| 【発明の名称】 |
ハイブリッド車両の制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】小島 正清
【氏名】高岡 俊文
【氏名】陣野 国彦
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| 【要約】 |
【課題】トルク増幅モードでの走行中において充電要求があった場合にエンジンを燃費の良い作動領域で作動させて充電を行うことができるハイブリッド車両の制御装置を提供する。
【解決手段】車両の走行中にトルク増幅モードであると判定され且つ充電要求が判定された場合には、エンジン制御手段108により、エンジン14の出力トルクが充電要求中の値TECまで増加させられ且つそのエンジン14の出力トルクの一部によってSMG70が発電させられることから、エンジン14の回転速度NE を増加させることなくSMG70が発電させられることによりエンジン14の出力トルクの一部が消費されることから、エンジン14の回転速度NE がそれほど上昇させられることなく充電が行われるので、トルク増幅モードでの走行中において充電要求があった場合にエンジン14を燃費の良い低回転高トルク作動領域で作動させて充電を行うことができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電動機の出力トルクと内燃機関の出力トルクとをトルク合成分配機構を介して駆動輪へ伝達する形式のハイブリッド車両の制御装置であって、前記内燃機関のクランク軸に連結されたジェネレータと、前記内燃機関の出力トルクに電動機の出力トルクが加えられて駆動輪へ伝達されるトルク増幅モードであるか否かを判定するトルク増幅モード判定手段と、前記蓄電装置の充電要求があったか否かを判定する充電要求判定手段と、車両の走行中に、該トルク増幅モード判定手段によりトルク増幅モードであると判定され且つ該充電要求判定手段により充電要求が判定された場合には、前記内燃機関の出力トルクを増加させ、該内燃機関の出力トルクの一部により前記ジェネレータに発電させる内燃機関制御手段とを、含むことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 【請求項2】 前記トルク合成分配機構は、サンギヤ、リングギヤ、それらに噛み合う遊星ギヤを自転公転可能に支持するキャリヤの3要素を有する遊星歯車装置であり、該3要素のうちの第1要素が前記内燃機関に連結され、第2要素が前記電動機に連結され、第3要素が変速機の入力軸に連結されたものである請求項1のハイブリッド車両の制御装置。 【請求項3】 前記トルク増幅モード判定手段によりトルク増幅モードであると判定された場合は、前記内燃機関が定回転状態となるように制御する定回転制御手段を含むものである請求項1または2のハイブリッド車両の制御装置。 【請求項4】 前記定回転制御手段は、前記内燃機関が定回転となるように前記ジェネレータの発電量を制御するものである請求項3のハイブリッド車両の制御装置。 【請求項5】 前記車両の負荷が大きい状態であるか否かを判定する負荷判定手段を含み、該負荷判定手段により負荷が大きい状態であると判定された場合には、前記内燃機関制御手段は、前記内燃機関の回転速度をそれまでよりも増加させ、前記定回転制御手段は、前記ジェネレータに代えて前記電動機により発電させるものである請求項4のハイブリッド車両の制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、電動機の出力トルクと内燃機関の出力トルクとをトルク合成分配機構を介して駆動輪側へ伝達する形式のハイブリッド車両の制御装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】電動機の出力トルクと内燃機関の出力トルクとをトルク合成分配機構を介して駆動輪側へ伝達する形式のハイブリッド車両の走行中においては、その車両の走行モードのうち、比較的大きな駆動トルクを必要とするときなどに内燃機関の出力トルクと電動機の出力トルクとを合わせて変速機および駆動輪側へ伝達する走行モード、すなわち内燃機関の出力トルクよりも大きな駆動トルクが変速機および駆動輪側へ伝達されるトルク増幅モードが選択される場合がある。このようなトルク増幅モードでの走行では、電動機はその出力トルクを発生させるために電力を消費している。たとえば、特開平11−262106号公報に記載されているようなハイブリッド車両がそれである。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところで、ハイブリッド車両では、走行中に蓄電装置の充電残量が所定値以下になると充電要求が出されるので、その充電要求に従ってその蓄電装置の充電を開始する必要がある。しかしながら、トルク増幅モードで走行中にその充電要求が出されると、前記従来のハイブリッド車両では、それまで原動機として機能していた電動機を逆回転状態で発電させる必要があるために内燃機関の回転速度をそれまでよりも大幅に増大させねばならないので、内燃機関が燃費の悪い高回転低トルク領域で作動させられ、車両の燃費効率が得られないという欠点があった。 【0004】本発明は以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、トルク増幅モードでの走行中において充電要求があった場合にエンジンを燃費の良い作動領域で作動させて充電を行うことができるハイブリッド車両の制御装置を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、電動機の出力トルクと内燃機関の出力トルクとをトルク合成分配機構を介して駆動輪へ伝達する形式のハイブリッド車両の制御装置であって、(a) 前記内燃機関のクランク軸に連結されたジェネレータと、(b) 前記内燃機関の出力トルクに電動機の出力トルクが加えられて駆動輪へ伝達されるトルク増幅モードであるか否かを判定するトルク増幅モード判定手段と、(c) 前記蓄電装置の充電要求があったか否かを判定する充電要求判定手段と、(d) 車両の走行中に、トルク増幅モード判定手段によりトルク増幅モードであると判定され且つ充電要求判定手段により充電要求が判定された場合には、前記内燃機関の出力トルクを増加させ且つ該内燃機関の出力トルクによって前記ジェネレータレータに発電させる内燃機関制御手段とを、含むことにある。 【0006】 【発明の効果】このようにすれば、車両の走行中にトルク増幅モードであると判定され且つ充電要求が判定された場合には、内燃機関制御手段により、内燃機関の出力トルクが増加させられ且つその内燃機関の出力トルクによってジェネレータが発電させられる。このため、内燃機関の回転速度を増加させることなくジェネレータが発電させられることにより内燃機関の出力トルクの一部が消費されることから、内燃機関の回転速度がそれほど上昇させられることなく充電が行われるので、トルク増幅モードでの走行中において充電要求があった場合に内燃機関を燃費の良い低回転高トルク作動領域で作動させて充電を行うことができる。 【0007】 【発明の他の態様】ここで、好適には、前記トルク合成分配機構は、サンギヤ、リングギヤ、それらに噛み合う遊星ギヤを自転公転可能に支持するキャリヤの3要素を有する遊星歯車装置であり、それら3要素のうちの第1要素が前記内燃機関に連結され、第2要素が前記電動機に連結され、第3要素が変速機の入力軸に連結されたものである。 【0008】また、好適には、前記トルク増幅モード判定手段によりトルク増幅モードであると判定された場合は、前記内燃機関を定回転状態となるように制御する定回転制御手段をさらに含むものである。このようにすれば、トルク増幅モードで走行中に充電要求があったときでも、内燃機関の回転速度が変化しないで充電が行われるので、充電開始時に何らの違和感が発生せず運転性が高められる。上記定回転制御手段は、好適には、内燃機関の回転速度が定回転となるように前期ジェネレータの発電量を制御する。 【0009】また、好適には、前記車両の負荷が大きい状態であるか否かを判定する負荷判定手段を含み、その負荷判定手段により負荷すなわち(要求)駆動力が大きい状態であると判定された場合には、前記内燃機関制御手段は、前記内燃機関の回転速度をそれまでよりも増加させ、前記定回転制御手段は、前記ジェネレータに代えて前記電動機により発電させるものである。このようにすれば、大きな要求駆動力と充電要求とに対して同時に対応することができる。 【0010】 【発明の好適な実施の形態】以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は、本発明が適用されたハイブリッド車両のハイブリッド制御装置10を説明する概略構成図であり、図2は図1のハイブリッド車両の動力伝達系すなわち変速機12を含む動力伝達装置(駆動装置)の構成を説明する骨子図である。 【0011】図1および図2において、ハイブリッド車両の動力伝達系は、供給された燃料の燃焼でその供給量に応じた大きさの動力すなわち出力トルクを発生する内燃機関であるエンジン14、電動機および発電機として機能するフロントモータジェネレータ(以下、FMGという)16、およびダブルピニオン型の遊星歯車装置18を備えて構成されており、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)車両などに横置きに搭載されて使用される。遊星歯車装置18のサンギヤ18sにはエンジン14が連結され、リングギヤ18rおよびサンギヤ18sに噛み合う遊星ギア18pを自転公転可能に支持するキャリア18cにはFMG16が連結され、リングギヤ18rは第1ブレーキB1を介してケース20に連結されるようになっている。また、キャリア18cは第1クラッチC1を介して変速機12の入力軸22に連結され、リングギヤ18rは第2クラッチC2を介して入力軸22に連結されるようになっている。上記エンジン14およびFMG16はハイブリッド車両の原動機として機能し、遊星歯車装置18は歯車式差動装置であって動力の合成分配機構として機能している。 【0012】上記クラッチC1、C2および第1ブレーキB1は、何れも油圧アクチュエータによって摩擦係合させられる湿式多板式の油圧式摩擦係合装置であり、たとえば図3に示す油圧制御回路24から供給される作動油によって摩擦係合させられるようになっている。図3は、油圧制御回路24の要部を示す図であり、図示しない電動ポンプを含む電動式油圧発生装置26で発生させられた元圧PCが、マニュアルバルブ28を介してシフトレバー30(図1参照)のシフトポジションに応じて各クラッチC1、C2、ブレーキB1へ供給されるようになっている。シフトレバー30は、運転者によって操作されるシフト操作部材で、本実施例では「B」、「D」、「N」、「R」、「P」の5つのシフトポジションに選択操作されるようになっており、マニュアルバルブ28はケーブルやリンク等を介してシフトレバー30に連結され、そのシフトレバー30の操作に従って機械的に切り換えられるようになっている。 【0013】「B」ポジションは、前進走行時に変速機12のダウンシフトなどにより比較的大きな動力源ブレーキが発生させられるシフトポジションで、「D」ポジションは前進走行するシフトポジションであり、これ等のシフトポジションでは出力ポート28aからクラッチC1およびC2へ元圧PCが供給される。第1クラッチC1へは、シャトル弁31を介して元圧PCが供給されるようになっている。「N」ポジションは動力源からの動力伝達を遮断するシフトポジションで、「R」ポジションは後進走行するシフトポジションで、「P」ポジションは動力源からの動力伝達を遮断するとともに図示しないパーキングロック装置により機械的に駆動輪の回転を阻止するシフトポジションであり、これ等のシフトポジションでは出力ポート28bから第1ブレーキB1へ元圧PCが供給される。出力ポート28bから出力された元圧PCは戻しポート28cへも入力され、上記「R」ポジションでは、その戻しポート28cから出力ポート28dを経てシャトル弁31から第1クラッチC1へ元圧PCが供給されるようになっている。 【0014】クラッチC1、C2、およびブレーキB1には、それぞれコントロール弁32、34、36が設けられ、それ等の油圧PC1、PC2、PB1が制御されるようになっている。クラッチC1の油圧PC1についてはON−OFF弁38によって調圧され、クラッチC2およびブレーキB1についてはリニアソレノイド弁40によって調圧されるようになっている。 【0015】そして、上記クラッチC1、C2、およびブレーキB1の作動状態に応じて、図4に示す各走行モードが成立させられる。すなわち、「B」ポジションまたは「D」ポジションでは、「ETCモード」、「直結モード」、「モータ走行モード(前進)」の何れかが成立させられ、「ETCモード」では、第2クラッチC2を係合するとともに第1クラッチC1および第1ブレーキB1を開放した状態、言い換えればサンギヤ18s、キャリア18c、およびリングギヤ18rが相対回転可能な状態で、エンジン14およびFMG16を共に作動させてサンギヤ18sおよびキャリア18cにトルクを加え、リングギヤ18rを回転させて車両を前進走行させる。「直結モード」では、クラッチC1、C2を係合するとともに第1ブレーキB1を開放した状態で、エンジン14を作動させて車両を前進走行させる。「直結モード」ではまた、モータ走行用の電気エネルギを蓄えるバッテリ42(図1参照)の蓄電量(残容量)SOCに応じて、FMG16を力行制御するとともにその分だけエンジントルクを削減したり、FMG16を発電制御するとともにその分だけエンジントルクを増加させたりすることにより、蓄電量SOCを例えば充放電効率が優れた適正な範囲内に保持するようになっている。また、「モータ走行モード(前進)」では、第1クラッチC1を係合するとともに第2クラッチC2および第1ブレーキB1を開放させることにより、エンジン14を切り離した状態でFMG16だけで車両を駆動して前進走行させる。上記第2クラッチC2は、「直結モード」から「モータ走行モード」への切換時に解放させられて、エンジン14を動力伝達系から切り離すものであるので、エンジン14と駆動輪52或いは変速機12との間で動力を伝達し或いは遮断する動力伝達開閉装置として機能している。 【0016】図5は、上記前進モードにおける遊星歯車装置18の作動状態を説明するための共線図であって、「S」はサンギヤ18s、「R」はリングギヤ18r、「C」はキャリア18cを表しているとともに、それ等の間隔はギヤ比ρ(=サンギヤ18sの歯数/リングギヤ18rの歯数)によって定まる。具体的には、「S」と「C」の間隔を1とすると、「R」と「C」の間隔がρになり、本実施例ではρがたとえば0.6程度である。また、図5(a) のETCモードにおけるトルク比は、エンジントルクTe:CVT入力軸トルクTin:モータトルクTm=ρ:1:1−ρであり、モータトルクTmはエンジントルクTeより小さくて済むとともに、定常状態ではそれ等のモータトルクTmおよびエンジントルクTeを加算したトルクがCVT入力軸トルクTinになる。CVTは無段変速機の意味であり、本実施例では変速機12としてベルト式無段変速機が設けられている。 【0017】図4に戻って、「N」ポジションまたは「P」ポジションでは、「ニュートラル」または「充電・Eng始動モード」の何れかが成立させられ、「ニュートラル」ではクラッチC1、C2および第1ブレーキB1の何れも開放する。「充電・Eng始動モード」では、クラッチC1、C2を開放するとともに第1ブレーキB1を係合し、FMG16を逆回転させてエンジン14を始動したり、エンジン14により遊星歯車装置18を介してFMG16を回転駆動するとともに発電制御することにより、電気エネルギーを発生させてバッテリ42を充電したりする。 【0018】「R」ポジションでは、「モータ走行モード(後進)」または「フリクション走行モード」が成立させられ、「モータ走行モード(後進)」では、第1クラッチC1を係合するとともに第2クラッチC2および第1ブレーキB1を開放した状態で、FMG16を逆方向へ回転駆動してキャリア18c、更には入力軸22を逆回転させることにより車両を後進走行させる。「フリクション走行モード」は、上記「モータ走行モード(後進)」での後進走行時にアシスト要求が出た場合に実行されるもので、エンジン14を始動してサンギヤ18sを正方向へ回転させるとともに、そのサンギヤ18sの回転に伴ってリングギヤ18rが正方向へ回転させられている状態で、第1ブレーキB1をスリップ係合させてそのリングギヤ18rの回転を制限することにより、キャリア18cに逆方向の回転力を作用させて後進走行をアシストするものである。 【0019】前記変速機12はベルト式無段変速機であり、その出力軸44からカウンタ歯車46を経て差動装置48のリングギヤ50に動力が伝達され、その差動装置48により左右の駆動輪(本実施例では前輪)52に動力が分配される。変速機12は、一対の可変プーリ12a、12bを備えており、油圧シリンダによってV溝幅が変更されることにより変速比γ(=入力軸回転速度Nin/出力軸回転速度Nout )が連続的に変化させられるとともに、ベルト張力が調整されるようになっている。前記油圧制御回路24は、変速機12の変速比γやベルト張力を制御するための回路を備えており、共通の電動式油圧発生装置26から作動油が供給される。油圧制御回路24の作動油はまた、オイルパンに蓄積されて遊星歯車装置18や差動装置48を潤滑するとともに、一部がFMG16に供給されて、FMG16のハウジング内を流通したりハウジングに形成された冷却通路を流通したりハウジングに接して流通したりすることにより、そのFMG16を冷却するようになっている。 【0020】本実施例のハイブリッド制御装置10において、ハイブリッド用電子制御装置であるHVECU60は、CPU、RAM、ROM等を備えていて、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を実行することにより、電子スロットルECU62、エンジンECU64、M/GECU66、T/MECU68、前記油圧制御回路24のON−OFF弁38、リニアソレノイド弁40、エンジン14のスタータ、補機駆動モータ、および発電機などとして機能するスタータモータジェネレータ(以下、SMGという)70などを制御する。電子スロットルECU62はエンジン14の電子スロットル弁72の開度を図示しないアクチュエータを用いて制御するものである。エンジンECU64はエンジン14の燃料噴射量や可変バルブタイミング機構、点火時期などによりエンジン出力を制御するものである。M/GECU66はインバータ74を介してFMG16の力行トルクや回生制動トルク等を制御するものである。T/MECU68は変速機12の変速比γやベルト張力などを制御するものである。上記SMG70は電動機および発電機として機能するものであってエンジン14に作動的に連結されており、ベルト或いはチェーンなどの動力伝達装置を介してエンジン14のクランクシャフトに連結されている。 【0021】上記HVECU60には、アクセル操作量センサ76からアクセル操作部材としてのアクセルペダル78の操作量θacを表す信号が供給されるとともに、シフトポジションセンサ80からシフトレバー30のシフトポジションを表す信号が供給される。また、エンジン回転速度センサ82、モータ回転速度センサ84、入力軸回転速度センサ86、出力軸回転速度センサ88、CVT油温センサ90から、それぞれエンジン回転速度(回転数)Ne、モータ回転速度(回転数)Nm、入力軸回転速度(入力軸22の回転速度)Nin、出力軸回転速度(出力軸44の回転速度)Nout 、油圧制御回路24の作動油の温度THCVT を表す信号がそれぞれ供給される。出力軸回転速度Nout は車速Vに対応する。この他、バッテリ42の蓄電量SOCなど、運転状態を表す種々の信号が供給されるようになっている。蓄電量SOCは単にバッテリ電圧であっても良いが、充放電量を逐次積算して求めるようにしても良い。上記アクセル操作量θacは運転者の出力要求量に相当するものであり、前記電子スロットル弁72の開度は基本的にはそのアクセル操作量θacに応じて制御される。 【0022】図6は、上記ハイブリット用電子制御装置であるHVECU60の制御機能の要部、すなわち第1クラッチC1が解放され且つ第2クラッチC2が係合された「ETCモード」中においてエンジン14の出力トルクとFMGの出力トルク(供給電力による力行時に出力される正トルク)とが合成されることによりエンジン14の出力トルクよりも大きいトルクが変速機12の入力軸22へ出力されるトルク増幅モードで走行中に充電要求があった場合のエンジン回転速度制御機能或いはエンジントルク制御機能を説明する機能ブロック線図である。図6において、トルク増幅モード判定手段100は、エンジン14の出力トルクにFMG16の出力トルクが加えられて駆動輪へ伝達されるトルク増幅モードであるか否かを、エンジン14およびFMG16への指令信号などに基づいて判定する。充電要求判定手段102は、バッテリ(蓄電装置)42の充電残量SOCが予め定められた値を下まわったことに基づく充電要求があったか否かを判定する。 【0023】ジェネレータ制御手段104は、車両の走行中に上記トルク増幅モード判定手段100によりトルク増幅モードであると判定され且つ充電要求判定手段102により充電要求が判定された場合は、そのトルク増幅モードでの車両の駆動走行条件を充電要求前に比較して変化させないようにそれまでと同様のトルクをFMG16から出力させるように駆動電力を供給するとともに、後述のトルクTSMGにより回転駆動されるSMG70の発電量を制御することにより、エンジン回転速度NE を目標値である充電要求前の値にフィードバック制御してエンジン回転速度NE を維持する。このジェネレータ制御手段104は、エンジン回転速度NE を定回転となるように制御するので、定回転制御手段としても機能している。 【0024】エンジン出力トルク決定手段106は、車両の走行中に、上記トルク増幅モード判定手段100によりトルク増幅モードであると判定され且つ充電要求判定手段102により充電要求が判定された場合は、バッテリ42の充電のためのSMG70を回転駆動するために消費されるトルクTSMG をそのときに出された充電要求量を満足するようにその充電要求量に基づいて決定し、充電要求前のそれまでのエンジン出力トルクTE にそのSMG70の駆動に必要なトルクTSMG を加算することにより充電要求前の値から増加させられた充電中のエンジン出力トルクTECを決定する。 【0025】内燃機関制御手段すなわちエンジン制御手段108は、上記のように車両の走行中にトルク増幅モード判定手段100によりトルク増幅モードであると判定され且つ充電要求判定手段102により充電要求が判定された場合は、上記エンジン出力トルク決定手段106により決定された充電中のエンジン出力トルクTECが得られるようにエンジン14のトルクを制御してそれまでの出力トルクから増加させ、そのエンジン12の出力トルクの一部によって上記SMG70を回転駆動することによりそのSMG70に発電させてバッテリ42を充電させる。 【0026】図7は、このようなトルク増幅モードで走行中に充電要求が出されたときの共線図を示している。上記の制御により、エンジン14の出力トルクTE は上記充電中のエンジン出力トルクTECへ増加させられているけれども、その充電中のエンジン出力トルクTECの一部がSMG70の駆動に必要なトルクTSMG として消費されるため、駆動系には充電要求前と同じトルクが伝達されるので、図7においてサンギヤ18sの回転速度(エンジン14の回転速度NE )、リングギヤ18rの回転速度(変速機12の入力軸22の回転速度NIN)、キャリヤ18cの回転速度(FMG16の回転速度)を結ぶ直線は、充電要求が出される前に比較して変化がない。このため、図8内において、エンジン14の作動点は、充電要求が出される前のA点からエンジン回転速度NE が同じである高トルクのB点へ等燃費曲線を横切って燃費がよくなる側へ移動させられる。因みに、従来の制御では、充電要求が出されとエンジン回転速度NE が高められるので、図9の破線に示す状態となり、図8において充電要求が出される前のA点からエンジン回転速度NE が高く且つ同様のトルクのC点へ等燃費曲線に沿って移動させられる。上記図7および図9において、上向きの矢印は駆動トルク(正トルク)を示し、下向きの矢印は負荷トルクを示しており、FMG16は駆動トルクを出力(力行)していることからモータとして機能している。 【0027】図10は、上記ハイブリット用電子制御装置であるHVECU60の制御作動の要部すなわちトルク増幅モードで走行中に充電要求があったときのエンジン回転速度制御或いはエンジントルク制御を説明するフローチャートである。図10において、前記トルク増幅モード判定手段100に対応するステップ(以下、ステップを省略する)SA1では、ハイブリッド車両がトルク増幅モードで走行中であるか否かが判断される。このSA1の判断が否定される場合は本ルーチンが終了させられるが、肯定される場合は、前記充電要求判定手段102に対応するSA2において、充電要求が行われたか否かが判断される。このSA2の判断が否定される場合は本ルーチンが終了させられるが、肯定される場合は、前記エンジン出力トルク決定手段106に対応するSA3において、車両がトルク増幅モードで走行し且つ充電要求中である場合のエンジン14の出力トルクTECが充電要求量に基づいて決定されると同時に、前記エンジン制御手段108に対応するSA4において、エンジン14の出力が上記出力トルクTECまで増大させられ、次いで前記ジェネレータ制御手段104に対応するSA5において、車両がトルク増幅モードで走行し且つ充電要求中である場合に、それまでの駆動走行条件から変化させないようにそれまでと同様のトルクをFMG16から出力させるように駆動電力が供給されるとともに、エンジン回転速度NE が一定となるようにSMG70に発電量が制御される。 【0028】上述のように、本実施例のハイブリッド制御装置10によれば、車両の走行中にトルク増幅モードであると判定され且つ充電要求が判定された場合には、エンジン制御手段108(SA4)により、エンジン14の出力トルクが充電要求中の値TECまで増加させられ且つそのエンジン14の出力トルクの一部によってSMG70が発電させられることから、エンジン14の回転速度NE を増加させることなくSMG70が発電させられることによりエンジン14の出力トルクの一部が消費されることから、エンジン14の回転速度NE がそれほど上昇させられることなく充電が行われるので、トルク増幅モードでの走行中において充電要求があった場合にエンジン14を燃費の良い低回転高トルク作動領域で作動させて充電を行うことができる。 【0029】また、本実施例において、エンジン14およびFMG16の出力トルクを変速機12へ伝達するためのトルク合成分配機構として、サンギヤ18s、リングギヤ18r、それらに噛み合う遊星ギヤ18pを自転公転可能に支持するキャリヤ18cの3要素を有する遊星歯車装置18が用いられており、それら3要素のうちの第1要素(サンギヤ18s)がエンジン14のクランク軸に連結され、第2要素(キャリヤ18c)がFMG16に連結され、第3要素(リングギヤ18r)が変速機12の入力軸22に連結されたものであるので、トルク合成分配機構が簡単に構成される。 【0030】また、好適には、トルク増幅モード判定手段100によりトルク増幅モードであると判定された場合は、エンジン14が定回転状態となるようにSMG70の発電量すなわち消費トルクを制御するジェネレータ制御手段104を含むものであることから、トルク増幅モードで走行中に充電要求があったときでも、エンジン14の回転速度NE が変化しないでバッテリ42の充電が行われるので、充電開始時に何らの違和感が発生せず運転性が高められる。 【0031】次に、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の説明において前述の実施例と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。 【0032】図11は、ハイブリッド用電子制御装置であるHVECU60の制御機能の他の例を説明する機能ブロック線図であり、図12はそのHVECU60の制御作動の他の例を説明するフローチャートである。図11の機能ブロック線図は、図6の機能ブロック線図に比較して、車両の負荷、車両駆動力、或いは原動機の要求負荷を表すアクセルペダル78の操作量θacが大きいか否かを判定する負荷判定手段110が設けられている点において相違し、他は同様である。本実施例では、トルク増幅モードで走行中に充電要求が出た場合は、上記負荷判定手段110により、アクセルペダル78の操作量θacが判断基準値θj 以下、すなわち車両が低負荷状態であると判定された場合は、図6の実施例と同様に、SMG70で発電させてその駆動に必要なトルクTSMG をエンジン出力トルクTECから差し引くことにより車両の駆動に用いられるトルク(TEC−TSMG )が充電要求前の値と同等とされ、エンジン14が低回転速度且つ高トルクの高効率側の作動点たとえば図8のB点で作動させられる。図12の実線はこの状態を示している。 【0033】上記負荷判定手段110により、アクセルペダル78の操作量θacが判断基準値θj より上まわったと判定された場合、すなわち車両が高負荷状態であると判定された場合には、ジェネレータ制御手段104がSMG70を用いない代わりにFMG16に負回転正トルクで発電させると同時に、エンジン制御手段108がエンジン14をそれまでよりも高回転速度で作動させる。図12の1点鎖線はこの状態を示している。これにより、一時的な大きな要求駆動力に対してエンジン出力トルクで対応すると同時に、低負荷時のようにFMG16を力行させないようにしてそのFMG16による放電(電力消費)量の増大による充電量不足にもそのFMG16による発電で対応するようになっている。 【0034】図13は、本実施例のハイブリッド用電子制御装置であるHVECU60の制御作動を説明するフローチャートである。図13において、前記トルク増幅モード判定手段100に対応するSB1では、ハイブリッド車両がトルク増幅モードで走行中であるか否かが判断される。このSB1の判断が否定される場合は本ルーチンが終了させられるが、肯定される場合は、前記充電要求判定手段102に対応するSB2において、充電要求が行われたか否かが判断される。このSB2の判断が否定される場合は本ルーチンが終了させられるが、肯定される場合は、前記負荷判定手段110に対応するSB3において、アクセルペダル78の操作量(アクセル開度)θacが予め設定された判断基準値θj よりも大きいか否かが判断される。このSB3の判断が否定される場合すなわち低負荷である場合は、図10のSA3乃至SA5と同様に、前記エンジン出力トルク決定手段106に対応するSB4において、車両がトルク増幅モードで走行し且つ充電要求中である場合のエンジン14の出力トルクTECが充電要求量に基づいて決定されると同時に、前記エンジン制御手段108に対応するSB5において、エンジン14の出力が上記出力トルクTECまで増大させられ、次いで前記ジェネレータ制御手段104に対応するSB6において、車両がトルク増幅モードで走行し且つ充電要求中である場合に、それまでの駆動走行条件から変化させないようにそれまでと同様のトルクをFMG16から出力させるように駆動電力が供給されるとともに、エンジン回転速度NE が一定となるようにSMG70に発電量が制御される。 【0035】前記SB3の判断が肯定される場合すなわち高負荷である場合は、前記エンジン出力トルク決定手段106に対応するSB7において、車両がトルク増幅モードで走行し且つ充電要求中である場合の充電要求量を満足する発電量をFMG16から出力させ得るエンジン回転速度或いはそれを得るためのエンジン出力トルクが決定される。次いで前記エンジン制御手段108に対応するSB8において、エンジン14の回転速度が上記SB7において決定された回転速度まで増大させられ、次いで前記ジェネレータ制御手段104に対応するSB9において、FMG16が負回転正トルクで駆動されてそれからバッテリ42を充電するための発電電力が出力させられる。 【0036】上述のように、本実施例においては、トルク増幅モード走行中における充電要求に際して、低負荷の場合は、エンジン14の出力トルクを増大させてその一部をSMG70で消費させることによりエンジン14の回転速度を変化させないでそれを効率の高い作動領域内で作動させつつ充電要求に対応し、高負荷の場合は、エンジン14の回転速度を高めてFMG16を負回転正トルクで駆動することにより、高負荷および充電要求に対応するように構成されている。このため、本実施例によれば、低負荷の場合には、トルク増幅モードでの走行中において充電要求があった場合に内燃機関を燃費の良い低回転高トルク作動領域で作動させて充電を行うことができるなど、前述の実施例と同様の効果が得られる。また、一時的な高要求負荷に対しては、エンジン14の高回転速度状態の高出力で対応し、車両の高加速性および充電要求を同時に満足させることができる。 【0037】以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これはあくまでも一実施形態であり、本発明はその他の態様においても適用される。 【0038】たとえば、前述の第1実施例では、遊星歯車装置(トルク合成分配機構)18に動力を入力させるものとしてエンジン14の他にFMG16が用いられていたが、電動機であってもよい。また、エンジン14のクランク軸に作動的に連結されたジェネレータとしてエンジンスタータ用のSMG70が用いられていたが、単なる発電機であってもよい。 【0039】また、車両のトルク合成分配機構として遊星歯車装置18が用いられていたが、摩擦式トルク合成分配機構など他の機構であっても差し支えない。 【0040】また、車両の動力伝達機構は、変速比を変更可能な無段変速機や遊星歯車式有段変速機、或いは前後進切換装置、合成分配機構など、動力伝達を行う種々の装置を備えたものであってもよい。 【0041】また、前述の図10において、SMG70による発電を行うSA5がSA3の前に実行されても差し支えない。 【0042】又、前述の実施例において、ジェネレータ制御手段104によりSMG70の発電量を制御することによりエンジン回転速度NE が定回転とされていたが、スロットル開度θや点火時期の調節により定回転とされてもよい。 【0043】以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実施することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003207 【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年4月27日(2001.4.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100085361 【弁理士】 【氏名又は名称】池田 治幸
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| 【公開番号】 |
特開2002−325310(P2002−325310A) |
| 【公開日】 |
平成14年11月8日(2002.11.8) |
| 【出願番号】 |
特願2001−131834(P2001−131834) |
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