| 【発明の名称】 |
電気自動車のモータ制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】横山 裕
【氏名】野本 大志
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| 【要約】 |
【課題】バッテリが満充電に近い状態でかつ、モータの回転数が高い場合に回生ブレーキの通常回生ポジションと強回生ポジションとの回生ブレーキの強さの差を保つこと。
【解決手段】回生ブレーキの強さを切り替えることができる電気自動車において、バッテリ2が満充電に近くかつ、モータ8が高回転数の場合には、コントローラ10により、回生ブレーキのBレンジにおいて過充電防止手段により発生が抑制される回生トルクの抑制量を考慮して、回生ブレーキのDレンジにおいて発生する回生トルクの値を設定し、回生ブレーキのBレンジとDレンジとの回生ブレーキの強さの差を確保する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 回生ブレーキの強さを強回生ポジションと通常回生ポジションに切り替え可能な電気自動車のモータ制御装置であって、バッテリの電圧を検出する電圧検出手段と、前記電圧検出手段により検出された前記バッテリの電圧が一定の値以上の場合には、前記回生ブレーキにより発生する回生トルクを抑制して前記バッテリの過充電を防止する過充電防止手段と、前記電圧検出手段により検出された前記バッテリの電圧が一定の値以上であって、かつ、モータの回転数が一定の回転数以上の場合に、前記回生ブレーキの前記強回生ポジションにおいて前記過充電防止手段により発生が抑制される回生トルクの抑制量を考慮して、前記回生ブレーキの前記通常回生ポジションにおいて発生する回生トルクの値を設定する回生トルク設定手段とを備えることを特徴とする電気自動車のモータ制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、回生ブレーキの強さを強回生ポジションと通常回生ポジションに切り替え可能な電気自動車のモータ制御装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】一般に、電気自動車においては、エネルギー効率を向上させるために減速時にモータを発電機として用い、制動に伴って失われる運動エネルギーを回収する回生ブレーキを採用している。この回生ブレーキは、減速時に失われる運動エネルギーを電気エネルギーとしてバッテリに蓄えることから、バッテリが満充電に近い状態となっている場合には、バッテリが過充電されないように回生ブレーキにより発生する回生トルクを小さくし、発生する電気エネルギー量を少なくしてバッテリの過充電を防止している。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、回生ブレーキの強さを切り替え可能な電気自動車では、バッテリが満充電に近い状態でかつ、モータの回転数が高い時に回生ブレーキを通常回生ポジションから強回生ポジションに切り替えることにより回生ブレーキの強さを切り替えると、強さを切り替えたにも関わらず回生ブレーキの強さがあまり変化しない状態が発生しドライバーに違和感を与えていた。即ち、モータの回転数が高い状態においては、バッテリの過充電を防ぐために回生ブレーキにより発生する回生トルクを小さくしているため、強さを切り替えても切り替える前とそれ程差が出なくなってしまうという問題があった。 【0004】この発明の課題は、バッテリが満充電に近い状態でかつ、モータの回転数が高い場合に回生ブレーキを通常回生ポジションから強回生ポジションに切り替えた場合であっても、回生ブレーキの強さの差を保つことができる電気自動車のモータ制御装置を提供することである。 【0005】 【課題を解決するための手段】請求項1記載の電気自動車のモータ制御装置は、回生ブレーキの強さを強回生ポジションと通常回生ポジションに切り替え可能な電気自動車のモータ制御装置であって、バッテリの電圧を検出する電圧検出手段と、電圧検出手段により検出されたバッテリの電圧が一定の値以上の場合には、回生ブレーキにより発生する回生トルクを抑制してバッテリの過充電を防止する過充電防止手段と、電圧検出手段により検出されたバッテリの電圧が一定の値以上であって、かつ、モータの回転数が一定の回転数以上の場合に、回生ブレーキの強回生ポジションにおいて過充電防止手段により発生が抑制される回生トルクの抑制量を考慮して、回生ブレーキの通常回生ポジションにおいて発生する回生トルクの値を設定する回生トルク設定手段とを備えることを特徴とする。 【0006】この請求項1記載の電気自動車のモータ制御装置によれば、回生トルク設定手段により、電圧検出手段により検出されたバッテリ電圧が一定の値以上であってかつ、モータの回転数が一定の回転数以上の場合に、回生ブレーキの強回生ポジションにおいて過充電防止手段により発生が抑制される回生トルクの抑制量を考慮して、回生ブレーキの通常回生ポジションにおいて発生する回生トルクを設定するため、バッテリ電圧が一定の値以上であってかつ、モータの回転数が一定の回転数以上の場合においても、回生ブレーキの通常回生ポジションと強回生ポジションのそれぞれにおいて発生する回生トルクの値の差を保つことができる。従って、バッテリ電圧が一定の値以上であってかつ、モータの回転数が一定の回転数以上の場合において、回生ブレーキを通常回生ポジションから強回生ポジションに切り替えた場合に、回生ブレーキが強くならないといった違和感をドライバーに与えるのを防止することができる。 【0007】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明の実施の形態にかかる電気自動車のモータ制御装置について説明する。ここで、電気自動車には、バッテリのみをエネルギー源としモータを駆動して走行する純粋電気自動車と、内燃機関とバッテリを併用して走行するハイブリッド電気自動車の双方が含まれる。 【0008】図1は、この発明の実施の形態にかかる電気自動車のモータ制御を行うモータ制御装置の構成図であり、バッテリ2、電圧計4、インバータ6、モータ8及びコントローラ10を備えて構成されている。この図に示すように、モータ8は、インバータ6を介しバッテリ2から電力供給を受けて回転する。インバータ6は、コントローラ10から供給される制御信号に応じてモータ8の回転数を制御する。 【0009】また、コントローラ10には、電圧計4により検出されるバッテリ2の電圧信号、アクセルペダル(図示せず)の踏み込み量を示すアクセル信号及び回生ブレーキの強さを選択するシフトレバー(図示せず)の位置を示すシフトポジション信号が入力される。コントローラ10は、インバータ6に対して回生ブレーキを作動させた場合に回生ブレーキにより発生させる回生トルクの値を示す回生トルク指令を出力しモータ8の回転を制御する。 【0010】図2は、回生ブレーキにより発生する回生トルクの値とバッテリ2の電圧との関係を示す図である。この図に示すように、回生ブレーキにより発生させる回生トルクは、バッテリ2の電圧がV1以上の場合には、電圧値に反比例して小さくなるように設定されている。即ち、回生ブレーキは、モータ8を減速時に発電機として作用させ発生する電気エネルギーを回生電力としてバッテリ2に送り電力の回生を行うものである。従って、バッテリ2がほぼ満充電に近い状態となっている場合には、強回生電力を受け入れるとバッテリ2が過充電の状態になってしまい、バッテリ2の故障又は劣化を早める原因となる。そのため、バッテリ2の電圧を電圧計4により検出し、電圧が所定の値以上になっている場合には、強い回生ブレーキをかけることにより、強い回生トルクが発生してバッテリ2が過充電されないように回生トルクが低くなるようにしてバッテリ2の過充電を防止している。 【0011】図3は、回生ブレーキの各ポジションにおけるモータ8の回転数と回生ブレーキによる回生トルクの値との関係を示す図である。ここで、回生ブレーキの強さは、シフトポジション、即ち通常回生ポジション(Dレンジ)と強回生ポジション(Bレンジ)を選択することによって切り替えることができる。 【0012】ここで、Dレンジは通常の回生ブレーキの強さを選択するポジションであるため、回生ブレーキの作動時に発生する回生トルクがBレンジに比較して小さく設定されておりかつ、モータ8が高速回転している場合であっても回生トルクの抑制制御(バッテリの過充電防止のための回生トルクの抑制制御)の影響を受けない値が設定されている。一方、Bレンジは、強い回生ブレーキの強さを選択するポジションであるため、回生ブレーキの作動時に発生する回生トルクがDレンジに比較して大きく設定されている。 【0013】次に、回生ブレーキの強さをシフトポジションで切り替え可能な電気自動車において、回生ブレーキを作動させる際のモータ制御について説明する。まず、コントローラ10において、アクセルを踏まない状態又は緩めた状態になったことをアクセル信号に基づいて検出する。その時、回生ブレーキの強さとしてDレンジとBレンジのどちらが選択されているかをシフトレバーの位置を示すシフトポジション信号に基づいて検出する。更に、バッテリ2の電圧を電圧計4からの電圧信号により検出する。 【0014】次に、コントローラ10は、電圧信号、アクセル信号及びシフトポジション信号に基づいて回生トルク値を決定し、この回生トルク値を示すトルク指令をインバータ6に対して出力する。インバータ6は、インバータの出力周波数をトルク指令により示される回生トルクを発生させることができる出力周波数とする。これによりモータ8を発電機として作動させて電気エネルギーを得ると共に制動力を得る。 【0015】ここで、バッテリ2の電圧が所定値以下、即ち満充電に近い状態でない場合には、Dレンジ、Bレンジの何れの場合においても予め設定されている値の回生トルク(図3参照)を発生させるように、コントローラ10からインバータ6に対してトルク指令が出力される。 【0016】一方、バッテリ2の電圧が満充電に近い状態となっている場合には、図4に示す値の回生トルクを発生させるように、コントローラ10からインバータ6に対してトルク指令が出力される。即ち、図2に示すように、バッテリ2の電圧が一定の値以上の場合には、バッテリの過充電を保護するために発生する回生トルクを抑制する制御が働く。その結果、回生ブレーキのBレンジが選択されている場合においては、バッテリ2が満充電に近い状態であってかつ、モータ8の回転数が高い場合に、図4に示すような回生トルクの値が設定されている。また、バッテリ2が満充電に近い状態でかつ、モータ8の回転数が高い場合において、Dレンジが選択されている場合には、回生トルクの値を図4に示すような値(図3に示すDレンジの場合の回生トルクよりも低い値)に設定することによりBレンジを選択している場合との差を確保している。 【0017】即ち、バッテリ2が満充電に近い状態であってかつ、モータ8が高速回転している場合に、Dレンジで回生ブレーキを作動させ、シフトレバーを操作して回生ブレーキをDレンジからBレンジへ変更した時に回生ブレーキの強さに差が出るように予めDレンジの回生トルクの値を低く設定している。 【0018】この発明の実施の形態によれば、回生ブレーキの強さを切り替えることができる電気自動車において、バッテリ2が満充電に近くかつ、モータ8が高回転数の場合には、回生ブレーキのBレンジにおいて過充電防止手段により発生が抑制される回生トルクの抑制量を考慮して、回生ブレーキのDレンジにおいて発生する回生トルクを設定している。そのため、回生ブレーキの強さをDレンジからBレンジに切り替えた場合に、ドライバーに回生ブレーキが強くならないといった違和感を与えることを防止することができる。 【0019】 【発明の効果】この発明によれば、回生トルク抑制手段により、電圧検出手段により検出されたバッテリ電圧が一定の値以上であってかつ、モータの回転数が一定の回転数以上の場合に、回生ブレーキの強回生ポジションにおいて過充電防止手段により発生が抑制される回生トルクの抑制量を考慮して、回生ブレーキの通常回生ポジションにおいて発生する回生トルクを設定するため、バッテリ電圧が一定の値以上であってかつ、モータの回転数が一定の回転数以上の場合においても、回生ブレーキの通常回生ポジションと強回生ポジションのそれぞれにおいて発生する回生トルクの値の差を保つことができる。従って、バッテリ電圧が一定の値以上であってかつ、モータの回転数が一定の回転数以上の場合において、回生ブレーキを通常回生ポジションから強回生ポジションに切り替えた場合に、回生ブレーキが強くならないといった違和感をドライバーに与えるのを防止することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005348 【氏名又は名称】富士重工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年5月17日(2001.5.17) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100112427 【弁理士】 【氏名又は名称】藤本 芳洋
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| 【公開番号】 |
特開2002−345106(P2002−345106A) |
| 【公開日】 |
平成14年11月29日(2002.11.29) |
| 【出願番号】 |
特願2001−147306(P2001−147306) |
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