| 【発明の名称】 |
リフォーマ設置水素ステーションの運用方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】原田 英一
|
| 【要約】 |
【課題】水素を燃料として動く燃料電池自動車等の移動体に搭載した移動体通信装置及びナビゲーション装置と、水素ステーションに設置した運用管理装置及び水素製造管理装置を組合わせ、相互間でデータの送受信を行い、リフォーマと水素貯蔵設備を効率よく運用し、しかも過不足なくタイムリーに水素を供給できることを目的とする。
【解決手段】移動体に移動体通信装置およびナビゲーション装置を装備し、水素ステーションに設置した運用管理装置及び水素製造管理装置を組合わせ、これらの相互間でデータを送受信し、移動体からの水素の要求に基づいてリフォーマを運転する。これにより、移動体の水素残量から水素供給を受ける水素ステーションを選んで的確に水素供給が受けられる。また、水素ステーションでは各移動体からの水素要求に基づき過不足なく効率的に水素を製造することができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 燃料電池を搭載し水素を燃料として動く燃料電池自動車のような移動体に、水素を製造し貯蔵できる水素ステーションと通信することができる移動体通信装置と目的地を指定すると目的地までの経路を道路地図に表示するナビゲーション装置を装備し、該水素ステーションに前記移動体と通信することができ水素の製造と貯蔵を管理する運用管理装置及び水素製造管理装置を設置し、前記移動体と前記運用管理装置及び水素製造管理装置の相互間でデータを送受信し、前記移動体からの水素要求に基づいてリフォーマを運転することを特徴とするリフォーマ設置水素ステーションの運用方法。 【請求項2】 前記移動体通信装置からの水素要求に対して、前記水素ステーションの水素製造能力および運用状況を考慮して、他の水素ステーションの運用管理装置及び水素製造管理装置と連絡を取り相互に連携を取って対応することを特徴とする請求項1記載のリフォーマ設置水素ステーションの運用方法。 【請求項3】 前記運用管理装置及び水素製造管理装置から、前記移動体に搭載した移動体通信装置を経由して、前記移動体に運行状況及び到着予定時刻を問い合わせて、前記リフォーマの運転方法を変更することを特徴とする請求項1記載のリフォーマ設置水素ステーションの運用方法。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、燃料電池自動車や水素エンジン自動車などの移動体へ水素を供給するために設置される水素ステーションに係るもので、天然ガス、石油系燃料、メタノール等の燃料から水素を製造するリフォーマを設置した水素ステーションの運用方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】排気ガスによる環境汚染を防止するためや、燃料の多様化に伴って、水素を燃料とする自動車が特開昭62−279264号公報に提案されている。また、水素を燃料とする自動車などの移動体において、水素を供給する分散型水素ステーションは、リフォーマによりあらかじめ水素を製造し、その水素を高圧タンクあるいは水素吸蔵合金などの水素貯蔵設備に貯蔵しておき、移動体が水素ステーションに来訪した際に、貯蔵している水素を移動体に供給するものであり、例えば、特開平5−303970号公報には燃料電池発電装置及びその起動方法が開示されている。 【0003】一方、移動体からガソリンスタンド等の燃料補給場所を探す方法として、例えば、特開2000−46571号公報には、設定されている走行経路上の2つ先のガソリンスタンドまで走行できない場合には1つ先又は設定されている走行経路を一時的に逸脱しても最寄のガソリンスタンドのいずれか近い方のガソリンスタンドでの補給を案内することにより、ガソリン不足に陥ることを回避するナビゲーションシステムが開示されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】水素ステーションでは、ガソリンスタンドにおける自動車へのガソリン供給と同様に短時間で終了することが必要である。ところが、リフォーマの起動時間は長時間を要するため、あらかじめリフォーマで製造した水素を水素貯蔵設備に貯蔵しておき、必要に応じて供給する方法が考えられる。しかしながら、水素はガソリン等の液体燃料に比べて密度が小さく、巨大な貯蔵設備が必要となるとともに、水素貯蔵設備の貯蔵能力により、その供給量が制限されるという問題がある。そのため、移動体の走行途中において、燃料が切れる前に水素を供給できるという確認が取れないと、安心して移動体を走行させることができない。 【0005】そこで、本発明は移動体に搭載した移動体通信装置とナビゲーション装置と、水素ステーションに設置した運用管理装置及び水素製造管理装置を組合わせて、これらの相互間でデータの送受信を行い、リフォーマと水素貯蔵設備を効率よく運用することにより過不足なく水素を製造し、しかもタイムリーに移動体に水素を供給できる水素ステーションの運用方法を提供することを目的としている。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、請求項1では、リフォーマ設置水素ステーションと通信することができる移動体通信装置、および目的地を指定する目的地指定手段と、道路網記憶手段と、現在位置や目的地や目的地までの経路を道路地図上に表示するようにしたナビゲーション装置を移動体に装備し、リフォーマ設置水素ステーションに設置した水素の製造と貯蔵の管理を行う運用管理装置及び水素製造管理装置を組合わせ、これらの相互間でデータを送受信し、移動体通信装置からの水素要求に基づいてリフォーマを運転するリフォーマ設置水素ステーションの運用方法としている。 【0007】また、請求項2では、移動体に装備した移動体通信装置およびナビゲーション装置と、水素ステーションに設置した運用管理装置及び水素製造管理装置を組み合わせ、これらの相互間でデータを送受信し、移動体通信装置からの水素要求に対して、水素ステーションの水素製造能力、運用状況を考慮して他のリフォーマ設置水素ステーションに連絡を取り、相互に連携を取るリフォーマ設置水素ステーションの運用方法としている。このような構成のリフォーマ設置水素ステーションとすることにより、水素要求が特定の水素ステーションに集中することなく移動体にスムーズに水素を供給できる。 【0008】さらに、請求項3では、移動体に移動体通信装置およびナビゲーション装置を装備し、水素ステーションに設置した運用管理装置及び水素製造管理装置を組み合わせ、これらの相互間でデータを送受信し、水素ステーションから水素要求をした移動体に運行状況及び到着予定時刻を問い合わせ、その情報に基づいてリフォーマの運転方法を逐次変更するリフォーマ設置水素ステーションの運用方法としている。これにより、移動体の運行状況と水素ステーションの運転状況を常時把握できるためリフォーマの効率的な運用を行うことができる。 【0009】 【発明の実施の形態】次に、本発明を代表的な移動体である自動車に適用した一実施形態を、図面に基づいて説明する。はじめに、図1に基づいて、本発明の全体システムの概略を説明する。水素ステーション1はリフォーマ2,運用管理装置3,水素製造管理装置4および水素貯蔵設備5より構成されている。リフォーマ2は、天然ガス,都市ガス,メタノール,ガソリン等を原料として水素を製造するものであり、リフォーマ2で製造した水素を水素貯蔵設備5に貯蔵する。運用管理装置3は、通信衛星の他、携帯電話などの通信設備に接続され、移動体8と情報交換する機能を有している。移動体8は、移動体通信装置6、ナビゲーション装置7より構成されている。移動体通信装置6は通信機器を装備し、通信衛星またはプロバイダ等を経由して、各水素ステーション1とデータ通信が可能となっている。 【0010】図2は、本発明に使用される水素ステーション1の運用管理装置3の構成を示すブロック図である。運用管理装置3内には、移動体8からの水素要求を受け付ける水素要求受付受発信部21があり、リフォーマ2の能力・仕様データ23が入力されており、移動体8からの水素要求の予約状況は水素要求予約テーブル22にまとめて記録されている。水素要求予約テーブル22には、予約済みの全移動体8の現在位置、燃料残留量、到着予定時刻が随時入力されている。水素要求予約テーブル22の予約量から、水素製造必要量を水素製造量演算部24で計算する。運用管理装置3は、移動体8の到着予定時刻に合わせて、リフォーマ2の運転負荷を調整し、最適管理するとともに、新規の水素要求に対応して水素の製造計画を修正する。 【0011】図3は、本発明に使用される水素ステーション1の運用管理装置3の水素要求受付及び水素製造指示の処理手順を示すフロー図である。まず、新規の水素要求が移動体8から入ると(ステップ31)、水素要求予約テーブル22に修正が加えられ、水素製造量の演算(ステップ32)を行う。この演算値と、あらかじめ入力されているリフォーマ2の水素製造能力との照合(ステップ33)が行われ、その能力を超える場合は、水素要求の拒否が出される(ステップ34)。水素要求を行った移動体8へ、要求拒否の連絡が水素要求受付受発信部21よりなされる。その能力範囲内である場合は、水素製造量の見直しが行われ、水素製造管理装置4に新しい演算値に基づく水素製造指示がなされる(ステップ35)。 【0012】図4は、本発明に使用される車載用ナビゲーションシステム7の構成を示すブロック図である。図4において、平均燃料消費量記録装置41は磁気記録装置などの書き込み可能な記録媒体によるもので、過去に走行した走行距離、道路種類、燃料消費量をもとに計算された、道路の種類ごとの走行距離に対する平均燃料消費量を記録している。水素残留センサ42は、水素タンク内の水素残量を検知する。入力装置43は、マウスやトラックボール等のポインティングデバイスによるもので、目的地、経由地を移動体8の利用者が入力するためのものである。 【0013】燃料補給地点計算装置44は、平均燃料消費量記録装置41から得られる平均燃料消費量と水素残留センサ42から得られる水素残量と入力装置43より入力された情報をもとに全体の経路を決定し、経路上において燃料残量が一定値以下になる地点を計算するものである。水素ステーション検索装置45は、燃料補給地点計算装置44で計算された燃料補給地点付近にある水素ステーション1を経路上から検索する。地図表示装置46は、液晶またはCRTによるもので、燃料補給地点計算装置44で計算された燃料補給地点付近の経路地図と水素ステーション検索装置45で検索された水素ステーション1の位置を表示する。ナビゲーション装置7のための地図データベース47はCD−ROMなどの記録媒体に格納されている。現在位置演算部48は、現在位置を特定する機能を有する。 【0014】図5に、燃料補給地点検索機能が使用される際の処理手順を示す。移動体8の利用者は、図4の入力装置43により目的地、経由地を入力する(ステップ51)。入力された目的地、経由地と、現在位置演算部48により特定される現在位置から、燃料補給地点計算装置44により経路を求め、燃料補給地点を計算する(ステップ52)。水素ステーション検索装置45により燃料補給地点から一定の距離範囲にある水素ステーション1を全て検索する(ステップ53)。地図表示装置46に燃料補給地点付近の地図を表示し、その地図上で水素ステーション1を点滅表示させる(ステップ54)。 【0015】図6は、燃料補給地点計算装置44における補給地点を計算する処理手順を示したものである。現在位置から、図4の入力装置43により入力された経由地を通過し、目的地へ達する最短の走行予定経路を検索する(ステップ61)。その走行予定経路上にある道路の種類と長さの情報を図4の地図データベース47より取り出し、道路の種類及び長さのデータと、図4の平均燃料消費量記録装置41から得られる道路の種類ごとの平均燃料消費量をもとに走行予定経路上の一定距離地点ごとにおける燃料の消費量を計算する(ステップ62)。この結果と、水素残量センサ42から得られる現在の水素残量をもとに、走行予定径路上で水素の量が一定量以下になる地点を割り出す(ステップ63)。 【0016】水素要求の予約状況、移動体8の運行状況の変動等により、特定の水素ステーション1に対する要求水素量がその設備能力を上回った場合は、その水素ステーション1の運用管理装置3と、隣接する水素ステーション1の運用管理装置3、及び移動体8のナビゲーション装置7との情報交換により、変更可能な予約を代替水素ステーション1の予約に変更する。変更連絡を受けた、移動体8のナビゲーション装置7は、移動体8の利用者に水素ステーション1の変更を通知するとともに、GPSで誘導する。変更連絡を受けた隣接する水素ステーション1の運用管理装置3は、リフォーマ2の運転計画を変更し、計画を水素製造管理装置4に伝達する。 【0017】 【発明の効果】請求項1の発明によれば、移動体のナビゲーションシステムと水素ステーションの運用管理装置及び水素製造管理装置を組み合わせ、これらの相互間でデータの送受信を行うことで、移動体の利用者がナビゲーションシステムに水素要求を入力することによってリフォーマ設置水素ステーションは、水素を効率よく製造することが可能であり、その結果、移動体への水素供給が安定して供給できる。 【0018】請求項2の発明では、水素ステーションのリフォーマの水素製造能力、運用状況を考慮して、他の水素ステーションの運用状況を把握して、相互に連携を取ることにより、水素要求が1つの水素ステーションに集中することなく移動体にスムーズに水素を供給できる。 【0019】請求項3の発明では、単なる燃料予約システムとは異なり、移動体通信システムと常時連携を取った水素ステーションの運用管理システムにより、リアルタイムで移動体の動きを把握しつつ、水素製造計画を逐次見直すとともに、移動体の運行計画の変更にも柔軟に対応可能なシステムを構成できる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000000974 【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
|
| 【出願日】 |
平成13年4月13日(2001.4.13) |
| 【代理人】 |
|
| 【公開番号】 |
特開2002−315111(P2002−315111A) |
| 【公開日】 |
平成14年10月25日(2002.10.25) |
| 【出願番号】 |
特願2001−114978(P2001−114978) |
|