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【発明の名称】 電気自動車のバッテリ冷却装置
【発明者】 【氏名】櫻井 健

【氏名】小澤 晃

【氏名】石倉 誉士

【要約】 【課題】急速充電時にもバッテリを冷却可能にする。

【解決手段】電気自動車駆動用バッテリ11とラジエータ12との間で冷却液を循環させてバッテリ11を冷却する冷却液循環回路10と、コンプレッサ33の上流に車室内冷房用エバポレータ31を有し下流に車室内暖房用熱交換器34を有するヒートポンプ式の冷媒循環回路30と、熱交換器34で暖められた温液をヒータコア22に循環させる温液循環回路20と、エバポレータ31をヒータコア22の上流側に内蔵させた空調ダクト50と、を備え、バッテリ11の充電時には、冷却液流路切換弁16が冷却液流路を冷却液バイパス往路15aに切り換えるとともに、開閉弁24が熱交換器34を遮断して、冷却液バイパス往路15aと冷却液バイパス復路15bによって冷却液循環回路10と温液循環回路20を接続してヒータコア22とバッテリ11との間で閉回路を形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電気自動車駆動用バッテリと放熱器との間で冷却液を循環させ前記バッテリを冷却して温度上昇した冷却液を前記放熱器で冷却する冷却液循環回路と、コンプレッサの上流に車室内冷房用エバポレータを有し該コンプレッサの下流に車室内暖房用熱交換器を有するヒートポンプ式の冷媒循環回路と、前記車室内暖房用熱交換器で暖められた温液をヒータコアに循環させる温液循環回路と、前記エバポレータを前記ヒータコアの上流側に内蔵させた空調ダクトと、を備えた電気自動車において、前記冷却液循環回路は、前記放熱器をバイパスして前記温液循環回路と閉回路を形成可能にする冷却液バイパス路を有し、前記冷却液循環回路には、冷却液流路を前記放熱器と前記冷却液バイパス路のいずれかに切り換える第1流路切換手段が設けられ、前記温液循環回路には、前記熱交換器を遮断可能にし前記ヒータコアと前記バッテリとの間で閉回路を形成可能にする第2流路切換手段が設けられていて、前記バッテリの充電時には、前記第1流路切換手段が冷却液流路を前記冷却液バイパス路に切り換えるとともに、前記第2流路切換手段が前記熱交換器を遮断して前記ヒータコアと前記バッテリとの間で閉回路を形成することを特徴とする電気自動車のバッテリ冷却装置。
【請求項2】 前記空調ダクトは、前記ヒータコアの下流と前記エバポレータの上流とを短絡する空気バイパス路と、前記バッテリの充電時に前記空気バイパス路を介して空調ダクトの空気が循環するように空気流路を切り換える空気流路切換手段と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の電気自動車のバッテリ冷却装置。
【請求項3】 前記バッテリの充電時には、前記コンプレッサの回転数と冷媒循環回路の冷媒流量の少なくともいずれか一方を変化させることによって、前記冷媒循環流路における放熱量をバッテリにおける発熱量以上となるように制御することを特徴とする請求項2に記載の電気自動車のバッテリ冷却装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電気自動車のバッテリ冷却装置に関するものであり、特に、急速充電時にもバッテリを十分に冷却可能な電気自動車のバッテリ冷却装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように、電気自動車に搭載されている駆動用バッテリは放電時および充電時に発熱を伴い、特に、急速充電時に発生する熱は多大なものとなる。ところで、バッテリには上限温度(例えば、約50゜C)があり、この上限温度を越えて使用すると性能劣化が生じる。そこで、電気自動車に搭載されるバッテリには冷却装置が付設されている。従来のバッテリ冷却装置には空冷式(例えば、特開平5−262144号公報)や水冷式のものがある。
【0003】従来の水冷式のバッテリ冷却装置は、冷却水をバッテリとラジエータの間で循環させ、バッテリで暖められた冷却水の熱をラジエータで外気に放熱することにより冷却し、再びバッテリに流している。この水冷式バッテリ冷却装置でも、通常運転に関する限りは、特に問題が生じることはない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の水冷式バッテリ冷却装置の場合、充電時の条件(外気温度や充電開始時のバッテリ温度)によっては、充電に制限(充電の中断、充電電流の減少等)を生ずることがあった。これは、従来のバッテリ冷却装置は、水冷式といえども冷却水の熱を外気に放熱して冷却しているため、冷却水を外気温度よりも低温に冷却することは不可能であり、また、外気温度との温度差が小さいと冷却速度が低下することによる。
【0005】したがって、バッテリの充電時(特に、急速充電時)にはバッテリを冷却する必要があるが、従来の水冷式のバッテリ冷却装置の場合には、充電時の条件によってはこれを満足できないことがあった。そこで、この発明は、車室内冷房システムを利用してバッテリ冷却液を冷却可能にし、急速充電時にもバッテリを十分に冷却することができる電気自動車のバッテリ冷却装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、電気自動車駆動用バッテリ(例えば、後述する実施の形態におけるバッテリ11)と放熱器(例えば、後述する実施の形態におけるラジエータ12)との間で冷却液を循環させ前記バッテリを冷却して温度上昇した冷却液を前記放熱器で冷却する冷却液循環回路(例えば、後述する実施の形態における冷却液循環回路10)と、コンプレッサ(例えば、後述する実施の形態におけるコンプレッサ33)の上流に車室内冷房用エバポレータ(例えば、後述する実施の形態におけるエバポレータ31)を有し該コンプレッサの下流に車室内暖房用熱交換器(例えば、後述する実施の形態における熱交換器34)を有するヒートポンプ式の冷媒循環回路(例えば、後述する実施の形態における冷媒循環回路30)と、前記車室内暖房用熱交換器で暖められた温液をヒータコア(例えば、後述する実施の形態におけるヒータコア22)に循環させる温液循環回路(例えば、後述する実施の形態における温液循環回路20)と、前記エバポレータを前記ヒータコアの上流側に内蔵させた空調ダクト(例えば、後述する実施の形態における空調ダクト50)と、を備えた電気自動車において、前記冷却液循環回路は、前記放熱器をバイパスして前記温液循環回路と閉回路を形成可能にする冷却液バイパス路(例えば、後述する実施の形態における冷却液バイパス往路15a,冷却液バイパス復路15b)を有し、前記冷却液循環回路には、冷却液流路を前記放熱器と前記冷却液バイパス路のいずれかに切り換える第1流路切換手段(例えば、後述する実施の形態における冷却液流路切換弁16)が設けられ、前記温液循環回路には、前記熱交換器を遮断可能にし前記ヒータコアと前記バッテリとの間で閉回路を形成可能にする第2流路切換手段(例えば、後述する実施の形態における開閉弁24)が設けられていて、前記バッテリの充電時には、前記第1流路切換手段が冷却液流路を前記冷却液バイパス路に切り換えるとともに、前記第2流路切換手段が前記熱交換器を遮断して前記ヒータコアと前記バッテリとの間で閉回路を形成することを特徴とする電気自動車のバッテリ冷却装置(例えば、後述する実施の形態におけるバッテリ冷却装置1)である。
【0007】このように構成することにより、バッテリの充電時には冷却液循環回路の冷却液がバッテリとヒータコアとの間で循環し、このときに冷媒循環回路に冷凍サイクルで冷媒を流すことにより、空調ダクトを流れる空気がエバポレータで冷却され、この冷却空気がヒータコアを流れる冷却液を冷却する(すなわち、冷却液の熱が空調ダクト内の空気に放熱される)。なお、車室内暖房用熱交換器は遮断されるので、この熱交換器において温液が加熱されヒータコアに流れ込むことはない。
【0008】請求項2に記載した発明は、請求項1に記載の発明において、前記空調ダクトは、前記ヒータコアの下流と前記エバポレータの上流とを短絡する空気バイパス路(例えば、後述する実施の形態におけるバイパスダクト54)と、前記バッテリの充電時に前記空気バイパス路を介して空調ダクトの空気が循環するように空気流路を切り換える空気流路切換手段(例えば、後述する実施の形態における入口ダンパ55,出口ダンパ56)と、を備えることを特徴とする。このように構成することにより、バッテリ充電時に、外気を取り込まずに空調ダクト内で空気を循環させることが可能になる。
【0009】請求項3に記載した発明は、請求項2に記載の発明において、前記バッテリの充電時には、前記コンプレッサの回転数と冷媒循環回路の冷媒流量の少なくともいずれか一方を変化させることによって、前記冷媒循環流路における放熱量をバッテリにおける発熱量以上となるように制御することを特徴とする。このように構成することにより、バッテリの温度上昇を防止し、冷却を促進することが可能になる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、この発明に係る電気自動車のバッテリ冷却装置の一実施の形態を図1の図面を参照して説明する。図1は電気自動車のバッテリ冷却装置1を示しており、バッテリ冷却装置1は、冷却液循環回路10と、温液循環回路20と、冷媒循環回路30と、空調ダクト50を備えている。電気自動車は車載した駆動用バッテリ11を動力源とする車両である。
【0011】冷却液循環回路10はバッテリを冷却するための冷却液が循環する流路であり、バッテリ11,ラジエータ(放熱器)12,ウォータポンプ13が冷却液循環路14によって閉回路に接続されるとともに、冷却液循環路14が冷却液バイパス往路15aと冷却液バイパス復路15bによって温液循環回路20に接続されて構成されている。冷却液バイパス往路15aは冷却液循環路14においてバッテリ11とラジエータ12とを接続する途中に接続されており、冷却液バイパス復路15bは冷却液循環路14においてバッテリ11とウォータポンプ13との間に設けられた冷却液流路切換弁(第1流路切換手段)16に接続されている。冷却液流路切換弁16は、冷却液流路をラジエータ12と冷却液バイパス復路15bのいずれかに切り換える三方切換弁である。ラジエータ12はリザーブタンク17にも接続されており、ラジエータ12はモータ駆動のラジエータファン12aを備えている。尚、冷却液バイパス往路15aと冷却液バイパス復路15bは冷却液バイパス路を構成する。
【0012】また、冷媒循環回路30は車室内冷暖房用の冷媒(例えば、HFC134a)が循環する流路であり、冷媒循環回路30は、車室内冷房用のエバポレータ31,アキュームレータ32,モータ駆動のコンプレッサ33,車室内暖房用熱交換器34、コンデンサ35,膨張弁36、キャピラリチューブ37が冷媒循環路38によって閉回路に接続されるとともに、コンデンサ35をバイパスする第1冷媒バイパス路39と、アキュームレータ32,コンプレッサ33,熱交換器34をバイパスする第2冷媒バイパス路40とを備えて構成されている。第1冷媒バイパス路39は開閉弁41とヒータ用キャピラリチューブ42を備えている。冷媒循環路38と第2冷媒バイパス路40との接続部には、コンデンサ35を熱交換器34とアキュームレータ32のいずれに接続するか切り換える冷媒流路切換弁43が設けられている。なお、エバポレータ31およびコンデンサ35はそれぞれモータ駆動のエバポレータファン31a,コンデンサファン35aを備えている。
【0013】温液循環回路20は車室内暖房用の温液が循環する流路であり、温液循環回路20は、冷媒循環回路30の熱交換器34と、ウォータポンプ21と、空調用のヒータコア22が温液循環路23によって閉回路に接続されて構成されている。ここで、熱交換器34は、冷媒循環回路30においてコンプレッサ33により高温高圧化された冷媒と温液循環回路20を流れる車室内暖房用の温液との間で非接触で熱交換を行わしめることにより、冷媒を冷却するとともに温液を加熱する。
【0014】前述したように、冷却液循環回路10と温液循環回路20は冷却液バイパス往路15a,冷却液バイパス復路15bによって接続されており、冷却液バイパス往路15aは温液循環路23において熱交換器34とウォータポンプ21とを接続する途中に接続されており、冷却液バイパス復路15bは温液循環路23において熱交換器34とヒータコア22とを接続する途中に接続されている。また、温液循環路23には冷却液バイパス復路15bの接続部と熱交換器34との間に開閉弁(第2流路切換手段)24が設けられている。
【0015】この開閉弁24を閉じると熱交換器34への温液の供給路が遮断される。そしてこのときに、冷却液流路切換弁16により冷却液流路を冷却液バイパス復路15bに切り換えると、冷却液循環回路10と温液循環回路20が連通し、バッテリ11とヒータコア22が冷却液バイパス往路15aと冷却液バイパス復路15bを含む閉回路で接続されることになる。
【0016】冷媒循環回路30のエバポレータ31と温液循環回路20のヒータコア22は空調ダクト50に内蔵されている。空調ダクト50は、外気あるいは車室内空気を選択的に導入可能な空気入口51と、空調処理された空気を車室内に吹き出す空気吹き出し口52と、空気入口51から導入した空気を空気吹き出し口52に導く主ダクト53とを備え、エバポレータ31は主ダクト53における上流側に、ヒータコア22は主ダクト53における下流側に配置されている。また、空調ダクト50は、エバポレータ31とヒータコア22をバイパスしてエバポレータ31の上流とヒータコア22の下流を短絡するバイパスダクト(空気バイパス路)54を有している。さらに、空気入口51には、空気入口51を開閉するとともにバイパスダクト54を開閉する入口ダンパ55が設けられ、空気吹き出し口52には、空気吹き出し口52を開閉するとともにバイパスダクト54を開閉する出口ダンパ56が設けられている。ここで、入口ダンパ55により空気入口51を閉じるとともに出口ダンパ56により空気吹き出し口52を閉じると、空調ダクト50は主ダクト53とバイパスダクト54で閉回路を形成する。この実施の形態において、入口ダンパ55と出口ダンパ56は空気流路切換手段を構成する。
【0017】なお、コンプレッサ33の駆動モータはエアコン・インバータ61を介してエアコンECU(以下、A/C・ECUと略す)60に接続されている。また、ウォータポンプ21の駆動モータ、エバポレータファン31aの駆動モータ,コンデンサファン35aの駆動モータ、開閉弁24、膨張弁36、開閉弁41、冷媒流路切換弁43はA/C・ECU60に接続され、これらはA/C・ECU60によって制御される。また、ラジエータファン12aの駆動モータ、ウォータポンプ13の駆動モータ、冷却液流路切換弁16はエネルギーマネージメントECU(以下、MG・ECUと略す)62に接続され、これらはMG・ECU62によって制御される。
【0018】上述構成のバッテリ冷却装置1は、通常運転時(ここでは急速充電時以外の時をいう)には次のように作用する。通常運転時、冷却液循環回路10においては冷却液流路切換弁16をラジエータ12側に接続する。これにより、冷却液はバッテリ11とラジエータ12の間で循環し、バッテリ11を冷却して暖められた冷却液は、ラジエータ12で外気に放熱することにより冷却され、ウォータポンプ13により再びバッテリ11に供給される。
【0019】また、通常運転時、冷却液循環回路10から遮断された温液循環回路20と冷媒循環回路30により、車室内の冷房および暖房が行われる。まず、冷房モードでは、開閉弁24を閉じウォータポンプ21を停止して温液循環回路20に温液を循環させない。また、開閉弁41を閉じ、冷媒流路切換弁43によって熱交換器34とコンデンサ35を接続することにより、冷媒循環回路30において冷媒を、図中、破線矢印で示すように、アキュームレータ32→コンプレッサ33→熱交換器34→冷媒流路切換弁43→コンデンサ35→膨張弁36→キャピラリチューブ37→エバポレータ31→アキュームレータ32で形成される閉回路(冷凍サイクル)に流す。すなわち、冷媒循環回路30を冷凍サイクルで運転する。また、空調ダクト50の入口ダンパ55および出口ダンパ56によりバイパスダクト54を遮断し、空気入口51および空気出口52を開放する。これにより、エバポレータ31において冷媒が蒸発し、この気化潜熱により、空調ダクト50の空気入口51から導入された外気または車室内気が冷却され、空気出口52から車室内に冷風が送り込まれる。
【0020】また、暖房モードでは、開閉弁24を開きウォータポンプ21を運転して温液循環回路20に温液を循環させる。また、開閉弁41を開き、膨張弁36を閉じ、冷媒流路切換弁43によってコンデンサ35とアキュームレータ32を接続することにより、冷媒循環回路30において冷媒を、アキュームレータ32→コンプレッサ33→熱交換器34→第1冷媒バイパス路39→ヒータ用キャピラリチューブ42→開閉弁41→コンデンサ35→冷媒流路切換弁43→第2冷媒バイパス路40→アキュームレータ32で形成される閉回路(ヒートポンプサイクル)に流し、エバポレータ31には冷媒を流さない。すなわち、冷媒循環回路30をヒートポンプサイクルで運転する。また、空調ダクト50の入口ダンパ55および出口ダンパ56によりバイパスダクト54を遮断し、空気入口51および空気出口52を開放する。
【0021】これにより、冷媒循環回路30では、コンプレッサ33で高温高圧化された冷媒が熱交換器34で温液循環回路20を流れる温液と熱交換して冷却され、コンデンサ35を通過するときに外気から熱を奪って昇温し、アキュームレータ32に戻る。一方、熱交換器34で冷媒と熱交換して加熱された温水は、ヒータコア22を通過する際に空調ダクト50の空気入口51から導入された外気または車室内気に放熱し、冷却された温水は再び熱交換器34に戻る。そして、ヒータコア22からの放熱により外気または車室内気は暖められ、空気出口52から車室内に温風が送り込まれる。
【0022】次に、バッテリ11を急速充電する場合の作用を説明する。この実施の形態では、バッテリ11の急速充電は電気自動車の運転停止時に実行するものとし、急速充電時には充電に必要な機器(例えば、ウォータポンプ21やコンプレッサ33の駆動モータ等)はバッテリ11を駆動源として駆動するものとする。
【0023】MG・ECU62に急速充電情報が入力されると、ウォータポンプ13を停止し、冷却液流路切換弁16を冷却液バイパス復路15bに接続する。これにより、急速充電時には冷却液はラジエータ12に流れなくなる。また、急速充電情報を入力したMG・ECU62はA/C・ECU60に、開閉弁24の閉弁指令と、冷媒循環回路30の冷凍サイクル運転指令と、ウォータポンプ21の運転指令を出し、さらに、空調ダクト50の入口ダンパ51と出口ダンパ56で空気入口51および空気出口52を閉ざすように空気流路切換指令を出す。
【0024】冷却液流路切換弁16を冷却液バイパス復路15bに接続し、ウォータポンプ21を運転し、開閉弁24を閉じることにより、冷却液循環回路10の冷却液は温液循環回路20の一部を含む閉回路を循環するようになる。すなわち、冷却液は、図中、実線矢印で示すように、ウォータポンプ21→ヒータコア22→冷却液バイパス復路15b→冷却液流路切換弁16→バッテリ11→冷却液バイパス往路15a→ウォータポンプ21の閉回路を循環するようになる。なお、開閉弁24が閉じているので、熱交換器34に冷却液が流れることはない。
【0025】また、冷媒循環回路30の冷凍サイクル運転指令により、開閉弁41が閉じ、冷媒流路切換弁43が熱交換器34とコンデンサ35を接続するので、冷媒循環回路30において冷媒が、図中、破線矢印で示すように、アキュームレータ32→コンプレッサ33→熱交換器34→冷媒流路切換弁43→コンデンサ35→膨張弁36→キャピラリチューブ37→エバポレータ31→アキュームレータ32で形成される閉回路(冷凍サイクル)を循環し、冷媒循環回路30は冷凍サイクルで運転される。
【0026】また、空調ダクト50の入口ダンパ51が空気入口51を閉ざし、出口ダンパ56が空気出口52を閉ざすことにより、空調ダクト50において空気は主ダクト53とバイパスダクト54により形成される閉回路を循環するようになる。その結果、エバポレータ31において冷媒が蒸発し、この気化潜熱により、空調ダクト50の主ダクト53を流れる空気が冷却され、この冷却空気(冷風)がヒータコア22を流れる冷却液と熱交換し、冷却液を急冷する。冷却液と熱交換して暖められた空気はバイパスダクト54を通って再びエバポレータ31の上流に戻る。そして、ヒータコア22において冷却された冷却液はバッテリ11に供給されてバッテリ11を急冷する。バッテリ11を冷却したことにより暖まった冷却液は再びヒータコア22に戻って冷却される。
【0027】なお、バッテリ11の急速充電時に、空調ダクト50内に外気を取り込まずに空調ダクト50内で空気を循環させているので、空調の冷房能力を最大限利用して冷却液を効率的に冷却することができる。また、エバポレータ31の上流の空気温度が安定するので、冷却液温度の制御性も向上する。その結果、外気温度の大小にかかわりなく冷却液を所定温度まで確実に低下させてからバッテリ11に供給することができる。したがって、急速充電時にもバッテリ11を上限温度以下に確実に温度制御することができ、バッテリ11の性能劣化を防止することができる。また、冷却液を冷却するのに車室内空調システムを利用しており、冷却液の冷却に専用のシステムを新たに必要としないので、車両搭載スペースを小さくできるとともに、コストダウンを図ることができる。
【0028】なお、ウォータポンプ21およびヒータコア22の容量は、急速充電時にバッテリ11を所定温度まで冷却するのに必要な冷却液量を流せるように設定しておく。また、この急速充電時には、コンプレッサ33の回転数を変化させることにより昇圧後の冷媒圧力を変化させたり、あるいは、膨張弁36の開度を変化させることによりヒータコア22を流れる冷媒流量を変化させたり、あるいはその両方を行うことによって、冷媒循環流路30における放熱量をバッテリ11における発熱量以上となるように制御する。これにより、バッテリ11の温度上昇を防止して、確実に冷却することができる。
【0029】
【発明の効果】以上説明するように、請求項1に記載した発明によれば、バッテリの充電時には冷却液循環回路の冷却液がバッテリとヒータコアとの間で循環し、空調ダクトを流れる空気がエバポレータで冷却され、この冷却空気がヒータコアを流れる冷却液を冷却するので、この冷却液でバッテリを急冷することができ、バッテリの温度を上限温度以下に確実に温度制御することができるという優れた効果が奏される。また、冷却液を冷却するのに従来からある車室内空調システムを利用しており、冷却液の冷却に専用のシステムを新たに必要としないので、車両搭載スペースを小さくできるとともに、コストダウンを図ることができる。
【0030】請求項2に記載の発明によれば、バッテリ充電時に、外気を取り込まずに空調ダクト内で空気を循環させることができるので、空調の冷房能力を最大限利用して冷却液を効率的に冷却することができるとともに、エバポレータ上流の空気温度が安定し、冷却液温度の制御性が向上し、ひいてはバッテリ温度の制御性が向上するという効果がある。請求項3に記載の発明によれば、バッテリの温度上昇を防止し、冷却が促進されるという効果がある。
【出願人】 【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
【出願日】 平成13年5月28日(2001.5.28)
【代理人】 【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武 (外5名)
【公開番号】 特開2002−354608(P2002−354608A)
【公開日】 平成14年12月6日(2002.12.6)
【出願番号】 特願2001−159556(P2001−159556)