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【発明の名称】 電気自動車用回生制御装置
【発明者】 【氏名】山下 佳宣

【要約】 【課題】電気自動車において、回生運転中の回生禁止によるドライバビリティの劣化を防止する。

【解決手段】本発明の回生制御装置10は、バッテリ残量SOCを検出するバッテリ残量検出手段12と、バッテリ残量検出手段12で検出されたバッテリ残量SOC等に応じて回生禁止信号Xを出力する回生制御手段14と、回生制御手段14から出力された回生禁止信号Xによって回生運転を停止する回生運転手段16とを備えたものである。そして、回生運転中か否か(情報A)を検出する回生運転検出手段18を、更に備えている。また、回生制御手段14は、バッテリ残量SOCが第一判定値SOCTR1以上であり、かつ回生運転中でない場合に、回生禁止信号Xを出力する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 バッテリ残量を検出するバッテリ残量検出手段と、このバッテリ残量検出手段で検出されたバッテリ残量等に応じて回生禁止信号を出力する回生制御手段と、この回生制御手段から出力された回生禁止信号によって回生運転を停止する回生運転手段とを備えた電気自動車用回生制御装置において、回生運転中か否かを検出する回生運転検出手段を更に備え、前記回生制御手段は、前記バッテリ残量が第一判定値以上でありかつ回生運転中でない場合に前記回生禁止信号を出力する、ことを特徴とする電気自動車用回生制御装置。
【請求項2】 バッテリ残量を検出するバッテリ残量検出手段と、このバッテリ残量検出手段で検出されたバッテリ残量等に応じて回生禁止信号を出力する回生制御手段と、この回生制御手段から出力された回生禁止信号によって回生運転を停止する回生運転手段とを備えた電気自動車用回生制御装置において、制動操作中か否かを検出する制動操作検出手段を更に備え、前記回生制御手段は、前記バッテリ残量が第一判定値以上でありかつ制動操作中でない場合に前記回生禁止信号を出力する、ことを特徴とする電気自動車用回生制御装置。
【請求項3】 バッテリ残量を検出するバッテリ残量検出手段と、このバッテリ残量検出手段で検出されたバッテリ残量等に応じて回生禁止信号を出力する回生制御手段と、この回生制御手段から出力された回生禁止信号によって回生運転を停止する回生運転手段とを備えた電気自動車用回生制御装置において、回生運転中か否かを検出する回生運転検出手段と、制動操作中か否かを検出する制動操作検出手段とを更に備え、前記回生制御手段は、前記バッテリ残量が第一判定値以上でありかつ制動操作中でない場合と、前記バッテリ残量が第一判定値以上でありかつ制動操作中でありかつ回生運転中でない場合とに前記回生禁止信号を出力する、ことを特徴とする電気自動車用回生制御装置。
【請求項4】 前記回生制御手段は、前記バッテリ残量が前記第一判定値を越える第二判定値以上である場合は、いかなるときも前記回生禁止信号を出力する、請求項1、2又は3記載の電気自動車用回生制御装置。
【請求項5】 前記電気自動車はスプリット方式のハイブリッド電気自動車である、請求項1、2、3又は4記載の電気自動車用回生制御装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スプリット方式のハイブリッド電気自動車に好適な電気自動車用回生制御装置に関し、詳しくはバッテリ残量に応じて電気自動車(EV)モータの回生運転を禁止する電気自動車用回生制御装置(以下、単に「回生制御装置」という。)に関する。なお、スプリット方式とは、エンジン動力を「車両の走行」と「発電」との両方に用いる方式であり、「シリーズパラレル方式」とも呼ばれる。
【0002】
【従来の技術】ハイブリッド電気自動車のバッテリ残量管理方法として、様々な方法が実施されている。例えば、車両が減速中にEVモータを回生運転することにより、減速エネルギを電気エネルギに変換し、その電気エネルギでバッテリを充電することが一般に行われる。
【0003】その際、バッテリの満充電を防止する目的で、回生運転を停止する「回生禁止」を行うものがある。回生禁止を行う理由は二つある。第一の理由は、バッテリが満充電に達したにもかかわらず充電を続けても、それ以上の蓄電ができないばかりか、充電に要する電力を消費してしまうからである。第二の理由は、バッテリが満充電に達したにもかかわらず充電を続けると、バッテリ電圧の異常上昇に伴ないバッテリが劣化するからである。
【0004】図6はこの種の従来の回生制御装置を示し、図6[1]は構成を示すブロック図、図6[2]は動作を示すフローチャートである。以下、これらの図面に基づき説明する。
【0005】従来の回生制御装置90は、バッテリ残量SOCを検出するバッテリ残量検出手段92と、バッテリ残量検出手段92で検出されたバッテリ残量SOCが判定値SOCTR1以上の場合に回生禁止信号Xを出力する回生制御手段94と、回生制御手段94から出力された回生禁止信号Xによって回生運転を停止する回生運転手段96とを備えたものである。
【0006】回生制御装置90は、バッテリ残量SOCと判定値SOCTR1とを比較し(ステップ900)、バッテリ残量SOCが判定値SOCTR1を越えると回生禁止を行い(ステップ901)、バッテリ残量SOCが判定値SOCTR1を越えなければ回生禁止を行わない(ステップ902)。図6[2]に示す動作は、例えば5[msec]毎に繰り返される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、回生運転を行っている場合に回生禁止を行うと、回生運転の停止に伴い、回生運転に応じた吸収トルク分が一瞬で消失してしまう。そのため、回生運転の停止に伴う吸収トルクの変化をエンジン制御やブレーキ制御で吸収する方法が併用されるが、これらは万能ではないためトルクの変化を完全に穴埋めできるとは限らない。
【0008】その結果、回生禁止の開始時に車両の減速力が急に弱まるため、ショックが発生したり、減速度が運転手の意思から外れたものになったりするなどの違和感を生じていた。したがって、従来の回生制御装置では、回生禁止によってドライバビリティ(drivavility:運転しやすさ、操縦性)が損なわれていた。
【0009】特に、制動操作中は、回生禁止によってドライバビリティが大きく損なわれていた。その理由は三つある。第一の理由は、車両の減速度が大きいためである。第二の理由は、回生運転の停止に伴う吸収トルクの変化をエンジン制御やブレーキ制御で吸収する方法を、活用できない状態にあるからである。なぜなら、エンジン要求負荷量が最低状態でエンジンを運転している場合、これ以上にエンジン発生トルクを下げることが困難であるため、及び、ブレーキの協調制御はもともと制御性が劣るためである。第三の理由は、運転手が減速する意思で車両を運転しているので、回生禁止による減速度の減少が運転手の意思と明らかに反するからである。
【0010】
【発明の目的】そこで、本発明の目的は、回生禁止によるドライバビリティの劣化を防止する回生制御装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の回生制御装置は、バッテリ残量を検出するバッテリ残量検出手段と、このバッテリ残量検出手段で検出されたバッテリ残量等に応じて回生禁止信号を出力する回生制御手段と、この回生制御手段から出力された回生禁止信号によって回生運転を停止する回生運転手段とを備えたものである。そして、回生運転中か否かを検出する回生運転検出手段を、更に備えている。また、回生制御手段は、バッテリ残量が第一判定値以上であり、かつ回生運転中でない場合に、回生禁止信号を出力する。
【0012】従来の回生制御装置では、バッテリ残量が判定値以上になると、回生運転中であっても回生禁止を行っていた。そのため、回生運転中に制動力が突然弱まることにより、ショックが生じたり、減速の度合いが弱まったりして、ドライバビリティが損なわれていた。これに対して、本発明の回生制御装置では、バッテリ残量が判定値以上であっても、回生運転中であれば回生禁止を行わない。したがって、回生運転中に回生禁止による制動力の減少が突然起こることがないので、ドライバビリティが向上する。
【0013】換言すると、従来の回生制御装置では、バッテリがほぼ満充電の状態を示す判定値を設け、バッテリ残量が判定値以上の場合に、回生運転を停止する動作(回生禁止)を行う。これに対し、本発明の回生制御装置では、上記条件が成立したとしても、回生運転中は回生禁止による回生運転の停止を行わないで、回生運転を続ける。これにより、回生運転中に回生運転を停止することに起因して発生する違和感を防止する。この違和感は、車両の減速度が運転手の意思から外れた状態になって起こるものである。
【0014】請求項2記載の回生制御装置は、バッテリ残量を検出するバッテリ残量検出手段と、このバッテリ残量検出手段で検出されたバッテリ残量等に応じて回生禁止信号を出力する回生制御手段と、この回生制御手段から出力された回生禁止信号によって回生運転を停止する回生運転手段とを備えたものである。そして、制動操作中か否かを検出する制動操作検出手段を、更に備えている。また、回生制御手段は、バッテリ残量が第一判定値以上であり、かつ制動操作中でない場合に、回生禁止信号を出力する。
【0015】本発明の回生制御装置では、バッテリ残量が判定値以上であっても、制動操作中であれば回生禁止を行わない。したがって、制動操作中に回生禁止による制動力の減少が突然起こることがないので、ドライバビリティが向上する。また、制動操作を行っていない場合は、回生禁止を行うので、バッテリの過充電が防止される。一方、制動操作を行っている場合は、十分な制動力が確保される。
【0016】請求項3記載の回生制御装置は、バッテリ残量を検出するバッテリ残量検出手段と、このバッテリ残量検出手段で検出されたバッテリ残量等に応じて回生禁止信号を出力する回生制御手段と、この回生制御手段から出力された回生禁止信号によって回生運転を停止する回生運転手段とを備えたものである。そして、回生運転中か否かを検出する回生運転検出手段と、制動操作中か否かを検出する制動操作検出手段とを、更に備えている。また、回生制御手段は、バッテリ残量が第一判定値以上であり、かつ制動操作中でない場合と、バッテリ残量が第一判定値以上であり、かつ制動操作中であり、かつ回生運転中でない場合とに、回生禁止信号を出力する。
【0017】本発明の回生制御装置では、バッテリ残量が判定値以上であっても、制動操作中かつ回生運転中であれば、回生禁止を行わない。したがって、制動操作中かつ回生運転中に回生禁止による制動力の減少が突然起こることがないので、ドライバビリティが向上する。
【0018】請求項4記載の回生制御装置は、請求項1乃至3記載の回生制御装置において次の構成を採っている。回生制御手段は、バッテリ残量が第一判定値を越える第二判定値以上である場合は、いかなるときも回生禁止信号を出力する。
【0019】本発明の回生制御装置では、バッテリ残量が第二判定値を越えた場合は、強制的に回生運転を停止する。これにより、バッテリの過充電が確実に防止される。
【0020】請求項5記載の回生制御装置は、請求項1乃至4記載の回生制御装置においてスプリット方式のハイブリッド電気自動車用としたものである。
【0021】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係る回生制御装置の第一実施形態を示し、図1[1]は構成を示すブロック図、図1[2]は動作を示すフローチャートである。以下、この図面に基づき説明する。
【0022】本実施形態の回生制御装置10は、バッテリ残量SOCを検出するバッテリ残量検出手段12と、バッテリ残量検出手段12で検出されたバッテリ残量SOC等に応じて回生禁止信号Xを出力する回生制御手段14と、回生制御手段14から出力された回生禁止信号Xによって回生運転を停止する回生運転手段16とを備えたものである。そして、回生運転中か否か(情報A)を検出する回生運転検出手段18を、更に備えている。また、回生制御手段14は、バッテリ残量SOCが判定値SOCTR1以上であり、かつ回生運転中でない場合に、回生禁止信号Xを出力する。
【0023】回生制御装置10は、バッテリ残量SOCと判定値SOCTR1とを比較し(ステップ100)、バッテリ残量SOCが判定値SOCTR1を越えると、情報Aに基づき回生運転中か否かを判断し(ステップ101)、回生運転中でなければ回生禁止を行う(ステップ102)。一方、バッテリ残量SOCが判定値SOCTR1以下の場合、又は回生運転中である場合は、回生禁止を行わない(ステップ103)。図1[2]に示す動作は、例えば5[msec]毎に繰り返される。
【0024】図2は、回生制御装置10が搭載されるハイブリッド電気自動車20の一例を示す 構成図である。以下、図1及び図2に基づき回生制御装置10の各構成要素について説明する。
【0025】ハイブリッド電気自動車20は、スプリット方式であり、タイヤ201〜204、変速機21、エンジン22、モータ/ジェネレータ23、チェーン24、メインバッテリ25、DC/DCコンバータ26、補助バッテリ27、EVモータ28等を備えている。
【0026】変速機21は、電子クラッチ付きであり、エンジン22の出力を所望のトルク値に変換して、タイヤ201,202へ伝達する。モータ/ジェネレータ23は、エンジン22用のスタータ、兼エンジン22によって駆動される発電機として動作する。チェーン24は、エンジン22とモータ/ジェネレータ23との間で動力を伝達する。メインバッテリ25は、DC/DCコンバータ26、モータ/ジェネレータ23及びEVモータ28へ高電圧電力を供給するとともに、回生運転時にモータ/ジェネレータ23及びEVモータ28から充電される。DC/DCコンバータ26は、メインバッテリ25から供給された高電圧電力を低電圧電力に変換して補助バッテリ27へ供給する。補助バッテリ27は、図示しない補器類へ低電圧電力を供給する。EVモータ28は、図示しないインバータ、コントローラ等を内蔵し、タイヤ203,204を駆動する。
【0027】図1に示すバッテリ残量検出手段12は、メインバッテリ25に設けられたバッテリ残存容量計である。図1に示す回生制御手段14は、例えばEVモータ28に内蔵されたコントローラの機能の一部として実現されている。図1に示す回生運転手段16は、例えばモータ/ジェネレータ23及びEVモータ28とメインバッテリ25との間に設けられた電子的スイッチ又は継電器であり、回生禁止信号Xによって開路する。回生運転検出手段18は、例えばメインバッテリ25に設けられた電流計であり、電流の向きによって回生運転中か否かを判断する。
【0028】図3は、本実施形態の回生制御装置10と従来技術の回生制御装置90との車速の変化を示すグラフである。以下、図1、図3及び図6に基づき説明する。
【0029】本実施形態の回生制御装置10でも従来の回生制御装置90でも、回生運転中はバッテリ残量SOCが徐々に上昇する。そして、バッテリ残量SOCが判定値SOCTR1以上になると、従来の回生制御装置90では回生運転中であっても回生禁止を行っていた。そのため、図3の折れ曲がった破線で示されるように、回生運転中に制動力が突然弱まることにより、ショックが生じたり、減速の度合いが弱まったりして、ドライバビリティが損なわれていた。
【0030】これに対して、本実施形態の回生制御装置10では、バッテリ残量SOCが判定値SOCTR1以上でなっても、回生運転中であれば回生禁止を行わない。したがって、図3のまっすぐな実線で示されるように、回生運転中に回生禁止による制動力の減少が突然起こることがないので、ドライバビリティが向上する。
【0031】図4及び図5は本発明に係る回生制御装置の第二実施形態を示し、図4は構成を示すブロック図、図5は動作を示すフローチャートである。以下、これらの図面に基づき説明する。ただし、図1[1]と同じ部分は同じ符号を付すことにより説明を省略する。
【0032】本実施形態の回生制御装置30は、バッテリ残量SOCを検出するバッテリ残量検出手段12と、バッテリ残量検出手段12で検出されたバッテリ残量SOC等に応じて回生禁止信号Xを出力する回生制御手段32と、回生制御手段32から出力された回生禁止信号Xによって回生運転を停止する回生運転手段16とを備えたものである。そして、回生運転中か否か(情報A)を検出する回生運転検出手段18と、制動操作中か否か(情報B)を検出する制動操作検出手段36とを更に備えている。
【0033】また、回生制御手段36は、次の機能を備えている。バッテリ残量SOCが判定値SCOTR1以上であり、かつ制動操作中でない場合に、回生禁止信号Xを出力する。バッテリ残量SOCが判定値SCOTR1以上であり、かつ制動操作中であり、かつ回生運転中でない場合に、回生禁止信号Xを出力する。バッテリ残量SOCが判定値SOCTR2以上である場合は、いかなるときも回生禁止信号Xを出力する。ただし、(判定値SOCTR2)>(判定値SOCTR1)である。
【0034】回生制御手段36は、例えば図2に示すEVモータ28に内蔵されたコントローラの機能の一部として実現されている。制動操作検出手段36は、例えば図示しないブレーキペダルに設けられたスイッチ又はポテンショメータである。
【0035】回生制御装置30は、バッテリ残量SOCと判定値SOCTR2とを比較し(ステップ300)、バッテリ残量SOCが判定値SOCTR1を越えていれば回生禁止を行い(ステップ301)、バッテリ残量SOCが判定値SOCTR2を越えていなければバッテリ残量SOCと判定値SOCTR1とを比較する(ステップ302)。続いて、バッテリ残量SOCが判定値SOCTR1を越えていなければ回生禁止を行わず(ステップ303)、バッテリ残量SOCが判定値SOCTR1を越えていれば、情報Bに基づき制動操作中であるか否かを判断する(ステップ304)。続いて、制動操作中でなければ回生禁止を行い(ステップ301)、制動操作中であれば情報Aに基づき回生運転中か否かを判断し(ステップ305)、回生運転中でなければ回生禁止を行い(ステップ301)、回生運転中であれば回生禁止を行わない(ステップ303)。図5に示す動作は、例えば5[msec]毎に繰り返される。
【0036】本実施形態の回生制御装置30によれば、第一実施形態と同等の効果を奏することに加え、バッテリ残量SOCが判定値SOCTR2を越えると強制的に回生運転を停止することにより、バッテリの過充電が確実に防止される。
【0037】図3に示した従来技術の不具合が生じるのは、回生運転を行っている状態で回生禁止による回生運転の停止を行った場合である。つまり、回生運転を行っていない場合には前記の不具合が発生しないし、回生運転を行っている状態でも回生運転を停止しなければ前記の不具合が発生しない。図3において、実線の場合は、「SOC≧SOCTRl」が成立しても、回生禁止を行わず、回生運転の停止を行わないため、車速の減少が変化せず、車の減速度が急に少なくなることもない。つまり、「SOC≧SOCTRl」の条件が成立したとしても、回生禁止による回生運転の停止を行わないで、回生運転を続ければ、前記の不具合の発生を解消できる。ただし、「その他の回生設定」の処理によって、回生運転の停止が設定された場合は、回生運転の停止もあり得る。
【0038】前記の不具合が顕著であるのは、運転手が制動動作を行っている場合である。回生運転中でも運転手が制動動作を行っていない場合には、回生禁止による回生運転の停止に伴う車両の減速度の減少も少なく、回生運転の停止に伴う吸収トルクの変化をエンジン制御やブレーキ制御で吸収することが容易であることにより、運転手の意思に反する場面が少ないため、前記の不具合の発生が比較的少ない。そこで、制動操作を行っていない場合は、回生禁止による回生運転の停止を行う(図5ステップ304,301)。一方、制動操作を行っている場合、回生運転を行っていないときは回生禁止による回生運転の停止を行い、回生運転中は回生運転を続ける(図5ステップ305,301,303)。
【0039】バッテリが満充電に達したにも関らず回生運転を行い、バッテリを充電し続けた場合には、バッテリの劣化が発生してしまう。そこで、判定値SOCTR1よりも大きな判定値SOCTR2を設け、バッテリ残量SOCが判定値SOCTR2以上の場合には、回生禁止を行うことにより強制的に回生運転を停止する。
【0040】なお、本実施形態は、言うまでもなく、上記実施形態に限定されない。例えば、図2のハイブリド電気自動車以外にも、様々な種類のハイブリド電気自動車や純電気自動車に適応可能である。また、第一実施形態において、回生運転検出手段の代わりに制動操作検出手段を用いてもよい。更に、第二実施形態において、バッテリ残量が第二判定値以上であれば回生禁止信号を出力する機能を削除してもよい。
【0041】
【発明の効果】請求項1記載の回生制御装置によれば、バッテリ残量が判定値以上であっても回生運転中であれば回生禁止を行わないことにより、回生運転中に回生禁止による制動力の減少が突然起こることがないので、ドライバビリティを向上できる。
【0042】請求項2記載の回生制御装置によれば、バッテリ残量が判定値以上であっても制動操作中であれば回生禁止を行わないことにより、制動操作中に回生禁止による制動力の減少が突然起こることがないので、ドライバビリティを向上できる。
【0043】請求項3記載の回生制御装置によれば、バッテリ残量が判定値以上であっても制動操作中かつ回生運転中であれば回生禁止を行わないことにより、制動操作中かつ回生運転中に回生禁止による制動力の減少が突然起こることがないので、ドライバビリティを向上できる。
【0044】請求項4記載の回生制御装置によれば、請求項1乃至3記載の回生制御装置の効果に加え、バッテリ残量が第二判定値を越えた場合に強制的に回生運転を停止することにより、バッテリの過充電を確実に防止できる。
【出願人】 【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
【出願日】 平成13年6月8日(2001.6.8)
【代理人】 【識別番号】100079164
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 勇
【公開番号】 特開2002−369305(P2002−369305A)
【公開日】 平成14年12月20日(2002.12.20)
【出願番号】 特願2001−174385(P2001−174385)