回路18のブレーキチョッパ18bの通流率を制御する。例えば、架線40の通常電圧が交流20000[V]の場合には、第1の閾値を交流約22700[V]前後にし、第2の閾値を直流約2400[V]前後にするとよい。このとき、第3の閾値は、第1の閾値よりも小にし、第4の閾値は、第2の閾値よりも小にする。
【0053】ここで、制御回路16eは、ブレーキ動作中または惰行中に架線40の電圧が第1の閾値以上になったときPWMコンバータ32を力行モードで動作させ、PWMコンバータ32から出力される電圧が第2の閾値以上になったときブレーキチョッパ18bを動作して抵抗回路18aに余剰回生パワーを消費させ、PWMコンバータ32が力行モードで動作している場合、架線40の電圧が第3の閾値以下になったときPWMコンバータ32の力行モードの動作をオフにし、当該ブレーキチョッパ18bが動作中の場合、PWMコンバータ32から出力される電圧が第4の閾値以下になったときブレーキチョッパ18bの動作をオフにする。
【0054】即ち、パンタグラフ11(架線40側)からの電圧を検出している制御回路16eは、ブレーキ動作中または惰行中にPWMコンバータ32の動作モードと可変発電抵抗回路18のブレーキチョッパ18bの通流率を制御する。例えば、架線40の通常電圧が交流20000[V]の場合には、第1の閾値を約22700[V]前後にし、第2の閾値を直流約2400[V]前後にするとよい。このとき、第3の閾値は、第2の閾値よりも小にし、第4の閾値は、第1の閾値よりも小にする。
【0055】
【発明の効果】以上述べた通り、本発明の電気車両編成列車によれば、回生ブレーキ車両からの回生パワーを架線を介して発電ブレーキ車両に供給することができるため、効果的に電気ブレーキを利用することができ、機械ブレーキの使用を最小限に抑えることができるようになった。
【出願人】 【識別番号】000173784
【氏名又は名称】財団法人鉄道総合技術研究所
【出願日】 平成13年6月12日(2001.6.12)
【代理人】 【識別番号】100100413
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 温 (外2名)
【公開番号】 特開2002−369307(P2002−369307A)
【公開日】 平成14年12月20日(2002.12.20)
【出願番号】 特願2001−177154(P2001−177154)