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【発明の名称】 電気車制御装置
【発明者】 【氏名】沼崎 光浩

【要約】 【課題】1つの電力変換装置が故障した場合、その後、健全な電力変換装置だけでの運転再開までに従来必要であった確認操作手順の一部を自動化して、運転再開までに必要な時間を短縮する。

【解決手段】本発明の電気車制御装置では、遮断器2が開放されたあと、電力変換装置4Aが故障していること、遮断器2が開放されていることを条件に故障した電力変換装置の電源側のスイッチ3Aを自動的に開放し、さらにその後、運転士が運転指令装置9を一旦力行オフ位置にすると、故障した電力変換装置がスイッチにより開放されていることを条件にして遮断器2を自動的に再投入し、健全な電力変換装置4Bの運転を再開する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 1つの遮断器と、前記遮断器のもとに並列に設けられた複数台の電力変換装置と、前記遮断器と前記電力変換装置それぞれとの間に設けられた、個々の電力変換装置を電源から切り離すための遠隔操作が可能なスイッチと、前記遮断器を開放した際に、故障停止した電力変換装置に対応する前記スイッチを開放するスイッチ制御手段とを備えて成る電気車制御装置。
【請求項2】 前記遮断器の投入条件に前記電力変換装置の非故障条件とその電力変換装置を開放するスイッチが開放位置である条件とのいずれかが成立することを当該遮断器に接続される前記電力変換装置の全てについて照査し、かつ運転指令装置がノッチオフであることを条件に前記遮断器を自動再投入する遮断器再投入制御手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の電気車制御装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気車用電力変換装置の運転に特徴を持つ電気車制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の電気車制御装置は図3に示す構成であり、モータ5A,5Bそれぞれを駆動するために並設されている複数台の電力変換装置4A,4Bのうちの1台(ここでは、電力変換装置4Aとする)が故障停止した際には、故障スイッチ10Aがオンし、操作コイル11Aが動作して操作設定を閉じて自己保持し、遮断器2を開放することによって集電装置1からの電力を停止するようにしている。これにより、電力変換装置4A,4Bのうちの1台4Aが故障すれば、故障していない他の電力変換装置4Bも停止する。
【0003】この後、故障していない電力変換装置4Bの運転を再開させるには、一旦運転士が開放指令スイッチ7を操作して故障した電力変換装置4Aに対応するスイッチ3Aを開放させることによって電力変換装置4Aの系統を切り離し、遮断器2の再投入操作を可能な状態にしてからこの遮断器2を再投入操作し、故障していない電力変換装置4Bの運転を再開する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来の電気車制御装置では、実際に故障が発生すると、運転士の手順として、故障発生確認→開放スイッチ操作→遮断器再投入操作という3段階の手順が必要であった。このため、健全な電力変換装置を再度運転にするために必然的に時間がかかり、その間、車両は無動力となってしまうという問題点があった。
【0005】本発明は、従来必要であった確認操作手順の一部を自動化して、健全な電力変換装置の運転再開までに必要な時間を短縮することができる電気車制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の電気車制御装置は、1つの遮断器と、前記遮断器のもとに並列に設けられた複数台の電力変換装置と、前記遮断器と前記電力変換装置それぞれとの間に設けられた、個々の電力変換装置を電源から切り離すための遠隔操作が可能なスイッチと、前記遮断器を開放した際に、故障停止した電力変換装置に対応する前記スイッチを開放するスイッチ制御手段とを備えたものである。
【0007】請求項2の発明は、請求項1の電気車制御装置において、前記遮断器の投入条件に前記電力変換装置の非故障条件とその電力変換装置を開放するスイッチが開放位置である条件とのいずれかが成立することを当該遮断器に接続される前記電力変換装置の全てについて照査し、かつ運転指令装置がノッチオフであることを条件に前記遮断器を自動再投入する遮断器再投入制御手段を備えたものである。
【0008】複数ある電力変換装置の1つが故障停止した場合、電力変換装置への電力供給を絶つことで拡大被害を防止する。この電力供給を絶つ目的で、電源側の遮断器を開放する。
【0009】そこで、請求項1の発明の電気車制御装置では、遮断器が開放されたあと、電力変換装置が故障していること、遮断器が開放されていることを条件に故障した電力変換装置の電源側のスイッチを自動的に開放する。
【0010】これにより、運転士の確認及び開放操作が不要になり、運転士は遮断器の再投入操作のみで故障部位を開放し、健全な他の電力変換装置のみで運転を再開することができる。
【0011】また、請求項2の発明の電気車制御装置では、遮断器が開放されたあと、電力変換装置が故障していること、遮断器が開放されていることを条件に故障した電力変換装置の電源側のスイッチを自動的に開放することができ、さらにその後、運転士が運転指令装置を一旦力行オフ位置にすると、故障した電力変換装置がスイッチにより開放された条件で遮断器を自動的に再投入することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図に基づいて詳説する。図1は本発明の第1の実施の形態の電気車制御装置の構成を示す。1は集電装置、2は遮断器、3A,3BはA系統、B系統それぞれの回路を開放するためのスイッチ、4A,4Bはインバータのような電力変換装置、5A,5Bは負荷モータである。そして制御回路において、6は直流制御電源、10A,10Bは電力変換装置4A,4Bの故障時に閉じる故障スイッチ、11A,11Bは操作コイルである。スイッチ3A,3Bは操作コイル11A,11Bが励磁されると主接点を開放するタイプであるが、逆にコイル消磁で開放するタイプのものでも使用可能である。
【0013】いま、電力変換装置4A,4Bのうちの1台、例えば電力変換装置4Aが故障し、遮断器2が開放されると、スイッチ3Aは、負荷側にある電力変換装置4Aの故障条件と、電源(集電装置1)側の遮断器2が開放されていることを条件に操作コイル11Aを励磁し、主接点を開放して自己保持する。
【0014】この後に遮断器2を再投入しても、故障(A系統)側のスイッチ3Aが開放状態に保持されているので、健全なB系統側の電力変換装置4Bだけが運転再開されることになる。
【0015】なお、電力変換装置4B側が故障した場合には、A系統、B系統は逆になるが、同様にして操作コイル11Bが励磁し、スイッチ3Bの主接点を開放して自己保持し、その後に遮断器2を再投入しても、健全な電力変換装置4A側だけが運転再開されることになる。
【0016】これにより、運転士が故障確認後に、開放指令スイッチを操作して故障系統側のスイッチを開放し、さらにその後に遮断器を再投入するという従来のような3段階の手続を必要とせず、運転再開に必要な時間を短くできる。
【0017】次に、本発明の第2の実施の形態の電気車制御装置について、図2を用いて説明する。第2の実施の形態の電気車制御装置は、制御回路の構成またスイッチ3A,3Bの開放条件は図1に示した第1の実施の形態と同じであるが、さらに遮断器再投入スイッチ8と運転指令装置のノッチオン接点9の状態とを制御回路の操作コイル11A,11Bと連携させた点を特徴としている。
【0018】すなわち、遮断器2の再投入は、運転指令装置のノッチオン接点9がオンでないこと、すなわちノッチオフされていることを条件の1つとする。さらに、遮断器2の負荷側にあるすべての電力変換装置4A,4Bについて、装置が故障していないか、スイッチが開放されていることを照査条件とする。
【0019】例えば、電力変換装置4Aが故障した場合、故障スイッチ10Aがオンとなるが、これに対して、B接点20Aはオフとなる。また、操作コイル11Aが励磁状態(スイッチ3Aはオフ状態)であれば、B接点20Aと並列に設けられているA接点21Aはオン状態になる。そして、健全な側の電力変換装置4Bに関連するB接点20Bはオン、これと並列のA接点21Bはオフである。故障した装置が接続されたままでは遮断器2を再投入しないようにするために、このような条件照査とするのである。
【0020】第2の実施の形態の電気車制御装置が、実際の運転状況においてどのように動作するか、次に説明する。走行中に1台の電力変換装置4Aに故障が発生すると遮断器2が開放される。運転士は、全ての動力が絶たれたことと、車両の付属装置(モニタ装置、故障表示灯)により故障発生を認識する。ここまでは従来と同様である。
【0021】動力が絶たれて、車両は惰行となっているが、故障した電力変換装置4Aは、上述したように電源側のスイッチ3Aが開放され、既に系統から切り離されている。運転士は惰行になっているため一旦運転指令装置9をノッチオフし、ノッチ再投入を試みるが、ノッチオフした時点でノッチオン接点9が導通し、接点21A−接点20Bを経て遮断器再投入コイル8が励磁されて遮断器2が再投入されるため、ノッチ再投入により車両の運転が再開できる。
【0022】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれば、遮断器が開放されたあと、電力変換装置が故障していること、遮断器が開放されていることを条件に故障した電力変換装置の電源側のスイッチを自動的に開放するので、運転士の確認及び開放操作が不要になり、運転士は遮断器の再投入操作のみで故障部位を開放し、健全な他の電力変換装置のみで運転を再開することができる。
【0023】請求項2の発明によれば、運転士が運転指令装置を一旦力行オフ位置にするだけで、故障した電力変換装置はスイッチにより開放された状態で遮断器を自動的に再投入し、健全な他の電力変換装置のみで運転を再開することができ、短時間のうちに運転再開できる。
【出願人】 【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
【出願日】 平成13年6月4日(2001.6.4)
【代理人】 【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和 (外7名)
【公開番号】 特開2002−369302(P2002−369302A)
【公開日】 平成14年12月20日(2002.12.20)
【出願番号】 特願2001−168157(P2001−168157)