| 【発明の名称】 |
ハイブリッド車両 |
| 【発明者】 |
【氏名】赤津 観
【氏名】中野 正樹
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| 【要約】 |
【課題】複数の回転電機を備えたハイブリッド車両において各回転電機の効率的に利用できるようにし、各回転電機に必要とされる容量を小さくする。
【解決手段】ハイブリッド車両は、エンジン3と、第1の回転電機1と、第1の回転電機1と異なる特性を有する第2の回転電機2と、駆動輪5に接続される駆動軸4と、少なくとも、第1の回転電機1とエンジン3とが機械的に接続されるとともに第2の回転電機2と駆動軸4とが機械的に接続される第1の接続状態と、第1の回転電機1と駆動軸4とが機械的に接続されるとともに第2の回転電機2とエンジン1とが機械的に接続される第2の接続状態とを切り換えることができる切換機構10、20とを備える。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】エンジンと、第1の回転電機と、前記第1の回転電機と異なる特性を有する第2の回転電機と、駆動輪に接続される駆動軸と、少なくとも、前記第1の回転電機と前記エンジンとが機械的に接続されるとともに前記第2の回転電機と前記駆動軸とが機械的に接続される第1の接続状態と、前記第1の回転電機と前記駆動軸とが機械的に接続されるとともに前記第2の回転電機と前記エンジンとが機械的に接続される第2の接続状態とを切り換えることができる切換機構と、を備えたことを特徴とするハイブリッド車両。 【請求項2】前記第1、第2の回転電機に異なる速度−トルク特性を持たせたことを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両。 【請求項3】前記第1、第2の回転電機の極数を異ならせることで前記第1、第2の回転電機に異なる速度−トルク特性を持たせたことを特徴とする請求項2に記載のハイブリッド車両。 【請求項4】前記第1、第2の回転電機の永久磁石量を異ならせることで前記第1、第2の回転電機に異なる速度−トルク特性を持たせたことを特徴とする請求項2に記載のハイブリッド車両。 【請求項5】前記第1、第2の回転電機に異なる効率特性を持たせたことを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両。 【請求項6】前記第1、第2の回転電機に異なる力率特性を持たせたことを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両。 【請求項7】前記第1、第2の回転電機を同軸多重回転電機で構成したことを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両。 【請求項8】前記第1、第2の回転電機に異なる容量を持たせたことを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両。 【請求項9】回転電機のロータ及びステータの径方向長さあるいは軸方向長さを異ならせることで前記第1、第2の回転電機に異なる容量を持たせたことを特徴とする請求項8に記載のハイブリッド車両。 【請求項10】前記切換機構は、バッテリの残存容量が少ないときは前記第1、第2の回転電機のうち容量の大きい方を前記エンジンに接続することを特徴とする請求項8に記載のハイブリッド車両。 【請求項11】前記切換機構は、前記第1及び第2の回転電機の運転可能領域が重複する場合は、より効率の良いほうの回転電機が前記駆動軸に接続されるように接続状態を切り換えることを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両。 【請求項12】前記切換機構を、前記エンジンを前記第1の回転電機あるいは第2の回転電機に機械的に接続する第1の接続切換手段と、前記駆動軸を前記第1の回転電機あるいは第2の回転電機に機械的に接続する第2の接続切換手段と、で構成したことを特徴とする請求項1から11までのいずれか一つに記載のハイブリッド車両。 【請求項13】前記切換機構を、前記エンジンと前記第1の回転電機とを機械的に接続あるいは非接続とする第1の接続切換手段と、前記エンジンと前記第2の回転電機とを機械的に接続あるいは非接続とする第2の接続切換手段と、前記駆動軸と前記第1の回転電機とを機械的に接続あるいは非接続とする第3の接続切換手段と、前記駆動軸と前記第2の回転電機とを機械的に接続あるいは非接続とする第4の接続切換手段と、で構成したことを特徴とする請求項1から11までのいずれか一つに記載のハイブリッド車両。 【請求項14】前記切換機構を、前記第1の回転電機を前記エンジンあるいは前記駆動軸に機械的に接続する第1の接続切換手段と、前記第2の回転電機を前記エンジンあるいは駆動軸に機械的に接続する第2の接続切換手段と、で構成したことを特徴とする請求項1から11までのいずれか一つに記載のハイブリッド車両。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【産業上の利用分野】本発明は発電用、車両駆動用として複数の回転電機を備えたハイブリッド車両に関する。 【0002】 【従来の技術】従来のハイブリッド車両としては、特開平11-313407号公報に開示されているものが知られている。 【0003】 【発明が解決しようとしている問題点】上記従来技術では、エンジンの発生する駆動力を第1の回転電機と第2の回転電機とに分配する遊星歯車機構と、この遊星歯車機構と第2の回転電機との間にクラッチを備えることにより、エンジンと車輪の駆動軸との間の無段変速を可能とするとともにシリーズ方式とパラレル方式との切り換えを実現している。 【0004】しかしながら、上記従来のハイブリッド車両では、シリーズ方式及びパラレル方式のどちらの場合でも、エンジンの運転時に前記第1及び第2の回転電機の役割がそれぞれ固定されており、第1の回転電機が発電用、第2の回転電機が走行用となっている。このため、第1の回転電機はエンジンの燃費が良好となる低回転域をカバーできれば良いが、第2の回転電機は要求される駆動力を実現するために低回転域から高回転域までの広い運転領域をカバーする必要がある。例えば、シリーズ方式の場合、要求される駆動力を第2の回転電機のみで発生させる必要があるため、全運転領域をカバーできるように設計すると第2回転電機の磁石トルクあるいは容量(最大出力)が大きくなってしまい、効率、特に軽負荷時の効率が悪化するという問題がある。 【0005】本発明は、かかる技術的課題を鑑みてなされたものであり、複数の回転電機を備えたハイブリッド車両において各回転電機を効率的に利用できるようにし、各回転電機に必要とされる容量を小さくすることを目的とする。 【0006】 【問題点を解決するための手段】第1の発明は、ハイブリッド車両において、エンジンと、第1の回転電機と、前記第1の回転電機と異なる特性を有する第2の回転電機と、駆動輪に接続される駆動軸と、少なくとも、前記第1の回転電機と前記エンジンとが機械的に接続されるとともに前記第2の回転電機と前記駆動軸とが機械的に接続される第1の接続状態と、前記第1の回転電機と前記駆動軸とが機械的に接続されるとともに前記第2の回転電機と前記エンジンとが機械的に接続される第2の接続状態とを切り換えることができる切換機構とを備えたことを特徴とするものである。 【0007】第2の発明は、第1の発明において、前記第1、第2の回転電機に異なる速度−トルク特性を持たせたことを特徴とするものである。 【0008】第3の発明は、第2の発明において、前記第1、第2の回転電機の極数を異ならせることで前記第1、第2の回転電機に異なる速度−トルク特性を持たせたことを特徴とするものである。 【0009】第4の発明は、第2の発明において、前記第1、第2の回転電機の永久磁石量を異ならせることで前記第1、第2の回転電機に異なる速度−トルク特性を持たせたことを特徴とするものである。 【0010】第5の発明は、第1の発明において、前記第1、第2の回転電機に異なる効率特性を持たせたことを特徴とするものである。 【0011】第6の発明は、第1の発明において、前記第1、第2の回転電機に異なる力率特性を持たせたことを特徴とするものである。 【0012】第7の発明は、第1の発明において、前記第1、第2の回転電機を同軸多重回転電機で構成したことを特徴とするものである。 【0013】第8の発明は、第1の発明において、前記第1、第2の回転電機に異なる容量を持たせたことを特徴とするものである。 【0014】第9の発明は、第8の発明において、回転電機のロータ及びステータの径方向長さあるいは軸方向長さを異ならせることで前記第1、第2の回転電機に異なる容量を持たせたことを特徴とするものである。 【0015】第10の発明は、第8の発明において、切換機構が、バッテリの残存容量が少ないときは前記第1、第2の回転電機のうち容量の大きい方を前記エンジンに接続することを特徴とするものである。 【0016】第11の発明は、第1の発明において、切換機構が、前記第1及び第2の回転電機の運転可能領域が重複する場合は、より効率の良いほうの回転電機が前記駆動軸に接続されるように接続状態を切り換えることを特徴とするものである。 【0017】第12の発明は、第1から第11の発明において、切換機構が、前記エンジンを前記第1の回転電機あるいは第2の回転電機に機械的に接続する第1の接続切換手段と、前記駆動軸を前記第1の回転電機あるいは第2の回転電機に機械的に接続する第2の接続切換手段とで構成されることをを特徴とするものである。 【0018】第13の発明は、第1から第11の発明において、切換機構が、前記エンジンと前記第1の回転電機とを機械的に接続あるいは非接続とする第1の接続切換手段と、前記エンジンと前記第2の回転電機とを機械的に接続あるいは非接続とする第2の接続切換手段と、前記駆動軸と前記第1の回転電機とを機械的に接続あるいは非接続とする第3の接続切換手段と、前記駆動軸と前記第2の回転電機とを機械的に接続あるいは非接続とする第4の接続切換手段とで構成されることを特徴とするものである。 【0019】第14の発明は、第1から第11の発明において、切換機構が、前記第1の回転電機を前記エンジンあるいは前記駆動軸に機械的に接続する第1の接続切換手段と、前記第2の回転電機を前記エンジンあるいは駆動軸に機械的に接続する第2の接続切換手段とで構成されることを特徴とするものである。 【0020】 【作用及び効果】したがって、第1の発明によれば、ハイブリッド車両用回転電機として特性の異なる少なくとも2つの回転電機を物理的に切り換えて使用することができる。これにより、それぞれの回転電機がカバーしなければならない運転領域が狭くなるので、一つの回転電機で全ての運転領域をカバーする場合と比べて各回転電機を小型化することができ、ハイブリッド車両の駆動システムを小型化することができる。また、回転電機を小型化できることからそれぞれの回転電機駆動用のインバータも小さくすることができ、運転領域が狭くなることから各回転電機をより高効率点に近いところで運転させることができる。 【0021】ここでいう回転電機の特性とは、例えば速度−トルク特性であり(第2の発明)、一方の回転電機を低速高トルク型、他方を高速低トルク型とすれば、発進時を含む低速域では低速高トルク型の回転電機を車両駆動用に使用し、高速域では高速低トルク型の回転電機に切り換えて車両を駆動するといった切り換えが可能となる。回転電機に異なる速度−トルク特性を持たせるには回転電機の極数を異ならせる方法(例えば、一方を4極対、他方を2極対とする。)や、永久磁石量を異ならせる方法(例えば、一方を50[mWb]、他方を25[mWb]とする。)がある(第3、第4の発明)。極数を変えれば永久磁石量が同じでも速度−トルク特性を変えることができ、また、永久磁石量を変えれば極数が同じでも速度−トルク特性を変えることができる。 【0022】また、速度−トルク特性以外の特性としては効率特性、力率特性を挙げることができ、回転電機のこれらの特性を異ならせるようにしてもよい(第5、第6の発明)。例えば、異なる効率特性をもたせる場合、一方の最大効率点を20[Nm]、5000[rpm]、他方の最大効率点を10[Nm]、10000[rpm]に設定しておき、より最大効率点に近い方の回転電機を使用するようにすれば車両全体としての効率を高めることができる。なお、力率は磁石量とインダクタンスとで決まるので、例えば一方の磁石量を他方より大きくすることで特性に差を持たせることができる。 【0023】なお、上記複数の回転電機は別々に車両に設けてもよいが、多重回転電機(例えば、インナーロータ、ステータ、アウターロータからなる同軸三層構造の回転電機)として一体的に車両に設けることもできる(第7の発明)。これにより、上記回転電機を小型化できるという効果と相俟ってハイブリッド車両の駆動システムをさらに小型化することができる。 【0024】また、第8の発明によれば、ハイブリッド車両用回転電機として容量の異なる少なくとも2つの回転電機を物理的に切り換えて使用することができる。これにより、例えば、駆動用に大容量、発電用に小容量の回転電機を用いていたときでも、特にバッテリ残容量が少ないときは両者を切り換えれば発電容量を上げることができ、バッテリの充電時間を短縮することができる(第10の発明)。なお、回転電機の容量を異ならせるには、例えば、回転電機のロータ及びステータの径方向長さあるいは軸方向長さを異なるようにすればよい(第9の発明)。 【0025】さらに、第11の発明によれば、少なくとも2つの回転電機の運転可能領域が重複する場合にはより効率が高いほうの回転電機が選択されるので、車両全体の効率(燃費)を向上、特に、軽負荷時の回転電機効率を向上させることができる。 【0026】なお、上記切換機構は、エンジンを第1の回転電機あるいは第2の回転電機に機械的に接続する第1の接続切換手段(例えば、ドグクラッチ)と、前記駆動軸を第1の回転電機あるいは第2の回転電機に機械的に接続する第2の接続切換手段(例えば、ドグクラッチ)とで構成することができる(第12の発明、後述する第1の実施形態)。 【0027】また、切換機構は、エンジンと第1の回転電機とを機械的に接続あるいは非接続とする第1の接続切換手段と、エンジンと第2の回転電機とを機械的に接続あるいは非接続とする第2の接続切換手段と、駆動軸と第1の回転電機とを機械的に接続あるいは非接続とする第3の接続切換手段と、駆動軸と第2の回転電機とを機械的に接続あるいは非接続とする第4の接続切換手段とで構成することもできる(第13の発明、後述する第2の実施形態)。第1から第4の接続切換手段は例えば摩擦クラッチで構成することができる。切換機構をこのように構成することにより、より多彩な接続状態を実現することができる。 【0028】さらに、切換機構は、第1の回転電機をエンジンあるいは前記駆動軸に選択的に接続する第1の接続切換手段と、第2の回転電機をエンジンあるいは駆動軸に選択的に接続する第2の接続切換手段とで構成することもできる(第14の発明、後述する第3の実施形態)。第1、第2の接続切換手段は、例えばそれぞれ摩擦クラッチの組み合わせで構成することができる。 【0029】 【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づき本発明の実施形態を説明する。 【0030】図1は、本発明に係るハイブリッド車両の概略構成を示したものであり、図中1は第1の回転電機、2は第2の回転電機、3はエンジン、4は駆動軸、5は駆動軸4に接続される駆動輪、10、20は回転電機1、2とエンジン3あるいは駆動軸4との機械的な接続関係を切り換えるための切換機構である。ここでいう「機械的な接続」とは回転電機、エンジン等の要素が電気的な接続ではなくギヤ、シャフト等を介して機械的、物理的に接続されることを意味する。この他、車両には各回転電機を制御するためのインバータ、回転電機1、2における過不足電力を補償するバッテリ等が設けられている(図示せず)。 【0031】回転電機1と回転電機2は異なる速度−トルク特性、最大効率点(例えば、回転電機1の最大効率点が20[Nm]、5000[rpm]、回転電機2の回転電機の最大効率点が10[Nm]、10000[rpm])を有している。これら回転電機1、2は切換機構10、20によりエンジン3、駆動軸4のいずれか一方、あるいは両方に接続され、発電機あるいは電動機として機能する。回転電機1、2は、エンジン3に接続された場合は主に発電用として用いられ、駆動軸4に接続された場合は主に車両駆動用として用いられ、エンジン3及び駆動軸4に接続された場合は主にエンジン3による車両駆動の補助(アシスト用)として用いられる。 【0032】図2は、回転電機1と回転電機2の極数、容量の組み合わせ例を示したものである。このような組合せとすることで回転電機1、2の速度−トルク特性を異ならせることができる。 【0033】例えば、図2のC-1に示すように、第1の回転電機1の極数を8極、容量を30kWとし、第2の回転電機2の極数を4極、容量を30kWとした場合、それらの速度−トルク特性は図3に示すようになり、第1の回転電機1は低速高トルク型、第2の回転電機2は高速低トルク型となる。 【0034】回転電機1、2の特性をこのように異なる特性とし、運転条件に応じてこれらを物理的に切り換えて発電用あるいは車両駆動用として使用することにより、各回転電機を効率的に用いることができる。例えば、発進時を含む低回転域で走行中は低速高トルク型の第1の回転電機1を駆動軸4に接続して駆動用として用い、高回転域に移行するに従って高速低トルク型の第2の回転電機2を駆動軸4に接続して駆動用として用いるようにすれば、各回転電機がカバーしなければならない運転領域が従来の1つの回転電機で全ての運転領域をカバーする場合と比べて狭くなって回転電機の小型化を実現でき、各回転電機を制御するインバータの小型も実現できる。また、各回転電機がカバーする運転領域が狭くなることから回転電機をより高効率点に近い運転点で運転させることができる。 【0035】なお、両回転電機の運転可能領域の重なる領域(図3中の斜線領域)ではいずれの回転電機を用いることもできるが、運転可能領域が重なる領域ではいずれの回転電機を用いた方がより効率が良いかを効率マップを参照する等により判断し、より効率のより高いほうを選択して用いるようにすればよい。これによって、車両全体として燃費を向上させることができ、特に、軽負荷時における効率を向上させることができる。 【0036】また、C-2に示すように、回転電機1の極数を8極、容量を20kW、回転電機2の極数を8極、容量を40kWとした場合、それらの速度−トルク特性は図4に示すようになる。 【0037】このように、2つの回転電機1、2の一方を大容量型、他方を小容量型とすることにより、例えば、小容量の回転電機1を発電用、大容量の回転電機2を駆動用として用いていた場合にバッテリ残存容量が少なくなってきた場合には、小容量の回転電機1を駆動軸4に接続して駆動用、大容量の発電機2をエンジン1に接続して発電用として用いることにより発電容量を上げてバッテリの充電を優先し、バッテリの充電時間を短縮することができる。 【0038】また、C-3、C-4に示すように第1の回転電機1、第2の回転電機2の極数、容量を設定することもでき、その場合の各回転電機の速度−トルク特性は図5、図6に示すようになる。 【0039】なお、ここでは極数を変えることで速度−トルク特性を回転電機1と回転電機2とで異ならせているが、回転電機1、2が永久磁石式の回転電機である場合には、例えば、一方の永久磁石量を他方より多くする(例えば、一方を50[mWb]、他方を25[mWb]とする)ことにより速度−トルク特性を異ならせるようにしてもよい。 【0040】また、回転電機1と回転電機2とで力率特性を変えるるようにしてもよい。この場合、力率特性は、磁石量とインダクタンスとで決まるので、特性を異ならせるには、例えば、一方の磁石量を他方より大きくするようにする。 【0041】また、容量を回転電機1と回転電機2とで異ならせるには、例えば、回転電機のロータ及びステータの径方向長さ(直径)Dを異ならせる、あるいは、ロータ及びステータの軸方向長さ(積厚)Lを異ならせることにより両回転電機の容量を異ならせることができる。 【0042】次に、回転電機1、2と、エンジン3、駆動軸4との機械的な接続関係を切り換える機構の具体的な構成について説明する。 【0043】図1に示されるように、切換機構10は、カップリングスリーブ11と、クラッチギヤ12ないし14とからなるドグクラッチで構成される。カップリングスリーブ11を図中左右方向に変位させると、クラッチギヤ12と13、あるいはクラッチギヤ13と14とがカップリングスリーブ11を介して接続され、回転電機1とエンジン3とが機械的に接続される状態(図中実線で示す状態A1)と、回転電機2とエンジン3とが機械的に接続される状態(図中点線で示す状態A2)とが切り換えられる。 【0044】同様に、切換機構20もカップリングスリーブ21と、クラッチギヤ22ないし24とからなるドグクラッチで構成され、カップリングスリーブ21を図中左右方向に変位させると回転電機1と駆動軸4とが機械的に接続される状態(図中実線で示す状態B1)と、回転電機2と駆動軸4とが機械的に接続される状態(図中点線で示す状態B2)とが切り換えられる。 【0045】図7は切換機構10、20を操作することにより実現される接続状態を示したものである。これに示されるように、このハイブリッド車両では切換機構10、20を操作することによって4つの接続状態を切り換えることができる。 【0046】具体的には、カップリングスリーブ11、21がそれぞれ図1に示した位置A1、B2にある状態I-1では、エンジン3の出力がエンジン出力軸3a、クラッチギヤ14、カップリングスリーブ11、クラッチギヤ12、回転電機1の回転軸1aを介して回転電機1に伝達され、回転電機2の出力が回転軸2a、ギヤ31、35、クラッチギヤ34、カップリングスリーブ21、クラッチギヤ23、中間軸36、減速用ギヤ37、38を介して駆動軸4に伝達される。これにより、エンジン1の出力を回転電機1で電力に変換し、この電力を回転電機2に供給して駆動軸4を駆動する駆動方式(シリーズ1)が実現される。 【0047】また、カップリングスリーブ11、21がそれぞれ図1に示した位置A2、B1にある状態I-2では、エンジン3の出力がエンジン出力軸3a、クラッチギヤ13、カップリングスリーブ11、クラッチギヤ14、回転電機2の回転軸2aを介して回転電機2に伝達され、回転電機1の出力が回転軸1a、ギヤ33、34、クラッチギヤ22、カップリングスリーブ20、クラッチギヤ23、中間軸36、減速用ギヤ37、38を介して駆動軸4に伝達される。これにより、エンジン1の出力を回転電機2で電力に変換し、この電力を回転電機1に供給して駆動軸4を駆動するという駆動方式(シリーズ2)が実現される。 【0048】また、カップリングスリーブ11、21がそれぞれ図1に示した位置A1、B1にある状態I-3では、エンジン3の出力がエンジン出力軸3a、クラッチギヤ13、カップリングスリーブ11、クラッチギヤ12、回転電機1の回転軸1a、ギヤ33、34、クラッチギヤ22、カップリングスリーブ21、クラッチギヤ23、中間軸36、減速用ギヤ37、38を介して駆動軸4に伝達される。回転電機1の出力もその回転軸1aからエンジン出力と同一の経路を介して駆動軸4に伝達される。回転電機2はエンジン3、駆動軸4いずれとも接続されない。これにより、エンジン1で駆動軸4を直接駆動するとともに回転電機1を電動機として機能させてエンジン1による駆動をアシストする駆動方式(パラレル1)が実現される。 【0049】また、カップリングスリーブ11、21がそれぞれ図1に示した位置A2、B2にある状態I-4では、エンジン1の出力が、エンジン出力軸3a、クラッチギヤ13、カップリングスリーブ11、クラッチギヤ14、回転電機2の回転軸2a、ギヤ31、35、クラッチギヤ24、カップリングスリーブ21、クラッチギヤ23、中間軸36、減速用ギヤ37、38を介して駆動軸4に伝達される。回転電機2の出力もその回転軸2aからエンジン出力と同一の経路を介して駆動軸4に伝達される。回転電機1はエンジン3、駆動軸4のいずれとも接続されない。これにより、エンジン1で駆動軸4を直接駆動するとともに回転電機2を電動機として機能させてエンジン1による駆動をアシストする駆動方式(パラレル2)が実現される。 【0050】したがって、本発明に係るハイブリッド車両はこのような回転電機とエンジンあるいは駆動軸との接続関係を物理的に切り換える切換機構を備えたことにより、特性、容量の異なる回転電機1、2の中からそのときの運転条件に最も適したもの、より効率の良いものを適宜選択して使用することができ、車両の走行性能を犠牲にすることなく回転電機、さらにはインバータの小型を図ることができる。 【0051】続いて本発明の第2の実施形態について説明する。 【0052】図8は第2の実施形態に係るハイブリッド車両の概略構成を示したものである。 【0053】このハイブリッド車両も第1の実施形態同様に特性、容量の異なる回転電機1、回転電機2を備え、運転条件に応じて回転電機1、2とエンジン3、駆動軸4との機械的な接続関係を適宜切り換えて走行するが、その切換を行う機構が第1の実施形態と異なる。 【0054】すなわち、このハイブリッド車両は、第1の実施形態における切換機構10、20の代わりに摩擦クラッチで構成される切換機構40、45を備えており、回転電機1、2と、エンジン3、駆動軸4との接続関係の切換は切換機構40、45により実現される。 【0055】切換機構40は2つの摩擦クラッチ41、42で構成され、摩擦クラッチ41を締結すると回転電機1とエンジン3とが機械的に接続され、摩擦クラッチ42を締結すると回転電機2とエンジン3とが機械的に接続される。同様に、切換機構45も2つの摩擦クラッチ46、47で構成され、摩擦クラッチ46を締結すると回転電機1と駆動軸4とが機械的に接続され、摩擦クラッチ47を締結すると回転電機2と駆動軸4とが機械的に接続される。 【0056】これら切換機構40、45を操作することにより、すなわち、摩擦クラッチ41、42、46、47をそれぞれ締結あるいは解放することにより図9に示すような接続状態が実現される。 【0057】具体的には、このハイブリッド車両においては、パラレル型、シリーズ型、EV型(回転電機による駆動のみの状態)を含む16種類の接続状態を切り換えることができ、大きな駆動力が要求される運転領域ではパラレル型、要求駆動力の変動も少なくエンジン3を効率のよいところで運転させて燃費を優先させるときにはシリーズ型、エンジン停止状態から発進するときはEV型に切り換えるといった切換ができる。 【0058】また、シリーズ型には、回転電機1を発電用、回転電機2を車両駆動用として用いるシリーズ1型(図9の状態II-7)と、回転電機1を車両駆動用、回転電機2を発電用として用いる第2のシリーズ型(図9のII-10)とがある。これにより、図3に示したように回転電機1を低速大トルク型、回転電機2を高速低トルク型としておけば、低速走行時はシリーズ2型として回転電機1を車両駆動用として用いて十分な駆動トルクを確保し、高速走行はシリーズ1型として回転電機2を車両駆動用として用いて高速走行性能を確保する等、全走行領域で良好な運転性能を確保することができる。 【0059】パラレル型、EV型においても回転電機1を車両駆動用として用いるパラレル1型(図9のII-11、II-14)と、回転電機2を車両駆動用として用いるパラレル2型(図9のII-9、II-15)2つの方式があり、発進時は低速高トルク型の第1の回転電機1を車両駆動用として用い、高速走行は高速低トルク型の第2の回転電機2を車両駆動用として用いるといった切り換えが可能である。 【0060】また、回転電機1、2の両方でもって車両を駆動する状態(図9のII-1、II-3等)を作り出すことができ、高負荷領域では回転電機1、2の両方を車両駆動用として用いることによってより幅広い運転領域に対応することができる。 【0061】さらに、発電のみを行う状態(図9中状態II-8、II-12、II-13)も作り出すことができ、エンジントルクが大きいときは低速高トルク型の第1の回転電機1を発電用、小さいときは高速低トルク型の第2の回転電機を発電用として用いることもできる。 【0062】続いて本発明の第3の実施形態について説明する。 【0063】図10は第2の実施形態に係るハイブリッド車両の概略構成を示したものである。第1の実施形態と同じ構成要素に対しては同一の引用符号を付して説明を省略する。 【0064】図中100は同軸三層構造の多重回転電機であり、インナーロータ101、ステータ102、アウターロータ103とで構成され、インナーロータ101とアウターロータ103とはそれぞれステータ102に対して相対回転可能になっている。インナーローラ101、アウターロータ103はそれぞれ発電機あるいは電動機として機能し、第1の実施形態における回転電機1、2に相当し、異なる特性、容量を有している。 【0065】インナーロータ101、アウターロータ103、エンジン3、駆動軸4の接続関係は摩擦クラッチ51ないし54を締結、解放することにより切り換えることができ、摩擦クラッチ51ないし54が第1の実施形態における切換機構10、20に相当する。摩擦クラッチ51ないし54の締結状態とインナーロータ101、アウターロータ103、エンジン3、駆動軸4の接続関係は図11に示すようになる。 【0066】例えば、図11中の状態III-1ではエンジン3の出力が、エンジン出力軸3a、回転軸100aを介してアウターロータ103に伝達され、インナーロータ101の出力がギヤ63、64、外側中空シャフト71、ギヤ66、68、ディファ差動歯車機構68を介して駆動軸4に伝達される。 【0067】また、状態III-2ではエンジン3の出力が、エンジン出力軸3a、ギヤ61、67、内側中空シャフト72、ギヤ64、63を介してインナーロータ101に伝達され、アウターロータ103の出力が、回転軸100a、ギヤ62、65、66、68、差動歯車機構68を介して駆動軸4に伝達される。 【0068】したがって、この実施形態においてもインナーロータ101(第1の回転電機)を駆動軸4に接続するとともにアウターロータ103(第2の回転電機)をエンジン3に接続する状態と、逆にインナーロータ101をエンジン3に接続するとともにアウターロータ103を駆動軸4に接続する状態を切り換えることができ、インナーロータ101、アウターロータ103によって実現される2つの回転電機の特性、容量を異ならせておけば、上記既に説明した実施形態同様の切り換え操作を行うことにより各回転電機を効率的に用いることができ、多重回転電機100、インバータの小型化を実現することができる。 【0069】また、この実施形態においては、インナーロータ101、アウターロータ103の両方でもって車両を駆動あるいは発電する状態も作り出すことができ(図11のIII-3、III-4)、より高負荷の運転領域にも対応することができるとともに、バッテリを急速に充電する必要が生じた場合にも対応することができる。 【0070】以上、本発明の実施形態について説明したが、これらは本発明の適用範囲を限定するものではなく、本発明は、異なる特性あるいは異なる容量の回転電機を複数備え、それらとエンジン、駆動軸との機械的な接続関係を切り換える機構を備えた車両に対して広く適用することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003997 【氏名又は名称】日産自動車株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年4月24日(2001.4.24) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075513 【弁理士】 【氏名又は名称】後藤 政喜 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−325308(P2002−325308A) |
| 【公開日】 |
平成14年11月8日(2002.11.8) |
| 【出願番号】 |
特願2001−125663(P2001−125663) |
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