| 【発明の名称】 |
列車制御システム |
| 【発明者】 |
【氏名】加藤 雄二
【氏名】後藤 高義
【氏名】栗原 敏路
【氏名】三枝 秀隆
【氏名】近松 秀明
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| 【要約】 |
【課題】上限速度と目標速度とを設定するにあたり、ATC系の上限速度からATO系の目標速度を作成することにより、情報伝送経路と演算処理とを簡略化し、処理速度を向上する。
【解決手段】ATC制御器によって設定されたATC側の上限速度であるATC非常制動パターンEBに基づいて、ATO側の目標速度であるATO運転パターンSBを設定する。従来地上子21からの位置情報に基づいてATO側の目標速度を設定していたのに対し、ATO制御器で指令出力を行うための現在位置の検出を、ATC制御器で指令出力を行うための現在位置の検出に対して別途に行う必要がなくなり、情報伝送経路と演算処理とを簡略化し処理速度を向上できる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 列車の位置に対応した列車の上限速度を設定する上限速度設定手段と、列車の現在速度が前記上限速度を上回った場合に制動指令を出力する第1指令手段と、列車の目標速度を設定する目標速度設定手段と、列車の現在速度が前記目標速度と一致するように加速指令または制動指令を出力する第2指令手段と、を備えた列車制御システムであって、前記目標速度設定手段は、前記上限速度設定手段によって設定された上限速度に基づいて、前記目標速度を設定することを特徴とする列車制御システム。 【請求項2】 請求項1に記載の列車制御システムであって、軌道に設けられ位置情報を発信する地上子からの位置情報に基づいて、前記目標速度を補正する補正手段を更に備えたことを特徴とする列車制御システム。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、列車の走行制御を行う列車制御システムに関し、特に、上限速度を上回らないように列車を走行させる制御と、目標速度で列車を走行させる制御との両者を行う列車制御システムに関する。 【0002】 【従来の技術】近年、保安装置としての自動列車制御システム(Automatic Train Control System;以下ATCという)と、運転装置としての自動列車運転システム(Automatic Train Operation System;以下ATOという)との両者を利用する列車が実用化されている。 【0003】図10において、このような従来の列車57では、地上側に設けられたATC送信器55から、列車57の現在位置に応じた上限速度を示すATC信号が出力されると、このATC信号を、列車57の床下に設けられた受電器59が、レール(軌道回路)53を経由して受信する。このATC信号はATC受信器61で解読されて、上限速度信号に変換される。ATC制御器63では、この上限速度と、車上側に設けられた速度発電機などからなる速度検出器65から入力される現在速度とが比較され、現在速度が上限速度を上回った場合に、ブレーキ装置を含む列車制御系(主制御装置を含む)に対して制動指令が出力される。このようなATC系の制御によって、列車57は上限速度を越えないように運転される。ATC系の制御手段には後述ATC非常制動とATC常用制動とがある。しかし、このATC系の制御は後述のATO系とは別個にあり、TASC制御を含むATO制御は行っていない。 【0004】他方、地上側に設けられた地上子71から発信される位置コードは、列車57の床下に設けられた車上子73に受信され、ATO送受信器75によって位置信号に変換される。ATO制御器77では、この位置信号に応じて、予め適宜の記憶手段に保持している位置−目標速度テーブルから、対応して定められている目標速度が読み出されると共に、この目標速度と、速度検出器65から入力される現在速度とが比較され、現在速度と目標速度とが一致するように、主電動機を制御する列車制御系(主制御装置)に対し加速指令、またはブレーキに対する制動指令を出力する。制動指令は、主制御装置(図示せず)に対する回生制動要求であってもよい。このようなATO系の制御によって、列車57は目標速度と一致するように運転される。しかし、このATO系の制御は前述のATC系の制御とは別個にある。 【0005】上限速度と目標速度とは、いずれも位置(とくに、停止点までの距離)に応じた速度のパターンとして設定される。図11に示すように、ATC側の制御に用いられる上限速度としては、ATC非常制動パターンEBと、ATC常用制動パターンNBとの2種類が設定され、ATO側の制御に用いられる目標速度としては、単一のATO運転パターンSBが設定される。図11において、横軸は停止点までの距離(停止点X0=0)、縦軸は速度である。 【0006】ATC非常制動パターンEBは、これを現在速度が越えた場合に、列車が完全に停止するまでブレーキが緩解しないというものであり、最も停止点X0に近い位置に設定される。 【0007】ATC常用制動パターンNBは、これを現在速度が越えた場合に制動が行われるが、現在速度がこれを下回るとブレーキが緩解するというものであり、ATC非常制動パターンEBより手前側に設定される。 【0008】ATO運転パターンSBは、上述のとおり現在速度がこれに一致するように制御されるものであり、ATC非常制動パターンEBおよびATC常用制動パターンNBに対して、さらに手前側に設定される。 【0009】これにより、列車は、通常はATO運転パターンSBに沿った速度で運転され、これを越えた場合にATC常用制動パターンNBに沿って制動され、ATC常用制動パターンNBを越えた場合には、ATC非常制動パターンEBに沿って制動される。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】しかし、ATC非常制動パターンEB・ATC常用制動パターンNBと、ATO運転パターンSBとは、いずれも速度の基準である点で共通しており、これらの情報伝送と演算処理とを互いに別の系統で行うのでは、プログラムが複雑化し、処理速度も遅いという問題点がある。 【0011】そこで、本発明の目的は、上限速度と目標速度とを設定するにあたり、ATC系の上限速度からATO系の目標速度を作成することにより、情報伝送経路と演算処理とを簡略化し、処理速度を向上できる手段を提供することにある。 【0012】 【課題を解決するための手段】第1の本発明は、列車の位置に対応した列車の上限速度を設定する上限速度設定手段と、列車の現在速度が前記上限速度を上回った場合に制動指令を出力する第1指令手段と、列車の目標速度を設定する目標速度設定手段と、列車の現在速度が前記目標速度と一致するように加速指令または制動指令を出力する第2指令手段と、を備えた列車制御システムであって、前記目標速度設定手段は、前記上限速度設定手段によって設定された上限速度に基づいて、前記目標速度を設定することを特徴とする列車制御システムである。 【0013】第1の本発明では、上限速度設定手段が列車の位置に対応した列車の上限速度を設定すると、第1指令手段が、列車の現在速度が前記上限速度を上回った場合に制動指令を出力する。また、目標速度設定手段が列車の目標速度を設定すると、第2指令手段が、列車の現在速度が前記目標速度と一致するように加速指令または制動指令を出力する。 【0014】ここで第1の本発明では、目標速度設定手段が、上限速度設定手段によって設定された上限速度に基づいて、目標速度を設定することとしたので、第2指令手段で指令出力を行うための現在位置の検出を、第1指令手段で指令出力を行うための現在位置の検出に対して別途に行う必要がなくなり、これにより、情報伝送経路と演算処理とを簡略化し、処理速度を向上することができる。 【0015】第2の本発明は、第1の本発明の列車制御システムであって、軌道に設けられ位置情報を発信する地上子からの位置情報に基づいて、前記目標速度を補正する補正手段を更に備えたことを特徴とする列車制御システムである。 【0016】第2の本発明では、設定された目標速度に対し、補正手段が、軌道に設けられ位置情報を発信する地上子からの位置情報に基づいて補正を行う。したがって第2の本発明では、上限速度の設定の際に用いられる位置情報の精度が低くても、目標速度を正確に設定でき、列車を停止点に正しく停車させることができる。 【0017】 【発明の実施の形態】本発明の好適な実施形態について、以下に図面を参照しながら説明する。 【0018】図1は本発明の第1実施形態に係る列車制御システム1を示す。レール3は軌道回路を構成しており、このレール3には、分割区間毎に1つのATC送信器5が電気的に接続されている。列車7の床下には、ATC送信器5からの信号を受信可能に構成された受電器9が設けられている。列車7に搭載されたATC受信器11は、受電器9からのATC信号を解読すると共に、これを位置信号に変換して出力する。位置信号はATC制御器13に入力される。また、速度発電機(タコジェネレータ)などからなる速度検出器15の出力も、ATC制御器13に入力される。 【0019】図3に示すように、ATC制御器13は、ROMなどの不揮発性メモリからなる記憶部17と、後述する各種の演算処理を行う演算処理部19と、ランダムアクセスメモリなどからなる作業用のメモリ20とを備えて構成されている。記憶部17には、停止点までの距離とこれに応じた上限速度とを関連づけて記憶させてなる位置−上限速度テーブル(図示せず)が格納されている。演算処理部19は、フェイルセーフマイクロプロセッサを含んで構成されている。 【0020】ATC制御器13では、ATC受信器11から繰返し連続的に入力される上限速度が速度検出器15から入力される現在速度と比較され、現在速度が上限速度を上回った場合に、ブレーキに対して制動信号が出力される。このようなATC系の制御によって、列車7は上限速度を越えないように運転される。 【0021】再び図1において、レール3の近傍には、地上子21が所定間隔で設けられている。この地上子21は、周知の電磁誘導式の無電源トランスポンダ地上子であり、列車7側からの電力波に応じて、地上子21の設置位置を示す位置コードを発信する。列車7の床下には、地上子21からの信号を受信可能であると共に地上子21に電力波を送信可能に構成された車上子23が設けられている。列車7に搭載されたATO送受信器25は、電力波を出力すると共に、車上子23からの位置コードを解読し、これを位置信号に変換してATO制御器27に出力する。また上述した速度検出器15の出力も、ATO制御器27に入力される。さらにATO制御器27には、ATC制御器13からの上限速度信号が入力される。 【0022】図3に示すように、ATO制御器27は、記憶部29と、後述する各種の演算処理を行う演算処理部31と、作業用のメモリ32とを備えて構成されている。記憶部29には、上限速度と、これに応じた目標速度とを関連づけて記憶させてなる位置−目標速度テーブル(図示せず)が格納されている。演算処理部31は、周知のフェイルセーフマイクロプロセッサを含んで構成されている。 【0023】ATO制御器27では、ATC制御器13からの上限速度信号に応じて、上限速度−目標速度テーブルから、対応して定められている目標速度が読み出され、この目標速度と、速度検出器15から入力される現在速度とが比較され、現在速度と目標速度とが一致するように、モータに対する加速指令信号、またはブレーキに対する制動信号が出力される。制動信号は、主制御装置(図示せず)に対する回生制動要求であってもよい。このようなATO系の制御によって、列車7は目標速度と一致するように運転される。 【0024】ATC制御器13で設定される上限速度と、ATO制御器27で設定される目標速度は、いずれも停止点までの距離に応じた速度のパターンとして設定される。図2に示すように、ATC側の制御に用いられる上限速度としては、ATC非常制動パターンEBと、ATC常用制動パターンNBとの2種類が設定され、ATO側の制御に用いられる目標速度としては、単一のATO運転パターンSBが設定される。図2において、横軸は停止点X0までの距離、縦軸は速度である。 【0025】ATC非常制動パターンEBは、これを現在速度が越えた場合に、列車7が完全に停止するまでブレーキが緩解しないというものであり、最も停止点X0に近い位置に設定される。なお、ATC非常制動パターンEBにおいて速度がゼロとなるATC非常停止目標点X1は、停止点X0から所定の余裕距離Mだけ離れた手前側に設定されており、この余裕距離Mは列車7の制動性能(とくに停止距離)に応じて設定される。 【0026】ATC常用制動パターンNBは、これを現在速度が越えた場合に制動が行われるが、現在速度がこれを下回るとブレーキが緩解するというものである。ATC常用制動パターンNBにおいて速度がゼロとなるATC常用停止目標点X2は、ATC非常制動パターンEBより手前側に設定される。 【0027】ATC非常制動パターンEBおよびATC常用制動パターンNBは、いずれも、進行方向にある次の停止点までの距離が入力されたことを条件にATC制御器13の演算処理部19により作成され、メモリ20に保持される。ATC非常制動パターンEBおよびATC常用制動パターンNBは、いずれも列車7の現在位置から停止点までの全領域に亘って作成される。また、作成されメモリ20に保持されたATC非常制動パターンEBおよびATC常用制動パターンNBは、以後その停止点までの距離が入力されるごとに更新される。 【0028】ATO運転パターンSBは、上述のとおり現在速度が目標速度に一致するように制御されるものであり、ATC非常制動パターンEBおよびATC常用制動パターンNBに対して、さらに手前側に設定される。ATO運転パターンSBにおいて速度がゼロとなるATO停止目標点X3は、停止点X0から一定距離Lだけ離れた位置に設定される。 【0029】ここで、ATO運転パターンSBは、ATC非常制動パターンEBに対応する上限速度情報に基づいて設定されるものである。この目標速度の設定の処理は、ATO制御器27の演算処理部31において、図4のようにして行われる。まず、記憶部29から、上限速度−目標速度テーブルを読み込む(S1)。次に、ATC制御部からのATC非常制動パターンEBを読み込む(S2)。そして、上限速度−目標速度テーブルに基づき、ATO運転パターンSBを作成する(S3)。このATO運転パターンSBは、図2に示すとおり、ATC非常制動パターンEB・ATC常用制動パターンNBより下側、つまりATC非常制動パターンEB・ATC常用制動パターンNBに対して手前側であって、かつ設定される車速がATC非常制動パターンEB・ATC常用制動パターンNBより常に低くなるように設定される。またATO運転パターンSBは、列車7の現在位置から停止点X0までの全領域に亘って作成される。 【0030】なお、図2では、ATO運転パターンSBの傾きはATC非常制動パターンEB・ATC常用制動パターンNBの傾きと大差ないように表しているが、実際にはATO運転パターンSBの傾きはATC非常制動パターンEB・ATC常用制動パターンNBの傾きに比べて小さくなるように、つまり減速度が小さくなるように設定される。 【0031】本実施形態におけるブレーキは、制動出力が行われていない場合にのみ緩解し、無信号の場合には制動側に動作するように設定されている。 【0032】以上のとおり構成された本実施形態の列車制御システム1における走行時の処理について説明する。 【0033】ATC制御器13においては、図5および図6の処理が、演算処理部19のクロック周波数に応じた所定時間おきに実行される。まず、図5において、ATC非常制動パターンEB・ATC常用制動パターンNB・現在速度Vが読み込まれる(S101)。次に、現在速度Vが、ATC非常制動パターンEBの定める上限速度を上回るかが判断され(S102)、上回る場合には、ATC非常制動処理に移行する(S105)。 【0034】現在速度VがATC非常制動パターンEBの定める上限速度を上回らない場合には、次に、現在速度Vが、ATC常用制動パターンNBの定める上限速度を上回るかが判断され(S103)、上回る場合には、ブレーキに対する制動指令が出力される(S104)。 【0035】ATC非常制動処理(S105)は、図6のとおりである。まず、ブレーキに対する制動指令が出力され(S151)、次に、車速がゼロかが判断される(S152)。この制動指令は車速がゼロになるまで続行される。 【0036】ATO制御器27においては、図7の処理が、演算処理部31のクロック周波数に応じた所定時間おきに実行される。図7において、まず、ATO運転パターンSB・現在速度Vが読み込まれる(S201)。次に、現在速度Vが、ATO運転パターンSBの定める目標速度を上回るかが判断され(S202)、上回る場合には、制動指令が出力される(S203)。 【0037】次に、現在速度Vが、ATO運転パターンSBの定める目標速度を下回るかが判断され(S204)、下回る場合には、モータに対する加速指令が出力される(S205)。 【0038】以上の処理により、列車7は、通常はATO運転パターンSBに沿った速度で運転され、これを越えた場合にATC常用制動パターンNBに沿って制動される。また、列車7の現在速度VがATC常用制動パターンNBを越えた場合には、ATC非常制動パターンEBに沿って制動される。なお、以上の処理においては、地上子21からの位置情報は利用されず、また車上子23・ATO送受信器25も利用されず、これら地上子21・車上子23・ATO送受信器25は他の処理、例えば駅構内における高精度な停止のために利用される。 【0039】以上のとおり、本実施形態では、ATC制御器13において列車7の位置に対応した列車7の上限速度が設定されると、これに応じて、列車7の現在速度Vが前記上限速度を上回った場合に制動指令が出力される(S104・S105)。また、ATO制御器27において列車7の目標速度が設定されると、これに応じて、列車7の現在速度Vが目標速度と一致するように加速指令または制動指令を出力する(S203・S205)。 【0040】ここで本実施形態では、ATO制御器27において、ATC制御器13によって設定された上限速度であるATC非常制動パターンEBに基づいて、目標速度であるATO運転パターンSBを設定することとしたので(S3)、ATO制御器27で指令出力を行うための現在位置の検出を、ATC制御器13で指令出力を行うための現在位置の検出に対して別途に行う必要がなくなり、これにより、情報伝送経路と演算処理とを簡略化し、処理速度を向上することができる。 【0041】なお、本実施形態では、ATO運転パターンSBにおいて速度がゼロとなるATO停止目標点X3を、停止点X0から一定距離Lだけ離れた位置に設定することとしたので、停止点X0からATO停止目標点X3までの距離Lを、列車7の全運転区間について、とくに全ての駅について一定にすることが必要である。しかしながら、例えば停止点番号(ないし駅番号)と距離Lとを対応づけて記憶させたテーブルを記憶部29に格納し、同テーブルの参照により停止点ごと(ないし駅毎)に異なる距離Lを設定する構成とすることや、同様の情報を地上子から与えることにより、勾配・地形や用地の有無に応じて異なる距離Lを設定することも可能である。また、同様の目的から、上限速度と目標速度との対応関係を複数種類用意する構成、すなわち、例えば上限速度−目標速度テーブルを複数種類用意し、これらを停止点番号(ないし駅番号)に応じて選択的に使用する構成としても、同様の効果を得ることができる。また、ATC常用制動パターンNBを設定しない構成としてもよい。 【0042】次に、第2実施形態について説明する。上記第1実施形態では、現在速度Vが、ATO制御器13によって設定された目標速度(ATO運転パターンSB)と常に一致するように制御されるので、列車7はATO運転パターンSBにおいて速度がゼロとなるATO停止目標点X3(図2参照)で停止することになる。しかし、ATC送信器5による送受信がレール3を媒体としているため、送信できる情報量(ないしビット数)には限りがあるため、位置信号がメートル単位の誤差を含むことが予想され、その結果、ATO運転パターンSBに従う列車7の停止位置が、正しい停止位置からメートル単位でずれる場合が考えられる。第2実施形態は、このような欠点を解消するためのものである。 【0043】すなわち、第2実施形態では、図8に示すように、一度ATC非常制動パターンEBに基づいて設定されたATO運転パターンSBを、地上子21からの位置情報に基づいて補正し、新たな目標速度のパターンであるATO補正パターンSBmを作成するものである。なお、第2実施形態における機械的構成、および上限速度の設定・目標速度の設定・ATC処理・ATC非常制動処理は、上記第1実施形態におけるものと同様であるので、その説明は省略する。また図8においては、ATC常用制動パターンNBは図示を省略している。 【0044】第2実施形態におけるATO側のパターン補正処理について、図9に従って説明する。まず、ATC非常停止目標点X1と、ATO停止目標点X5との位置情報を、例えば現在位置からの距離の形で読み込む(S301)。次に、車上子23が地上子21を検出したかが判断され(S302)、検出していない場合にはステップS301・S302が繰り返し実行される。 【0045】地上子21を検出した場合には、この地上子21からの位置情報に基づいて、列車7が保持している現在位置情報の補正処理が行われる(S303)。この現在位置の補正処理は、速度検出器15が出力する速度情報の積算に基づいてATC制御器13が保持している現在位置に、地上子21からの信号に基づいて読み込まれる現在位置情報が上書きされることにより実現される。 【0046】次に、先に読み込まれているATC非常停止目標点X1が、現在の軌道回路にあるかが判断される(S304)。 【0047】ATC非常停止目標点X1が現在の軌道回路にある場合(すなわち、ATC非常停止目標点X1が比較的近い場合)には、次に、先に読み込まれているATOの目標速度パターンであるATO運転パターンSBが、地上子21からの位置情報に基づいて補正され、新たな目標速度のパターンであるATO補正パターンSBmが作成される(S305)。このATO補正パターンSBmは、本来の停止目標停止点とすべきである停止信号機31の設置地点X4が、このATO補正パターンSBmにおける速度ゼロの点、すなわちATO停止目標点となるように設定される(図8参照)。 【0048】ステップS304において否定の場合には、ATC非常停止目標点が進行方向に隣接する次の軌道回路にある、つまりATC非常停止目標点が比較的遠い場合であるから、ATO補正パターンSBmは作成されず、本ルーチンを終了する。 【0049】以上のとおり、本実施形態では、ATO制御器13によって設定された目標速度であるATO運転パターンSBに対し、軌道に設けられ位置情報を発信する地上子21からの位置情報に基づいて補正を行い、ATO補正パターンSBmを作成することとしたので、上限速度であるATC非常制動パターンEBの設定の際に用いられる位置情報の精度が低くても、目標速度(ATO側の運転パターン)であるATO補正パターンSBmを正確に設定でき、列車7を停止点に正しく停車させることができる。 【0050】また、本実施形態では、地上子21からの位置情報に基づいて、列車7が保持している現在位置情報の補正処理を行う構成としたので(S303)、速度検出器15が出力する速度情報の積算に基づく位置情報を随時に校正できる利点がある。 【0051】なお、上記各実施形態では、ATC制御器13の演算処理部19と、ATO制御器27の演算処理部31とを、互いに別個のマイクロプロセッサによって構成することとしたが、このような構成に代えて、ATC制御器とATO制御器との機能を兼ね備えた単一のフェイルセーフマイクロプロセッサを用いてシステムを構成してもよい。 【0052】また、上記各実施形態では、ATC非常制動パターンEB・ATC常用制動パターンNB・ATO運転パターンSBを、いずれも列車7の現在位置から停止点までの全領域に亘って作成することとしたが、このように進行方向にある地点における上限速度や目標速度(つまり、将来における上限速度や目標速度)を算出することは本発明では必須ではなく、例えばATC非常制動パターンEB・ATC常用制動パターンNB・ATO運転パターンSBのうちの一部または全部につき、列車7の現在位置から停止点までの全領域に亘ってではなく、現在位置における(つまり、現時点における)上限速度や目標速度としてのみ設定する構成としてもよい。 【0053】また、上記各実施形態では、ATC非常制動パターンEB・ATC常用制動パターンNB・ATO運転パターンSBをいずれもテーブル処理により設定する構成としたが、このような構成に代えて、所定の関数を用いて設定する構成としてもよく、かかる構成も本発明の範疇に属するものである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000231969 【氏名又は名称】日本鉄道建設公団 【識別番号】500563175 【氏名又は名称】首都圏新都市鉄道株式会社 【識別番号】000004651 【氏名又は名称】日本信号株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年4月16日(2001.4.16) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075258 【弁理士】 【氏名又は名称】吉田 研二 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−315115(P2002−315115A) |
| 【公開日】 |
平成14年10月25日(2002.10.25) |
| 【出願番号】 |
特願2001−116330(P2001−116330) |
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